JP3932444B2 - 内燃機関の補機ユニットブロック - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、内燃機関の機関本体に着脱自在に装着される補機ユニットブロックに関し、特に冷却水ポンプハウジングとオイルフィルターケースとが一体的に形成されてなる補機ユニットブロックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の内燃機関では、冷却水ポンプ、オイルフィルター、オイルクーラ、潤滑油ポンプ等の補機は、それぞれ、別個に内燃機関のシリンダブロック等の機関本体に着脱自在に装着されるようになっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来の内燃機関においては、前記補機と内燃機関本体間や、または補機相互間を、冷却水や潤滑油等の流体を流通させるためのパイプ等で接続することを必要として部品点数が増加するだけでなく、流路全長が増大して流路抵抗が増加するため、コスト低減と性能向上に難点があり、しかも、各補機をそれぞれ機関本体に装着する手間がかかるという問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような難点を克服した内燃機関の補機構造の改良に係り、請求項1記載の発明は、内燃機関の機関本体に着脱自在に装着される補機ユニットブロックであって、
該補機ユニットブロックは、前記機関本体への当接締付け面を備えるとともに、該当接締付け面の下方に配置される冷却水ポンプハウジングと、前記当接締付け面より斜上方を指向する筒状オイルフィルターケースとを有し前記冷却水ポンプハウジングと前記筒状オイルフィルターケースとは相互に一体的に形成され、前記冷却水ポンプハウジングと前記筒状オイルフィルターケースとの間に、前記当接締付け面が配設され、該当接締付け面に、前記機関本体と潤滑油および冷却水の受け渡しを行う開口を有する合せ面が設けられ、前記当接締付け面周囲に締付けボス部が設けられ、前記当接締付け面と前記締付けボス部とを連結する補強リブ部が形成されたことを特徴とする。
【0005】
請求項1記載の発明は前述したように冷却水ポンプハウジングとオイルフィルターケースとは一体化されているため、冷却水ポンプとオイルフィルターとをそれぞれ別個に内燃機関本体に装着する必要がなくなり、組立性と保守整備性とが向上する。
【0006】
また、補機ユニットブロックの構成部分である冷却水ポンプのポンプハウジングとオイルフィルターの筒状オイルフィルターケースとの中間に、機関本体であるシリンダブロックに対する当接締付け面が配置されているため、内燃機関の運転に伴う振動や自動車の加減速による慣性力が働いても当接締付け面シリンダブロックに均一に当接することが可能となり、補機ユニットブロックはシリンダブロックに安定して強固に取り付けられる。そして、当接締付け面がポンプハウジングとオイルフィルターケースとの間に配設されることにより、補機ユニットブロックの重心が該当接締付け面近傍に配置され、該補機ユニットブロック振動や、内燃機関の運転に伴う振動荷重あるいは慣性力が前記当該締付け面に均一にかかる結果、補機ユニットブロックの締付け強度・剛性が向上し、締付け個所が削減可能になる。
さらに、冷却水ポンプハウジングとオイルフィルター間に、機関本体と潤滑油および冷却水の受け渡しを行う合せ面が設けられているため、冷却水および潤滑油の通路を短縮することができ、冷却水ポンプおよび潤滑油ポンプの負荷を軽減できるとともに、冷却水および潤滑油を円滑に循環させて補機の性能を向上させることができる。
【0007】
また、請求項1記載の発明によれば、当接締付け面周囲に締付けボス部が設けられ、当接締付け面と締付けボス部とを連結する補強リブ部が形成されることにより、該リブ部でもって、振動等に対する補機ユニットブロックの締付け強度・剛性を増大させることができる。さらに、開口の周囲のシール部分に均一な締付け力を働かせることができるため、該シール部分の密封性を大巾に向上させることができる。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の内燃機関の補機ユニットブロックにおいて、前記補機ユニットブロックにオイルクーラが設けられ、前記当接締付け面に設けられた複数のボルト孔の内の少なくとも1つのボルト孔が前記オイルクーラの配置側に配置されたことを特徴とする。
