JP3933335B2 - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、吸気弁又は排気弁の開閉時期やバルブリフト量といったリフト特性を機関運転状態に応じて可変制御する内燃機関の可変動弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
良く知られているように、内燃機関の可変動弁装置は、吸気弁又は排気弁の開閉時期やバルブリフト量等を、内燃機関の運転条件に応じて可変制御することにより、例えば、低速低負荷時においては燃費の向上及び安定した運転性を実現し、また、高速高負荷時には吸気の充填効率を向上させて十分な出力を確保するものである。
【0003】
例えば SAE890681 の文献には、このような可変動弁装置の一例が記載されている。簡単に説明すると、機関のクランクシャフトと同期してカムシャフトが回転すると、その外周に固定されたカムを介してロッカアームが揺動し、吸排気弁(吸気弁又は排気弁)が開閉駆動される。このような吸排気弁を駆動する動弁機構の途中に、自身の制御角度に応じてリフト特性を変化させる制御軸が機械的に連携されている。すなわち、動弁機構のロッカアームはレバーによって接触支持され、このレバーは、一方が回転可能に支持されるとともに、他方が制御軸の外周に設けられたコントロールカムに当接,支持されている。そして、駆動源としての制御モータにより制御軸を回転駆動すると、上記のカムを介してレバーが揺動し、ロッカアームの接触支持点が変化する。この結果、ロッカアームのロッカー比が変化して、リフト特性が変化する。なお、制御軸と制御モータとの間には、制御モータの駆動力を増幅して制御軸へ伝達するギヤ(列)が介装されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
制御軸には、動弁機構側から被動トルクが作用する。この被動トルクは、吸排気弁からの動弁反力が大半を占める関係で、制御軸の制御角度(回転位置)、より詳しくはこの制御角度に応じて変化するバルブリフト量に応じて変化する。例えば図4の曲線H1で示すように、制御角度に対する被動トルク(の平均値)の特性は、高リフト側にピークを持つ曲線となる。つまり、被動トルクは、バルブリフト量が低い低リフト側では小さく、バルブリフト量が高い高リフト側では大きくなる。
【0005】
これに対し、制御モータからギヤ列を介して制御軸へ入力する駆動トルクは、ギヤ列のギヤ比が一定であるため、制御モータの仕様により一義的に決定され、制御軸の制御角度に応じて変化することはない。
【0006】
このため、被動トルクの最大ピーク値に応じて駆動トルクを設定すると、被動トルクが小さくなる領域(図4の左右両側の領域)で、駆動トルクの出力が不必要に大きくなってしまう。この結果、駆動源としての制御モータの大型化や、制御軸の応答性,保持性の低下を招いてしまう。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は、制御軸の制御角度に応じてギヤ列のギヤ比を変化させることにより、動力源からギヤ列を介して制御軸へ入力する駆動トルクを、制御軸の制御角度に応じて変化させるようにした。
【0008】
すなわち、本発明に係る内燃機関の可変動弁装置は、吸排気弁を開閉駆動する動弁機構と、この動弁機構の途中に機械的に連携され、自身の制御角度に応じて、吸排気弁のリフト特性を変化させる制御軸と、この制御軸を所定の角度範囲内で回転駆動する駆動源と、上記制御軸と駆動源との間に介装され、上記駆動源の駆動力を増幅して制御軸へ伝達するギヤ列と、を有し、このギヤ列のギヤ比を上記制御軸の制御角度に応じて変化させることを特徴としている。
【0009】
上記動弁機構は、例えば第6の発明のように、機関と連動して回転する駆動軸と、この駆動軸の外周に相対回転可能に設けられ、吸排気弁を駆動する揺動カムと、上記駆動軸の外周に偏心して設けられた偏心カムと、この偏心カムの外周に相対回転可能に外嵌するリング状リンクと、上記制御軸の外周に設けられた制御カムの外周に相対回転可能に外嵌し、その一端で上記リング状リンクの一端と連結するロッカアームと、このロッカアームの他端と上記揺動カムの先端とを連結するロッド状リンクと、を有している。
【0010】
より具体的には、第7の発明のように、上記ギヤ列は、互いに噛合する一対のセクタギヤを含み、各セクタギヤのピッチ円半径が、周方向に連続的に変化している。これらのセクタギヤによって、制御軸の制御角度に応じてギヤ列のギヤ比が変化する。
