JP6811975B2 - Aptt延長要因推定システム - Google Patents

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Description

本発明は、APTT延長要因推定システムに関する。
血液凝固検査は、患者の血液検体に所定の試薬を添加して血液凝固時間等を測定することにより、患者の血液凝固機能を診断するための検査である。血液凝固検査によって患者の止血能力や線溶能力の状態を把握することができる。血液凝固時間の典型的な例としては、プロトロンビン時間(PT)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)、トロンビン時間などがある。近年では、血液凝固検査の自動測定を行う自動分析装置も汎用されており、血液凝固検査を簡便に実施することが可能である。
血液凝固時間の延長が生じる原因としては、凝固阻害薬剤の影響、凝固関与成分の減少、先天的な血液凝固因子の欠乏、後天的な凝固反応を阻害する自己抗体の出現などが挙げられる。例えば、APTTの延長が見られた場合、一般的には、さらにクロスミキシング試験が行われ、APTTの延長が凝固因子インヒビター(抗凝固因子)、ループスアンチコアグラント(LA)、又は血友病等の凝固因子欠乏のうちの何れに起因するかが判定される。クロスミキシング試験では正常血漿、被検血漿、及び被検血漿と正常血漿とを様々な容量比で含む混合血漿の、混合直後のAPTT(即時反応)と37℃で2時間インキュベーションした後のAPTT(遅延反応)とが測定される。当該クロスミキシング試験の測定値は、縦軸をAPTT測定値(秒)、横軸を被検血漿と正常血漿の容量比としてグラフ化される。作成された即時反応及び遅延反応のグラフは、APTT延長要因に応じてそれぞれ「下に凸」、「直線」又は「上に凸」のパターンを示す。これら即時反応及び遅延反応のパターンに基づいて、APTT延長要因が判定される。
APTT延長が凝固因子インヒビターに起因すると判定された場合、一般的にはベセスダ(Bethesda)法によりインヒビター力価が測定される。ベセスダ法では、被検血漿の希釈系列と正常血漿とを混合したサンプルを37℃で2時間インキュベーションした後、該サンプルにおける凝固因子の残存活性を測定し、測定値から検量線に基づいて該凝固因子のインヒビターの力価を測定する。ベセスダ法は現在、凝固第VIII因子(FVIII)及び第IX因子(FIX)に対するインヒビター力価の標準的な定量法である。
血液凝固検査においては、血液検体への試薬添加後の血液凝固反応量を経時的に測定することにより、凝固反応曲線を求めることができる。この凝固反応曲線は、血液凝固系の異常のタイプに応じてそれぞれ異なる形状を有する(非特許文献1)。そのため、凝固反応曲線に基づいて血液凝固系の異常を判定する方法が開示されている。例えば、特許文献1〜3及び非特許文献2〜4には、患者の血液についての凝固反応曲線の一次微分曲線及び二次微分曲線に関するパラメータ、例えば最大凝固速度、最大凝固加速度、最大凝固減速度、及びそれらに到達する時間などに基づいて、該患者における凝固因子の異常の有無を評価する方法が記載されている。特許文献4には、患者の凝固反応が最大凝固速度又は最大凝固加速度に達する時間までの凝固速度の平均変化率に基づいて、血友病の重症度を判定する方法が記載されている。特許文献5には、患者血漿の希釈倍率に対する凝固時間を表す直線の傾きと、対照血漿の希釈倍率に対する凝固時間を表す直線の傾きとの比に基づいて、FVIIIインヒビターの存在を判定する方法が記載されている。特許文献6には、血液凝固波形の一次微分波形及び二次微分波形から複数のパラメータを抽出し、該複数のパラメータから多変量後方相関によって各凝固因子の予想濃度を求めること、該予想のために、学習させたニューラルネットワークを用いることが記載されている。
複数の分析装置からのデータや、それらの装置のメンテナンスを一元管理する方法が提供されている。特許文献7には、対象分析装置から精度管理測定値を受信し、受信した測定値を、複数の分析装置からの精度管理測定値に基づいて生成された統計基準と比較することで、該対象分析装置の測定値が正常か異常かを評価する、分析装置の精度管理のための方法が記載されている。特許文献8には、機器により遂行された細胞への物理的処理又は化学反応を表す数値、及び細胞の画像を含む生物学的サンプルについての生データを、該機器から分析施設に送信して、該分析施設において該生データを分析することと、該分析の完全性及び該機器の操作を監視することを含む、生物学的サンプルの評価方法が記載されている。
特開2016−194426号公報 特開2016−118442号公報 特開2017−106925号公報 特開2018−017619号公報 特表2018−517150号公報 米国特許第6524861号公報 特開2017−187473号公報 特表2016−508610号公報
British Journal of Haematology, 1997, 98:68-73 臨床血液,2017, vol.58, no.9, p.1754, PS2-37-7 日本血栓止血学会誌,2018, vol.29, no.2, p.184, O-056, P-080 日本血栓止血学会誌,2018, vol.29, no.4, p.413-420
本発明は、APTT延長要因推定システムを提供する。
本発明者は、以下を提供する。
〔1〕APTT延長要因推定システムであって、
被検血液検体の血液凝固反応を測定する分析装置を各々有する、1つ以上の施設;
血液検体の血液凝固反応に関するデータとAPTT延長要因のデータとを保存するデータベース;及び、
該分析装置からの血液凝固反応に関するデータと、該データベースに保存されたデータに基づいて該被検血液検体のAPTT延長要因を推定する計算機、
を備え、
該施設は、該分析装置で得た該被検血液検体の血液凝固反応に関するデータを該計算機へ送信するデータ送信部と、該計算機による各分析装置で測定した該被検血液検体についてのAPTT延長要因の推定結果を受信するデータ受信部とをさらに備える、
APTT延長要因推定システム。
〔2〕前記施設が、さらに、
