JP3934499B2 - 実装構造体 - Google Patents

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  • Connecting Device With Holders (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビルドアップ配線基板とこれにフリップチップ実装されている半導体チップとを備える半導体装置がマザー基板に実装されてなる実装構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器に対する高性能化および小型化などの要求に伴い、電子機器に組み込まれる電子部品の高密度実装化が急速に進んでいる。そのような高密度実装化に対応すべく、CPUなどの半導体チップについてはベアチップの状態で面実装するとともに、当該半導体チップを実装するための基板については、配線が多層化されたビルドアップ配線基板が採用される場合が多い。このような実装構造を有する半導体パッケージないし半導体装置は、所定の電子回路の一部を構成すべく、更にマザー基板に実装される。
【0003】
ビルドアップ配線基板は、一般に、コア基板と、その両面に形成されるビルドアップ部とを有する。ビルドアップ部では、複数積層されたビルドアップ絶縁層の間に配線パターンが埋め込まれており、各配線パターン間は、絶縁層に開けられたビアホールに形成されるビアによって、電気的に接続されている。
【0004】
ビルドアップ配線基板の製造においては、ビルドアップ絶縁層の形成と当該絶縁層上での配線パターンの形成とが順次繰り返されて、配線が多層化される。具体的には、まず、既に配線がパターン形成されているコア基板やビルドアップ絶縁層に対して、その配線パターンの上方からビルドアップ絶縁層を積層形成する。次に、当該絶縁層に対してビアホールを形成する。ビアホールの形成手法としては、絶縁層材料として感光性樹脂を用いてフォトリソグラフィにより絶縁層に穴を形成する方法や、レーザを照射することによって絶縁層に穴を形成する方法などが採用される。絶縁層にビアホールを形成した後、例えばセミアディティブ法やサブトラクティブ法により、絶縁層上に配線パターンを形成する。このとき、配線パターンとともに、導体材料によりビアホールにはビアが形成される。このようにして絶縁層上において配線パターンを形成した後、絶縁層の積層形成から配線パターン形成までの一連の工程を所定回数繰り返すことによって、配線の多層化を図ることができる。
【0005】
ビルドアップ配線基板では、ビルドアップ部において、微細な配線パターンを高密度で形成することができるので、外部接続用の電極部を、ビルドアップ部表面にて微細なピッチで設けることが可能である。したがって、ビルドアップ配線基板に対しては、例えば、外部接続用の複数のボール電極が微細なピッチでグリッドアレイ状に設けられている半導体チップを、ベアチップの状態で面実装することが可能なのである。
【0006】
ビルドアップ配線基板に対する半導体チップの面実装すなわちフリップチップ実装においては、ビルドアップ配線基板および半導体チップの熱膨張率の差に起因して、接続信頼性が低い場合が多い。一般的な半導体材料による半導体チップにおける平面広がり方向の熱膨張率は3〜3.5ppm/Kであり、コア基板としてガラスエポキシ基板を採用する一般的なビルドアップ配線基板における平面広がり方向の熱膨張率は15〜20ppm/Kであり、両者の熱膨張率の差は比較的大きい。そのため、環境温度の変化により、半導体チップとビルドアップ配線基板との間における電気的接続部には応力が発生し易く、従って、半導体チップおよびビルドアップ配線基板の電気的接続については、信頼性が低い傾向にあるのである。
【0007】
接続信頼性を向上するための手段の一つとして、ビルドアップ配線基板のコア基板について、従来のガラスエポキシ基板に代えて、炭素繊維シートに樹脂材料を含浸させてなる基板を採用する技術が知られている。炭素繊維シートを含むコア基板の熱膨張率は、従来より一般的に使用されているコア基板のそれよりも小さいので、当該コア基板を備えるビルドアップ配線基板の熱膨張率は、半導体チップの熱膨張率に、より接近した値を示す。したがって、炭素繊維シートを含むコア基板を採用するビルドアップ配線基板を使用することにより、ビルドアップ配線基板に対する半導体チップのフリップチップ実装における接続信頼性を向上することができる。炭素繊維シートに樹脂材料を含浸させてなるコア基板を備える配線基板は、例えば、特開平11−40902号公報や特開2001−332828号公報に開示されている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
ビルドアップ配線基板とこれにフリップチップ実装されている半導体チップとによる半導体パッケージないし半導体装置は、上述のように、マザー基板に実装される。電子部品の高密度実装化の観点より、当該半導体パッケージは、グリッドアレイ状に配列する複数のハンダボール電極が設けられて当該ハンダボール電極を介してマザー基板に面実装される場合がある。
【0009】
しかしながら、炭素繊維シート含有コア基板を備えるビルドアップ配線基板における平面広がり方向の熱膨張率は、一般的なマザー基板のそれよりも小さい。一般的なマザー基板における平面広がり方向の熱膨張率は15〜18ppm/Kであり、コア基板としてガラスエポキシ基板を採用する一般的なビルドアップ配線基板における平面広がり方向の熱膨張率と同程度である。そのため、炭素繊維シート含有コア基板を備えて従来よりも小さな熱膨張率を有するビルドアップ配線基板を、それに設けられた複数のハンダボール電極を介してマザー基板に面実装すると、両者の間には熱膨張率について有意な差が存在するため、環境温度の変化により、ビルドアップ配線基板とマザー基板との間における電気的接続部には比較的大きな応力が発生し易くなる。すなわち、炭素繊維シート含有コア基板を備えるビルドアップ配線基板を使用する場合、ガラスエポキシコア基板を備える一般的なビルドアップ配線基板を使用する場合よりも、半導体パッケージ実装における接続信頼性が低下してしまうのである。
