JP3932717B2 - 反射防止フィルムの製造方法及び反射防止フィルム - Google Patents

反射防止フィルムの製造方法及び反射防止フィルム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽電池、太陽熱温水器、液晶画像表示装置、CRT、PDP、車両の窓等に使用される透明な反射防止フィルムの製造方法に関する。また、これらの方法で作製された反射防止フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
光学レンズ、CRT、コンピュータやワープロの液晶画像表示装置等の分野を中心に、透過率、コントラストの向上、映り込み低減のために表面反射を減少させる反射防止技術が従来より提案されている。反射防止技術には、光学干渉層として積層する多層の反射防止層の屈折率と光学膜厚が適当な値を有する事により、積層体と空気界面における光の反射を減少させる事が有効であることが知られている。このような反射防止層は、高屈折率層としてTiO2、ZrO2、Ta25等を、また低屈折率材料としてSiO2、MgF2等を積層して作製されており、これらはスパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等の乾式製膜方法によって作製されている。また、別の反射防止層の作製方法として、チタンアルコキシドやシランアルコキシドに代表される金属アルコキシドを基材の表面に塗布、乾燥、加熱して金属酸化物の膜を形成する方法が行われている。しかし、この方法では加熱温度が300℃以上という高い温度が必要で基材にダメージを与えてしまい、また特開平8−75904号公報に記載されているような加熱温度が100℃と比較的低温である方法では作製に長時間が必要となり、いずれにも問題点があった。
【0003】
近年、温度と時間を改良する方法として、特開平9−21902号公報にみられるような高屈折率材料をTi、Zr、TaまたはInのアルコキシドと分子中に2個以上のアクリル基、メタクリル基、アリル基またはビニル基を有する化合物を併用する低温での作製方法がある。特開平7−209503号公報には、ビニル基、アリル基、アクロイル基、メタクロイル基の重合可能な官能基とアルコキシド基のような加水分解可能官能基を併せ持つ有機珪素化合物と、重合可能な不飽和結合を持つ単量体からの共重合物とを主成分とする光学皮膜形成コーティング用組成物が示されており、バインダー樹脂成分と無機成分を分子レベルで均一なものにするという技術が提案されている。そして組成物を基材に塗布した後、100℃で長時間加熱するか、電離放射線照射により重合させて皮膜とすることが述べられている。この他、特開平8−295846号及び同9−220791号公報にも反応性有機金属化合物及び金属酸化物やシラン化合物組成物を含有する組成物を熱または電離性放射線で硬化する技術が開示されている。更にこの他にも上記のような反応性有機金属化合物は使用しないが、電離性放射線として電子線や紫外線を照射することによって作製する方法が特開平5−270864号、同5−279598号、同6−11602号、同8−122501号、同8−297201号、同9−21902号及び同9−25350号公報に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、熱によって形成された膜は、得られた膜の強度が目的の性能を満たしていなかったり、基材との接着性が不十分ではがれ易かったりするものであった。また、上記のような成膜を熱によって行う方法は、透明基材がプラスティックフィルムの場合変形したりして不都合であった。
【0005】
本発明者らは、先に特願平10−47074号において、金属アルコキシドまたはその加水分解物、紫外線反応性化合物及び/または紫外線反応性のある金属アルコキシド化合物、及び有機溶媒を含有する組成物を透明基材上に塗設し、紫外線を照射することによって、耐久性のある、また硬度が高く傷の付きにくい優れた反射防止層を得ることに成功した。更に本発明者らはこうして作られる過程で、反射防止層の屈折率が紫外線の照射量を変化することによって異なることを見い出し、目標とする屈折率に容易にコントロール出来るばかりでなく、所望の屈折率を得ることが出来る優れた方法を発見した。例えば、金属アルコキシドとしてチタンアルコキシドを例にとると、チタンアルコキシド及び/またはその加水分解物を塗布し、紫外線を照射すると屈折率が上昇する。したがって、この紫外光を照射することにより塗膜の屈折率を調節することで反射防止層の設計が可能となった。この技術を更に検討していく過程で、紫外線や電子線照射によりラジカル重合するアクリル系あるいはビニル系の活性エネルギー線反応性化合物は、空気の影響を非常に受け易いことが問題となった。低屈折率層やその上の保護被膜は出来るだけ薄くとすることが要求されているが、上記アクリル系などの活性エネルギー線反応性化合物は空気の影響で、薄い被膜とすることが難しく、たとえ空気を遮断して薄く出来たとしても膜の強度が低く、また接着性が劣るため充分なものが得難かった。
【0006】
本発明の目的は、屈折率を所望の値に自由にコントロール出来る高屈折率層の上に、低屈折率層が、空気の存在下でも充分に硬化し、薄膜でしかも、硬度が大きく、基材との接着性に優れ、且つ耐久性のある優れた透明な反射防止フィルムの製造方法及び反射防止フィルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、金属アルコキシド及びその加水分解物から選ばれる少なくとも一つ、活性エネルギー線反応性化合物、活性エネルギー線反応性のある金属アルコキシド化合物、及び有機溶媒を含有する組成物を透明基材上に塗設し、活性エネルギー線を照射して高屈折率層を形成させ、その上に低屈折率物質、エポキシ系活性エネルギー線反応性化合物を含有する低屈折率層を設けることによって、硬度が大きく、接着性が良好で、耐久性に優れた反射防止層を得ることに成功した。
【0008】
本発明は下記の構成によりなる。
【0009】
(1)透明基材上に多層の反射防止層を逐次積層して反射防止フィルムを作製するに当たり、反射防止層のうち少なくとも1層を、活性エネルギー線反応性基を有しない金属アルコキシド及びその加水分解物から選ばれる少なくとも一つ、下記一般式(I)で表される活性エネルギー線反応性の金属アルコキシド化合物、該一般式(I)の化合物を除く活性エネルギー線反応性化合物及び有機溶媒を含有する高屈折率層組成物を塗布し、活性エネルギー線を照射して形成された高屈折率層と、この上に、低屈折率物質、エポキシ系活性エネルギー線反応性化合物及び有機溶媒を含有する低屈折率層組成物を塗布し低屈折率塗膜とした後に、活性エネルギー線を照射して低屈折率層を形成することを特徴とする反射防止フィルムの製造方法。
【0010】
一般式(I) M(R1m(R2n(OR3p
ここで、Mは金属、Oは酸素原子、R1は活性エネルギー線反応性基で、ビニル基、イソプロペニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、グリシジル基を有する基を表し、R2は炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、R3は炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基または水素原子を表し、m+n+p=qで、qは金属の原子価で、q−1≧m≧1、q−1≧p≧1、q−1≧n≧0、であり、m、n及びpは正の整数を表す。
【0011】
(2)低屈折率物質が、フッ素含有樹脂、シリケートオリゴマーから形成される化合物、及びSiO2ゾルと反応性有機ケイ素化合物から形成されるものから選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする(1)に記載の反射防止フィルムの製造方法。
【0012】
(3)フッ素含有樹脂が、フッ素含有エチレン性不飽和単量体成分を主とする重合物及びフッ素含有エポキシ化合物単量体成分を主とする重合物から選ばれる少なくとの一つであることを特徴とする(2)に記載の反射防止フィルムの製造方法。
【0013】
(4)シリケートオリゴマーが下記一般式(II)で示される化合物であることを特徴とする(2)に記載の反射防止フィルムの製造方法。
【0014】
【化2】
Figure 0003932717
【0015】
ここで、gは1〜20の整数、Rは水素,または炭素原子数の1〜4のアルキル基,炭素原子数1〜10のフッ素含有アルキル基、炭素原子数3〜6のシクロアルキル基、炭素原子数3〜6のフッ素含有シクロアルキル基、またはフェニル基であって、それぞれのRが同一の基であっても、異なった基であってもよい。
【0016】
(5)シリケートオリゴマーがテトラアルコキシシランに触媒、水を添加し加水分解縮合して得られる部分加水分解物であることを特徴とする(4)に記載の反射防止フィルムの製造方法。
【0017】
(6)反応性有機ケイ素化合物が活性エネルギー線により硬化可能な複数の官能基を有す有機ケイ素化合物及びその加水分解物から選ばれる少なくとも一つの化合物であることを特徴とする(2)に記載の反射防止フィルムの製造方法。
【0018】
(7)反応性有機ケイ素化合物が、ビニル基、イソプロペニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、グリシジル基を有する化合物であることを特徴とする(6)に記載の反射防止フィルムの製造方法。
【0019】
(8)高屈折率層を設層する前に、透明基材と該層との間に、ハードコート層を設層することを特徴とする(1)乃至(7)の何れか1項に記載の反射防止フィルムの製造方法。
【0020】
(9)ハードコート層が活性エネルギー線反応性化合物を含有する組成物から形成され、該ハードコート層を活性エネルギー線照射により成膜することを特徴とする(8)に記載の反射防止フィルムの製造方法。
【0021】
(10)透明基材がセルローストリアセテートであることを特徴とする(1)乃至(9)のいずれか1項に記載の反射防止フィルムの製造方法。
【0022】
(11)(1)乃至(10)の何れか1項に記載の方法で製造された反射防止フィルム。
【0023】
以下に、本発明を詳述する。
【0024】
本発明でいう光学膜厚とは、層の屈折率nと膜厚dとの積により定義される量である。例えば、基材面に高屈折率層、空気に向かって低屈折率層を順に積層した光学干渉層を作る際、波長λの光に対して高屈折率層及び低屈折率層の光学膜厚ndをλ/4と設定して反射防止積層体を作製する。屈折率と膜厚は、分光反射率の測定より計算して算出し得る。
【0025】
屈折率の高低はそこに含まれる金属あるいは化合物によってほぼ決まり、例えばTiは高く、Siは低く、Fを含有する化合物は更に低く、このような組み合わせによって屈折率が設定される。
【0026】
本発明の高屈折率層は、透明基材上の多層ある反射防止層のうち少なくとも1層を、活性エネルギー線反応性基を有しない金属アルコキシド及びその加水分解物から選ばれる少なくとも一つ、下記一般式(I)で表される活性エネルギー線反応性の金属アルコキシド化合物、該一般式(I)の化合物を除く活性エネルギー線反応性化合物を含有しており、高屈折率組成物を該透明基体上に塗設後、塗膜に活性エネルギー線を照射して任意の屈折率の高屈折率層を形成するものである。
【0027】
一般式(I) M(R1m(R2n(OR3p
ここで、Mは金属、Oは酸素原子、R1は活性エネルギー線反応性基で、ビニル基、イソプロペニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、グリシジル基を有する基を表し、R2は炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、R3は炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基または水素原子を表し、m+n+p=qで、qは金属の原子価で、q−1≧m≧1、q−1≧p≧1、q−1≧n≧0、であり、m、n及びpは正の整数を表す。
