JP5150119B2 - 充填材支持具 - Google Patents

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本発明は、躯体や防火区画仕切壁等の構造体に形成された貫通孔とこれに挿通された空調配管やケーブル等の長尺体との間の環状空間を防火用パテ等の充填材で閉塞する場合に用いられる充填材支持具に関する。
従来、この種の充填材支持具としては、前記貫通孔と長尺体との間の環状空間に入り込み可能な円環状の受止め部を、その中心を通る直径方向で二分割された半円環状の分割受止め板から構成するとともに、前記各分割受止め板の環状方向二箇所には、前記貫通孔の内周壁面に沿って開口側に延出される脚片と、前記構造体における貫通孔の開口周縁に係止可能な状態で前記脚片の先端を径方向外方に直角に折り曲げて形成された係止片とからなる係止部を連設し、前記一つの分割受止め板と2つの係止部とから分割支持具を構成していた(例えば、特許文献1参照)
特開平7−180238号公報
従来の充填材支持具は、一対の分割支持具を構造体の貫通孔内に装着する必要があるため、その装着に手間取り易く、しかも、前記各分割支持具の分割受止め板が、前記貫通孔の内径よりも僅かに小なる外径で180度の半円環状に構成されているため、前記貫通孔の内径が設定内径よりも小さく製作されている現場では、前記両分割受止め板の両端部同士を重ね合わせても、前記両分割受止め板の重合端面の外周縁が径方向外方に飛び出すため、その飛び出し外周縁が構造体における貫通孔の開口周縁に引っ掛かって挿入することができない問題があった。
また、前記各分割支持具の分割受止め板の半周長を、前記貫通孔の内径の変動を吸収するために短く構成することが考えられるが、これによる場合は、前記貫通孔の内径が設定内径に構成されている現場では、前記貫通孔内に装着された両分割受止め板の端面間に大きな隙間が発生するために、充填材の支持機能が低下するばかりでなく、その隙間の範囲で両分割支持具がズレ動き易く、貫通孔の防火処置に多くの手間を要する不都合がある。
本発明は、上述の実状に鑑みて為されたものであって、その主たる課題は、前記貫通孔への装着作業の容易化を図ると同時に、充填材の支持機能を確保しながら貫通孔の内径変動を容易に吸収することのできる充填材支持具を提供する点にある。
本発明による第1の特徴構成は、構造体に形成された貫通孔とこれに挿通された長尺体との間の環状空間内に入り込んだ位置で充填材を受止め可能な略環状で、かつ、その環状方向の一箇所が自由端となる開閉可能な受止め部の環状方向複数箇所に、前記構造体における貫通孔の開口周縁に係止可能な係止部が設けられているとともに、前記受止め部が、それの両自由端部を重合させた設定最小外径にまで縮径可能に構成され、前記受止め部の外周縁のうち、前記両自由端から設定最小外径に縮径操作したときの両自由端部の重合代に相当する領域又はそれに近い領域の外周縁が、他の部位の外周縁よりも径方向内方に偏倚させて形成されている点にある。
上記特徴構成によれば、前記構造体に形成された貫通孔とこれに挿通された長尺体との間の環状空間内に入り込んだ位置で充填材を受止める際、環状方向の一箇所が自由端となる略環状の受止め部を開閉操作することにより、該受止め部の外径を現場の貫通孔の内径に応じて調整することができるが、特に、前記貫通孔の内径が設定内径よりも小さい場合において、前記受止め部の両自由端を重合させた状態で縮径操作したとき、この受止め部の自由端部側の外周縁が他の部位の外周縁よりも径方向内方に偏倚する分だけ、該受止め部の内方偏倚領域の外周縁が径方向外方に飛び出すことを抑制することができる。
従って、前記貫通孔への装着作業の容易化を図ると同時に、充填材の支持機能を確保しながら貫通孔の内径変動を容易に吸収することができるから、貫通孔の防火処置作業能率の向上を図ることができる。しかも、前記受止め部の自由端部側の外周縁を他の部位の外周縁よりも径方向内方に偏倚させて形成するだけであるから、前記受止め部の製造コストの高騰化を抑制することができる。
