JP7024333B2 - 無端ベルト、定着装置、画像形成装置、および無端ベルトの製造方法 - Google Patents

無端ベルト、定着装置、画像形成装置、および無端ベルトの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、画像形成装置に用いられる無端ベルト、これを備えた定着装置および画像形成装置、ならびに画像形成装置に用いられる無端ベルトの製造方法に関する。
従来、画像形成装置に用いられる定着ベルト等の無端ベルトにおいては、当該無端ベルトに形成されたマークをセンサで検出することが行なわれている。
たとえば、特開2008-225066号公報(特許文献1)に開示の画像形成装置においては、基層、導電層、弾性層、および表層が側から順に積層されることで定着ベルトが構成されており、弾性層と表層との間にマーク材が埋設されている。このマーク材をセンサで検出して得られたパルス間隔から定着ベルトの速度を算出して定着装置の制御にフィードバックさせる。
マーク材としては、アルミ箔等の金属箔が用いられている。この場合には、金属箔の熱伝導率が、弾性層や表層と比較して高いため、マーク材の周囲において定着ベルトが劣化しやすくなる。
一方、定着ベルトに穴をあけて、当該穴をマークとした場合には、穴の周囲において定着ベルトの引張強度が極端に低下して、定着ベルトに亀裂が生じたり、定着ベルトが破損したりすることが懸念される。
そこで、レーザを用いて定着ベルトにマークを形成することが行なわれている。レーザによってマークが形成された定着ベルトが開示された文献として、たとえば特開2005-338350号公報(特許文献2)、特開2016-161929号公報(特許文献3)、および特開2017-111242号公報(特許文献4)が挙げられる。
特開2008-225066号公報 特開2005-338350号公報 特開2016-161929号公報 特開2017-111242号公報
特許文献2および特許文献3に開示の定着ベルトにあっては、弾性層にレーザを照射してマーク部を形成した後、弾性層およびマーク部を表層で覆っている。このため、マーク部の鮮鋭性が低下してしまう。
特許文献4に開示の定着ベルトにあっては、表層にマーク部が形成されている。しかしながら、赤外領域の波長を有するレーザを表層に照射しているため、表層と弾性層との間に介在する接着層が熱損傷を受ける。これにより、レーザ照射された部分の表層が弾性層から浮き上がることが起こり得る。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、弾性層からの表層の浮き上がりを抑制できるとともに、鮮鋭なマーク部を有する無端ベルト、定着装置、画像形成装置、および無端ベルトの製造方法を提供することにある。
本発明に基づく無端ベルトは、画像形成装置に用いられるものであり、無端状の基層と、上記基層上に設けられた弾性層と、上記弾性層上に設けられた表層と、を備える。上記表層は、フッ素樹脂を含む。上記表層には、紫外領域の波長を有するレーザ光を上記表層に照射することにより上記表層の一部が変質して形成されたマーク部が1つ以上設けられている。
上記本発明に基づく無端ベルトにあっては、上記レーザ光は、パルス発振されていてもよい。この場合には、上記レーザ光のパルス間隔は、上記レーザ光のスポット径以上上記レーザ光のスポット径の2倍以下であることが好ましい。
上記本発明に基づく無端ベルトにあっては、上記レーザ光は、パルス発振されていてもよい。この場合には、上記レーザ光の1パルスあたりのエネルギーは、0.01mJ以上0.2mJ以下であってもよい。
上記本発明に基づく無端ベルトにあっては、上記マーク部が設けられていない部分の上記表層と上記マーク部との光反射率の差が、20%以上であることが好ましい。
上記本発明に基づく無端ベルトにあっては、上記マーク部の大きさが、25mm以上であることが好ましい。
本発明に基づく定着装置は、上記無端ベルトと、上記無端ベルトが回転可能に巻き掛けられる複数の巻掛部材と、を備える。
上記本発明に基づく定着装置にあっては、上記無端ベルトは、記録媒体が通過する通紙領域と、上記無端ベルトの回転軸方向において上記通紙領域の外側に位置する非通紙領域とを含んでいてもよい。この場合には、上記マーク部は、上記非通紙領域に設けられていることが好ましい。
上記本発明に基づく定着装置は、上記複数の巻掛部材のいずれかとの間に上記無端ベルトを挟み込むようにして配置された加圧ローラーをさらに備えることが好ましい。この場合には、上記加圧ローラーのうち、上記マーク部に接触する部分がゴムによって構成されていることが好ましい。
上記本発明に基づく定着装置にあっては、上記複数の巻掛部材のいずれかとの間に上記無端ベルトを挟み込むようにして配置された加圧ローラーをさらに備えていてもよい。上記表層は、上記無端ベルトが回転することにより上記マーク部が通過する通過領域を含んでいてもよく、上記加圧ローラーは、上記通過領域に接触する接触部を含んでいてもよい。この場合には、上記接触部は、ゴムによって構成されている。
上記本発明に基づく定着装置にあっては、上記表層に対向して配置され、上記無端ベルトの回転数を検知する回転検知部をさらに備えていてもよく、上記表層は、上記無端ベルトが回転することにより上記マーク部が通過する通過領域を含んでいてもよい。この場合には、上記回転検知部は、上記通過領域の一部に向けて光を出射する出射部と、上記通過領域の上記一部から反射された光を受光する受光部とを含むことが好ましく、上記回転検知部は、上記受光部によって受光された光の変化を検知して上記無端ベルトの回転数を検知することが好ましい。
