JP3934812B2 - 呈味改良食品組成物、呈味改良方法および呈味改良剤 - Google Patents

呈味改良食品組成物、呈味改良方法および呈味改良剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、呈味が改良された食品組成物、呈味改良方法および呈味改良剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
呈味は、人が食品を食したときに感じる味覚である。その味の感じ方には、個人差があることはよく知られていることであるが、呈味は、一般的に、塩味、苦味、酸味、甘味という基本的な言葉で表される。
しかし、これらの呈味の中にも、好ましくない呈味として感じる場合がある。
例えば、一般的に、食品中の苦味は人に好ましくない呈味として感じられる場合が多い。一方、一般的には好まれる甘味の中にも、高甘味度甘味料は、砂糖に比して甘味の後引きがあり、この後引きの甘味の部分が好ましくないものとして認識される場合がある。すなわち、高甘味度甘味料の欠点である持続する後甘味が、好ましくない呈味の代表的なものである。
また、高甘味度甘味料の中には、好ましくない後甘味とともに苦味を有する場合があり、この苦味も好ましくないものとして認識される。
従来、これらの好ましくない呈味を改良する方法として、摂取可能な単一の化合物を添加したり、天然から抽出した化合物を添加したりする方法が知られている。
【0003】
例えば好ましくない呈味が苦味である場合には、呈味改良法としては、サイクロデキストリンを使用した改善法(特開昭58−10924号公報、特開平2−283246号公報)、可食性有機Ca塩、グルタミン酸塩及び/又は核酸系呈味物質からなる改善剤(特開昭59−187761号公報)、硫酸ナトリウムを添加する方法(特開平2−25428号公報)、様々な単一化合物による改食味改質方法(特表平7−504810号公報)などが知られている。
しかしながら、これらの方法においても、目的とする苦味を低減する効果はあるものの十分ではなく、また、呈味快良剤自体の物性や呈味のため、使用量及び使用される対象食品の範囲が限定されるなど満足のいくものではなかった。
高甘味度甘味料を含む食品の好ましくない後甘味又は苦味の改良方法として、ミョウバンやナリンギンを使用した改良法(特開昭52−90667号公報)や、L−グルタミン酸ナトリウム(特開昭56−148256号公報)、グリシン、アラニン、セリン(特開昭57−83068号公報)、蔗糖(特開昭57−155965号公報)、アスパルテーム分解生成物(特公昭58−162260号公報)、L−アスコルビン酸(特開昭58−141760号公報、特開昭60−114167号公報)、塩化ナトリウム(特公平6−48966号公報)、有機酸とサイクロデキストリン(特公平5−981号公報)を使用した改善法、フラボン誘導体(特開平6−335362号公報)、ヘスペリジン、グルコシルヘスペリジン、メチルヘスペリジン(特開平8−256725号公報)、ルチン、ルチン誘導体(特開平10−146165号公報)を使用した方法が知られている。
【0004】
しかしながら、これら従来の呈味改良剤は、目的とする高甘味度甘味料の好ましくない後甘味を改良するという点では効果があるものの、逆に呈味改良剤自体の有する味を呈したり、また甘味自体を低減させる場合があったり、又熱安定性がないなど一長一短があり、汎用性や用途の面で問題がある。
また、高甘味度甘味料の中でも、ステビア甘味料、アセスルファムK、サッカリンおよびサッカリンナトリウムは、好ましくない後甘味とともに苦味も有するが、かかる後甘味又は苦味のどちらかを改良する呈味改良剤はあるものの、好ましくない後甘味と苦味を同時に改良する呈味改良剤はなかった。
【0005】
一方、カロリーの過剰摂取やう触を低減する目的で、蔗糖に代わり、低カロリーの糖アルコールを使用する食品、特に菓子類、飲料が開発されている。例えば、キシリトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、ソルビトール、エリスリトール、還元パラチノース、還元水飴、還元麦芽糖水飴などの糖アルコールである。しかし、糖アルコールは、砂糖に比べて、甘味質又は風味に欠けるという欠点がある。そこで、これらの糖アルコールの甘味質又は風味を補強し、より砂糖に近い甘味質を得る方法として、2種以上の糖アルコールを併用する、またマルトールやエチルマルトールなどのシュガーフレーバーを使用する方法がとられてきた。しかしながら、前者の場合、味質は砂糖に遠く及ばず、また味質において好ましいものではない。後者の場合、菓子や飲料の風味を低下させる若しくは好ましくないものに変えてしまうという欠点がある。
【0006】
従来、報告又は使用されている呈味改良剤は、合成化合物もしくは天然物由来の特定化合物を抽出したものが多く、その使用範囲が限られていたり、溶解度が低かったり、または高価であるなどの問題があった。
また、これらは、ある特定の好ましくない呈味には呈味改善効果を示すものの、他の風味を損なうことなく呈味改善効果を示すべきであるという点で満足のいくものではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記問題点を解決して、汎用性が広く、安価で、しかも天然由来の呈味改良成分を用いて、好ましくない呈味を有する食品の呈味を改良することを目的とする。