【0028】
本発明の高屈折率層に使用される金属アルコキシド及びその部分加水分解物から選ばれる少なくとも一つの化合物、及び前記一般式(I)の活性エネルギー線反応性の金属アルコキシド化合物のいずれの金属は同様なものであり、金属としてはAl、Si、Ti、V、Ni、Cu、Zn、Y、Ga、Ge、Zr、In、Sn、Sb、Sr、La、Ta、Tl、W、CeおよびNdを挙げることが出来る。前記一般式(I)の活性エネルギー線反応性の金属アルコキシド化合物のいずれの金属化合物は、特に紫外線照射により、これらを含有する層の屈折率を変化させるのに役立つ。好ましい金属としては、Al、Si、Ti、V、Zn、Y、Zr、In、Sn、Sr、Ta、Tl、WおよびCeであり、特に屈折率を変化させ易い好ましい金属としてはTi、Zr、Tl、In(In−Sn錯体として)、Sr(Sr−TiO2錯体として)である。Tiの場合、光に反応することは知られているが、Ti化合物を含む層の屈折率を光により変化させることについては知られていない。
【0029】
本発明の屈折率を変化させるのに必要な活性エネルギー線量、特に紫外線照射量は、後述の紫外線反応性化合物を反応硬化させる照射量と同程度でよい。
【0030】
本発明の活性エネルギー線反応性基を有しない金属アルコキシドとしては、炭素原子数1〜10のものがよいが、好ましくは炭素原子数1〜4である。また金属アルコキシドの加水分解物はアルコキシド基が加水分解を受けて−金属原子−酸素原子−金属原子−のように反応し、架橋構造を作り、硬化した層を形成する。
【0031】
本発明に用いられる活性エネルギー線反応性基を有しない金属アルコキシドの例として;Alのアルコキシドとしては、Al(O−CH33、Al(OC253、Al(O−i−C373、Al(O−n−C493;Siの例としては、Si(OCH34、Si(OC254、Si(O−i−C374、Si(O−t−C494;Tiの例としては、Ti(OCH34、Ti(OC254、Ti(O−n−C374、Ti(O−i−C374、Ti(O−n−C494、Ti(O−n−C374の2〜10量体、Ti(O−i−C374の2〜10量体、Ti(O−n−C494の2〜10量体、Vの例としては、VO(OC253;Znの例としては、Zn(OC252;Yの例としてはY(OC493;Zrの例としては、Zr(OCH34、Zr(OC254、Zr(O−n−C374、Zr(O−i−C374、Zr(O−i−C494、Zr(O−n−C494の2〜10量体;Inの例としては、In(O−n−C493;Snの例としては、Sn(O−n−C494、Taの例としてはTa(OCH35、Ta(O−n−C375、Ta(O−i−C375、Ta(O−n−C495;Wの例としては、W(OC256;Ceの例としては、Ce(OC373等が挙げられる。これらを単独で又は2種以上組み合わせて用いる事が出来る。中でも、Ti(O−n−C374、Ti(O−i−C374、Ti(O−n−C494、Ti(O−n−C374の2〜10量体、Ti(O−n−C494の2〜10量体;Zr(O−i−C374、Zr(O−n−C494;Si(OC254、Si(O−i−C374が特に好ましい。
【0032】
また、本発明においては、上記金属アルコキシドを加水分解(部分または完全加水分解)させて使用してもよく、酸性触媒又は塩基性触媒の存在下に例えば上記の金属アルコキシドを有機溶媒中で加水分解することによって得られる。この酸性触媒としては、例えば硝酸、塩酸等の鉱酸やシュウ酸、酢酸等の有機酸がよく、また塩基性触媒としては、例えばアンモニア等が挙げられる。
【0033】
本発明に使用される活性エネルギー線反応性基を有しない金属アルコキシドの加水分解物としては、金属の価数の一部あるいは全部が加水分解されているものでよく、Siの例としては、Si(OH)4、Si(OCH3)(OH)3、Si(OCH32(OH)2、Si(OCH33(OH)、Si(OC252(OH)2、Si(OC37(i))3(OH);Tiの例としては、Ti(OH)4,Ti(OCH3)(OH)3、Ti(OC252(OH)2、Ti(OC37(n))3(OH)、Ti(OC49(n))2(OH)2のような例が挙げられるが、置換度は1〜4のいずれでも使用出来、また2〜10量体についても同様な加水分解物を本発明では用いることが出来る。これらに限定されるものではない。
【0034】
本発明の上記金属アルコキシド化合物を含む層は、金属アルコキシド自身が自己縮合して架橋し網状結合するものである。その反応を促進するために触媒や硬化剤を使用することが出来、それらには、金属キレート化合物、有機カルボン酸塩等の有機金属化合物や、アミノ基を有する有機ケイ素化合物、光酸発生剤等がある。これらの触媒または硬化剤の中で特に好ましいのは、アルミキレート化合物と光による酸発生剤(光酸発生剤)であり、アルミキレート化合物の例としてはエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビスエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート等であり、他の光酸発生剤の例としてはベンジルトリフェニルホスホニウムヘキサフルオロホスフェートやその他のホスホニウム塩やトリフェニルホスホニウムヘキサフルオロホスフェートの塩等を挙げることが出来る。
【0035】
本発明に使用する活性エネルギー線反応性基を有しない金属アルコキシド及び/またはその加水分解物を含む塗布組成物には、塗布液の保存安定化のために、β−ジケトンと反応させてキレート化合物を添加することにより、安定な塗布組成物とすることが出来る。このβ−ジケトンの具体例として、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸−n−プロピル、アセト酢酸−i−プロピル、アセチルアセトン等を挙げることが出来るが、特に安定性の面から好ましいのは、アセト酢酸エチルである。β−ジケトンは、上記金属アルコキシドまたはその加水分解物に対して、モル比として0.5〜2の範囲で用いられるが、より好ましい範囲は、0.8〜1.2である。
【0036】
本発明の高屈折率層に使用する、前記一般式の化合物を除く、活性エネルギー線反応性化合物は、重合可能なビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、イソプロペニル基、エポキシ基等の重合性基を二つ以上有するもので、活性エネルギー線照射により架橋構造または網目構造を形成するものが好ましい。これらの活性基のうちアクリロイル基、メタクリロイル基またはエポキシ基が重合速度、反応性の点から好ましく、多官能モノマーまたはオリゴマーがより好ましい。
【0037】
アクリル基またはメタクリル基を有する上記活性エネルギー線硬化性樹脂としては、紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂等を挙げることが出来る。
【0038】
紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂は、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、もしくはプレポリマーを反応させて得られた生成物に更に2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下アクリレートにはメタクリレートを包含するものとしてアクリレートのみを表示する)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることが出来る(例えば特開昭59−151110号公報)。
【0039】
紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂は、一般にポリエステル末端の水酸基やカルボキシル基に2−ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、アクリル酸のようなのモノマーを反応させることによって容易に得ることが出来る(例えば、特開昭59−151112号公報)。
【0040】
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂は、エポキシ樹脂の末端の水酸基にアクリル酸、アクリル酸クロライド、グリシジルアクリレートのようなモノマーを反応させて得られる。
【0041】
紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂としては、エチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタエリスリトール等を挙げることが出来る。
【0042】
本発明に使用する上記活性エネルギー線反応性化合物を光重合あるいは光架橋反応を開始させるには、上記活性エネルギー線反応性化合物のみでも開始するが、重合の誘導期が長かったり、重合開始が遅かったりするため、光増感剤や光開始剤を用いることが好ましく、それにより重合を早めることが出来る。これらの光増感剤や光開始剤は公知のものを使用し得る。具体的には、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン、α−アミロキシムエステル、テトラメチルウラムモノサルファイド、チオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることが出来る。
【0043】
また、エポキシアクリレート基を有する活性エネルギー線反応性化合物の場合は、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の増感剤を用いることが出来る。この活性エネルギー線反応性化合物に用いられる光反応開始剤または光増感剤は紫外線反応性化合物の100重量部に対して0.1〜15重量部で光反応を開始するには十分であり、好ましくは1〜10重量部である。この増感剤は近紫外線領域から可視光線領域に吸収極大のあるものが好ましい。
【0044】
本発明の活性エネルギー線反応性エポキシ樹脂も好ましく用いられる。活性エネルギー線反応性エポキシ樹脂としては、芳香族エポキシ化合物(多価フェノールのポリグリシジルエーテル)、例えば、水素添加ビスフェノールAまたはビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応物のグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、脂肪族エポキシ樹脂としては、脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖多塩基酸のポリグリシジルエステル、グリシジルアクリレートやグリシジルメタクリレートのホモポリマー、コポリマーなどがあり、その代表例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ノナプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ジグリセロールトリグリシジルエーテル、ジグリセロールテトラグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールのポリグリシジルエーテル、脂環式エポキシ化合物、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3′,4′−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3′,4′−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジグリシジルエーテル、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリグリシジルエーテル、ポリグリシジルアクリレート、ポリグリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートと他のモノマーとの共重合物、ポリ−2−グリシジルオキシエチルアクリレート、ポリ−2−グリシジルオキシエチルメタクリレート、2−グリシジルオキシエチルアクリレート、2−グリシジルオキシエチルアクリレートまたは2−グリシジルオキシエチルメタクリレートと他のモノマーとの共重合物、ビス−2,2−ヒドロキシシクロヘキシルプロパンジグリシジルエーテル等を挙げることが出来、または単独または2種以上組み合わせた付加重合物を挙げることが出来る。本発明は、これらの化合物に限定せず、これらから類推される化合物も含むものである。