上記本発明に基づく定着装置にあっては、上記無端ベルトの回転軸方向における上記マーク部の幅が、上記出射部から出射される光のスポット径以上20mm以下であることが好ましい。さらに、上記無端ベルトの周方向における上記マーク部の長さが、上記出射部から出射される上記光の上記スポット径以上上記無端ベルトの周長/(マーク部の個数×2)以下であることが好ましい。
上記本発明に基づく定着装置にあっては、上記表層には、複数の上記マーク部が設けられていてもよい。この場合には、複数の上記マーク部は、上記無端ベルトの周方向に沿って等間隔で配置されていてもよい。
本発明に基づく画像形成装置にあっては、搬送経路に沿って搬送される記録媒体上にトナー画像を形成する画像形成部と、上記搬送経路に沿って搬送される上記記録媒体上に上記トナー画像を定着させる上記の定着装置と、を備える。
本発明に基づく無端ベルトの製造方法は、画像形成装置に用いられる無端ベルトの製造方法である。上記本発明に基づく無端ベルトの製造方法は、無端状の基層、上記基層上に設けられた弾性層、および上記弾性層上に設けられ、フッ素樹脂を含む表層を備えた無端状のベルトを準備する工程と、紫外領域の波長を有するレーザ光を上記表層にスポット照射して1つ以上のマーク部を形成する工程と、を備える。
上記本発明に基づく無端ベルトの製造方法にあっては、上記マーク部を形成する工程において、上記レーザ光のパルス間隔が上記レーザ光のスポット径以上上記レーザ光のスポット径の2倍以下となるように、上記レーザ光をパルス発振することが好ましい。
上記本発明に基づく無端ベルトの製造方法にあっては、上記マーク部を形成する工程において、上記レーザ光の1パルスあたりのエネルギーは、0.01mJ以上0.2mJ以下となるように、上記レーザ光をパルス発振することが好ましい。
上記本発明に基づく無端ベルトの製造方法にあっては、上記マーク部を形成する工程において、上記マーク部が設けられていない部分の上記表層と上記マーク部との光反射率の差が20%以上となるように、上記マーク部を形成することが好ましい。
上記本発明に基づく無端ベルトの製造方法にあっては、上記マーク部を形成する工程において、大きさが25mm以上となるように上記マーク部を形成することが好ましい。
本発明によれば、弾性層からの表層の浮き上がりを抑制できるとともに鮮鋭なマーク部を有する無端ベルト、定着装置、画像形成装置、および無端ベルトの製造方法を提供することができる。
実施の形態に係る画像形成装置を示す概略図である。 実施の形態に係る定着装置を示す概略断面図である。 図2に示す矢印III方向から定着装置を見た図である。 実施の形態に係る定着ベルトの概略断面図である。 実施の形態に係る定着ベルトの製造フローを示す工程図である。 図5に示すマーク部を形成する工程を示す図である。 図5に示すマーク部を形成する工程の後状態を示す図である。 実施の形態の効果を検証するために実施した第1検証実験の条件および結果を示す図である。 実施の形態の効果を検証するために実施した第2検証実験の条件および結果を示す図である。 実施の形態の効果を検証するために実施した第3検証実験の条件および結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
(画像形成装置)
図1は、実施の形態に係る画像形成装置を示す概略図である。図1を参照して、実施の形態に係る画像形成装置100について説明する。
図1には、カラープリンタとしての画像形成装置100が示されている。以下では、カラープリンタとしての画像形成装置100について説明するが、画像形成装置100は、カラープリンタに限定されない。たとえば、画像形成装置100は、モノクロプリンタであってもよいし、ファックスであってもよいし、モノクロプリンタ、カラープリンタおよびファックスの複合機(MFP:Multi-Functional Peripheral)であってもよい。
画像形成装置100は、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kと、中間転写ベルト30と、一次転写ローラー31と、二次転写ローラー33と、カセット37と、従動ローラー38と、駆動ローラー39と、タイミングローラー40と、定着装置50と、筐体90と、制御装置101とを備える。
筐体90は、画像形成装置100の外殻を規定する。筐体90は、内部に、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kと、中間転写ベルト30と、一次転写ローラー31と、二次転写ローラー33と、カセット37と、従動ローラー38と、駆動ローラー39と、タイミングローラー40と、定着装置50と、制御装置101とを収容する。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kと、中間転写ベルト30と、一次転写ローラー31と、二次転写ローラー33と、従動ローラー38と、駆動ローラー39とによって画像形成部が構成される。この画像形成部は、後述する搬送経路41に沿って搬送される記録媒体としての用紙S上にトナー画像を形成する。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト30に沿って順に並べられている。画像形成ユニット1Yは、トナーボトル15Yからトナーの供給を受けてイエロー(Y)のトナー画像を形成する。画像形成ユニット1Mは、トナーボトル15Mからトナーの供給を受けてマゼンタ(M)のトナー画像を形成する。画像形成ユニット1Cは、トナーボトル15Cからトナーの供給を受けてシアン(C)のトナー画像を形成する。画像形成ユニット1Kは、トナーボトル15Kからトナーの供給を受けてブラック(BK)のトナー画像を形成する。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、それぞれ、中間転写ベルト30に沿って中間転写ベルト30の回転方向の順に配置されている。画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、それぞれ、感光体10と、帯電装置11と、露光装置12と、現像装置13と、クリーニング装置17とを備える。