本発明による第2の特徴構成は、前記受止め部の内方偏倚領域の外周縁が、自由端側ほど小径となるテーパー状又はそれに近い形状に形成されている点にある。
上記特徴構成によれば、前記受止め部の両自由端を重合させた状態で縮径操作したとき、この受止め部の内方偏倚領域の外周縁が最小外径から本来の設定外径に滑らかに変化するから、前記受止め部の内方偏倚領域の外周縁が径方向外方に飛び出すことを抑制しながらも、該受止め部の内方偏倚領域での受止め幅を極力広く確保することができる。
本発明による第3の特徴構成は、前記受止め部が板金製であり、この受止め部の一箇所又は環状方向複数箇所には、該受止め部を縮拡径させるための塑性変形可能な脆弱部が形成されている点にある。
上記特徴構成によれば、前記貫通孔に挿通されている長尺体に対して前記受止め部を外装する場合、板金製の受止め部の一箇所又は環状方向複数箇所に形成された脆弱部において拡径側に塑性変形することにより、前記受止め部の両自由端間に長尺体が通過可能な空間を現出することができるとともに、前記受止め部に径方向の外力を加えない限り、両自由端間に現出された空間を維持することができる。
また、前記受止め部を長尺体に外装したのち、受止め部の一箇所又は環状方向複数箇所に形成された脆弱部において縮径側に塑性変形することにより、該受止め部の外径を貫通孔に挿入可能な大きさに調整することができるとともに、その調整された外径に維持することができる。
更に、前記受止め部の環状方向複数箇所に前記脆弱部が形成されている場合には、各脆弱部での縮拡径操作によって、現場毎に異なる貫通孔の形状に適した好ましい形態を容易に現出することができる。
そして、この種の充填材支持具は、構造体の貫通孔に一旦装着されれば、保守、解体以外に取り出されることがないが故に、該充填材支持具の開閉操作回数は実質的に極めて少ない回数となるから、前記受止め部の脆弱部での塑性変形によって開閉する手段を採用しても割れ等を招来する虞がなく、しかも、縮拡径操作後の形態を維持することができるから、例えば、前記受止め部を、半円環状に分割された一対の半円環状受け板の一端部同士を揺動開閉自在に枢支連結してある場合のように、両半円環状受け板を任意の縮拡径操作形態に維持するための複雑な係止構造を設ける必要がなく、この種の充填材支持具の特性を利用した合理的な改造をもって該充填材支持具の構造の簡素化と製造コストの低廉化を図ることができる。
本発明による第4の特徴構成は、前記受止め部が板金製であり、この受止め部のうち、これの自由端と径方向で対向する一箇所又はこれを含む環状方向の複数箇所には、該受止め部を縮拡径させるための塑性変形可能な脆弱部が形成されている点にある。
上記特徴構成によれば、前記貫通孔に挿通されている長尺体に対して板金製の受止め部を外装する場合、該受止め部のうち、これの自由端と径方向で対向する一箇所又はこれを含む環状方向の複数箇所に形成された脆弱部において拡径側に塑性変形することにより、前記受止め部の両自由端間に長尺体が通過可能な空間を現出することができるとともに、前記受止め部に径方向の外力を加えない限り、両自由端間に現出された空間を維持することができる。
また、前記受止め部を長尺体に外装したのち、該受止め部のうち、これの自由端と径方向で対向する一箇所又はこれを含む環状方向の複数箇所に形成された脆弱部において縮径側に塑性変形することにより、該受止め部の外径を貫通孔に挿入可能な大きさに調整することができるとともに、その調整された外径に維持することができる。
更に、前記受止め部のうち、これの自由端と径方向で対向する一箇所を含む環状方向の複数箇所に前記脆弱部が形成されている場合には、各脆弱部での縮拡径操作によって、現場毎に異なる貫通孔の形状に適した好ましい形態を容易に現出することができるばかりでなく、中央の脆弱部を開閉操作の主体に使用し、それ以外の脆弱部を形状調整用として便利に使い分けることもできる。
