JP4218880B2 - エッジセンサの診断方法および診断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エッジセンサの汚れや外乱光に起因する検出精度の劣化を、その計測中に簡易に診断することのできるエッジセンサの診断方法および診断装置に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
物体のエッジ位置を光学的に検出するエッジ位置検出の手法には、概略的には受光器による受光量の変化から物体のエッジ位置を求める光量方式と、上記物体のエッジにおける回折パターンを解析して前記物体のエッジ位置を求める回折パターン解析方式とがある。ちなみに光量方式は、物体が存在しないときの受光器による全受光量と、物体により前記受光器への入射光の一部を遮ったときの受光量との比から前記物体のエッジ位置を求めるものである。また回折パターン解析方式は、複数の受光セルを所定のピッチで配列したCCD等のラインセンサを用い、平行光の物体におけるエッジでのフレネル回折に起因して生じる前記ラインセンサの受光面上での受光パターンを解析し、光強度が相対値で[0.25]となる位置をエッジ位置として求めるものである(例えば特許文献1を参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−247726号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上述した光量方式または回折パターン解析方式を用いてエッジ位置検出を行っている際、外乱光が入り込むとその検出精度が損なわれることが否めない。また受光器やラインセンサの受光面が埃等によって汚れた場合にも、その検出精度が損なわれることが否めない。この場合には、誤ったエッジ検出結果が求められることになる。
【0005】
そこで従来では専ら、エッジ検出の実行に先立って、その検出対象領域に物体(エッジ)が存在しない状態を設定し、そのときの受光器による全受光量やラインセンサによる受光パターンを診断するようにしている(診断モード)。具体的には受光器による全受光量がその初期値に比較して増えているか、或いは減っているかを判定し、これによってその測定環境に外乱光が含まれるか、或いはその受光面が汚れているかを診断している。またラインセンサによる受光パターンが一様であるか否かを判定することで、その受光面に局部的な汚れがあるか、或いはスポット的な外乱光が含まれるか否かを診断している。しかしこのような診断モードを設定してエッジ位置の検出信頼性を診断することは非常に煩わしい。
【0006】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、エッジ位置の検出動作中にその検出信頼性を容易に診断し、異常が認められた場合には速やかに警告を発することのできるエッジセンサの診断方法および診断装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するべく本発明に係るエッジセンサの診断方法は、複数の受光セルを所定のピッチで配列した受光面を備えたラインセンサを用いて、その受光面に入射する光を遮る遮蔽体の前記受光セルの配列方向におけるエッジ位置を検出するに際して、
前記複数の受光セルがそれぞれ出力する各受光セルでの受光量を求め、前記複数の受光セルの各出力から遮蔽体のエッジに生じたフレネル回折に起因する前記ラインセンサの受光面上における受光パターンを解析して前記遮蔽体のエッジ位置を検出すると共に、予め前記遮蔽体が存在しないときに求められた前記複数の受光セルの各出力の総和と、前記受光パターンの解析に用いられた前記複数の受光セルの各出力の総和とに基づいてその受光量から前記遮蔽体のエッジ位置を検出し、
これらの検出されたエッジ位置の差が所定の閾値よりも大であって、前記受光パターンを解析して求めたエッジ位置に比較して受光量から求めたエッジ位置が小さい場合には、前記受光セルの受光面が汚れており、前記受光量から求めたエッジ位置が大きい場合には外乱光が混入していると判断することを特徴としている。
【0008】
