JP2003232718A - 粒径分布測定装置 - Google Patents

粒径分布測定装置

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JP2003232718A JP2002029978A JP2002029978A JP2003232718A JP 2003232718 A JP2003232718 A JP 2003232718A JP 2002029978 A JP2002029978 A JP 2002029978A JP 2002029978 A JP2002029978 A JP 2002029978A JP 2003232718 A JP2003232718 A JP 2003232718A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 測定対象試料の粒径分布測定に用いる条
件として設定した値が、測定した資料に対して最適かど
うかを的確に判断できるようにした粒径分布測定装置を
提供する。 【解決手段】 測定対象試料Sにレーザ光Lを照射する
ことによって生ずる散乱光Lsを所定の角度毎に検出す
る複数の検出器5を備え、各検出器からの出力データD
aに基づいて、測定対象試料Sの粒径分布Dcを求める
粒径分布測定装置1であって、求められた粒径分布Dc
から各検出器5の出力データDdを逆算し、各検出器5
によって検出された出力データDaと逆算によって算出
された各検出器5の出力データDd(Dd0 ,Dd+5
Dd-5)との一致度De(De0,De+5,De-5)の
分布を妥当性情報として同一画面上に表示する妥当性表
示機能を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ回折/散乱
式の粒径分布測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、粒径分布測定装置で粒径分布
を演算する際、測定対象試料に光を照射することによっ
て生ずる回折光および/または散乱光の強度分布を測定
対象試料の周囲に配置された複数の検出器によって検出
し、各検出器の検出値(出力データ)に基づいて、測定
対象試料の粒径分布を解析する演算処理を行なってい
た。
【0003】また、例えばレーザ回折散乱式粒径分布測
定装置では、前記粒径分布を解析する演算処理に際し
て、装置使用者が測定対象試料の屈折率や、繰り返し演
算を行なう反復回数などのパラメータを各種条件として
設定することが求められる。そして、選んだ条件が最適
であったかどうかを判断するための数値としては、カイ
2乗や一致度自乗の値を用いていた。
【0004】つまり、装置使用者が設定した条件に従っ
た粒径分布の解析を行った後に、各検出器の出力データ
と、求められた粒径分布から逆算して算出した出力デー
タとの間で、カイ2乗、一致度自乗、絶対値などの総和
を演算して表示し、これらを歪み量として求めて、その
数値が最小になる条件を前記各種条件についての最適条
件としていた。
【0005】図6は従来の粒径分布測定装置において、
粒径分布測定を終了した時点で生じされるダイアログウ
ィンドウWdの例を示している。このダイアログウィン
ドウWdの最下端に表示されている「カイ2乗」および
「一致度Rパラメータ」が前記歪み量を示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図6に
示されるような歪み量だけでは各散乱角に対応して設置
された全ての検出器の検出値(出力データ)が、選ばれ
た条件について逆算して算出された出力データと比して
部分的にどの程度一致しているかを判断することができ
なかった。各検出器の検出値が部分的にずれる場合は、
屈折率や反復回数の設定値が測定対象試料に適合しない
場合があるため、従来の前記歪み量からは、測定対象試
料の粒径分布を測定するための条件として、屈折率や反
復回数などの設定された条件が適当であるかどうかを的
確に判断できない場合がある。
【0007】加えて、測定対象試料が未知試料である場
合には、その屈折率などの条件を幾らに設定する必要が
あるのかさえも分からない場合があり、このような場
合、前記歪み量だけに基づいて屈折率や反復回数の設定
値などの条件を設定しなおしても、条件が最適にならな
い場合があった。
【0008】例えば、特定の角度に配置された検出器が