【0045】
本発明の活性エネルギー線反応性化合物エポキシ樹脂は、エポキシ基を分子内に2つ以上有するもの以外に、モノエポキサイドも所望の性能に応じて配合して使用することが出来る。
【0046】
活性エネルギー線反応性化合物エポキシ樹脂は、ラジカル重合によるのではなく、カチオン重合により重合、架橋構造または網目構造を形成する。ラジカル重合と異なり反応系中の酸素に影響を受けないため好ましい活性エネルギー線反応性樹脂である。
【0047】
エチルスルホン酸銀、ポリ硼素酸銀等も好ましく用いることが出来る。
【0048】
本発明に有用な活性エネルギー線反応性エポキシ樹脂は、活性エネルギー線照射によりカチオン重合を開始させる物質を放出する化合物を、光重合開始剤または光増感剤により重合する。照射によりカチオン重合させるルイス酸を放出するオニウム塩での複塩の一群が特に好ましい。
【0049】
かかる代表的なものは下記一般式(III)で表される化合物である。
【0050】
一般式(III)
〔(R1a(R2b(R3c(R4dZ〕+w〔MeXv+w-w
ここで、式中、カチオンはオニウムであり、ZはS、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O、ハロゲン(例えばI、Br、Cl)、またはN=N(ジアゾ)であり、R1 a、R2 b、R3 c、R4 dは同一であっても異なっていてもよい有機の基である。a、b、c、dはそれぞれ0〜3の整数であって、a+b+c+dはZの価数に等しい。Meはハロゲン化物錯体の中心原子である金属または半金属(metalloid)であり、B、P、As、Sb、Fe、Sn、Bi、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、Mn、Co等である。Xはハロゲンであり、wはハロゲン化錯体イオンの正味の電荷であり、vはハロゲン化錯体イオン中のハロゲン原子の数である。
【0051】
上記一般式の陰イオン〔MeXv+w-wの具体例としては、、テトラフルオロボレート(BF4 -)、ヘキサフルオロホスフェート(PF4 -)、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF4 -)、ヘキサフルオロアルセネート(AsF4 -)、ヘキサクロロアンチモネート(SbCl4 -)等を挙げることが出来る。
【0052】
更に一般式MXn(OH)-の陰イオンも用いることが出来る。また、その他の陰イオンとしては過塩素酸イオン(ClO4 -)、トリフルオロメチル亜硫酸イオン(CF3SO3 -)、フルオロスルホン酸イオン(FSO3 -)、トルエンスルホン酸イオン、トリニトロベンゼン酸陰イオン等を挙げることが出来る。
【0053】
このようなオニウム塩の中でも特に芳香族オニウム塩をカチオン重合開始剤として使用するのが、特に有効であり、中でも特開昭50−151996号、同50−158680号公報等に記載の芳香族ハロニウム塩、特開昭50−151997号、同52−30899号、同59−55420号、同55−125105号公報等に記載のVIA族芳香族オニウム塩、特開昭56−8428号、同56−149402号、同57−192429号公報等に記載のオキソスルホキソニウム塩、特公昭49−17040号公報等に記載の芳香族ジアゾニウム塩、米国特許第4,139,655号明細書等に記載のチオピリリュム塩等が好ましい。また、アルミニウム錯体や光分解性ケイ素化合物系重合開始剤等を挙げることが出来る。上記カチオン重合開始剤と、ベンゾフェノン、ベンゾインイソプロピルエーテル、チオキサントンなどの光増感剤を併用することが出来る。
【0054】
本発明に有用な活性エネルギー線硬化樹脂組成物において、重合開始剤は、一般的には、活性エネルギー線硬化性エポキシ樹脂(プレポリマー)100重量部に対して好ましくは0.1〜15重量部、より好ましくは1〜10重量部の範囲で添加される。またエポキシ樹脂を上記ウレタンアクリレート型樹脂、ポリエーテルアクリレート型樹脂等とも併用することも出来、この場合、活性エネルギー線ラジカル重合開始剤と活性エネルギー線カチオン重合開始剤を併用することが好ましい。
【0055】
本発明に用いる活性エネルギー線硬化樹脂含有層には、公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂あるいはゼラチンなどの親水性樹脂等のバインダーを上記活性エネルギー線硬化樹脂に混合して使用することが出来る。これら樹脂にはその分子中に極性基を持っていることが好ましく、極性基としては、−COOM、−OH、−NR2、−NR3X、−SO3M、−OSO3M、−PO32、−OPO3M(ここで、Mは水素原子、アルカリ金属またはアンモニウム基を、Xはアミン塩を形成する酸を、Rは水素原子、アルキル基を表す)等を挙げることが出来る。
【0056】
次に本発明の一般式(I)の活性エネルギー線反応性の金属アルコキシド化合物について説明する。
【0057】
一般式(I)
M(R1m(R2n(OR3p
ここで、Oは酸素原子、R1は活性エネルギー線反応性基で、ビニル基、イソプロペニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基を有する基を表し、R2は炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、R3は炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基または水素原子を表し、m+n+p=qで、qは金属の原子価で、q−1≧m≧1、q−1≧p≧1、q−1≧n≧0、であり、m、n及びpは正の整数を表す。
【0058】
上記一般式(I)の活性エネルギー線反応性の金属アルコキシド化合物のR1は、活性エネルギー線反応性基で、不飽和二重結合性の官能基を有しており、上記のうちアクリロイル基、メタクリロイル基またはエポキシ基が反応性の速さから好ましい。また反応する際、酸素の影響を受けないエポキシ基が特に好ましい。R3Oアルコキシ基は、前述の活性エネルギー線反応性基を有しない金属アルコキシドと同様に、加水分解を受けながら金属酸化物へと連鎖的に反応する。
【0059】
この活性エネルギー線反応性の金属アルコキシド化合物は上記活性エネルギー線反応性基を有しない金属アルコキシド化合物とともに加水分解を受けながら相互に反応し、金属酸化物マトリックスの中に組み込まれ、結合し架橋する。
【0060】
一方、活性エネルギー線反応性の金属アルコキシド化合物の活性エネルギー線反応性基とこれ以外の活性エネルギー線反応性化合物も、活性エネルギー線により重合し、相互に架橋結合を形成する。
【0061】
これら両方の架橋結合が相乗効果となってこれらを含有する層は非常に高い硬度を持つようになる。これらの架橋構造は、無機酸化物と有機ポリマーが結合し合ったハイブリッドの状態になっていると考えられる。このようなハイブリッドの状態は、金属酸化物と有機物が混在する状態とは異なり、一体化しているため硬度が高く、相分離が起きにくい。したがって、均質な塗膜が出来やすく、硬度が不足したり、白濁したり、透過率が低下するなどの問題点を解決することが出来る。
【0062】
活性エネルギー線反応性基は金属に直接結合していてもよく、酸素原子を介して結合していてもよく、またオキシアルキル基を介していてもよい。
【0063】
この活性エネルギー線反応性の金属アルコキシドの具体的例として、ビニルトリメトキシチタン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)チタン、ジビニロキジメトキシチタン、グリシジルオキシエチルトリエトキシチタン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリ−n−プロピルチタン、γ−メタクリロイルオキシ−n−プロピルトリ−n−プロピルチタン、ジ(γ−アクリロイルオキシ−n−プロピル)ジ−n−プロピルチタン、アクリロイルオキシジメトキシエチルチタン、ビニルトリメトキシジルコン、ジビニロキジメトキシジルコン、アクリロイルオキシエチルトリエトキシジルコン、γ−アクリロイルオキシ−n−プロピルトリ−n−プロピルジルコン、γ−メタクリロイルオキシ−n−プロピルトリ−n−プロピルジルコン、ジ(γ−アクリロイルオキシ−n−プロピル)ジ−n−プロピルジルコン、アクリロイルオキシジメトキシエチルジルコン、ビニルジメトキシタリウム、ビニルジ(β−メトキシ−エトキシ)タリウム、ジビニロキシメトキシタリウム、アクリロイルオキシエチルジエトキシタリウム、γ−アクリロイルオキシ−n−プロピルジ−n−プロピルタリウム、γ−メタクリロイルオキシ−n−プロピルジ−n−プロピルタリウム、ジ(γ−アクリロイルオキシ−n−プロピル)−n−プロピルタリウム、アクリロイルオキシメトキシエチルタリウム、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)シラン、ジビニロキジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリアルコキシシラン、アクリロイルオキシエチルトリエトキシシラン、グリシジルオキシエチルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルオキシ−n−プロピルトリ−n−プロピルシラン、γ−メタクリロイルオキシ−n−プロピルトリ−n−プロピルシラン、ジ(γ−アクリロイルオキシ−n−プロピル)ジ−n−プロピルシラン、アクリロイルオキシジメトキシエチルシラン等を挙げることが出来る。
【0064】
本発明の高屈折率層に使用する、前記一般式(I)の活性エネルギー線反応性基と該一般式(I)を除く活性エネルギー線反応性化合物の反応基に対する活性エネルギー線による光重合の挙動はほとんど変わりなく、前述の一般式(I)を除く活性エネルギー線化合物の光増感剤や光開始剤などは同様なものが用いられる。
【0065】
本発明に使用する活性エネルギー線は、紫外線、電子線、γ線等で、化合物を活性させるエネルギー源であれば制限なく使用出来るが、紫外線、電子線が好ましく、特に取り扱いが簡便で高エネルギーが容易に得られるという点で紫外線が好ましい。紫外線反応性化合物を光重合させる紫外線の光源としては、紫外線を発生する光源であれば何れでも使用出来る。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることが出来る。また、ArFエキシマレーザ、KrFエキシマレーザ、エキシマランプまたはシンクロトロン放射光を等も用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、照射光量は20mJ/m2以上、好ましくは、100mJ/cm2以上、さらに400mJ/cm2以上が好ましい。紫外線は、多層の反射防止層を1層ずつ照射してもよいし、積層後照射してもよい。生産性の点から、多層を積層後、紫外線を照射することが好ましい。また、電子線も同様に使用出来る。電子線としては、コックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される50〜1000KeV、好ましくは100〜300KeVのエネルギーを有する電子線を挙げることが出来る。