帯電装置11は、感光体10の表面を一様に帯電する。露光装置12は、制御装置101からの制御信号に応じて感光体10にレーザ光を照射し、入力された画像パターンに従って感光体10の表面を露光する。これにより、入力画像に応じた静電潜像が感光体10上に形成される。
現像装置13は、現像ローラー14を回転させながら、現像ローラー14に現像バイアスを印加し、現像ローラー14の表面にトナーを付着させる。これにより、トナーが現像ローラー14から感光体10に転写され、静電潜像に応じたトナー画像が感光体10の表面に現像される。
感光体10と中間転写ベルト30とは、一次転写ローラー31を設けている部分で互いに接触している。一次転写ローラー31は、ローラー形状を有し、回転可能に構成される。トナー画像と反対極性の転写電圧が一次転写ローラー31に印加されることによって、トナー画像が感光体10から中間転写ベルト30に転写される。イエロー(Y)のトナー画像、マゼンタ(M)のトナー画像、シアン(C)のトナー画像、およびブラック(BK)のトナー画像が順に重ねられて感光体10から中間転写ベルト30に転写される。これにより、カラーのトナー画像が中間転写ベルト30上に形成される。
中間転写ベルト30は、従動ローラー38および駆動ローラー39に張架されている。駆動ローラー39は、たとえばモーター(図示しない)によって回転駆動される。中間転写ベルト30および従動ローラー38は、駆動ローラー39に連動して回転する。これにより、中間転写ベルト30上のトナー画像が二次転写ローラー33に搬送される。
クリーニング装置17は、感光体10に圧接されている。クリーニング装置17は、トナー画像の転写後に感光体10の表面に残留するトナーを回収する。
カセット37には、用紙Sがセットされる。用紙Sは、カセット37から1枚ずつタイミングローラー40によって搬送経路41に沿って二次転写ローラー33に送られる。二次転写ローラー33は、ローラー形状を有し、回転可能に構成される。二次転写ローラー33は、トナー画像と反対極性の転写電圧を搬送中の用紙Sに印加する。これにより、トナー画像は、中間転写ベルト30から二次転写ローラー33に引き付けられ、中間転写ベルト30上のトナー画像が転写される。二次転写ローラー33への用紙Sの搬送タイミングは、中間転写ベルト30上のトナー画像の位置に合わせてタイミングローラー40によって調整される。タイミングローラー40により、中間転写ベルト30上のトナー画像は、用紙Sの適切な位置に転写される。
定着装置50は、自身を通過する用紙Sを加圧および加熱する。これにより、トナー画像は用紙Sに定着する。このように、定着装置50は、搬送経路41に沿って搬送される用紙S上のトナー画像を定着させる。トナー画像が定着された用紙Sは、トレイ48に排紙される。
なお、上述では、印刷方式としてタンデム方式を採用している画像形成装置100について説明したが、画像形成装置100の印刷方式は、タンデム方式に限定されない。画像形成装置100内における各構成の配置は、採用される印刷方式に従って適宜変更され得る。画像形成装置100の印刷方式として、ロータリー方式や直接転写方式が採用されてもよい。ロータリー方式の場合、画像形成装置100は、1つの感光体10と、同軸上で回転可能に構成される複数の現像装置13で構成される。画像形成装置100は、印刷時には、各現像装置13を感光体10に順に導き、各色のトナー画像を現像する。直接転写方式の場合、画像形成装置100は、感光体10上に形成されたトナー画像が用紙Sに直接転写される。
(定着装置)
図2は、実施の形態に係る定着装置を示す概略断面図である。図3は、図2に示す矢印III方向から定着装置を見た図である。図2および図3を参照して、実施の形態に係る定着装置50について説明する。
図2および図3に示すように、定着装置50は、加圧ローラー60と、定着ベルトユニット70と、定着ベルトユニット70に含まれる定着ベルト71の回転数を検知する回転検知部80を主として備えている。
加圧ローラー60は、たとえばアルミニウム合金等からなる金属製の芯金61と、当該芯金61を覆うように設けられたたとえばシリコーンゴム等からなるゴム製の弾性層62とによって構成されている。加圧ローラー60の直径は、たとえば25mmである。弾性層62の厚みは、たとえば3mmである。なお、加圧ローラー60は、弾性層62を覆うようにたとえばフッ素系樹脂からなる離型層をさらに有していてもよい。
加圧ローラー60は、定着ベルト71の外周面に対向するように配置されている。加圧ローラー60は、後述する巻掛部材としてのパッド部材72との間に定着ベルトを挟み込むようにして配置されている。
加圧ローラーは、定着ベルト71が回転することにより後述する定着ベルト71の表層713(図4参照)に設けられたマーク部714(図3参照)が通過する通過領域に、接触する接触部を含む。当該接触部は、シリコーンゴム等のゴムによって構成されている。ゴムは、定着ベルト71の後述する表層713よりも離形性が低いため、クリーニング機能を発揮する。これにより、接触部がマーク部714に摺動する際に、マーク部714に付着した粉紙およびトナー等の異物を除去することができる。
加圧ローラー60のその軸方向の両端部は、図示しない支軸部によって回転可能に軸支されている。当該加圧ローラー60は、図示しないたとえばモーター等の駆動手段によって回転可能に駆動される。加圧ローラー60は、矢印A方向に回転する。また、加圧ローラー60は、図示しない付勢部材によって定着ベルトユニット70側に向けて弾性付勢可能に構成されている。