前記分析装置を制御する分析装置制御部;及び/又は、
前記データ受信部で受信したデータを表示するデータ表示部、
を備える、〔1〕記載のシステム。
〔3〕前記計算機に送信された前記被検血液検体の血液凝固反応に関するデータと、該計算機で得られた該被検血液検体についてのAPTT延長要因の推定結果が、前記データベースに保存される、〔1〕又は〔2〕記載のシステム。
〔4〕さらに、前記データベースに保存された血液検体の血液凝固反応に関するデータとAPTT延長要因のデータとを用いて、APTT延長要因推定アルゴリズムを機械学習するアルゴリズム学習部を備える、〔1〕〜〔3〕のいずれか1項記載のシステム。
〔5〕前記血液凝固反応に関するデータが、凝固反応曲線又はその一次微分曲線もしくは二次微分曲線についての波形又は加重平均点に関係するパラメータを1つ以上含む、〔1〕〜〔4〕のいずれか1項記載のシステム。
〔6〕前記波形に関係するパラメータが、凝固時間、前記一次微分曲線もしくは二次微分曲線の最大ピーク高さ及びそれに到達する時間から選択され、前記加重平均点に関係するパラメータが、該一次微分曲線もしくは二次微分曲線の演算対象域についての加重平均時間、加重平均高さ、ピーク幅、扁平率、時間率及びピーク域から選択される、〔5〕記載のシステム。
〔7〕前記加重平均点に関係するパラメータが、前記一次微分曲線の2つ以上の演算対象域のそれぞれについて取得された、加重平均時間、加重平均高さ、ピーク幅、扁平率、時間率及びピーク域から選択される1つ以上を含む、〔6〕記載のシステム。
〔8〕前記一次微分曲線をF(t)(tは時間)、F(t)が所定値xである時間をt1、t2(t1<t2)とするとき、前記演算対象域はF(t)≧xを満たす領域であり、前記加重平均時間及び加重平均高さは、それぞれ下記式に示すvT及びvHとして表され、
前記ピーク幅が、t1からt2までのF(t)≧xとなる時間長であるvBとして表され、
前記扁平率が、該vHと該vBとの比vABとして表され、
前記時間率が、該vTと該vBとの比vTBとして表され、
前記ピーク域が、曲線下面積vAUCとして表される、
〔7〕記載のシステム。
〔9〕前記所定値xが、前記F(t)の最大値の5〜90%である、〔8〕記載のシステム。
〔10〕前記被検血液検体のAPTT延長要因の推定が、前記データベースに保存された血液検体の中から、前記1つ以上の前記波形又は加重平均点に関係するパラメータが該被検検体と近似する検体を選択すること、及び、該選択された検体のAPTT延長要因を、該被検検体のAPTT延長要因として推定することによって行われる、〔5〕〜〔9〕のいずれか1項記載のシステム。
〔11〕前記検体の選択が回帰分析を用いて実施される、〔10〕記載のシステム。
〔12〕前記検体の選択が機械学習で得られたAPTT延長要因推定アルゴリズムを用いて実施される、〔10〕記載のシステム。
〔13〕前記APTT延長要因のデータが、凝固因子欠乏、ループスアンチコアグラント陽性もしくは凝固因子インヒビターの有無、又は凝固因子濃度についての情報である、〔1〕〜〔12〕のいずれか1項記載のシステム。
〔14〕前記被検血液検体についてのAPTT延長要因の推定が、凝固因子欠乏、ループスアンチコアグラント陽性もしくは凝固因子インヒビターの有無を、該被検検体のAPTT延長要因として推定することを含む、〔13〕記載のシステム。
〔15〕前記被検血液検体についてのAPTT延長要因の推定が、該被検検体の凝固因子濃度を推定することを含む、〔13〕記載のシステム。
〔16〕前記データ送信部が、管理検体の血液凝固反応に関するデータを前記計算機へ送信し、
該計算機は、該管理検体の血液凝固反応に関するデータを、異なるロットの試薬を用いて測定された過去の管理検体の血液凝固反応に関するデータと比較し、
該比較結果に基づいて前記分析装置の測定データが校正され、
該管理検体は、APTT延長要因が既知の血液検体であり、該過去の管理検体は、該管理検体と同じ検体又は同じAPTT延長要因を有する検体である、
〔1〕〜〔15〕のいずれか1項記載のシステム。
〔17〕APTT延長要因推定方法であって、
1つ以上の施設の各々において、被検血液検体の血液凝固反応を測定すること、
各施設から、該施設で取得した該被検血液検体の血液凝固反応に関するデータを計算機へ送信すること、
該計算機により、該被検血液検体の血液凝固反応に関するデータと、データベースに保存された、血液検体の血液凝固反応に関するデータ及びAPTT延長要因のデータとに基づいて、該被検血液検体のAPTT延長要因を推定すること、
該計算機で得られた該被検血液検体のAPTT延長要因の推定結果を、該被検血液検体の血液凝固反応を測定した施設に送信すること、
を含む、方法。
〔18〕前記計算機に送信された前記被検血液検体の血液凝固反応に関するデータと、該計算機で得られた該被検血液検体についてのAPTT延長要因の推定結果を、前記データベースに保存することをさらに含む、〔17〕記載の方法。
〔19〕さらに、前記データベースに保存された血液検体の血液凝固反応に関するデータとAPTT延長要因のデータとを用いて、APTT延長要因推定アルゴリズムを機械学習することをさらに含む、〔17〕又は〔18〕記載の方法。
〔20〕前記計算機による前記被検血液検体のAPTT延長要因の推定が、前記機械学習で得られたAPTT延長要因推定アルゴリズムを用いて実施される、〔19〕記載の方法。
本発明によれば、様々な検体からの凝固反応曲線のデータベースに基づいて、多数の知見に基づく高精度なAPTT延長要因推定を実現する。本発明によれば、APTT異常の診断の経験の少ない医療機関においても正確なAPTT延長要因の判定が可能になる。さらに本発明によれば、クロスミキシング試験やインヒビター力価測定を実施していない医療機関や診療所、施設などにおいても、凝固反応曲線のデータだけでAPTT延長要因の判定を実施することを可能にする。
A:パラメータ群の回帰直線。B:被検検体とテンプレートの一次微分曲線。Sample No. 67:被検検体、Template A:テンプレート。 A:被検検体(Sample no. 57)とテンプレート(#027)の一次微分曲線(上)及びパラメータ群の回帰直線(下)。B:被検検体(Sample no. 57)とテンプレート(#134)の一次微分曲線(上)及びパラメータ群の回帰直線(下)。