【0010】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、ビルドアップ配線基板とこれにフリップチップ実装されている半導体チップとを備える半導体パッケージないし半導体装置がマザー基板に実装されてなる実装構造体において、半導体チップおよびビルドアップ配線基板の電気的接続について高い信頼性を達成するとともに、ビルドアップ配線基板およびマザー基板の電気的接続についても高い信頼性を達成することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の側面によると実装構造体が提供される。この実装構造体は、電極部を有するマザー基板と、電極部と電気的に接続している導電連絡部を有し、マザー基板の上に搭載されているバッファー部と、導電連絡部と接する第1電極部を第1面に有するとともに当該第1面と反対の第2面に第2電極部を有し、バッファー部を介してマザー基板に実装されているビルドアップ配線基板と、第2電極部と電気的に接続しているバンプ部を介してビルドアップ配線基板に実装されている半導体チップとを備えることを特徴とする。
【0012】
このような構成によると、ビルドアップ配線基板およびマザー基板の電気的接続について高い信頼性を達成することができる。本発明の第1の側面に係る実装構造体においては、ビルドアップ配線基板は、マザー基板に搭載されたバッファー部の導電連絡部を介して、マザー基板に対して電気的に接続されている。ビルドアップ配線基板の第1電極部は、マザー基板の電極部に電気的に接続している導電連絡部に対して接合されていない。第1電極部は、導電連絡部とは電気的に接続するように接触しているのである。したがって、ビルドアップ配線基板およびマザー基板の平面広がり方向における熱膨張率の差が比較的大きい場合であっても、ビルドアップ配線基板の第1電極部とバッファー部の導電連絡部との間には、環境温度が変化しても、応力が発生しないか、或は、充分小さな応力しか発生しない。その結果、ビルドアップ配線基板およびマザー基板の電気的接続については、ビルドアップ配線基板およびマザー基板の熱膨張率の差が比較的大きい場合であっても、応力の発生に起因する接続信頼性の低下は解消ないし充分に軽減されるのである。
【0013】
また、本発明の第1の側面に係る実装構造体によると、半導体チップおよびビルドアップ配線基板の電気的接続についても高い信頼性を達成することができる。ビルドアップ配線基板およびマザー基板の電気的接続に関しては、上述のように、両者の熱膨張率の差が比較的大きい場合であっても、良好な接続信頼性を達成することが可能である。そのため、ビルドアップ配線基板としては、半導体チップの熱膨張率に近い熱膨張率を有するものを使用することができる。所定の半導体チップを、その熱膨張率に近い熱膨張率を有するビルドアップ配線基板に対して面実装することにより、両者の熱膨張率の差に起因する接続信頼性の低下を解消ないし充分に軽減することが可能である。
【0014】
このように、本発明の第1の側面に係る実装構造体によると、半導体チップおよびビルドアップ配線基板の電気的接続について高い信頼性を達成するとともに、ビルドアップ配線基板およびマザー基板の電気的接続についても高い信頼性を達成することができるのである。
【0015】
本発明の第2の側面によると別の実装構造体が提供される。この実装構造体は、電極部を有するマザー基板と、電極部と電気的に接続している導電連絡部を有するバッファー部を備えてマザー基板の上に搭載されているソケット本体と、ソケット本体を介してマザー基板に実装されている半導体装置と、半導体装置をソケット本体に対して押圧するソケット蓋体とを備え、半導体装置は、導電連絡部と接する第1電極部を第1面に有するとともに当該第1面と反対の第2面に第2電極部を有するビルドアップ配線基板、および、第2電極部と電気的に接続しているバンプ部を介してビルドアップ配線基板に実装されている半導体チップを含むことを特徴とする。
【0016】
本発明の第2の側面に係る実装構造体は、第1の側面に係る実装構造体の構成を含む。したがって、本発明の第2の側面によっても、第1の側面に関して上述したのと同様の効果が奏される。
【0017】
好ましくは、ビルドアップ配線基板および半導体チップの平面広がり方向における熱膨張率の差は1.5〜7ppm/Kであり、マザー基板およびビルドアップ配線基板の平面広がり方向における熱膨張率の差は5〜13ppm/Kである。或は、好ましくは、半導体チップ、ビルドアップ配線基板、および、マザー基板の平面広がり方向における熱膨張率は、各々、3〜3.5ppm/K、5〜10ppm/K、および、15〜18ppm/Kである。熱膨張率に関するこのような構成は、ビルドアップ配線基板とこれにフリップチップ実装されている半導体チップとを備える半導体装置がマザー基板に実装されてなる実装構造体において、半導体チップおよびビルドアップ配線基板の電気的接続について高い信頼性を達成するとともに、ビルドアップ配線基板およびマザー基板の電気的接続についても高い信頼性を達成するうえで好ましい傾向にある。
【0018】
好ましくは、バンプ部は、ビルドアップ配線基板と半導体チップとの間においてグリッドアレイ状に設けられた複数のボール電極である。このようなボールグリッドアレイ構造は、多ピン化された半導体チップを、微細配線が形成されているビルドアップ配線基板に実装するうえで好適である。
【0019】
好ましくは、ビルドアップ配線基板と半導体チップとの間には、アンダーフィル材が介在している。このような構成によると、ビルドアップ配線基板と半導体チップの間の電気的接続部に生ずる応力の一部はアンダーフィル材により吸収され、その結果、ビルドアップ配線基板および半導体チップの間における接続信頼性の低下は抑制される。
