JP2020027148A - 定着装置および当該定着装置を備える画像形成装置 - Google Patents

定着装置および当該定着装置を備える画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 外部ローラ加熱方式の定着装置において、定着ローラと加熱ローラとの圧接部である加熱ニップ部における熱的オーバシュートを抑制しつつ、ウォームアップ時間の短縮化を図る。【解決手段】 本発明に係る定着装置としての定着ユニット22によれば、定着ローラ54の回転方向54aに沿って、複数の、たとえば2つの、加熱ローラ58および60が設けられる。たとえば、一方の加熱ローラ58は、その内部にヒータ584を有する。このヒータ584は、加熱ローラ58内の中心よりも加熱ニップ部Naから離れた位置に設けられる。これにより、定着処理後の加熱ニップ部Naにおける過度な加熱が抑制され、つまりオーバシュートが抑制される。また、ヒータ584として、発熱量の大きいものを採用することができる。これらのことは、他方の加熱ローラ60についても、同様である。【選択図】 図2

Description

本発明は、定着装置および当該定着装置を備える画像形成装置に関し、特に、互いに圧接された状態で回転する一対のローラを備え、当該一対のローラ間の圧接部である定着ニップ部にシート状の記憶媒体を通過させることにより当該記録媒体上の未定着トナー像を定着させる、定着装置および当該定着装置を備える画像形成装置に関する。
この種の技術の一例が、特許文献1に開示されている。この特許文献1に開示された技術によれば、一対のローラとしての定着ローラおよび加圧ローラが設けられる。さらに、定着ローラの回転方向に沿って複数の加熱ローラが設けられる。それぞれの加熱ローラは、内部に熱源を有しており、定着ローラに圧接された状態で回転することにより、当該定着ローラを加熱する。このような加熱ローラを用いて定着ローラを加熱する、いわゆる外部ローラ加熱方式の定着装置によれば、当該定着ローラを所定の定着温度にまで加熱するのに要する時間、つまりウォームアップ時間、の短縮化が図られる。なお、特許文献1に開示された技術では、各加熱ローラ間で、それぞれの軸方向における熱源の発熱分布が異なる。そしてたとえば、小サイズの記録媒体(記録材)が連続する場合に、この記録媒体を通過させる定着ニップ部のうちの当該記録媒体と接触しない部分である非通紙部に対応する熱源への給電が停止される。これにより、非通紙部の過度な加熱が防止され、とりわけ定着ローラに対する熱的ストレスが軽減される。
特開平11−84934号公報
ところで、前述のような外部ローラ加熱方式の定着装置においては、定着処理(定着動作)が終了すると、加熱ローラ内の熱源への給電が停止されるとともに、当該加熱ローラを含む各ローラの回転が停止される。その一方で、熱源への給電が停止されても、暫くの間は、当該熱源から熱が発せられる状態、厳密には赤外線が放射される状態(熱輻射)、が続く。この結果、加熱ローラと定着ローラとの間の圧接部である加熱ニップ部の温度が定着処理時よりも上昇する、という熱的オーバシュートが発生する。このオーバシュートは、定着ローラに対して熱的ストレスを与える。このオーバシュートを抑制するには、たとえば熱源として発熱量の小さいものを採用すればよいが、そうすると当然に、当該熱源を有する加熱ローラによる本来の(定着ローラを加熱するという)加熱作用が小さくなり、ウォームアップ時間の短縮化が図られなくなる。
そこで、本発明は、外部ローラ加熱方式の定着装置および当該定着装置を備える画像形成装置において、加熱ニップ部におけるオーバシュートを抑制しつつ、ウォームアップ時間の短縮化を図ることができる、新規な技術を提供することを、目的とする。
この目的を達成するために、本発明は、定着装置に係る第1の発明、および当該定着装置を備える画像形成装置に係る第2の発明を含む。
このうちの定着装置に係る第1の発明は、互いに圧接された状態で回転する一対のローラを備え、この一対のローラ間の圧接部である定着ニップ部にシート状の記録媒体を通過させることにより当該記録媒体上の未定着トナーを定着させる装置を、前提とする。この前提の下、本第1の発明は、加熱ローラをさらに備える。この加熱ローラは、内部に熱源を有し、一対のローラの一方に圧接された状態で回転することにより当該一方のローラを加熱する。ここで、一対のローラおよび加熱ローラは、それぞれの軸を互いに共通の平面に直交させた状態で設けられる。そして、加熱ローラ内の熱源は、当該平面に直交する方向に延伸する。さらに、加圧ローラ内の熱源は、当該平面において、加熱ローラの軸よりも当該加熱ローラと一方のローラとの間の圧接部である加熱ニップ部から離れた位置に設けられる。
なお、本第1の発明においては、保安手段が、さらに備えられてもよい。この保安手段は、加熱ローラ内の熱源の温度を検知しつつ、当該熱源に異常昇温が生じたときに、当該熱源への給電を停止する。ここで、保安手段の温度検知部は、前述の平面における加熱ローラの外方に設けられる。そして、熱源は、当該平面において、加熱ニップ部よりも保安手段の温度検知部に近い位置に設けられる。
また、このような保安手段が設けられる場合、前述の平面において、加熱ニップ部と、加熱ローラの熱源と、当該保安手段の温度検知部とは、略直線状に配置されるのが、望ましい。
さらに、複数の加熱ローラが設けられてもよい。この場合、各加熱ローラは、前述の一方のローラの回転方向に沿って設けられる。そして、定着ニップ部における記録媒体の排出側を基点とする一方のローラの回転方向において、上流側の加熱ローラほど、熱源の発熱量が大きいのが、望ましい。
ここで言う熱源の発熱量は、当該熱源の定格出力により定められてもよい、
本発明のうちの画像形成装置に係る第2の発明は、第1の発明に係る定着装置を備える。ここで言う画像形成装置としては、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、複合機などがある。
このような本発明によれば、外部ローラ加熱方式の定着装置および当該定着装置を備える画像形成装置において、加熱ニップ部におけるオーバシュートを抑制しつつ、ウォームアップ時間の短縮化を図ることができる。
