JP2019086517A - 血液凝固機能の評価方法 - Google Patents

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【課題】凝固異常の有無または凝固因子濃度を評価する方法を提供する。【解決手段】血漿と試薬を含む反応液を調製する工程(工程1)と、前記反応液の凝固反応曲線データ(X軸を反応時間、Y軸を凝固反応量)を取得する工程(工程2)と、前記凝固反応曲線のY軸の最大値を基に補正済み凝固反応曲線データを算出する工程(工程3)と、前記凝固反応曲線データから凝固反応速度曲線データを算出する工程(工程4)と、前記凝固反応速度曲線の所定高さでのピーク幅時間を算出する工程(工程5)と、前記ピーク幅時間に基づく情報を用いて凝固関与成分の濃度または凝固異常を判定する工程(工程6)を含む、血液検体の凝固機能の評価方法。【選択図】図3

Description

本発明は、血液検体の血液凝固機能の評価方法に関する。
従来より、患者の血液凝固機能を診断するために血液凝固検査が行われてきた。血液凝固検査とは患者の血液検体に所定の試薬を添加し、凝固時間等の血液凝固機能を検査することであり、それによって患者の止血能力や線溶能力の状態を把握することができる。血液凝固時間の延長を生じる原因としては凝固阻害薬剤の影響、凝固関与成分の減少、先天的な血液凝固因子の欠乏、あるいは後天的な凝固反応を阻害する自己抗体などが考えられる。
ここで、凝固機能の異常の判定に関し、例えば、血友病Aの臨床的な重症度は第VIII因子活性が通常人を100%とした場合、1%を境として判定される。そして、第VIII因子活性の低活性域を判定する方法として、凝固波形解析を用いた判定方法が知られている。
引用文献1、引用文献2および引用文献3には、凝固反応曲線の一次微分から得られる凝固反応速度曲線を基にして最大凝固速度を、二次微分から得られる凝固反応加速度曲線を基にして最大凝固加速度及び最大凝固減速度を求めている。 また、これらの測定値を基にして凝固反応開始時からのそれぞれの状態に達した時間を最大凝固速度時間、最大凝固加速度時間及び最大凝固減速度時間を求めている。これらの測定値は、凝固反応曲線の波形解析から得られる凝固波形パラメータと呼ばれており、その測定値に基づいて凝固因子異常等の有無を判定する方法が開示されている。
特開2016-194426 特開2016-118442 特開2017-106925
波形解析では凝固反応曲線を一次微分して凝固反応速度曲線を導いている。凝固反応速度曲線のピーク形状は、通常では単峰性になるが、試薬の種類や検体に含まれる凝固機能関与成分の影響の差異によって二峰性になったり、プラトーを持つ曲線になったりする場合がある。従来の波形解析では、凝固反応曲線の一次微分の最大値である、最大凝固速度時間(tVmax)を求めるために、単峰性にならない場合であってもスムージング処理を用いて単峰性の凝固反応速度曲線を得るように処理していた。しかしながら、血液凝固反応には様々な因子が複雑に作用し、その結果が反映された凝固反応速度曲線が得られるため、最大凝固速度時間を求めるためこのようなスムージング処理が成されてしまうと、二峰性形状等の凝固反応に関与している様々な因子による形状情報を消していることになる。このように従来の解析方法では本来の凝固反応速度曲線の副次的な形状が反映されにくいという課題があった。
以下に、凝固反応速度曲線の評価を行う際の課題を具体的に述べる。
(1)各検体からの凝固反応速度曲線の測定データは、例えば、光学的な散乱光の強度に基づいている。そして、その最大凝固速度(Vmax)および最大凝固加速度(Amax)は、フィブリノゲン濃度の影響を受けた凝固反応曲線の高さ(透過率、散乱光量、粘度等の凝固量を示すパラメータ)を反映するため、測光データをそのままで凝固反応曲線データとして使用すると、検体間での凝固反応曲線の形状差異を定量的に比較する際の誤差要因となり正確な比較ができない。