【0066】
本発明で使用する溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジエチルセロソルブ、ジエチルカルビトール等のグリコールエーテル類;N−メチルピロリドン、ジメチルフォルムアミド、水等が挙げられ、それらを単独または2種以上混合して使用する事が出来る。中でも、ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のカルボニル基を有する溶媒と、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等の炭素数4以下のアルコールを併用すると、紫外線照射量を低減でき、生産性を向上することができるため特に好ましい。
【0067】
本発明は、更に、上記の高屈折率層の上に、低屈折率物質、エポキシ系活性エネルギー線反応性化合物及び有機溶剤を含む低屈折率層組成物を塗設して反射防止フィルムを作製する方法である。
【0068】
次に、本発明の低屈折率物質について述べる。
【0069】
本発明の低屈折率物質は、フッ素含有樹脂、シリケートオリゴマーから形成される化合物、及びSiO2ゾルと反応性有機ケイ素化合物から形成される化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物であり、特に特開平7−126552号、同7−188582号、同8−48935号、同8−100136号、同9−220791号、同9−272169号公報等に記載されている化合物が好ましく用いられる。
【0070】
本発明に好ましく使用し得るフッ素含有樹脂としては、フッ素含有不飽和エチレン性単量体成分を主として含有する重合物及びフッ素含有エポキシ化合物を挙げることが出来る。
【0071】
フッ素含有不飽和エチレン性単量体としては、含フッ素アルケン、含フッ素アクリル酸エステル、含フッ素メタクリル酸エステル、含フッ素ビニルエステル、含フッ素ビニルエーテル等を挙げることが出来、例えば、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、トリフルオロクロロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、トリフルオロプロピレン、ヘプタフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレン、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロエチレン、3−ブロモ−3,3−ジフルオロエチレン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロ−1−ヘキセン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−1−オクテン、4−エトキシ−1,1,1−トリフルオロ−3−ブテン−2−オン、ペンタデカフルオロオクチルアクリレート、テトラフルオロ−3−(ヘプタフルオロプロポキシ)プロピルアクリレート、テトラフルオロ−3−(ペンタフルオロエトキシ)プロピルアクリレート、テトラフルオロ−3−トリフルオロメトキシプロピルアクリレート、ウンデカフルオロヘキシルアクリレート、ノナフルオロペンチルアクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、ペンタフルオロピロピルアクリレート、2−ヘプタフルオロブトキシエチルアクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブトキシアクリレート、トリフルオロエチルアクリレート、2−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)エチルアクリレート、トリフルオロイソプロピルメタクリレート、(2,2,2−トリフルオロ−1−メチル)エチルメタクリレート、2−トリフルオロエトキシエチルアクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルアクリレート、3−トリフルオロメチル−4,4,4−トリフルオロブチルアクリレート、1−メチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアクリレート、1−メチル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタウルオロブチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアクリレート、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルアクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチルアクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシルアクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチルアクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルアクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルアクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロデシルアクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、2,2,3,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルアクリレート(以上のアクリレートはメタクリレートあるいはα−フルオロアクリレートであってもよい)、ビニルトリフルオロアセテート、ビニル−2,2,2−トリフルオロプロピオネート、ビニル−3,3,3,2,2−ヘプタブチレート、2,2,2−トリフルオロエチルビニルエーテル、1−(トリフルオロメチル)エテニルアセテート、アリルトリフルオロアセテート、アリル−1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、アリル−1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルエーテル、エチル−4,4,4−トリフルオロクロトネート、イソプロピル−2,2,2−トリフルオロエチルフマレート、イソプロピル−2,2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルフマレート、イソプロピル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルフマレート、イソプロピル−2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナプロピルペンチルフマレート、イソプロピル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシルフマレート、イソプロピル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチルフマレート、イソプロピル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルフマレート、イソプロピル−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルフマレート、イソプロピル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロデシルフマレート、イソプロピル−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルフマレート、イソプロピル−2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルフマレート、イソプロピル−3−トリフルオロメチル−4,4,4−トリフルオロブチルフマレート、イソプロピル−1−メチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルフマレート、イソプロピル−1−メチル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロオクチルフマレート、tert−ブチル−2,2,3,3,3−ペンチルフルオロプロピルヘマレート、tert−ブチル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタジュルオロブチルフマレート、tert−ブチル−2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチルフマレート、tert−ブチル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシルフマレート、tert−ブチル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチルフマレート、tert−ブチル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルフマレート、tert−ブチル−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルフマレート、tert−ブチル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロデシルフマレート、tert−ブチル3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルフマレート、tert−ブチル−2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルフマレート、tert−ブチル−3−トリフルオロメチル−4,4,4−トリフルオロブチルフマレート、tert−ブチル−1−メチル−2,2,3,3,3−ペンチルフルオロプロピルフマレート、tert−ブチル−1−メチル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルフマレート等の含フッ素不飽和エチレン性単量体を挙げることが出来るが、これらに限定されない。また、共重合相手の単量体はフッ素を含有しても、含有していなくとも何れでもよい。
【0072】
上記フッ素含有単量体と共重合し得る単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、酢酸ビニル、ビニルエチルエーテル、ビニルエチルケトン、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、メチル−α−フルオロアクリレート、エチル−α−フルオロアクリレート、プロピル−α−フルオロアクリレート、ブチル−α−フルオロアクリレート、シクロヘキシル−α−フルオロアクリレート、ヘキシル−α−フルオロアクリレート、ベンジル−α−フルオロアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、α−フルオロアクリル酸、スチレン、スチレンスルホン酸等を共重合させてもよいが、これらに限定されない。