本発明はさらに、糖アルコールの欠点である不満足な甘味質又は風味を補強又は増強することにより、より砂糖に近い甘味質、すなわちボディー感のある甘味質を与える呈味改良成分を用いて、糖アルコールを含む食品の呈味を改良することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、さとうきび由来のバガス(但し、高圧蒸煮処理したバガスを除く)を水又は親水性溶媒で抽出した抽出物を、好ましくない呈味を有する食品に添加することにより、好ましくない呈味、特に高甘味度甘味料の有する後甘味若しくは苦味などが、低減又は改善されることを見いだした。
また、さとうきび由来のバガス(但し、高圧蒸煮処理したバガスを除く)を水又は親水性溶媒で抽出した抽出物を、糖アルコールを含む食品に添加することにより、糖アルコール甘味料の欠点である不満足な甘味質又は風味を補強又は増強し、より砂糖に近い甘味質、すなわちボディー感のある甘味を与えることが出来、その呈味が改善されることを見いだした。
【0009】
すなわち本発明は、呈味改良成分を含む食品組成物であって、該呈味改良成分が、さとうきび由来のバガス(但し、高圧蒸煮処理したバガスを除く)を水および親水性溶媒から成る群より選ばれる溶媒で抽出して得られたバガス抽出物であることを特徴とする食品組成物である。
また本発明は、食品の呈味改良方法であって、食品に、さとうきび由来のバガスを水および親水性溶媒から成る群より選ばれる溶媒で抽出して得られたバガス抽出物を添加することを特徴とする呈味改良方法である。
更に本発明は、食品のための呈味改良剤であって、前記呈味が塩味、酸味、苦味、甘味または高甘味度甘味料の後甘味もしくは苦味であり、さとうきび由来のバガス(但し、高圧蒸煮処理したバガスを除く)を水および親水性溶媒から成る群より選ばれる溶媒で抽出して得られたバガス抽出物を含むことを特徴とする呈味改良剤である。
【0010】
【発明の実施の形態】
さとうきびは、古来、黒糖や砂糖の原料として用いられてきたものであることから、ヒトに安全である。
これまで、バガス自体は、リグニン、ヘミセルロース等の特定成分の分離利用、キシリトールの製造、製紙への利用、肥料として利用する方法、燃料としての利用、他成分の添加や醗酵・繊維の軟化による飼料の製造などに検討又は利用されている。また、バガス自体を、米、小麦、トウモロコシを主原料とするインドの代表的な食品に添加するなどの検討はされてきている(Int. J. Food Sci Technol.,24(6),669-672,1989)。しかし、さとうきび由来のバガスを、水又は親水性溶媒により抽出された抽出物を呈味改良剤として使用することは、これまで報告または検討されていない。
【0011】
一般的に、味の感じ方に、個人差があることはよく知られていることであるが、本発明において、「好ましくない呈味」とは、一般的な呈味の基本的な表現として用いられる、塩味、苦味、酸味、甘味のなかの好ましくない味、例えば、塩かどがたつ塩味(一般的に、塩かどとは、その対象食品を味わった際に、好ましくないと感じる塩味をいう)、収斂味のある苦味、刺すような酸味、高甘味度甘味料の有する、後に持続する後甘味及び苦味等をいうが、これらの表現に限られるものではない。
【0012】
本発明において、好ましくない呈味を有する食品の種類の例を下記に示すが、これに限られるものではない。好ましくない呈味が苦味である場合には、そのような食品としては、キナ皮入りジュース、代替塩、アロエジュース、グレープフルーツジュース、メントール、ココア、又は各種健康食品素材、例えば、イチョウの葉エキス、ヨモギエキス、アロエエキス、などが挙げられる。
また、好ましくない呈味が高甘味度甘味料の後甘味及び/又は苦味である場合には、そのような高甘味度甘味料としては、例えば、ステビア甘味料(ステビア抽出物およびステビアを酵素処理してブドウ糖を付加した酵素処理ステビアおよびステビアの甘味成分の中で最も甘味質のよいレバウディオサイドAを含む)、アセスルファムK、サッカリン、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、シュクラロース(蔗糖の水酸基を塩素に置換した化学式C1219Clで表される化合物)、グリチルリチン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコンおよびアリテーム(Alitame, L-aspartyl-D-alanine-N-(2,,2,4,4-tetramethylthietan-3-yl)amide, L-α-aspartyl-N-(2,2,4,4-tetramethyl-3-thietanyl)-D-alaninamide)が挙げられる。そのような高甘味度甘味料を含む食品としては、例えばチューインガム、キャンディー、チョコレートなどの菓子類、清涼飲料水、氷菓子、アイスクリーム、漬物などが挙げられる。
【0013】
