JP3935769B2 - 防火区画体用孔閉塞治具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力、電線ケーブルなどの長尺体を挿通させるために床等に形成された貫通孔に対して、防火構造を形成する防火区画体用孔閉塞治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の防火区画体用孔閉塞治具AAとしては、例えば、図7に示すように、耐火材を充填可能にした上部の受部111と、予めに耐熱性充填材201を充填してある下部の受部112が形成された半割筒状の合わせ枠110A,110Aを、建屋の床等に形成された貫通孔100を挿通する電力ケーブル等の長尺体300に対して、貫通孔部分の長尺体300を包囲するように、上端部に形成されている掛け止め鍔113を、貫通孔100周縁の外面に接当するまで落とし込んだ後、上部の受部111に割りリング状の底板114を取付けて,その上に耐火材202を貫通孔100から突出する長尺体300部分に至るまで、貫通孔100に対応する部分には円柱状に、貫通孔100から突出する部分には貫通孔102から離れる程に充填量が減少するような円錐状に充填して、貫通孔100内の長尺体300と、貫通孔100から突出する長尺体300部分に耐火構造を形成して、長尺体300が挿通する貫通孔102に対する防火構造が形成されるものである。
【0003】
そして、万が一に、例えば、床B下に火災が生じて火災加熱が貫通孔100にまで至る場合には、下部の受部112の耐熱性充填材201が熱膨張して、貫通孔100内の長尺体300に延焼するのを阻止するとともに、貫通孔100から突出する部分の長尺体300にまで燃焼が至った場合であっても、上部の受部111に充填されている耐火材202によって、延焼を食いとめることができると言ったものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような構造の防火区画体用孔閉塞治具AAにおいては、貫通孔100内部分と貫通孔100から突出する部分とに、耐熱性充填材201,耐火材202を、受部を形成した半割筒体に支持させる構造であるので、構造が複雑で、部品点数も多い構造であるので、製品コストの低減化、及び、取付け作業時間の短縮化等の問題点を解消したい課題が存在するものであった。
【0005】
本発明は、上述の実状に鑑みて為されたものであって、その主たる課題は、構造、組立が簡単で、製品コスト、取付けコストの低減化を図ることができるとともに、貫通孔に対して長尺体が何れの挿通箇所であっても、その挿通状態のまま貫通孔を閉塞することができる防火区画体用孔閉塞治具を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1による防火区画体用孔閉塞治具の特徴構成は、防火区画体の貫通孔とこれに挿通された長尺体との間の隙間を閉塞する前記貫通孔よりも大なる大きさを有する盤状で、かつ、長尺体の挿通孔及びそれと外周縁とにわたる装着用切込みを形成可能な軟質の耐火材製の孔蓋体と、該孔蓋体の外周縁を防火区画体の外面における貫通孔周縁部との間で押え可能な環状で、前記長尺体に外装するために周方向一箇所が切断された押え金具とを備えているとともに、前記孔蓋体には、該孔蓋体に対する挿通孔及び装着用切込みの形成を許容する状態で該孔蓋体を落ち止め支持する耐火性落ち止め補助手段を設け、前記押え金具には、孔蓋体を貫通して、その突出端が貫通孔の内周面の周方向複数箇所に接当又は近接する舌片状の位置決め突起が固着されている点にある。
【0007】
上記特徴構成によれば、貫通孔に挿通する長尺体に耐火材からなる孔蓋体を装着することができるとともに、耐火性落ち止め及び押え金具を介して長尺体を挿通位置状態のまま貫通孔を閉塞状態にすることができるので、従来のこの種の閉塞冶具に比べて、防火区画構造を形成する部品点数が少ないとともに、取付け作業も簡単に実施することができ、製品コスト、取付けコストの低減化、及び、組付け作業時間の短縮化を図ることができる。
【0008】
しかも、孔蓋体は、貫通孔を挿通する長尺体の該当位置に案内する装着用切込みを通して、長尺体に装着することができるので、装着用切込みを現状の長尺体挿通位置に合わせて形成することによって、貫通孔に対して長尺体が何れの挿通箇所であっても、その挿通状態位置のまま貫通孔を火災遮断性能よく閉塞することができる。