【0011】
第1の発明は、上記駆動源からギヤ列を介して制御軸に入力する駆動トルクが、上記動弁機構から制御軸に加わる被動トルクとほぼ釣り合うように、上記ギヤ比を変化させることを特徴としている。
【0012】
第2の発明は、上記動弁機構から制御軸に加わる被動トルクが大きくなるに従って、この被動トルクに対し、上記駆動源からギヤ列を介して制御軸に入力する駆動トルクの余裕代が大きくなるように、上記ギヤ比を変化させることを特徴としている。
【0013】
第3の発明は、上記制御軸の回転に応じてバルブリフト量が大きくなるに従って、上記動弁機構から制御軸に加わる被動トルクに対し、上記駆動源からギヤ列を介して制御軸に入力する駆動トルクの余裕代が大きくなるように、上記ギヤ比を変化させることを特徴としている。
【0014】
第4の発明は、上記ギヤ列は、互いに噛合するウォームギヤ及びウォームホイールを含むことを特徴としている。
【0015】
第5の発明は、上記制御軸の回転に応じてバルブリフト量が小さくなるに従って、上記動弁機構から制御軸に加わる被動トルクに対し、上記駆動源からギヤ列を介して制御軸に入力する駆動トルクの余裕代が大きくなるように、上記ギヤ比を変化させることを特徴としている。
【0016】
【発明の効果】
本発明によれば、制御軸の制御角度に応じてギヤ列のギヤ比を変化させることにより、動力源からギヤ列を介して制御軸へ入力する駆動トルクを、制御軸の制御角度に応じて変化させることができる。
【0017】
これにより、例えば第1の発明のように、動弁機構側から制御軸に加わる被動トルクに対し、駆動源からギヤ列を介して制御軸に入力する駆動トルクがほぼ釣り合うように設定することが可能となり、この結果、制御軸の回転位置(角度)に関わらず、被動トルクに応じた駆動トルクを与えることができる。従って、制御モータ等の駆動源の小型化と、制御軸の応答性,保持性との両立を図ることができる。
【0018】
また、被動トルク(の平均値)が大きくなるに従って、その被動トルクの最大値は更に大きくなるため、被動トルクに抗して制御軸を所期の回転位置に保持する保持力が不足し易い。
【0019】
そこで第2の発明では、被動トルクが大きくなるに従って、被動トルクに対する駆動トルクの余裕代を大きくしており、これによって、特に被動トルクの最大値が大きくなる部分で、被動トルクに抗して制御軸を所定の制御角度に保持する保持力が効果的に与えられ、ひいては、制御軸の全角度範囲にわたって制御軸の保持性が良好なものとなる。
【0020】
また、第3の発明のように、制御軸の回転に応じてバルブリフト量が大きくなるに従って、被動トルクに対する駆動トルクの余裕代を大きくすることで、バルブリフト量の増加に伴って増加する動弁反力等に起因して、駆動トルクが不足するといった事態を有効に防止することができる。
【0021】
第4の発明のように、互いに噛合するウォームギヤ及びウォームホイールを設けた場合、被動トルクに抗して制御軸を所定の制御角度に保持する保持力(抵抗)が充分に与えられ、制御軸の保持性が更に良好なものとなる。
【0022】
第5の発明のように、制御軸の回転に応じてバルブリフト量が小さくなるに従って、被動トルクに対する駆動トルクの余裕代を大きくすることにより、特に低回転数領域での駆動トルクの不足を更に確実に防止することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の具体的な実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
図1〜3は、本発明の第1実施例に係る内燃機関の可変動弁装置の機械的な構成を示している。
【0025】
この可変動弁装置は、図2,3に示すように、吸気弁(又は排気弁)18を開閉駆動する動弁機構と、この動弁機構の途中に機械的に連携され、自身の制御角度に応じて、吸気弁18のリフト特性を変化させる制御軸24と、この制御軸24を所定の角度範囲内で回転駆動する駆動源としての制御モータ50と、制御軸24と制御モータ50との間に介装され、制御モータ50の駆動力を増幅して制御軸24へ伝達するギヤ列52と、により大略構成されている。
【0026】