(2)分析装置から得られる凝固反応速度曲線の測定データはデジタル値であるため、凝固反応曲線を微分して凝固反応速度曲線を算出する際や、凝固反応速度曲線を微分して凝固反応加速度曲線を算出する際には前後のデータを差し引いて求める差分法が使われる場合がある。この場合は元の曲線データの変化量が小さいことにより差分演算後の曲線データも小さくなり、所謂S/N比のS(シグナル)が小さくなることにより、N(ノイズ)の影響が大きくなって元の曲線データの形状情報が減少してしまうことがあった。そのため、ピーク頂点を決定するときに、複数の最大値が離れて存在するような場合での判定ばらつきの要因となっていた。
(3)凝固反応速度曲線のピーク形状が二峰性やプラトー状になった場合、曲線の最大値から求めた最大凝固速度(Vmax)、最大凝固速度時間(tVmax)を凝固機能の指標として使用した場合、凝固に関わる因子の寄与が反映されにくい場合がある。
以上のような課題があった。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、凝固反応曲線を微分して得られる凝固反応速度曲線が二峰性やプラトー状になる特殊形状になる場合においても最大凝固速度時間に準じる測定値を算出する方法を発明した。特に重心点の位置やその変化量、重心点の高さを評価することによって、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。また、単なる凝固反応曲線の一次微分ではなく、補正済み凝固反応曲線を一次微分することで詳細な情報を得ることに成功した。特に、検体間での凝固反応曲線の形状差異を定量的に比較可能とし(課題1)、元の曲線データの変化量が小さい場合でもS/N比の悪化を減少し(課題2)、更に曲線のピーク形状が二峰性やプラトー状になった場合(課題3)においても最大凝固速度(Vmax)、最大凝固速度時間(tVmax)に準じる凝固機能指標を発明し、これらの課題を解決した。
[1]血漿と試薬を含む反応液を調製する工程(工程1)と、
前記反応液の凝固反応曲線データ(X軸を反応時間、Y軸を凝固反応量)を取得する工程(工程2)と、
前記凝固反応曲線のY軸の最大値を基に補正済み凝固反応曲線データを算出する工程(工程3)と、
前記補正済み凝固反応曲線データから凝固反応速度曲線データを算出する工程(工程4)と、
前記凝固反応速度曲線の所定高さでのピーク幅時間を算出する工程(工程5)と、
前記ピーク幅時間に基づく情報を用いて凝固関与成分の濃度または凝固異常を判定する工程(工程6)を含む、血液検体の凝固機能の評価方法。
[2]前記工程4において、前記凝固反応速度曲線データが、前記凝固反応波形データでの個々のデータの前後一定区間内の平均傾き値から成ることを特徴とする[1]に記載の血液検体の凝固機能の評価方法。
本発明に係る血液検体の評価方法を用いれば凝固因子異常等を従来法よりも正確に見積もることができる。
正常血漿と凝固因子異常血漿の凝固反応曲線を示す図である。 正常血漿と凝固因子異常血漿の凝固反応速度曲線を示す図である。 本発明の新規パラメータと異常検体血漿の反応速度曲線との関係の一例を示す図である。 本発明の新規パラメータと凝固VIII因子濃度および凝固IX因子濃度との相関関係を示す図である。 従来の差分に基づく凝固反応速度曲線と本発明の区間内平均傾きに基づく凝固反応速度曲線を示す図である。 本発明を示すフロー図である。
以下、本発明について図面を参照しながら説明する。
<血液検体の凝固反応の測定方法>
本発明の血液検体の評価方法において、血液凝固因子に異常のある被験者に由来する血液検体と、凝固時間測定試薬とが混和されてなる測定試料に光を照射し、測定試料から光量に関する光学的情報を取得した。
