JP3933213B2 - Cr基合金薄膜およびその製造法ならびにストレインゲージ - Google Patents

Cr基合金薄膜およびその製造法ならびにストレインゲージ Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、Cr(クロム)を主成分としたストレインゲージ用Cr基合金薄膜およびその製造法ならびにこの合金薄膜を使用したストレインゲージに関する
【0002】
【従来の技術】
ストレインゲージは、一般に弾性ひずみによって細線または箔形状のゲージ材の電気抵抗が変化する現象を利用するものであるが、逆に抵抗変化を測定することにより、ひずみや応力の計測ならびに変換に用いられる。例えば、生産工業におけるひずみ計、重量計、加速度計および各種力学量−電気量変換機器、土木工業における土圧計、建築業・エネルギー関連業における圧力計および撓み量計、航空・宇宙・鉄道・船舶関連業における各種応力・ひずみ計等に広く利用されており、さらに民生用としての商用秤およびセキュリティ機器等にも多く利用されている。
【0003】
ストレインゲージは、その構造が金属細線(10〜30μm)または金属箔(3〜5μm)をグリッド状あるいはロゼット状に配置してなり、またその使用法としては前記ゲージを被測定物に接着剤で貼り付けし、被測定物に生じたひずみをゲージの抵抗変化から間接的に測定するものである。ストレインゲージの感度は、ゲージ率Kによって決まり、Κの値は一般に次の式で与えられる。
【0004】
【数1】
Figure 0003933213
【0005】
ここで、R、σ、ρおよびlはそれぞれゲージ細線または箔の全抵抗、ポアソン比、比電気抵抗および全長である。一般に、金属・合金におけるσはほぼ0.3であるから、前記の式における右辺第1項と第2項の合計は約1.6でほぼ一定の値となる。したがってゲージ率を大きくするためには、前記の式における第3項が大きいことが必須条件である。すなわち、材料に引っ張り変形を与えたとき材料の長さ方向の電子構造が大幅に変化し、比電気抵抗の変化量Δρ/ρが増加することによる。
【0006】
ゲージ率が大きな材料には半導体の炭素、ケイ素およびゲルマニウム等が知られている。しかしこれら半導体の場合、ゲージ率は10〜170と非常に大きいが、その値の異方性および温度による変動が大きく安定性にも欠け、さらに機械的強度が劣る等の欠点を有することから、特殊な小型圧力変換機器に応用されるにとどまっている。ストレインゲージ用材料として現在最も多く使用されている材料は、Cu−Ni合金である。この合金は抵抗温度係数がきわめて小さいため、温度変化に対する特性の変動が小さという特徴を有しているが、その反面、ゲージ率は2と小さく、さらに高感度なストレインゲージ用材料としては適していない。
【0007】
合金材料を用いたストレインゲージは、上で述べたように細線もしくは箔の形で使用される。しかし、細線形状のストレインゲージは、グリッド形成時の残留ひずみの影響および加工した細線材と基板を密着させるために用いる接着剤の影響等により特性にばらつきが大きく、しかもグリッドの形成や細線材と基板の接着といった特殊技術が必要なため、生産効率が悪くコスト高の原因となっている。また、箔形状のストレインゲージは、加工時のひずみの影響はないが、接着剤の影響については細線材と同様であり、これも問題となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ストレインゲージの応用領域は、近年のマイクロコンピューターの進歩に伴ってますます拡大し、小型化および高性能化に向かっている。特に、高感度で安定性を必要とする圧力変換器やロードセルの他、ロボットの接触センサや滑りセンサ等に使用可能なストレインゲージの要求が高まってきた。これらの各種センサ用ストレインゲージに関して、高感度で良好な安定性を有する素材の開発ならびに製造工程の改良が緊急に求められている。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、既に市販されているストレインゲージのゲージ率2を上回り、且つ実用上(−3.5〜3.5)×10−4/℃以内が望ましいとされている抵抗温度係数の小さい薄膜材料とその製造法を開発するにある。本発明においては、高感度で良好な安定数を有する素材として構造上安定な金属材料に対象を絞り、その中からゲージ率の高い素材としてCrに着目した。