図1は、本発明の第1実施例に係る画像形成装置の内部の構成を概略的に示す図である。 図2は、第1実施例における定着装置の内部の構成を概略的に示す図である。 図3は、第1実施例における加熱ローラに内蔵された加熱ランプの構成を概略的に示す図である。 図5は、第1実施例に係る定着装置の電気的な構成を概略的に示す図である。 図5は、第1実施例における加熱ローラの特徴を説明するための図である。 図6は、本発明の第2実施例における各加熱ローラおよび定着ローラそれぞれの外周面の温度の推移を示す図である。
[第1実施例]
本発明の第1実施例について、図1に示される画像形成装置10を例に挙げて説明する。
本第1実施例に係る画像形成装置10は、電子写真方式のカラープリンタである。この画像形成装置10は、給紙カセット12、露光ユニット14、CMYKの4つの色成分に対応する4つの画像形成ユニット16,16,…、中間転写ベルトユニット18、2次転写ローラ20、定着装置としての定着ユニット22などのコンポーネントを備える。これらのコンポーネントは、筐体10a内に収容される。また、筐体10aの上部は、排紙トレイ24を形成する。さらに、筐体10a内には、給紙カセット12の給紙口12aから排紙トレイ24の上方に設けられた排紙口24aに至るように、用紙搬送路26が形成される。そして、用紙搬送路26の途中の適宜の位置に、1以上の搬送ローラ(対)28が設けられる。また、搬送ローラ28とは別に、レジストローラ30が、用紙搬送路26の途中に設けられる。併せて、用紙搬送路26における排紙口24aの近傍に、排紙ローラ32が設けられる。加えて、筐体10a内には、制御部34が設けられる。
給紙カセット12は、たとえば筐体10a内の下部に設けられる。この給紙カセット12は、記録媒体としての不図示の用紙を収容する。この給紙カセット12内に収容された用紙は、当該給紙カセット12の給紙口12aに設けられたピックアップローラ36により1枚ずつ取り出され、用紙搬送路26へ送り込まれる。用紙搬送路26へ送り込まれた用紙は、搬送ローラ28およびレジストローラ30を含む適宜の搬送手段により当該用紙搬送路26を搬送され、さらに、排紙ローラ32により排紙口24aを介して排紙トレイ24へ排出される。
露光ユニット14は、給紙カセット12の上方に設けられる。この露光ユニット14は、たとえば不図示のLSU(Laser Scanning Unit)を備えるレーザ方式のユニットであり、外部から入力される画像データに基づいて、それぞれの画像形成ユニット16の後述する感光体ドラム38の表面にレーザ光14aを照射する。なお、露光ユニット14は、レーザ方式に限らず、LED(Light Emitting Diode)プリントヘッドを備えるLED方式や、有機EL(Electro Luminescence)プリントヘッドを備える有機EL方式のユニットであってもよい。
4つの画像形成ユニット16,16,…は、たとえば露光ユニット14の上方に設けられる。これらの画像形成ユニット16,16,…は、対応する色成分が異なること以外は基本的に同じ構成であり、それぞれ、感光体ドラム38、帯電器40、現像ユニット42、1次転写ローラ44、クリーニングローラ46などを備える。感光体ドラム38は、その表面に感光層(感光膜)を有する円筒状の像担持体であり、たとえば図1においては、時計回りに回転する。この感光体ドラム38の回転方向に沿って、帯電器40、現像ユニット42、1次転写ローラ44およびクリーニングローラ46が、この順番で配置される。帯電器40は、感光体ドラム38の表面を所定の電位に帯電させる。この所定の電位に帯電された感光体ドラム38の表面に前述のレーザ光14aが照射されることにより、当該感光体ドラム38の表面に前述の画像データに基づく静電潜像が形成される。現像ユニット42は、感光体ドラム38の表面に形成された静電潜像にトナーを供給することで、当該静電潜像を現像し、つまり顕像化する。1次転写ローラ44は、感光体ドラム38の表面のトナー像を中間転写ベルトユニット18の後述する中間転写ベルト48の外側面に転写し、言わば1次転写する。そして、クリーニングローラ46は、感光体ドラム38の表面に残留したトナーを除去する。ここで言うトナーは、1成分系のものであっても、2成分系のものであってもよく、また、非磁性のものであっても、磁性のものであってもよい。
中間転写ベルトユニット18は、各画像形成ユニット16,16,…の上方に設けられる。この中間転写ベルトユニット18は、互いに対を成す駆動ローラ50および従動ローラ52と、これら駆動ローラ50および従動ローラ52間に掛け渡された中間転写体としての無端帯状の中間転写ベルト48と、を備える。駆動ローラ50は、たとえば図1において、反時計回りに回転する。この駆動ローラ50の駆動力は、中間転写ベルト48を介して従動ローラ52へ伝達される。これにより、従動ローラ52も、駆動ローラ50と同じ方向へ回転し、つまり従動する。これら駆動ローラ50および従動ローラ52は、互いに略同じ高さ位置に設けられる。この結果、駆動ローラ50および従動ローラ52間を中間転写ベルト48が略水平方向に沿って走行する上下2つの区間が形成される。さらに、中間転写ベルト48の撓みを防止するべく当該中間転写ベルト48に一定の張力を付与する張力付与手段としての不図示の張力付与機構が設けられる。
なお、各画像形成ユニット16,16,…は、中間転写ベルト48の走行方向に沿って、詳しくは前述の上下2つの区間のうちの下側の区間に沿って、1列に配置される。図1においては、各画像形成ユニット16,16,…が、中間転写ベルト48の走行方向に沿って、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)およびK(ブラック)という各色成分に対応する順番で配置されているが、この順番に限らない。そして、それぞれの画像形成ユニット16は、感光体ドラム38と1次転写ローラ44との間に中間転写ベルト48を挟むように、換言すれば当該感光体ドラム38と1次転写ローラ44との間の1次転写ニップ部を中間転写ベルト48が通過するように、設けられる。これにより、中間転写ベルト48が1次転写ニップ部を通過する際に、前述の如く感光体ドラム38の表面のトナー像が当該中間転写ベルト48の外側面に転写され、つまり1次転写される。