本実施例では異常検体の代用として、Factor VIII Deficient Plasma(George King Bio-Medical, Inc.製)またはFactor IX Deficient Plasma(George King Bio-Medical, Inc.製)と、コアグトロールN(シスメックス株式会社製)との混合液(FVIII濃度またはFIX濃度が100%、50%、25%、10%、5%、1%、0.1%、なお左記100%とは正常血漿であるコアグトロールNが100%の標準試料であることを示す)、を用いたが、実際に本発明の評価方法の対象となる血液検体としては、凝固因子異常のある被験者に由来する疑いのある検体であれば、特に限定されない。血液検体の種類としては、血漿を用いる。血液検体には、凝固検査に通常用いられる周知の抗凝固剤が添加された検体を用いる。試薬としては、エラグ酸、セライト、カオリンなどの活性化剤など通常用いられる成分を含み、トリス塩酸等の緩衝液が適宜加えられることがある。
本実施例において、測定用試薬としてはAPTT測定用試薬であるコアグピア APTT-N(積水メディカル株式会社製)を用いたが、当技術分野で凝固時間を測定するための周知の試薬であればそれらの試薬も用いることができる。例えば、プロトロンビン時間、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)、やトロンビン時間などの試薬が挙げられる。また、市販の凝固時間測定試薬や試薬キットを用いることもできる。
本実施例では、キュベットに分注され37℃に加温した試料50μLにAPTT試薬50μLを添加し、さらに所定時間経過後に塩化カルシウム50μLを加えて凝固反応を開始させた。凝固
反応状態のモニターは、波長660nmのLEDを光源とする光をキュベットに照射し、0.1秒間隔で90℃前方散乱光の光量を測光することによって行った。本実施例ではこれらの凝固反応測定工程を全自動血液凝固分析装置CP3000(積水メディカル株式会社製)で行ったが、測定試料の調製は用手法で行い、光学分析装置で測定を行うことも、あるいはその他の全自動分析装置を用いて行うこともできる。なお、これらの他の混合手法・測定手法を用いた場合にそれぞれの条件はそれぞれの手法に応じた量や手法を用いることになることは言うまでもない。血液検体と試薬との反応時間は、通常数十秒から5分以下である。温度条件は、通常30℃以上40℃以下であり、好ましくは35℃以上39℃以下である。
本実施例に係る方法では、凝固反応曲線は上述のように取得した経時的な光学的情報に基づいて取得した測光データを基にして、凝固反応曲線の最大高さが100となるように補正した補正処理済み凝固反応曲線を用いた。この補正処理の目的は、凝固反応曲線の高さ(変化幅)は検体のフィブリノゲン濃度に依存することから、フィブリノゲン濃度に依存しない凝固パラメータを求めるためである、
図1(A)に、正常血漿の凝固反応曲線(実線)と異常血漿の凝固反応曲線(点線がVIII因子欠乏検体、一点鎖線がIX因子欠乏検体)の例を、図1(B)に、図1(A)に示した各検体の凝固反応曲線の散乱光量の最大値で規格化した補正反応曲線を示した(ここで規格化とは凝固反応曲線の高さの最大値を100として曲線の高さを補正することを意図する)。この補正によって、検体間での凝固反応曲線の形状の差異を定量的に比較することができる。次に、図2(A)に正常血漿と異常血漿の凝固反応曲線を微分して得られた凝固反応速度曲線を、図2(B)に正常血漿と異常血漿の補正処理済み凝固反応曲線を微分して得られた凝固反応速度曲線を示した。ここで参照記号Nは正常血漿の、VIIIはVIII因子欠乏血漿の、IXはIX欠乏血漿の凝固反応速度曲線を示す。
次に図3を参照しながら、各記号の意味を説明する。
<演算対象域Sの設定方法>
演算対象域Sに関して、演算対象域Sは主に凝固反応速度曲線の低速度域での変動影響を除外するために設定され、5%〜20%に設定される。
<設定時間差Δtによる判定方法>