上記の動弁機構は、この実施例では、図3に示すように、機関と連動して回転する駆動軸12と、この駆動軸12の外周に相対回転可能に設けられ、吸気弁18を駆動する揺動カム16と、駆動軸12の外周に偏心して設けられた偏心カム20と、この偏心カム20の外周に相対回転可能に外嵌するリング状リンク22と、上記の制御軸24の外周に固定された制御カム26の外周に相対回転可能に外嵌し、その一端でリング状リンク22の一端と連結するロッカアーム28と、このロッカアーム28の他端と揺動カム16の先端とを連結するロッド状リンク30と、を有している。
【0027】
駆動軸12及び制御軸24は、一対のカムブラケット38,40及びボルト42を介してシリンダヘッド10の上部に回転可能に支持されている。また、ロッカアーム28の一端とリング状リンク22の先端とは第1ピン32を介して相対回転可能に連結され、揺動カム16の先端とロッド状リンク30の一端とは第2ピン34を介して相対回転可能に連結され、ロッド状リンク30の他端とロッカアーム28の他端とは、第3ピン36を介して相対回転可能に連結されている。
【0028】
そして、機関の回転に同期して駆動軸12が軸周りに回転すると、偏心カム20を介してリング状リンク22が並進移動し、これに応じてロッカアーム28が制御カム26の軸心周りに揺動し、かつ、ロッド状リンク30を介して揺動カム16が揺動する。この結果、揺動カム16が吸気弁18のバルブリフタ18aを図外のバルブスプリングのバネ力に抗して押圧し、この吸気弁18が開閉駆動される。
【0029】
また、機関の運転状態に応じて制御軸24が所定の角度範囲内で回転駆動されると、ロッカアーム28の揺動支点となる制御カム26の軸心位置が変化して、吸気弁18のリフト特性、詳しくは開閉時期及びバルブリフト量(作動角)が可変制御される。
【0030】
このように本実施例では、吸気弁18を駆動する揺動カム16が駆動軸12の外周に回転可能に外嵌する構成となっているため、各リンク部品を駆動軸12の周囲に集約して小型化を図ることができる。また、各リンク部品の連結部が面接触となっているため、耐磨耗性に優れており、潤滑も行い易い。
【0031】
なお、このような図3に示す動弁機構に代えて、例えば上記の文献 SAE890681 に示すような動弁機構を用いても良い。
【0032】
次に、図1,2を参照して、本実施例の特徴であるギヤ列52周りの構成を説明する。
【0033】
シリンダヘッド10の一側面には、ギヤ列52を覆うケーシング54が固定されており、このケーシング54に、制御モータ50が取り付けられている。
【0034】
ギヤ列52は、4つのギヤから構成されており、すなわち、制御モータ50の出力軸50aの外周に固定された駆動側の出力ギヤ58と、出力軸50aと平行にケーシング54に回転可能に支持された補助軸56の外周に固定され、出力ギヤ58の外周に噛合する補助ギヤ60と、同じく補助軸56の外周に固定され、補助ギヤ60に噛合する第1セクタギヤ62と、制御軸24と一体に回転する補助制御軸24aの外周に固定され、第1セクタギヤ62に噛合する被動側の第2セクタギヤ64と、により構成されている。出力ギヤ58及び補助ギヤ60は、それぞれ平歯車となっている。
【0035】
図1は、上記のギヤ列52を模式的に示している。第1セクタギヤ62及び第2セクタギヤ64は、制御軸24の角度範囲に対応した略扇状をなしており、かつ、そのピッチ円半径r1,r2が、それぞれ周方向に連続的に変化している。より詳しくは、第1セクタギヤ62の軸心と第2セクタギヤ64の軸心とを結ぶ線上で、第1セクタギヤ62のピッチ円半径r1と第2セクタギヤ64のピッチ円半径r2との合計が、常に一定値D(軸間距離)となるように設定されている。
【0036】
この結果、制御軸24の制御角度に応じて、第1セクタギヤ62と第2セクタギヤ64とのギヤ比が連続的に変化し、ひいてはギヤ列52のギヤ比が連続的に変化する。
【0037】
図4は、制御軸24の角度に対し、制御軸24に作用する駆動トルク及び被動トルクの変化を示すトルク特性図で、図5は制御モータ50の特性図である。なお、この実施例では、図4に示すように、制御軸24の角度が大きくなるに従って、バルブリフト量が大きくなるように設定されている。
【0038】
図4の曲線H1は、動弁機構側から作用する被動トルク、より詳しくは、例えばリフト期間における被動トルクの平均値(平均被動トルク)を示している。
【0039】