定着ベルトユニット70は、上述した定着ベルト71および加熱源74に加え、パッド部材72と、支持部材73と、一対のベルトガイド75とを主として含む。
定着ベルト71は、無端状である。定着ベルト71は、複数の巻掛部材としてのパッド部材72および一対のベルトガイド75に回転可能に巻き掛けられている。定着ベルト71は、矢印B方向に回転する。定着ベルト71は、記録媒体が通過する通紙領域R1と、定着ベルトの回転軸方向において通紙領域R1の外側に位置する非通紙領域R2とを含む。定着ベルト71には、複数のマーク部714が設けられている。なお、定着ベルト71の詳細な構成については、図4を用いて後述する。
パッド部材72は、加圧ローラー60の軸方向に沿って延在する長尺状の部材にて構成されており、定着ベルト71の内側の空間に配置されている。パッド部材72は、長手方向と直交する断面形状が略C字状に構成されている。パッド部材72は、たとえば液晶ポリマー製である。
支持部材73は、加圧ローラー60の軸方向に沿って延在する長尺状の部材にて構成されており、その大部分が定着ベルト71の内側の空間に配置されている。支持部材73は、パッド部材72を支持するためのものである。支持部材73は、定着ベルト71の内側の空間に配置された部分において断面視略L字形状を有する。支持部材73は、たとえば電気亜鉛めっき鋼板(SECC)等の金属製の部材からなる。
加熱源74は、加圧ローラー60の軸方向と平行な方向に沿って延在する。加熱源74は、定着ベルト71を加熱する。
一対のベルトガイド75は、定着ベルト71の内側の空間のうち、加圧ローラー60の軸方向の両端部に対応した位置に設けられている。一対のベルトガイド75は、断面視略C字状の形状を有しており、その外周面に定着ベルト71が回転可能に巻き掛けられている。当該一対のベルトガイド75は、定着装置50を構成する筐体の側壁、あるいは、画像形成装置100の筐体90の内部に設けられたシャーシ等に固定されており、これにより定着ベルト71の回転を案内する。
回転検知部80は、後述する定着ベルト71の表層713(図4参照)に対向して配置されている。
回転検知部80は、たとえば反射型センサである。回転検知部80は、出射部81と受光部82とを有する。出射部81は、後述する定着ベルト71の表層713のうちマーク部714が通過する通過領域の一部に向けて光を出射する。受光部82は、上記通過領域の一部から反射された光を受光する。
回転検知部80は、受光部82によって受光された光の変化を検知して定着ベルト71の回転数を検知する。回転検知部80にて検出された検出結果は、制御装置101に入力される。制御装置101は、上記検出結果に基づいて、定着ベルト71の回転数を制御する。
(定着ベルトの詳細)
図4は、実施の形態に係る定着ベルトの概略断面図である。図3および図4を参照して、定着ベルト71の詳細な構成について説明する。
図3および図4に示すように、定着ベルト71は、無端ベルト状の基層711と、基層711上に設けられた弾性層712と、弾性層712上に設けられた表層713とを含む。なお、各層の間には接着のための接着層が設けられていてもよい。接着層は、たとえば、接着剤によって構成されている。
基層711としては、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、テトラフルオロエチレン-パーフルオルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)樹脂等のフレキシブルで機械的強度に優れ、耐熱性を有する材料が好適に用いられる。
弾性層712としては、耐熱性、熱伝導性に優れたシリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム等が好適に用いられる。
表層713は、フッ素樹脂を含む。表層713としては、離形性に優れた材料が好適に用いられる。表層713としては、たとえば、PFA樹脂、PTFE樹脂、FEP樹脂等が好適に用いられる。特に、成形性およびトナー離形性の観点からPFA樹脂が望ましい。PFA樹脂としては、たとえば、三井デュポンフロロケミカル社製テフロン(登録商標)等が挙げられる。
表層713には、複数のマーク部714が設けられている。複数のマーク部714は、非通紙領域R2に設けられている。複数のマーク部714は、定着ベルト71の周方向に互いに離間して配置されている。なお、複数のマーク部714は、無端ベルトの周方向に沿って等間隔で配置されていてもよい。
定着ベルト71の回転軸方向におけるマーク部714の幅は、後述する回転検知部80の出射部81から出射される出射光のスポット径以上20mm以下であることが好ましい。
マーク部714の幅が出射光のスポット径より小さい場合には、出射光がマーク部714とマーキングされていない部分に跨って照射されるため、マーク部714からの反射光を回転検知部80によって十分に検知できなくなる。また、マーク部714の幅が20mmより大きくなる場合には、定着ベルト71の幅が大きくなり、ひいては、画像形成装置100の幅が大きくなる。
定着ベルト71の周方向におけるマーク部714の長さは、出射部81から出射される出射光のスポット径以上定着ベルト71の周長/(マーク部714の個数×2)以下であることが好ましい。
マーク部714の長さが上記光のスポット径より小さい場合には、出射部81から出射される光が、マーク部714とマーキングされていない部分に跨って光が照射されるため、マーク部714からの反射光を回転検知部80によって十分に検知できなくなる。また、マーク部714の長さが定着ベルト71の周長/(マーク部714の個数×2)より多くなる場合には、マーキングされていない領域の上記周方向における長さが小さくなってしまう。
