JP3935734B2 - 玩具銃 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は玩具銃に関し、特に弾丸を発射する際に発射音を出力する玩具銃に関する。
【0002】
【従来の技術】
玩具銃において弾丸を発射する際に発射音を出力することは、リアル感のある面白い遊びを提供する上で有効である。弾丸を発射する際に音声を出力する玩具銃としては、特開平6−23155号公報の発射機構を組み込んだ玩具銃が知られている。前記玩具銃は、発射機構を構成する特定可動部材の動作に応じて弾丸を発射し発射音を出力する。しかし、前記玩具銃は発射機構を構成する特定可動部材の動作に応じて発射音を出力するため、弾丸の発射と発射音の出力との対応関係が不十分であった。例えば、前記玩具銃は、弾丸を発射できる状態にない場合(弾丸が装填されていない場合等)であっても、発射機構を構成する特定可動部材の動作に応じて発射音を出力してしまう。また、例えば、前記玩具銃がマシンガンのような種類の玩具銃である場合には、弾丸の発射と発射音の出力の不一致が著しい場合がある。前記の欠点は、面白い遊びを損なう原因となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたもので、特に弾丸が銃口から発射されたことを検出し発射音を出力することで、弾丸の発射と発射音の出力との対応関係を向上させることができる玩具銃を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る玩具銃は、銃口から弾丸が発射されたことを検出する弾丸発射検出部と、音声を出力する音声出力部と、発射音データを記憶する発射音データ記憶部と、前記弾丸発射検出部における検出結果に基づいて前記発射音データに基づく発射音を前記音声出力部から出力させる音声制御部とを含むことを特徴とする。
【0005】
本発明によれば、弾丸が銃口から発射されたことに基づいて発射音データに基づく発射音を出力できる。すなわち、本発明によれば、弾丸の発射と発射音データに基づく発射音の出力との対応関係を向上させることができるようになる。これによれば、例えば、弾丸を発射できない状態においてトリガが引かれた場合に発射音を出力しないようにすることも可能となる。さらに、例えば、弾丸を連続的に発射する場合に弾丸の発射とその発射音との対応を改善することも可能となる。
【0006】
また、本発明の一態様では、トリガの状態を検出するトリガ状態検出部と、不発音データを記憶する不発音データ記憶部とをさらに含み、前記トリガ状態検出部においてトリガが引かれたことが検出され、かつ、前記弾丸発射検出部において弾丸が発射されたことが検出されなかった場合に、前記不発音データに基づく不発音を前記音声出力部から出力する。こうすれば、弾丸が装填されていない状態においてトリガが引かれた場合に、不発音データに基づく不発音を出力できるようになる。
【0007】
また、本発明の一態様では、前記弾丸発射検出部は、バレル内の所定位置に取り付けられ、前記所定位置を弾丸が通過することを検出する検出手段を含んで構成される。こうすれば、バレル内の所定位置を弾丸が通過したときに発射音データに基づく発射音を出力できるようになる。
【0008】
さらに、本発明の一態様では、弾丸が通過するときに接触する接触部を内部に有するバレルを備え、前記弾丸発射検出部は、前記接触部に取り付けられ、前記接触部への弾丸の接触を検出する検出手段を含んで構成される。弾丸が通過するときに接触する接触部を玩具銃のバレル内が有する場合、発射時に弾丸が接触部に接触することが期待される。例えば、弾道が連続的に変化するようにバレルが構成されている場合、弾道が変化する位置で弾丸がバレルに接触することが期待される。したがって、バレル内の接触部への弾丸の接触を検出することによって、弾丸の発射を検出することができるようになる。なお、例えば、特開平6−3091号公報等に開示された、バレル内に突出部を備えることで弾丸の射程距離の向上をはかった玩具銃では、本態様の接触部としてその突出部を利用することも可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面に基づき詳細に説明する。
【0010】