【0009】
そして、請求項2記載のように発明を構成することにより、前記オイルクーラの重力や慣性力を、該オイルクーラの配置側に配置されたボルト孔を貫通するボルトに負担させることができ、振動等に対する補機ユニットブロックの締付け強度・剛性を向上させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図1ないし、図13に図示された本願発明の一実施例を説明する。
【0011】
図1および図2に図示されるように、内燃機関1は、頭上カム軸型水冷式直列4気筒ストロークサイクル内燃機関であり、該内燃機関1は、そのクランク軸8の軸方向が自動車の車巾方向に指向した状態で、自動車に搭載され、該内燃機関1の車体右側(図2では左側)に補機の駆動系が配置されている。
【0012】
また、内燃機関1の機関本体2は、シリンダブロック3、シリンダヘッド4、ヘッドカバー5、ロアブロック6、およびオイルパン7でもって構成され、シリンダブロック3の上端にシリンダヘッド4およびヘッドカバー5が順次重ねられて一体に結合されるとともに、シリンダブロック3の下端にロアブロック6が一体に結合され、該ロアブロック6の下端にオイルパン7が一体に結合され、シリンダブロック3とロアブロック6との合せ面上にクランク軸8が図示されない主軸受を介して回転自在に支持されている。
【0013】
さらに、シリンダブロック3には、前記クランク軸8方向すなわち車巾方向に4個の図示されないシリンダボアが形成され、該シリンダボアにピストン(図示されず)が摺動自在に嵌装され、該ピストンと前記クランク軸8とは図示されないコンロッドでもって連結されており、ピストンの往復昇降でもってクランク軸8が回転駆動されるようになっている。
【0014】
さらにまた、内燃機関1を車体前方から見た図2に図示されるように、シリンダブロック3の前面(図1では右側)には、吸気マニホールド等からなる吸気装置9が配置され、シリンダブロック3の後面(図1で左側)には、排気マニホールド等からなる排気装置10が配置されている。なお、明細書中の前後左右は、自動車の前後左右を意味している。
【0015】
そして、前記吸気装置9の吸気弁(図示されず)および排気装置10の排気弁(図示されず)を開閉駆動するカム軸(図示されず)は、クランク軸8と平行な方向に指向してシリンダヘッド4に回転自在に枢支され、前記カム軸の右端(図1では手前側、図2では左側)に嵌着された図示されないドリブンスプロケットと、前記クランク軸8の右側に設けられたドライブスプロケットとに図示されないタイミングチェーンが架渡され、これらは機関本体2に着脱自在に取付けられるタイミングチェーンカバー11によって密閉されており、前記吸気弁および排気弁は、クランク軸8の回転に伴なって回転駆動されるカム軸によって通常の4ストロークサイクル内燃機関と同様に開閉駆動されるようになっている。
【0016】
また、シリンダヘッド4の右側前方(図1で手前側右側、図2で手前側左側)に位置して補機の1種である油圧式パワーステアリング用油圧ポンプ12がブラケット13を介してシリンダヘッド4に一体に装着され、ロアブロック6の右側前方に空調用コンプレッサ14がブラケット15を介して装着され、これら油圧式パワーステアリング用油圧ポンプ12、空調用コンプレッサ14の回転軸にそれぞれドリブンプーリ16、ドリブンプーリ17が嵌着され、前記クランク軸8の右端にドライブプーリ18が嵌着されている。
【0017】
さらに、油圧式パワーステアリング用油圧ポンプ12と空調用コンプレッサ14との中間に位置して、補機ユニットブロック20が後で詳細に説明されるように、シリンダブロック3に着脱自在に一体に装着され、該補機ユニットブロック20は、アルミニウム合金製で、図3に図示されるように、冷却水ポンプ21のポンプハウジング22とオイルフィルター24の筒状フィルターケース25とよりなり、両ポンプハウジング22および筒状フィルターケース25はダイキャスト等により一体鋳造されている。
【0018】