具体的には受光パターンを解析して求められるエッジ位置Xccdと、全受光量から求められるエッジ位置Xoptとを比較し、例えば[Xccd>Xopt]の場合にはラインセンサの受光面が汚れている、また[Xccd<Xopt]の場合には外乱光が含まれる等として診断して警告を発し、その差が所定の許容誤差範囲内で[Xccd≒Xopt]と認められる場合にだけ前記受光パターンを解析して求められるエッジ位置Xccdを出力することを特徴としている。
【0009】
また本発明に係るエッジセンサの診断装置は、
<1> 受光量を出力する複数の受光セルを所定のピッチで配列した受光面を備えたCCD等のラインセンサと、
<2> このラインセンサの受光面への入射光を遮る遮蔽体の前記受光セルの配列方向におけるエッジに生じたフレネル回折に起因する前記ラインセンサの受光面上における受光パターンを解析して上記遮蔽体のエッジ位置を検出する第1のエッジ位置検出手段と、
<3> 予め前記遮蔽体が存在しないときに求められた前記ラインセンサによる全受光量と前記第1のエッジ位置検出手段による前記受光パターンの解析に用いられた前記ラインセンサの出力の総和として求められる前記ラインセンサの全受光量との比に基づいて前記遮蔽体のエッジ位置を検出する第2のエッジ位置検出手段と、
<4> 上記第1および第2のエッジ位置検出手段にてそれぞれ検出されたエッジ位置の差が所定の閾値よりも大であって、前記受光パターンを解析して求めたエッジ位置に比較して受光量から求めたエッジ位置が小さい場合には、前記受光セルの受光面が汚れており、前記受光量から求めたエッジ位置が大きい場合には外乱光が混入していると判断する診断手段と
を備えたことを特徴としている。
【0010】
ちなみに前記診断手段は、前記第1および第2のエッジ位置検出手段にてそれぞれ検出されたエッジ位置の差が所定の判定閾値に満たないとき、前記エッジ位置が正確に検出されていると判断するように構成される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係るエッジセンサの診断方法と、この診断方法を実施する診断装置について説明する。
図1は実施形態に係る診断装置の概略構成図で、1は所定の光線束幅の単色平行光(レーザ光)を射出する投光器であり、2はこの投光器1に対峙して設けられて上記単色平行光を受光するラインセンサである。ラインセンサ2は、例えば85μm×77μmの受光面を備えた102個の受光セルを85μmのピッチで配列したCCDからなる。ちなみにこのラインセンサ2の受光面の大きさが長辺8.7mm×短辺0.08mmである場合、上記単色平行光線束の断面形状の大きさは、例えば長辺9mm×短辺3mm程度に設定される。
【0012】
このような投光器1とラインセンサ2とを備えたエッジセンサは、投光器1から射出された単色平行光の光路内に侵入した検出対象物(遮蔽物)3により上記単色平行光の一部が遮られたとき、後述するように前記ラインセンサ2による全受光量の変化から、或いは検出対象物3のエッジ位置で生じる単色平行光のフレネル回折に起因する前記ラインセンサ2の受光面での受光パターンから前記ラインセンサ2の受光セルの配列方向における前記検出対象物3のエッジ位置を検出するように構成される。
【0013】
概略的にはエッジセンサは、前記ラインセンサ2の出力を取り込んで受光セルの配列方向における受光パターンを求める受光パターン検出部4と、上記各受光セルでの受光量を加算してその総受光量を、つまりラインセンサ2による全受光量を求める受光量検出部5とを備える。この受光パターンの検出処理と全受光量の検出処理とは、例えば並列に実行される。そして第1のエッジ位置検出部(エッジ位置検出手段)6は、後述するように前記受光パターン検出部4において求められた前記ラインセンサ2の受光面上での受光パターンを解析し、その受光強度が相対値で[0.25]となる位置を前記検出対象物3のエッジ位置として検出している。また第2のエッジ位置検出部(エッジ位置検出手段)7は、前記受光量検出部5において求められた全受光量Aoptと、予め前記光路内に検出対象物を介在させない状態において初期値として求められている前記ラインセンサ2による全受光量Afullとの比[Aopt/Afull]を求め、この比に従って前記検出対象物3のエッジ位置を検出している。
【0014】