1.APTT延長要因推定システム
APTT延長要因としては、通常、凝固因子インヒビター(抗凝固因子)、ループスアンチコアグラント(LA)、血友病等の凝固因子欠乏、などを推定できる。APTT延長要因の判定では、従来一般的には、クロスミキシング試験、ベセスダ法によるインヒビター力価測定などにより、凝固反応曲線から求めるAPTTの結果を基にしてAPTT延長要因が判定される。しかしながら、これら判定のための検査を一医療機関内で全て実施することは、費用と人手を要するため容易ではない。さらに、判定の精度を担保及び向上させるためには多くの知見を蓄積していくことが求められるが、APTT異常の患者、例えば凝固因子欠乏患者の発生頻度は非常に低く、一医療機関だけで充分な知見を集めることは困難である。これらの問題は、医療機関による検査結果のばらつきをもたらし得る。
特許文献1〜5に記載されるように、凝固反応曲線の一次微分曲線又は二次微分曲線についてのピーク高さや時間又はその傾き等の波形に関係するパラメータに基づいて凝固因子異常や、凝固因子インヒビターの存在などを判定する方法が開示されている。さらに本出願人らは、凝固反応曲線又はその一次微分曲線もしくは二次微分曲線についての波形又は加重平均点に関係するパラメータ(例えば、凝固時間、加重平均時間、加重平均高さ、ピーク幅、扁平率、及び時間率、ならびにそれらの比又は差)を利用して、APTT延長要因の判定、インヒビター力価測定、凝固因子インヒビターの欠乏の有無、又は欠乏したインヒビターの種類の判定を行う方法を提供している(例えば、特願2019-086658、特願2019-084727、及び特願2019-016474)。これらの方法は、分析装置で測定された凝固反応曲線から算出される各種パラメータに基づいた客観的な指標によるAPTT延長要因の判定を可能にするだけでなく、判定の自動化を可能にする。
凝固反応曲線又はその一次微分曲線もしくは二次微分曲線についての波形又は加重平均点に関係するパラメータに基づくAPTT延長要因の判定をより精度よく行うためには、APTTが正常及び異常な検体を含む多数の検体からの凝固反応曲線のデータを蓄積して、正常及び異常な波形及びパラメータを類型化しておくことが求められる。しかし、上述したようにAPTT異常の患者の発生頻度は低く、そのため一医療機関だけで充分なデータを集めることは困難である。
各地に散らばっている患者からのデータを収集してデータベース化し、その情報を共有すれば、蓄積データ数の飛躍的増加による判定精度の向上、及び、判定基準の一元化による医療機関ごとの検査結果のばらつきの低減が可能である。
1.1 概要
本発明は、APTT延長要因推定システムを提供する。本発明のAPTT延長要因推定システムは、血液検体の血液凝固反応を測定する分析装置を各々有する、1つ以上の施設;血液検体の血液凝固反応に関するデータとAPTT延長要因のデータとを保存するデータベース;及び、該分析装置からの血液凝固反応に関するデータと、該データベースに保存されたデータに基づいて該血液検体のAPTT延長要因を推定する計算機、を備える。該施設は、該分析装置で得た該血液検体の血液凝固反応に関するデータを該計算機へ送信するデータ送信部と、該計算機による各分析装置で測定した該血液検体についてのAPTT延長要因の推定結果を受信するデータ受信部とをさらに備える。
本発明のAPTT延長要因推定システムは、さらに前記分析装置を制御する分析装置制御部;及び/又は、前記データ受信部で受信したデータを表示するデータ表示部、を備えていてもよい。
本発明のAPTT延長要因推定システムは、さらに前記データベースに保存された血液検体の血液凝固反応に関するデータとAPTT延長要因のデータとを用いて、APTT延長要因推定アルゴリズムを機械学習するアルゴリズム学習部を備えていてもよい。
本発明のAPTT延長要因推定システムの一実施形態の概念図、及び当該システムを用いたAPTT延長要因推定方法の一実施形態を以下の模式図1及び表1に示す。模式図1においては、3つの施設A、B及びCにそれぞれ、血液検体の血液凝固反応を測定する分析装置、及びデータ送信部とデータ受信部を備える通信装置が設置されている。施設は、該データ送信部を介して、該3つの施設に共通のサーバーに該分析装置で測定した血液凝固反応のデータを送信する。模式図1中、サーバーは3つの施設と接続されているが、サーバーと接続される施設の数は、サーバーの処理能力に応じて増減が可能であり、特に制限はない。サーバーが取得した血液凝固反応のデータは計算機に送られ、該計算機は、当該データと、データベース(DB)中のデータとを用いてAPTT延長要因推定を実行する。該計算機とデータベースは、それぞれサーバーに組み込まれていてもよく、サーバーとは別に設置されていてもよい。模式図1中では、該計算機とデータベースはサーバーに組み込まれている。該計算機によるAPTT延長要因推定結果は、サーバーから送信され、施設のデータ受信部に受信され得る。またAPTT延長要因推定結果は、データベースに蓄積される。施設は、受信したAPTT延長要因推定結果をもとに、血液検体のAPTT延長要因を判定することができる。施設での判定結果は、データ送信部及びサーバーを介してデータベースに蓄積され得る。サーバーは、アルゴリズム学習部をさらに内蔵していてもよく、又は外部のアルゴリズム学習部と接続されていてもよい。アルゴリズム学習部はデータベースのデータを用いた機械学習によりAPTT延長要因推定アルゴリズムを構築し、該計算機に提供し得る。
施設としては、血液凝固反応測定を実施するか、又は測定結果を取得し分析する必要性を有するあらゆる施設が挙げられ、例えば、病院や診療所などの医療機関、検査施設、研究施設などが挙げられる。
分析装置には、血液検体(例えば血漿検体)の凝固反応を測定することができる市販の血液分析装置が用いられる。該分析装置は、好ましくは以下の測定を実行できる。
1)測光データ等に基づく経時的な凝固反応計測
計測データから凝固反応曲線を算出することもできる。
2)APTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)測定