さらにまた、図3に図示されるように、補機ユニットブロック20には、前記オイルフィルター24で濾過された潤滑油を冷却するためのオイルクーラ27が着脱自在に装着されるとともに、該補機ユニットブロック20にサーモスタット28とテンショナー29とがそれぞれ着脱自在に装着されており、前記サーモスタット28は、冷却水温が所定水温以下の暖機運転時には、機関本体2より排出された冷却水をバイパス通路およびバイパス管75(図2参照)を介して機関本体2に還流させ、冷却水温が所定水温以上の暖機完了運転時には、機関本体2より排出された冷却水を図示されないラジエータやオイルクーラ27の冷却水通路を介して機関本体2に還流させるようになっている。
【0019】
また、図3に図示されるように、前記補機ユニットブロック20のポンプハウジング22に対向する筒状フィルターケース25の外側面には、上方支持腕30が一体に突設されるとともに、補機ユニットブロック20の筒状フィルターケース25に対向するポンプハウジング22の外側面に、左右1対の下方支持腕31が一体に突設されており、該上方支持腕30および下方支持腕31に交流発電機32のブラケット33およびブラケット34(図1参照)がそれぞれ当てがわれた状態で、これら上方支持腕30、ブラケット33と、下方支持腕31、ブラケット34とをそれぞれ貫通するボルト35、ボルト36でもって、交流発電機32は補機ユニットブロック20に着脱自在に装着されるようになっている。
【0020】
さらに、前記冷却水ポンプ21のポンプボディー23に回転自在に枢支された図示されないインペラと一体の回転軸に、図1に図示されるように、ドリブンプーリ37が一体に嵌着されるとともに、交流発電機32の回転軸にドリブンプーリ38が一体に嵌着され、テンショナー29にアイドラプーリ39が設けられ、前記クランク軸8と一体のドライブプーリ18と、ドリブンプーリ17、ドリブンプーリ37、ドリブンプーリ38、ドリブンプーリ16、アイドラプーリ39とに無端ベルト40が架渡されており、クランク軸8が回転すると、油圧式パワーステアリング用油圧ポンプ12、空調用コンプレッサ14、、冷却水ポンプ21、交流発電機32が一斉に回転駆動されるようになっている。
【0021】
次に、前記補機ユニットブロック20の具体的構造をさらに詳細に説明する。
【0022】
図3は、補機ユニットブロック20から冷却水ポンプ21のポンプボディー23と、オイルフィルター24のフィルターエレメント26およびフィルターキャップ41と、オイルクーラ27と、サーモスタット28と、テンショナー29と、交流発電機32とを取外した分解斜視図で、図4は補機ユニットブロック20の要部を図示した概略斜視図であり、冷却水ポンプ21の回転軸方向は、車巾方向に指向したクランク軸8の軸方向と平行しており、シリンダブロック3に対する補機ユニットブロック20の当接締付け部42の下方(図3,図7参照)に冷却水ポンプ21のポンプハウジング22が配置され、該当接締付け部42より斜前上方に指向してオイルフィルター24の筒状フィルターケース25が一体に形成され、図5に図示されるように、該ポンプハウジング22側の左右一対の下方支持腕31を相互に結合する連結リブ99と筒状フィルターケース25とは補強リブ44で一体に連結されている。
【0023】
また、補機ユニットブロック20の右側に位置した冷却水ポンプ21のポンプハウジング22には(図3で左側)、ポンプボディー23との間で冷却水吐出通路45を構成するための当接締付け壁部46が形成され、しかも補機ユニットブロック20の左側に位置してオイルクーラ27に対するオイルクーラ当接締付け壁部48(図4、図8参照)が形成されるとともに、該オイルクーラ当接締付け壁部48の下方に位置してサーモスタット28に対するサーモスタット当接締付け壁部50が形成され、図8に図示されるように、オイルクーラ当接締付け壁部48とサーモスタット当接締付け壁部50とを結合する補強リブ52が一体に形成されており、これら当接締付け壁部46、オイルクーラ当接締付け壁部48、サーモスタット当接締付け壁部50および補強リブ52でもって、ブロックにかかる荷重・負荷が分散され、冷却水ポンプ21のポンプハウジング22とオイルフィルター24の筒状フィルターケース25とがユニットとして強固なものとなっている。
【0024】