甘味料の水溶液を摂取すると、感じる甘さの強さ(甘味強度)は時間の経過と共に変化するという特性を有する。例えば、蔗糖5%水溶液及びそれと等甘味度の高甘味度甘味料水溶液を調製し、摂取後の時間の経過と甘味度強度を表すと図1のように表される。
図1の高甘味度甘味料において、斜線部分の甘味は、持続する「後甘味」として嗜好的に好ましくない。しかしながら、本発明にかかる呈味改良成分を用いることにより、そのような高甘味度甘味料の持続する後甘味が抑えられ、味質が改良される。甘味のピークが現れる時間と、持続する後甘味の強度は、高甘味度甘味料の種類によって多少異なるが、全て同様の傾向を示す。
本発明において、「さとうきび由来のバガス」とは、原糖工場における製糖過程で排出されるバガスをいう。なお、原糖工場における製糖過程で排出されるバガスとは、最終圧搾機を出たバガスだけでなく、その前の第一圧搾機ならびにそれ以後の圧搾機に食い込まれた細裂バガスをも包含する。
【0014】
好ましくは、原糖工場において最終圧搾機を出たバガスを用いる。圧搾工程より排出されるバガスは、さとうきびの種類、収穫時期等により、その含まれる水分、糖分およびその組成比が異なるが、本発明で用いるバガスは、これらのバガスを任意に用いうる。また、原糖工場と同様に、例えば、黒糖工場において排出されるさとうきびを圧搾後に残るバガスを使用しても良い。あるいは、実験室レベルの小規模で、さとうきびから糖液を搾汁した後のバガスを用いてもよい。
このようにして得られたバガス(但し、高圧蒸煮処理したバガスを除く)を、水及び親水性溶媒から成る群より選択される溶媒で抽出することによって、バガス抽出物が得られる。親水性溶媒としては、例えばメタノール、エタノール等の低級アルコール類を用いることができるまた、抽出時間は、バガスの原料、種類、状態、ならびに抽出方法等によっても異なってくるが、温水で浸出抽出する場合には通常1〜3時間である。また抽出方法は、一般的な汎用性のある方法が使用でき、例えばバガスと抽出溶媒を共に容器に入れて抽出する方法、抽出溶媒を循環させて抽出する方法、連続式に抽出する方法、例えば、デスメット式抽出機、ルルギ式抽出機等を任意に使用することができる。
【0015】
このようにして得られた抽出物を、そのままでまたは溶媒を濃縮もしくは除去して、あるいは、抽出溶媒除去後に別の溶媒中に溶解または分散させて、バガス抽出物として使用できる。
あるいは、バガス抽出物に、例えば添加剤、分散剤、賦形剤等の、食品に添加することが許された任意の成分を添加した状態で使用できる。そのような添加剤、分散剤、賦形剤として、例えば砂糖、果糖等の糖類、デキストリン、プルラン等の各種多糖類、コーンスターチ、バレイショデンプン等の各種デンプン類、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース等の各種セルロース誘導体、グリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル等の各種乳化剤等が挙げられる。この場合の形態は任意であり、粉末、顆粒、キューブ、ペースト、または液体等の形態であることができる。
【0016】
食品に対するバガス抽出物の配合量は、食品の好ましくない呈味を低減又は改善する量であり、食品の種類、組成等に依存して変化し得る。例えば高甘味度甘味料を含む食品の場合には、高甘味度甘味料1gに対して、0.02〜0.0002g(乾燥重量)である。
本発明に従う呈味改良成分を好ましくない呈味を有する食品に添加することにより、風味が向上するという付加的な効果を得ることが出来る。
特に、苦味を呈する食品に添加した場合、その呈味改良効果は、最もよく感じられ、好ましくない苦味を低減又は改善することができる。
また、高甘味度甘味料の中でも、特に、ステビア甘味料、アセスルファムK、サッカリンおよびサッカリンナトリウムは、高甘味度甘味料特有の後甘味及び苦味を持ち合わせているが、本発明にかかる呈味改良成分を加えることにより、その後甘味及び苦味の双方を低減又は改善することができる。よって、ステビア甘味料、アセスルファムK、サッカリンおよびサッカリンナトリウムを、本発明にかかる呈味改良成分と共に使用することにより、その嗜好性が向上し、又その使用範囲、使用量、汎用性が広くなるという効果もある。
【0017】
糖アルコールを含む食品に、本発明にかかる呈味改良成分を添加することにより、より砂糖に近い甘味質、すなわちボディー感のある甘味を得ることが出来る。糖アルコールとしては、キシリトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、ソルビトール、エリスリトール、還元パラチノース、還元水飴および還元麦芽糖水飴から成る群より選択される糖アルコールを挙げることが出来る。そのような糖アルコールを含む食品としては、例えばチューインガム、キャンディー、チョコレートなどの菓子類、清涼飲料水、練乳、歯磨き剤などが挙げられる。
糖アルコールを含む食品に対する呈味改良成分(バガス抽出物)の配合量は、そのような食品の甘味質を改良し、より砂糖に近い甘味質にする量であり、食品の種類、糖アルコールの含量、その他の成分の組成等に依存して変化し得る。例えば糖アルコール1gに対して0.00005g〜0.0000005g(乾燥重量)である。