【0010】
Crのバルク(塊状)の抵抗ひずみ感度は26〜28と非常に大きいことが知られている。しかし、Crは加工が非常に困難であることから、これまで細線および箔形状のストレインゲージに用いることはできなかった。そこで加工を必要としない薄膜化によって、Crをストレインゲージに応用することが考えられる。Cr薄膜のゲージ率はバルクほどではないが14.8と大きい。しかしストレインゲージは通常室温で使用されるので、室温における抵抗変化量が小さいことが必要であるが、図1に示すとおり、Cr薄膜の室温における抵抗温度係数は負の値で大きく(−6×10−4/℃)、安定性の点でストレインゲージに適していない。
【0011】
そこで本発明は、Cr薄膜の高いゲージ率をできるだけ保持しながら、抵抗温度係数を小さくすることによって、優れた高感度で高安定なストレインゲージ用薄膜を得ることを目的としてなされたものである。
【0012】
【発明が解決するための手段】
本発明は、図1に見られるように比電気抵抗値の温度変化における極小または極大の領域で抵抗変化が小さいことに着目し、この領域を室温に移動する方法について検討した。すなわちバルクのCrのネール点の温度(ネール温度)は特定の元素を添加することによって低温側または高温側に移動することが知られている。そこで極小および極大はネール点と緊密な関連があるものと考え、Crに副成分として種々の元素を添加し、その添加量と極小および最大の領域の移動幅との関係について調べる実験を鋭意行った。その結果、適当な量の副成分元素をCrに加えることによって、室温近傍に極大または極小の領域をもたらすことができ、これによって室温における抵抗温度係数を小さくできることが明らかとなった。
【0013】
また、室温以外の温度でストレインゲージを使用する場合にも、Crに加える元素の種類と量を適当に選択することによって、所望の温度領域において抵抗温度係数が小さいストレインゲージを提供することが可能であることが判明した。
【0014】
これらの知見のもとに、さらに幾多の実験を行った結果、原子%にて、Cr(残部)を主成分とし、副成分としてTi、V、Nb、Ta、Ni、Zr、Hf、Si、Ge、C、N、P、Se、Teのそれぞれ5%以下、Zn、Cu、Biのそれぞれ8%以下、Fe、Mo、W、As、Sn、Sb、Pb、B、Ga、In、Tlのそれぞれ10%以下、Ru、Rh、Re、Os、Ir、Pt、Pd、Ag、Au、希土類元素それぞれ15%以下、Co、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Mn、Alのそれぞれ12.4%以下のうち1元素または2元素以上の合計0.01〜15%と不純物からなり、室温付近でゲージ率が大きく、抵抗温度係数の小さいCr基合金薄膜が得られ、高感度ストレインゲージ用材料として適していることを見出したのである。
【0015】
本発明を製造するには、上記組成の合金を原料とした蒸着、または上記組成の薄膜の形成が可能な合金ターゲット、複合ターゲットまたは多元ターゲットを用いたスパッタリング、もしくは上記組成の薄膜の形成が可能な原料を用いた気相輸送法等により、導電性基板上に絶縁体膜を形成した上または絶縁性基板上にマスク法などを用いて所望の形状および、厚さの薄膜を形成する。または適当な形状の薄膜を形成した後、ドライエッチング(プラズマエッチング、スパッタエッチング等)、化学エッチング(腐食法)、レーザトリミング法などのエッチングまたはトリミング加工などを施すことにより所望の形状に加工し、素子となす。また必要ならば温度補償として、前記素子と直角に配置した素子を同一面内に構築したゲージパターンを形成する。さらにこのままで使用するか、または必要ならばこれに電極を構築し、さらに必要ならばこれらの薄膜を大気中、非酸化性ガス中、還元性ガス中または真空中の100℃以上1200℃以下の温度で、適当な時間、好ましくは1秒間以上100時間以下加熱後、適度な速度で、好ましくは1℃/時以上100℃/分以下の速度で冷却することによって、抵抗ひずみ感度(ゲージ率)が2以上で、且つ抵抗温度係数が(−3.5〜3.5)×10−4/℃以内の値を有するストレインゲージ用Cr基合金薄膜が得られる。
【0016】
第1発明