【0009】
また、孔蓋体は盤状のものであり、押え金具も割リング状のものであるので、嵩張らず取扱い性がよいため、生産段階、製品流通段階、在庫段階、施工段階の各段階での運搬性や取扱い性を従来のものに比し、格段の向上を図ることができる。
さらに、例えば、ハサミなどの切断工具を用いて、孔蓋体を容易に切込みや切抜きを実施して、長尺体の挿通位置に対応位置する部分を刳り貫くことができるので、貫通孔を挿通する長尺体の挿通位置に対応する刳り貫きである装着用切込みを迅速且つ適切に実施することができるので、施工現場に臨機に対応した品質の高い作業を実行することがすることができる。
また、例えば、貫通孔を閉塞するように貫通孔周縁の外面に載置された孔蓋体上に、耐火材等の耐熱性充填材を手作業で肉盛りするなどして、孔蓋体自体に応力が加わるようなことがあったとしても、孔蓋体自体に保形性があること、孔蓋体が背後で耐火性落ち止め補助手段の支持を受けていること、複数箇所で位置決め突起が孔蓋体を貫通して孔蓋体の周縁部が貫通孔に落ち込もうとするのが阻止されていることによって、多少の応力に対向することができる。
【0013】
本発明の請求項2による防火区画体用孔閉塞治具の特徴構成は、前記耐火性落止め補助手段が、耐火ネットと耐火シートとを積層した積層シート体から構成されている点にある。
【0014】
上記特徴構成によれば、耐火性落止め補助手段を孔蓋体の貫通孔に対応する側に配備することによって、万が一の火災によって、耐火材からなる孔蓋体に加熱によるクラックが生じ耐火材が脆くなるようなことがあっても、耐火性落止め補助手段である積層シート体によって落ち止めがなされて貫通孔の閉塞状態は維持されるので、孔蓋体の火災遮断性能の向上を図ることができる。
【0015】
しかも、耐火性落止め補助手段が積層シート体と言った肉薄厚さのものであるとともに、例えば、ハサミ等の切断工具で切断することができる耐火ネットと耐火シートである場合、予めに孔蓋体の片面に、孔蓋体の粘着性又は別に接着手段によって貼着しておくことによって、取扱い上の部品点数を少なくすることができるので、施工作業性や施工取扱い性をより向上させることができる。
【0016】
本発明の請求項3による防火区画体用孔閉塞治具の特徴構成は、前記耐火性落ち止め補助手段が、前記貫通孔の開口を交差方向に跨る状態で前記防火区画体の外面の貫通孔周縁に当接可能な耐火線状体から構成されている点にある。
【0017】
上記特徴構成によれば、例えば、押え金具の位置決め突起を孔蓋体に貫通した状態で、押え金具の被係止部に、例えば、鋼線、セラミック線等の耐火線状体からなるV字状等の耐火性落止め補助手段を係止しておき、押え金具の割リング部を通して孔蓋体に長尺体の挿通位置に対応する刳り貫きを形成して、孔蓋体を装着した状態のままで貫通孔を閉塞状態にすることによって、貫通孔の開口に交差する耐火性落止め補助手段によって、貫通孔に対応位置する孔蓋体部分を背後から支持することができ、万が一の火災によって、耐火材からなる孔蓋体に加熱によるクラックが生じる事態になることがあっても、耐火性落止め補助手段によって落ち止めされるので、孔蓋体の火災遮断性能の向上を図ることができる。
【0018】
本発明の請求項4による防火区画体用孔閉塞治具の特徴構成は、前記耐火線状体には、前記孔蓋体を貫通する状態で前記押え金具に係止する係止部が形成されている点にある。
【0019】
上記特徴構成によれば、耐火性落止め補助手段を孔蓋体の貫通孔に対応する側に配備することによって、万が一の火災によって、耐火材からなる孔蓋体に加熱によるクラックが生じ耐火材が脆くなるようなことがあっても、耐火性落止め補助手段の積層シート体によって落ち止めがなされて貫通孔の閉塞状態は維持されるとともに、貫通孔の開口に交差状態で配備された耐火性落止め補助手段の耐火線状体によって、例えば、孔蓋体の貫通孔に対応する部分が長期にわたって高温環境に置かれて孔蓋体の肉厚さが薄くなるような陥没による変形が生じるような場合であっても、耐火性落止め補助手段の耐火線状体によって孔蓋体を背後から支持することによって、孔蓋体が陥没による変形を阻止することができるので、孔蓋体の火災遮断性能の向上を図ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態の防火区画体用孔閉塞治具Aを図面に基づいて説明する。