汚れや経時変化などによって真の値とは異なる検出値を
出力しているために測定値に誤差が含まれている場合に
は、測定対象試料に適合していない屈折率などの条件
で、前記歪み量が最小となることがあり、このような場
合、誤差の含まれている粒径分布の測定値が最適な条件
の下で測定された測定結果として出力されることがあっ
た。
【0009】本発明は、上述の事柄を考慮に入れてなさ
れたものであって、その目的は、測定対象試料の粒径分
布測定に用いる条件として設定した値が、測定した資料
に対して最適かどうかを的確に判断できるようにした粒
径分布測定装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1発明の粒径分布測定装置は、測定対象試料に光
を照射することによって生ずる回折光および/または散
乱光を所定の角度毎に検出する複数の検出器を備え、各
検出器からの出力に基づいて、測定対象試料の粒径分布
を求める粒径分布測定装置であって、求められた粒径分
布から各検出器の出力データを逆算し、各検出器によっ
て検出された出力データと逆算によって算出された各検
出器の出力データとの一致度の分布を妥当性情報として
同一画面上に表示する妥当性表示機能を有することを特
徴としている。(請求項1)
【0011】したがって、装置使用者は前記一致度の分
布が示す妥当性情報を目で確認することにより各検出器
の出力データがどの程度測定結果に反映されているのか
を的確に判断でき、粒径分布測定に際して設定した種々
の条件が測定対象試料に適合しているかどうかを確認す
ることができる。すなわち、従来の歪み量のように一つ
の数値ではなく、測定点の全域にわたる各検出器に対応
した一致度の分布によって、選択している条件が測定結
果に適合しているかどうかが判断できるので、測定結果
の精度や信頼性が向上する。
【0012】また、特定の検出器の出力データに異常が
生じて、これが真の値からずれた検出値を出力している
場合には、この検出器に対応する部分の一致度だけにず
れが生じるので、この検出器の異常を容易に発見でき、
的確なメンテナンスを行うことができる。
【0013】第2発明の粒径分布測定装置は、測定対象
試料に光を照射することによって生ずる回折光および/
または散乱光を所定の角度毎に検出する複数の検出器を
備え、各検出器からの出力に基づいて、測定対象試料の
粒径分布を求める粒径分布測定装置であって、求められ
た粒径分布から各検出器の出力データを逆算し、各検出
器によって検出された出力データと逆算によって算出さ
れた各検出器の出力データの比または差に基づいた両デ
ータの一致度を妥当性情報として表示する妥当性表示機
能を有することを特徴としている。(請求項2)
【0014】したがって、前記妥当性情報を用いて各検
出器の出力データがどの程度測定結果に反映されている
のかを確認でき、粒径分布測定に際して設定した屈折率
や反復回数などの種々の条件が測定対象試料に適合して
いるかどうかを確認することができる。また、特定の検
出器が真の値からずれた検出値を出力している場合に
も、この検出器の異常を容易に発見でき的確なメンテナ
ンスを行うことができる。
【0015】前記算出された各検出器の出力データが、
粒径分布の算出に用いる条件を適宜に変えて逆算された
データである場合(請求項3)には、前記妥当性情報か
ら判断して最適な条件を定めることができる。すなわ
ち、例えば屈折率などの条件が未知である測定対象試料
の場合、前記妥当性情報を用いて検出器から実際に出力
されたデータと算出された出力データがほゞ一致するよ
うな条件を設定することにより、より正確な粒径分布測
定を行なうことができる。これは、特に粒径分布測定に
必要な条件が実測不可能である測定対象試料の粒径分布
を測定する場合に有用である。
【0016】前記妥当性情報の表示を、求められた粒径
分布の表示と同時に行なう場合(請求項4)には、粒径
分布測定に用いる条件を変更しながら、粒径分布の測定
値と妥当性情報の関係から、この測定対象試料を測定す
る場合の最適な条件を選定することができる。とりわ
け、前記条件が解析演算の反復回数に関する条件である
場合、各検出器の出力データに含まれるノイズの影響を
強く受けた解析演算を防ぐことができるので、妥当な範
囲で解析演算の反復を行なうことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の粒径分布測定装