一方、エッジセンサの診断手段である比較判定部8は、上述した如く第1および第2のエッジ位置検出部6,7においてそれぞれ検出されたエッジ位置を相互に比較し、更にその差の大きさを判定することで、前記ラインセンサ2によるエッジ位置の検出が信頼性良く行われているか否かを判定している。そして上記エッジ位置の差が所定の判定閾値よりも大きい場合には、警告手段9を介してエッジ位置の検出結果が大きな誤差を含む旨の警告を発するものとなっている。
【0015】
ところでフレネル回折を生じた受光パターンに基づくエッジ位置検出について簡単に説明すると、上記フレネル回折を生じた受光パターンの光強度分布は、図2に示すようにエッジ位置近傍で急峻に立ち上がり、エッジ位置から離れるに従って振動しながら収束する。このような光強度分布の特性は、単色平行光の波長をλ、検査対象物3のエッジから受光面までの距離をz、受光面上でのエッジ位置を[x=0]としたとき、∫を[x=0]から[(2/λz)1/2・x]までの積分を示す演算記号として
光強度 = (1/2){[1/2+S(x)]2+[1/2+C(x)]2
S(x) =∫sin(π/2)・U2dU
C(x) =∫cos(π/2)・U2dU
として表される。但し、Uは仮の変数である。そしてエッジがない場合の受光面上での光強度を[1.00]とした場合、エッジ位置[x=0]における光強度(相対値)は[0.25]となる。従って前記受光パターンにおいて光強度が[0.25]となる位置xを検出すれば、これによってエッジ位置xを求めることができる。
【0016】
尚、上記関数S(x),C(x)については、専ら数学公式集に示されるように、フレネル関数を用いることで
S(x)’≒(1/2)−(1/πx)cos(πx2/2)
C(x)’≒(1/2)+(1/πx)sin(πx2/2)
としてそれぞれ近似することができる。従って基本的には上記近似式S(x)’,C(x)’を用いることにより、前記ラインセンサ2の各受光セルによる受光強度から前述したエッジ位置xを計算することができる。
【0017】
しかしながら上述したフレネル関数の近似式を用いた場合、光強度分布の最初の立ち上がり部分(1山目)における誤差が無視できない言う問題がある。この点、本発明者は先に光強度分布の最初の立ち上がり部分(1山目)だけに着目した場合、ハイパボリックセカンド関数sech(x)を用いれば、その最初の立ち上がり部分(1山目)の特性を非常に高精度(3桁程度の精度)に近似し得ることを見出した。
【0018】
このハイパボリックセカンド関数sech(x)を用いて近似される光強度は、
光強度 =1.37・sech{1.98(2/λz)1/2x−2.39}
として示される。そしてその逆関数を計算すると、
Y=(y/1.37), X=1.98(2/λz)1/2
とおいて、
X=2.39−ln{[1+(1−Y2)1/2]/Y}
として表すことができる。
【0019】
このようなハイパボリックセカンド関数sech(x)を用いることにより、前記第1のエッジ位置検出部6においては、例えば次のようにして簡単に、しかも高精度にエッジ位置を検出することができる。即ち、先ずラインセンサ2における複数(m個)の受光セルから求められる正規化された各受光強度y1,y2,〜ymから、互いに隣接して前述した基準光強度[0.25]よりも大きい受光強度を得た受光セルCnと、上記基準光強度[0.25]よりも小さい受光強度を得た受光セルCn-1とをそれぞれ求める。つまり複数の受光セル1a(C1,C2,〜Cm)間のそれぞれにおいて受光強度が[0.25]を挟む互いに隣接する2つの受光セルCn,Cn-1を求める。
【0020】
次いでこれらの各受光セルCn,Cn-1の受光強度yn,yn-1を上述した係数[1.37]で除算してX-Y座標上での光強度Yn,Yn-1に変換する。しかる後、これらの各受光セルCn,Cn-1の受光強度Yn,Yn-1が得られる該受光セルCn,Cn-1の受光面上での位置Xn,Xn-1を、前述した近似式に従って
Xn=2.39−ln{[1+(1−Yn2)1/2]/Yn}
Xn-1=2.39−ln{[1+(1−Yn-12)1/2]/Yn-1}
として、それぞれ逆変換によりX軸上の相対位置を計算する。するとこれらの逆変換により計算された位置Xn,Xn-1から、図3にその概念を示すように受光セルCnの位置と、受光強度が[0.25]となるエッジ位置との差Δxを
Δx=W・[Xn/(Xn−Xn-1)]