さらに、図6に図示されるように、シリンダブロック3に対する補機ユニットブロック20の当接締付け部42の端面に形成された当接締付け面43には、前記冷却水吐出通路45に連通する冷却水吐出口53が形成されるとともに、ロアブロック6とオイルパン7とで密閉された図示されないクランク室内のオイルポンプ(図示されず)のオイルの吐出通路に連通するオイル流入口54が、冷却水吐出口53の下方に位置して形成され、該オイル流入口54は、図12に図示されるように、補機ユニットブロック20内に形成されたオイル流入通路55を介して筒状フィルターケース25内の筒状空間56に連通されている。なおオイル流入通路55は図5に図示されるように、筒状フィルターケース25内の筒状空間56の中心よりも右側(図5では左側)に位置している。
【0025】
さらにまた、図5に図示されるように、補機ユニットブロック20内では、オイル流入通路55と平行かつオイル流入通路55より左側(図5では右側)で筒状空間56の中心に位置してオイル流出通路57が形成され、図9および図10に図示されるように、該オイル流出通路57は直角に分岐したオイル連通路58を介して図8に図示のオイル流出口59に連通されており、前記オイルポンプから吐出されたオイルは、オイル流入口54からオイル流入通路55を介して筒状空間56に流入し、フィルターエレメント26にて濾過されて、該フィルターエレメント26内のオイル導入孔60(図3参照)からオイル流出通路57、オイル連通路58(図9、図10参照)を介してオイル流出口59(図5、図8参照)に導かれるようになっている。
【0026】
しかも、オイルクーラ27内にて、冷却水により冷却されたオイルは、オイルクーラ当接締付け面49のオイル流入口61に導かれ、該オイル流入口61は、図4、図11に図示されるようにオイル連通通路62およびオイル流入通路63を介してシリンダブロック3のオイルギャラリー65に供給されるようになっている。
【0027】
そして、オイル流出通路57の下方延長部開口57aは、図9に図示されるように、シリンダブロック3の連通路66を介してクランク室67に連通されており、フィルターエレメント26が筒状フィルターケース25内に装着された場合には、オイル流出通路57と下方延長部開口57aとは、フィルターエレメント26の下部突片26aでもって遮断され、フィルターエレメント26が筒状フィルターケース25内から取出された場合には、オイル流出通路57と下方延長部開口57aとは連通されて、筒状フィルターケース25内のオイルはクランク室67内に排出されてオイルパン7上に溜まるようになっている。
【0028】
また、冷却水ポンプ21の冷却水吐出通路45は、前述したようにシリンダブロック3への当接締付け面43にて冷却水吐出口53に連通されるとともに、図6、図11に図示されるように冷却水連通路68を介してオイルクーラ当接締付け壁部48のオイルクーラ当接締付け面49にてオイルクーラ27への冷却水出口69に連通され、オイルクーラ27にてオイルと熱交換した冷却水を受入れる冷却水受入口70は、図4に図示されるように、冷却水連通路71とこれと直交する冷却水連通路72とを介して冷却水吸入通路73に連通され、該冷却水吸入通路73の一端は冷却水ポンプ21の吸入口に接続されるとともに該冷却水吸入通路73の他端はサーモスタット28のサーモスタット開口74に接続されている。
【0029】
さらに、サーモスタット28には、シリンダブロック3およびシリンダヘッド4の冷却水ジャケット(図示されず)を通過した冷却水をそのまま冷却水ポンプ21にもどすバイパス管75(図2参照)が接続されるとともに、図示されないラジエータの冷却水出口に接続されるホース(図示されず)を受入れる接続ジョイント76が設けられている。
【0030】
さらにまた、前記補機ユニットブロック20の当接締付け部42の当接締付け面43には、図6、図11および図12に図示されるように、前記冷却水吐出口53とオイル流入通路63との外周をそれぞれ囲むように、環状のOリング溝100,101が形成されるとともに、オイル流入口54とオイル流出通路57の下方延長部開口57aとの外周を囲むように、8字状のOリング溝102が形成され、これらOリング溝100,101,102に図示されない軟質合成樹脂製のOリングがそれぞれ嵌装されているようになっている。