【0020】
好ましくは、ビルドアップ配線基板はコア基板を有し、当該コア基板には、直径10μm以下のカーボンファイバを束ねたカーボンファイバ糸から織られた複数のカーボンファイバ布が100μm以下の間隔で厚み方向に離隔して埋設されており、且つ、厚み方向に貫通して表面に絶縁膜が形成されているスルーホールにおいてスルーホールビアが設けられている。直径10μm以下のカーボンファイバを束ねたカーボンファイバ糸から織られた複数のカーボンファイバ布が100μm以下の間隔で厚み方向に離隔して埋設されているコア基板を備えるビルドアップ配線基板は、5〜10ppm/Kの熱膨張率を示し得る。すなわち、このような構成のコア基板は、半導体チップとビルドアップ配線基板の熱膨張率の差を低減するうえで好適である。また、本構成のようなカーボンファイバ布は、基板を厚み方向に貫通するスルーホールの形成の際に、使用されるドリルに対する障害の程度が比較的低く、従って、ドリルの破損頻度を低減することができる。加えて、スルーホール表面に設けられている絶縁膜により、カーボンファイバ布とスルーホールビアとの電気的絶縁状態が確保される。
【0021】
好ましくは、バッファー部は、導電連絡部を保持するフレキシブル基板を有し、導電連絡部は、当該フレキシブル基板の両面に臨んでいる。マザー基板の電極部とビルドアップ配線基板の第1電極部との電気的接続を達成する導電連絡部がフレキシブル基板に保持されていると、例えば、マザー基板の電極部と導電連絡部がハンダリフローなどを経て接合されている場合において、当該電極部および導電連絡部の間に生じ得る応力の一部は、比較的軟質なフレキシブル基板によって吸収される。
【0022】
好ましくは、第1電極部は、第1面にてグリッドアレイ状に設けられた複数のランド電極である。このようなランドグリッドアレイ(LGA)構造においては、ビルドアップ配線基板の第1電極部とバッファー部の導電連絡部とが有意な面積で面接触し易いため、第1電極部と導電連絡部とを電気的に接続するうえで好適である。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る実装構造体X1の分解斜視図である。図2は、図1の線II−IIに沿った実装構造体X1の部分断面図であり、図3は、図2の部分拡大図である。実装構造体X1は、半導体チップ10と、ビルドアップ配線基板20と、マザー基板30と、ビルドアップ配線基板20およびマザー基板30の間に介在するバッファー部40とを含む。
【0024】
半導体チップ10は、図2に示すように、複数のボール電極11を介してビルドアップ配線基板20に実装されている。半導体チップ10は、その主要部分がシリコンなどの一般的な半導体素子材料より構成されており、熱膨張率3〜3.5ppm/Kを示す。図の簡潔化の観点より、図2においては半導体チップ10の内部構造を省略する。複数のボール電極11は、半導体チップ10の片面にてグリッドアレイ状に配列し、ボールグリッドアレイを構成している。ボール電極11は、金、または、所定の組成のハンダよりなる。
【0025】
ビルドアップ配線基板20は、コア基板21およびビルドアップ部22よりなる。コア基板21は、基材としてのカーボンファイバ布(図示略)に樹脂材料を含浸させてなる複数のプリプレグ21’を積層したものであり、本実施形態においては、コア基板21は5枚のプリプレグ21’よりなる。コア基板21の両面には、内層パターン21aが形成されており、内層パターン間は、コア基板21を貫通するスルーホールビア21bにより電気的に接続されている。スルーホールビア21bは、表面に絶縁膜21cが形成されたスルーホール21dに設けられている。
【0026】
コア基板21ないしプリプレグ21’を構成するための樹脂材料としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、マレイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、フッ素含有樹脂などが挙げられる。当該樹脂材料にガラス転位温度が存在する場合には、その温度は、例えば150℃以上の高温であるのが望ましい。当該樹脂材料は、コア基板21の製造時における例えば150℃以上の加熱、および、半導体チップ10の搭載時における例えば200℃以上の加熱によって、軟化可能であれば、より高温のガラス転位温度を有するのがよい。コア基板を構成する樹脂材料のガラス転位温度が高いほど、実装構造体X1が有効に機能する温度領域が高温側に拡大する場合が多い。
【0027】
カーボンファイバ布とは、カーボンファイバを束ねたカーボンファイバ糸が織り込まれたものである。本実施形態においては、1枚のプリプレグ21’に含まれる1枚のカーボンファイバ布は、断面直径10μm以下のカーボンファイバを平均本数200本以上で束ねたカーボンファイバ糸により平織りされたものである。このようなカーボンファイバ布は、コア基板21において、100μm以下の間隔で基板厚み方向に離隔して配置している。コア基板21におけるカーボンファイバの体積占有率は、好ましくは、40〜90%である。本実施形態に係るビルドアップ配線基板20は、このような構成でカーボンファイバ布を含有するコア基板21を備え、熱膨張率5〜10ppm/Kを示すように構成されている。
【0028】
ビルドアップ部22は、ビルドアップ絶縁層22aと、配線パターン22bと、ビア22cと、ランド電極22d,22eとを含む。具体的には、ビルドアップ部22においては、複数積層されたビルドアップ絶縁層22aの間に配線パターン22bが埋め込まれており、各配線パターン間は、ビルドアップ絶縁層22aに開けられたビアホールに設けられるビア22cによって、電気的に接続されている。ランド電極22d,22eは、外部接続用の端子であって、ビルドアップ部22の表面に設けられている。図の簡潔化の観点より、図2および図3においては、複数積層されたビルドアップ絶縁層22aが一体となった状態を表す。ビルドアップ絶縁層22aを構成する材料としては、一般的な熱硬化性樹脂を用いることができる。例えば、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂などが挙げられる。ビルドアップ配線基板20の製造時および半導体チップ10の搭載時に高温となることを考慮すると、ビルドアップ絶縁層材料としては、コア基板21ないしプリプレグ21’を構成する樹脂材料に近似した熱特性を有する熱硬化性樹脂を採用するのが望ましい。また、ビルドアップ配線基板20の薄型化の観点より、ビルドアップ絶縁層22aの層厚は100μm以下が望ましい。