なる補間演算により容易に求めることができる。尚、上記差Δxは、受光強度が[0.25]となるエッジ位置xoから受光セルCnの位置までの距離であるので、ラインセンサ1の受光面全体において1番目の受光セルC1から測ったときの絶対位置xについては、nを光量Y2を得た受光セル1aのセル番号、受光セル1aの配列ピッチをWとしたとき
x=n・W−Δx
として求めるようにすれば良い。ちなみに上記逆変換において求められる相対位置Xn,Xn-1は、
X=1.98(2/λz)1/2
として示されるように[1.98(2/λz)1/2]倍された値である。しかし上記補間演算で比をとることにより実質的に上述した項が削除されるので、その計算処理の簡素化を図ることができる。
【0021】
尚、ここでは隣接する受光セル1a間で光強度が[0.25]となる位置を見出し、その位置をセル境界とする2つの受光セルCn,Cn-1を特定したが、単に上記位置を挟む2つ以上の受光セルを特定しても良い。但し、この場合には必ず前述した近似式を用いて補間演算を行うことで、その演算精度の低下を防止するようにすれば良い。また上述した逆変換については、例えば予めその計算値を記憶したテーブルを用いることで、その演算処理負担を大幅に軽減して瞬時に実行することが可能である。
【0022】
ここで前述した比較判定部8における診断処理について説明する。先に述べたように第1のエッジ位置検出部6は、フレネル回折による受光パターンにおける相対強度が[0.25]となる位置としてエッジ位置を高精度に検出しており、また第2のエッジ位置検出部7は、そのときの全受光量と遮蔽物3を介在させないときの(エッジがないときの)初期時における全受光量との比に基づいてエッジ位置を検出している。ここで第1のエッジ位置検出部6にて検出されたエッジ位置をXccd、第2のエッジ位置検出部7にて検出されたエッジ位置をXoptとすると、比較判定部8は基本的には上記エッジ位置Xccdとエッジ位置Xoptとを相互に比較し、その差[Xccd−Xopt]の絶対値を所定の判定閾値(許容誤差)と照合している。そして上記差[Xccd−Xopt]の絶対値が判定閾値(許容誤差)以下である場合、前述した如く求められたエッジ位置Xccd(またはエッジ位置Xopt)が、十分に信頼性の高い条件下で求められた高精度なものであると診断(判断)している。
【0023】
しかし上記差[Xccd−Xopt]の絶対値が所定の判定閾値(許容誤差)を越える場合には、比較判定部8は、例えばラインセンサ2に外乱光が混入している、或いはラインセンサ2の受光面が汚れている等として、その検出結果が大きな誤差を含む信頼性の乏しいものであると診断している。
即ち、ラインセンサ2の受光面に汚れがなく、且つ外乱光が存在しない場合にのラインセンサ2の受光面における受光パターンは、前述した図2に示す光強度分布の特性となり、ラインセンサ2の各受光セルでの受光強度は図4(a)に示すようになる。この場合、例えば光の波長λを670nm,エッジと受光面との距離を300mmとし、エッジ位置をラインセンサ2の端部から4335μmに位置付けて実験したところ、第1のエッジ位置検出部6にて検出されるエッジ位置Xccd、および第2のエッジ位置検出部7にて検出されるエッジ位置Xoptは、共に4335μmとして求められた。
【0024】
しかしラインセンサ2の一部に、例えば70〜75セルに汚れが有り、当該セルの受光量が図4(b)に示すように低下している場合には、例えば第1のエッジ位置検出部6にて検出されるエッジ位置Xccdは4335μmとして求められるものの、第2のエッジ位置検出部7にて検出されるエッジ位置Xoptが4284μmとして求められ、その差が51μmも生じる。
【0025】
一方、ラインセンサ2の一部に、例えば70〜75セルに外乱光が当たっており、当該セルの受光量が図4(c)に示すように増加している場合には、例えば第1のエッジ位置検出部6にて検出されるエッジ位置Xccdは4335μmとして求められるものの、第2のエッジ位置検出部7にて検出されるエッジ位置Xoptが4386μmとして求められ、その差が−51μmも生じる。
【0026】
これらの原因は、第1のエッジ位置検出部6がフレネル回折を生じた受光パターンの立ち上がりの特性だけに着目してそのエッジ位置を高精度に検出しているのに対し、第2のエッジ位置検出部7においては各受光セルでの受光強度を積分して求められる全受光量に着目しており、その全受光量が上述した70〜75セルの汚れの分だけ低下していること、或いはその全受光量が上述した70〜75セルに入り込んだ外乱光の分だけ増加していることによる。