本発明を、以下の実施例においてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0018】
【実施例】
なお、以下で特に記載しない限り%は、重量%である。また、特に記載がなければ、官能検査は、対象食品を食するか又は飲用することによっておこなった。また、色価の測定方法は、次のようにして行った。測定すべき試料粉末0.1gを、約90mlの蒸留水に溶解し、水酸化ナトリウム又は塩酸を用いてpH7.0に調製後、100mlにメスアップした。次に、この溶液を、Dismic-25CSO45AN cellulose acetate 0.45μm(アドバンテック東洋(株)製)を用いて濾過後、分光光度計UV―160(島津製作所(株))で560nmにおける吸光度を測定した。
なお、色価は、次の式によって求めた。
【0019】
【数1】
色価=(1000×(−ABS560))/(b×c)
ここで、
b:セルの長さ(cm)
c:サンプル1ml当たりの固形物量(g)
ABS560:560nmにて測定した吸光度のlog値
である。
【0020】
製造例1
タイ原糖工場より排出された生バガス(生バガスとは、最終圧搾機を出たバガスをいう)42kg(水分量52%)を、サランネットに入れ、600リットルの温水(80℃)で、1時間撹拌しながらバッチ抽出した。得られた抽出液570リットルを、カートリッジフィルター(アドバンテック東洋(株)製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−100−CSD型)で濾過処理後、濃縮機にて固形分濃度約10%まで減圧濃縮し、一晩凍結乾燥をして、生バガス由来の黄茶色の粉末抽出物(I)1.18kgを得た。生バガスに対する粉末抽出物の回収率は、2.80%であった。
また、色価を求めると、39,120であった。
【0021】
製造例2
タイ原糖工場より排出された生バガスを天日干ししたものを、目開き5mmの篩にかけ、篩下を得た。この得られた乾燥バガス20kg(水分量8%)を、200リットルのカラムにつめ、600リットルの温水(80℃)をポンプでカラムに1時間循環させた。得られた抽出液545リットルを、カートリッジフィルター(アドバンテック東洋(株)製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−100−CSD型)で濾過処理後、濃縮機にて固形分濃度約10%まで減圧濃縮し、一晩凍結乾燥をして、乾燥バガス由来の黄茶色の粉末抽出物(II)0.537kgを得た。乾燥バガスに対する粉末抽出物の回収率は、2.69%であった。
また、色価を求めると、45,180であった。
【0022】
製造例3
沖縄原糖工場より排出された生バガス45kg(水分量49%)を、サランネットに入れ、800リットルの温水(80℃)で、1時間撹拌しながらバッチ抽出した。得られた抽出液720リットルを、カートリッジフィルター(アドバンテック東洋(株)製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−100−CSD型)で濾過処理し、濃縮機にて固形分濃度約10%まで減圧濃縮した後、一晩凍結乾燥をして、生バガス由来の黄茶色の粉末抽出物(III)1.22kgを得た。生バガスに対する粉末抽出物の固形分回収率は、2.72%であった。
また、色価を求めると、44,380であった。
【0023】
実施例1(食塩入りトマトミックスジュースの好ましくない塩味の改良効果)
製造例1で得られた粉末(I)を使用して、市販の食塩入りトマトミックスジュース(商品名 デルモンテ野菜ジュース、キッコーマン(株))における特有の塩かど(対象食品を味わった際に、好ましくないと感じる塩味)に対する呈味改良効果を調べた。
トマトミックスジュース100gに対して、上記粉末(I)の1%水溶液0.05g(粉末の重量が野菜ジュースの0.0005%)を添加し、よく撹拌後、官能検査をおこなった。対照には、上記粉末(I)の水溶液の代わりに、同量の水を使用した。官能検査は、訓練されたパネラー10名によっておこなった。
その結果、トマトミックスジュース特有の塩かどが低減されたと答えたパネラーが8名、違いが分からなかったと答えたパネラーが2名であった。
また、塩かどが低減されたことにより野菜の味とマッチングし、おいしくなったという回答が5名あった。
【0024】
実施例2(白菜のしょうゆ漬けの好ましくない塩味、酸味の改良効果)
製造例3で得られた粉末(III)を使用して、市販の白菜のしょうゆ漬け(商品名 松前風白菜 (しょうゆ漬刻み)、(株)菜華)における特有の塩かどに対する呈味改良効果を調べた。
白菜のしょうゆ漬け100gに対して、上記粉末(III)の1%水溶液0.1g(粉末の重量が白菜のしょうゆ漬けの0.001%)を添加し、よく撹拌後1時間放置し、官能検査をおこなった。対照には、上記粉末(III)の水溶液の代わりに、同量の水を使用した。官能検査は、訓練されたパネラー10名によっておこなった。