そして、この種の充填材支持具は、構造体の貫通孔に一旦装着されれば、保守、解体以外に取り出されることがないが故に、該充填材支持具の開閉操作回数は実質的に極めて少ない回数となるから、前記受止め部の脆弱部での塑性変形によって開閉する手段を採用しても割れ等を招来する虞がなく、しかも、縮拡径操作後の形態を維持することができるから、例えば、前記受止め部を、半円環状に分割された一対の半円環状受け板の一端部同士を揺動開閉自在に枢支連結してある場合のように、両半円環状受け板を任意の縮拡径操作形態に維持するための複雑な係止構造を設ける必要がなく、この種の充填材支持具の特性を利用した合理的な改造をもって、該充填材支持具の構造の簡素化と製造コストの低廉化を図ることができる。
本発明による第5の特徴構成は、前記脆弱部が、前記受止め部の径方向内方に向かって開口する切込みによって構成されている点にある。
上記特徴構成によれば、前記脆弱部が、例えば薄肉によって構成する場合に比して、前記受止め部に対する加工の容易化と製造コストの低廉化を図ることができる。
本発明による第6の特徴構成は、前記受止め部が板金製であり、この受止め部のうち、これの自由端と径方向で対向する一箇所を含む複数箇所には、該受止め部を縮拡径させるための塑性変形可能な脆弱部が形成され、この脆弱部の各々が、前記受止め部の径方向内方に向かって開口する切込みによって構成され、そのうち、前記受止め部の自由端と径方向で対向する中央位置の切込みが、他の部位の切込みよりも環状方向で広幅に形成されている点にある。
上記特徴構成によれば、前記受止め部の複数の脆弱部うち、受止め部の自由端と径方向で対向する中央位置の脆弱部を縮拡径方向での開閉操作の主体に使用し、それ以外の脆弱部を受止め部の形状調整用として便利に使い分けながらも、開閉操作量の大きな中央位置の脆弱部を構成する切込みを、他の部位の脆弱部を構成する切込みよりも環状方向で広幅に形成してあるから、塑性変形による応力集中を環状方向で分散することができ、割れ等の発生を抑制することができる。
本発明による第7の特徴構成は、前記受止め部の外周縁のうち、前記中央切込みの中心線と交差する部位に、径方向外方に突出する凸部が一体形成されている点にある。

上記特徴構成によれば、前記中央の脆弱部を主体にして縮拡径方向で大きく開閉操作しても、前記受止め部の外周縁における中央切込みの中心線と交差する部位での割れ等の発生を抑制することができる。
〔第1実施形態〕
図1〜図7は、構造体の一例である鉄筋コンクリート製床スラブ(構造床)Fに形成された貫通孔Hとこれに挿通された長尺体の一例である空調配管やケーブル等の配管類Cとの間の環状空間Sを防火用パテ等の充填材Bで閉塞する場合に用いられる板金製の充填材支持具Aを示し、前記貫通孔Hとこれに挿通された配管類Cとの間の環状空間S内に入り込んだ位置で充填材Bを受止め可能な略円環状で、かつ、その環状方向の一箇所が自由端1aとなる開閉可能な金属板製(例えば、溶融亜鉛メッキ鋼板)の受止め部A1の環状方向複数箇所(当該実施形態では4箇所)に、前記床スラブFの外壁面Faにおける貫通孔Hの開口周縁に係止可能な金属板製(例えば、溶融亜鉛メッキ鋼板)の係止部A2が一体的に折り曲げ形成されている。
前記受止め部A1のうち、これの両自由端1aと径方向で対向する一箇所を含む環状方向の複数箇所(当該実施形態では合計7箇所)には、該受止め部A1を縮拡径させるための塑性変形可能な脆弱部3,4が形成されているとともに、前記受止め部A1のうち、これの自由端1A側に最も近接位置する両係止部A2の近傍から自由端1aまでの自由端部の外周縁1b、換言すれば、前記受止め部A1を設定最小外径にまで縮径させたときにおける該受止め部A1の両端部の重合代に相当する範囲若しくはそれに近い範囲Lの外周縁1bが、他の部位、つまり、前記自由端1A側に最も近接位置する両係止部A2から中央側部位の円形状外周縁1cよりも径方向内方に偏倚させて形成され、この受止め部A1の前記範囲である内方偏倚領域Lの外周縁1bが、前記自由端1a側ほど小径となるテーパー状又はそれに近い形状に形成されている。