原子%にて、Cr(残部)を主成分とし、副成分としてTi、V、Nb、Ta、Ni、Zr、Hf、Si、Ge、C、N、P、Se、Teのそれぞれ5%以下、Zn、Cu、Biのそれぞれ8%以下、Fe、Mo、W、As、Sn、Sb、Pb、B、Ga、In、Tlのそれぞれ10%以下、Ru、Rh、Re、Os、Ir、Pt、Pd、Ag、Au、希土類元素のそれぞれ15%以下、Co、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Mn、Alのそれぞれ12.4%以下のうち1元素または2元素以上の合計0.01〜15 II A族元素2〜15原子%の範囲、およびN0.1〜5原子%の範囲を除く)と不純物からなり、ゲージ率が2以上で、且つ抵抗温度計数が(−3.5〜3.5)×10−4/℃以内であることを特徴とするストレインゲージ用Cr基合金薄膜。
【0017】
第2発明
導電性基板上に絶縁体膜を形成した上に、または絶縁性基板上に、原子%にて、Cr(残部)を主成分とし、副成分としてTi、V、Nb、Ta、Ni、Zr、Hf、Si、Ge、C、N、P、Se、Teのそれぞれ5%以下、Zn、Cu、Biのそれぞれ8%以下、Fe、Mo、W、As、Sn、Sb、Pb、B、Ga、In、Tlのそれぞれ10%以下、Ru、Rh、Re、Os、Ir、Pt、Pd、Ag、Au、希土類元素のそれぞれ15%以下、Co、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Mn、Alのそれぞれ12.4%以下のうち1元素または2元素以上の合計0.01〜15 II A族元素2〜15原子%の範囲、およびN0.1〜5原子%の範囲を除く)と不純物からなる薄膜を、蒸着またはスパッタリング等で成膜することにより、ゲージ率が2以上で、且つ抵抗温度係数が(−3.5〜3.5)×10−4/℃以内とすることを特徴とするストレインゲージ用Cr基合金薄膜の製造法。
【0018】
第3発明
導電性基板上に絶縁体膜を形成した上に、または絶縁性基板上に、原子%にて、Cr(残部)を主成分とし、副成分としてTi、V、Nb、Ta、Ni、Zr、Hf、Si、Ge、C、N、P、Se、Teのそれぞれ5%以下、Zn、Cu、Biのそれぞれ8%以下、Fe、Mo、W、As、Sn、Sb、Pb、B、Ga、In、Tlのそれぞれ10%以下、Ru、Rh、Re、Os、Ir、Pt、Pd、Ag、Au、希土類元素のそれぞれ15%以下、Co、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Mn、Alのそれぞれ12.4%以下のうち1元素または2元素以上の合計0.01〜15 II A族元素2〜15原子%の範囲、およびN0.1〜5原子%の範囲を除く)と不純物からなる薄膜を、蒸着またはスパッタリング等により成膜し、さらに非酸化性ガス、還元性ガスまたは真空中の100℃以上1200℃以下の温度で加熱後冷却することにより、ゲージ率が2以上で、且つ抵抗温度係数が(−3.5〜3.5)×10−4/℃以内とすることを特徴とするストレインゲージ用Cr基合金薄膜の製造法。
【0019】
第4発明
導電性基板上に絶縁体膜を形成した上に、または絶縁性基板上に、原子%にて、Cr(残部)を主成分とし、副成分としてTi、V、Nb、Ta、Ni、Zr、Hf、Si、Ge、C、N、P、Se、Teのそれぞれ5%以下、Zn、Cu、Biのそれぞれ8%以下、Fe、Mo、W、As、Sn、Sb、Pb、B、Ga、In、Tlのそれぞれ10%以下、Ru、Rh、Re、Os、Ir、Pt、Pd、Ag、Au、希土類元素のそれぞれ15%以下、Co、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Mn、Alのそれぞれ12.4%以下のうち1元素または2元素以上の合計0.01〜15 II A族元素2〜15原子%の範囲、およびN0.1〜5原子%の範囲を除く)と不純物からなり、ゲージ率が2以上で、且つ抵抗温度係数が(−3.5〜3.5)×10−4/℃以内であるCr基合金薄膜からなることを特徴とするストレインゲージ。
【0020】
第5発明
導電性基板上に絶縁体膜を形成した上に、または絶縁性基板上に、原子%にて、Cr(残部)を主成分とし、副成分としてTi、V、Nb、Ta、Ni、Zr、Hf、Si、Ge、C、N、P、Se、Teのそれぞれ5%以下、Zn、Cu、Biのそれぞれ8%以下、Fe、Mo、W、As、Sn、Sb、Pb、B、Ga、In、Tlのそれぞれ10%以下、Ru、Rh、Re、Os、Ir、Pt、Pd、Ag、Au、希土類元素のそれぞれ15%以下、Co、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Mn、Alのそれぞれ12.4%以下のうち1元素または2元素以上の合計0.01〜15 II A族元素2〜15原子%の範囲、およびN0.1〜5原子%の範囲を除く)と不純物からなり、ゲージ率が2以上で、且つ抵抗温度係数が(−3.5〜3.5)×10−4/℃以内であるCr基合金薄膜の上部または下部に金属電極を形成することを特徴とするストレインゲージ。