その結果、白菜のしょうゆ漬け特有の塩かどが低減されるとともに、漬け物特有の酸味も低減されたと答えたパネラーが6名、塩かどのみが低減されたと答えたパネラーが3名、酸味のみが低減されたと答えたパネラーが1名、違いが分からなかったと答えたパネラーが0名であった。
なお、漬け物全体として旨味が増したという回答が3名あった。
【0025】
実施例3(グレープフルーツジュースの好ましくない苦味、酸味の改良効果)
製造例1で得られた粉末(I)を使用して、市販の100%還元グレープフルーツジュース(商品名 ホームメイドテイスト、全農ハイパック)におけるグレープフルーツジュース特有の苦味に対する呈味改良効果を調べた。
グレープフルーツジュース100gに対して、上記粉末(I)の1%水溶液0.01g(粉末の重量がグレープフルーツジュースの0.0001%)を添加し、よく撹拌後、官能検査をおこなった。対照には、上記粉末(I)の水溶液の代わりに、同量の水を使用した。官能検査は、訓練されたパネラー10名によっておこなった。
その結果、グレープフルーツジュース特有の苦味が減少するとともに、グレープフルーツジュース特有の酸味も低減されたと答えたパネラーが5名、苦味のみが低減されたと答えたパネラーが4名、酸味のみが低減されたと答えたパネラーが1名、違いが分からなかったと答えたパネラーが0名であった。
【0026】
実施例4(ココアの好ましくない苦味の改良効果)
製造例3で得られた粉末(III)を使用して、市販のココア粉末(商品名 森永純ココア、森永製菓(株))におけるココア特有の苦味に対する呈味改良効果を調べた。
ココア粉末4gをお湯100gに溶かしたココア飲料に対して、上記粉末(III)の1%水溶液0.1g(粉末の重量がココア粉末の0.025%)を添加し、よく撹拌後、官能検査をおこなった。対照には、上記粉末(III)の水溶液の代わりに、同量の水を使用した。官能検査は、訓練されたパネラー10名によっておこなった。
その結果、ココア特有の苦味が低減されるとともに、ココア特有の渋味も減少されたと答えたパネラーが5名、苦味のみが低減されたと答えたパネラーが3名、渋味のみが低減されたと答えたパネラーが1名、違いが分からなかったと答えたパネラーが1名であった。
【0027】
実施例5(ナリンギンの好ましくない苦味の改良効果)
製造例1で得られた粉末(I)を使用して、苦味物質であるナリンギン(ザボン、夏みかん、グレープフルーツなどの柑橘類に含まれる強い苦味物質)の苦味に対する呈味改良効果を調べた。
10%ナリンギン溶液(グリセリン40%+エタノール50%)(商品名 ビターN、三栄源エフ・エフ・アイ(株)製)0.2gを100gの蒸留水に希釈したナリンギン水溶液に対して、上記粉末(I)の1%水溶液0.1g(粉末の重量がナリンギンの5.0%)を添加し、よく撹拌後、官能検査をおこなった。対照には、上記粉末(I)の水溶液の代わりに、同量の水(グリセリン40%+エタノール50%)を使用した。官能検査は、訓練されたパネラー10名によっておこなった。
その結果、特に立ち上がりの苦味が低減されるとともに、ナリンギン特有の苦味が明らかに低減されたと答えたパネラーが4名、立ち上がりの苦味がやや低減されるとともに、ナリンギン特有の苦味がやや低減されたと答えたパネラーが4名、違いが分からなかったと答えたパネラーが2名であった。
【0028】
実施例6(カフェインの好ましくない苦味の改良効果)
製造例1で得られた粉末(I)を使用して、苦味物質であるカフェイン(カフェイン製剤の原料)の苦味に対する呈味改良効果を調べた。
カフェイン(商品名 カフェイン無水、和光純薬(株)製)0.1gを蒸留水100gに溶かしたカフェイン水溶液に対して、上記粉末(I)の1%水溶液0.01g(粉末の重量がカフェインの0.1%)を添加し、よく撹拌後、官能検査をおこなった。対照には、上記粉末(I)の水溶液の代わりに、同量の水を使用した。官能検査は、訓練されたパネラー10名によっておこなった。
その結果、特に立ち上がりの苦味が低減されるとともに、カフェイン特有の苦味が明らかに低減されたと答えたパネラーが5名、立ち上がりの苦味がやや低減されるとともに、カフェイン特有の苦味がやや低減されたと答えたパネラーが3名、違いが分からなかったと答えたパネラーが2名であった。
【0029】
実施例7(クエン酸の好ましくない酸味の改良効果)
製造例1で得られた粉末(I)を使用して、酸味物質であるクエン酸の酸味に対する呈味改良効果を調べた。
クエン酸(商品名 食品添加物 クエン酸、純正化学(株)製)0.2gを蒸留水100gに溶かしたクエン酸水溶液に対して、上記粉末(I)の1%水溶液0.1g(粉末の重量がクエン酸の0.5%)を添加し、よく撹拌後、官能検査をおこなった。対照には、上記粉末(I)の水溶液の代わりに、同量の水を使用した。官能検査は、訓練されたパネラー10名によっておこなった。
その結果、クエン酸特有の酸味が非常に低減されたと答えたパネラーが3名、酸味が低減されたと答えたパネラーが5名、違いが分からなかったと答えたパネラーが2名であった。
【0030】
実施例8(アスコルビン酸の好ましくない酸味の改良効果)
製造例1で得られた粉末(I)を使用して、酸味物質であるアスコルビン酸の酸味に対する呈味改良効果を調べた。