複数のマーク部714は、紫外領域の波長を有するレーザ光を表層713の所定の複数の領域にスポット照射することにより、所定の複数の領域が変質して形成される。
マーク部714と、マーク部714が設けられていない部分の表層713との光反射率の差は、20%以上であることが好ましい。
定着ベルト71が回転する場合には、定着ベルト71が振動する場合がある。また、定着装置50内の温度の変動する場合には、回転検知部80での検知精度も変動する。このため、上記のように光反射率の差を20%以上とすることにより、回転検知部80によってマーク部714の有無を確実に検知することができる。
マーク部714の大きさは、25mm以上としてもよい。上述のようにマーク部714は、紫外領域の波長を有する光は、照射することで形成される。紫外領域の波長を有する光は、赤外線と比較して、照射対象物の分子を振動させて熱を発生させる効果が弱いため、熱による影響を抑制することができる。
マーク部714の大きさが25mm以上となるように赤外線を照射した場合には、表層713が熱によって溶融されることが起こり得る。実施の形態においては、紫外領域の波長を有する光を表層713に照射するため、表層713の溶融を抑制できるとともに、表層713と弾性層712との間に位置する接着層が熱によって損傷し、表層713の一部が弾性層712から浮き上がることを抑制することができる。
(定着ベルトの製造方法)
図5は、実施の形態に係る定着ベルトの製造フローを示す工程図である。図6は、図5に示すマーク部を形成する工程を示す図である。図7は、図5に示すマーク部を形成する工程の後状態を示す図である。図5から図7を参照して、実施の形態に係る定着ベルト71の製造方法について説明する。
図5に示すように、定着ベルト71を製造するに際して、まず、工程S10において、無端状のベルトを準備する。具体的には、無端状の基層711、当該基層711上に設けられた弾性層712、および弾性層712上に設けられ、フッ素樹脂を含む表層713を備えた無端状のベルトを準備する。
無端状の基層711は、従来公知の一般的な製造方法により製造される。たとえば、材料となる樹脂を押出機により溶融し、環状ダイを使用したインフレーション法により筒状に成形する。筒状の樹脂を輪切りにすることにより無端状の基層711が形成される。
無端状のベルトを準備するに際して、定着ベルトの内径寸法を有する円筒状の内型の外表面に、無端状の基層711を配置する。次いで、基層用部材の外側を接着用シートで被覆する。さらに、接着用シートの外側に弾性層用部材で被覆する。続いて、弾性層用部材の外側を接着用シートで被覆する。さらに、接着用シートの外側を、フッ素樹脂を含む表層用部材で被覆する。この状態で、円筒状の内型ごと加熱する。これにより、接着用シートが溶融し、弾性層部材が基層用部材に固定され、表層が弾性用部材に固定される。続いて、円筒状の内型を所望の長さに切断し、基層層、弾性層、および表層が順に積層された無端状のベルトを内型から外す。
次に、工程S20において、マーク部714を形成する。具体的には、紫外領域の波長を有するレーザ光を表層713にスポット照射して1つ以上のマーク部714を形成する。表層713に上記レーザ光を照射することにより、照射された部分の表層713が変質し、この部分がマーク部714となる。
マーク部714においては、紫外領域の波長を有するレーザ光によって、表層713を構成する分子の化学結合が切断されている。このため、マーク部714は、レーザ光が照射されていない表層713と比較して変色している。
紫外領域の波長を有するレーザ光を照射することにより、赤外領域の波長を有するレーザ光を照射する場合と比較して、熱による定着ベルト71の損傷を抑制することができる。具体的には、表層713と弾性層712との間に位置する接着層が熱によって損傷し、表層713の一部が弾性層712から浮き上がることを抑制することができる。
また、紫外領域の波長を有するレーザ光によって表層713の一部を変質させるため、鮮鋭性の高いマーク部714を形成することができる。
紫外領域の波長を有するレーザ光を照射する際には、レーザ光のパルス間隔がレーザ光のスポット径以上レーザ光のスポット径の2倍以下となるように、レーザ光をパルス発振することが好ましい。
レーザ光のパルス間隔がレーザ光のスポット径未満になる場合には、レーザ光が定着ベルト71に2重に照射される部分が発生し、微小な表層713の浮きが生じ得る。レーザ光のパルス間隔がレーザ光のスポット径の2倍よりも大きくなる場合には、マーク部714の鮮鋭性が低下することが起こり得る。
マーク部714を形成する際には、レーザ光の1パルスあたりのエネルギーが、0.01mJ以上0.2mJ以下となるように、レーザ光をパルス発振することが好ましい。
レーザ光の1パルスあたりのエネルギーが、0.01mJより小さくなる場合には、表層713の変質度合いが低下するために、マーク部714とマーク部714が形成されていない部分の表層713との反射率の差が小さくなることが起こり得る。レーザ光の1パルスあたりのエネルギーが、0.2mJより大きくなる場合には、熱による影響が大きくなるため表層713の浮きが生じ得る。
マーク部714を形成する際には、マーク部714が設けられていない部分の表層713とマーク部714との光反射率の差が20%以上となるように、マーク部714を形成する。これにより、上述のように、回転検知部80によってマーク部714の有無を確実に検知することができる。