【0021】
第6発明
導電性基板上に絶縁体膜を形成した上に、または絶縁性基板上に、原子%にて、Cr(残部)を主成分とし、副成分としてTi、V、Nb、Ta、Ni、Zr、Hf、Si、Ge、C、N、P、Se、Teのそれぞれ5%以下、Zn、Cu、Biのそれぞれ8%以下、Fe、Mo、W、As、Sn、Sb、Pb、B、Ga、In、Tlのそれぞれ10%以下、Ru、Rh、Re、Os、Ir、Pt、Pd、Ag、Au、希土類元素のそれぞれ15%以下、Co、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Mn、Alのそれぞれ12.4%以下のうち1元素または2元素以上の合計0.01〜15 II A族元素2〜15原子%の範囲、およびN0.1〜5原子%の範囲を除く)と不純物からなる薄膜を、蒸着またはスパッタリング等により成膜し、さらに非酸化性ガス、還元性ガスまたは真空中の100℃以上1200℃以下の温度で加熱後冷却することにより、ゲージ率が2以上で、且つ抵抗温度係数が(−3.5〜3.5)×10−4/℃以内であるCr基合金薄膜からなることを特徴とするストレインゲージ。
【0022】
第7発明
導電性基板上に絶縁体膜を形成した上に、または絶縁性基板上に、原子%にて、Cr(残部)を主成分とし、副成分としてTi、V、Nb、Ta、Ni、Zr、Hf、Si、Ge、C、N、P、Se、Teのそれぞれ5%以下、Zn、Cu、Biのそれぞれ8%以下、Fe、Mo、W、As、Sn、Sb、Pb、B、Ga、In、Tlのそれぞれ10%以下、Ru、Rh、Re、Os、Ir、Pt、Pd、Ag、Au、希土類元素のそれぞれ15%以下、Co、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Mn、Alのそれぞれ12.4%以下のうち1元素または2元素以上の合計0.01〜15 II A族元素2〜15原子%の範囲、およびN0.1〜5原子%の範囲を除く)と不純物からなる薄膜を、蒸着またはスパッタリング等により成膜し、さらに非酸化性ガス、還元性ガスまたは真空中の100℃以上1200℃以下の温度で加熱後冷却することにより、ゲージ率が2以上で、且つ抵抗温度係数が(−3.5〜3.5)×10−4/℃以内であるCr基合金薄膜の上部もしくは下部に金属電極を形成することを特徴とするストレインゲージ。
【0023】
【作用】
図1からわかるように、極小および極大の領域の温度は、それぞれ約90℃および−150℃である。これらの温度領域を室温に移動させ、室温における抵抗温度係数を小さくするためには、ネール温度を低温側に移動させる働きをもつ元素によって極小領域を適用する場合と高温側に移動させる働きをもつ元素によって極大領域を適用する場合の両方法が可能であると考えられる。
【0024】
図2〜7には、高周波スパッタリング装置を用いてガラス基板上に成膜した試料について、各元素の添加量と、0〜50℃における抵抗温度係数および室温(約20℃)におけるゲージ率との関係を示す。これらの図からわかるように、Ti、V、Nb、Ta、Ni、Zr、Hf、Si、Ge、C、N、P、Se、Teのそれぞれ5%以下、Zn、Cu、Biのそれぞれ8%以下、Fe、Mo、W、As、Sn、Sb、Pb、B、Ga、In、Tlのそれぞれ10%以下、Ru、Rh、Re、Os、Ir、Pt、Pd、Ag、Au、希土類元素のそれぞれ15%以下、Co、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Mn、Alのそれぞれ12.4%以下のうち1元素または2元素以上の合計0.01〜15%、好ましくは0.1〜15%、さらに好ましくは1〜15%および残部Crと、それぞれの範囲に限定した理由は、これらの範囲ではゲージ率が2以上の高い値が得られ、且つ抵抗温度係数が(−3.5〜3.5)×10−4/℃以内の小さい値が得られるからである
【0025】