この実施形態の防火区画体用孔閉塞治具Aは、図1〜図4に示すように、コンクリート躯体等からなる防火区画体である床Bに形成され、長尺体Cが挿通されている貫通孔1に対しての防火構造を形成するものである。図面上には、長尺体として、電線、制御線等の4本のケーブルが一組となったケーブル群Cを貫通孔1に挿通する例が示されている。また、通常、建屋内において、配線状態のケーブル群Cは、配線固定バンドや配線支持具等を介して配線経路に沿うように拘束状態の配線がなされているので、極力無だな弛みが生じないような配線状態になっており、当然に床Bの貫通孔1を挿通する部分においても弛みなどは極力押えられているため、貫通孔1内でケーブル群Cを位置変更することができる範囲は小さいことが多い。
【0023】
防火区画体用孔閉塞治具Aは、図1に示すように、盤状に形成されているとともに、裏面に耐火性落ち止め補助手段Eである積層シート体3が貼着されている耐火材からなる孔蓋体2と、下面に複数の位置決め突起4A…が形成されたC字割リング状の押え金具4とから構成されている。
【0024】
前記孔蓋体2は、ハサミ等の切断工具によって切込みや刳り貫きが可能、つまり、ケーブル群Cの挿通孔及びそれの外周縁にわたる装着用切込み2aを形成可能な保形性、粘性を有する軟質パテ状の耐火材製の公知の耐熱性充填材から形成されているとともに、床Bに形成された平面視円形状の貫通孔1に挿通されたケーブル群Cとの間の隙間を閉塞する、貫通孔1の開口1Aよりも大なる輪郭外径を有し、厚さは、例えば、2mm〜10mm程度の円盤状形態のものである。
【0025】
孔蓋体2の全裏面には、格子縞状にグラスウール糸を編成した耐火ネット3Bと、アルミ箔からなる耐火シート3Cとを一体的に積層した、耐火性落ち止め補助手段Eである積層シート体3が接着剤等を介して貼着されている。
前記積層シート体3は、孔蓋体2に対する挿通孔及び装着用切込み2aの形成を許容する、つまり、前記孔蓋体2と共に挿通孔及び装着用切込み2aを形成可能に構成されている。
【0026】
前記押え金具4は、貫通孔1 の開口よりも大なる周方向一箇所が切断されたC字状輪郭の割リング体から構成され、防火区画体の貫通孔1周縁の外面B1に対応する外径を有し、また、板厚さが、例えば、0.8mm〜5mm程度の鋼板を用いて加工形成されたものである。ここで、押え金具4は、鋼板以外にもスレート材板やセラミック材板等を用いて加工形成されているものであってもよい。
【0027】
この押え金具4において、割リング体の割れ目4Cと対向する金具箇所には、開口が割れ目4Cに向いた横溝4Dが形成された細幅板部分4Eが形成され、この細幅板部分4Eを中心に押え金具4を折り曲げやすくなっており、割れ目4Cを境にして対向する金具端部4a,4aを、別々に手で掴んで上下に割れ目4C広げることによって、貫通孔1に挿通するケーブル群Cをリング内側に案内収容することができるようになっている。
【0028】
押え金具4の裏面には、貫通孔の内径より僅かに小径の仮想円の円周に沿って、例えば、ほぼ90度間隔で4つの位置決め突起4A…が下面方向に突出形成されている。ここで、押え金具4は、図2,図3に示すように、施工状態では、孔蓋体2に対して位置決め突起4Aが貫通する積層状態となるとともに、孔蓋体2を貫通した舌片状の位置決め突起4A…の突出端は、貫通孔1の内周面の周方向複数箇所に当接又は近接する状態となって、貫通孔1に対する位置合わせを簡単に実施することができるようになっている。各位置決め突起4Aの突出長さは、前記孔蓋体2の肉厚さよりも長く設定されている。各全位置決め突起4Aは、断面形状がL字状の金属板の一辺を押え金具4の裏面に、スポット溶接などによって固着されている。
【0029】
また、この第1実施形態の防火区画体用孔閉塞治具Aにおいては、貫通孔1から突出するケーブル群C部分を包囲するように充填される耐熱性充填材Dが備えられており、図2〜図4に示すように、孔蓋体2から突出するケーブル群C部分を、突出先端側程、充填量が減少するような円錐状に充填されることになる。ここで、孔蓋体2に形成された装着用切込み2a上にも耐熱性充填材Dを肉盛りしてもよい。
【0030】
