JP3932958B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空調空気の温度を検出する温度センサを備える車両用空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用空調装置においては、図6に示すように、蒸発器3を通過した直後の空気温度を検出する温度センサ5を備えている。そして、樹脂製のクリップCに温度センサ5を挟み込み、クリップCを蒸発器3に差し込むことにより、温度センサ5を固定するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、温度センサ5を固定するためのクリップCが必要であるため、コストアップを招いてしまうという問題があった。
【0004】
本発明は上記点に鑑みてなされたもので、温度センサを固定するためのクリップを不要にすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、車室内に吹き出す空調空気の通路(11)を形成するケース(1、12、16a、16b)と、通路に空調空気を送る送風機(2)と、ケース内に設置されて空調空気を冷却する冷却用熱交換器(3)と、冷却用熱交換器を通過した直後の空調空気の温度を検出する温度センサ(5)とを備え、ケースは、冷却用熱交換器の下流側において通路(11)を複数の通路(111、112)に仕切る仕切板(12)を有し、仕切板(12)のうち冷却用熱交換器側の端部には、冷却用熱交換器側から冷却用熱交換器の下流側に向かって切り欠かれて温度センサが挿入される切欠き部(121)が形成され、切欠き部(121)の周縁部を起点として、温度センサを挟持する略コの字状の保持部(122)が、仕切板(12)の板面から突出するように形成されていることを特徴とする。
【0006】
これによると、ケースに形成した保持部にて温度センサを保持するため、温度センサを固定するためのクリップが不要となり、コストを低減することができる。
【0008】
請求項3に記載の発明では、熱交換器は、空調空気を冷却する冷却用熱交換器(3)、および冷却用熱交換器を通過した空調空気を加熱する加熱用熱交換器(4)とを含み、温度センサ(6)は、加熱用熱交換器を通過後の空調空気の温度を検出するものであることを特徴とする。
【0009】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。図1は第1実施形態に係る車両用空調装置の構成を模式的に示す平面図、図2は図1の正面図、図3(a)は図1の温度センサ5の組み付け前の状態を示す要部の斜視図、図3(b)は温度センサ5の組み付け後の状態を示す要部の斜視図である。
【0011】
図1および図2において、空調ケース1は、車室内に吹き出す空気の通路11を形成するもので、ポリプロピレンのような、ある程度の弾性を有し且つ強度的にも優れた樹脂の成形品からなる。
【0012】
空調ケース1の空気流れ上流側部位には、車室内に向かう空気流を発生する送風機2が配設され、送風機2の下流側には、冷却用熱交換器である蒸発器3が配設されている。この蒸発器3は、周知の冷凍サイクル装置の一構成部をなすもので、内部に流れる冷媒と通路11を流れる空気とを熱交換させて空気を冷却するものである。
【0013】
蒸発器3の下流側には、空調ケース1の一部をなす仕切板12が配置されており、この仕切板12により、蒸発器3の下流側の通路11が第1通路111と第2通路112に仕切られている。この仕切板12は、ポリプロピレンのような、ある程度の弾性を有し且つ強度的にも優れた樹脂の成形品からなり、空調ケース1と一体に成形してもよいし、別体に成形してもよい。
【0014】
また、蒸発器3の下流側には、加熱用熱交換器であるヒータコア4が配設されている。このヒータコア4は、内部に流れる高温の温水(エンジン冷却水)を熱源として、蒸発器3を通過した冷風を再加熱するものである。
【0015】
第1通路111および第2通路112において、蒸発器3とヒータコア4との間には、それぞれ図示しないエアミックスドアが配置されている。これらのエアミックスドアは、ヒータコア4で加熱される温風とヒータコア4をバイパスする冷風との風量割合を調整して、吹出空気の温度を調整するものである。そして、各エアミックスドアはそれぞれ独立に作動して、運転席側の吹出空気の温度と助手席側の吹出空気の温度をそれぞれ独立に調整可能となっている。
【0016】
蒸発器3の下流側には、蒸発器3を通過した直後の空気温度を検出する温度センサ5が配置されている。この温度センサ5は、温度検出部51とケーブル52とを備え、空調ケース1に形成された図示しない貫通穴を貫通して、温度検出部51側が通路11中に配置され、仕切板12に直付けされて固定されている。
【0017】
図3に示すように、仕切板12には、温度センサ5を通すための切欠き部121と、温度センサ5を挟持する略コの字状の保持部122が形成されている。保持部122は、対向する2つの板部間の自由状態での幅Wが、ケーブル52の外径よりも僅かに小さくなっている。
【0018】
そして、温度センサ5を仕切板12に固定するにあたっては、まず温度センサ5の温度検出部51側を空調ケース1の貫通穴から通路11中に挿入し、次いで、保持部122の板部間にケーブル52を挿入する。この際、板部間の幅Wがケーブル52の外径よりも僅かに小さいため、保持部122の板部間にケーブル52を挿入すると板部が弾性変形し、板部の復元力により温度センサ5は保持部122に確実に保持される。
【0019】
本実施形態では、空調ケース1の一部をなす仕切板12に保持部122を設け、この保持部122にて温度センサ5を保持するため、温度センサ5を固定するためのクリップが不要となり、コストを低減することができる。
【0020】
(第2実施形態)