【0073】
上記フッ素含有エチレン性不飽和単量体の単独の樹脂の屈折率は、ほぼ1.33〜1.42の範囲にあり、また共重合し得るフッ素を含有しない単量体の単独樹脂リマーの屈折率は、1.44以上で、これらを任意の割合で共重合して目的の屈折率のフッ素含有樹脂として用いることが出来、また、本発明のフッ素含有樹脂とフッ素を含まない樹脂とを任意の割合で混合して目的の屈折率のものとして使用してもよいが、本発明の低屈折率物質のフッ素含有量は、50重量%以上であることが好ましく、ものによって異なるが、特に好ましくは60〜90重量%である。フッソ含有重合体の場合は、フッ素含有率がこのような範囲にあると有機溶媒に対して良好な溶解性を有することで、加工し易いばかりでなく、下の基体や層に対する接着性が優れ、高い透明性と低い屈折率の層を得ることが出来る。
【0074】
本発明に使用する含フッ素の、アルケン、アクリレート、ビニルエステルあるいはビニルエーテル等を重合させる重合開始剤は、通常のラジカル重合開始剤を用いること出来る。重合開始剤の具体的な例として、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスバレロニトリル等のアゾ系ラジカル重合開始剤、過酸化ベンゾイル、t−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド等の有機過酸化物系ラジカル重合開始剤、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の無機系ラジカル重合開始剤、過酸化水素−硫酸第1鉄アンモニウム、過硫酸アンモニウム−メタ亜硫酸ナトリウム等のレドックス系重合開始剤等の各種ラジカル重合開始剤等を挙げることが出来、これらを用いて溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合または放射線重合等の公知のラジカル重合をすることが出来る。この際、反応温度は10〜100℃、反応時間は1〜100時間であることが好ましい。このようにして得られるフッ素含有樹脂の平均数分子量は1000〜300000であることが望ましい。
【0075】
本発明のフッ素含有樹脂としてのフッ素含有エポキシ樹脂は、例えば下記のようなエポキシ化合物を常法で反応させることによって得ることが出来る。
【0076】
本発明のフッ素含有エポキシ化合物としては、2−フルオロアルキル−1,2−ジオールのジグリシジルエーテルとして例えば、4,4,4−トリフルオロ−1,2−ブタンジオールジグリシジルエーテル、4,4,5,5,5−ペンタフルオロ−1,2−ペンタンジオールジグリシジルエーテル、4,4,5,5,6,6,6−ヘキサフルオロ−1,2−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、4,4,5,5,6,6,7,7,7−ノナフルオロ−1,2−ヘプタンジオールジグリシジルエーテル、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ウンデカフルオロ−1,2−オクタンジオールジグリシジルエーテル、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−トリデカフルオロ−1,2−ノナンジオールジグリシジルエーテル、5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−トリデカフルオロ−1,2−デカンジオールジグリシジルエーテル、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,11−ヘププタデカフルオロ−1,2−ウンデカンジオールジグリシジルエーテル、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−ノナデカフルオロ−1,2−ドデカジオールジグリシジルエーテル、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,12,12,13,13,13−エイコサフルオロ−1,2−トリデカンジオールジグリシジルエーテル、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,14,14,14−トリコサフルオロ−1,2−テトラデカンジオールジグリシジルエーテル、5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−ヘプタデカフルオロ−1,2−テトラデカンジオールジグリシジルエーテル、4−トリフルオロメチル−5,5,5−トリフルオロ−1,2−ヘプタンジオールジグリシジルエーテル、5−トリフルオロメチル−6,6,6−トリフルオロ−1,2−オクタンジオールジグリシジルエーテル、6−トリフルオロメチル−4,4,5,5,6,6,7,7,7−オクチルフルオロ−1,2−ノナンジオールジグリシジルエーテル、8−トリフルオロメチル−4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ドデカフルオロ−1,2−ノナンジオールジグリシジルエーテル、10−トリフルオロメチル−4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,11−ヘキサデカフルオロ−1,2−ドデカンジオールジグリシジルエーテル、12−トリフルオロメチル−4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,13−エイコサフルオロ−1,2−テトラデカンジオールジグリシジルエーテル、3−ペルフルオロシクロペンチル−1,2−プロパンジオールジグリシジルエーテル、3−ペルフルオロシクロヘキシル−1,2−プロパンジオールジグリシジルエーテル、ペルフルオロシクロヘプチル−1,2−プロパンジオールジグリシジルエーテル、ペルフルオロシクロオクチル−1,2−プロパンジオールジグリシジルエーテル;含フッ素アルカン末端ジオールグリシジルエーテルとしては例えば、2,2,3,3−テトラフルオロ−1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、等を挙げることが出来るが、これらに限定されない。これらの他にフッ素を含有しないエポキシ化合物を屈折率があまり上がらない程度に少量使用してもよい。ここで使用するフッ素含有エポキシ化合物の構造には制限ないが、屈折率を高めるようなベンゼン核を有するエポキシ化合物や脂環式のエポキシ化合物の使用は少ない方がよい。
【0077】
本発明の第2の低屈折率物質は、シリケートオリゴマーから形成される化合物である。シリケートオリゴマーから形成される化合物として、下記一般式(II)で示されるシリケートオリゴマーから形成される化合物である。
【0078】
【化3】
Figure 0003932717
【0079】
ここで、gは1〜20の整数、Rは水素,または炭素原子数の1〜4のアルキル基,炭素原子数1〜10のフッ素含有アルキル基、炭素原子数3〜6のシクロアルキル基、炭素原子数3〜6のフッ素含有シクロアルキル基、またはフェニル基であって、それぞれのRが同一の基であっても、異なった基であってもよい。
【0080】
上記一般式(II)で示されるシリケートオリゴマーから形成される化合物に使用するシリケートオリゴマーとしては、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロピオキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン、テトラ−2,2,2−トリフルオロエトキシシラン、テトラ−2−フルオロエトキシシラン、テトラ−2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロピオキシシラン、テトラ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピオキシシラン、テトラ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロピオキシシラン、テトラ−1,3−ジフルオロ−2−プロピオキシシラン、テトラ−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブトキシシラン、テトラ−2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブトキシシラン、テトラシクロヘキシルオキシシランまたはテトラフェノキシシラン等を挙げることが出来、これらを加水分解することにより本発明のシリケートオリゴマーが得られる。加水分解反応は、公知の方法により行うことが出来、例えば、上記テトラアルコキシシランに所定量の水を加えて、酸触媒の存在下に、副生するアルコールを留去しながら、通常室温程度〜100℃で反応させる。この反応によりアルコキシシランは加水分解し、続いて縮合反応が起こり、ヒドロキシル基を2以上有する液状のシリケートオリゴマー(通常平均重合度2〜8程度、好ましくは3〜6)を加水分解物として得ることが出来る。加水分解の程度は、使用する水の量により適宜調節することが出来るが、本発明においては40〜90%程度であるが、好ましくは60〜80%である。ここで、加水分解の程度は、加水分解可能な基、即ちテトラアルコキシシランにおいてはアルコキシ基を全て加水分解縮合するために必要な理論水量、即ちアルコキシ基の数の1/2の水を添加したときを加水分解率100%とし、
加水分解率(%)=(実際の添加水量/加水分解理論水量)×100
として求められる。
【0081】
こうして得られたシリケートオリゴマーにはモノマーが通常2〜10%程度含有されている。このモノマーが含有されていると貯蔵安定性に欠け、保存中に増粘し、膜形成が困難となるので、モノマー含有量が1重量%以下、好ましくは0.3重量%以下になるように、このモノマーをフラッシュ蒸溜や真空蒸溜等で除去するのが好ましい。
【0082】
本発明には、上記の如くテトラアルコキシシランに触媒、水を添加して得られる部分加水分解物が用いられるが、完全加水分解物を用いるのが好ましい。加水分解物に溶媒を配合し、次いで硬化触媒と水を添加する等の方法により硬化した加水分解物が得られる。かかる溶媒としては、メタノール、エタノールを1種または2種使用するのが安価であること、及び得られる皮膜の特性が優れ硬度が良好であることから好ましい。イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、オクタノール等も用いることが出来るが、得られた皮膜の硬度が低くなる傾向にある。溶媒量は部分加水分解物100重量部に対して50〜400重量部、好ましくは100〜250重量部である。
【0083】
硬化触媒としては、酸、アルカリ、有機金属、金属アルコキシド等を挙げることが出来るが、酸、特に酢酸、マレイン酸、シュウ酸、フマル酸等が好ましく用いられる。添加量は部分加水分解物100重量部に対して1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部がよい。また、水添加量については部分加水分解物が理論上100%加水分解し得る量以上の量であればよく、100〜300%相当量、好ましくは100〜200%相当量を添加するのがよい。更に、本発明では、かかる熟成工程により、テトラアルコキシシランの加水分解、縮合による架橋が充分に進み、得られた皮膜の特性が優れたものとなる。熟成は、オリゴマー液を放置すればよく、放置する時間は、上述の架橋が所望の膜特性を得るのに充分な程度進行するのに充分な時間であり、具体的には用いる触媒の種類にもよるが、塩酸では室温で1時間以上、マレイン酸では数時間以上、特に好ましくは8時間〜1週間程度で充分であり、通常3日前後である。熟成を要する時間はまた周囲の温度にも影響を与え、極寒地では20℃付近まで加熱する手段をとった方がよいこともある。一般に高温では熟成が早く進むが100℃以上に加熱するとゲル化が起こるので、せいぜい50〜60℃までの加熱が適切である。また、本発明で用いるシリケートオリゴマーについては、上記の他に、例えばエポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、カルボキシル基等の官能基を有する有機化合物(モノマー、オリゴマー、ポリマー)等により変性した変性物であっても差し支えなく、単独または上記シリケートオリゴマーと併用することも可能である。