【0029】
ビルドアップ配線基板20の製造においては、まず、断面直径10μm以下のカーボンファイバを平均本数200本以上で束ねたカーボンファイバ糸により織り込まれたカーボンファイバ布に対して樹脂材料を含浸させ、プリプレグ21’を作製する。次に、複数のプリプレグ21’を積層し、加熱下において当該積層体を積層方向に加圧することにより、未加工のコア基板21を作製する。次に、ドリル穴明けにより、コア基板21を厚み方向に貫通する所定の開口径のスルーホール21dを所定数形成する。次に、例えば真空プレスにより、コア基板21の両面に対して、Bステージの状態にある熱硬化性樹脂材料をラミネートする。このとき、当該熱硬化性樹脂材料は、コア基板表面を被覆するとともにスルーホール21dに充填される。次に、スルーホール21dに充填された樹脂材料に対して、先のドリルよりも小径のドリルにより貫通孔を形成する。このようにして、コア基板表面に絶縁膜(図示略)が形成されるとともに、スルーホール表面に絶縁膜21cが形成される。続いて、デスミア処理を行なった後、コア基板表面およびスルーホール表面に対して無電解銅めっき膜を形成する。次に、コア基板表面に所定のパターン(内層パターン21aに対応)のドライフィルムレジストを形成し、これをマスクとしつつ、先に形成された無電解銅めっき膜を通電層として、電気銅めっき膜を形成する。このとき、スルーホール21dの表面にも電気銅めっき膜を成長させることにより、スルーホールビア21bを形成する。スルーホール21dには更に樹脂材料を充填する。ドライフィルムレジストを剥離した後、それまでドライフィルムレジストで被覆されていた無電解銅めっき膜をエッチング除去する。このようにして、内層パターン21aおよびスルーホールビア21bが形成されたコア基板21が作製される。
【0030】
ビルドアップ配線基板20の製造においては、続いて、ビルドアッププロセスにより、コア基板21の両面においてビルドアップ多層配線構造を形成する。ビルドアッププロセスにおいては、例えば、まず、内層パターン21aが形成されているコア基板21に対して、或は、配線パターン22bが形成されているビルドアップ絶縁層22aに対して、その配線パターンの上方から更にビルドアップ絶縁層22aを積層形成する。ビルドアップ絶縁層22aを形成するための樹脂材料は、シート状であってもよいし液状であってもよい。次に、積層されたビルドアップ絶縁層22aに対してビアホールを形成する。ビアホールの形成手法としては、絶縁層材料として感光性樹脂を用いてフォトリソグラフィによりビルドアップ絶縁層22aに穴を形成する方法や、レーザを照射することによってビルドアップ絶縁層22aに穴を形成する方法などを採用することができる。ビルドアップ絶縁層22aにビアホールを形成した後、例えばセミアディティブ法やサブトラクティブ法により、ビルドアップ絶縁層上に配線パターン22bを形成する。このとき、配線パターン22bとともに、導体材料によりビアホールにはビア22cが形成される。このようにしてビルドアップ絶縁層22aにおいて配線パターン22bおよびビア22cを形成した後、更なるビルドアップ絶縁層22aの積層形成から、配線パターン22bおよびビア22cの形成までの一連の工程を所定回数繰り返す。以上のようなビルドアッププロセスにより、コア基板21の両面にビルドアップ多層配線構造が形成される。
【0031】
ビルドアップ配線基板20の製造においては、続いて、スクリーン印刷およびフォトリソグラフィにより、上述のようにして形成されたビルドアップ多層配線構造の表面にオーバーコート層ないしソルダレジストを形成する。図2および図3においては、オーバーコート層は、ビルドアップ絶縁層22aと一体化して表されている。オーバーコート層には、ビルドアップ多層配線構造における最上位の配線パターン22bの一部が臨むように開口部を設ける。次に、当該開口部から臨む配線パターン上に、無電解ニッケル膜に続いて金めっき膜を形成することにより、外部端子との接続を図るためのランド電極22d,22eを形成する。図2における下位のビルドアップ部22に形成されるランド電極22dは、後述のバッファー部40の導電連絡部42に対応する位置に配置し、ランドグリッドアレイを構成している。また、図2における上位のビルドアップ部22に形成されるランド電極22eは、半導体チップ10のボール電極11に対応する位置にてグリッドアレイ状に配置し、ランドグリッドアレイを構成している。このようにして、コア基板21の両面にビルドアップ部22を備え、ランドグリッドアレイを構成するランド電極22d,22eを両面に有するビルドアップ配線基板20が作製される。このような構成のビルドアップ配線基板20に対して、上述の半導体チップ10は、ハンダリフローにより、ランド電極22eの側に接合されている。そして、半導体チップ10とビルドアップ配線基板20の間には、アンダーフィル材13が充填されている。
【0032】
マザー基板30は、表面に露出する電極部31を有する。図の簡潔化の観点より、図1においては電極部31を省略する。マザー基板30は、例えば一括積層法により作製された多層プリント配線基板であり、電極部31は、マザー基板30に形成される所定の配線(図示略)に対して電気的に接続している。例えば一括積層法により作製された多層プリント配線基板であるマザー基板30は、熱膨張率15〜18ppm/Kを示すように構成されている。電極部31は、ビルドアップ配線基板20における下位のビルドアップ部22に形成されたランド電極22dに対応する位置に配置している。