そして、前記床スラブFの貫通孔Hとこれに挿通された配管類Cとの間の環状空間S内に入り込んだ位置で充填材Bを受止める際、環状方向の一箇所が自由端となる受止め部A1の脆弱部3,4のうち、前記両自由端1aと径方向で対向する中央位置の脆弱部3を主体に塑性変形させて開閉操作することにより、該受止め部A1の外径を現場の貫通孔Hの内径に応じて調整することができるが、特に、前記貫通孔Hの内径が設定内径よりも小さい場合において、前記受止め部A1の両端部を重合させた状態で縮径操作したとき、この受止め部A1の内方偏倚領域Lのテーパー状外周縁1bが他の部位の円形状外周縁1cよりも径方向内方に偏倚する分だけ、該受止め部A1の内方偏倚領域Lのテーパー状外周縁1bが貫通孔Hの内径よりも径方向外方に飛び出すことを防止することができる。
前記受止め部A1は、前記床スラブFに形成される貫通孔Hの設定標準内径よりも少し小なる外径と、前記配管類Cを挿通するための挿通孔の設定標準内径よりも少し大なる内径とをもって円周方向の一箇所が切断された略円環状の受止め板1に形成され、この円環状受止め板1の上面が充填材Bの載置面に構成されているとともに、前記円環状受止め板1のうち、前記中央位置の脆弱部3とそれの左右両側に隣接する脆弱部4との間の中間位置、及び前記両自由端1aに最も近接位置する最先端側の脆弱部4と内方偏倚領域Lの中央側端との間の中間位置に夫々前記係止部A2が一体的に折り曲げ形成されている。
前記係止部A2は、前記貫通孔Hの内周壁面Fbに沿って開口側に延出される脚片2Aと、前記床スラブFの外壁面Faにおける貫通孔Hの開口周縁に係止可能な状態で前記脚片2Aの先端を径方向外方に直角に折り曲げて形成された係止片2Bとから構成され、前記係止片2Bには、床スラブFの外壁面Faにコンクリートネジ5等で固定するための取付け孔2aが形成されているとともに、前記脚片2Aと円環状受止め板1との折曲げ角部には、二条の三角状のリブ2bが外方側から打ち出し形成されている。
前記脆弱部3,4の各々は、前記円環状受止め板1の径方向内方に向かって開口する切込みの切込み形成によって円環状受止め板1の径方向幅を小さくすることにより構成され、そのうち、前記円環状受止め板1の両自由端1aと径方向で対向する中央位置の切込み3が、他の部位の切込み4よりも環状方向で広幅にかつ深く形成されている。
前記円環状受止め板1は、それの両自由端1a同士が円環状方向から接当する又は近接する閉じ状態で製作してもよいが、当該実施形態では、図5に示すように、前記円環状受止め板1の円形状外周縁1cと中央位置にある切込み3の中心線Yとの交差点Xと前記両自由端1aの先端とを結ぶ開き角度θが、前記貫通孔Hに挿通された配管類Cに対して外装可能な設定開き角度、つまり、前記両自由端1a間に配管類Cが通過可能な間隔を現出することのできる設定開き角度(例えば、60度)となる状態で製作してある。
前記中央位置の切込み3は、図5、図6に示すように、前記設定開き角度よりも少し環状方向両側に拡がったS字状の両側縁3aによって形成される広幅の内径側切込み部3Aと、前記両S字状側縁3aに連続する状態で設定開き角度と略等しい幅で弧状に湾曲する天井縁3bによって形成される外径側切込み部3Bとから構成されているとともに、前記円環状受止め板1の円形状外周縁1cのうち、前記中央位置の切込み3の中心線Yと交差する部位には、径方向外方に突出する半円弧状の凸部1dが一体形成されている。
そのため、図7に示すように、前記円環状受止め板1の両自由端1a同士が接当又は近接する閉じ姿勢に塑性変形させた状態では、前記中央位置の切込み3は、全ての角が円弧状となる丸みのある凸形状になり、更に、前記凸部1dは引張による伸延作用によって円形状外周縁1cと略面一となる状態にまで窪み、割れ等の発生を抑制している。