置1の構成を概略的に示す図である。図1において、2
は測定対象試料Sを散乱した状態で封入するセル、3は
このセル2にレーザ光Lを照射する例えばHe−Neレ
ーザ管からなる光源、4はこのレーザ光Lの径を拡大す
るビーム拡大器、5は測定対象試料Sによって発生した
回折光および/または散乱光(以下、回折光も含めて散
乱光Lsと表現する)を検出する検出器、6はレーザ光
Lを検出器5に集光させるレンズである。
【0018】なお、以下の説明において区別を必要とす
るときには、レーザ光Lの進行方向に対して前方および
後方(小角および広角)に生じる散乱光Lsを符号Ls
1 およびLs2 で表わし、検出器5を符号5aおよび5
bで表わし、レンズ6を符号6aおよび6bで表わす。
また、本例においては検出器5aはリングディテクタで
あり、検出器5bは個々に配置された検出器5b1 〜5
4 である例を示しているが、本発明はこの点を限定す
るものではない。
【0019】さらに、リングディテクタ5aの各層およ
び各検出器5b1 〜5b4 にはそれぞれ異なるチャンネ
ルが付されており、検出器5は全体として各チャンネル
ごとに光量の検出値をそれぞれ出力する。したがって、
以下の説明においては各チャンネル毎の検出値を各検出
器5によるものとして表現する。
【0020】7は各検出器5によって検出される散乱光
Lsの強度を用いて測定対象粒子Sa(測定対象試料
S)の粒径分布を算出する演算処理装置であって、この
演算処理装置7は、記憶部8と、記憶部8に記憶された
プログラムおよびデータを用いて各検出器5によって検
出された散乱光Lsの強度を解析して測定対象試料Sの
粒径分布を求める処理部9とを有している。また、7a
は求められた粒径分布を表示する表示部である。
【0021】なお、本例の装置構成は以下の説明を容易
とするための一例を示すものであって、この構成に限定
するものではない。すなわち、例えばセル2の形状は箱
型であることを限定するものではなく円柱状であっても
よい。また、光源3,検出器5の配置や数、レンズ4,
6の位置や種類なども適宜に選択可能である。
【0022】前記記憶部8には、各検出器5の出力デー
タDaと、測定対象試料Sの粒径分布測定に用いる測定
パラメータとしての屈折率や解析演算の反復回数などの
各測定条件Dbと、前記出力データDaを各測定条件D
bに従って解析して求められる測定対象試料Sの粒径分
布Dcと、この粒径分布Dcから逆算して算出される各
検出器の出力データDdと、前記両出力データDa,D
dの一致度Deと、演算プログラムPとを記憶してい
る。
【0023】図2は前記演算プログラムPの動作の一例
を説明する図であり、図3は結果の表示画面の一例を示
す図である。以下、図1〜3を用いて本例の粒径分布測
定装置1の動作を説明する。
【0024】図2において、S1は粒径分布測定に先立
って測定条件を入力するステップである。すなわち、装
置使用者は測定対象試料Sの屈折率や粒径分布の解析演
算の反復回数などの前記測定条件Dbを設定し、これが
記録される。
【0025】本例では、測定対象試料Sの屈折率が不明
である場合を考慮し、ここでは、不明である測定対象試
料Sの屈折率を仮に1.3とし、この屈折率を5%増減
させた屈折率を試算するように、測定条件Dbを設定し
ているものとする。なお、本発明は屈折率が不明である
ことに限定するものでも、この屈折率を5%増減させる
ことに限定するものでもない。
【0026】S2は前記測定対象試料Sにレーザ光Lを
照射することによって生ずる散乱光Lsを所定の角度毎
に配置させた各検出器5によって検出するステップであ
る。このステップS2において出力データDaが記憶部
8に記録される。
【0027】S3は前記測定条件Dbに基づいて出力デ
ータDaを求める粒径分布Dcの解析演算を行なうステ
ップである。この粒径分布Dcは前記測定条件Dbに関
係付けて記憶部8に記録される。すなわち、本例の場合
は測定条件Dbに設定されている屈折率を1.3として
求めた粒径分布Dc0 (図3参照)と、この屈折率を±
5%したときの粒径分布Dc+5,Dc-5をそれぞれ求め
て、各粒径分布を屈折率の値に関連付けて記録する。
【0028】S4は求められた粒径分布Dcから各検出
器5の出力データDdを逆算するステップである。この
ステップS4においても前記測定条件Dbを適宜参照し
て出力データDdを算出し、これが記憶部8に記録され
る。また、図3に示すように、本例の場合は屈折率1.