【0033】
バッファー部40は、ベース41、および、これに保持されている導電連絡部42を備える。導電連絡部42は、例えば銅などの導体材料よりなり、ベース41の所定箇所に設けられている開口部41aにて保持されている。図の簡潔化の観点より、図1においては、バッファー部40における開口部41aおよび導電連絡部42を省略する。ベース41は、本実施形態においてはリジッド基板であり、ガラス繊維などによる所定の基材に対して樹脂材料を含浸させたものである。そのような樹脂材料としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、BT樹脂が挙げられる。導電連絡部42は、図3によく表れているように、湾曲形状を有して開口部41aの壁面に当接する第1コンタクト部42aと、当該第1コンタクト部から延出する第2コンタクト部42bとからなり、図2および図3の紙面垂直方向に所定の幅を有する。第1コンタクト部42aは、ビルドアップ配線基板20のランド電極22dと接触し、第2コンタクト部42bは、マザー基板30の電極部31と接触する。導電連絡部42は、第1コンタクト部42aの湾曲形状が開く方向に作用する付勢力により、開口部41aに保持されている。また、例えば図1に示すような実装構造体X1の分解状態においては、第1コンタクト部42aおよび第2コンタクト部42bは、開口部41aから所定の長さ突き出ている。これに対し、図2および図3に示すような実装構造体X1の組立状態においては、第1コンタクト部42aは、ビルドアップ配線基板20のランド電極22dと当接して、図中下方に向かって開口部41aの内方に押圧された状態となる。また、第2コンタクト部42bは、マザー基板30の電極部31と当接して、図中上方に向かって開口部41aの内方に押圧された状態となる。押圧力が作用しつつ接触しているので、第1コンタクト部42aとランド電極22dの間、および、第2コンタクト部42bと電極部31の間において、良好な電気的接続が達成される。
【0034】
バッファー部40は、例えばランドグリッドアレイ型パッケージ用のソケットの一部に組み込まれている。ソケットは、図1に示すように、ソケット本体51と、ソケット蓋体52と、スティフナ53とを備える。ソケット本体51は、半導体チップ10およびビルドアップ配線基板20よりなる半導体パッケージないし半導体装置を収容するためのものであって、その底面位置にバッファー部40が組み込み形成されている。ソケット蓋体52は、ソケット本体51に収容される半導体パッケージをソケット本体51に対して押圧するための圧接部52aを有する。スティフナ53は、ソケットの搭載時においてマザー基板30を補強するための部材であって、マザー基板30における実装箇所30aの裏側に配設される。
【0035】
半導体チップ10およびビルドアップ配線基板20よりなる半導体パッケージをソケット本体51に収容しつつ、ソケット本体51、ソケット蓋体52、およびスティフナ53をネジ54によりネジ止めすることにより、ソケットはマザー基板30に固定されている。このようにして、半導体チップ10およびビルドアップ配線基板20よりなる半導体パッケージは、バッファー部40を介してマザー基板30に実装されている。
【0036】
実装構造体X1においては、ボールグリッドアレイを構成するボール電極11を介してビルドアップ配線基板20に実装されている半導体チップ10の熱膨張率は3〜3.5ppm/Kであり、ビルドアップ配線基板20の熱膨張率は5〜10ppm/Kである。すなわち、半導体チップ10およびビルドアップ配線基板20の平面広がり方向における熱膨張率の差は、1.5〜7ppm/Kである。このような熱膨張率の差は、従来の一般的な半導体チップ−ビルドアップ配線基板実装構造における熱膨張率の差(11.5〜17ppm程度)よりも小さい。したがって、実装構造体X1においては、半導体チップ10とビルドアップ配線基板20の間における、環境温度の変化による接続信頼性の低下を従来よりも低減することができる。
【0037】
また、実装構造体X1においては、ビルドアップ配線基板20の熱膨張率は上述のように5〜10ppm/Kであり、マザー基板30の熱膨張率は15〜18ppm/Kである。すなわち、ビルドアップ配線基板20およびマザー基板30の平面広がり方向における熱膨張率の差は、5〜13ppm/Kであり、比較的大きい。しかしながら、ビルドアップ配線基板20とマザー基板30の間には、両者の電気的接続を図りつつバッファー部40が介在している。ビルドアップ配線基板20のランド電極22dは、バッファー部40の導電連絡部42に対して接触しているのであって接合されていない。これとともに、マザー基板30の電極部31も、導電連絡部42に対して接触しているのであって接合されていない。そのため、実装構造体X1においては、環境温度の変化に従ってビルドアップ配線基板20、マザー基板30、およびバッファー部40が比較的大きな差で異なる程度に膨張する場合であっても、ランド電極22dおよび電極部31と、導電連絡部42とが適切な接触状態を維持することにより、ビルドアップ配線基板20およびマザー基板30の間において良好な接続信頼性を達成することができる。
【0038】
本実施形態においては、例えば導電性接着剤やハンダ材料などを介して、導電連絡部42の第2コンタクト部42bと電極部31とを接合していてもよいが、その場合、バッファー部40は、マザー基板30と同様に、熱膨張率15〜18ppm/Kを示すように構成される。バッファー部40およびマザー基板30の熱膨張率を近接させることにより、導電連絡部42の第2コンタクト部42bと電極部31とが接合した状態であっても、導電連絡部42と電極部31の接合部において不当な応力が発生しにくい。したがって、本実施形態において導電連絡部42と電極部31が接合されている場合であっても、ビルドアップ配線基板20およびマザー基板30の間において良好な接続信頼性を達成することが可能である。