2次転写ローラ20は、中間転写ベルトユニット18の駆動ローラ50と対を成すように、用紙搬送路26の途中に設けられる。この2次転写ローラ20は、駆動ローラ50との間に、厳密には当該駆動ローラ50に巻着された中間転写ベルト48の外側面との間に、用紙を通過させる2次転写ニップ部を形成する。この2次転写ニップ部を用紙が通過することにより、中間転写ベルト48の外側面に1次転写されたトナー像が当該用紙に転写され、言わば2次転写される。この結果、前述の画像データに基づく画像が用紙に形成される。ただし、この時点で用紙に形成される画像、つまりトナー像は、単に当該用紙に載った状態にあり、言わば未定着の状態にある。この未定着の状態にあるトナー像は、後述する定着ユニット22による定着処理によって、用紙に定着される。
また、2次転写ニップ部に用紙を送り込むタイミングを計るために、前述のレジストローラ30が設けられる。すなわち、レジストローラ30は、用紙搬送路26における2次転写ニップ部の手前(上流側)に設けられる。そして、レジストローラ30は、中間転写ベルト48に1次転写されたトナー像の先端と、当該トナー像の転写先(転写材)である用紙の先端とが、互いに同じタイミングで2次転写ニップ部に到達するように、当該用紙を2次転写ニップ部へ送り込む。
2次転写ニップ部に送り込まれた用紙には、前述の如く中間転写ベルト48に1次転写されたトナー像が転写され、つまり2次転写される。そして、この2次転写ニップ部を通過した用紙は、さらに定着ユニット22へ送り込まれる。このとき、2次転写ニップ部を形成する駆動ローラ50および2次転写ローラ20の対は、前述の搬送手段の1つとして機能する。
定着ユニット22は、用紙に2次転写された未定着のトナー像を加熱加圧して当該用紙に定着させる、定着処理を行う。この定着ユニット22による定着処理を施された後の用紙は、用紙搬送路26を搬送され、さらに、排紙ローラ32により排紙口24aを介して排紙トレイ24へ排出される。
定着ユニット22については、後で詳しく説明するが、当該定着ユニット22は、一対のローラとしての定着ローラ54および加圧ローラ56を備える。これら定着ローラ54および加圧ローラ56は、互いに圧接された状態で回転する。たとえば図1において、定着ローラ54は、反時計回りに回転し、加圧ローラ56は、時計回りに回転する。そして、用紙は、これら定着ローラ54および加圧ローラ56間の圧接部である後述する定着ニップ部Nfを通過することにより、定着処理を施される。このとき、定着ローラ54および加圧ローラ56の対は、前述の搬送手段の1つとして機能する。
制御部34は、画像形成装置10全体の制御を司る制御手段である。このため、制御部34は、CPU(Central Processing Unit)などの不図示の制御実行手段を備える。また、制御部34は、後述する電力コントローラ300(図4参照)を構成する。
なお、画像形成装置10は、給紙カセット12とは別の給紙手段としての手差しトレイや、用紙の両面に画像を形成するべく当該用紙の表裏を反転させる反転機構などを備える場合がある。ただし、これらについては、本発明の本旨に直接関係しないので、ここでは、図示を含む詳しい説明を省略する。
さて、本第1実施例における定着ユニット22は、外部ローラ加熱方式のユニットであり、詳しくは図2に示されるように、定着ローラ54および加圧ローラ56の他に、2つの加熱ローラ58および60を備える。併せて、定着ユニット22は、2つのサーモスタット62および64を備える。
定着ローラ54は、前述の定着処理時の基台となるローラ状の基台部材である。この定着ローラ54は、円筒状の定着芯金540と、この定着芯金540の外周面上に一定の厚みで設けられた定着弾性層542と、この定着弾性層542の外周面上に一定の厚みで設けられた定着離型層544と、を備える3層構造である。
定着芯金540は、たとえばステンレス鋼(SUS)製であり、その肉厚は、1mmであり、直径(外径)は、15mmである。なお、定着芯金540は、ステンレス鋼製に限らず、鉄、アルミニウム、銅などの当該ステンレス鋼以外の金属製、あるいは、それらの合金製であってもよい。また、定着芯金540の長さ寸法は、対応可能な用紙のサイズによるが、たとえば250mm〜350mmである。定着弾性層542および定着離型層544についても、この定着芯金540に応じた適宜の長さ寸法とされる。
定着弾性層542は、たとえばアスカーC硬さが40度のシリコンスポンジゴム製であり、その厚みは、7.5mmである。なお、定着弾性層542は、シリコンスポンジゴム製に限らず、フッ素ゴムなどの耐熱性を有する当該シリコンスポンジゴム以外の発砲スポンジゴム製であってもよい。また、定着弾性層542のアスカーC硬さは、40度に限らず、20度〜50度の範囲内であればよい。
このような発砲スポンジゴム製の定着弾性層542は、空隙であるセルを含む。このセルの大きさ、たとえば平均径は、定着弾性層542の断熱性(省エネルギ効果)に影響し、換言すれば当該定着弾性層542の蓄熱性(蓄熱力)に影響する。具体的には、たとえばセルの平均径が小さいほど、定着弾性層542の断熱性が低く、当該定着弾性層542の全体に熱が伝わり易く、省エネルギ効果が低い。その一方で、定着弾性層542の蓄熱性は高い。これとは反対に、セルの平均径が大きいほど、定着弾性層542の断熱性が高く、当該定着弾性層542の表層だけが加熱され易く、省エネルギ効果が高い。その一方で、定着弾性層542の蓄熱性は低い。この定着弾性層542を含む定着ローラ54は、後述する如く2つの加熱ローラ58および60からの熱を受けて定着処理を実現するため、高い断熱性を有するとともに、高い蓄熱性を有することが、望ましい。このことから、定着弾性層542のセルの平均径は、たとえば10μm〜200μm程度が適当であり、空隙率に換算して、40%〜80%程度が適当である。
定着離型層544は、たとえば肉厚が0.03mmのPFA(ペルフルオロアルコキシアルカン:テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)樹脂製チューブである。このPFA樹脂製チューブに代えて、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などの当該PFA以外のフッ素樹脂製のチューブが、定着離型層544として採用されてもよい。