分析装置によっては検体のAPTT測定結果が延長したときに、次の即時反応と遅延反応を自動で実施することができる。
ア)被検体のAPTT測定
イ)即時反応の有無を確認するため、正常血漿と被検体との混合血漿を加温処理しないときのAPTT測定
ウ)遅延反応の有無を確認するため、正常血漿と被検体との混合血漿を加温処理した後のAPTT測定
上記1)及び2)の測定を実施可能な血液分析装置としては、例えば、血液凝固自動分析装置CP3000(積水メディカル株式会社)等が挙げられる。
計算機に送信されるデータとしては、血液検体についての経時的な凝固反応計測のデータ(計測データ)が挙げられる。該計測データとしては、計測された生データであってもよいが、そこから算出された凝固反応曲線、又はその一次微分曲線もしくは二次微分曲線のデータであってもよく、該凝固反応曲線又はその一次微分曲線もしくは二次微分曲線についての波形又加重平均点に関するパラメータであってもよく、あるいはそれらの組合せであってもよい。
波形又は加重平均点に関するパラメータとしては、波形に関するパラメータ(凝固反応曲線から算出された凝固時間、一次微分曲線もしくは二次微分曲線についての最大ピーク高さやその時間、等)、加重平均点に関するパラメータ(一次微分曲線もしくは二次微分曲線についての加重平均時間、加重平均高さ、ピーク幅、扁平率、時間率、等)などが挙げられる。波形又は加重平均点に関するパラメータについては、後述の1.2.2で説明する。
クロスミキシング試験が行われる場合は、正常検体、被検検体、及び被検検体と正常検体とを様々な容量比で含む混合検体について、加温処理前の凝固反応(即時反応)と、加温処理後の凝固反応(遅延反応)とが測定され、計測データとして送信され得る。さらに、加温処理前後での上述した波形又は加重平均点に関するパラメータ、あるいは求めたパラメータの加温処理前後での差又は比を算出して、計測データとして送信してもよい。
クロスミキシング試験で用いる混合検体は、被検検体と正常検体を容量比で1:9〜9:1、好ましくは4:6〜6:4、より好ましくは5:5の割合で含む。必要に応じて、被検検体を正常検体と混合する前に希釈し、希釈した被検検体と正常検体を上述の割合で混合してもよい。加温処理は、例えば、30℃以上40℃以下、好ましくは35℃以上39℃以下、より好ましくは37℃で、1時間以内、好ましくは2〜30分間、より好ましくは5〜30分間行われる。ただし、上記の加温処理の前に、検体は、通常の凝固反応計測における加温処理、例えば、30℃以上40℃以下で1分以下の加温を受けていてもよい。
上述した計測データに加えて、必要に応じて、計測条件(例えば、分析装置の識別番号や、測光モジュール番号、使用した試薬の種類や、識別番号、ロット番号)、血液検体のAPTTが遅延していたか否かのデータ、などを送信してもよい。
血液検体は、APTT延長要因の推定を必要とする被検体由来の血液検体(以下、被検検体ともいう)であればよい。好ましくは、被検検体は、APTT延長を示す血液検体である。血液検体としては、クエン酸加血漿が好ましい。計測結果の校正のため、管理検体についての計測データを送信してもよい。管理検体には、APTT延長の有無及び延長要因が既知の血液検体が用いられる。管理検体からの計測データを過去の同じ検体(又は同じ延長要因を有する検体)からの測定結果と比較することで、施設の分析装置の計測データを校正したり、分析条件に異常がないか否かを検査することができる。管理検体データの送信は、被検検体データの送信ごとに行ってもよいが、被検検体データの送信とは別途に、例えば定期的に、又は試薬の交換に合わせて行ってもよい。前者の場合、管理検体の測定は、好ましくは被検検体より前、より好ましくは直前に行われる。
上記波形又は加重平均点に関するパラメータは、各施設において算出され、計算機に送られてもよいが、各施設から送信された凝固反応計測の生データや、凝固反応曲線、又はその一次微分曲線もしくは二次微分曲線のデータを用いて、計算機で算出されてもよい。以下の本明細書においては、施設由来又は計算機で算出されたものを区別せずに、凝固反応計測の生データや、凝固反応曲線、又はその一次微分曲線もしくは二次微分曲線のデータ、ならびにそれら曲線の波形又は加重平均点に関するパラメータのデータを、まとめて「計測データ」と呼ぶ。
計算機でのAPTT延長要因の推定は、各施設で凝固反応計測された被検検体についての計測データと、データベースに保存されたデータとに基づいて実施され得る。
データベースには、過去に取得した検体の状態(例えば、正常、各種凝固因子インヒビターの有無、インヒビター力価、LA、凝固因子欠乏、欠乏する凝固因子の種類、各種凝固因子濃度、など)、及び、該検体についての凝固反応曲線又はその一次微分曲線もしくは二次微分曲線、あるいは、それらの曲線から算出した波形又は加重平均点に関係するパラメータ、などのデータが含まれる。
例えば、被検検体についての計測データを、データベースに保存された正常及び各種APTT延長要因を有する検体を含む各種検体についての計測データと比較することによって、被検検体のAPTT延長要因を推定することができる。例えば、被検検体と、データベース中の検体との間で、凝固反応曲線又はその一次微分曲線もしくは二次微分曲線の形状を直接比較してもよく、あるいはそれらの波形又は加重平均点に関するパラメータを比較してもよい。比較の結果から、被検検体のAPTT延長要因を推定することができる。例えば、被検検体とパラメータの一致率が高い検体をデータベースの中から選択し、選択した検体のAPTT延長要因(例えば、凝固因子欠乏、LA、凝固因子インヒビター)を、被検検体のAPTT延長要因として推定することができる。計算機でのAPTT延長要因の推定の詳細な手順は、後述する。
推定されるAPTT延長要因の代表的な例としては、凝固因子欠乏、LA、及び凝固因子インヒビターの保有が挙げられる。さらに、以下の表2に示すようなより詳細な要因も推定可能である。