そして、前記貫通孔Hに挿通されている配管類Cに対して充填材支持具Aの受止め部A1を外装するにあたって、前記受止め部Aの両自由端1a同士が接当又は近接する閉じ状態で充填材支持具Aが製作されている場合では、前記受止め部A1の円環状受止め板1に形成された複数の脆弱部3,4のうち、円環状受止め板1の両自由端1aと径方向で対向する中央位置の脆弱部を構成する切込み3においてのみ拡径側に塑性変形する、又はこの切込み3とこれの環状方向両側に形成された複数の脆弱部を構成する切込み4において拡径側に塑性変形することにより、前記円環状受止め板1の両自由端1a間に配管類Cが通過可能な空間を現出することができるとともに、前記円環状受止め板1に径方向の外力を加えない限り、両自由端1a間に現出された空間を維持することができる。
また、前記両自由端1a間に配管類Cが通過可能な間隔を現出する設定開き角度で予め製作されている充填材支持具Aの場合では、前記円環状受止め板1を中央位置の切込み3又はその他の切込み4と共に拡径側に塑性変形する工程が省略されるので、割れ等の発生を抑制することができる。
また、前記受止め部A1を配管類Cに外装したのち、前記円環状受止め板1の両自由端1aと径方向で対向する中央位置の切込み3においてのみ縮径側に塑性変形する、又はこの切込み3とこれの環状方向両側に形成された複数の切込み4において縮径側に塑性変形することにより、該受止め部A1の外径を貫通孔Hに挿入可能な大きさに簡単かつ確実に調整することができるとともに、その調整された外径に維持することができる。
そして、この種の充填材支持具Aは、床スラブFの貫通孔Hに一旦装着されれば、保守、解体以外に取り出されることがないが故に、該充填材支持具Aの開閉操作回数は実質的に極めて少ない回数となるから、前記受止め部A1の脆弱部3,4での塑性変形によって開閉する手段を採用しても割れ等を招来する虞がなく、しかも、縮拡径操作後の形態を維持することができる。それ故に、この種の充填材支持具Aの特性を利用した上述の合理的な改造をもって、該充填材支持具Aの構造の簡素化と製造コストの低廉化を図ることができる。
尚、前記充填材Bとしては種々の防火用のものが存在するが、例えば、図2に示すように、巻装された長尺な厚さが約2mm程度の可撓性を有する熱膨張性耐火材シートを用いることができる。この熱膨張性耐火材シートBは、耐火性材料、防音性材料の一例である断熱性を備えたロックウールの短繊維を主体に、火災時に膨張するように熱膨張性材料の一例である未焼成バーミキュライト粉末を含有させてフェルト状に湿式抄造によって製造される。
〔第2実施形態〕
図8は板金製の充填材支持具Aの別実施形態を示し、前記床スラブFに形成された貫通孔Hとこれに挿通された配管類Cとの間の環状空間S内に入り込んだ位置で充填材Bを受止め可能な略円環状で、かつ、その環状方向の一箇所が自由端1aとなる開閉可能な金属板製の受止め部A1を、前記貫通孔Hの設定標準内径よりも少し小なる外径と、前記配管類Cを挿通するための挿通孔の設定標準内径よりも少し大なる内径とをもって半円環状に形成された一対の半円環状受け板1A,1Bに分割構成し、この両半円環状受け板1A,1Bの一端部同士をはと目6等の枢支連結手段により揺動開閉自在に枢支連結してある。
前記各半円環状受け板1A,1Bの環状方向の複数箇所(当該実施形態では合計3箇所)には、受止め部A1を縮拡径させるための塑性変形可能な脆弱部4が形成されているとともに、前記各半円環状受け板1A,1Bのうち、これの自由端1A側に最も近接位置する係止部A2の近傍から自由端1aまでの自由端部の外周縁1b、換言すれば、前記受止め部A1を設定最小外径にまで縮径させたときにおける該受止め部A1の両端部の重合代に相当する範囲若しくはそれに近い範囲Lの外周縁1bが、他の部位の円形状外周縁1cよりも径方向内方に偏倚させて形成され、この受止め部A1の前記範囲である内方偏倚領域Lの外周縁1bが、前記自由端1a側ほど小径となるテーパー状又はそれに近い形状(例えば、弧状や階段状等を含む)に形成されている。