上記副成分のうち、Hf、Zr、P、As、Sb、Mg、Ca、CoおよびPdについては、限定の範囲を超えても抵抗温度係数が(−3.5〜3.5)×10−4/℃以内を示すが、HfとZrは、5%を越えると薄膜表面の荒れがひどく特性がまったく安定せず、また、PおよびAsとSbならびにMgとCaはそれぞれ、5%および10%ならびに20%を越えると膜が基板から剥離してしまい、さらに、PdおよびCoはそれぞれ15%および20%を越えると、ゲージ率が2よりも小さくなってしまう。
【0026】
図2〜7から、ゲージ率は副成分の添加量の増加に伴って減少することがわかるが、C、Si、Ge、AlおよびGaは、副成分の添加量の増加に対しゲージ率の減少が小さく、また、Ni、NbおよびTiは、それら副成分を少量添加するだけで極小点が室温に移動するので、高いゲージ率を得ることができる。これらの高いゲージ率を得ることができる元素を複数加えた場合は高いゲージ率が得られ、また、本発明の副成分のうちから2元素以上を加えた場合、すべて2より大きなゲージ率の値が得られた。
【0027】
なお、希土類元素はSc、Yおよびランタン系元素(La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLu)からなるが、その効果は均等であり、いずれも同効成分である。
【0028】
図8は、加熱温度と本発明合金(試料番号:13)の抵抗温度係数、比抵抗およびゲージ率との関係を示す。図に見られるように、本発明合金を100℃以上1200℃以下の温度範囲において、1分間以上100時間以下加熱し、ついで1℃/時以上1000℃/分以下の速度で冷却することにより、所期のゲージ特性が得られる。熱処理の条件において、100℃以上1200℃以下の温度範囲において、好ましくは1分間以上100時間以下加熱するように限定した理由は、この処理条件内ではゲージ率が2以上で、且つ抵抗温度係数が(−3.5〜3.5)×10−4/℃以内になって好ましいからである。100℃以下ではゲージ特性に変化が見られず、工程上無駄になるので経済的に好ましくない。また1200℃以上では、所期のゲージ特性が得られず好ましくない。
【0029】
【実施例】
本発明の実施例について説明する。
実施例1 試料番号7(組成:Cr−5.8%Fe)の合金薄膜の製造と評価
直径105mmおよび厚さ3mmのCrの円盤(純度99.9%)を銅製電極にボンディングし、さらにCrの上に面積7×7mmおよび厚さ0.8mmの大きさの板状Feチップ(純度99.9%)を4枚ボンディングしてスパッタ用複合ターゲットとする。この複合ターゲットからマグネトロン方式高周波スパッタリング装置を用いて、下記に示したスパッタリング条件で厚さ0.36μmの薄膜をを作製する。基板には成膜前にガラス製のマスクをかぶせておき、成膜時にパターン化した薄膜を形成できるようにする。
予備排気 1×10−7Torr
高周波電力 100w
アルゴンガス圧 1×10−2Torr
基板 ガラス(CORNING #0211)
基板温度 非加熱
電極間距艦 50mm
成膜速度 30Å/min
作製した薄膜にハンダを用いて直径0.05mmの被服導線を溶接して電極となし、4端子法にて抵抗温度係数およびゲージ率の測定を行った。その結果、表1に示したとおり、0.18×10−4/℃の非常に小さい抵抗温度係数と5.6のゲージ率が得られた。
次に得られた薄膜を、各種雰囲気中100℃〜500℃の各種温度で適当時間加熱後室温まで炉中冷却(冷却速度:200℃/時間)した。表1は、それら熱処理の方法と、熱処理後の抵抗温度係数、比抵抗およびゲージ率を示す。いずれの雰囲気においてもゲージ率は改善され、大きな値を示した。熱処理温度の上昇に伴って抵抗温度係数は若干大きくなったが、ストレインゲージとして安定性に支障をきたすほどではなかった。
【0030】
【表1】
Figure 0003933213
【0031】
実施例2 試料番号13(組成:Cr−1.0%V)の合金薄膜の製造と評価
純度99.9%のCrおよびVをアークメルト法によって合金化し、直径203mmおよび厚さ5mmの合金ターゲットを作製する。その合金ターゲットを銅製電極にボンディングしてスパッタ用ターゲットとする。このターゲットからイオンビームスパッタリング装置を用いて、下記に示したスパッタリング条件で厚さ0.36μmの薄膜を作製する。基板には成膜前にガラス製のマスクをかぶせておき、成膜時にゲージパターンを形成できるようにし、さらにNiおよびAuの積層電極を構築する