この定着離型層544は、定着弾性層542の外周面に接着される。この定着離型層544と定着弾性層542との接着には、たとえばシリコーン系接着剤またはフッ素系接着剤が用いられる。この定着離型層544は、定着弾性層542とともに、加熱ローラ58および60からの熱を蓄積する蓄熱層として機能する。そして、定着離型層544と定着弾性層542との間の接着層もまた、蓄熱層として機能する。さらに、前述の如く定着弾性層542のセルの平均径が10μm〜200μmである場合には、当該定着弾性層542の外周面(定着離型層544との境界面)付近のセルにも、接着剤が入り込む。そして、この接着剤が入り込んだセルもまた、蓄熱層として機能する。このような幾重もの蓄熱層が備えられることにより、定着ローラ54全体の蓄熱性が向上し、ひいては当該定着ローラ54を含む定着ユニット22の定着性能が向上する。
このような構成の定着ローラ54は、不図示の支持部材により、当該定着ローラ54(定着芯金540)の軸を中心として回転可能に支持される。そして、この定着ローラ54(定着離型層544)の外周面に圧接されるように、加圧ローラ56が設けられる。
加圧ローラ56は、その外周面を定着ローラ54の外周面に圧接させることにより、当該定着ローラ54との間の圧接部である定着ニップ部Nfを形成するローラ状の加圧部材である。この加圧ローラ56は、円筒状の加圧芯金560と、この加圧芯金560の外周面上に一定の厚みで設けられた加圧弾性層562と、この加圧弾性層562の外周面上に一定の厚みで設けられた加圧離型層564と、を備える3層構造である。
加圧芯金560は、たとえば鉄(STKM)製であり、その肉厚は、1mmであり、直径(外径)は、26mmである。なお、加圧芯金560は、鉄製に限らず、ステンレス鋼、アルミニウム、銅などの当該鉄以外の金属製、あるいは、それらの合金製であってもよい。この加圧芯金560を含む加圧ローラ56の長さ寸法は、定着ローラ54の長さ寸法と略同等である。
加圧弾性層562は、たとえばアスカーC硬さが60度のシリコンソリッドゴム製であり、その厚みは、2mmである。なお、加圧弾性層562は、シリコンソリッドゴム製に限らず、フッ素ゴムなどの耐熱性を有する当該シリコンソリッドゴム以外のソリッドゴム製であってもよい。また、加圧弾性層562は、発砲スポンジゴム製であってもよい。いずれにしても、加圧弾性層562は、前述の定着弾性層542よりも硬い材料により形成されるのが、望ましい。
加圧離型層564は、たとえば肉厚が0.05mmのPFA樹脂製チューブであり、加圧弾性層562の外周面に接着される。この加圧離型層564と加圧弾性層562との接着には、たとえばシリコーン系接着剤またはフッ素系接着剤が用いられる。なお、加圧離型層564は、PFA樹脂製に限らず、PTFEなどの当該PFA以外のフッ素樹脂製であってもよい。
さらに、加圧ローラ56(加圧芯金560)の内部には、当該加圧ローラ56用の熱源としてのヒータ566が設けられる。このヒータ566は、たとえば定格出力が300Wの直管形のハロゲンランプヒータであり、加圧ローラ56内の中心に設けられ、詳しくは自身の軸を加圧ローラ56の軸に一致させた状態で設けられる。そして、このヒータ566は、後述する電力コントローラ300からの給電を受けて発熱し、赤外線を放射する。このヒータ566から放射される赤外線を吸収することにより、つまり輻射熱により、加圧ローラ56全体が加熱される。
なお、ヒータ566の直径(外径)は、言うまでもなく加圧ローラ56内の直径(加圧芯金560の内径)よりも小さい。そして、ヒータ566の発熱部分の長さ寸法は、加圧ローラ56の有効長さ寸法、詳しくは当該加圧ローラ56のうちの定着ニップ部Nfを形成する部分の長さ寸法、と同等以上である。また、ヒータ566の発熱部分の発熱分布は、当該ヒータ566の長さ方向において略一定である。
このような構成の加圧ローラ56は、不図示の支持部材により、当該加圧ローラ56(加圧芯金560)の軸を中心として回転可能に支持される。また、加圧ローラ56は、自身の軸が定着ローラ54の軸と平行を成すように支持される。さらに、加圧ローラ56は、自身(加圧離型層564)の外周面が定着ローラ54(定着離型層544)の外周面に圧接されるように、不図示の押圧機構により当該定着ローラ54(の軸がある方向)に向けて押圧される。これにより、定着ローラ54の外周面と加圧ローラ56の外周面との間に定着ニップ部Nfが形成される。
その上で、加圧ローラ56は、不図示の駆動手段としてのモータから駆動力を受けることにより、たとえば図2に矢印56aで示される方向(時計回り)に回転する。これに伴い、定着ローラ54は、図2に矢印54aで示される方向(反時計回り)に回転し、つまり従動する。これにより、定着ローラ54および加圧ローラ56の対は、前述の如く搬送手段の1つとして機能し、詳しくは図2に矢印22aで示される方向に用紙を搬送する。
なお、加圧ローラ56は、前述の押圧機構により、たとえば500Nという荷重で押圧される。このとき、用紙の搬送方向22aにおける定着ニップ部Nfの寸法、いわゆる定着ニップ幅は、約7mmとなる。また、用紙は、前述の未定着のトナー像が形成された面を定着ローラ54側へ向けた状態で、換言すれば当該未定着のトナー像が形成された面とは反対側の面を加圧ローラ56側へ向けた状態で、搬送される。
2つの加熱ローラ58および60は、定着ローラ54を所定の定着温度θfに加熱するためのローラ状の加熱部材である。これらの加熱ローラ58および60は、互いに同じ仕様である。たとえば、一方の加熱ローラ58、言わば第1加熱ローラ58に注目すると、この第1加熱ローラ58は、円筒状の基材580と、この基材580の外周面上に一定の厚みで形成された保護層582と、を備える2層構造である。
基材580は、たとえばステンレス鋼製であり、その肉厚は、0.5mmであり、直径(外径)は、20mmである。なお、基材580は、ステンレス鋼に限らず、鉄、アルミニウム、銅、ニッケルなどの当該ステンレス鋼以外の金属製、あるいは、それらの合金製であってもよい。また、基材580の肉厚は、0.5mmに限らず、たとえば0.2mm〜1mmの範囲であればよい。この基材580を含む加熱ローラ58の長さ寸法は、定着ローラ54の長さ寸法と略同等である。
保護層582は、たとえばフッ素樹脂のコーティング層であり、その厚みは、0.01mmである。この保護層582は、フッ素樹脂以外の耐熱性を有する樹脂層であってもよい。