前記脆弱部4の各々は、前記半円環状受け板1A,1Bの径方向内方に向かって略U字状に開口する切込みを切込み形成して、その切込み形成箇所における半円環状受け板1A,1Bの径方向幅を小さくすることにより構成されている。
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
〔第3実施形態〕
図9は板金製の充填材支持具Aの別実施形態を示し、前記床スラブFの貫通孔Hとこれに挿通された配管類Cとの間の環状空間S内に入り込んだ位置で充填材Bを受止め可能な略円環状で、かつ、その環状方向の一箇所が自由端1aとなる開閉可能な金属板製の受止め部A1の環状方向複数箇所(当該実施形態では4箇所)に、前記床スラブFの外壁面Faにおける貫通孔Hの開口周縁に係止可能な金属板製の係止部A2が一体的に折り曲げ形成されている。
前記受止め部A1のうち、これの自由端1A側に最も近接位置する両係止部A2よりも中間部側で、かつ、前記両自由端1aと径方向で対向する一箇所を含む環状方向の複数箇所(当該実施形態では合計9箇所)には、該受止め部A1を縮拡径させるための塑性変形可能な脆弱部3,4が形成されているとともに、前記受止め部A1の自由端1a側に偏倚した部位、詳しくは、前記自由端1a側に最も近接位置する両係止部A2の自由端1a側の近傍箇所には、これから自由端1aまでの部位を径方向内方側に折り曲げるための塑性変形可能な脆弱部7が形成されている。
前記受止め部A1のうち、前記自由端1a側に最も近接位置する両係止部A2から両自由端1aまでの内周縁1e、換言すれば、前記受止め部A1を設定最小外径にまで縮径させたときにおける該受止め部A1の両端部の重合代に相当する範囲若しくはそれに近い範囲Lの内周縁1eが、他の部位の円形状内周縁1fよりも径方向外方に偏倚させて形成され、この受止め部A1の前記範囲である外方偏倚領域L1の内周縁1eが、前記自由端1a側ほど大径となるテーパー状又はそれに近い形状に形成されている。
前記受止め部A1は、前記床スラブFに形成される貫通孔Hの設定標準内径よりも少し小なる外径と、前記配管類Cを挿通するための挿通孔の設定標準内径よりも少し大なる内径とをもって円周方向の一箇所が切断された略円環状の受止め板1に形成されているとともに、前記脆弱部3,4,7の各々は、前記円環状受止め板1の径方向内方に向かって開口する切込みを切込み形成して、その切込み形成箇所における円環状受止め板1の径方向幅を小さくすることにより構成されている。
前記床スラブFに形成された貫通孔Hとこれに挿通された配管類Cとの間の環状空間S内に入り込んだ位置で充填材Bを受止める際、環状方向の一箇所が自由端1aとなる略環状の受止め部A1の脆弱部3,4での塑性変形による拡縮径により、該受止め部A1の外径を現場の貫通孔Hの内径に応じて調整することができるが、特に、前記貫通孔Hの内径が設定内径よりも小さい場合には、前記受止め部A1の自由端1a側に偏倚した部位に形成した脆弱部7を縮径側に塑性変形して、その脆弱部7の形成位置から自由端1aまでの部位を径方向内方側に折り曲げることにより、前記受止め部A1の両自由端1a側を重合させた状態で縮径操作したとき、この受止め部A1の自由端1a側の外周縁が径方向内方側に折り曲げた分だけ径方向外方に飛び出すことを抑制することができる。
しかも、前記受止め部A1の外方偏倚領域L1の内周縁1eが、前記自由端1a側ほど大径となるテーパー状又はそれに近い形状に形成されているから、前述のように前記脆弱部7の形成位置から自由端1aまでの部位を径方向内方側に折り曲げても、前記外方偏倚領域L1の内周縁1eが前記配管類Cの挿通経路内に突出することがない。
それ故に、前記貫通孔Hへの装着作業の容易化を図ること同時に、充填材Bの支持機能を確保しながら貫通孔Hの内径変動を容易に吸収することができるから、貫通孔Hの防火処置作業能率の向上を図ることができる。
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
〔その他の実施形態〕