【0084】
このようにして、上記一般式(II)で示されるシリケートオリゴマーが得られるが、シリケートオリゴマー中のSiO2含有量は1〜100%、好ましくは10〜99%であることが望まれる。このようなSiO2含有量が1%未満では耐久性の向上が見られなくなり、本発明の効果を発揮しない。
【0085】
本発明のシリケートオリゴマーからケイ素層を形成させる方法については特に制限されないが、例えばシリケートオリゴマーを光学フィルムの光学性能を阻害しない溶媒、例えばアルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール等)、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸セロソルブ、メチルグリコールアセテート、メトキシブチルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチレンクロライド、トルエン、キシレン、ミネラムスピリット、クレゾール、キシレノール、フフラール等で、これらでシリケートオリゴマーを希釈し、バーコーター、ロールコーター、グラビアコーター、リバースコーター、リップコーター等、公知の方法により基材に塗設、加熱処理すればよい。
【0086】
本発明の第3の低屈折率物質は、SiO2ゾルと反応性有機ケイ素化合物から形成される化合物であって、SiO2ゾルと反応性有機ケイ素化合物とを含むゾル液を用い、SiO2ゲル膜として低屈折率層が形成されるものである。SiO2ゾルは、ケイ素アルコキシドを塗布に適した有機溶媒に溶解し、一定量の水を添加して加水分解を行って調製される。SiO2ゾルの形成に使用するケイ素アルコキシドの好ましい例を下記一般式(IV)に示す。
【0087】
一般式(IV) (R′)rSi(OR″)s
ここで、R′、R″は炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。r+sは4であり、r及びsはそれぞれ整数である。具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロピオキシシラン、テトラ−n−プロピオキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシラン、テトラペンタエトキシシラン、テトラペンタイソプロピオキシシラン、テトラペンタ−n−プロピオキシシラン、テトラペンタ−n−ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラン、テトラペンタ−t−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロピオキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメキメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルプロピオキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0088】
上記アルキルケイ素アルコキシドまたはケイ素アルコキシドを適当な溶媒中に溶解しすることによりSiO2ゾルとすることが出来る。使用する溶媒としては、例えばメチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、メタノール、エタノール、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、等のアルコール、ケトン、エステル類、ハロゲン化炭化水素、トルエン、キシレン、等の芳香族炭化水素、あるいはこれらの混合物が挙げられる。アルキルケイ素アルコキシドまたはケイ素アルコキシドを、それらが100%加水分解及び縮合したとして生じるSiO2換算で、濃度を0.1重量%以上、好ましくは0.1〜10重量%になるように上記溶媒中に溶解する。SiO2ゾルの濃度が0.1重量%未満であると形成されるゾル膜が所望の特性が充分に発揮出来ず、一方、10重量%を超えると透明均質膜の形成が困難となる。また、本発明においては、以上の固形分以内であるならば、有機物や無機物バインダーを併用することも可能である。
【0089】
この溶液に加水分解に必要な量以上の水を加え、15〜35℃、好ましくは22〜28℃の温度で、0.5〜10時間、好ましくは2〜5時間撹拌を行う。上記加水分解においては、触媒を用いることが好ましく、これらの触媒としては、塩酸、硝酸、硫酸または酢酸等の酸が好ましい。これらの酸を約0.001〜20.0N、好ましくは0.005〜5.0N程度の水溶液として加え、該水溶液中の水分を加水分解用の水分とすることが出来る。
【0090】
本発明は、上記SiO2ゾルに有機反応性ケイ素化合物またはその部分加水分解物を添加して得られる化合物を低屈折率物質として用いるものであるが、SiO2ゾルだけ塗布した場合には、非常に膜が弱く、ひび割れし易く、SiO2皮膜を固定するものが必要である。本発明においては、反応性有機ケイ素化合物を併用することによって、SiO2とも架橋によって結合され強い膜を形成し、得られたSiO2ゾルは、無色透明な液体であり、ポットライフが約1ヶ月の安定な溶液である。SiO2ゾルは、基材に対して濡れ性がよく、塗布性に優れている。
【0091】
反応性有機ケイ素化合物は、前記の反応性有機ケイ素化合物の他に、熱または電離放射線によって反応架橋する複数の基(活性エネルギー線反応性基)、例えば重合性二重結合基、を有する分子量3000以下の有機反応性化合物が好ましいものである。このような反応性有機ケイ素化合物は、片末端ビニル官能性ポリシラン、両末端ビニル官能性ポリシラン、片末端ビニル官能ポリシロキサン、両末端ビニル官能ポリシロキサン、あるいはこれらの化合物を反応させたビニル官能性ポリシラン、またはビニル官能性ポリシロキサン等下記化4に示す化合物、
【0092】
【化4】
Figure 0003932717
【0093】
その他、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)シラン、ジビニロキジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリアルコキシシラン、アクリロイルオキシエチルトリエトキシシラン、グリシジルオキシエチルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルオキシ−n−プロピルトリ−n−プロピルシラン、γ−メタクリロイルオキシ−n−プロピルトリ−n−プロピルシラン、ジ(γ−アクリロイルオキシ−n−プロピル)ジ−n−プロピルシラン、アクリロイルオキシジメトキシエチルシラン等を挙げることが出来る。
【0094】
以上の如き反応性有機ケイ素化合物は、前記SiO2ゾル(固形分)100重量部あたり約0.1〜50重量部の割合で使用することが出来ることが好ましい。
【0095】
上記ゾル溶液には、各種の添加剤を添加する事が出来る。添加剤としては、製膜を促進する硬化剤が用いられ、これらの硬化剤としては、酢酸ナトリウム、酢酸リチウム等の有機酸金属塩の酢酸、ギ酸等の有機酸溶液が挙げられる。該有機溶媒溶液の濃度は約0.01〜0.1重量%程度であり、ゾル溶液に対する添加量は、ゾル溶液中に存在するSiO2100重量部に対して上記有機酸塩として約0.1〜1重量部程度の範囲が好ましい。
【0096】
更に、最終的に得られるゲル膜は、反射防止フィルムの低屈折率層として使用するが、その屈折率の調整する必要がある場合もある。例えば、屈折率を下げるためにフッ素系有機ケイ素化合物、屈折率を高めるために有機ケイ素化合物、屈折率を更に高めるために硼素系有機化合物を添加することが出来る。具体的には、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラプロピオキシシラン、テトラブトキシシラン、アルキルトリアルコキシシラン、コルコート40(コルコート社製)、MS51(三菱化学社製)、スノーテックス(日産化学社製)、等の有機ケイ素化合物、ザフロンFC−110、220、250(東亜合成化学社製)、セクラルコートA−402B(セントラル硝子社製)、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等のフッ素系化合物、硼酸トリエチル、硼酸トリメチル、硼酸トリプロピル、硼酸トリブチル等の硼酸系化合物が挙げられる。これらの添加剤は、ゾルの調製時に加えてもよいし、ゾルの形成後に加えてもよい。これらの添加剤を用いることによって、アルキルケイ素アルコキシドまたはケイ素アルコキシドの加水分解時、あるいはその後にシラノール基と反応して、更に均一に反応して更に均一で透明なゾル溶液が得られ、且つ形成されるゲル膜の屈折率をある程度の範囲で変化させることが出来る。
【0097】
次に、上記フッ素含有樹脂、シリケートオリゴマーから形成される化合物、及びSiO2ゾルと反応性有機ケイ素化合物から形成される化合物から選ばれる少なくとも一つの低屈折率物質を含有する低屈折率層(前記本発明の高屈折率層の上に設けられている)に含有される本発明のエポキシ系活性エネルギー線反応性化合物について説明する。
【0098】
膜厚が非常に薄い低屈折率層は、またシリケートオリゴマーから形成される化合物やSiO2ゾルと反応性有機ケイ素化合物低屈折率層は、硬度が不足し、層表面が擦り傷あるいは引っ掻き傷に弱い。このような場合、一般的には、硬化膜を形成し易い活性エネルギー線照射架橋性のエチレン性不飽和化合物を層に含有させることが一般に行われるが、架橋性のエチレン性不飽和化合物は空気中の酸素の影響を受け易く、しかも膜厚が薄いため、エチレン性不飽和化合物の重合が阻害され易く、この方法ではあまり強靭な低屈折率層を得ることが出来ない。
【0099】
本発明の特徴は、硬度が不足し、擦り傷や引っ掻き傷に弱い低屈折率層にエポキシ系活性エネルギー線反応性化合物を含有させ、活性エネルギー線を照射することによって、硬度が高く、擦り傷、引っ掻き傷に対して強靭な低屈折率層を形成させることである。エポキシ系活性エネルギー線反応性化合物は、酸素の阻害を受け難いため迅速に重合し、膜厚が50〜200nm程度という薄さでも高硬度且つ強靭な被膜を形成することの出来る優れた活性エネルギー線反応性化合物である。
【0100】
本発明のエポキシ系活性エネルギー線反応性化合物は、分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物で、前記と同様の活性エネルギー線照射によりカチオン重合を開始物質として放出することが可能な化合物である。
【0101】
本発明に有用なエポキシ系活性エネルギー線反応性化合物としては、
(イ)ビスフェノールAのグリシジルエーテル(この化合物はエピクロルヒドリンとビスフェノールAとの反応により得られ、重合度の異なる混合物として得られる);
(ロ)ビスフェノールA等のフェノール性OHを2個有する化合物に、エピクロルヒドリン、エチレンオキサイド及び/またはプロピレンオキサイドを反応させ末端にグリシジルエーテル基を有する化合物;
(ハ)4,4′−メチレンビスフェノールのグリシジルエーテル;