マーク部714を形成する際には、大きさが25mm以上となるようにマーク部714を形成してもよい。このような大きさとする場合には、可視光または赤外領域のを有する光を照射する場合と比較して、熱の損傷を大きく抑制することができる。これにより、表層713の一部が弾性層712から浮き上がることを抑制することができる。
(検証実験)
図8は、実施の形態の効果を検証するために実施した第1検証実験の条件および結果を示す図である。図8を参照して、実施の形態の効果を検証するために実施した第1検証実験の条件および結果について説明する。
図8に示すように、第1検証実験においては、表層713に照射するレーザ光の波長、レーザ光のパルス間隔およびレーザ光のスポット径を変化させてマーク部を形成した。
レーザ光としては、紫外領域の波長を有する紫外線レーザ、可視域の波長を有する可視光レーザ、赤外領域の波長を有する赤外線レーザを用いた。紫外線レーザとして2種類のレーザを使用し、各レーザの波長は、266nmおよび355nmとした。可視光レーザとしては、1種類のレーザを使用し、当該レーザの波長は、532nmとした。赤外線レーザとしては、3種類のレーザを使用し、各レーザの波長は、1064nm、9300nm、10600nmとした。
紫外線レーザの各レーザ、可視光レーザの各レーザ、赤外線レーザの各レーザのそれぞれにおいて、パルス間隔ptとスポット径dとの関係を、pt<d、pt=d、2d>pt>d、pt=2d、pt>2dとした。なお、パルス間隔ptは、35μm、25μm、45μmとした。
上述のような条件においてマーク部714を形成し、形成されたマーク部714が、弾性層712から剥離されて浮いた状態となったか、ならびに、マーク部が設けられていない部分の表層713とマーク部との光反射率の差が20%以上となったかを確認した。
マーク部714の浮き状態の判定(浮き判定)については、マーク部714を通過し、かつ、定着ベルトの周方向に直交する定着ベルト71の断面を目視にて観察することにより評価した。
浮き判定において、上記マーク部714が弾性層から浮き上がっており、定着ベルト71の破損への影響が大きいものを不可と判断した。マーク部714の一部が浮き上がっているものの、定着ベルト71の破損への影響が小さいものを可と判断した。マーク部714が弾性層から浮き上がっておらず、定着ベルト71の破損への影響がないものを良と評価した。
光反射率の差は、分光光度計U‐4100(日立製作所製)を用いてマーク部714と、マーク部714が形成されていない部分の表層713との分光反射率を測定することにより、算出した。この際、波長870nmにおける分光反射率を測定した。
反射率差の評価においては、上記反射率の差が20%より小さくなるものを不可と判断した。反射率の差が20%を下回らないものの、ほぼ20%となるものを可と判断した。反射率の差が20%を相当程度上回るものを良と判断した。
紫外線レーザであって波長を266nmおよび355nmとした場合には、いずれの場合であっても、パルス間隔ptとスポット径dとの関係がd≦pt≦2dとなる場合に、浮き判定および反射率差の評価の双方が、良となった。一方で、パルス間隔ptとスポット径dとの関係がpt<dの場合には、浮き判定は良となり、反射率差の評価は可となった。また、パルス間隔ptとスポット径dとの関係がpt>2dの場合には、浮き判定は可となり、反射率差の評価は良となった。
可視光レーザであって波長を532nmとした場合には、浮き判定および反射率差の評価の双方が、良となるものはなかった。また、可視光レーザの浮き判定は、d≦ptとなる場合において、不可となり、紫外線レーザの場合と比較して、マーク部714の浮きが目立つ結果となった。
赤外線レーザであって波長を1064nmとした場合には、浮き判定および反射率差の評価の双方が、良となるものはなかった。また、可視光レーザの浮き判定は、d≦ptとなる場合において、不可となり、紫外線レーザの場合と比較して、マーク部714の浮きが目立つ結果となった。
赤外線レーザであって波長を9300nmとした場合には、浮き判定および反射率差の評価の双方が、良となるものはなかった。また、可視光レーザの浮き判定は、パルス間隔ptとスポット径dとの関係がいずれの場合であっても不可となり、紫外線レーザの場合と比較して、マーク部714の浮きが目立つ結果となった。
赤外線レーザであって波長を10600nmとした場合には、浮き判定および反射率差の評価の双方が、良となるものはなかった。また、可視光レーザの浮き判定は、パルス間隔ptとスポット径dとの関係がいずれの場合であっても不可となり、紫外線レーザの場合と比較して、マーク部714の浮きが目立つ結果となった。
以上の結果から、表層713に紫外波長を有するレーザを照射することにより、表層713の一部を変質させてマーク部714を形成することにより、弾性層712からの表層713の浮きを抑制できることが確認された。
また、表層713に紫外波長を有するレーザを照射することにより、表層713の一部を変質させてマーク部714を形成することにより、上記反射率の差も20%以上とすることができ、鮮鋭なマーク部714を形成できることが確認された。
特に、紫外波長を有するレーザを照射する場合であって、パルス間隔ptとスポット径dとの関係がd≦pt≦2dとなる場合に、弾性層712からの表層713の浮きを良好に抑制できるとともに、鮮鋭なマーク部を形成できることが確認された。
図9は、実施の形態の効果を検証するために実施した第2検証実験の条件および結果を示す図である。図9を参照して、実施の形態の効果を検証するために実施した第2検証実験の条件および結果について説明する。
図9に示すように、第2検証実験においては、表層713に照射するレーザ光の波長、レーザ光のパルス間隔およびレーザ光のスポット径、ならびに、レーザ光の1パルスあたりのエネルギーを変化させてマーク部を形成した。