3として求めた出力データDdを符号Dd0 、屈折率を
5%増減したときの出力データDdを符号Dd+5,Dd
-5によって表わす。
【0029】S5は前記両出力データDa,Ddを用い
て一致度Deを算出し、これを記憶部8に記憶するステ
ップである。なお、前記出力データDa,Ddおよび一
致度Deは少なくとも検出器5の粒径分布演算に用いる
チャンネルの数の数値からなり、一致度Deは各出力デ
ータDa,Ddの一致度Rを示すものである。
【0030】詳述すると、前記出力データDaのチャン
ネルIに対応する実測値をSm(I)、出力データDa
の同チャンネルに対応する数値をSc(I)とすると
き、一致度R(I)は以下の式(1)に示すように表わ
される。 R(I)=Sm(I)/Sc(I) … 式(1)
【0031】すなわち、本例における一致度Deは各検
出器5によって検出された出力データDaと、この出力
データDaおよび条件Dbを基に解析された粒径分布D
cから逆算によって算出された各検出器の出力データD
dの一致度を示しており、両出力データDa,Ddの比
に基づいた両データの一致度(残差を含む)を各チャン
ネル毎に示すものである。ここで、本発明における一致
度Deは両出力データDa,Ddの比に基づくものであ
るから、両出力データDa,Ddの各チャンネル毎の大
きさを考慮に入れた一致度を求めることになる。
【0032】しかしながら、前記一致度Deが示す一致
度Rは両出力データDa,Ddの比に基づくものに限ら
れる必要はなく、両出力データDa,Ddの差の絶対値
や、この差を2乗にして得られる値など、出力データD
a,Ddの差に基づく種々の方法で求めることも可能で
ある。
【0033】また、本例の場合は前記一致度Deについ
ても、屈折率が1.3である場合の一致度Deを符号D
0 で表わし、この屈折率を5%増減したときの一致度
Deを符号De+5,De-5によって表わす。
【0034】S6は両出力データDa,Dd、一致度D
e、および粒径分布Dcを図3に示すように前記表示部
7aに表示するステップである。なお、本例では両出力
データDa,Ddと一致度Deを、粒径分布Dcと同時
に表示することにより、測定条件によって両出力データ
Da,Ddの値にどの程度のズレが生じるかを、より一
層容易に判断することができると共に、このときの粒径
分布Dcを確認することができる。
【0035】図3において、W1 は検出器5から得られ
た出力データDaおよび設定した測定条件Dbに合わせ
て求めた粒径分布Dcから逆算して求められる出力デー
タDd(Dd0 ,Dd+5,Dd-5)を重ねて表示するビ
ューウィンドウ、W2 は一致度De(De0 ,De+5
De-5)を重ねて表示するビューウィンドウ、W3 は測
定条件Dbに合わせて求めた粒径分布Dc(Dc0 ,D
+5,Dc-5)を重ねて表示するビューウィンドウであ
る。
【0036】前記ビューウィンドウW1 ,W2 における
横方向は検出器5のチャンネルを示しており、ビューウ
ィンドウW1 ,W2 の縦方向は出力データDa,Dd,
Deの大きさを示している。一方、本例の場合一致度D
eを出力データDa,Ddの比から求めているので、ビ
ューウィンドウW2 の縦方向の中心線Cは1である。ま
た、ビューウィンドウW3 における横方向は粒子径を示
しており、縦方向は粒子の数を示している。
【0037】図3に示すように、ビューウィンドウW1
において、出力データDa,Dd0,Dd+5,Dd-5
重ねて表示することにより、各検出器5の実測した出力
データDaと逆算した出力データDdを容易に比較する
ことができる。例えば、検出器5の特定のチャンネルに
おいて汚れや故障などの異常が発生し、検出データDa
に不適当なノイズが重畳している場合には、そのチャン
ネルにおいて実測した出力データDaが逆算した出力デ
ータDdに対して大きく外れた値となるので、このチャ
ンネルの検出データが異常であることを容易に認識でき
る。
【0038】その他にも、屈折率などの測定条件Dbが
測定対象試料に適合していない場合には、出力データD
+5,Dd-5に示すように、実測した出力データDaと
逆算した出力データDd+5,Dd-5が一致しなくなる。
つまり、装置使用者は前記ビューウィンドウW1 を確認
することによって、測定条件Dbが適切であったかどう
かを目視によってより確実に知ることができる。
【0039】また、ビューウィンドウW2 には、一致度
De(De0 ,De+5,De-5)が前記式(1)に示す
ように、前記出力データDa,Dd(Dd0 ,Dd+5
Dd -5)の比によって表わされている。したがって、装
置使用者はビューウィンドウW2 を見るだけで、出力デ
ータDaの大きさに係わりなく、選択した屈折率などの
測定条件Dbが測定対象試料に適合しているかどうかを
容易に判断することができる。