【0027】
従って汚れや外乱光が混入したセル領域がエッジ位置近傍を外れており、フレネル回折によるエッジ位置検出が正確に行われているとするならば、光量方式にて検出されたエッジ位置が小さい場合には、光を受光している受光セルのいずれかの表面が汚れていると診断することができる。逆に光量方式にて検出されたエッジ位置が大きい場合には、光を受光している受光セルのいずれかに外乱光が混入していると診断することができる。
【0028】
これに対してラインセンサ2の受光面全体に一様に外乱光が当たっている場合には、図5(a)に示すようにその受光レベルがほぼ一様に高くなる。この場合、第1および第2のエッジ位置検出部6,7によりそれぞれ検出されるエッジ位置Xccd,Xoptは受光レベルが一様に高い分だけそれぞれ大きくなる。しかし第1のエッジ位置検出部6はフレネル回折を生じた受光パターンの立ち上がりの特性にだけ着目してエッジ位置を検出しているので、その変化の度合いは小さく、これに対して第2のエッジ位置検出部7は全受光量を判定しているので、その変化の度合いが大きくなる。この結果、図5(a)に示す例においては、エッジ位置Xccdは4420μmとして求められ、またエッジ位置Xoptは5202μmとして求められる。そしてその差は、−782μmにも達する。
【0029】
逆にラインセンサ2の受光面全体が一様に汚れている場合には、図5(b)に示すようにその受光レベルがほぼ一様に低くなる。そしてこの場合、第1および第2のエッジ位置検出部6,7によりそれぞれ検出されるエッジ位置Xccd,Xoptは、受光レベルが一様に低い分だけそれぞれ小さくなる。しかしこの場合においても、第1のエッジ位置検出部6はフレネル回折を生じた受光パターンの立ち上がりの特性にだけ着目してエッジ位置を検出しているので、その変化の度合いは小さく、これに対して第2のエッジ位置検出部7は全受光量を判定しているのでその変化の度合いが大きくなる。この結果、図5(b)に示す例においては、エッジ位置Xccdは4279μmとして求められ、またエッジ位置Xoptは3468μmとして求められる。そしてその差は、811μmにも達する。
【0030】
このようにラインセンサ2の受光面が一様に汚れている場合や、ラインセンサ2の受光面に一様に外乱光が当たるような場合、これによって第1のエッジ位置検出部6によるエッジ位置検出結果Xccdにずれが生じるものの、第2のエッジ位置検出部7によるエッジ位置検出結果Xoptに非常に大きなずれが生じる。従って上述した如く検出されるエッジ位置Xccdとエッジ位置Xoptの差を求めたとき、その差が非常に大きいならば、ラインセンサ2の受光面が一様に汚れている、或いはラインセンサ2の受光面に一様に外乱光が混入しており、その計測値は信頼することができないとして診断することが可能となる。
【0031】
またラインセンサ2の受光面が一様に汚れており、これによって生じる全体的な受光量の低下に対するエッジ位置の検出誤差について調べて見たところ、次のような結果が得られた。但し、次表は受光量が100%であるときの検出誤差を0とし、エッジと受光面との距離WDが300mmである場合と100mmである場合とにおいて、受光量の低下に伴う検出位置の誤差をその単位を[μm]として表したものである。
【0032】
【表1】
Figure 0004218880
【0033】
この表1に示されるようにラインセンサ2の受光面が一様に汚れてその受光量が減少したとき、受光量方式によるエッジ検出においては大きな誤差を生じる。しかし回折パターン解析方式によるエッジ検出においては、上述した受光量方式に比較して、その誤差を十分に小さく抑えることができる。このような検出誤差の違いは、回折パターン解析方式が、フレネル回折を生じた受光パターンの立ち上がりの特性だけに着目してそのエッジ位置を検出しており、全体的な受光量の変化に大きく左右されないことによる。
【0034】