【0031】
その次に、シリンダブロック3に対して補機ユニットブロック20が当接締付けられる構造について説明する。
【0032】
シリンダブロック3に補機ユニットブロック20が当接締付けられる当接締付け面43には、図6に図示されるように、オイル口64を挟んで上下に締付けボルト孔77、締付けボルト孔78が設けられるとともに、冷却水吐出口53の斜外側上方に位置した角部に締付けボルト孔79が設けられ、さらに、当接締付け面43より外れて、締付けボルト孔79と略同じ高さで反対側に締付けボルト孔80が設けられ、該締付けボルト孔80と略同じ巾位置で下端近くに締付けボルト孔81が設けられ、該締付けボルト孔81と略同じ高さでオイル流入口54の下方に位置して締付けボルト孔82が設けられており、これら6個の締付けボルト孔77、締付けボルト孔78、締付けボルト孔79、締付けボルト孔80、締付けボルト孔81、締付けボルト孔82をそれぞれ貫通する6本の図示されないボルトがシリンダブロック3のネジ孔に螺合締付けられることにより、補機ユニットブロック20がシリンダブロック3に一体に結合されるようになっている。
【0033】
また、締付けボルト孔80を囲む締付けボス部83から締付けボルト孔77に向って補強リブ86が形成されるとともに、該締付けボス部83から締付けボルト孔79に向って補強リブ87が形成され、締付けボルト孔81を囲む締付けボス部84から締付けボルト孔78に向って補強リブ88が形成されるとともに、該締付けボス部84から締付けボルト孔82を囲む締付けボス部85に向って補強リブ89が形成され、該締付けボス部85からオイル流入口54に向って補強リブ90が形成されている。
【0034】
さらに、オイルクーラ27が設けられている側には、図4、図5、図8に図示されるように、筒状フィルターケース25の左側中央部に筒状フィルターケース25の長手方向に沿った補強リブ91が筒状フィルターケース25からオイルクーラ当接締付け壁部48に向って形成されるとともに、補強リブ91から上方支持腕30に向って補強リブ92が形成され、図4、図8に図示されるようにサーモスタット当接締付け壁部50から下方支持腕31に向って補強リブ93が形成されている。
【0035】
最後にテンショナー29のテンショナー当接締付け部94について説明する。
【0036】
図10に図示されるように、オイルフィルター24の筒状フィルターケース25と補強リブ87との間にテンショナー当接締付け部94が形成され、図3に図示されるように、そのテンショナー当接締付け部94のテンショナー当接締付け面95にテンショナー29の端面29aが当接され、テンショナー29より突設された取付け支持腕96に取付けネジ97が貫通され、該取付けネジ97は筒状フィルターケース25に隣接した取付けボス部98に螺合締付けられるようになっている。
【0037】
図1ないし図13に図示された本願発明の一実施例では、前述したように、冷却水ポンプ21のポンプハウジング22とオイルフィルター24の筒状フィルターケース25とが一体化されているため、部品点数が削減されて小型軽量化が図られ、組立、保守・整備の際にも、シリンダブロック3への取付け取外しが簡単となり、大巾なコストダウンが可能になる。
【0038】
また、冷却水ポンプ21とオイルフィルター24とが一体化された補機ユニットブロック20にオイルクーラ27、サーモスタット28、テンショナー29、および交流発電機32が一体に取付けられるため、内燃機関1の補機全体がコンパクトにまとめられ、内燃機関1全体の小型化が可能となる。
【0039】
さらに、オイルフィルター24とオイルクーラ27とが隣接して配置されているため、オイル通路が短縮され、オイル流路抵抗が低下する。
【0040】
さらにまた、冷却水ポンプ21のインペラの回転軸線上に接近してサーモスタット28が配置されているため、冷却水通路が短縮されるとともに単純化され、冷却水流路抵抗が低下する。
【0041】
また、補機ユニットブロック20の構成部分である冷却水ポンプ21のポンプハウジング22とオイルフィルター24の筒状フィルターケース25との中間に、シリンダブロック3に対する当接締付け面43が配置されているため、内燃機関1の運転の伴なう振動や自動車の加減速による慣性力が働いても当接締付け面43がシリンダブロック3に均一に当接することが可能となり、補機ユニットブロック20はシリンダブロック3に安定して強固に取付けられうる。