この被動トルクH1は、主として吸気弁18のバルブスプリングからの動弁反力に起因する関係で、制御軸24の制御角度に応じて変化するバルブリフト量(作動角)に対応して変化する。より具体的には、被動トルクH1は、動弁反力の小さい低リフト側では小さく、バルブリフト量が大きくなるにつれて増加し、最大トルク点を迎えるが、更にバルブリフト量が大きくなると、制御軸24の偏心位置等の関係により再び減少する。このように、被動トルクH1は、大作動角寄りにピークを持った非対称形をなしている。
【0040】
一方、図4の曲線K1は、駆動軸12からギヤ列52を介して制御モータ50に作用する駆動トルク、より詳しくは、制御モータ50の最大出力時(図5参照)における駆動トルクを示している。
【0041】
この駆動トルクK1として最低限必要なトルクは、被動トルクH1に抗して制御軸24を所定位置に回転駆動し、かつ、所定の回転位置に保持するために、制御軸24の回転位置に応じて変化する。
【0042】
そこで、本実施例では、ピッチ円半径が連続的に変化する第1セクタギヤ62及び第2セクタギヤ64を用いて、ギヤ列52のギヤ比を制御軸24の制御角度に応じて変化させることにより、駆動トルクK1を被動トルクH1と釣り合うように変化させている。
【0043】
より具体的には、図4に示すように、駆動トルクK1は、制御軸24の全角度範囲にわたって、被動トルクH1よりも所定の余裕代L1だけ大きな状態を維持するように、被動トルクH1に沿うように設定されている。
【0044】
この結果、制御軸24がいかなる角度位置に制御されていても、駆動トルクK1が被動トルクH1に応じて過不足なく与えられる形となる。従って、動力源である制御モータ50の出力を常に最大限に利用することができ、ひいては、制御モータ50の小型化を図りつつ、制御軸24の応答性,保持性を確保することができる。
【0045】
逆に言えば、仮にギヤ列のギヤ比を固定させた場合、被動トルクの最大ピーク付近に合わせて駆動トルクを設定する形となるため、被動トルクが低下する部分では、駆動トルクが無駄に大きくなって、モータ出力を有効に使えなくなり、制御モータの大型化や、応答性の低下等を招聘してしまう。
【0046】
なお、本実施例では、制御モータ50の最大出力時の駆動トルクを用いてギヤ比を設定し、ギヤ比を高めているが、これは、応答性を最大限に向上するためである。しかしながら、制御モータ50の定常出力点や最大効率点を用いて駆動トルクを算出するようにしても良い。
【0047】
次に、本発明の第2実施例を図6のトルク特性図を参照して説明する。なお、後述する実施例において、上述した実施例と重複する部分の説明は適宜省略する。
【0048】
図6において、平均被動トルクH2は、リフト期間における被動トルクの平均値を示し、最大被動トルクH2’は、被動トルクの最大値を示している。同図に示すように、平均被動トルクH2と最大被動トルクH2’との差は、平均被動トルクH2が大きくなるに従って大きくなる。
【0049】
従って、仮に駆動トルクを平均被動トルクH2と略釣り合うように設定すると、最大被動トルクH2’が特に大きくなる部分では、駆動トルクが最大被動トルクH2’に比して非常に小さくなり、被動トルクに抗して制御軸24を所定の制御角度に保持する保持力が不足し易い。
【0050】
そこで、この実施例では、平均被動トルクH2が大きくなるに従って、平均被動トルクH2に対する駆動トルクK2の余裕代L2が大きくなるように、ギヤ列52のギヤ比を変化させている。この結果、駆動トルクK2によって、被動トルクに抗して制御軸24を所定の制御角度に保持する保持力が効果的に与えられ、ひいては全制御角度範囲にわたって制御軸24の保持力を安定して得ることができる。
【0051】
次に、本発明の第3実施例を図7のトルク特性図を参照して説明する。
【0052】
平均被動トルクH3は、上述したように、最大ピーク点を過ぎた後はバルブリフト量の増加とともに減少する。一方、吸気弁18からの動弁反力自体は、最大ピーク点を過ぎた後もバルブリフト量の増加に伴って増加し、従って、制御軸24の軸受部分に作用する動弁反力が増大し、制御軸24周りのフリクションも増大する。このため、バルブリフト量の増加に伴って駆動トルクが不足するおそれがある。
【0053】
そこで本実施例では、制御軸24の回転に伴いバルブリフト量が大きくなるに従って、平均被動トルクH3に対する駆動トルクK3の余裕代L3が大きくなるように、ギヤ列52のギヤ比を変化させている。より具体的には、平均被動トルクH3に対し、駆動トルクK3のピークを大きくしつつ高リフト側へずらせている。この結果、制御軸24の回転によるバルブリフト量の増加に伴う駆動トルクK3の不足を効果的に解消することができる。