アスコルビン酸(商品名 食品添加物 アスコルビン酸、純正化学(株)製)0.5gを蒸留水100gに溶かしたアスコルビン酸水溶液に対して、上記粉末(I)の1%水溶液0.1g(粉末の重量がアスコルビン酸の0.2%)を添加し、よく撹拌後、官能検査をおこなった。対照には、上記粉末(I)の水溶液の代わりに、同量の水を使用した。官能検査は、訓練されたパネラー10名によっておこなった。
その結果、アスコルビン酸特有の酸味が非常に低減されたと答えたパネラーが3名、酸味が低減されたと答えたパネラーが6名、違いが分からなかったと答えたパネラーが1名であった。
【0031】
実施例9(食酢の好ましくない酸味の改良効果)
製造例1で得られた粉末(I)を使用して、食酢の好ましくない酸味に対する呈味改良効果を調べた。
食酢(商品名 ミツカン酢、中埜酢店(株)製)を蒸留水で5倍希釈したお酢100gに対して、上記粉末(I)の1%水溶液0.01gを添加し、よく撹拌後、官能検査をおこなった。対照には、上記粉末(I)の水溶液の代わりに、同量の水を使用した。官能検査は、訓練されたパネラー10名によっておこなった。
その結果、お酢特有の好ましくない酸味が低減され、また立ち上がりのつんとした酸味が低減されたと答えたパネラーが4名、酸味が低減されたと答えたパネラーが5名、違いが分からなかったと答えたパネラーが1名であった。
【0032】
実施例10(高甘味度甘味料の好ましくない後甘味又は苦味の改良効果)
A)砂糖溶液濃度5%の甘味度に相当する、以下の高甘味度甘味料水溶液を調製した。
1ステビア甘味料(守田化学工業(株)製、商品名:レバゥディオA9)0.031%水溶液
2アセスルファムK(ヘキスト(株)製、商品名:sunnett)0.038%水溶液
3サッカリンナトリウム(愛三化学工業(株)製)0.0125%水溶液
4アスパルテーム(味の素(株)製、商品名:パルスイート)0.025%水溶液
5シュクラロース(テイト アンド ライル(株)製)0.01%水溶液
6グリチルリチン(丸善化成(株)製、商品名:純グリチミン)0.1%水溶液
7ネオヘスペリジンジヒドロカルコン(シグマ ケミカル(株)製)0.006%水溶液
8アリテーム(カルター(株)製)0.025%水溶液
B)製造例1で得られた粉末(I)及び製造例3で得られた粉末(III)を使用して、上記各高甘味度甘味料水溶液における好ましくない後甘味又は苦味に対する呈味改良効果を調べた。
【0033】
各高甘味度甘味料水溶液100gに対して、上記粉末(I)または(III)の1%水溶液0.01g(粉末の重量が各高甘味度甘味料水溶液の0.0001%)を添加し、よく撹拌後、官能検査をおこなった。対照には、上記粉末(I)または(III)の水溶液の代わりに、同量の水を使用した。官能検査は、訓練されたパネラー10名によっておこなった。
その結果を以下の表1に示す。
【0034】
【表1】
Figure 0003934812
【0035】
表1に示すように、粉末(I)及び粉末(III)とも、各高甘味度甘味料の好ましくない後甘味の持続を消失若しくは低減させるとともに、また、ステビア甘味料、アセスルファムK、サッカリンナトリウムおよびグリチルリチンに特有の好ましくない苦味を消失若しくは低減させるという回答があった。
【0036】
実施例11(サッカリンナトリウムの好ましくない後甘味及び苦味の改良効果)
製造例1で得られた粉末(I)を使用して、市販の甘味料(商品名 シュガーカット、(株)浅田飴;成分 還元麦芽糖水飴 99.45%,サッカリンナトリウム 0.55%)を入れた紅茶を飲んだときのサッカリンナトリウム特有の好ましくない後甘味及び苦味に対する呈味改良効果を調べた。
上記甘味料4gを入れた紅茶100gに、上記粉末(I)の1%水溶液0.01g(粉末の重量がサッカリンナトリウムの0.45%)を添加し、よく撹拌後、官能検査をおこなった。対照には、上記粉末(I)の水溶液の代わりに、同量の水を使用した。官能検査は、訓練されたパネラー10名によっておこなった。
その結果、サッカリンナトリウム特有の好ましくない後甘味が低減されるとともに、好ましくない苦味も低減されたと答えたパネラーが7名、好ましくない後甘味のみが低減されたと答えたパネラーが2名、好ましくない苦味のみが低減されたと答えたパネラーが1名、違いが分からなかったと答えたパネラーが0名であった。
【0037】
実施例12(ステビア甘味料の好ましくない後甘味及び苦味の改良効果)
製造例1で得られた粉末(I)を使用して、ステビア甘味料を使用したスポーツドリンクを飲んだときのステビア甘味料特有の好ましくない後甘味及び苦味に対する呈味改良効果を調べた。
スポーツドリンクの配合は、ステビア甘味料0.05%、クエン酸0.15%、ビタミンC0.03%、塩化ナトリウム0.05%、塩化カリウム0.04%、乳酸カルシウム0.012%、炭酸マグネシウム0.002%を100gに調製したものである。上記スポーツドリンク100gに、上記粉末(I)の1%水溶液0.01g(粉末の重量がステビア甘味料の0.2%)を添加し、よく撹拌後、官能検査をおこなった。対照には、上記粉末(I)の水溶液の代わりに、同量の水を使用した。官能検査は、訓練されたパネラー10名によっておこなった。