さらに、第1加熱ローラ58(基材580)の内部には、当該第1加熱ローラ58用の熱源としてのヒータ584が設けられる。このヒータ584は、たとえば定格出力が500Wの直管形のハロゲンランプヒータである。具体的には、図3に示されるように、ヒータ584は、概略直線状(棒状)のフィラメント584aと、このフィラメント584aを中心として当該フィラメント584aの周りを囲む概略円筒形状の石英ガラス管584bと、を有する。なお、図3は、ヒータ584の長さ方向を横切る断面を示す。また、石英ガラス管584b内には、ハロゲンガスが封入される。このヒータ584は、第1加熱ローラ58内の中心から外れた位置に設けられ、詳しくは自身(フィラメント584a)の軸が当該第1加熱ローラ58の軸と互いに適当な距離を置いて平行を成すように設けられる。そして、ヒータ584は、後述する電力コントローラ300からの給電を受けて発熱し、赤外線を放射する。このヒータ584から放射される赤外線を吸収することにより、つまり輻射熱により、第1加熱ローラ58が加熱される。
ただし、ヒータ584は、前述の如く第1加熱ローラ58内の中心から外れた位置に設けられるので、当該第1加熱ローラ58の軸を中心とする円の円周方向において、当該ヒータ584による加熱分布に偏りが生ずる。たとえば、第1加熱ローラ58の外周面のうち、ヒータ584からの距離が近い部分は、当該ヒータ584からの距離が遠い部分よりも、強く加熱される。
なお、ヒータ584の直径(外径)は、言うまでもなく第1加熱ローラ58内の直径(基材580の内径)よりも小さい。そして、ヒータ584の発熱部分の長さ寸法は、第1加熱ローラ58の有効長さ寸法、詳しくは当該第1加熱ローラ58のうちの後述する第1加熱ニップ部Naを形成する部分の長さ寸法、と同等以上である。また、ヒータ584の発熱部分の発熱分布は、当該ヒータ584の長さ方向において略一定である。因みに、前述の加圧ローラ56内のヒータ566は、当該加圧ローラ56内の中心に設けられること、および、その定格出力が300Wであること以外は、第1加熱ローラ58内のヒータ584と同じ構成である。すなわち、加圧ローラ56内のヒータ566もまた、第1加熱ローラ58内のヒータ584と同様のフィラメントおよび石英ガラス管を有する。
このような構成の第1加熱ローラ58は、不図示の支持部材により、当該第1加熱ローラ58(基材580)の軸を中心として回転可能に支持される。また、第1加熱ローラ58は、自身の軸が定着ローラ54の軸と平行を成すように支持される。さらに、第1加熱ローラ58は、自身(保護層582)の外周面が定着ローラ54(定着離型層544)の外周面に圧接されるように、当該第1加熱ローラ58用の不図示の押圧機構により定着ローラ54(の軸がある方向)に向けて押圧される。これにより、定着ローラ54の外周面と第1加熱ローラ58の外周面との間に、両者の圧接部である第1加熱ニップ部Naが形成される。なお、第1加熱ローラ58は、当該第1加熱ローラ58用の前述の押圧機構により、たとえば300Nという荷重で押圧される。このとき、第1加熱ニップ部Naの幅寸法である第1加熱ニップ幅は、約5mmとなる。
その上で、前述の如く定着ローラ54が回転すると、これに伴い、第1加熱ローラ58が、図2に矢印58aで示される方向(時計回り)に回転し、つまり従動する。そして、この第1加熱ローラ58の熱が、第1加熱ニップ部Naを介して定着ローラ54に伝わる。この熱伝導により、定着ローラ54が加熱され、とりわけ当該定着ローラ54の表層部分が加熱される。
なお、定着ローラ54、加圧ローラ56および第1加熱ローラ58は、それぞれの軸を互いに共通の仮想的な平面に直交させた状態にあり、たとえば当該それぞれの軸を図2の紙面に沿う平面に直交させた状態にある。この言わば仮想平面において、第1加熱ローラ58のヒータ584は、当該第1加熱ローラ58の軸よりも第1加熱ニップ部Naから離れた位置に設けられる。また、図2を含む各図からは分からないが、第1加熱ローラ58(基材580および保護層582)が前述の如く回転しても、ヒータ584は回転せず、つまり当該ヒータ584と第1加熱ニップ部Naとの相対的な位置関係は変わらない。
他方の加熱ローラ60、言わば第2加熱ローラ60は、前述したように第1加熱ローラ58と同じ仕様である。すなわち、第2加熱ローラ60もまた、第1加熱ローラ58におけるのと同様の基材600、保護層602、および当該第2加熱ローラ60用の熱源としてのヒータ604を備える。
この第2加熱ローラ60は、不図示の支持部材により、当該第2加熱ローラ60(基材600)の軸を中心として回転可能に支持される。また、第2加熱ローラ60は、自身の軸が定着ローラ54の軸と平行を成すように支持される。さらに、第2加熱ローラ60は、第1加熱ローラ58とは別の位置において、自身(保護層602)の外周面が定着ローラ54(定着離型層544)の外周面に圧接されるように、当該第2加熱ローラ60用の不図示の押圧機構により定着ローラ54(の軸がある方向)に向けて押圧される。これにより、定着ローラ54の外周面と第2加熱ローラ60の外周面との間に、両者の圧接部である第2加熱ニップ部Nbが形成される。なお、第2加熱ローラ60は、当該第2加熱ローラ60用の前述の押圧機構により、たとえば300Nという荷重で押圧される。このとき、第2加熱ニップ部Nbの幅寸法である第2加熱ニップ幅は、約5mmとなる。
この第2加熱ローラ60もまた、第1加熱ローラ58と同様に、定着ローラ54の回転に伴って従動し、詳しくは図2に矢印60aで示される方向(時計回り)に回転する。そして、この第2加熱ローラ60の熱が、第2加熱ニップ部Nbを介して定着ローラ54に伝わる。
併せて、第2加熱ローラ60は、定着ローラ54、加圧ローラ56および第1加熱ローラ58と同様、自身の軸を前述の仮想平面に直交させた状態にある。この仮想平面において、第2加熱ローラ60のヒータ604は、当該第2加熱ローラ60の軸よりも第2加熱ニップ部Nbから離れた位置に設けられる。また、第2加熱ローラ60(基材600および保護層602)が前述の如く回転しても、ヒータ604は回転せず、つまり当該ヒータ604と第2加熱ニップ部Nbとの相対的な位置関係は変わらない。
なお、第1加熱ローラ58および第2加熱ローラ60は、定着ローラ54の回転方向54aに沿って設けられる。具体的には、第1加熱ローラ58は、定着ニップ部Nfにおける用紙の排出側(図2における上方側)を基点とする定着ローラ54の回転方向54aにおいて、第2加熱ローラ60よりも当該基点に近い位置に、つまり上流側に、設けられる。言い換えれば、定着ニップ部Nfにおける用紙の排出側を基点とする定着ローラ54の回転方向54aにおいて、第1加熱ニップ部Naおよび第2加熱ニップ部Nbが、この順番で形成される。