【0040】すなわち、逆算によって求められた各チャ
ンネルIに対応する出力データDd〔Sc(I)〕が実
測した出力データDa〔Sm(I)〕と同じ値である場
合は、そのチャンネルの一致度De〔R(I)〕は1と
なり、中心線Cの位置に表示される。仮に、全てのチャ
ンネルIにおいて逆算した出力データDdが実測した出
力データDaと全く一致するなら、一致度Deは全て1
となり中心線Cに重なって表示されるが、実際には出力
データDaに少なくとも幾らかのノイズが入ることが避
けられないので、選択した屈折率などの測定条件Dbが
測定対象試料Sの特性に一致していればいるほど、一致
度Deは中心線Cの周りに小さな振幅でランダムに分布
する。
【0041】したがって、ビューウィンドウW2 に示す
例における一致度Deによれば、測定対象試料Sの屈折
率を1.3にした場合の一致度De0 が最も適当である
ことが分かる。他方、この屈折率を変動させた場合の一
致度De+5,De-5は中心線Cに対して大きい又は小さ
いので、適当でないことが分かる。
【0042】ビューウィンドウW3 には屈折率をそれぞ
れ変えたときの粒径分布Dc(Dc 0 ,Dc+5,D
-5)の演算結果が表示されているので、装置使用者は
粒径分布Dcを確認して、適当な測定条件Dbであった
かどうかを確認することができる。すなわち、本例では
屈折率を測定対象試料に適合した値1.3から少し外し
たときの演算を行なう例を示しているが、この場合、求
められた粒径分布Dc+5,Dc-5には、屈折率が適当で
ないことによって生じるズレを合わせるように幾らかの
不要なピーク(測定誤差)などが生じることが考えられ
る。
【0043】すなわち、装置使用者はこれらのビューウ
ィンドウW1 〜W3 を同一画面に表示することにより、
これらを総合的に判断して、設定した測定条件Dbが適
当であったかどうかを正確に判断することができる。な
お、本例では測定条件Dbとして屈折率の値を1.3と
し、さらにこれを5%増減した場合も演算してこれらを
重ねて比較できる例を示しているが、本発明はこの点を
限定するものではなく、屈折率などの測定条件Dbを一
つだけ設定するようにしてもよい。
【0044】さらに、ビューウィンドウW1 〜W3 を全
て表示することを限定するものでもなく、ビューウィン
ドウW1 に示すように、実測した出力データDaと逆算
によって算出した出力データDdを重ねて表示したもの
だけを妥当性情報(両出力データDa,Dbの一致度の
分布)として表示してもよい。あるいは、ビューウィン
ドウW2 に示すように、実測した出力データDaと逆算
によって算出した出力データDdとの比または差に基づ
いた一致度Deだけを妥当性情報として表示してもよ
い。
【0045】次に、再び図2に戻って、S7は装置使用
者に対して測定条件Dbを変更するかどうかを尋ねるス
テップである。このステップS7において、装置使用者
はビューウィンドウW1 〜W3 に表示された各情報Da
〜Deを比較検討することにより、測定条件Dbを任意
に変更可能となる。
【0046】S8は前記ステップS7において装置使用
者が測定条件Dbに変更を加えたかどうかを判断するス
テップである。そして、測定条件Dbが変更がある場合
にはステップS3にジャンプし、変更がない場合には終
了する。なお、測定条件Dbを変更したときにステップ
S2に戻るなどの変更も考えられる。
【0047】上述した図2,3に示す説明は本発明を理
解しやすくするために、一例として示しているが、本発
明はこの構成を限定するものではない。例えば、前記ス
テップS2に示すような検出器5からの出力データDa
の取り込みを繰り返し行なうことにより、前記逆算によ
る出力データDdと比較することも可能である。
【0048】図4は粒径分布Dcから逆算して求めた出
力データDdを基準にして、検出器5から得られた複数
の出力データDaを比較した例を示す図である。図4に
おいて、Da1 〜Da3 は粒径分布Dcを演算した後
に、その測定条件Dbの妥当性を確認するために検出器
5から更に3回検出した出力データを示し、Ddは前記
粒径分布Dcから逆算して求めた出力データを示してい
る。
【0049】前記出力データDa1 〜Da3 は何れも逆
算によって求められる出力データDdに対してランダム
に変動していることが分かる。つまり、測定条件Dbと
して設定した値は適当であったことが分かる。
【0050】他方、チャンネルchXにおいて実測の出
力データDaが逆算した出力データDdに対して常に大
きくなっていることが分かる。このことから、チャンネ
ルchXに相当する検出器5に何らかの異常が発生し
て、これが全体的な精度の低下を招いている可能性が高
いことが分かる。
【0051】図5はさらなる変形例を示す、表示画面の
移り変わりを示す図である。本例において、装置使用者