レーザ光としては、紫外領域の波長を有する紫外線レーザのみを用いた。紫外レーザとして2種類のレーザを使用し、各レーザの波長は、266nmおよび355nmとした。紫外線レーザの各レーザのそれぞれにおいて、パルス間隔ptとスポット径dとの関係を、pt<d、pt=d、2d>pt>d、pt=2d、pt>2dとした。
1パルスあたりのエネルギーは、0.01mJよりも小さい場合、0.01mJ以上0.2mJ以下とした場合、0.2mJよりも大きくした場合の3つに場合分けした。
上述のような条件においてマーク部714を形成し、形成されたマーク部714が、弾性層712から剥離されて浮いた状態となったか、ならびに、マーク部が設けられていない部分の表層713とマーク部との光反射率の差が20%以上となったか否かを確認した。マーク部714の浮き判定および上記光反射率の差の評価については、第1検証実験と同様に評価した。
紫外線レーザであって波長を266nmおよび355nmとした場合であって、1パルスあたりのエネルギーが0.01mJ以上0.2mJ以下の場合には、パルス間隔ptとスポット径dとの関係がいずれの場合であっても、浮き判定は可以上であり、反射率差の評価も可以上であった。
紫外線レーザであって波長を266nmおよび355nmとした場合であって、パルス間隔ptとスポット径dとの関係がd≦pt≦2dとなる場合に、1パルスあたりのエネルギーがいずれの場合であっても、浮き判定および反射率差の評価の双方が、良となった。
以上の結果から、マーク部714を形成する際には、レーザ光の1パルスあたりのエネルギーが、0.01mJ以上0.2mJ以下となるように、レーザ光をパルス発振することが好ましいことが確認された。
図10は、実施の形態の効果を検証するために実施した第3検証実験の条件および結果を示す図である。図10を参照して、実施の形態の効果を検証するために実施した第3検証実験の条件および結果について説明する。
図10に示すように、第3検証実験においては、表層713に照射するレーザ光の波長、および形成するマーク部の大きさ(面積)を変化させた。
レーザ光としては、紫外領域の波長を有する紫外線レーザ、可視域の波長を有する可視光レーザ、赤外領域の波長を有する赤外レーザを用いた。紫外レーザとして2種類のレーザを使用し、各レーザの波長は、266nmおよび355nmとした。可視光レーザとしては、1種類のレーザを使用し、当該レーザの波長は、532nmとした。赤外線レーザとしては、3種類のレーザを使用し、各レーザの波長は、1064nm、9300nm、10600nmとした。
紫外線レーザの各レーザ、可視光レーザの各レーザ、赤外線レーザの各レーザをそれぞれ用いて、大きさが1mm、5mm、10mm、25mm、30mmのマーク部714を形成した。
なお、パルス間隔ptとスポット径dとの関係は、d≦pt≦2dとし、1パルスあたりのエネルギーが0.01mJ以上0.2mJ以下とした。
上述のような条件において形成されたマーク部714が、弾性層712から剥離されて浮いた状態となったかを確認した。マーク部714の浮き判定については、第1検証実験と同様に評価した。
紫外線レーザであって波長を266nmおよび355nmとした場合には、マーク部714の大きさがいずれの場合であっても、マーク部714の浮き判定は、良好な結果が得られた。
可視光レーザであって波長を532nmとした場合には、マーク部714の大きさが25mm以下の場合には、マーク部714の浮き判定は、良となったが、マーク部714の大きさが30mmの場合に、マーク部714の浮き判定は、不可となった。
赤外線レーザであって波長を1064nm、9300nm、および10600nmとした場合には、いずれの場合においても、マーク部714の大きさが10mm以下の場合には、マーク部714の浮き判定は、良となったが、マーク部714の大きさが25mm以上の場合に、マーク部714の浮き判定は、不可となった。
以上の結果から、紫外領域の波長を有する紫外線レーザは、赤外線レーザと比較して、照射対象物の分子を振動させて熱を発生させる効果が弱いため、熱による影響を抑制することができ、この結果、マーク部714の浮きを抑制できることが確認された。特に、マーク部714の大きさが25mm以上の場合に、上記効果が顕著に確認された。
なお、上述した実施の形態においては、無端ベルトが、定着ベルト71として利用される場合を例示して説明したがこれに限定されず、中間転写ベルト30に利用されてもよいし、記録媒体を搬送するための搬送ベルトに用いられてもよい。
以上、今回発明された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
1C,1K,1M,1Y 画像形成ユニット、10 感光体、11 帯電装置、12 露光装置、13 現像装置、14 現像ローラー、15C,15K,15M,15Y トナーボトル、17 クリーニング装置、30 中間転写ベルト、31 一次転写ローラー、33 二次転写ローラー、37 カセット、38 従動ローラー、39 駆動ローラー、40 タイミングローラー、41 搬送経路、48 トレイ、50 定着装置、60 加圧ローラー、61 芯金、62 弾性層、70 定着ベルトユニット、71 定着ベルト、72 パッド部材、73 支持部材、74 加熱源、75 ベルトガイド、80 回転検知部、81 出射部、82 受光部、90 筐体、100 画像形成装置、101 制御装置、711 基層、712 弾性層、713 表層、714 マーク部。

Claims (18)

  1. 画像形成装置に用いられる無端ベルトであって、
    無端状の基層と、
    前記基層上に設けられた弾性層と、
    前記弾性層上に設けられた表層と、を備え、
    前記表層は、フッ素樹脂を含み、