【0042】
さらに、当接締付け面43における3個の締付けボルト孔77、締付けボルト孔78、締付けボルト孔79の内、オイルクーラ27に隣接して締付けボルト孔77が配置されているため、オイルクーラ27に加わる各種力を安定して強固に、締付けボルト孔77を貫通したボルトに負担させることができ、補機ユニットブロック20の締付け強度・剛性を増大させることができる。
【0043】
さらに、シリンダブロック3に当接する当接締付け面43に設けられた締付けボルト孔77,78,79の外に、締付けボルト孔79と略同じ高さで締付けボルト孔77,78寄りに位置した締付けボルト孔80と、締付けボルト孔77,78を挟んで締付けボルト孔80の反対側の下方に設けられた締付けボルト孔81と締付けボルト孔79側で締付けボルト孔81と略同じ高さの締付けボルト孔82とでもって、補機ユニットブロック20をシリンダブロック3に追加締付けるようにしたため、補機ユニットブロック20をさらに強固に安定してシリンダブロック3に結合することができる。
【0044】
さらにまた、締付けボルト孔77と締付けボルト孔80とを補強リブ86で補強結合し、締付けボルト孔79と締付けボルト孔80とを補強リブ87で補強結合し、締付けボルト孔78と締付けボルト孔81を補強リブ88で補強結合し、締付けボルト孔81と締付けボルト孔82を補強リブ89で補強結合し、締付けボルト孔82と当接締付け部42とを補強リブ90で補強結合したため、当接締付け部42に設けられた締付けボルト孔77,78,79を貫通してシリンダブロック3に螺合締付けられる図示されない3本のボルトに対し、当接締付け部42の外方に位置した締付けボルト孔80,81,82を貫通してシリンダブロック3に螺合締付けられる図示されないボルトも、同じ程度に補機ユニットブロック20をシリンダブロック3に締付ける役割を果させることができ、その結果、補機ユニットブロック20をシリンダブロック3に均等に当接結合することができる。
【0045】
そして、Oリング溝100,101,102にそれぞれ嵌装された図示されないOリングは、前記6個の締付けボルト孔77,78,79,80,81,82をそれぞれ貫通した締付けボルトでもって、それぞれ略均等に挟まれるため、冷却水吐出口53、オイル流入口54、オイル溝出通路下方延長部開口57aおよびオイル流入通路63は、それぞれ確実に密閉され、これらの冷却水通路中の冷却水や通路中のオイルが漏れることもなければ、相互に混合することもない。
【0046】
しかも、補機ユニットブロック20では、冷却水ポンプ21のポンプハウジング22と、オイルフィルター24の筒状フィルターケース25とは、当接締付け壁部46やオイルクーラ当接締付け壁部48およびサーモスタット当接締付け壁部50や、両オイルクーラ当接締付け壁部48、サーモスタット当接締付け壁部50を結合する補強リブ52や、2個の下方支持腕31を相互に結合する連結リブ99と筒状フィルターケース25とを結合する補強リブ44とで相互に補強結合されているため、補機ユニットブロック20は大重量の交流発電機32を強固に支持することができる。
【0047】
図1ないし図13に図示の実施例では、図6に図示されるように、オイル流入口54とオイル流出通路57の下方延長部開口57aとの外周のOリング溝102は8字状に囲んでいたが、図14に図示されるように、オイル流入口54とオイル流出口59の下方延長部開口57aとをそれぞれ別個に囲むように環状のOリング溝103,104を形成してもよく、この実施例では、このOリング溝103,104に嵌装されるOリングは通常市販されているOリングで足りる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の補機ユニットブロックを備えた内燃機関の右側面図である。
【図2】図1に図示の内燃機関の正面図である。
【図3】図1に図示の補機ユニットブロックの分解斜視図である。
【図4】図3に図示の補機ユニットブロックの概略斜視図である。
【図5】図3に図示の補機ユニットブロックの正面図である。