このような構成によれば、貫通孔1におけるケーブル群Cの挿通位置を観察し、その観察位置に対応して貼着されている積層シート体3ごと孔蓋体2を、ハサミ等の切断工具を用いて、外周縁から装着用切込み2aを入れて該当部分を切り掻いて刳り貫き、この孔蓋体の装着用切込み2a始端を割れ目4Cに合せるとともに、位置決め突起4Aを孔蓋体2に貫通させて、孔蓋体2と押え金具4とを積層状態にして、両者を一体化する。
【0031】
次に、貫通孔1を挿通するケーブル群Cに対して、押え金具4の割れ目4Cを開いて孔蓋体2に形成された装着用切込み2aを介してケーブル群Cに孔蓋体2を装着し、この状態で孔蓋体2を貫通孔1周縁の外面B1に当接状態である載置状態に取付ける。この取付けに際して、貫通孔1内に積層シート3体を貫通する押え金具4の位置決め突起4A…を収容する。
【0032】
次に、孔蓋体2から突出するケーブル群C部分を、突出先端側程、充填量が減少するような円錐状に耐熱性充填材を充填して、当該防火区画体用孔閉塞治具Aの施工は完了する。
【0033】
ところで、孔蓋体2は、貫通孔1を挿通するケーブル群Cの該当位置に案内する装着用切込み2aを通して、ケーブル群Cに孔蓋体2を装着することができるので、装着用切込み2aを現状のケーブル群C挿通位置に対応して形成することによって、貫通孔1に対してケーブル群Cが何れの挿通箇所であっても、その挿通状態位置のまま貫通孔1を閉塞することができる。
【0034】
〔第2実施形態〕
以下、本発明を適用した第2実施形態の防火区画体用孔閉塞治具Aを説明する。ここで、第1実施形態と同一構成部分には、同一の符号を記載してその詳細は省略し、異なる点を説明する。
【0035】
この防火区画体用孔閉塞治具Aは、図5、図6に示すように、貫通孔1を閉塞した状態で、孔蓋体2の裏面に貼着された積層シート体3と、貫通孔1との間に、貫通孔1の開口1Aを交差可能、つまり、貫通孔1の開口を交差方向に跨る状態で床Bの外面B1の貫通孔周縁に当接可能な耐火線状体5を配置した構成になっているものである。
【0036】
前記耐火線状体5は、中央を渦巻きして平面視V字状に形成した鋼鉄製の線材から構成され、中央の渦巻き部の渦孔に下方から底皿付きのピン6を一体挿入化してあり、180度間隔で押え金具4位置に穿孔されたピン挿入孔4b,4bに対して孔蓋体2を貫通する状態で押え金具4に係止する係止部であるピン部分6aを挿入可能に構成されている。
【0037】
この第2実施形態では、孔蓋体2の裏面に貼着された積層シート体3と耐火線状体5とから耐火性落止め補助手段Eが構成されている。
【0038】
このような構成によれば、貫通孔1におけるケーブル群Cの挿通位置を観察し、その観察位置に対応して貼着されている積層シート体3ごと孔蓋体2を、ハサミ等の切断工具を用いて、外周縁から装着用切込み2aを入れて該当蓋体部分を切り掻いて刳り貫き、この孔蓋体2の装着用切込み2a始端を割れ目4Cに重ねあわせた状態にするとともに、位置決め突起4Aを孔蓋体2に貫通させて、孔蓋体2と押え金具4とを積層状態にして、両者を一体化する。
【0039】
次に、貫通孔1を挿通するケーブル群Cに対して、押え金具4の割れ目4Cを介して孔蓋体2に形成された装着用切込み2aを開いてケーブル群Cに孔蓋体2を装着する。
【0040】
次に、予めに、貫通孔1の開口1Aを180度間隔で交差するように載置してある一対の耐火線状体5に対して、ケーブル群Cを挿通する孔蓋体2と押え金具4とを載置する。この載置に際して、底皿付きのピン6のピン部分6aを孔蓋体2の裏面側から貫通して、その貫通突出する係止部であるピン部分6aを、押え金具4の被係止部であるピン挿入孔4bに挿入して係止し、挿入孔4bから更なる挿入突出するピン部分6aがある場合には、ペンチ等を用いて折り曲げ処理しておく。
この耐火線状体5は、孔蓋体2に対する挿通孔及び装着用切込み2aの形成を許容する、つまり、前記挿通孔及び装着用切込み2aを形成したのちの孔蓋体2に対して取付け可能に構成されている。
【0041】
次に、孔蓋体2から突出するケーブル群C部分を、突出先端側程、充填量が減少するような円錐状に耐熱性充填材を充填して、当該防火区画体用孔閉塞治具Aの施工は完了する。
【0042】
尚、上記とは異なって、押え金具4の180度間隔位置に下向きの係止ピンを垂下設した構成にしておき、貫通孔1への閉塞の際に、耐火線状体5のV字中央部の渦巻き孔に、ピン部分を係止状態にする構成であってもよい。