計算機で算出された被検検体についてのAPTT延長要因の推定結果は、該被検検体のデータを取得した施設に送信される。推定結果は、上述した表2に示す要因名又は要因分類名に加えて、要因分類指標値や、その推定結果を求めた際のデータベースの検体とのパラメータの最大一致率や、統計学的指標(相関係数、決定係数、有意差など)を含んでいてもよい。延長要因が1つに決定されない場合、複数の延長要因が推定される場合、又は延長要因が推定できない場合にも、その旨の情報が、必要に応じてパラメータの最大一致率や統計学的指標(相関係数、決定係数、有意差など)などの情報を含めて、施設に送信され得る。
計算機から送られたAPTT延長要因の推定結果は、施設のデータ受信部で受信され、保存又は利用される。例えば、該推定結果に基づいて、施設の医師が、被検検体のAPTT延長要因を判定することができる。
計算機で算出された被検検体についてのAPTT延長要因の推定結果は、データベースに蓄積され得る。データベースは、計算機から送られた該被検検体についての計測データ(凝固反応曲線又はその一次微分曲線もしくは二次微分曲線のデータ、あるいは、それらの曲線から算出した波形又は加重平均点に関係するパラメータなど)と推定された状態(APTT延長要因の有無や種類など)を新たに付け加えるよう更新され得る。
該データベースには、施設で行われた該被検検体についてのAPTT延長要因の判定結果が含まれてもよい。これらのAPTT延長要因の判定結果は、データ送信部を介してデータベースに送信され得る。本発明では、医師により判定された被検検体のAPTT延長要因をデータベースに取り込むことで、計測データを臨床的診断と紐付け可能であり、又は計算機による推定結果の精度向上が可能になる。
1.2 APTT延長要因推定アルゴリズム
1.2.1 テンプレートマッチング
計算機における、被検検体についての計測データと、該データベースに保存されたデータに基づく該被検検体のAPTT延長要因の推定のためのアルゴリズムは、必ずしも限定されないが、例えば以下に示すテンプレートマッチングが挙げられる。
データベース上では、血液検体のAPTT延長要因に関連する状態(例えば、APTT延長要因の有無、各種凝固因子インヒビターの有無、インヒビター力価、LA、凝固因子欠乏、欠乏する凝固因子の種類、各種凝固因子濃度、など)と、血液凝固測定の計測データ(凝固反応曲線又はその一次微分曲線もしくは二次微分曲線のデータ、あるいは、それらの曲線から算出した波形又は加重平均点に関係するパラメータなど)とが紐付けされている。結果、該データベースは、様々なAPTT延長要因を有する検体についての血液凝固測定の計測データのテンプレートを提供する。テンプレートマッチングで被検検体の計測データがいずれのテンプレートと最も近似するかを調べることによって、被検検体と同様のAPTT延長要因を有する検体をデータベースから選択することができる。選択された検体のAPTT延長要因は、被検検体のAPTT延長要因として推定され得る。したがって、データベースに含まれる検体数が多くなる程、本発明によるAPTT延長要因の推定結果の精度は向上し得る。
テンプレートマッチングのより具体的な例においては、被検検体についての波形又は加重平均点に関係するパラメータ群(被検パラメータ群)と、データベース中の各検体の波形又は加重平均点に関係するパラメータ群(テンプレートパラメータ群)との間で、対応するパラメータの回帰分析を行う。被検パラメータ群に最も一致する(例えば、最も相関性の高い)テンプレートパラメータ群を有するデータベース中の検体を選出する。選出された検体のAPTT延長要因を、被検検体のAPTT延長要因として推定する。
テンプレートマッチングに用いる波形又は加重平均点に関係するパラメータ群には、好ましくは表3に示す波形又は加重平均点に関係するパラメータのうちの2種類以上、好ましくは3種以上、より好ましくは5種以上を含むパラメータ群を用いる。該パラメータ種が加重平均点に関係するパラメータ(例えば、加重平均時間、加重平均高さ、ピーク幅、扁平率、又は時間率)である場合、各パラメータ種毎に、好ましくは3〜100個、より好ましくは5〜20個の演算対象域(後述で説明する)についてのデータ(パラメータ)を取得する。次いで、被検パラメータ群と、データベース中の各検体についてのテンプレートパラメータ群との間の直線回帰式を求める。例えば、パラメータ群が、演算対象域5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%及び90%での一次微分曲線の加重平均点に関するピーク幅vBと扁平率vABであった場合、被検パラメータ群のvB5%をX、テンプレートパラメータ群のvB5%をYとしてプロットし、同様に、vB10%〜vB90%及びvAB5%〜vAB90%をプロットする。次いで、得られたプロットについての直線回帰式を求める。相関性の高い回帰直線が得られたテンプレートパラメータ群をもたらしたデータベース中の検体を選出する。好適には、最も高い相関を有する回帰直線をもたらしたデータベース中の検体を選出する。
直線回帰式の例を図1に示す。図1Aは、ともにFVIII活性が0.2%未満である被検検体(Sample no. 67)とデータベース中検体(Template A)との間でのパラメータ群の回帰直線を表す。パラメータ群には、一次微分曲線の10個の演算対象域(x=5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%及び90%)についてのピーク幅vB、加重平均時間vT、加重平均高さvH、扁平率vAB、及び時間率vTB(計50パラメータ)からなるパラメータ群を用いている。図1Bは、図1Aの被検検体(Sample No. 67)と参照(Template A)の一次微分曲線(凝固反応曲線を0点調整及び相対値化した後、一次微分して得られた)を示す。2つの曲線は非常に似た形状を有しており、血液凝固特性の近似度が、検体のパラメータ群同士の相関性に反映されることを示している。
表4は、直線回帰に基づくテンプレートマッチングにおいて、被検検体の計測データとデータベース中の検体の計測データが近似していると判定される近似指標値(Index)(相関係数)の例を示す。推定結果として出力する近似指標値は、最上位のものから予め設定した順位N番(N≧1)までのものが表示される。表4の「イ」は、N=2の場合を示す。
1.2.2 波形又は加重平均点に関係するパラメータの算出