【0039】
このように、実装構造体X1においては、半導体チップ10とビルドアップ配線基板20の間において良好な接続信頼性を達成するとともに、ビルドアップ配線基板20とマザー基板30の間において良好な接続信頼性を達成することが可能なのである。
【0040】
図4は、本発明の第2の実施形態に係る実装構造体X2を表し、実装構造体X1における図2の部分断面図に相当する箇所についての部分断面図である。図5は、図4の部分拡大図である。実装構造体X2は、バッファー部40の構成について、実装構造体X1と異なる。他の構成については、実装構造体X1と同様である。
【0041】
実装構造体X2のバッファー部40は、ベース41、および、これに保持されている導電連絡部42を備える。ベース41は、フレキシブル基板であり、例えば、可撓性を有するポリイミドフィルムやポリエステルフィルムよりなる。ベース41には、所定の部位に例えば円柱形の開口部が形成されている。導電連絡部42は、サブトラクティブ法やアディティブ法により、開口部を含む領域においてベース41に対してパターン形成されたものであって、開口部を通ってベース41を貫通してベース41の両面に臨んでいる。実装構造体X2の組立状態においては、導電連絡部42の一端は、ビルドアップ配線基板20のランド電極22dと当接し、他端は、マザー基板30の電極部31と当接している。
【0042】
実装構造体X2においては、実装構造体X1と同様に、半導体チップ10およびビルドアップ配線基板20の平面広がり方向における熱膨張率の差は、1.5〜7ppm/Kである。このような熱膨張率の差は、従来の一般的な半導体チップ−ビルドアップ配線基板実装構造における熱膨張率の差(11.5〜17ppm程度)よりも小さい。したがって、実装構造体X2においても、実装構造体X1と同様に、環境温度の変化による半導体チップ10とビルドアップ配線基板20の間における接続信頼性の低下を従来よりも低減することができる。
【0043】
また、実装構造体X2においては、実装構造体X1と同様に、ビルドアップ配線基板20およびマザー基板30の平面広がり方向における熱膨張率の差は、5〜13ppm/Kであり、比較的大きい。しかしながら、ビルドアップ配線基板20のランド電極22dは、バッファー部40の導電連絡部42に接触しているのであって接合されていない。これとともに、マザー基板30の電極部31も、導電連絡部42に接触しているのであって接合されていない。そのため、実装構造体X2においては、実装構造体X1と同様に、環境温度の変化に従ってビルドアップ配線基板20、マザー基板30、およびバッファー部40が比較的大きな差で異なる程度に膨張する場合であっても、ランド電極22dおよび電極部31と、導電連絡部42とが適切な接触状態を維持することにより、ビルドアップ配線基板20およびマザー基板30の間において良好な接続信頼性を達成することができる。
【0044】
本実施形態においては、例えば導電性接着剤やハンダ材料などを介して、導電連絡部42と電極部31とを接合していてもよい。この場合、フレキシブル基板であるベース41により導電連絡部42が保持されているので、当該電極部および導電連絡部の間に生じ得る応力の一部は、比較的軟質なベース41によって吸収される。したがって、本実施形態において導電連絡部42と電極部31とが接合されている場合であっても、ビルドアップ配線基板20およびマザー基板30の間において良好な接続信頼性を達成することができる。
【0045】
このように、実装構造体X2においても、実装構造体X1と同様に、半導体チップ10とビルドアップ配線基板20の間において良好な接続信頼性を達成するとともに、ビルドアップ配線基板20とマザー基板30の間において良好な接続信頼性を達成することが可能なのである。
【0046】
【実施例】
<実装構造体の作製>
カーボンファイバ布(商品名:TORAYCA、東レ製)にエポキシ樹脂を含浸させた後これを乾燥し、厚さ0.2mmのプリプレグを作製した。本実施例のカーボンファイバ布は、断面直径10μm以下のカーボンファイバを平均本数200本以上で束ねたカーボンファイバ糸を平織りしたものである。このようにして用意したプリプレグを4枚積層し、真空プレスにより、170℃で1時間、積層方向に加圧することによって、厚さ約0.8mmの未加工のコア基板を作製した。
【0047】
次に、このコア基板に対して内層パターンおよびスルーホールビアを形成した。具体的には、まず、コア基板の所定箇所に対して、ドリルにより、開口径0.5mmのスルーホールを形成した。脱脂処理および洗浄処理の後、コア基板の両面に対して、真空プレスにより、170℃で30分間、Bステージの状態にあるエポキシ樹脂シート(厚さ:0.07mm)をラミネートした。これにより、エポキシ樹脂は、コア基板表面を被覆するとともにスルーホールに充填された。次に、スルーホールに充填されたエポキシ樹脂に対して、先のドリルよりも小径のドリルにより、開口径0.2mmの貫通孔を形成した。これにより、スルーホール表面に絶縁膜が形成されたこととなる。次に、デスミア処理を行なった後、表面が絶縁被覆されているコア基板の当該表面に対して無電解銅めっき膜を形成した。このとき、表面が絶縁被覆されているスルーホールの当該表面にも無電解銅めっき膜を形成した。次に、コア基板表面に対して、ドライフィルムレジストを所定のパターンで形成し、これをマスクとしつつ、先に形成された無電解銅めっき膜を通電層として、電気銅めっき膜を形成した。このとき、スルーホールの表面にも電気銅めっき膜を形成した。ドライフィルムレジストを剥離した後、それまでドライフィルムレジストで被覆されていた無電解銅めっき膜をエッチング除去した。このようにして、コア基板に対して内層パターンおよびスルーホールビアを形成した。スルーホールビアの形成箇所および形成数は、内層パターンの引き回し態様に応じて決定される。本実施においては、コア基板の所定箇所に対して1000個のスルーホールビアを形成した。