2つのサーモスタット62および64は、互いに同じ仕様である。たとえば、一方のサーモスタット62、言わば第1サーモスタット62は、第1加熱ローラ58内のヒータ584の異常昇温から当該第1加熱ローラ58を保護するための、当該第1加熱ローラ58用の保安手段の一例である。この第1サーモスタット62は、第1加熱ローラ58の近傍に設けられる。具体的には、第1サーモスタット62は、不図示の温度検知部を有する。そして、第1サーモスタット62は、当該温度検知部が第1加熱ローラ58の周囲のうちの第1加熱ニップ部Naとは反対側に位置するように設けられる。
要するに、第1サーモスタット62の温度検知部と、第1加熱ローラ58内のヒータ584と、第1加熱ニップ部Naとは、前述の仮想平面において、略直線状に配置され、換言すれば同一直線上に位置する。なお、図示は省略するが、第1サーモスタット62の温度検知部は、仮想平面と直交する方向において、つまり第1加熱ローラ58の長さ方向において、当該第1加熱ローラ58の中央部付近に位置する。
このような第1サーモスタット62は、不図示の支持部材により支持される。そして、第1サーモスタット62は、第1加熱ローラ58内のヒータ584の温度を検知しつつ、当該ヒータ584に異常昇温が生じたときに、当該ヒータ584への給電を停止する。これにより、第1加熱ローラ58内のヒータ584の異常昇温から当該第1加熱ローラ58を保護することができ、とりわけ当該ヒータ584の異常昇温に起因する火災などの不測の事態の発生を未然に防止することができる。なお、第1サーモスタット62とは別に、第1加熱ローラ58の外周面の温度を検出するための第1温度検出手段としての第1温度センサ66が、後述する如く設けられる(図4参照)。
他方のサーモスタット64、言わば第2サーモスタット64は、第2加熱ローラ60内のヒータ604の異常昇温から当該第2加熱ローラ60を保護するための、当該第2加熱ローラ60用の保安手段の一例である。この第2サーモスタット64は、第2加熱ローラ60の近傍に設けられ、詳しくは当該第2サーモスタット64の温度検知部が第2加熱ローラ60の周囲のうちの第2加熱ニップ部Nbとは反対側に位置するように設けられる。
要するに、第2サーモスタット64の温度検知部と、第2加熱ローラ60内のヒータ604と、第2加熱ニップ部Nbとは、略直線状に配置され、換言すれば同一直線上に位置する。なお、図示は省略するが、第2サーモスタット64の温度検知部は、仮想平面と直交する方向において、つまり第2加熱ローラ60の長さ方向において、当該第2加熱ローラ60の中央部付近に位置する。
このような第2サーモスタット64は、不図示の支持部材により支持される。そして、第2サーモスタット64は、第2加熱ローラ60内のヒータ604の温度を検知しつつ、当該ヒータ604に異常昇温が生じたときに、当該ヒータ604への給電を停止する。これにより、第2加熱ローラ60内のヒータ604の異常昇温から当該第2加熱ローラ60を保護することができ、とりわけ当該ヒータ604の異常昇温に起因する不測の事態の発生を未然に防止することができる。なお、第2サーモスタット64とは別に、第2加熱ローラ60の外周面の温度を検出するための第2温度検出手段としての第2温度センサ68が、後述する如く設けられる(図4参照)。
図4に示されるように、第1加熱ローラ58内のヒータ584、第2加熱ローラ60内のヒータ604、および加圧ローラ56内のヒータ566は、電力コントローラ300からの給電を受けて加熱される。なお、電力コントローラ300は、前述の制御部34により構成される。
たとえば、第1加熱ローラ58内のヒータ584に注目すると、このヒータ584の給電線路中に、第1サーモスタット62が設けられる。前述したように、第1サーモスタット62は、ヒータ584の温度を検知しつつ、当該ヒータ584に異常昇温が生じたときに、当該ヒータ584への給電を停止する。なお、第1サーモスタット62は、バイメタルなどを用いた機械検知方式のものであってもよいし、サーミスタなどを用いた電気検知方式のものであってもよい。また、第1加熱ローラ58の外周面上の適宜の位置、好ましくは第1サーモスタット62の温度検知部の近傍の位置には、当該第1加熱ローラ58の外周面の温度を検出するための前述の第1温度センサ66が設けられる。電力コントローラ300は、この第1温度センサ66からの温度検出信号に基づいて、詳しくは第1加熱ローラ58の外周面の温度が所定温度になるように、ヒータ584への給電量(たとえば電圧値)を制御する。第1温度センサ66としては、サーミスタや熱電対などの適当なセンサが採用され、とりわけ接触型センサが採用される。
第2加熱ローラ60内のヒータ604に注目すると、このヒータ604の給電線路中に、第2サーモスタット64が設けられる。前述したように、第2サーモスタット64は、ヒータ604の温度を検知しつつ、当該ヒータ604に異常昇温が生じたときに、当該ヒータ604への給電を停止する。また、第2加熱ローラ60の外周面上の適宜の位置、好ましくは第2サーモスタット64の温度検知部の近傍の位置には、当該第2加熱ローラ60の外周面の温度を検出するための第2温度センサ68が設けられる。電力コントローラ300は、この第2温度センサ68からの温度検出信号に基づいて、詳しくは第2加熱ローラ60の外周面の温度が所定温度になるように、ヒータ604への給電量(たとえば電圧値)を制御する。なお、第2温度センサ68は、第1温度センサ66と同じ仕様である。
さらに、加圧ローラ56内のヒータ566に注目すると、このヒータ566の給電線路中には、サーモスタットなどの保安手段は設けられていない。ただし、このヒータ566の給電線路中にも、保安手段が設けられてもよい。その一方で、加圧ローラ56の外周面上の適宜の位置には、当該加圧ローラ56の外周面の温度を検出するための温度センサ70が設けられる。電力コントローラ300は、この温度センサ70からの温度検出信号に基づいて、詳しくは加圧ローラ56の外周面の温度が所定温度になるように、当該加圧ローラ56内のヒータ566への給電量(たとえば電圧値)を制御する。この加圧ローラ56用の温度センサ70は、たとえば第1温度センサ66および第2温度センサ68と同じ仕様である。
ところで、本第1実施例における定着ユニット22によれば、次のような利点がある。