その結果、ステビア甘味料特有の好ましくない後甘味が低減されるとともに、好ましくない苦味も低減されたと答えたパネラーが8名、好ましくない後甘味のみが低減されたと答えたパネラーが2名、好ましくない苦味のみが低減されたと答えたパネラーが0名、違いが分からなかったと答えたパネラーが0名であった。
【0038】
実施例13(アセスルファムKの好ましくない後甘味及び苦味の改良効果)
製造例1で得られた粉末(I)を使用して、アセスルファムKを使用したキャンディーをなめたときのアセスルファムK特有の好ましくない後甘味及び苦味に対する呈味改良効果を調べた。
キャンディーは、還元パラチノース100gを蒸留水に溶解し、温度180℃まで加熱し濃縮した後、120℃まで冷却し、アセスルファムK0.20%および粉末(I)の0.1%水溶液0.4g(粉末の重量がアセスルファムKの0.2%)添加し、良く練り合わせた。これを、キャンディー1個当たり3gになるように型にはめて成形し、官能検査をおこなった。対照には、上記粉末(I)の水溶液の代わりに、同量の水を使用した。官能検査は、訓練されたパネラー10名によっておこなった。
その結果、アセスルファムK特有の好ましくない後甘味が低減されるとともに、好ましくない苦味も低減されたと答えたパネラーが7名、好ましくない後甘味のみが低減されたと答えたパネラーが2名、好ましくない苦味のみが低減されたと答えたパネラーが1名、違いが分からなかったと答えたパネラーが0名であった。
【0039】
実施例14(糖アルコールの呈味改良効果)
A)砂糖溶液濃度5%の甘味度に相当する以下の糖アルコール水溶液を調製した。
1キシリトール(東和化成工業(株)製、商品名:キシリット)5.0%水溶液
2マルチトール(東和化成工業(株)製、商品名:レシス)6.3%水溶液
3ラクチトール(東和化成工業(株)製、商品名:ミルヘン)14.3%水溶液
4ソルビトール(日研化学(株)製、商品名:ソルビトールFK)8.3%水溶液
5エリスリトール(日研化学(株)製、商品名:エリスリトール)6.7%水溶液
6還元パラチノース(三井製糖(株)、商品名:パラチニット)11.1%水溶液
7還元水飴(東和化成工業(株)製、商品名:PO−30)20%水溶液
8還元麦芽糖水飴((株)林原 製、商品名:マビット)6.3%水溶液
B)製造例1で得られた粉末(I)を使用して、上記糖アルコール水溶液に対する呈味改良効果を調べた。
各糖アルコール水溶液100gに対して、上記粉末(I)の1%水溶液0.01gを添加後、よく撹拌し、官能検査をおこなった。対照には、上記粉末(I)の水溶液の代わりに、同量の水を使用した。官能検査は、訓練されたパネラー10名(A〜J)によっておこなった。
その結果を以下の表2に示す。
【0040】
【表2】
Figure 0003934812
【0041】
表2に示すように、粉末(I)を添加することにより、より砂糖に近い甘味質、すなわち糖アルコールにボディー感を施与することが出来、その呈味が改良され、これまで糖アルコールの欠点であった甘味質を改良することが出来た。
【0042】
実施例15 糖アルコールの呈味改良効果
製造例1で得られた粉末(I)を使用して、還元パラチノース(三井製糖(株)、商品名 パラチニット)を使用したキャンディーを試作した。まず、還元パラチノース100gを蒸留水に溶解し、温度180℃まで加熱して濃縮した後、120℃まで冷却し、粉末(I)の0.1%水溶液を0.1g添加後、良く練り合わせた。これを、キャンディー1個当たり3gになるように型にはめて成形し、官能検査をおこなった。対照には、上記粉末(I)の水溶液の代わりに、同量の水を使用した。官能検査は、訓練されたパネラー10名によっておこなった。
その結果、糖アルコールのいわゆるボディー感が非常に増し、砂糖に近い甘味質になったと答えたパネラーが3名、ボディー感が増したと答えたパネラーが6名、違いが分からなかったと答えたパネラーが1名であった。
【0043】
実施例16 糖アルコールの呈味改良効果及びメントールの好ましくない苦味の改良効果
製造例1で得られた粉末(I)を使用して、還元パラチノース(三井製糖(株)、商品名 パラチニット)を使用したメントールキャンディーを試作した。まず、還元パラチノース100gを蒸留水に溶解し、温度180℃まで加熱して濃縮した後、120℃まで冷却し、粉末(I)の1.0%水溶液を0.05ml及びメントール(長岡香料(株)、商品名 WA−2523)1g加え、良く練り合わせた。これを、キャンディー1個当たり3gになるように型にはめて成形し、官能検査をおこなった。対照には、上記粉末(I)の水溶液の代わりに、同量の水を使用した。官能検査は、訓練されたパネラー10名によっておこなった。
その結果、糖アルコールのいわゆるボディー感が非常に増し、砂糖に近い甘味質になるとともにメントールの好ましくない苦味が低減されたと答えたパネラーが5名、ボディー感が増したと答えたパネラーが4名、違いが分からなかったと答えたパネラーが1名であった。
【0044】
実施例17 糖アルコールの呈味改良効果