(1)上述の各実施形態では、前記構造体として鉄筋コンクリート製床スラブ(構造床)Fを例に挙げて説明したが、この構造体としては構造壁や防火区画仕切壁等であってもよい。
(2)上述の各実施形態では、前記受止め部A1の一箇所又は環状方向複数箇所に、該受止め部A1を縮拡径させるための塑性変形可能な脆弱部3,4を形成したが、本発明の技術は、上述のような脆弱部3,4を有さない充填材支持具にも適用することができる。
(3)上述の各実施形態では、前記受止め部A1の環状方向複数箇所に、前記床スラブFの外壁面Faにおける貫通孔Hの開口周縁に係止可能な係止部A2を一体的に折り曲げ形成したが、この受止め部A1と係止部A2とを各別に製作して、溶接やネジ等の固定手段で一体化とてもよい。
(4)上述の各実施形態では、前記3,4,7の各々を、前記円環状受止め板1の径方向内方に向かって開口する切込みを切込み形成して、その切込み形成箇所における円環状受止め板1の径方向幅を小さくすることにより構成したが、前記円環状受止め板1の厚みを薄くしたり、或いは、材質を変えることにより構成してもよい。
本発明の充填材支持具の第1実施形態を示す施工前の分解斜視図 施工後の縦断面図 施工後の平面図 施工後の水平断面図 充填材支持具の平面図 充填材支持具の中央位置の脆弱部の拡大平面図 充填材支持具を縮径操作したときの中央位置の脆弱部の拡大平面図 本発明の充填材支持具の第2実施形態を示す平面図 本発明の充填材支持具の第3実施形態を示す平面図
符号の説明
A 充填材支持具
A1 受止め部
A2 係止部
B 充填材
C 長尺体(配管類)
F 構造体(床スラブ)
H 貫通孔
L 内方偏倚領域
Y 中心線
1a 自由端
1b 外周縁(テーパー状外周縁)
1c 外周縁(円形状外周縁)
1d 凸部
3 脆弱部
4 脆弱部
7 脆弱部

Claims (7)

  1. 構造体に形成された貫通孔とこれに挿通された長尺体との間の環状空間内に入り込んだ位置で充填材を受止め可能な略環状で、かつ、その環状方向の一箇所が自由端となる開閉可能な受止め部の環状方向複数箇所に、前記構造体における貫通孔の開口周縁に係止可能な係止部が設けられているとともに、前記受止め部が、それの両自由端部を重合させた設定最小外径にまで縮径可能に構成され、前記受止め部の外周縁のうち、前記両自由端から設定最小外径に縮径操作したときの両自由端部の重合代に相当する領域又はそれに近い領域の外周縁が、他の部位の外周縁よりも径方向内方に偏倚させて形成されている充填材支持具。
  2. 前記受止め部の内方偏倚領域の外周縁が、自由端側ほど小径となるテーパー状又はそれに近い形状に形成されている請求項1記載の充填材支持具。
  3. 前記受止め部が板金製であり、この受止め部の一箇所又は環状方向複数箇所には、該受止め部を縮拡径させるための塑性変形可能な脆弱部が形成されている請求項1又は2記載の充填材支持具。
  4. 前記受止め部が板金製であり、この受止め部のうち、これの自由端と径方向で対向する一箇所又はこれを含む環状方向の複数箇所には、該受止め部を縮拡径させるための塑性変形可能な脆弱部が形成されている請求項1又は2記載の充填材支持具。
  5. 前記脆弱部が、前記受止め部の径方向内方に向かって開口する切込みによって構成されている請求項3又は4記載の充填材支持具。
  6. 前記受止め部が板金製であり、この受止め部のうち、これの自由端と径方向で対向する一箇所を含む複数箇所には、該受止め部を縮拡径させるための塑性変形可能な脆弱部が形成され、この脆弱部の各々が、前記受止め部の径方向内方に向かって開口する切込みによって構成され、そのうち、前記受止め部の自由端と径方向で対向する中央位置の切込みが、他の部位の切込みよりも環状方向で広幅に形成されている請求項1又は2記載の充填材支持具。
  7. 前記受止め部の外周縁のうち、前記中央切込みの中心線と交差する部位に、径方向外方に突出する凸部が一体形成されている請求項6記載の充填材支持具。
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