は上述の図2におけるステップS1の処理において、粒
径分布演算の反復回数を指定しなかった場合における表
示画面の変化を示しており、W1a〜W3aは例えば5回反
復計算した状態におけるそれぞれ図3におけるビューウ
ィンドウW1 〜W3 である。同様に、W1b〜W3bは例え
ば50回、W 1c〜W3cは例えば500回反復計算した状
態におけるビューウィンドウW1 〜W 3 である。
【0052】図5に示すように、粒径分布測定装置1が
粒径分布演算を反復して行なうと共に、演算結果Dc〜
Deを随時表示することにより、装置使用者は自らの目
で確認して最も正確な測定結果が得られる反復回数を設
定することが可能となる。
【0053】すなわち、ビューウィンドウW1a〜W3a
示すように反復回数が少ない場合には一致度Deが悪
く、粒径分布Dcは大雑把な値が出力されており、反復
回数が少なすぎることが容易に判別できる。一方、ビュ
ーウィンドウW1c〜W3cに示すように反復回数が多すぎ
ると、一致度Deが高くなる一方で不要なノイズを基に
本来存在していない粒子があるかのような不要な出力が
現れている。
【0054】したがって、本例の場合、50回反復演算
を行った状態が最も良い測定結果を得ることができ、装
置使用者は表示画面7aから適当なときに粒径分布演算
の反復演算を終えることが可能となる。なお、本例の場
合は、反復演算の回数に節目を形成して例えば30回
目、50回目、100回目などに一度止まって処理を続
けるかどうかを尋ねるダイアログウィンドウを表示する
ことも可能である。また、演算結果Dc〜Deの履歴を
記録することにより、後から処理を戻して最適な反復回
数を設定することも可能である。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
検出器から実測した出力データと、演算によって求めた
粒径分布の一致度を表示することができ、これによって
測定条件として選択した条件が測定対象試料に対して最
適であるかどうかを判断することができ、さらなる精度
向上を図ると共に、測定結果に対する信頼性を向上する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粒径分布測定装置の全体構成を示す図
である。
【図2】前記粒径分布測定装置における処理の流れを示
す図である。
【図3】前記粒径分布測定装置の表示画面の一例を示す
図である。
【図4】前記表示画面の変形例を示す図である。
【図5】前記表示画面の別の変形例を示す図である。
【図6】従来の粒径分布測定装置における演算結果デー
タの表示例を示す図である。
【符号の説明】
1…粒径分布測定装置、L…レーザ光、Ls…回折光お
よび/または散乱光、5…検出器、Da…出力データ
(実測)、Db…測定条件、Dc…粒径分布、Dd(D
0 ,Dd+5,Dd-5)…出力データ(逆算値)、De
(De0 ,De+5,De-5)…一致度。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象試料に光を照射することによっ
    て生ずる回折光および/または散乱光を所定の角度毎に
    検出する複数の検出器を備え、各検出器からの出力に基
    づいて、測定対象試料の粒径分布を求める粒径分布測定
    装置であって、求められた粒径分布から各検出器の出力
    データを逆算し、各検出器によって検出された出力デー
    タと逆算によって算出された各検出器の出力データとの
    一致度の分布を妥当性情報として同一画面上に表示する
    妥当性表示機能を有することを特徴とする粒径分布測定
    装置。
  2. 【請求項2】 測定対象試料に光を照射することによっ
    て生ずる回折光および/または散乱光を所定の角度毎に
    検出する複数の検出器を備え、各検出器からの出力に基
    づいて、測定対象試料の粒径分布を求める粒径分布測定
    装置であって、求められた粒径分布から各検出器の出力
    データを逆算し、各検出器によって検出された出力デー
    タと逆算によって算出された各検出器の出力データの比
    または差に基づいた両データの一致度を妥当性情報とし
    て表示する妥当性表示機能を有することを特徴とする粒
    径分布測定装置。
  3. 【請求項3】 前記算出された各検出器の出力データ
    が、粒径分布の算出に用いる条件を適宜に変えて逆算さ
    れたデータである請求項1または2に記載の粒径分布測
    定装置。
  4. 【請求項4】 前記妥当性情報の表示を、求められた粒
    径分布の表示と同時に行なう請求項1〜3の何れかに記
    載の粒径分布測定装置。
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