分析装置により得られた血液検体の凝固反応に関する生データから、波形又は加重平均点に関係するパラメータを算出する手順について説明する。凝固反応曲線は、分析装置により得られた凝固反応に関する生データを時系列に並べて得られる曲線である。パラメータの算出に用いる凝固反応曲線に対しては、好ましくはノイズを除去するための平滑化処理と、ゼロ点調整とがなされる。ゼロ点調整では、例えば測定開始時点での値を0にするようにデータが補正される。さらに、凝固反応曲線の最大値が所定値(例えば1又は100)となるように補正されることが好ましい。
上記の補正された凝固反応曲線を微分して、一次微分曲線及び二次微分曲線が作成される。これらは、凝固反応曲線の変化率を表す。
一次微分曲線を対象曲線として、波形又は加重平均点に関するパラメータの抽出手順を説明する。二次微分曲線においても同様の手順で波形又は加重平均点に関するパラメータを抽出可能である。まず、対象曲線F(t)(tは時間)の演算対象域値x%を決定する。該演算対象域値x%は、F(t)がその最大値(100%)に対してx%となる値である。F(t)≧x%となる領域を演算対象域と呼ぶ。1つの対象曲線に対して2つ以上の演算対象域値を設定してもよい。次いで、演算対象域値についてのF(t)の加重平均点(vT, vH)(すなわち、F(t)の演算対象域における重み付き平均値)を求める。まず、F(t)の最大値がVmax、演算対象域値がx(Vmaxに対する%)であるとき、F(t)≧Vmax×x×0.01を満たす時間t[t1, …, t2](t1<t2)を求め、積和値Mを下記式(1)により求める。加重平均時間vT及び加重平均高さvHは、それぞれ次式(2)及び(3)で算出される。求めたvTとvHから、加重平均点が導かれる。
演算対象域値xの変化に伴って、加重平均点の位置は変化する。異なる演算対象域値に由来するvT及びvHを識別するため、それが由来する演算対象域値xに従って、それぞれvTx及びvHxと称することがある(表3参照)。例えば、xが5%である演算対象域のvT及びvHは、vT5%及びvH5%である。
次に、ピーク幅vB、加重平均ピーク幅vW、扁平率vABとvAW、時間率vTBとvTW、及びピーク域vAUCについて説明する。これらのパラメータは、異なる演算対象域値に由来するものを識別するため、由来する演算対象域値xに従って、それぞれvBx、vWx、vABx、vAWx、vTBx、vTWx、及びvAUCxと称されることがある(表3参照)。xは演算対象域値によって変化する。例えば、xが5%である演算対象域のvBx、vWx、vABx、vAWx、vTBx、vTWx、及びvAUCxは、vBx5%、vWx5%、vAB5%、vAW5%、vTB5%、vTW5%、及びvAUC5%である。
上述したF(t)≧xを満たす時間tの最大値及び最小値をそれぞれvTex、vTsxとするとき、vTsxからvTexまでの時間のうち、F(t)≧xとなる時間長を、xについてのF(t)のピーク幅vBxとする。また、F(t)≧vHを満たすピーク幅を加重平均ピーク幅vWxとする(表3参照)。
F(t)のxについての扁平率vABx[vABx=vHx/vBx]、加重平均ピーク幅に基づく扁平率vAWx[vAWx=vHx/vWx]、時間率vTBx[vTBx=vTx/vBx]、及び加重平均ピーク幅に基づく時間率vTWx[vTWx=vTx/vWx]が計算される。なお、扁平率は、vABx=vBx/vHx、又はvAWx=vWx/vHxであってもよい。同様に、時間率は、vTBx=vBx/vTx、又はvTWx=vWx/vTxであってもよい。また、これら比に定数Kを乗じてもよい。さらに、F(t)の演算対象域におけるピーク域(曲線下面積、vAUCx)を求めることができる(表3参照)。
以上は、F(t)の加重平均点に関するパラメータである。
F(t)の波形に関するパラメータとして、F(t)の最大値Vmax、Vmaxに到達する時間VmaxTが挙げられる。また、凝固反応曲線における散乱光量の変化量が所定条件を満たした時点での散乱光量を100%としたときに、散乱光量がc%に相当する反応経過時間は、凝固時間Tcとして、本発明で用いる波形に関するパラメータに含まれ得る。cは任意の値でよく、例えばTcはT50である。
1.2.3 その他
上述した波形又は加重平均点に関するパラメータの算出手順、及びこれらのパラメータを用いたAPTT延長要因推定(血友病Aの診断、第VIII因子定量、及びAPTTクロスミキシング試験)の方法は、計算機で利用するAPTT延長要因推定アルゴリズムとして、本発明で用いることができる。
1.3 APTT延長要因推定アルゴリズムの機械学習
APTT延長要因推定システムは、該データベースに保存された、血液検体についての血液凝固反応に関するデータとAPTT延長要因のデータとを用いて、APTT延長要因推定アルゴリズムを機械学習するアルゴリズム学習部を備えていてもよい。該アルゴリズム学習部は、該計算機に内蔵されていてもよく、該計算機と別途に備えられていてもよい。例えば、該アルゴリズム学習部は、血液検体についての血液凝固反応に関するデータを説明変数とし、該血液検体についてのAPTT延長要因のデータを目的変数とした機械学習により、血液検体のAPTT延長要因を推定するための機械学習モデルを構築する。説明変数に用いる血液凝固反応に関するデータとしては、上述した計測データ(凝固反応曲線又はその一次微分曲線もしくは二次微分曲線、ならびにそれらの曲線の波形又は加重平均点に関係するパラメータ;例えば、凝固時間、加重平均時間、加重平均高さ、ピーク幅、扁平率、及び時間率など、より具体的には、Tc、vTx、vHx、vBx、vWx、vABx、vAWx、vTBx、vTWx、Vmax、VmaxT、vTsx、vTex、vAUCx、pTx、pHx、pBx、pWx、pABx、vAWx、pTBx、pTWx、Amax、AmaxT及びpAUCx(xは任意の演算対象域値))からなる群より選択される少なくとも1つが挙げられる。該機械学習モデルは、被検検体についての上述した計測データからなる群より選択される少なくとも1つを入力することで、該被検検体のAPTT延長要因(例えば、凝固因子欠乏、LA、凝固因子インヒビターなど)を出力するAPTT延長要因推定アルゴリズムを提供する。