上記実施形態では、蒸発器3を通過した直後の空気温度を検出する温度センサ5を、仕切板12の保持部122にて保持するようにしたが、本実施形態は、蒸発器3およびヒータコア4を通過後の空調空気の温度を検出する温度センサ6を、サイド仕切板16a、16bの保持部161a、161bにて保持するようにしたものである。なお、図4は第2実施形態に係る車両用空調装置の構成を模式的に示す要部の平面図、図5は図4のA矢視図である。
【0021】
図4において、空調ケース11の上面部には、第1、第2センターフェイス開口部13a、13bと、第1、第2サイドフェイス開口部14a、14bと、デフロスタ開口部15とが形成されている。これらの開口部13a、13b、14a、14b、15は、空調ケース1の空気流れ最下流側部位に位置する。
【0022】
第1センターフェイス開口部13aと第2センターフェイス開口部13bとの間は、空調ケース1の一部をなす仕切板12によって仕切られ、第1センターフェイス開口部13aと第1サイドフェイス開口部14aとの間は、空調ケース1の一部をなす第1サイド仕切板16aによって仕切られ、第2センターフェイス開口部13bと第2サイドフェイス開口部14bとの間は、空調ケース1の一部をなす第2サイド仕切板16bによって仕切られている。
【0023】
また、第1センターフェイス開口部13aと第1サイドフェイス開口部14aは共に第1通路111(図1参照)に連通し、第2センターフェイス開口部13bと第2サイドフェイス開口部14bは共に第2通路112(図1参照)に連通し、デフロスタ開口部15は第1通路111および第2通路112に連通している。
【0024】
そして、第1、第2センターフェイス開口部13a、13bは、図示しない計器盤において車両左右方向中央部に配置されている図示しないセンターフェイスグリルに接続され、このグリルから乗員の上半身に向けて空気を吹き出すようになっている。
【0025】
また、第1、第2サイドフェイス開口部14a、14bは、計器盤において車両左右方向両側部に配置されている図示しないサイドフェイスグリルに、図示しないダクトを介して接続され、このグリルから乗員の上半身または車両側面窓ガラスに向けて空気を吹き出すようになっている。
【0026】
また、デフロスタ開口部15からは、車両前面窓ガラスに向けて空調風を吹き出すようになっている。
【0027】
温度センサ6は、温度検出部61とケーブル62とを備え、空調ケース1に形成された図示しない貫通穴を貫通して温度検出部61側が通路中に配置され、蒸発器3およびヒータコア4を通過して第1、第2センターフェイス開口部13a、13bから吹き出される空気の温度を検出するようになっている。
【0028】
第1サイド仕切板16aには、一方の温度センサ6を挟持する略コの字状の2つの保持部161aが形成され、一方、第2サイド仕切板16bには、図5に詳細を示すように、他方の温度センサ6を挟持する略コの字状の2つの保持部161bが形成されている。
【0029】
これらの保持部161a、161bは、対向する2つの板部間の自由状態での幅が、ケーブル62の外径よりも僅かに小さくなっているため、保持部161a、161bの板部間にケーブル62を挿入すると板部が弾性変形してケーブル62が保持される。
【0030】
本実施形態では、空調ケース1の一部をなす第1、第2サイド仕切板16a、16bに保持部161a、161bを設け、この保持部161a、161bにて温度センサ6を保持するため、温度センサ6を固定するためのクリップが不要となり、コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用空調装置の第1実施形態を示す平面図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】(a)は図1の温度センサ5の組み付け前の状態を示す要部の斜視図、(b)は温度センサ5の組み付け後の状態を示す要部の斜視図である。
【図4】本発明に係る車両用空調装置の第2実施形態を示す要部の平面図である。
【図5】図4のA矢視図である。
【図6】従来の車両用空調装置における温度センサ5の組み付け方法を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…ケース、2…送風機、3…蒸発器(熱交換器)、
4…ヒータコア(熱交換器)、5、6…温度センサ、11…通路、
12…仕切板(ケース)、16a、16b…サイド仕切板(ケース)、
122、161a、161b…保持部。
Claims (2)
- 車室内に吹き出す空調空気の通路(11)を形成するケース(1、12、16a、16b)と、
前記通路に空調空気を送る送風機(2)と、
前記ケース内に設置されて前記空調空気を冷却する冷却用熱交換器(3)と、
前記冷却用熱交換器を通過した直後の前記空調空気の温度を検出する温度センサ(5)とを備え、
前記ケースは、前記冷却用熱交換器の下流側において前記通路(11)を複数の通路(111、112)に仕切る仕切板(12)を有し、
前記仕切板(12)のうち前記冷却用熱交換器側の端部には、前記冷却用熱交換器側から前記冷却用熱交換器の下流側に向かって切り欠かれて前記温度センサが挿入される切欠き部(121)が形成され、
前記切欠き部(121)の周縁部を起点として、前記温度センサを挟持する略コの字状の保持部(122)が、前記仕切板(12)の板面から突出するように形成されていることを特徴とする車両用空調装置。 - 前記切欠き部(121)が矩形状に形成されており、
前記保持部(122)が、前記切欠き部(121)の下辺部に連続するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
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2002
- 2002-04-09 JP JP2002106522A patent/JP3932958B2/ja not_active Expired - Lifetime
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