(ニ)ノボラック樹脂あるいはレゾール樹脂のフェノールフォルムアルデヒド樹脂のエポキシ化合物;
(ホ)脂環式エポキシドを有する化合物。例えば、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)オキザレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−シクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルピメレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチル−シクロヘキシルメチル−3′,4′−エポキシ−1′−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチル−シクロヘキシルメチル−3′,4′−エポキシ−6′−メチル−1′−シクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5′,5′−スピロ−3″,4″−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン;
(ヘ)2塩基酸のジグリシジルエーテル、例えば、ジグリシジルオキザレート、ジグリシジルアジペート、ジグリシジルテトラヒドロフタレート、ジグリシジルヘキサヒドロフタレート、ジグリシジルフタレート;
(ト)グリコールのジグリシジルエーテル、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、コポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)ジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル;
(チ)ポリマー酸のグリシジルエステル、例えば、ポリアクリル酸ポリグリシジルエステル、ポリエステルジグリシジルエステル;
(リ)多価アルコールのグリシジルエーテル、例えば、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、グルコーズトリグリジルエーテル;
(ヌ)2−フルオロアルキル−1,2−ジオールのジグリシジルエーテルとしては、前記低屈折率物質のフッ素含有樹脂のフッ素含有エポキシ化合物に挙げた化合物例と同様のもの;
(ル)含フッ素アルカン末端ジオールグリシジルエーテルとしては、上記低屈折率物質のフッ素含有樹脂のフッ素含有エポキシ化合物に挙げた化合物例と同様のもの
等を挙げることが出来る。上記エポキシ化合物の分子量は、平均分子量として2000以下で、好ましくは1000以下である。
【0102】
上記のエポキシ化合物を活性エネルギー線により硬化する場合、より硬度を上げるためには、(チ)あるいは(リ)の多官能のエポキシ基を有する化合物を混合して用いると効果的である。
【0103】
エポキシ系活性エネルギー線反応性化合物をカチオン重合させる光重合開始剤または光増感剤は、活性エネルギー線照射によりカチオン重合開始物質を放出することが可能な化合物であり、特に好ましくは、照射によりカチオン重合開始能のあるルイス酸を放出するオニウム塩の一群の複塩である。これらについては、前記一般式(III)と同様であるので、ここでは省略する。
【0104】
本発明の低屈折率層及び高屈折率層を含む反射防止層と透明基材との間に、ハードコート層を設けることが好ましい。本発明で用いるハードコート層は、透明基材の上に、直に設層しても、ハロゲン化銀写真感光材料などに用いられる下引層の上に設層しても良い。
【0105】
本発明に用いるハードコート層には、紫外線照射等活性エネルギー線により硬化する活性エネルギー線硬化樹脂を含有することが好ましい。活性エネルギー線硬化樹脂は、前述の活性エネルギー線硬化樹脂と同様なものを用いることが出来る。活性エネルギー線の光源、照射量、光開始剤や光増感剤、それらの使用量、等についても前述と同様である。
【0106】
本発明で用いるハードコート層は、低反射性フィルムを得る為の光学設計上から屈折率が1.45〜1.65の範囲にあることが好ましい。またハードコート層の膜厚は2.0〜15.0μmの範囲にあることが好ましい。これは2.0μmに満たない膜厚では充分な耐久性、耐衝撃性が得られず、15.0μmを越える膜厚では屈曲性もしくは生産においての経済性等に問題が生じるためである。
【0107】
本発明の反射防止フィルムに用いられる透明基材としては、製造が容易であること、ハードコート層あるいは反射防止層等が接着し易いこと、光学的に等方性であること、光学的に透明性であること等が好ましい性質で、これらを有していれば何れでもよく、例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ノルボネン系フィルム、ポリアリレート系フィルム、及びポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム等が挙げられる。これらのうちセルローストリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンを含む)が好ましく、本発明においては、特にセルローストリアセテートフィルムが、製造上、コスト面、透明性、等方性、接着性等の面から好ましい。
【0108】
本発明の各層の組成物の塗布方法としては、ディッピング、スピンコート、ナイフコート、バーコート、ブレードコート、スクイズコート、リバースロールコート、グラビアロールコート、カーテンコート、スプレイコート、ダイコート等の公知の塗布方法を用いてことが出来、連続塗布または薄膜塗布が可能な塗布方法が好ましく用いられる。
【0109】
本発明の組成物を透明基材に塗布する際、塗布液中の固形分濃度や塗布量を調整することにより、層の膜厚および塗布均一性等をコントロールすることが出来る。また、組成物の塗布性を向上させるために、塗布液中に微量の界面活性剤等を添加してもよい。
【0110】
本発明の反射防止フィルムは多層の反射防止層からなる。反射防止フィルムは、透明基材上に、必要に応じてハードコート層を有し、その上に屈折率、膜厚、層の数、層順等反射防止層の目的とする光学特性を基に積層されて出来ている。反射防止層は、通常、透明基材よりも屈折率の高い高屈折率層と透明基材よりも屈折率の低い低屈折率層を組み合わせの構成からなっている。構成の例としては、透明基材側から高屈折率層/低屈折率層の2層の順のものや、屈折率の異なる3層を、中屈折率層(透明基材あるいはハードコート層よりも屈折率が高く、高屈折率層よりも屈折率の低い層)/高屈折率層/低屈折率層の順に積層されているもの等があり、さらに多くの反射防止層を積層するものも提案されている。なかでも、耐久性、光学特性、コストや生産性などから、ハードコート層を有する基材上に、高屈折率層/中屈折率層/低屈折率層の順に塗布することが好ましい構成である。
【0111】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の様態はこれに限定されない。
【0112】
【実施例】
実施例に用いた評価方法は、以下に示す評価方法で行なった。
【0113】
(屈折率、膜厚)
各層の屈折率と膜厚は、分光光度計(日立製作所U−4000)による分光反射率の測定より計算して算出した。反射防止層が塗布されていない側の透明基材面を粗面化した後、黒色のスプレーを用いて光吸収処理を行い、フィルム裏面での光の反射を防止して5度の正反射の条件にて反射率の測定を行う。
【0114】
(最低反射率)
分光光度計(日立製作所製U−4000型)を用い、同様にして可視光領域における最小の反射率を示すところの値を最低反射率とする。
【0115】
(接着性)
JIS K 5400に準拠した碁盤目試験を行った。具体的には、塗布面上に1mm間隔で縦、横に11本の切れ目をいれ、1mm角の碁盤目を100個つくった。この上にセロハンテープを貼り付け、90°の角度で素早く剥がし、剥がれずに残った碁盤目の数をGとし、G/100として%で表す。
【0116】
(硬度)
硬度JIS規格K5400に従って1kg荷重での鉛筆硬度で評価を行う。
【0117】
(耐久性)
高温高湿環境下での耐久性試験を行った。80℃、90%RHの条件に500時間暴露した後の接着性及び硬度の耐久性評価を行う。
【0118】
〔実施例1〕
《ハードコート層を有するセルローストリアセテートフィルム(以降、ハードコート層フィルムとする)の作製》
膜厚80μmのセルローストリアセテートフィルム(コニカ(株)製コニカタック80UVSH)(屈折率1.49)の片面にハードコート組成物を乾燥膜厚3.5μmとなるように塗布し、80℃にて5分間乾燥した。次に80W/cm高圧水銀灯を12cmの距離から4秒間照射して硬化させてハードコートフィルム−1を作製した。ハードコート層の屈折率は1.50であった。
【0119】
<ハードコート組成物>
Figure 0003932717
上記組成物を攪拌しながら、超音波分散した。
【0120】
《高屈折率層を有するフィルム(以降、高屈折率層フィルムとする)の作製》
前記ハードコート層の上に下記高屈折率層組成物−1及び−2をそれぞれハードコート層の上に、バーコーターで塗布し、80℃で5分間乾燥させた後、高圧水銀ランプ(80W)を用いて紫外線を300mJ/cm2照射て硬化させ、高屈折率層フィルム−1及び−2を作製した。なお、高屈折率層フィルム−1の高屈折率層の厚さは76nmで、屈折率は1.81で、高屈折率層フィルム−2の高屈折率層の厚さは78nmで、屈折率は1.80であった。
【0121】
<高屈折率層組成物−1>
Figure 0003932717
<高屈折率層組成物−2>
Figure 0003932717
《低反射フィルム−1の作製》
低屈折率層を有するフィルムを以降、低反射フィルムとする。
【0122】
前述の高屈折率層フィルム−1または2の上に、下記低屈折率層組成物−1それぞれバーコーターで塗布し、80℃で5分間乾燥させた後、高圧水銀灯(80W)を用いて紫外線を100mJ/cm2照射して硬化させ、低反射フィルム−1を作製した。
【0123】
<低屈折率層組成物−1>
Figure 0003932717
なお、上記フッ素含有樹脂として、下記の如くフッ素含有樹脂A〜Dを作製した。
【0124】
〈フッ素含有樹脂Aの合成〉
トリフルオロエチルアクリレート21g、とフッ素含有アクリルモノマー(ビスコート17F、大阪有機化学(株)製)59g、アゾ系重合開始剤(V65、和光純薬(株)製)870mg及びテトラヒドロフラン200mlの混合物を、65℃で2時間反応させ、その後80℃で1時間反応させてポリマー溶液を得た。この溶液を、メタノール2000mlで2回再沈殿による精製を行い、ポリマーを得た。ポリマーの収量は78gで、数平均分子量は9200(GPCによるポリスチレン換算)であった。
【0125】
〈フッ素含有樹脂Bの合成〉
フッ化ビニリデン45g、ヘキサフルオロプロピレン15gテトラフルオロエチレン15gに過酸化ベンゾイルを2g添加し、メチルイソブチルケトン0.5lに溶解し、80℃で2時間反応させた。メタノール1lで2回再沈殿による精製を行いポリマーを得た。ポリマーの収量は73gで、数平均分子量は18000(GPCによるポリスチレン換算)であった。
【0126】
〈フッ素含有樹脂Cの合成〉
4,4,4−トリフルオロ−1,2−ブタンジオールジグリシジルエーテル30g、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ウンデカフルオロ−1,2−オクタンジオールグリシジルエーテル70gに2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミンを1.4g添加したテトラヒドロフラン1lに溶解し、75℃で1時間反応させた。メタノール2lで2回再沈殿による精製を行い、ポリマーを得た。ポリマーの収量は98gで、数平均分子量は15500(GPCによるポリスチレン換算)であった。