該アルゴリズム学習部によって構築されたアルゴリズムは、適時、計算機での従来のAPTT延長要因推定アルゴリズム(例えば、上記回帰直線を用いたテンプレートマッチング、又はアルゴリズム学習部によって以前に構築された機械学習モデル)と置き換えられ得る。すなわち、計算機は、該アルゴリズム学習部での機械学習によって構築されたAPTT延長要因推定アルゴリズムによって、被検検体のAPTT延長要因を推定し得る。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)テンプレートマッチングにおけるテンプレート(データベース中の検体データ)数と判定精度
1)被検検体
以下の78件の被検検体を用いた:血友病A 70件;後天性血友病A 2件;フォン・ウィルブランド(vWD)Type1 1件;血友病B 3件;ループスアンチコアグラント(LA)陽性 2件。
2)テンプレート検体
143件のテンプレート検体(表5:Ver.1)、又はこれらにさらに15検体追加した158件のテンプレート検体(表5:Ver.3)を用いた。
3)凝固反応計測
被験検体及びテンプレート検体の凝固反応を計測した。凝固反応計測は、APTT測定試薬コアグピアAPTT-N(積水メディカル株式会社製)を用いて、血液凝固自動分析装置CP3000(積水メディカル株式会社製)を用いて行った。90度側方散乱光を計測し、凝固反応曲線を得た。得られた凝固反応曲線から一次微分曲線を算出した。
4)パラメータ算出
被験検体及びテンプレート検体について、一次微分曲線の加重平均点に関係するパラメータを算出した。1次微分曲線から、演算対象域を5%から90%まで10段階(一次微分曲線の最大値Vmaxを100%として、演算対象域値xが5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、及び90%)に設定した。各演算対象域について、ピーク幅vB、加重平均時間vT、加重平均高さvH、扁平率vAB=(vH/vB)及び時間率vTB=(vT/vB)を算出した。
以上の手順で、10個の演算対象域(x=5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%及び90%)についてのパラメータ:vB [vB5%, vB10%, vB20%, vB30%, vB40%, vB50%, vB60%, vB70%, vB80%, vB90%]、vT [vT5%, vT10%, vT20%, vT30%, vT40%, vT50%, vT60%, vT70%, vT80%, vT90%]、vH [vH5%, vH10%,vH20%, vH30%, vH40%, vH50%, vH60%, vH70%, vH80%, vH90%]、vAB [vAB5%,vAB10%, vAB20%, vAB30%, vAB40%, vAB50%, vAB60%, vAB70%, vAB80%, vAB90%]、及びvTB [vTB5%, vTB10%, vTB20%, vTB30%, vTB40%, vTB50%, vTB60%, vTB70%, vTB80%, vTB90%]を算出した。これら50個のパラメータからなるパラメータ群を、各テンプレート検体及び被検検体について作成した。
5)テンプレートマッチング
テンプレートマッチングにより、各被検検体のAPTT延長要因を推定した。各被検検体と、全テンプレート検体の各々との間で、パラメータ群の一次回帰式を計算した。回帰式の傾き1.25〜0.75であるテンプレート検体を抽出し、抽出した中で相関係数が最大のものを選別した。該テンプレート検体の凝固能情報を、被検検体の凝固能情報とした。解析結果をもとに、被検検体の凝固能情報(FVIII濃度)を以下のいずれかに分類した:FVIII < 1%(FVIII活性1%未満)、FVIII 1-5%(FVIII活性1%以上〜5%未満)、FVIII 5-40%(FVIII活性5%以上〜40%未満)、又はOther(FVIII > 40%(FVIII活性40%以上)、もしくはFVIII欠乏以外の要因でAPTT延長)。
図2Aは、被検検体(Sample no. 57)と、相関係数が最も高いテンプレート検体(#027、FVIII活性0.6%、血友病A)の一次微分曲線、及びこれら検体間でのパラメータ群の回帰直線を表す。図2Bは、Sample no. 57と、相関係数が二番目に高いテンプレート検体(#134、FVIII活性0.25%、血友病A)の一次微分曲線、及びこれら検体間でのパラメータ群の回帰直線を表す。Sample no. 57は、本手法に従ってテンプレート#027の凝固能情報を有する検体と判定され、FVIII <1%に分類された。実際の測定で、該検体はFVIII活性0.3%の血友病Aであった。
78個の被検検体のテンプレートマッチングの結果は、表6及び7のとおりであった。表6には、各被検検体のFVIII活性の実測値と、本手法による推定結果を、表7には、推定結果と実測値との一致率を示す。テンプレート数が増えることで判定一致率、感度、特異度及びFVIII濃度分類一致率は上昇した。
(実施例2)管理検体を用いた試薬ロット間差の補正
1)検体
正常検体には、健常人より得られたクエン酸加血漿を用いた。
血友病検体には、血友病A患者のクエン酸加血漿を用いた。
2)検体の凝固反応の測定
APTT測定は、血液凝固自動分析装置CP3000(積水メディカル株式会社製)を用いた。キュベット(反応容器)に測定試料50μLを吐出した後に37℃で45秒間の加温を行った。その後、約37℃に加温したAPTT試薬50μLをキュベットに吐出し、さらに171秒経過後に25mM塩化カルシウム液50μLをキュベットに吐出して凝固反応を開始させた。このときAPTT試薬2Lot(LotA、LotB)を用いた。凝固反応はキュベットを約37℃に維持した状態で行った。凝固反応の検出は、波長660nmのLEDを光源とする光を照射し、0.1秒間隔で90度側方散乱した散乱光量を測光した。測光時間は360秒間とした。
3)測光データの解析方法