【0054】
図8は、本発明の第4実施例に係るギヤ列を模式的に示している。
【0055】
この実施例では、第1実施例の出力ギヤ58,補助ギヤ60に代えて、互いに噛合するウォームギヤ66とウォームホイール68とをギヤ列52に設けている。すなわち、ウォームギヤ66を制御モータ50の出力軸50aの外周に固定し、かつ、ウォームホイール68を補助軸56の外周に固定している。なお、他の構成は上記第1実施例と同様である。
【0056】
このようにウォームギヤ66及びウォームホイール68を用いることにより、被動トルクに抗して制御軸24を所定の制御角度に保持する保持力(抵抗)が大きく向上する。この結果、例えば図4に示すように駆動トルクK1を被動トルクH1にほぼ釣り合わせた場合でも、充分な制御軸24の保持性を安定して得ることができる。
【0057】
図9,10は、本発明の第5実施例を示している。なお、図9は機関(エンジン)回転数に対する平均被動トルクH4の変化を示し、図10は制御軸24の制御角度に対する平均被動トルクH4及び駆動トルクK4の変化を示している。
【0058】
図9に示すように、平均被動トルクH4は、エンジン回転数の上昇に伴って減少する。このため、エンジン低回転領域では、駆動トルクK4を大きく与える必要がある。ここで、低回転数領域で運転されている場合、制御軸24は、低リフト側(図10の左側)の制御角度に設定される。
【0059】
従って、本実施例では、制御軸24の回転に応じてバルブリフト量が小さくなるに従って、被動トルクH4に対する駆動トルクK4の余裕幅が大きくなるように、ギヤ列52のギヤ比を変化させている。より具体的には、被動トルクH4に対し、駆動トルクK4のピークを大きくしつつ低リフト側へずらせている。この結果、特に低回転数領域での駆動トルクK4の不足を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る内燃機関の可変動弁装置のギヤ列を示す構成図。
【図2】第1実施例の可変動弁装置を示す全体構成図。
【図3】第1実施例の動弁機構を示す構成図。
【図4】第1実施例に係る制御軸の角度に対する被動トルク及び駆動トルクの変化を示す特性図。
【図5】制御モータの特性図。
【図6】第2実施例に係るトルク特性図。
【図7】第3実施例に係るトルク特性図。
【図8】第4実施例に係るギヤ列を示す構成図。
【図9】第5実施例に係る機関回転数に対する被動トルクの変化を示す特性図。
【図10】第5実施例に係るトルク特性図。
【符号の説明】
24…制御軸
50…制御モータ(駆動源)
52…ギヤ列
62…第1セクタギヤ
64…第2セクタギヤ
66…ウォームギヤ
68…ウォームホイール
Claims (7)
- 吸排気弁を開閉駆動する動弁機構と、
この動弁機構の途中に機械的に連携され、自身の制御角度に応じて、吸排気弁のリフト特性を変化させる制御軸と、
この制御軸を所定の角度範囲内で回転駆動する駆動源と、
上記制御軸と駆動源との間に介装され、上記駆動源の駆動力を増幅して制御軸へ伝達するギヤ列と、を有し、
このギヤ列のギヤ比を上記制御軸の制御角度に応じて変化させ、
かつ、上記駆動源からギヤ列を介して制御軸に入力する駆動トルクが、上記動弁機構から制御軸に加わる被動トルクとほぼ釣り合うように、上記ギヤ比を変化させることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。 - 吸排気弁を開閉駆動する動弁機構と、
この動弁機構の途中に機械的に連携され、自身の制御角度に応じて、吸排気弁のリフト特性を変化させる制御軸と、
この制御軸を所定の角度範囲内で回転駆動する駆動源と、
上記制御軸と駆動源との間に介装され、上記駆動源の駆動力を増幅して制御軸へ伝達するギヤ列と、を有し、
このギヤ列のギヤ比を上記制御軸の制御角度に応じて変化させ、
かつ、上記動弁機構から制御軸に加わる被動トルクが大きくなるに従って、この被動トルクに対し、上記駆動源からギヤ列を介して制御軸に入力する駆動トルクの余裕代が大きくなるように、上記ギヤ比を変化させることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。 - 吸排気弁を開閉駆動する動弁機構と、
この動弁機構の途中に機械的に連携され、自身の制御角度に応じて、吸排気弁のリフト特性を変化させる制御軸と、
