JP3935254B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤトレッド部の外周面にブロック部を有する主としてオフロード用の自動車等に使用されるいわゆるマッドタイプの空気入りタイヤにおいて、その沈み込み防止効果及びトラクション効果の向上に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車、特にオフロード車等のように泥濘面を走行する自動車用のタイヤとしては、タイヤ周面にブロック部を有するいわゆるマッドタイプといわれている空気入りタイヤが使用されている。
【0003】
このブロック部は、通常タイヤの周方向に形成された主溝及びタイヤの幅方向に形成された横溝で囲まれて形成された陸状部である。
【0004】
このマッドタイプのタイヤは、前記ブロック部が地面に咬み込むことによって泥濘面や砂地や雪道等においてもタイヤが空回りすることなく良好に走行できるものである。
【0005】
このような泥濘面等においては走行中にタイヤ周面の溝部に泥土や石が挟まれてブロック部が地面に咬み込む機能が低下し易いため、溝内部の泥土や石が自然に排出されるセルフクリ−ニング性を高める手段が講じられている。例えば、タイヤ周面の面積に対する溝の面積(ボイド比率という)を大きくして泥土や石が排出されやすく等の手段である。
【0006】
一方、泥濘面では車体の自重によってタイヤが地面に沈み込むこともあるため、このような沈み込みを防止する手段も必要となる。
そこで、タイヤ表面のボイド比率を大きくして且つブロック部の側面壁にブロック部表面より内側位置に図6(イ)(ロ)に示すように、タイヤトレッド部の外周面1’のブロック部3’の一側面にエラ状の台部4’を設けて溝部2a’,2b’の底部にまで泥土や石が入り込むことを阻止してセルフクリ−ニング性を高めつつ沈み込みを抑制する手段等が図られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の各手段によってセルフクリ−ニング性及び沈み込み防止性については改良することができても、泥濘面にタイヤが沈み込んでしまった場合に、タイヤ周面が地面に咬み込んで沈み込みから抜け出すトラクション性を向上させるための対策は従来不十分であった。
【0008】
本発明の課題は、沈み込みを防止すると同時に、トラクション性も向上させることのできる空気入りタイヤを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明はタイヤトレッド部の外周面に溝部に囲まれたブロック部を有する空気入りタイヤにおいて、前記ブロック部の側周面に、溝部の底面より外側に形成されたテラス部と該テラス部より外側に突出され且つ先端部がブロック部表面より内側に位置する突出部を複数有するギア形状部が設けられた構成を採用する。
【0010】
尚、本発明の溝部とはタイヤトレッド部の外周面上に刻設されたすべての溝、例えばタイヤ周面の周方向に刻設された主溝や、タイヤ幅方向に刻設された横溝等が含まれる。
また、本発明のブロック部とは、上記各溝部に囲まれて形成される陸状部分を指す。さらに、本発明でいう外側とはタイヤトレッド部の外周面側を指し、内側とは内面側を指す。
【0011】
かかる、空気入りタイヤは、前記ブロック部の側面に、溝部底面より外側にテラス部を有するギア形状部が設けられているため、該テラス部によってタイヤが沈み込むことを防止できると同時に、該テラス部より外側に突出された複数の突出部がブロック部より内側で地面に咬み込むため、タイヤ周面の剪断力がブロック部のみ形成された場合より大きくなり、トラクション性が向上する。
【0012】
また、前記突出部が、タイヤ本体の外側に向かって先細に形成された略台形状である場合には、台形状のギア形状部が地面に対してクサビのように作用するため、ギア形状部が地面に咬み易くなる。
【0013】
さらに、前記ギア形状部のテラス部が溝部底面からブロック部表面までの距離の約1/3に位置し、且つギア形状部の先端部が約2/3に位置する場合には、テラス部による沈み込み緩和作用とギア形状部による地面への咬み込み作用が最適な状態で奏される。
【0014】
さらに、前記突出部の前記タイヤ本体使用時に進行方向となる面が、地面と成す角度が鋭角になるような斜面に形成されている場合には、タイヤ本体の使用時に突出部が地面を引っかけるように回転するため、より地面を咬み込み易くなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の空気入りタイヤの一実施形態について図面に従って説明する。
まず、その構成を説明する。図1及び図2に示す1はタイヤトレッド部の外周面である。2は該タイヤトレッド部の外周面1に刻設された溝部である。該溝部2はタイヤトレッド部の外周面1の幅方向に刻設された横溝2aとタイヤトレッド部の外周面1の周方向に刻設された周方向溝2bとからなる。
【0016】
3は該溝部2に囲まれて突状に設けられたブロック部である。該ブロック部3のタイヤトレッド部の外周面1に占める面積であるボイド比率は55%以上になるように設計されている。
【0017】
4は該ブロック部3の一側面に突設されたギア形状部で、該ギア形状部4はブロック部3の側面方向すなわち図2でしめすX−X線断面のブロック部3を示す図3、及びこの図3のブロック部3の斜視図である図4に示すように、複数連設され且つ先端に先端面5を有する台形状の突出部4aから形成されている。
【0018】
尚、本実施形態ではブロック部3の一側面の中央部に2個、両端部に1/2個ずつ計3個の突出部4aからギア形状部4を構成したが、ブロック部3の一側面に設けられる突出部4aの数はこれに限定されるものではない。
【0019】
ギア形状部4のテラス部4bは、周溝2bの溝底面2cからブロック部3の表面までの距離tの約1/3に位置しており、ギア形状部4の各突出部4aの先端面5は約2/3の位置に形成されている。
また、突出部4aの先端面5の両端部からテラス部4bに亘って斜面が形成されて、各突出部4aはタイヤ本体の外側に向かって先細になるように形成されている。
【0020】
次に、以上のような構成からなるマッドタイプの空気入りタイヤを使用する場合について説明する。