図1は本発明の一実施の形態に係る玩具銃の外観を示す図である。同図に示すように玩具銃10はマシンガン状に形成されており、本体17の一部にユーザが腋で当該玩具銃10を支持するためのフォアエンド15が形成されている。また、本体17の一部にはバレル取り付け部18も形成されており、該バレル取り付け部18に中空円筒のバレル12が取り付けられている。さらに、本体17にはユーザが握持するためのグリップ16が形成されており、ユーザが該グリップ16を握持した状態で該ユーザの人差し指が届く位置にトリガ13が設けられている。また、トリガ13の前方には弾丸を本体17に供給するためのマガジン19が取り付け可能となっている。この玩具銃10では、トリガ13が引かれるごとに銃口11から1発の弾丸を発射する発射機構を本体17の内部に備えている。すなわち、トリガ13が引かれると、マガジン19から本体17に供給された1発の弾丸はバレル12の内部を通過した後、銃口11から発射される。
【0011】
バレル12には、銃口11からの弾丸の発射を検出するために、赤外線光源部及び赤外線受光部からなる赤外線センサが取り付けられている。図2は玩具銃10に取り付けられたバレル12の一部を示す縦断面図である。同図に示すように、バレル12取り付け部分には上部に開口部21が形成されるとともに、さらにその直下に開口部22が形成されており、開口部21及び22が対向するようになっている。そして、開口部21の外側、すなわちバレル取り付け部18側には赤外線光源部23が取り付けられている。また、開口部22の外側、すなわちバレル取り付け部18側には赤外線受光部24が取り付けられている。赤外線光源部23は赤外線受光部24に向けて赤外線を照射するものであり、銃口11から弾丸25が発射されると、開口部21と開口部22との間を弾丸25が通過し、赤外線光源部23から発せられる赤外線が該弾丸25により遮られる。このため、赤外線受光部24への赤外線の入射は瞬間的に遮断される。したがって、この遮断を上記マイクロコンピュータで判断することによって、銃口11からの弾丸25の発射を検出することができる。
【0012】
さらに、本玩具銃10では、トリガ13の状態、すなわち、トリガ13が引かれている状態か否かを検出するために、トリガ13の状態に基づいてオンオフするスイッチ(図3符号32参照)がトリガ13に取り付けられている。また、玩具銃10では、発射音等の音声を出力するために、フォアエンド15の内部にスピーカ14が備えられている。さらに、玩具銃10には、発射音等をスピーカ14から出力させるために、マイクロコンピュータ及び音声合成ICによって構成される音声出力制御装置(図3参照)が本体17に内蔵されている。
【0013】
以下、玩具銃10の音声出力機能について、さらに詳細に説明する。
【0014】
図3は玩具銃10に内蔵されている音声制御装置のハードウェアブロック図である。同図に示すように、この音声制御装置30は、マイクロコンピュータ33及び音声合成IC34によって構成され、玩具銃10の本体17に内蔵されるものである。音声合成IC34は、1)複数の音声データを記憶する機能(記憶機能)、2)記憶している音声データに基づく音声を再生する機能(再生機能)、3)複数の音声データに基づく音声を合成して再生する機能(合成機能)、4)再生中に再生を停止する機能(停止機能)を有している。
【0015】
マイクロコンピュータ33、音声合成IC34、バレル12に設けられた赤外線受光部31、トリガ13に設けられたスイッチ32、スピーカ14は電気的に接続されている。マイクロコンピュータ33は、赤外線受光部31及びスイッチ32からの電気信号に基づいて音声合成IC34を制御し、スピーカ35から音声を出力させる。すなわち、マイクロコンピュータ33は、赤外線受光部31からの電気信号に基づいて銃口から弾丸が発射されたか否かを判断するとともに、スイッチ32からの電気信号に基づいてトリガが引かれたか否かを判断する。そして、これらの判断の結果に応じて音声合成IC34に記憶された音声データに基づいて音声をスピーカ14から出力させる。
【0016】