【0048】
次に、コア基板の両面にビルドアップ部を形成した。具体的には、まず、内層パターンが形成されているコア基板に対して、ビルドアップ絶縁層を積層形成した。ビルドアップ絶縁層を形成するための樹脂材料としては、感光性樹脂(商品名:PVI−500、太陽インキ製)を使用した。次に、積層されたビルドアップ絶縁層の所定箇所に対して、フォトリソグラフィによりビアホールを形成した。次に、セミアディティブ法により、絶縁層上に銅配線パターンを形成した。このとき、ビアホール表面にも銅を堆積させることにより、銅配線パターンとともにビアも形成した。この後、ビルドアップ絶縁層の積層形成から、配線パターンおよびビアの形成までの一連の工程を4回繰り返すことにより、コア基板の両面において、5層配線構造のビルドアップ部を形成した。
【0049】
次に、スクリーン印刷およびフォトリソグラフィにより、ビルドアップ部の表面にオーバーコート層を形成した。オーバーコート層の所定箇所には、ビルドアップ部における最上位の配線パターンの一部が臨むように開口部を設けた。次に、当該開口部から臨む配線パターン上に、無電解ニッケル膜に続いて金めっき膜を形成することにより、外部端子との接続を図るためのランド電極を形成した。ビルドアップ配線基板の一方の面に形成されたランド電極は、後に搭載される半導体チップの電極配置に対応して配置しており、他方の面に形成されたランド電極は、当該ビルドアップ配線基板が搭載されることとなるソケットにおけるバッファー部の導電連絡部配置に対応して配置している。
【0050】
このようにして作製したビルドアップ配線基板の反り量を測定したところ、チップ搭載エリアの20mmスパンにおいて10μm以下であった。これに対し、本実施例のコア基板に代えて、同サイズの有機コア基板を使用した以外は上述のプロセスで作製したビルドアップ配線基板の反り量を測定したところ、チップ搭載エリアの20mmスパンにおいて約30μmであった。有機コア基板としては、コア基板がBTレジン基板であるものを使用した。このように、本実施例のビルドアップ配線基板は、有機コアを採用する従来のビルドアップ配線基板よりも反り量が小さかった。また、本実施例のビルドアップ配線基板の平面広がり方向における熱膨張率は7ppm/Kであった。
【0051】
このように反り量の小さな本実施例のビルドアップ配線基板の一方の面に対して、所定の半導体チップを、これに形成されたボールグリッドアレイを構成する複数のボール電極を介してフリップチップ実装した。当該半導体チップの平面広がり方向における熱膨張率は5ppm/Kである。次に、このようにして得られた半導体パッケージを、LGAパッケージ用ソケットを介して、熱膨張率15ppm/Kのマザー基板に実装した。LGAパッケージ用ソケットは、例えば図1および図2に示すように、半導体パッケージを収容するソケット本体と、半導体パッケージをソケット本体に対して押圧するソケット蓋体と、マザー基板を補強するスティフナとを備える。ソケット本体の底面は、導電連絡部を有するバッファー部により構成されている。導電連絡部は、上述の半導体パッケージにおけるビルドアップ配線基板のランド電極と当接しつつマザー基板の電極部と電気的に接続する位置に配設されている。ソケット蓋体は、ソケット本体に収容される半導体パッケージをソケット本体に付勢するための押圧部を有する。ソケット本体に半導体パッケージを収容しつつ、ソケット本体、ソケット蓋体、スティフナ、およびマザー基板を一括してネジ止めすることにより、本実施例の実装構造体を作製した。
【0052】
<温度サイクル試験>
本実施例の実装構造体について、温度サイクル試験により接続信頼性を調べた。具体的には、まず、実装構造体の半導体チップとビルドアップ配線基板の間の各電気的接続部、および、ビルドアップ配線基板とマザー基板の間の各電気的接続部について初期導通抵抗を測定した。次に、−65℃〜150℃の範囲で温度サイクル試験を行った後、各電気的接続部の導通抵抗を再び測定した。温度サイクル試験は、−65℃での15分間冷却、および、150℃での15分間加熱を1サイクルとし、このサイクルを1000回繰り返した。その結果、本実施例の実装構造体について、各電気的接続部における抵抗上昇率は10%未満であり、良好な接続部が形成されていることが確認された。また、半導体チップのボール電極とビルドアップ配線基板のランド電極との間には、クラックや剥がれは生じなかった。
【0053】
【比較例】
実施例と同一のビルドアップ配線基板と半導体チップとからなる半導体パッケージを、ソケットに代えて複数のハンダボールを介してマザー基板に実装した以外は、実施例と同様にして実装構造体を作製した。具体的には、本比較例においては、ハンダボールは、半導体パッケージにおけるビルドアップ配線基板のランド電極に対して溶融接合するとともにマザー基板の電極部に対しても溶融接合し、従って、半導体パッケージは、当該ハンダボールを介して機械的かつ電気的にマザー基板に接続されている。本比較例の実装構造体について、実施例と同様にして温度サイクル試験を行ったところ、各電気的接続部における接続抵抗の上昇率は、300サイクルにて10%を超えた。また、300サイクルにて、半導体チップのボール電極とビルドアップ配線基板のランド電極との界面について、クラックが観察される接合部が存在した。
【0054】
以上のまとめとして、本発明の構成およびそのバリエーションを以下に付記として列挙する。
【0055】
(付記1)電極部を有するマザー基板と、
前記電極部と電気的に接続している導電連絡部を有し、前記マザー基板の上に搭載されているバッファー部と、
前記導電連絡部と接する第1電極部を第1面に有するとともに当該第1面と反対の第2面に第2電極部を有し、前記バッファー部を介して前記マザー基板に実装されているビルドアップ配線基板と、
前記第2電極部と電気的に接続しているバンプ部を介して前記ビルドアップ配線基板に実装されている半導体チップと、を備えることを特徴とする、実装構造体。