    前記表層には、紫外領域の波長を有するレーザ光を前記表層に照射することにより前記表層の一部が変質して形成されたマーク部が1つ以上設けられており、
    前記マーク部の表面は、平坦である、無端ベルト。
  2. 前記レーザ光は、パルス発振されており、
    前記レーザ光のパルス間隔は、前記レーザ光のスポット径以上前記レーザ光のスポット径の2倍以下である、請求項1に記載の無端ベルト。
  3. 前記レーザ光は、パルス発振されており、
    前記レーザ光の1パルスあたりのエネルギーは、0.01mJ以上0.2mJ以下である、請求項1または2に記載の無端ベルト。
  4. 前記マーク部が設けられていない部分の前記表層と前記マーク部との光反射率の差が、20%以上である、請求項1から3のいずれか1項に記載の無端ベルト。
  5. 前記マーク部の大きさが、25mm 以上である、請求項1から4のいずれか1項に記載の無端ベルト。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の無端ベルトと、
    前記無端ベルトが回転可能に巻き掛けられる複数の巻掛部材と、を備えた定着装置。
  7. 前記無端ベルトは、記録媒体が通過する通紙領域と、前記無端ベルトの回転軸方向において前記通紙領域の外側に位置する非通紙領域とを含み、
    前記マーク部は、前記非通紙領域に設けられている、請求項6に記載の定着装置。
  8. 前記複数の巻掛部材のいずれかとの間に前記無端ベルトを挟み込むようにして配置された加圧ローラーをさらに備え、
    前記表層は、前記無端ベルトが回転することにより前記マーク部が通過する通過領域を含み、
    前記加圧ローラーは、前記通過領域に接触する接触部を含み、
    前記接触部は、ゴムによって構成されている、請求項6または7に記載の定着装置。
  9. 前記表層に対向して配置され、前記無端ベルトの回転数を検知する回転検知部をさらに備え、
    前記表層は、前記無端ベルトが回転することにより前記マーク部が通過する通過領域を含み、
    前記回転検知部は、前記通過領域の一部に向けて光を出射する出射部と、前記通過領域の前記一部から反射された光を受光する受光部とを含み、
    前記回転検知部は、前記受光部によって受光された光の変化を検知して前記無端ベルトの回転数を検知する、請求項6から8のいずれか1項に記載の定着装置。
  10. 前記無端ベルトの回転軸方向における前記マーク部の幅が、前記出射部から出射される光のスポット径以上20mm以下であり、
    前記無端ベルトの周方向における前記マーク部の長さが、前記出射部から出射される前記光の前記スポット径以上前記無端ベルトの周長/(マーク部の個数×2)以下である、請求項9に記載の定着装置。
  11. 前記表層には、複数の前記マーク部が設けられ、
    複数の前記マーク部は、前記無端ベルトの周方向に沿って等間隔で配置されている、請求項9または10に記載の定着装置。
  12. 画像形成装置に用いられる無端ベルトと、
    前記無端ベルトが回転可能に巻き掛けられる複数の巻掛部材と、を備え、
    前記無端ベルトは、無端状の基層と、前記基層上に設けられた弾性層と、前記弾性層上に設けられた表層と、を含み、
    前記表層は、フッ素樹脂を含み、
    前記表層には、紫外領域の波長を有するレーザ光を前記表層に照射することにより前記表層の一部が変質して形成されたマーク部が1つ以上設けられており、
    前記複数の巻掛部材のいずれかとの間に前記無端ベルトを挟み込むようにして配置された加圧ローラーをさらに備え、
    前記表層は、前記無端ベルトが回転することにより前記マーク部が通過する通過領域を含み、
    前記加圧ローラーは、前記通過領域に接触する接触部を含み、
    前記接触部は、ゴムによって構成されている、定着装置。
  13. 搬送経路に沿って搬送される記録媒体上にトナー画像を形成する画像形成部と、
    前記搬送経路に沿って搬送される前記記録媒体上に前記トナー画像を定着させる請求項6から12のいずれか1項に記載の定着装置と、を備える画像形成装置。
  14. 画像形成装置に用いられる無端ベルトの製造方法であって、
    無端状の基層、前記基層上に設けられた弾性層、および前記弾性層上に設けられ、フッ素樹脂を含む表層を備えた無端状のベルトを準備する工程と、
    紫外領域の波長を有するレーザ光を前記表層に照射して1つ以上のマーク部を形成する工程と、を備え
    前記マーク部を形成する工程において、前記マーク部の表面が平坦となるように前記マーク部を形成する、無端ベルトの製造方法。
  15. 前記マーク部を形成する工程において、前記レーザ光のパルス間隔が前記レーザ光のスポット径以上前記レーザ光のスポット径の2倍以下となるように、前記レーザ光をパルス発振する、請求項14に記載の無端ベルトの製造方法。
  16. 前記マーク部を形成する工程において、前記レーザ光の1パルスあたりのエネルギーは、0.01mJ以上0.2mJ以下となるように、前記レーザ光をパルス発振する、請求項14または15に記載の無端ベルトの製造方法。
  17. 前記マーク部を形成する工程において、前記マーク部が設けられていない部分の前記表層と前記マーク部との光反射率の差が20%以上となるように、前記マーク部を形成する、請求項14から16のいずれか1項に記載の無端ベルトの製造方法。
  18. 前記マーク部を形成する工程において、大きさが25mm以上となるように前記マーク部を形成する、請求項14から17のいずれか1項に記載の無端ベルトの製造方法。
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