すなわち、定着ユニット22による定着処理が終了すると、各ヒータ566,584および604への給電が停止される。併せて、駆動ローラとしての加圧ローラ56の回転が停止され、これに伴い、従動ローラとしての定着ローラ54、第1加熱ローラ58および第2加熱ローラ60の回転が停止される。その一方で、各ヒータ566,584および604への給電が停止されても、暫くの間は、当該各ヒータ566,584および604から熱が発せられる状態が続き、とりわけ前述の石英ガラス管(584bなど)から赤外線が放射される状態が続く。このことから特に、第1加熱ローラ58と定着ローラ54との圧接部である第1加熱ニップ部Na、および、第2加熱ローラ60と定着ローラ54との圧接部である第2加熱ニップ部Nb、のそれぞれにおいて、前述のオーバシュートが発生する虞があることが懸念される。しかしながら、本第1実施例における定着ユニット22によれば、そのような懸念はない。
たとえば、図2における第1加熱ローラ58とその周囲とを抜粋した図5(A)を参照して、当該第1加熱ローラ58内のヒータ584は、前述の如く(仮想平面において)当該第1加熱ローラ58の軸よりも第1加熱ニップ部Naから離れた位置に設けられる。これに対して、図5(B)に示されるように、加熱ローラ58内の中心にヒータ584が設けられる構成を比較例として考える。これらの図から分かるように、図5(A)に示される本第1実施例によれば、図5(B)に示される比較例に比べて、ヒータ584から第1加熱ニップ部Naまでの距離が大きい。したがって、その分、ヒータ584から放射される赤外線584cの第1加熱ニップ部Naに対するエネルギが小さく、換言すれば当該第1加熱ニップ部Naにおける単位面積当たりの輻射熱が小さい。ゆえに、定着処理後の第1加熱ニップ部Naにおける過度な加熱が抑制され、ひいてはオーバシュートが抑制される。
また、本第1実施例によれば、比較例に比べて、前述の如くヒータ584から第1加熱ニップ部Naまでの距離が大きいので、当該ヒータ584として定格出力の大きいもの、つまり発熱量の大きいものを、採用することができる。これにより、ヒータ584を有する第1加熱ローラ58による本来の(定着ローラ54を加熱するという)加熱作用の増大が図られ、ひいてはウォームアップ時間の短縮化が図られる。
さらに、本第1実施例によれば、比較例に比べて、ヒータ584から第1サーモスタット62の温度検知部までの距離が小さい。したがって、その分、第1サーモスタット62によりヒータ584の異常昇温を高い感度で検知することができ、つまり当該ヒータ584の異常昇温に即座に対処することができる。このことは、ヒータ584の異常昇温に起因する火災などの不測の事態の発生を未然に防止するのに、極めて有益である。
これらのことは、第2加熱ローラ60内のヒータ604と、第2加熱ニップ部Nbと、第2サーモスタット64と、についても、同様である。すなわち、本第1実施例によれば、定着処理後の第2加熱ニップ部Nbにおけるオーバシュートが抑制される。併せて、ウォームアップ時間の短縮化が図られる。さらに、第2サーモスタット64によりヒータ604の異常昇温に即座に対処することができる。
以上のように、本第1実施例によれば、第1加熱ニップ部Naおよび第2加熱ニップ部Nbのそれぞれにおけるオーバシュートを抑制しつつ、ウォームアップ時間の短縮化を図ることができる。さらに、第1加熱ローラ58および第2加熱ローラ60内の各ヒータ584および604に異常昇温が生じたときに、これに即座に対処することができる。
[第2実施例]
次に、本発明の第2実施例について説明する。
前述の第1実施例においては、第1加熱ローラ58および第2加熱ローラ60が互いに同じ仕様であり、つまり当該第1加熱ローラ58および第2加熱ローラ60内の各ヒータ584および604が互いに同じ仕様である。具体的には、各ヒータ584および604として、定格出力が500Wのハロゲンランプヒータが採用される。これに対して、本第2実施例においては、第1加熱ローラ58内のヒータ584として、定格出力が700Wのハロゲンランプヒータが採用される。そして、第2加熱ローラ60内のヒータ604として、定格出力が500Wのハロゲンランプヒータが採用される。すなわち、第1加熱ローラ58内のヒータ584として、第2加熱ローラ60内のヒータ604よりも定格出力が大きい、つまり発熱量の大きい、ハロゲンランプヒータが採用される。これ以外の点は、第1実施例と同様であるので、それらの説明は省略する。
改めて図2を参照して、定着ニップ部Nfにおける用紙の排出側(図2における上方側)を基点とする定着ローラ54の回転方向54aにおいて、第1加熱ローラ58は、第2加熱ローラ60よりも上流側に位置する。このような位置関係から、定着ローラ54は、上流側の第1加熱ローラ58によって加熱された後、下流側の第2加熱ローラ60によってさらに加熱される。
ここで、第1実施例においては、前述の如く第1加熱ローラ58および第2加熱ローラ60内の各ヒータ584および604の定格出力が互いに同じであるため、下流側の第2加熱ローラ60の方が、上流側の第1加熱ローラ58に比べて、昇温し易い。図6に、第1実施例における第1加熱ローラ58および第2加熱ローラ60それぞれの外周面の温度の推移を示す。なお、図6において、太実線Xが、第1加熱ローラ58の外周面温度の推移を示し、太破線Yが、第2加熱ローラ60の外周面温度の推移を示す。そして、太一点鎖線Zは、定着ローラ54の外周面温度の推移を示す。
この図6に示されるように、第1加熱ローラ58および第2加熱ローラ60は、それぞれの外周面温度が予め設定された目標温度θtになるように制御される。この制御は、前述の電力コントローラ300が担う。このような制御が行われることにより、定着ローラ54の外周面温度は、所定の定着温度θfに加熱される。ここで言う目標温度θtは、たとえば220℃であり、定着温度θfは、たとえば160℃である。
この図6における第1加熱ローラ58および第2加熱ローラ60による定着ローラ54の加熱開始当初に注目すると、当該第1加熱ローラ58および第2加熱ローラ60それぞれの外周面温度が目標温度θtに到達するまでの時間に差ΔTがある。具体的には、第2加熱ローラ60の外周面温度が目標温度θtに到達した後、ΔTという時間差を置いて、第1加熱ローラ58の外周面温度が当該目標温度θtに到達する。ここで言う時間差ΔTは、数秒間程度であり、たとえば約3秒間である。