製造例1で得られた粉末(I)を使用して、還元麦芽糖水飴((株)林原 製、商品名 マビット)を使用したチューイングガムを試作した。まず、市販のガムベース100gに結晶性マルチトール粉末(東和化成工業(株)製、商品名 レシス)265g、還元水飴(東和化成工業(株)製、商品名 PO−30)20g、ソルビトール(東和化成工業(株)製、商品名 ソルビットL)8g、クエン酸3g、グリセリン4g、及び上記粉末(I)0.001gを加えて、20分間十分にニーディングし、室温でロールにかけて展延し、板状に成形後、冷却し、通常の板ガムの大きさ(3g)に切った。このガムについて、官能検査をおこなった。対照には、上記粉末(I)を加えない以外は同じ組成のものを使用した。官能検査は、訓練されたパネラー10名によっておこなった。
その結果、糖アルコールのいわゆるボディー感が非常に増し、砂糖に近い甘味質にパネラーが4名、ボディー感が増したと答えたパネラーが5名、違いが分からなかったと答えたパネラーが1名であった。
【0045】
【図面の簡単な説明】
【図1】甘味料水溶液摂取後の甘味度の経時変化を表す図である。

Claims (19)

  1. 呈味改良成分を含む食品組成物であって、該呈味改良成分が、さとうきび由来のバガス(但し、高圧蒸煮処理したバガスを除く)を、水および親水性溶媒から成る群より選ばれる溶媒で抽出して得られたバガス抽出物であることを特徴とする食品組成物。
  2. 親水性溶媒がエタノールである請求項1記載の食品組成物。
  3. 呈味改良成分を含められる前の食品自体は苦味を有する請求項1または2記載の食品組成物。
  4. 呈味改良成分を含められる前の食品自体は、高甘味度甘味料の後甘味または苦味を有する請求項1または2記載の食品組成物。
  5. 高甘味度甘味料が、ステビア甘味料、アセスルファムK、サッカリン、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、シュクラロース、グリチルリチン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコンおよびアリテームから成る群より選択される請求項4記載の食品組成物。
  6. 食品が糖アルコールを含む請求項1〜5のいずれか1項記載の食品組成物。
  7. 糖アルコールが、キシリトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、ソルビトール、エリスリトール、還元パラチノース、還元水飴および還元麦芽糖水飴から成る群より選択される請求項6記載の食品組成物。
  8. 食品の呈味改良方法であって、食品に、さとうきび由来のバガス(但し、高圧蒸煮処理したバガスを除く)を水および親水性溶媒から成る群より選ばれる溶媒で抽出して得られたバガス抽出物を添加することを特徴とする呈味改良方法。
  9. 親水性溶媒がエタノールである請求項8記載の呈味改良方法。
  10. 呈味改良成分を含められる前の食品自体は苦味を有する請求項8または9記載の呈味改良方法。
  11. 呈味改良成分を含められる前の食品自体は、高甘味度甘味料の後甘味または苦味を有する請求項8または9記載の呈味改良方法。
  12. 高甘味度甘味料が、ステビア甘味料、アセスルファムK、サッカリン、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、シュクラロース、グリチルリチン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコンおよびアリテームから成る群より選択される請求項11記載の呈味改良方法。
  13. 食品が糖アルコールを含む請求項8〜12のいずれか1項記載の呈味改良方法。
  14. 糖アルコールが、キシリトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、ソルビトール、エリスリトール、還元パラチノース、還元水飴および還元麦芽糖水飴から成る群より選択される請求項13記載の呈味改良方法。
  15. 食品のための呈味改良剤であって、前記呈味が塩味、酸味、苦味、甘味または高甘味度甘味料の後甘味もしくは苦味であり、さとうきび由来のバガス(但し、高圧蒸煮処理したバガスを除く)を水および親水性溶媒から成る群より選ばれる溶媒で抽出して得られたバガス抽出物を含むことを特徴とする呈味改良剤。
  16. 親水性溶媒がエタノールである請求項15記載の呈味改良剤。
  17. 食品が、高甘味度甘味料および糖アルコールの1以上を含んでいる請求項15または16記載の呈味改良剤。
  18. 高甘味度甘味料が、ステビア甘味料、アセスルファムK、サッカリン、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、シュクラロース、グリチルリチン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコンおよびアリテームから成る群より選択される請求項17記載の呈味改良剤。
  19. 糖アルコールが、キシリトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、ソルビトール、エリスリトール、還元パラチノース、還元水飴および還元麦芽糖水飴から成る群より選択される請求項17または18記載の呈味改良剤。
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