予備排気 2×10−8Torr
加速電圧 700V
イオン電流密度 2mA/cm
基板 表面にSiO絶縁膜を形成したステンレス
基板温度 500℃
イオン源−ターゲット間距離 120mm
基板−ターゲット間距離 120mm
成膜速度 90Å/min
作製した薄膜の電極にAu線を溶接し、4端子法にて抵抗温度係数およびゲージ率の測定を行った。その結果、0.08×10−4/℃の非常に小さい抵抗温度係数と9.4の非常に大きなゲージ率が得られた。
次に得られた薄膜に対して、各種雰囲気中100℃〜1200℃の各種温度で適当時間加熱後室温まで炉中冷却(冷却速度:50℃/時間)した。表2は、それら熱処理の方法と熱処理後の抵抗温度係数、比抵抗およびゲージ率を示す。いずれの雰囲気においてもゲージ率は改善され、大きな値を示した。図8は、これら熱処理を真空中2時間の条件で施した場合の加熱温度と抵抗温度係数、比抵抗およびゲージ率との関係を示す。ゲージ率は約500℃で極大値を示し、また、比抵抗は加熱温度の上昇とともに小さくなっていくが、抵抗温度係数はこれも約500℃付近で極大値を示した。この熱処理による抵抗温度係数の増加分は0.3×10−4/℃程度と小さく、ゲージ率の増大の方がより顕著であるので、高感度で高安定なストレインゲージを製造する上で本発明の熱処理は有効である。
【0032】
【表2】
Figure 0003933213
【0033】
実施例3 試料番号53(組成:Cr−1.2%Al−1.6%Si)の合金薄膜の製造と評価
鈍度99.99%のCr、純度99.9%のAlおよび純度99.99%のSiを、それぞれ97.0%、1.3%および1.7%を高周波溶解炉により溶解して合金化し、そのうち約1gを蒸発源原料とする。この原料を用いて、真空蒸着装置中において下記の条件のもと真空蒸着によって厚さ1.2μmの薄膜を作製する。基板には成膜前に金属製のマスクをかぶせておき、成膜時にゲージパターンを形成できるようにする。
真空度 6×10−7Torr
基板 ポリイミド(厚さ0.1mm)
基板温度 200℃
基板−蒸発源間距離 180mm
成膜速度 130Å/min
作製した薄膜を真空蒸着装置から取り出し、基板を覆うマスクを交換した後再び真空蒸着装置にて電極用のCu膜を形成し、ハンダを用いて直径0.2mmの被服導線を溶接して4端子法にて抵抗温度係数およびゲージ率の測定を行った。その結果、−0.24×10−4/℃の小さい抵抗温度係数と7.9の大きなゲージ率が得られた。
次に得られた薄膜に対して、各種雰囲気中100℃〜400℃の各種温度で適当時間加熱後室温まで炉中冷却(冷却速度:500℃/時間)した。表3は、それら熱処理の方法と、熱処理後の抵抗温度係数、比抵抗およびゲージ率を示す。実施例1と同様、いずれの雰囲気においてもゲージ率は改善され、大きな値を示した。また、これも同様に熱処理温度の上昇に伴って抵抗温度係数は若干大きくなったが、ストレインゲージとして安定性に支障をきたすほどではなかった。すなわち、本発明合金を使用することによって高感度・高安定性ストレインゲージを提供できることが明らかになった。
【0034】
【表3】
Figure 0003933213
【0035】
表4および表5は、高周波スパッタリング装置を用いて表面にSiO絶縁膜を形成したステンレスの基板上に成膜したそのままの試料、またはそれらに種々の条件で熱処理を施した試料についての、本発明の代表的な合金薄膜の抵抗温度係数(TCR)、比電気抵抗(ρ)およびゲージ率(K)の測定結果を示す。
【0036】
【表4】
Figure 0003933213
【0037】
【表5】
Figure 0003933213
【0038】
【発明の効果】
本発明のCr基合金薄膜は室温付近で抵抗温度係数が小さく、且つ従来の材料よりもゲージ率が格段に大きい。すなわち、本発明のストレインゲージ用薄膜よりなるストレインゲージは、ゲージ率が2以上で、且つ抵抗温度係数が(−3.5〜3.5)×10−4/℃以内であるので、高感度・高安定性を発揮する効果がある。したがって、本発明の薄膜よりなるストレインゲージは、ロードセル、ストレインセンサ、重量計、加速度計、各種応力・歪計および各種セキュリティ機器等に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、Cr薄膜の電気抵抗の温度依存性を示す。