【0127】
〈フッ素含有樹脂Dの合成〉
フッ化ビニリデン40g、フッ素含有アクリルモノマー(ビスコート17F、大阪有機化学(株)製)25g、テトラフルオロエチレン15g、グリシジルメタクリレート15g、グリシジルメタクリレート15gに過酸化ベンゾイルを2g添加したメチルイソブチルケトン0.5lに溶解し、80℃で2時間反応させた。メタノール1lで2回再沈殿による精製を行い、ポリマーを得た。ポリマーの収量は93gで、数平均分子量は15600(GPCによるポリスチレン換算)であった。
【0128】
《低反射フィルム−2〜16》
低屈折率層組成物を表1に示したものに代え、また低屈折率層組成物15及び16については、UV開始剤をジエトキシベンゾフェノンを0.5重量部に代えた以外は低屈折率層組成物−1と同様に、低屈折率層組成物−2〜16を調製した。低屈折率層組成物−2〜16を、高屈折率層フィルム−1あるいは2の上にそれぞれ、低反射フィルム−1と同様にして、低反射フィルム−2〜16を作製した。
【0129】
【表1】
Figure 0003932717
【0130】
上記低反射フィルム−1〜16を最低反射率、接着性、硬度及び耐久性を評価した結果を表2に示す。
【0131】
【表2】
Figure 0003932717
【0132】
(結果)
低屈折率物質としてフッ素含有樹脂を用い、エポキシ基を有する活性エネルギー線反応性化合物で硬化した本発明の低反射フィルムは、最低反射率が非常に小さく、優れた接着性、硬度、耐久性を示した。活性エネルギー線反応性化合物を加えなかった比較試料は接着性、硬度、耐久性が非常に劣っていた。また活性エネルギー線反応性化合物としてアクリレート類を用いたものも、接着性、硬度、耐久性共に本発明よりかなり劣っていた。
【0133】
〔実施例2〕
《低反射フィルム−20の作製》
実施例1の高屈折率層フィルム−1または2の上に下記、低屈折率層組成物−20をバーコーターで塗布し、80℃で5分間乾燥させた後、高圧水銀ランプ(80W)を用いて紫外線を400mJ/cm2照射して硬化させ、低反射フィルム−20を作製した。
【0134】
<低屈折率層組成物−20>
Figure 0003932717
上記シリケートオリゴマー溶液について、下記如くシリケートオリゴマー溶液A〜Dを調製した。
【0135】
〈シリケートオリゴマー溶液Aの調製〉
テトラエトキシシラン300g、エタノール450gに1.5%塩酸水溶液90gを室温で30分かけて添加した。滴下後、3時間撹拌してシリケートオリゴマー溶液Aを調製した。
【0136】
〈シリケートオリゴマー溶液Bの調製〉
テトラエトキシシラン300g、エタノール450gに1.5%塩酸水溶液90gを室温で30分かけて添加した。更に、エタノール100gに溶解したγ−グリシドキシロプロピルトリメトキシシラン60gを室温で15分かけて添加した。滴下後、3時間撹拌してシリケートオリゴマー溶液Bを調製した。
【0137】
〈シリケートオリゴマー溶液C及びDの調製〉
シリケートオリゴマー溶液Bのγ−グリシドキシロプロピルトリメトキシシランの代わりにβ−3,5−(エポキシシクロヘキシル)エチルトリメチルシラン、及びγ−グリシドキシロプロピルジエトキシシランに代えた以外はシリケートオリゴマーBと同様にそれぞれシリケートオリゴマー溶液C及びDを調製した。
【0138】
《低反射フィルム−21〜36の作製》
低屈折率層組成物を表3に示したものに代え、また低屈折率層組成物33及び34については、UV開始剤をジエトキシベンゾフェノンを0.5重量部に代えた以外は低屈折率層組成物−20と同様に、低屈折率層組成物−21〜36を調製した。低屈折率層組成物−21〜36を、高屈折率層フィルム−1あるいは2の上にそれぞれ、低反射フィルム−20と同様にして、低反射フィルム−21〜36を作製した。
【0139】
【表3】
Figure 0003932717
【0140】
低反射フィルム−20〜36を最小反射率、接着性、硬度耐久性の評価を行い下記表4に結果を示す。
【0141】
【表4】
Figure 0003932717
【0142】
(結果)
低屈折率物質として、シリケートオリゴマー溶液を使用し、エポキシ活性エネルギー線反応性化合物を用いた本発明の低反射フィルムは、最低反射率、接着性、硬度、耐久性とも優れていた。これに対して、活性エネルギー線反応性化合物としてアクリレート系のものを用いたものは接着性、硬度、耐久性は劣っていた。また、シリケートオリゴマー溶液を使用しなかったものは接着性、硬度、耐久性は優れているものの、最低反射率が大きかった。
【0143】
〔実施例3〕
《低反射フィルム−40の作製》
実施例1の高屈折率層フィルム−1の上に、下記、低屈折率層組成物−40をバーコーターを用いて塗布し、80℃で5分間乾燥させた後、高圧水銀ランプ(80W)を用いて紫外線を400mJ/cm2照射して硬化させ、低反射フィルム−40を作製した。
【0144】
<低屈折率層組成物−40の調製>
Figure 0003932717
《低反射フィルム−41〜56の作製》
低屈折率層組成物を表5に示したものに代え、また低屈折率層組成物−53及び54については、UV開始剤をジエトキシベンゾフェノンを0.5重量部に代え、また、低屈折率層組成物−55及び56についてはUV開始剤は添加しなかった以外は低屈折率層組成物−40と同様に、低屈折率層組成物−41〜56を調製した。低屈折率層組成物−41〜56を、高屈折率層フィルム−1あるいは2の上にそれぞれ、低反射フィルム−40と同様にして、低反射フィルム−41〜56を作製した。
【0145】
【表5】
Figure 0003932717
【0146】
低反射フィルム−40〜56について、最小反射率、接着性、硬度、耐久性について評価し、結果を表6に示した。
【0147】
【表6】
Figure 0003932717
【0148】
(結果)
低屈折率物質としてのSiO2ゾルと反応性有機ケイ素化合物を含有する組成物に更に活性エネルギー線反応性化合物としてのエポキシ活性エネルギー線反応性化合物を用いた本発明の低反射フィルムは、最低反射率も小さく、接着性、硬度、耐久性が優れていた。活性エネルギー線反応性化合物としてアクリル系化合物を用い、反応性有機ケイ素化合物としてビニル系化合物を用いたものは、硬度はやや良いものの接着性が劣っていた。エポキシ活性エネルギー線反応性化合物を添加しなかった低反射フィルムは、接着性、硬度、耐久性が本発明より劣っていることがわかった。また、SiO2ゾルだけで、活性エネルギー線反応性化合物も反応性有機ケイ素化合物も使用しなかったものは、接着性、硬度、耐久性が全て悪かった。
【0149】
【発明の効果】
金属アルコキシド、硬化した活性エネルギー線反応性化合物等を含有する高屈折率層の上に、フッ素含有樹脂、シリケートオリゴマーから形成される化合物、及びSiO2ゾルと反応性有機ケイ素化合物から形成される化合物から選ばれる少なくとも一つの低屈折率物質、エポキシ活性エネルギー線反応性化合物を含有する低屈折率層組成物を塗布し、紫外線などの活性エネルギー線を照射して硬化させることによって、反射率の小さな、接着性、硬度耐久性に優れた低反射フィルムを提供出来る。

Claims (11)

  1. 透明基材上に多層の反射防止層を逐次積層して反射防止フィルムを作製するに当たり、反射防止層のうち少なくとも1層を、活性エネルギー線反応性基を有しない金属アルコキシド及びその加水分解物から選ばれる少なくとも一つ、下記一般式(I)で表される活性エネルギー線反応性の金属アルコキシド化合物、該一般式(I)の化合物を除く活性エネルギー線反応性化合物及び有機溶媒を含有する高屈折率層組成物を塗布し、活性エネルギー線を照射して形成された高屈折率層と、この上に、低屈折率物質、エポキシ系活性エネルギー線反応性化合物及び有機溶媒を含有する低屈折率層組成物を塗布し低屈折率塗膜とした後に、活性エネルギー線を照射して低屈折率層を形成することを特徴とする反射防止フィルムの製造方法。
    一般式(I) M(R1m(R2n(OR3p
    ここで、Mは金属、Oは酸素原子、R1は活性エネルギー線反応性基で、ビニル基、イソプロペニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、グリシジル基を有する基を表し、R2は炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、R3は炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基または水素原子を表し、m+n+p=qで、qは金属の原子価で、q−1≧m≧1、q−1≧p≧1、q−1≧n≧0、であり、m、n及びpは正の整数を表す。
  2. 低屈折率物質が、フッ素含有樹脂、シリケートオリゴマーから形成される化合物、及びSiO2ゾルと反応性有機ケイ素化合物から形成されるものから選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  3. フッ素含有樹脂が、フッ素含有エチレン性不飽和単量体成分を主とする重合物及びフッ素含有エポキシ化合物単量体成分を主とする重合物から選ばれる少なくとの一つであることを特徴とする請求項2に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  4. シリケートオリゴマーが下記一般式(II)で示される化合物であることを特徴とする請求項2に記載の反射防止フィルムの製造方法。
    Figure 0003932717
    ここで、gは1〜20の整数、Rは水素,または炭素原子数の1〜4のアルキル基,炭素原子数1〜10のフッ素含有アルキル基、炭素原子数3〜6のシクロアルキル基、炭素原子数3〜6のフッ素含有シクロアルキル基、またはフェニル基であって、それぞれのRが同一の基であっても、異なった基であってもよい。
  5. シリケートオリゴマーがテトラアルコキシシランに触媒、水を添加し加水分解縮合して得られる部分加水分解物であることを特徴とする請求項4に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  6. 反応性有機ケイ素化合物が活性エネルギー線により硬化可能な複数の官能基を有す有機ケイ素化合物及びその加水分解物から選ばれる少なくとも一つの化合物であることを特徴とする請求項2に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  7. 反応性有機ケイ素化合物が、ビニル基、イソプロペニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、グリシジル基を有する化合物であることを特徴とする請求項6に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  8. 高屈折率層を設層する前に、透明基材と該層との間に、ハードコート層を設層することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  9. ハードコート層が活性エネルギー線反応性化合物を含有する組成物から形成され、該ハードコート層を活性エネルギー線照射により成膜することを特徴とする請求項8に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  10. 透明基材がセルローストリアセテートであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  11. 請求項1乃至10の何れか1項に記載の方法で製造された反射防止フィルム。
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