図4はマイクロコンピュータ33で実行される音声出力処理のフロー図である。マイクロコンピュータ33はトリガ13の状態、すなわち、トリガ13が引かれたか否かを監視する(S101)。トリガ13が引かれたか否かの判断は、スイッチ32からの電気信号に基づいて実行される。トリガ13が引かれた場合には、マイクロコンピュータ33は、弾丸25の発射状況、すなわち、銃口11から弾丸25が発射されたか否かを、赤外線受光部31の出力に基づいて所定時間監視する(S102、S103)。前記所定時間は、玩具銃10においてトリガ13が引かれてから弾丸25が発射されるまで(具体的には赤外線センサにより弾丸25が検出されるまで)に要する平均的時間を基準に定められるものである。トリガ13が引かれてから弾丸25が発射されることなく前記所定時間が経過した場合には、マイクロコンピュータ33は弾丸25が発射されなかったと判断し、不発音出力処理を実行する(S104)。すなわち、スピーカ35から不発音データに基づく不発音(以下、不発音)を出力させる。一方、銃口11から弾丸25が発射された場合には、マイクロコンピュータ33は、発射音出力処理を実行する(S105)。すなわち、スピーカ35から発射音データに基づく発射音(以下、発射音)を出力させる。
【0017】
以上説明した本玩具銃10によれば、トリガ13が引かれてから所定時間内に弾丸25の発射が検知される場合、発射音がスピーカ14から出力されるようになる。また、トリガ13が引かれてから所定時間内に弾丸25の発射が検知されない場合、不発音がスピーカ14から出力されるようになる。こうして、弾丸発射と発射音出力との対応関係を向上させることができ、よりリアルな玩具銃とすることができる。
【0018】
なお、発射音出力処理(S105)において、発射音の出力中にさらに次の発射音の出力を開始させる場合、すなわち発射音出力処理(S105)の開始後、発射音データの再生終了前に再度発射音出力処理(S105)が開始される場合、現在出力中の発射音を音声合成IC34の停止機能によって停止させ、新たに発射音を出力させる。こうすれば、弾丸25が連続的に発射される様子を好適に演出できる。また、発射音の出力中に不発音の出力を開始させる場合、すなわち発射音出力処理(S105)の開始後、発射音データの再生終了前に不発音出力処理(S104)が開始される場合、出力中の発射音に不発音を音声合成IC34の合成機能によって合成させて(重畳させて)出力させる。こうすれば、弾切れを好適に演出できる。
【0019】
さらに、不発音出力処理(S104)において、不発音の出力中にさらに次の不発音を出力させる場合、すなわち不発音出力処理(S104)の開始後、不発音データの再生終了前に再度不発音出力処理(S104)が開始される場合、出力中の不発音を音声合成IC34の停止機能によって停止し、新たに不発音の出力を開始させる。こうすれば、空撃ちが連続して行われる様子を好適に演出できる。また、不発音の出力中に発射音を出力させる場合、すなわち不発音出力処理(S104)の開始後、不発音データの再生終了前に発射音出力処理(S105)が開始される場合、出力中の不発音に発射音を音声合成IC34の合成機能によって合成させて(重畳させて)出力させる。こうすれば、空撃ちの直後に弾丸25が発射される様子を好適に演出できる。
【0020】
なお、本発明は以上説明した実施の形態に限られない。
【0021】
例えば、銃口11からの弾丸25の発射を検出するのは、以上説明した態様に限られない。例えば、バレル12内で弾丸25の軌道が変化する位置では弾丸25がバレル12の内側面に接触することが期待されるため、該位置でバレル12に弾丸25が接触することを検出することによって、銃口11からの弾丸25が発射されることを検出することができる。例えば、特開平6−3091号公報等に開示された、バレル内に突出部を設けることで弾丸の射程距離の向上をはかった玩具銃において、図5に示すように、その突出部51に感圧センサ52を取り付けるようにしてもよい。こうすれば、バレル50内の突出部51への弾丸25の接触を検出することによって、銃口11から弾丸25が発射されたことを検出することができる。この場合には、感圧センサ52の代わりに、弾丸25の接触によってオンオフするスイッチを突出部51に取り付けるようにしてもよい。こうしても、バレル50内の突出部51への弾丸25の接触を検出することによって、銃口から弾丸25が発射されたことを検出することができる。また、突出部51への弾丸25の接触によって突出部51自体が動作(回転等)するように、突出部51を形成してもよい。こうしても、突出部51の動作を検出することによって、突出部51への弾丸25の接触を検出することができる。
【0022】