(付記2)電極部を有するマザー基板と、
前記電極部と電気的に接続している導電連絡部を有するバッファー部を備え、前記マザー基板の上に搭載されているソケット本体と、
前記導電連絡部と接する第1電極部を第1面に有するとともに当該第1面と反対の第2面に第2電極部を有するビルドアップ配線基板、および、前記第2電極部と電気的に接続しているバンプ部を介して前記ビルドアップ配線基板に実装されている半導体チップを含み、前記ソケット本体を介して前記マザー基板に実装されている半導体装置と、
前記半導体装置を前記ソケット本体に対して押圧するソケット蓋体と、を備えることを特徴とする、実装構造体。
(付記3)前記ビルドアップ配線基板および前記半導体チップの平面広がり方向における熱膨張率の差は1.5〜7ppm/Kであり、前記マザー基板および前記ビルドアップ配線基板の平面広がり方向における熱膨張率の差は5〜13ppm/Kである、付記1または2に記載の実装構造体。
(付記4)前記半導体チップ、前記ビルドアップ配線基板、および、前記マザー基板の平面広がり方向における熱膨張率は、各々、3〜3.5ppm/K、5〜10ppm/K、および、15〜18ppm/Kである、付記1から3のいずれか1つに記載の実装構造体。
(付記5)前記バンプ部は、前記ビルドアップ配線基板と前記半導体チップとの間においてグリッドアレイ状に設けられた複数のボール電極である、付記1から4のいずれか1つに記載の実装構造体。
(付記6)前記ビルドアップ配線基板および前記半導体チップの間には、アンダーフィル材が介在している、付記1から5のいずれか1つに記載の実装構造体。
(付記7) 前記ビルドアップ配線基板はコア基板を有し、当該コア基板には、直径10μm以下のカーボンファイバを束ねたカーボンファイバ糸から織られた複数のカーボンファイバ布が100μm以下の間隔で厚み方向に離隔して埋設されており、且つ、厚み方向に貫通して表面に絶縁膜が形成されているスルーホールにおいてスルーホールビアが設けられている、付記1から6に記載の実装構造体。
(付記8)前記バッファー部は、前記導電連絡部を保持するフレキシブル基板を有し、前記導電連絡部は、当該フレキシブル基板の両面に臨んでいる、付記1から7のいずれか1つに記載の実装構造体。
(付記9)前記第1電極部は、前記第1面にてグリッドアレイ状に設けられた複数のランド電極である、付記1から8のいずれか1つに記載の実装構造体。
【0056】
【発明の効果】
本発明によると、ビルドアップ配線基板とこれにフリップチップ実装されている半導体チップとを備える半導体装置がマザー基板に実装されてなる実装構造体において、半導体チップおよびビルドアップ配線基板の電気的接続について高い信頼性を達成するとともに、ビルドアップ配線基板およびマザー基板の電気的接続についても高い信頼性を達成することが可能である。本発明に係るこのような実装構造体を採用することにより、電子機器に組み込まれる電子部品の高密度実装化に適切に対応することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る実装構造体の分解斜視図である。
【図2】図1の線II−IIに沿った実装構造体の部分断面図である。
【図3】図2の部分拡大図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る実装構造体の部分断面図である。
【図5】図4の部分拡大図である。
【符号の説明】
X1,X2 実装構造体
10 半導体チップ
11 ボール電極
20 ビルドアップ配線基板
21 コア基板
22 ビルドアップ部
22d,22e ランド電極
30 マザー基板
31 電極部
40 バッファー部
41 ベース
42 導電連絡部
51 ソケット本体
52 ソケット蓋体
52a 圧接部

Claims (4)

  1. 電極部を有するマザー基板と、
    前記電極部と電気的に接続している導電連絡部を有し、前記マザー基板の上に搭載されているバッファー部と、
    前記導電連絡部と接する第1電極部を第1面に有するとともに当該第1面と反対の第2面に第2電極部を有し、前記バッファー部を介して前記マザー基板に実装されているビルドアップ配線基板と、
    前記第2電極部と電気的に接続しているバンプ部を介して前記ビルドアップ配線基板に実装されている半導体チップと、を備え、
    前記第1電極部は平面電極であり、
    前記バッファー部は、前記導電連絡部を保持するフレキシブル基板を有し、前記導電連絡部は、当該フレキシブル基板の両面に臨んでいる、実装構造体。
  2. 電極部を有するマザー基板と、
    前記電極部と電気的に接続している導電連絡部を有するバッファー部を備え、前記マザー基板の上に搭載されているソケット本体と、
    前記導電連絡部と接する第1電極部を第1面に有するとともに当該第1面と反対の第2面に第2電極部を有するビルドアップ配線基板、および、前記第2電極部と電気的に接続しているバンプ部を介して前記ビルドアップ配線基板に実装されている半導体チップを含み、前記ソケット本体を介して前記マザー基板に実装されている半導体装置と、
    前記半導体装置を前記ソケット本体に対して押圧するソケット蓋体と、を備え、
    前記第1電極部は平面電極であり、
    前記バッファー部は、前記導電連絡部を保持するフレキシブル基板を有し、前記導電連絡部は、当該フレキシブル基板の両面に臨んでいる、実装構造体。
  3. 前記ビルドアップ配線基板と前記半導体チップとの平面広がり方向における熱膨張率の差は1.5〜7ppm/Kであり、前記マザー基板と前記ビルドアップ配線基板との平面広がり方向における熱膨張率の差は5〜13ppm/Kである、請求項1または2に記載の実装構造体。
  4. 前記第1電極部は、前記第1面にてグリッドアレイ状に複数設けられている、請求項1からのいずれか1つに記載の実装構造体。
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