【図6】図3に図示の補機ユニットブロックの背面図である。
【図7】図3に図示の補機ユニットブロックの右側面図である。
【図8】図3に図示の補機ユニットブロックの左側面図である。
【図9】図5のIX-IX線に沿って裁断された縦断面図である。
【図10】図5のX-X線に沿って裁断された縦断面図である。
【図11】図6のXI-XI線に沿って裁断された縦断面図である。
【図12】図6のXII-XII線に沿って裁断された縦断面図である。
【図13】図8のXIII-XIII線に沿って裁断された縦断面図である。
【図14】他の実施例の補機ユニットブロックの背面図である。
【符号の説明】
1…内燃機関、2…機関本体、3…シリンダブロック、4…シリンダヘッド、5…ヘッドカバー、6…ロアブロック、7…オイルパン、8…クランク軸、9…吸気装置、10…排気装置、11…タイミングチェーンカバー、12…油圧式パワーステアリング用油圧ポンプ、13…ブラケット、14…空調用コンプレッサ、15…ブラケット、16…ドリブンプーリ、17…ドリブンプーリ、18…ドライブプーリ、20…補機ユニットブロック、21…冷却水ポンプ、22…ポンプハウジング、23…ポンプボディー、24…オイルフィルター、25…筒状フィルターケース、26…フィルターエレメント、27…オイルクーラ、28…サーモスタット、29…テンショナー、30…上方支持腕、31…下方支持腕、32…交流発電機、33…ブラケット、34…ブラケット、35…ボルト、36…ボルト、37…ドリブンプーリ、38…ドリブンプーリ、39…アイドラプーリ、40…無端ベルト、41…フィルターキャップ、42…当接締付け部、43…当接締付け面、44…補強リブ、45…冷却水吐出通路、46…当接締付け壁部、47…当接締付け面、48…オイルクーラ当接締付け壁部、49…オイルクーラ当接締付け面、50…サーモスタット当接締付け壁部、51…サーモスタット当接締付け面、52…補強リブ、53…冷却水吐出口、54…オイル流入口、55…オイル流入通路、56…筒状空間、57…オイル流出通路、58…オイル連通路、59…オイル流出口、60…オイル導入孔、61…オイル流入口、62…オイル連通通路、63…オイル流入通路、64…オイル口、65…オイルギャラリー、66…連通路、67…クランク室、68…冷却水連通路、69…冷却水出口、70…冷却水受入口、71…冷却水連通路、72…冷却水連通路、73…冷却水吸入通路、74…サーモスタット開口、75…バイパス管、76…接続ジョイント、77,78,79,80,81,82…締付けボルト孔、83,84,85…締付けボス部、86,87,88,89,90,91,92,93…補強リブ、94…テンショナー当接締付け部、95…テンショナー当接締付け面、96…取付け支持腕、97…取付けネジ、98…取付けボス部、99…連結リブ、100,101,102,103,104…Oリング溝。

Claims (2)

  1. 内燃機関の機関本体に着脱自在に装着される補機ユニットブロックであって、
    該補機ユニットブロックは、前記機関本体への当接締付け面を備えるとともに、該当接締付け面の下方に配置される冷却水ポンプハウジングと、前記当接締付け面より斜上方を指向する筒状オイルフィルターケースとを有し前記冷却水ポンプハウジングと前記筒状オイルフィルターケースとは相互に一体的に形成され、
    前記冷却水ポンプハウジングと前記筒状オイルフィルターケースとの間に、前記当接締付け面が配設され、
    該当接締付け面に、前記機関本体と潤滑油および冷却水の受け渡しを行う開口を有する合せ面が設けられ、
    前記当接締付け面周囲に締付けボス部が設けられ、前記当接締付け面と前記締付けボス部とを連結する補強リブ部が形成された
    ことを特徴とする内燃機関の補機ユニットブロック。
  2. 前記補機ユニットブロックにオイルクーラが設けられ、前記当接締付け面に設けられた複数のボルト孔の内の少なくとも1つのボルト孔が前記オイルクーラの配置側に配置されたことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の補機ユニットブロック。
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