図3に示すように、Δtとは演算対象域Sによって定まり、最大凝固反応速度を100%としたときの反応速度がS%となる最小時間t1と最大時間t2との時間差である。別の表現では、凝固反応速度曲線での凝固速度がS%のときのピーク幅時間である。(凝固反応速度曲線は後述の区間内平均傾き曲線で与えられる)。図4にピーク幅(Δt)と、凝固VIII因子と凝固IX因子との濃度の相関関係を示した。図に示したように、Δtと凝固VIII因子濃度および凝固IX因子濃度とは高い相関関係を示す。したがって、これらから求めた検量線を基にして、患者検体のΔtを測定することによって患者検体に含まれる凝固VIII因子濃度または凝固IX因子濃度を算出することができる。そして、これらの濃度を基にして凝固因子異常の有無を評価することができる。
<変形例>
<凝固反応速度曲線データの算出処理方法>
凝固反応曲線A(n)から凝固反応速度曲線B(n)を得るための微分処理として、差分法が用いられる場合は、次式で計算されるのが一般的である。
(数1)
B(n)=A(n)-A(n-1)
凝固時間が顕著に遅くなる凝固異常検体の凝固反応曲線は正常検体と比べて弱い傾斜の上昇曲線となり、凝固反応速度曲線の形状も緩やかなプラトー状になる。このような場合には、凝固反応速度曲線の最大値付近においてもA(n)とA(n-1)の差が小さく、B(n)の値も小さくなるため数値演算上のノイズ(S/N比が悪化)影響を受け易いといった問題がある。
このような状況では凝固反応に起因する情報が埋もれてしまうことがある。この問題を解決するために、前述の実施例では、前記補正処理後の測光点Nにおいて前後の測光点データ(N-KからN+Kまでの2K+1個)を利用して一定の測光点数間での平均傾き値を測光点Nでの凝固反応速度とみなして凝固反応曲線を得た。この方法によって波形解析を行うことによってより詳細な情報を得ることができた。
<区間内平均傾き曲線>
上述の算出方法についてさらに詳述する。凝固因子異常検体の測定を行った場合、反応曲線が緩やかな曲線となり、差分法によってその一次微分曲線を算出すると、その変化量と測光のタイミングのために、一次微分曲線が離散的な値となり、反応に起因する情報が埋もれてしまうことがある。つまり、差分法による一次微分法を血液凝固反応曲線の波形解析のような、0.1秒ごとに測光を行うような系に適用すると、典型的には、あるn番目での一次微分値は、n−1との差分値を一次微分値としていた。この従来法によると凝固反応曲線の高さが低いとき(フィブリノゲン濃度が低いとき)においては、得られる一次微分曲線データが離散的な値となってしまう場合がある。本願のように凝固因子異常検体の測定値ではこれらの現象が多く発生する。一つの解決手段としては、測定タイミングを細かくし、測定感度を上げることが考えられるが、装置のコスト等の制限のためにこれによる解決は好ましくない。
発明者らはこの問題を解決するために、差分法による反応曲線の一次微分曲線を求めるのではなく、反応曲線について一定の時間内(区間内)での平均傾きを利用して解決できること発見した。平均傾きとはあるn番目での前後の測定点(一例として、n−2,n−1,n,n+1,n+2のように5点を利用する)での直線近似したときの傾き値を指す。直線近似の演算方法は最小二乗法など周知の方法を利用できる。
近似直線の演算方法の一例を次に示す。
例えば、測定点が(Xi,Yi)(i=1,2,3,・・・)の時、
(数2)
Σ(Yi-aXi-b)^2 (i=1,2,3・・・)
上式を偏微分して算出することができる。つまり、
(数3)
X:測光時間
Y:凝固波形曲線の高さ
n:データ数
分子=nΣXY-(ΣX)(ΣY)
分母=nΣ(X*X)-(ΣX)*(ΣX)
傾き=[nΣXY-(ΣX)(ΣY)] / [nΣXY-(ΣX)(ΣY)]
上式の各点のデータを代入し、区間内平均傾きaを算出することができる。