第1加熱ローラ58および第2加熱ローラ60内の各ヒータ584および604には、当該第1加熱ローラ58および第2加熱ローラ60それぞれの外周面温度が目標温度θtに到達するまでの間、当該各ヒータ586および604それぞれの定格出力に応じた最大の電力が供給される。したがって、前述の時間差ΔTが生じている期間中は、第1加熱ローラ58内のヒータ584については、その定格出力に応じた最大の電力が供給される一方、第2加熱ローラ60内のヒータ604については、その定格出力よりも小さめに抑えられた電力が供給される。要するに、当該時間差ΔTが生じている期間中は、第2加熱ローラ60内のヒータ604については、その定格出力に応じた最大の能力を発揮しない。ゆえに、このような時間差ΔTが生ずることにより、定着ローラ54の外周面が所定の定着温度θfにまで加熱されるのに要する時間が長くなり、つまりウォームアップ時間の短縮化が阻害される。
これに対して、本第2実施例においては、前述の如く第1加熱ローラ58内のヒータ584の定格出力が700Wであり、第2加熱ローラ60内のヒータ604の定格出力が500Wである。すなわち、第1加熱ローラ58内のヒータ584の定格出力が、第2加熱ローラ60内の定格出力よりも大きい。これにより、図示は省略するが、第1加熱ローラ58および第2加熱ローラ60それぞれの外周面温度が目標温度θtに到達するまでの時間が略同等であり、つまり前述のような時間差ΔTは生じない。この結果、ウォームアップ時間のさらなる短縮化が図られる。たとえば、敢えて図6を参照して説明すると、太実線Xおよび太破線Yが互いに一致するとともに、太一点鎖線Zの立ち上がりがより急激になる。
以上のように、本第2実施例によれば、ウォームアップ時間のさらなる短縮化が図られる。このことは、定着ユニット22を含む画像形成装置10全体の低消費電力化(省エネルギ性能の向上)にも、大きく貢献する。
なお、本第2実施例においては、第1加熱ローラ58および第2加熱ローラ60内の各ヒータ584および604の定格出力が適宜に選定されることにより、当該第1加熱ローラ58および第2加熱ローラ60それぞれの外周面温度が目標温度θtに到達するまでの時間が略同等となるように構成されたが、これに限らない。たとえば、各ヒータ584および604のそれぞれに供給される電力が適宜に調整されることにより、第1加熱ローラ58および第2加熱ローラ60それぞれの外周面温度が目標温度θtに到達するまでの時間が略同等となるように構成されてもよい。この場合、各ヒータ584および604として、互いに同じ定格出力(仕様)のものが採用されてもよいし、互いに異なる定格出力のものが採用されてもよい。
[その他の適用例]
以上の各実施例は、本発明の具体例であり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。これら各実施例以外の局面にも、本発明を適用することができる。
たとえば、図2を参照しながら説明した各ローラ54,56,58および60の構成や寸法などは、一例であり、前述の各実施例で説明した内容に限らない。
また、第1加熱ローラ58および第2加熱ローラ60という2つの加熱ローラが備えられる場合について、説明したが、3つ以上の加熱ローラが備えられてもよい。この場合も、各加熱ローラは、定着ローラ54の回転方向に沿って備えられることが、肝要である。
そして、第1サーモスタット62の温度検知部と、第1加熱ローラ58内のヒータ584と、第1加熱ニップ部Naとは、前述の仮想平面において、同一直線上に配置されることとしたが、多少は当該直線上から外れるように配置されてもよい。このことは、第2サーモスタット64の温度検知部と、第2加熱ローラ60内のヒータ604と、第2加熱ニップ部Nbと、についても、同様である。
さらに、保安手段として、第1サーモスタット62および第2サーモスタット64が採用されたが、これ以外の手段が採用されてもよい。
加えて、各実施例においては、画像形成装置10として、いわゆる中間転写方式のカラープリンタを例示したが、これに限らない。すなわち、タンデム方式やロータリ方式のカラープリンタ、あるいは、モノクロプリンタなどにも、本発明を適用することができる。また、プリンタに限らず、複写機やファクシミリ装置、複合機などの、当該プリンタ以外の画像形成装置にも、本発明を適用することができる。
10 …画像形成装置
22 …定着ユニット
54 …定着ローラ
56 …加圧ローラ
58,60 …加熱ローラ
62,64 …サーモスタット
584,604 …ヒータ

Claims (6)

  1. 互いに圧接された状態で回転する一対のローラを備え、当該一対のローラ間の圧接部である定着ニップ部にシート状の記録媒体を通過させることにより当該記録媒体上の未定着トナーを定着させる定着装置であって、
    内部に熱源を有し、前記一対のローラの一方に圧接された状態で回転することにより当該一方のローラを加熱する加熱ローラをさらに備え、
    前記一対のローラおよび前記加熱ローラは、それぞれの軸を互いに共通の平面に直交させた状態で設けられ、
    前記熱源は、前記平面に直交する方向に延伸するとともに、当該平面において、前記加熱ローラの軸よりも当該加熱ローラと前記一方のローラとの間の圧接部である加熱ニップ部から離れた位置に設けられた、定着装置。
  2. 前記熱源の温度を検知しつつ当該熱源に異常昇温が生じたときに当該熱源への給電を停止する保安手段をさらに備え、
    前記保安手段の温度検知部は、前記平面における前記加熱ローラの外方に設けられ、
    前記熱源は、前記平面において、前記加熱ニップ部よりも前記温度検知部に近い位置に設けられた、請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記平面において、前記加熱ニップ部と前記熱源と前記温度検知部とが略直線状に配置された、請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記一方のローラの回転方向に沿って複数の前記加熱ローラが設けられ、
    前記定着ニップ部における前記記録媒体の排出側を基点とする前記一方のローラの回転方向において、上流側の前記加熱ローラほど前記熱源の発熱量が大きい、請求項1から3のいずれかに記載の定着装置。
  5. 前記熱源の発熱量は、当該熱源の定格出力により定められる、請求項4に記載の定着装置。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の定着装置を備える画像形成装置。
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