【0043】
〔その他の実施形態〕
1) 上記各実施形態では、孔蓋体2の裏面に耐火性落止め補助手段Eである積層シート体3を貼着するものについて説明したが、本発明はこれに限らず、耐熱性充填材にガラスウール等を混ぜ込んだ構成にすることによって、保形性を高めた構成にしてもよい。
この場合、孔蓋体2の形成段階を利用して、保形性を高める素材を混合することによって、耐火性落止め補助手段Eを孔蓋体2と一体化した構成を形成するこも可能になるため、孔蓋体2とは別の耐火性落止め補助手段Eを貼着する必要ないため、部品点数の削減化を図ることができる。
【0044】
2) 上記第2実施形態では、孔蓋体2の裏面に貼着された積層シート体3と耐火線状体5とから耐火性落止め補助手段Eを構成するものについて説明したが、積層シート体3は設けず耐火線状体5単独で耐火性落止め補助手段Eを構成するものであってもよい。
【0045】
3) 上記実施形態では、電線や制御線等のケーブル群Cを対象にする防火区画体用孔閉塞治具Aについて説明したが、本発明はこれに限らず、空調機に用いられる空調用冷媒配管等を対象にする防火区画体用孔閉塞治具Aに適用するものであってもよい。
【0046】
4) 上記各実施形態の孔蓋体2、積層シート体3、押え金具4の輪郭形状は、平面視で円形状の板体のものについて説明したが、これに限らず、貫通孔1の内径よりも大きな外径を有する楕円形状、方形形状であってもよい。
【0047】
5) 上記各実施形態では、孔蓋体2から突出するケーブル群C部分を耐熱性充填材によって外嵌包囲するものについて説明したが、本発明はこれに限らず、このような、孔蓋体2から突出するケーブル群C部分を耐熱性充填材によって外嵌包囲する構成を用いないものであってもよい。
この場合、孔蓋体2自体の厚さを厚肉にしたものを用いて、貫通孔1の閉塞性及びケーブル群C部分の耐火性能の向上を得るものであってもよい。
【0048】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1実施形態の防火区画体用孔閉塞治具を示す分解斜視図
【図2】防火区画体用孔閉塞治具を貫通孔周縁の外面に取付けた状態を示す簡略斜視図
【図3】防火区画体用孔閉塞治具を取付けた状態を示す断面図
【図4】貫通孔を挿通する長尺体を防火区画体用孔閉塞治具で閉塞した状態を示す簡略平面図
【図5】防火区画体用孔閉塞治具を貫通孔周面の外面に取付けた状態を示す簡略斜視図
【図6】本発明を適用した第2実施形態の防火区画体用孔閉塞治具を示す分解斜視図
【図7】従来の防火区画体用孔閉塞治具を示す簡略断面図
【符号の説明】
A 防火区画体用孔閉塞治具
B 床(防火区画体)
B1 貫通孔周縁の外面
C ケーブル群(長尺体)
D 耐熱性充填材
E 耐火性落ち止め補助手段
1 貫通孔
2 孔蓋体
2B 耐火ネット
2C 耐火シート
3 積層シート体
5 耐火線状体
Claims (4)
- 防火区画体の貫通孔とこれに挿通された長尺体との間の隙間を閉塞する前記貫通孔よりも大なる大きさを有する盤状で、かつ、長尺体の挿通孔及びそれと外周縁とにわたる装着用切込みを形成可能な軟質の耐火材製の孔蓋体と、該孔蓋体の外周縁を防火区画体の外面における貫通孔周縁部との間で押え可能な環状で、前記長尺体に外装するために周方向一箇所が切断された押え金具とを備えているとともに、前記孔蓋体には、該孔蓋体に対する挿通孔及び装着用切込みの形成を許容する状態で該孔蓋体を落ち止め支持する耐火性落ち止め補助手段を設け、前記押え金具には、孔蓋体を貫通して、その突出端が貫通孔の内周面の周方向複数箇所に接当又は近接する舌片状の位置決め突起が固着されている防火区画体用孔閉塞冶具。
- 前記耐火性落ち止め補助手段が、耐火ネットと耐火シートとを積層した積層シート体から構成されている請求項1記載の防火区画体用孔閉塞冶具。
- 前記耐火性落ち止め補助手段が、前記貫通孔の開口を交差方向に跨る状態で前記防火区画体の外面の貫通孔周縁に当接可能な耐火線状体から構成されている請求項1又は請求項2記載の防火区画体用孔閉塞冶具。
- 前記耐火線状体には、前記孔蓋体を貫通する状態で前記押え金具に係止する係止部が形成されている請求項3記載の防火区画体用孔閉塞冶具。
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