これらによって算出される区間内平均傾きを各時点(n)に算出し、反応曲線の区間内平均傾き曲線として求めることによって、差分法による一次微分曲線よりも詳細な情報を得ることができる。図5(A)に従来の微分に基づいて算出した、凝固IX因子欠乏血漿の凝固反応速度曲線の例を示した。さらに、図5(B)に本変形例に基づいて算出した凝固反応速度曲線の例を示した。図5(A)と図5(B)を比較して明らかなように本変形例による凝固反応速度曲線のほうが波形変化を詳細に把握することができる。例えばこの例では時間45秒近辺でのサイドピーク情報が詳細に把握できる。このように本変形例の区間内平均傾き曲線を用いて、上述の実施例の評価方法によって波形解析を行うことによってより詳細な情報を得ることができた。
<本発明の評価手順>
図6に本発明の評価手順のフロー図を示した。先ずS101で検出器から出力される測光量に応じたデジタル値の生データを取得する。取得した生データをS102で平滑化処理をして生データに含まれるノイズ成分を除去した凝固反応曲線データを作成する。必要により、予め定めてある方法により凝固時間Tcを求める。次にS103では凝固反応曲線高さの最大値を求めて最大値が100となるように補正処理済み凝固反応曲線データを算出する。そして、S104で補正済み凝固反応曲線の先頭から後方に向かって、予め設定した区間内の曲線データから最小二乗法による直線近似演算をして当該区間内の平均傾き値を順に計算して、凝固反応速度曲線データを算出する。次にS105で演算対象域Sを10%から90%まで10%間隔に変えてピーク幅時間を求める。その後S106で演算対象域S毎のピーク幅時間の結果を所定の判定値との比較、あるいは、既知の凝固異常検体から求めたピーク幅時間との比較、濃度既知検体から求めた検量線との比較によって凝固異常有無を評価する。そしてS107では評価結果と共に必要に応じてピーク幅時間を、測定結果として出力画面に表示させたり、ホストへ結果送信する。これらのステップは、コンピュータプログラムによって実施される。
本変形例の区間内平均傾き曲線は一般的な測定データ系列から算出することができるが、光学的な検出器を用いた検出器の測光量変化が小さい系の化学分析装置、特に血液凝固分析装置に適している。
以上、本発明の実施形態を例示したが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数等は適宜変更して実施することができる。さらにそれぞれの実施例を組み合わせて新たな実施形態とすることもできる。なお、本実施例では凝固因子異常として凝固VIII因子欠乏および凝固IX因子欠乏を例に説明してきたがこれに限られず、その他の凝固因子異常検体の評価に用いることができる。
本発明によれば、患者検体の凝固因子異常の有無だけでなく、凝固因子の濃度を見積もることができる。さらに、本発明の凝固反応速度曲線データの算出処理を行うことによって従来の一次微分曲線では埋もれてしまっていた情報を抽出することができる。
S 演算対象域

Claims (2)

  1. 血漿と試薬を含む反応液を調製する工程(工程1)と、
    前記反応液の凝固反応曲線データ(X軸を反応時間、Y軸を凝固反応量)を取得する工程(工程2)と、
    前記凝固反応曲線のY軸の最大値を基に補正済み凝固反応波形データを算出する工程(工程3)と、
    前記凝固反応波形データから凝固反応速度曲線データを算出する工程(工程4)と、
    前記凝固反応速度曲線の所定高さでのピーク幅時間を算出する工程(工程5)と、
    前記ピーク幅時間に基づく情報を用いて凝固関与成分の濃度または凝固異常を判定する工程(工程6)を含む、血液検体の凝固機能の評価方法。
  2. 前記工程4において、前記凝固反応速度曲線データが、前記凝固反応波形データでの個々のデータの前後一定区間内の平均傾き値から成ることを特徴とする請求項1に記載の血液検体の凝固機能の評価方法。

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