本実施形態のマッドタイプの空気入りタイヤは、主としてオフロード車等のように泥濘面を走行するのに適した自動車用のタイヤとして使用される。
このような空気入りタイヤを使用した場合には、砂地やぬかるみ等の泥濘面を走行する際にも、タイヤトレッド部の外周面に設けられたブロック部3が地面を咬み込むため、スリップすることなく走行できる。
【0021】
また、ブロック部3の表面3aより内側に位置するギア形状部4のテラス部4bによってテラス部4bより内側に沈み込むことを防止できる。
【0022】
さらに、たとえタイヤ本体が地面に沈み込んだ場合にも、ギア形状部4の突出部4aがブロック部3の内側に設けられているので、ブロック部3表面よりさらに内側において複数の突出部4aが地面に咬み込みタイヤトレッド部の外周面1の剪断力が向上し、沈み込みから容易に脱出することができる。
【0023】
また、本実施形態のギア形状部4の突出部4aはテラス部4bから先端部に向かって先細の形状に形成されているため、地面に対してクサビのようにくい込み易く、より沈み込みから脱出するトラクション効果の向上が図れる。
【0024】
さらに走行時のギア形状部4の位置は、タイヤの側面方向からタイヤの一部を破断した状態でみると図5(イ)に示すようになるが、このとき、突出部4aの進行方向側の斜面と地面の成す角度αは、図5(イ)のB部拡大図である図5(ロ)に示すように、鋭角になるため、地面を引っかけるようにして回転することになる。
【0025】
従って、より泥濘面のおいて地面を咬み込む機能が向上するため、走行が良好にできると同時に、沈み込みが生じた場合にも容易に脱出することができる。
【0026】
尚、上記実施形態ではギア形状部4の突出部4aを先端部に先端面5を有する略台形状に形成したが、突出部4aの形状はこれに限定するものではなく、要は、タイヤ本体が沈み込んだ時にブロック部3より内側で地面に咬み込むことができるような外側に突出する形状であればどのような形状であってもよい。
【0027】
また、上記実施形態では突出部4aをブロック部3の一側面に計3個形成したが、突出部4aの数もこれに限定するものではない。但し、突出部4aの数があまり少ないと地面に咬み込む作用が効果的に得られないため、ブロック部3の一側面につき3個以上は形成されることが好ましい。
【0028】
また、上記実施形態では、前記ギア形状部4のテラス部4bが溝部2の底面からブロック部表面3aまでの距離の約1/3に位置し、且つ突出部4aの先端面5が約2/3に位置するように形成したが、テラス部及び突出部の形成位置はこれに限定されるものではない。
【0029】
さらに、上記実施形態ではブロック部3の一側面にのみギア形状部4を形成したが、ギア形状部4の設けられる位置はこれに限定されるものではなく、たとえばブロック部3の二以上の各側面壁に上記実施形態のようなギア形状部を設けてもよい。
【0030】
また、ブロック部3の形状や数なども上記実施形態に限定されるものではなく、通常使用されているブロックパターンであれば適宜選択して使用することができる。
【0031】
【発明の効果】
上述のように、本発明は、沈み込みを防止すると同時にトラクション効果も向上させることができ、泥濘面においても良好に走行できる優れたマッドタイプの空気入りタイヤを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気入りタイヤの一実施形態例を示すタイヤトレッド部の外周面の正面図。
【図2】図1に示すA部を拡大した要部拡大正面図。
【図3】図2のX−X線断面図
【図4】本発明の空気入りタイヤに係るギア形状部をブロック部側面方向からみた状態をしめす要部拡大斜視図。
【図5】(イ)は本発明の空気入りタイヤのタイヤトレッド部の外周面を示す正面図、(ロ)は(イ)に示すB部を拡大した要部拡大一部断面図。
【図6】(イ)は従来の空気入りタイヤのタイヤトレッド部の外周面をしめす正面図、(ロ)は(イ)にしめすX’−X’線で破断した状態のブロック部及びエラ状の台部をしめす拡大断面図。
【符号の説明】
1 タイヤトレッド部の外周面
2 溝部
2a 横溝
2b 周方向溝
2c 溝底面
3 ブロック部
4 ギア形状部
4a 突出部
4b テラス部
5 先端面
Claims (3)
- タイヤトレッド部の外周面に溝部に囲まれたブロック部を有する空気入りタイヤにおいて、前記ブロック部のタイヤ幅方向端部の側周面に、溝部の底面より外側に形成されたテラス部と該テラス部より外側に突出され且つ先端部がブロック部表面より内側に位置する突出部を複数有するギア形状部が設けられたことを特徴とする空気入りタイヤ。
- 前記突出部が外側に向かって先細に形成された台形状である請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記ギア形状部のテラス部が溝部の底面からブロック表面までの1/3の位置に形成され、且つ前記突出部の先端部が2/3の位置に形成された請求項1又は請求項2に記載の空気入りタイヤ。
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JP36275197A JP3935254B2 (ja) | 1997-12-12 | 1997-12-12 | 空気入りタイヤ |
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JP36275197A JP3935254B2 (ja) | 1997-12-12 | 1997-12-12 | 空気入りタイヤ |
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
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-
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- 1997-12-12 JP JP36275197A patent/JP3935254B2/ja not_active Expired - Lifetime
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