従ってこのような回折パターン解析方式(第1のエッジ位置検出部6)によるエッジ位置検出と、受光量方式(第2のエッジ位置検出部7)によるエッジ位置検出の検出精度に着目すれば、前述したようにこれらの計測値Xccd,Xoptを相互に比較し、その差の大きさを判定すれば、ラインセンサ2による受光状態を効果的に判定(診断)することが可能となる。特にラインセンサ2を用いたエッジ検出処理の実行中に、同時にその診断を行うことが可能となる。
【0035】
図6はこの診断処理の一形態を示す処理アルゴリズムを示している。この処理は、先ずエッジセンサを初期設定(調整)することから開始される。この処理器設定は、投光器1とラインセンサ2との間に遮蔽物(エッジ)3を介在させることなく、投光器1から発せられた単色平行光をラインセンサ2の全受光面で受光するように初期設定し、そのときのラインセンサ2における受光パターンAi(i=1,2,〜102)を求めることから開始される《ステップS1》。そして上記ラインセンサ2の各受光セルでの受光量を積分してその全受光量Sfullを[ΣAi]として求める《ステップS2》。更に各受光セルの受光量がそれぞれ[1]となるように、その正規化パラメータNi(i=1,2,〜102)を[Ni=1/Ai]として求める《ステップS3》。
【0036】
以上の初期化処理を終えたならば、投光器1とラインセンサ2との間に遮蔽物(エッジ)3を介在させてそのエッジ検出処理を実行する。具体的には先ずエッジを入れたときの受光パターンYi(i=1,2,〜102)を求め《ステップS4》、この受光パターンYiを前述した正規化パラメータNiを用いて正規化する《ステップS5》。しかる後、正規化した受光パターンに従い、受光量が[0.25]となる点を挟む2点y1,y2を探し、点y2を含む受光セルの番号nを求める《ステップS6》。
【0037】
次いで逆フレネル関数X
X=2.39−ln{[1+(1−Yn2)1/2]/Yn}
を用い、上記2点y1,y2をそれぞれX軸に逆写像して、位置X1,X2を求める《ステップS7》。そして逆写像した位置位置X1,X2から補間処理を行い、nセル目の中心からエッジ位置までの距離を求め、セル間のピッチを85μmとして
Xccd=85[n−X2/(x2−x1)]
なる計算によりエッジ位置を算出する《ステップS8》。
【0038】
一方、エッジを入れたときの受光量の合計値Sを求め《ステップS9》、前述したエッジを入れないときの全受光量との比を[S/Sfull]として求める。そしてこの比[S/Sfull]に従って、例えば
Xopt=8670×[S/Sfull]
としてエッジ位置を計算する《ステップS10》。但し、上記[8670]は、85μmのピッチで102個の受光セルを配列したラインセンサ2の全体の長さである。
【0039】
しかる後、上述した回折パターンから求められるエッジ位置Xccd光量から求められるとエッジ位置Xoptとの差[Xccd−Xopt]を求め《ステップS11》、その差が予め設定された閾値Emin,Emaxの範囲内にあるか否かを判定する《ステップS12》。そして
Emin<[Xccd−Xopt]<Emax
であるならば、その測定結果が正しいと判定してその測定結果を出力する《ステップS13》。しかし上記判定条件が満たされていない場合には、その測定結果が大きな誤差を含むとして警告を発する。
【0040】
この際、前述した考察に基づき、外乱光による異常の発生であるか、汚れによる異常の発生であるかを示す情報を合わせて出力することも勿論可能である。またこのような異常が検出された場合、異常値をそのまま出力することに代えて、それまでの正しい測定結果を異常が解除されるまで保持して出力することも好ましい。
【0041】
かくしてこのようにしてエッジセンサの動作態様を診断する診断装置および診断方法によれば、ラインセンサ2を用いて遮蔽物3のエッジ位置を検出しながらリアルタイムにその良否を判断することができる。特に従来のように、その都度、診断モードを設定してラインセンサ2による受光状態を診断しなくても、計測データそのものを用いながら診断処理を実行することができる。従ってその診断自体をリアルタイムに簡易に行うことができ、しかもその計測信頼性を十分に高めることが可能となる等の実用上だ大なる効果が奏せられる。