【図2】図2は、副成分として加えるBe、Mg、Ca、SrおよびBaの量に対する0〜50℃における抵抗温度係数および室温(20℃)におけるゲージ率を示す。
【図3】図3は、副成分として加えるFe、Co、MnおよびAlの量に対する0〜50℃における抵抗温度係数および室温(20℃)におけるゲージ率を示す。
【図4】図4は、副成分として加えるTi、V、Zr、Nb、Hf、Ta、Ni、Ge、Si、C、N、P、SeおよびTeの量に対する0〜50℃における抵抗温度係数および室温(20℃)におけるゲージ率を示す。
【図5】図5は、副成分として加えるRu、Rh、Re、Os、Ir、PtおよびPdの量に対する0〜50℃における抵抗温度係数および室温(20℃)におけるゲージ率を示す。
【図6】図6は、副成分として加えるAg、Au、Y、LaおよびCeの量に対する0〜50℃における抵抗温度係数および室温(20℃)におけるゲージ率を示す。
【図7】図7は、副成分として加えるPb、Sn、As、Sb、Bi、W、B、Ga、In、Tl、CuおよびZnの量に対する0〜50℃における抵抗温度係数および室温(20℃)におけるゲージ率を示す。
【図8】図8は、試料番号13(組成:Cr−1.0%V)の合金薄膜に真空中2時間の熱処理を施した場合の加熱温度と抵抗温度係数、比抵抗およびゲージ率との関係を示す。

Claims (7)

  1. 原子%にて、Cr(残部)を主成分とし、副成分としてTi、V、Nb、Ta、Ni、Zr、Hf、Si、Ge、C、N、P、Se、Teのそれぞれ5%以下、Zn、Cu、Biのそれぞれ8%以下、Fe、Mo、W、As、Sn、Sb、Pb、B、Ga、In、Tlのそれぞれ10%以下、Ru、Rh、Re、Os、Ir、Pt、Pd、Ag、Au、希土類元素のそれぞれ15%以下、Co、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Mn、Alのそれぞれ12.4%以下のうち1元素または2元素以上の合計0.01〜15 II A族元素2〜15原子%の範囲、およびN0.1〜5原子%の範囲を除く)と不純物からなり、ゲージ率が2以上で、且つ抵抗温度計数が(−3.5〜3.5)×10−4/℃以内であることを特徴とするストレインゲージ用Cr基合金薄膜。
  2. 導電性基板上に絶縁体膜を形成した上に、または絶縁性基板上に、原子%にて、Cr(残部)を主成分とし、副成分としてTi、V、Nb、Ta、Ni、Zr、Hf、Si、Ge、C、N、P、Se、Teのそれぞれ5%以下、Zn、Cu、Biのそれぞれ8%以下、Fe、Mo、W、As、Sn、Sb、Pb、B、Ga、In、Tlのそれぞれ10%以下、Ru、Rh、Re、Os、Ir、Pt、Pd、Ag、Au、希土類元素のそれぞれ15%以下、Co、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Mn、Alのそれぞれ12.4%以下のうち1元素または2元素以上の合計0.01〜15 II A族元素2〜15原子%の範囲、およびN0.1〜5原子%の範囲を除く)と不純物からなる薄膜を、蒸着またはスパッタリング等で成膜することにより、ゲージ率が2以上で、且つ抵抗温度係数が(−3.5〜3.5)×10−4/℃以内とすることを特徴とするストレインゲージ用Cr基合金薄膜の製造法。
  3. 導電性基板上に絶縁体膜を形成した上に、または絶縁性基板上に、原子%にて、Cr(残部)を主成分とし、副成分としてTi、V、Nb、Ta、Ni、Zr、Hf、Si、Ge、C、N、P、Se、Teのそれぞれ5%以下、Zn、Cu、Biのそれぞれ8%以下、Fe、Mo、W、As、Sn、Sb、Pb、B、Ga、In、Tlのそれぞれ10%以下、Ru、Rh、Re、Os、Ir、Pt、Pd、Ag、Au、希土類元素のそれぞれ15%以下、Co、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Mn、Alのそれぞれ12.4%以下のうち1元素または2元素以上の合計0.01〜15 II A族元素2〜15原子%の範囲、およびN0.1〜5原子%の範囲を除く)と不純物からなる薄膜を、蒸着またはスパッタリング等により成膜し、さらに非酸化性ガス、還元性ガスまたは真空中の100℃以上1200℃以下の温度で加熱後冷却することにより、ゲージ率が2以上で、且つ抵抗温度係数が(−3.5〜3.5)×10−4/℃以内とすることを特徴とするストレインゲージ用Cr基合金薄膜の製造法。