また、以上の説明では、トリガが引かれるごとに弾丸を1発発射する発射機構を備える玩具銃を対象として説明したが、本発明は他の発射機構を有する玩具銃にも利用することができる。例えば、トリガが引き続けられることによって弾丸を連続的に発射する発射機構を備える玩具銃にも利用することができる。このとき、マイクロコンピュータ33で実行される音声出力処理は図6に示すようにすればよい。S201からS204、S209の処理は、図4におけるS101からS104、S105と同様である。S205以下の処理によって、マイクロコンピュータ33は、トリガ13が引かれ続ける限り、弾丸が発射された場合は発射音出力処理(S209)、弾丸が発射されない場合は不発音出力処理(S208)を実行することとなる。これによって、トリガが引き続けられることによって弾丸が連続的に発射される場合にも、弾丸の連続的な発射に対応して、発射音を連続的に出力することができる。また、トリガが引き続けられるにもかかわらず弾丸が発射されない場合には、不発音を連続的に出力することができる。
【0023】
また、トリガの状態を検出するのは、以上説明した態様に限られない。トリガ付近に感圧センサを取り付けるようにしてもよい。こうしても、トリガが引かれた場合には、トリガの一部が感圧センサに接触するため、トリガが引かれたことを検出することができる。
【0024】
また、以上の説明では、音声出力部としてスピーカを用いたが、イヤホンやヘッドフォン等を接続するためのインタフェースを設け、玩具銃の使用者のみが音声を楽しめるようにしてもよい。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、弾丸が銃口から発射されたことを検出し発射音を出力することで、弾丸の発射と発射音の出力との対応関係を向上させることができる玩具銃を提供することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に係る玩具銃の外観を示す図である。
【図2】 バレルの一部を示す縦断面図である。
【図3】 音声制御装置のハードウェアブロック図である。
【図4】 音声出力処理を示すフロー図である。
【図5】 バレルの一部を示す縦断面図である。
【図6】 音声出力処理を示すフロー図である。
【符号の説明】
10 玩具銃、11 銃口、12 バレル、13 トリガ、14 スピーカ、15 フォアハンド、16 グリップ、17 本体、18 バレル取り付け部、19 マガジン、21,22 開口部、23 赤外線光源部、24 赤外線受光部、25 弾丸、30 音声制御装置、31 赤外線受光部、32 スイッチ、33 マイクロコンピュータ、34 音声合成IC、51 突出部、52 感圧センサ。
Claims (2)
- トリガの状態を検出するトリガ状態検出部と、
弾丸を発射するバレル内の所定位置に取り付けられ、前記所定位置を弾丸が通過することを検出する検出手段を含み、銃口から弾丸が発射されたことを検出する弾丸発射検出部と、
音声を出力する音声出力部と、
発射音データを記憶する発射音データ記憶部と、
不発音データを記憶する不発音データ記憶部と、
前記トリガ状態検出部においてトリガが引かれたことが検出され、かつ、トリガが引かれてから所定時間内に前記弾丸発射検出部において弾丸が発射されたことが検出される場合に、前記発射音データに基づく発射音を前記音声出力部から出力させるとともに、前記トリガ状態検出部においてトリガが引かれたことが検出され、かつ、トリガが引かれてから前記所定時間内に前記弾丸発射検出部において弾丸が発射されたことが検出されなかった場合に、前記不発音データに基づく不発音を前記音声出力部から出力させる音声制御部と、
を含むことを特徴とする玩具銃。 - トリガの状態を検出するトリガ状態検出部と、
弾丸が通過するときに接触する接触部を内部に有するバレルにおける前記接触部に取り付けられ、前記接触部への弾丸の接触を検出する検出手段を含み、銃口から弾丸が発射されたことを検出する弾丸発射検出部と、
音声を出力する音声出力部と、
発射音データを記憶する発射音データ記憶部と、
不発音データを記憶する不発音データ記憶部と、
前記トリガ状態検出部においてトリガが引かれたことが検出され、かつ、トリガが引かれてから所定時間内に前記弾丸発射検出部において弾丸が発射されたことが検出される場合に、前記発射音データに基づく発射音を前記音声出力部から出力させるとともに、前記トリガ状態検出部においてトリガが引かれたことが検出され、かつ、トリガが引かれてから前記所定時間内に前記弾丸発射検出部において弾丸が発射されたことが検出されなかった場合に、前記不発音データに基づく不発音を前記音声出力部から出力させる音声制御部と、
を含むことを特徴とする玩具銃。
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