【0042】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えばラインセンサ2の仕様等は、その計測対象に応じて変更可能なものであり、診断結果の出力形態も特に限定されない。またエッジ位置Xccd,Xoptの差の経時的な変化や、受光量の経時的な変化を調べて汚れの具合等を診断することも勿論可能である。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、簡易にして効果的にエッジセンサの異常な検出態様を診断することができる。しかも回折パターン解析方式によるエッジ位置検出を行いながら、受光パターンの積分値(総和)から全受光量を求めてエッジ位置を検出し、このエッジ位置とフレネル回折パターンから求められるエッジ位置とを比較するだけで、その診断を効率的に行うことができるので、その診断処理負担も軽いと言う効果が奏せられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る診断方法を適用したエッジセンサの診断装置の全体的な概略構成図。
【図2】フレネル回折に起因する受光パターンを示す図。
【図3】回折パターン解析方式によるエッジ位置検出の一例を説明するための図。
【図4】正常時、受光セルの一部に汚れがあるとき、および受光セルの一部に外乱光が入ったときのそれぞれにおけるラインセンサの受光パターンの例を示す図。
【図5】ラインセンサに一様に外乱光が当たったとき、およびラインセンサの受光面が一様に汚れているときのラインセンサの受光パターンの例を示す図。
【図6】エッジセンサの診断アルゴリズムの例を示す図。
【符号の説明】
1 投光器
2 ラインセンサ
3 遮蔽物(エッジ)
4 受光パターン検出部
5 受光量検出部
6 第1のエッジ位置検出部
7 第2のエッジ位置検出部
8 比較判定部(診断機能)
9 警告手段

Claims (3)

  1. 複数の受光セルを所定のピッチで配列した受光面を備え、この受光面に入射する光を遮る遮蔽体の前記受光セルの配列方向におけるエッジ位置を検出するエッジセンサの診断方法であって、
    前記複数の受光セルがそれぞれ出力する各受光セルでの受光量を求め、前記複数の受光セルの各出力から遮蔽体のエッジに生じたフレネル回折に起因する前記受光面上における受光パターンを解析して前記遮蔽体のエッジ位置を検出すると共に、予め前記遮蔽体が存在しないときに求められた前記複数の受光セルの各出力の総和と、前記受光パターンの解析に用いられた前記複数の受光セルの各出力の総和とに基づいてその受光量から前記遮蔽体のエッジ位置を検出し、
    これらの検出されたエッジ位置の差が所定の閾値よりも大であって、前記受光パターンを解析して求めたエッジ位置に比較して受光量から求めたエッジ位置が小さい場合には、前記受光セルの受光面が汚れており、前記受光量から求めたエッジ位置が大きい場合には外乱光が混入していると判断することを特徴とするエッジセンサの診断方法。
  2. 受光量を出力する複数の受光セルを所定のピッチで配列した受光面を備えたラインセンサと、
    このラインセンサの受光面への入射光を遮る遮蔽体の前記受光セルの配列方向におけるエッジに生じたフレネル回折に起因する前記ラインセンサの受光面上における受光パターンを解析して上記遮蔽体のエッジ位置を検出する第1のエッジ位置検出手段と、
    予め前記遮蔽体が存在しないときに求められた前記ラインセンサによる全受光量と前記第1のエッジ位置検出手段による前記受光パターンの解析に用いられた前記ラインセンサの出力の総和として求められる前記ラインセンサの全受光量との比に基づいて前記遮蔽体のエッジ位置を検出する第2のエッジ位置検出手段と、
    上記第1および第2のエッジ位置検出手段にてそれぞれ検出されたエッジ位置の差が所定の閾値よりも大であって、前記受光パターンを解析して求めたエッジ位置に比較して受光量から求めたエッジ位置が小さい場合には、前記受光セルの受光面が汚れており、前記受光量から求めたエッジ位置が大きい場合には外乱光が混入していると判断する診断手段と
    を具備したことを特徴とするエッジセンサの診断装置。
  3. 前記診断手段は、前記第1および第2のエッジ位置検出手段にてそれぞれ検出されたエッジ位置の差が所定の判定閾値に満たないとき、前記エッジ位置が正確に検出されていると判断するものである請求項2に記載のエッジセンサの診断装置。
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