  4. 導電性基板上に絶縁体膜を形成した上に、または絶縁性基板上に、原子%にて、Cr(残部)を主成分とし、副成分としてTi、V、Nb、Ta、Ni、Zr、Hf、Si、Ge、C、N、P、Se、Teのそれぞれ5%以下、Zn、Cu、Biのそれぞれ8%以下、Fe、Mo、W、As、Sn、Sb、Pb、B、Ga、In、Tlのそれぞれ10%以下、Ru、Rh、Re、Os、Ir、Pt、Pd、Ag、Au、希土類元素のそれぞれ15%以下、Co、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Mn、Alのそれぞれ12.4%以下のうち1元素または2元素以上の合計0.01〜15 II A族元素2〜15原子%の範囲、およびN0.1〜5原子%の範囲を除く)と不純物からなり、ゲージ率が2以上で、且つ抵抗温度係数が(−3.5〜3.5)×10−4/℃以内であるCr基合金薄膜からなることを特徴とするストレインゲージ。
  5. 導電性基板上に絶縁体膜を形成した上に、または絶縁性基板上に、原子%にて、Cr(残部)を主成分とし、副成分としてTi、V、Nb、Ta、Ni、Zr、Hf、Si、Ge、C、N、P、Se、Teのそれぞれ5%以下、Zn、Cu、Biのそれぞれ8%以下、Fe、Mo、W、As、Sn、Sb、Pb、B、Ga、In、Tlのそれぞれ10%以下、Ru、Rh、Re、Os、Ir、Pt、Pd、Ag、Au、希土類元素のそれぞれ15%以下、Co、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Mn、Alのそれぞれ12.4%以下のうち1元素または2元素以上の合計0.01〜15 II A族元 素2〜15原子%の範囲、およびN0.1〜5原子%の範囲を除く)と不純物からなり、ゲージ率が2以上で、且つ抵抗温度係数が(−3.5〜3.5)×10−4/℃以内であるCr基合金薄膜の上部または下部に金属電極を形成することを特徴とするストレインゲージ。
  6. 導電性基板上に絶縁体膜を形成した上に、または絶縁性基板上に、原子%にて、Cr(残部)を主成分とし、副成分としてTi、V、Nb、Ta、Ni、Zr、Hf、Si、Ge、C、N、P、Se、Teのそれぞれ5%以下、Zn、Cu、Biのそれぞれ8%以下、Fe、Mo、W、As、Sn、Sb、Pb、B、Ga、In、Tlのそれぞれ10%以下、Ru、Rh、Re、Os、Ir、Pt、Pd、Ag、Au、希土類元素のそれぞれ15%以下、Co、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Mn、Alのそれぞれ12.4%以下のうち1元素または2元素以上の合計0.01〜15 II A族元素2〜15原子%の範囲、およびN0.1〜5原子%の範囲を除く)と不純物からなる薄膜を、蒸着またはスパッタリング等により成膜し、さらに非酸化性ガス、還元性ガスまたは真空中の100℃以上1200℃以下の温度で加熱後冷却することにより、ゲージ率が2以上で、且つ抵抗温度係数が(−3.5〜3.5)×10−4/℃以内であるCr基合金薄膜からなることを特徴とするストレインゲージ。
  7. 導電性基板上に絶縁体膜を形成した上に、または絶縁性基板上に、原子%にて、Cr(残部)を主成分とし、副成分としてTi、V、Nb、Ta、Ni、Zr、Hf、Si、Ge、C、N、P、Se、Teのそれぞれ5%以下、Zn、Cu、Biのそれぞれ8%以下、Fe、Mo、W、As、Sn、Sb、Pb、B、Ga、In、Tlのそれぞれ10%以下、Ru、Rh、Re、Os、Ir、Pt、Pd、Ag、Au、希土類元素のそれぞれ15%以下、Co、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Mn、Alのそれぞれ12.4%以下のうち1元素または2元素以上の合計0.01〜15 II A族元素2〜15原子%の範囲、およびN0.1〜5原子%の範囲を除く)と不純物からなる薄膜を、蒸着またはスパッタリング等により成膜し、さらに非酸化性ガス、還元性ガスまたは真空中の100℃以上1200℃以下の温度で加熱後冷却することにより、ゲージ率が2以上で、且つ抵抗温度係数が(−3.5〜3.5)×10−4/℃以内であるCr基合金薄膜の上部もしくは下部に金属電極を形成することを特徴とするストレインゲージ。
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