APTTの測定を行い、APTT測定による凝固反応データとして測光生データを得た。この測光生データに対しノイズ除去を含む平滑化処理後、測光開始時点の散乱光量が0となるようにゼロ点調整をして凝固反応曲線を得た。続いて凝固反応曲線の最大高さが100となるように補正処理を行って補正処理済み凝固反応曲線を得た。この補正処理済み凝固反応曲線を0次波形とし、1次微分したものが凝固速度を反映した1次波形となる。
一次波形より加重平均法パラメータを得た。
4)APTT Lot間差の補正
APTT試薬のLotAとLotBの管理検体の測定から得られた加重平均法波形パラメータの相関関係を解析し、得られた回帰式(y=0.965x+0.13)を用いてLotBの加重平均法パラメータをLotAの値に近似させた。
5)APTT Lot間差の補正効果の確認
患者検体8例を用いて、LotA、LotB及び補正後LotBの加重平均法波形パラメータを用いたテンプレートマッチングの結果を比較した。表8のとおり、Lot間差の補正をしない場合は判定の不一致が見られたが、補正後LotBとLotAは一致した。表8の判定結果「Other」は、血友病A以外の要因でAPTTが延長した検体と判定された場合を示す。

Claims (15)

  1. APTT延長要因推定システムであって、
    被検血液検体の血液凝固反応を測定する分析装置を各々有する、複数の施設;
    血液検体の血液凝固反応に関するデータとAPTT延長要因のデータとを保存するデータベース;及び、
    該分析装置からの血液凝固反応に関するデータと、該データベースに保存されたデータに基づいて該被検血液検体のAPTT延長要因を推定する計算機、
    を備え、
    該複数の施設は、各々、該分析装置で得た該被検血液検体の血液凝固反応に関するデータを該計算機へ送信するデータ送信部と、該計算機による各分析装置で測定した該被検血液検体についてのAPTT延長要因の推定結果を受信するデータ受信部とをさらに備え、
    該計算機に送信された該被検血液検体の血液凝固反応に関するデータと、該計算機で得られた該被検血液検体についてのAPTT延長要因の推定結果が、該データベースに保存される、
    APTT延長要因推定システム。
  2. 前記施設が、さらに、
    前記分析装置を制御する分析装置制御部;及び/又は、
    前記データ受信部で受信したデータを表示するデータ表示部、
    を備える、請求項1記載のシステム。
  3. さらに、前記データベースに保存された血液検体の血液凝固反応に関するデータとAPTT延長要因のデータとを用いて、APTT延長要因推定アルゴリズムを機械学習するアルゴリズム学習部を備える、請求項1又は2記載のシステム。
  4. 前記血液凝固反応に関するデータが、凝固反応曲線又はその一次微分曲線もしくは二次微分曲線についての波形又は加重平均点に関係するパラメータを1つ以上含む、請求項1〜3のいずれか1項記載のシステム。
  5. 前記波形に関係するパラメータが、凝固時間、前記一次微分曲線もしくは二次微分曲線の最大ピーク高さ及びそれに到達する時間から選択され、前記加重平均点に関係するパラメータが、該一次微分曲線もしくは二次微分曲線の演算対象域についての加重平均時間、加重平均高さ、ピーク幅、扁平率、時間率及びピーク域から選択される、請求項4記載のシステム。
  6. 前記加重平均点に関係するパラメータが、前記一次微分曲線の2つ以上の演算対象域のそれぞれについて取得された、加重平均時間、加重平均高さ、ピーク幅、扁平率、時間率及びピーク域から選択される1つ以上を含む、請求項5記載のシステム。
  7. 前記一次微分曲線をF(t)(tは時間)、F(t)が所定値xである時間をt1、t2(t1<t2)とするとき、前記演算対象域はF(t)≧xを満たす領域であり、前記加重平均時間及び加重平均高さは、それぞれ下記式に示すvT及びvHとして表され、
    前記ピーク幅が、t1からt2までのF(t)≧xとなる時間長であるvBとして表され、
    前記扁平率が、該vHと該vBとの比vABとして表され、
    前記時間率が、該vTと該vBとの比vTBとして表され、
    前記ピーク域が、曲線下面積vAUCとして表される、
    請求項6記載のシステム。
  8. 前記所定値xが、前記F(t)の最大値の5〜90%である、請求項7記載のシステム。
  9. 前記被検血液検体のAPTT延長要因の推定が、前記データベースに保存された血液検体の中から、前記1つ以上の前記波形又は加重平均点に関係するパラメータが該被検血液検体と近似する検体を選択すること、及び、該選択された検体のAPTT延長要因を、該被検血液検体のAPTT延長要因として推定することによって行われる、請求項4〜8のいずれか1項記載のシステム。
  10. 前記検体の選択が回帰分析を用いて実施される、請求項9記載のシステム。
  11. 前記検体の選択が機械学習で得られたAPTT延長要因推定アルゴリズムを用いて実施される、請求項9記載のシステム。
  12. 前記APTT延長要因のデータが、凝固因子欠乏、ループスアンチコアグラント陽性もしくは凝固因子インヒビターの有無、又は凝固因子濃度についての情報である、請求項1〜11のいずれか1項記載のシステム。
  13. 前記被検血液検体についてのAPTT延長要因の推定が、凝固因子欠乏、ループスアンチコアグラント陽性もしくは凝固因子インヒビターの有無を、該被検血液検体のAPTT延長要因として推定することを含む、請求項12記載のシステム。
  14. 前記被検血液検体についてのAPTT延長要因の推定が、該被検血液検体の凝固因子濃度を推定することを含む、請求項12記載のシステム。
  15. 前記データ送信部が、管理検体の血液凝固反応に関するデータを前記計算機へ送信し、
    該計算機は、該管理検体の血液凝固反応に関するデータを、異なるロットの試薬を用いて測定された過去の管理検体の血液凝固反応に関するデータと比較し、
    該比較の結果に基づいて前記分析装置の測定データが校正され、
    該管理検体は、APTT延長要因が既知の血液検体であり、該過去の管理検体は、該管理検体と同じ検体又は同じAPTT延長要因を有する検体である、
    請求項1〜14のいずれか1項記載のシステム。
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