この制御軸を所定の角度範囲内で回転駆動する駆動源と、
上記制御軸と駆動源との間に介装され、上記駆動源の駆動力を増幅して制御軸へ伝達するギヤ列と、を有し、
このギヤ列のギヤ比を上記制御軸の制御角度に応じて変化させ、
かつ、上記制御軸の回転に応じてバルブリフト量が大きくなるに従って、上記動弁機構から制御軸に加わる被動トルクに対し、上記駆動源からギヤ列を介して制御軸に入力する駆動トルクの余裕代が大きくなるように、上記ギヤ比を変化させることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。 - 吸排気弁を開閉駆動する動弁機構と、
この動弁機構の途中に機械的に連携され、自身の制御角度に応じて、吸排気弁のリフト特性を変化させる制御軸と、
この制御軸を所定の角度範囲内で回転駆動する駆動源と、
上記制御軸と駆動源との間に介装され、上記駆動源の駆動力を増幅して制御軸へ伝達するギヤ列と、を有し、
このギヤ列のギヤ比を上記制御軸の制御角度に応じて変化させ、
かつ、上記ギヤ列は、互いに噛合するウォームギヤ及びウォームホイールを含むことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。 - 吸排気弁を開閉駆動する動弁機構と、
この動弁機構の途中に機械的に連携され、自身の制御角度に応じて、吸排気弁のリフト特性を変化させる制御軸と、
この制御軸を所定の角度範囲内で回転駆動する駆動源と、
上記制御軸と駆動源との間に介装され、上記駆動源の駆動力を増幅して制御軸へ伝達するギヤ列と、を有し、
このギヤ列のギヤ比を上記制御軸の制御角度に応じて変化させ、
かつ、上記制御軸の回転に応じてバルブリフト量が小さくなるに従って、上記動弁機構から制御軸に加わる被動トルクに対し、上記駆動源からギヤ列を介して制御軸に入力する駆動トルクの余裕代が大きくなるように、上記ギヤ比を変化させることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。 - 吸排気弁を開閉駆動する動弁機構と、
この動弁機構の途中に機械的に連携され、自身の制御角度に応じて、吸排気弁のリフト特性を変化させる制御軸と、
この制御軸を所定の角度範囲内で回転駆動する駆動源と、
上記制御軸と駆動源との間に介装され、上記駆動源の駆動力を増幅して制御軸へ伝達するギヤ列と、を有し、
このギヤ列のギヤ比を上記制御軸の制御角度に応じて変化させ、
かつ、上記動弁機構は、機関と連動して回転する駆動軸と、この駆動軸の外周に相対回転可能に設けられ、吸排気弁を駆動する揺動カムと、上記駆動軸の外周に偏心して設けられた偏心カムと、この偏心カムの外周に相対回転可能に外嵌するリング状リンクと、上記制御軸の外周に設けられた制御カムの外周に相対回転可能に外嵌し、その一端で上記リング状リンクの一端と連結するロッカアームと、このロッカアームの他端と上記揺動カムの先端とを連結するロッド状リンクと、を有することを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。 - 吸排気弁を開閉駆動する動弁機構と、
この動弁機構の途中に機械的に連携され、自身の制御角度に応じて、吸排気弁のリフト特性を変化させる制御軸と、
この制御軸を所定の角度範囲内で回転駆動する駆動源と、
上記制御軸と駆動源との間に介装され、上記駆動源の駆動力を増幅して制御軸へ伝達するギヤ列と、を有し、
このギヤ列のギヤ比を上記制御軸の制御角度に応じて変化させ、
かつ、上記ギヤ列は、互いに噛合する一対のセクタギヤを含み、各セクタギヤのピッチ円半径が、周方向に連続的に変化していることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
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JP01647499A JP3933335B2 (ja) | 1999-01-26 | 1999-01-26 | 内燃機関の可変動弁装置 |
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JP01647499A JP3933335B2 (ja) | 1999-01-26 | 1999-01-26 | 内燃機関の可変動弁装置 |
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