JP3932190B2 - ディーゼルエンジンのdme燃料供給装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、DME(ジメチルエーテル)を燃料としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンによる大気汚染対策として、軽油の代わりに排気がクリーンなDME(ジメチルエーテル)を燃料とするものが注目されている。DME燃料は、従来の燃料である軽油と違って液化ガス燃料である。つまり、軽油と比較して沸点温度が低く、大気圧下で軽油が常温において液体であるのに対して、DMEは、常温において気体となる性質を有している。そのため、DME燃料を使用したディーゼルエンジンは、ディーゼルエンジン停止後に噴射系内に残留しているDME燃料が、燃料噴射ノズルのノズルシート部からディーゼルエンジンのシリンダ内に漏れて気化し、シリンダ内に気化したDME燃料が充満することによって、次にディーゼルエンジンを始動する際にノッキング等の異常燃焼が生じて、ディーゼルエンジンの始動が正常に行えず大きな振動や騒音が発生する虞がある。
【0003】
そこで、ディーゼルエンジン停止後にDME燃料供給装置の噴射系内に残留しているDME燃料を、いわゆるアスピレータによる吸引手段で燃料タンクに回収することで、ディーゼルエンジン停止後にDME燃料供給装置の噴射系内に残留しているDME燃料によって、次にディーゼルエンジンを始動する際にノッキング等の異常燃焼が生じることを防止することができる。アスピレータとは、ポンプ等の吸引駆動力源によりDME燃料を吸引するのではなく、本来はDME燃料を送出するためのインジェクションポンプを駆動源として環状のDME燃料の流れを構成し、そのDME燃料の流れによる吸引力によってDME燃料を吸引するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ディーゼルエンジン停止後にDME燃料供給装置の噴射系内に残留しているDME燃料をアスピレータ等による吸引手段で燃料タンクへ吸引しようとしても、短時間で噴射系内に残留している全てのDME燃料を吸引することは困難である。これは、アスピレータによる吸引力が弱く、また、ディーゼルエンジン停止時には、噴射系と燃料タンクとの間の連通が遮断され、噴射系が密閉状態に近い状態になっているため、気化したDME燃料を吸引することしかできないからである。つまり、DME燃料供給装置の噴射系内に残留しているDME燃料が、ディーゼルエンジンの余熱や自然気化によって全て気化してしまうまでは、DME燃料供給装置の噴射系内に残留しているDME燃料を全て回収することができないことになる。
【0005】
そのため、DME燃料供給装置の噴射系内に残留しているDME燃料を全て回収するのに、ある程度の時間を要することになり、例えば、最近の都市部の信号交差点におけるアイドリングストップ等のような短時間のディーゼルエンジン停止時に、DME燃料供給装置の噴射系内に残留しているDME燃料を全て回収することができず、ディーゼルエンジンを始動する際にノッキング等の異常燃焼が生じてしまう虞がある。
【0006】
本願発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、ディーゼルエンジンのDME燃料供給装置において、ディーゼルエンジン停止後に噴射系内のDME燃料を燃料タンクに回収する時間を短縮することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本願請求項1に記載の発明は、燃料タンクからフィードパイプを経由して供給されたDME燃料を、所定のタイミングで所定の量だけディーゼルエンジンの燃料噴射ノズルに連通しているインジェクションパイプへ送出するインジェクションポンプと、該インジェクションポンプからオーバーフローした前記DME燃料を前記燃料タンクへ戻すためのオーバーフロー燃料パイプと、前記燃料噴射ノズルからオーバーフローした前記DME燃料を前記オーバーフロー燃料パイプへ連通させるノズルリターンパイプと、前記ディーゼルエンジン停止後、前記インジェクションポンプの油溜室内、前記ノズルリターンパイプ内、及び前記オーバーフロー燃料パイプ内に残留している前記DME燃料を、前記燃料タンクへ回収可能な残留燃料回収手段とを備えたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置であって、前記ディーゼルエンジンの潤滑系と分離された専用潤滑系となっている前記インジェクションポンプのカム室内の潤滑油に混入した前記DME燃料を分離するオイルセパレータと、該オイルセパレータにて分離した前記DME燃料を加圧して前記燃料タンクへ送出するコンプレッサーと、前記オイルセパレータと前記コンプレッサーとの間に配設された低圧タンクと、該低圧タンクと前記オーバーフロー燃料パイプとを連通させるパージパイプと、該パージパイプを開閉可能なパージパイプ開閉電磁弁とを備える、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置である。
【0008】
前述したように、前記DME燃料は、常温で気体となる性質を有しており、かつ粘性も低いことからインジェクションポンプ内において、インジェクションポンプエレメントのプランジャからカム室内にDME燃料が漏れ出てしまう。そこで、インジェクションポンプのカム室をディーゼルエンジンの潤滑系と分離した専用潤滑系とし、カム室内に漏れ出て潤滑油に混入したDME燃料をオイルセパレータで分離してコンプレッサーで燃料タンクへ送出する。それによって、カム室に漏れ出たDME燃料に引火する虞をなくすことができる。
【0009】
一方、ディーゼルエンジン停止時には、油溜室、ノズルリターンパイプ、及びオーバーフロー燃料パイプ(以下、噴射系とする)に残留しているDME燃料が気化してディーゼルエンジンの燃料噴射ノズル内に充満し、ディーゼルエンジンの始動時に異常燃焼を起こすことを防止するために、噴射系に残留しているDME燃料を残留燃料回収手段によって燃料タンクへ回収する。しかし、前述したように、ディーゼルエンジン停止後にDME燃料供給装置の噴射系内に残留しているDME燃料をアスピレータ等による吸引手段で燃料タンクへ吸引しようとしても、短時間で噴射系内に残留している全てのDME燃料を吸引することは困難であるため、DME燃料供給装置の噴射系内に残留しているDME燃料を全て回収するのに、ある程度の時間を要することになってしまう。
【0010】
前述したオイルセパレータとコンプレッサーとの間に低圧タンクが設けられているので、低圧タンク内は、コンプレッサーの吸引力によって低圧な状態に維持される。また、低圧タンクとオーバーフロー燃料パイプとを連通させるパージパイプ、及びそのパージパイプを開閉可能なパージパイプ開閉電磁弁とを備えている。そこで、パージパイプ開閉電磁弁を開制御し、パージパイプを介して噴射系を低圧タンクへ連通させると、コンプレッサーの吸引力で低圧に維持されている低圧タンク内の負圧によって、噴射系に残留しているDME燃料の一部を吸引して低圧タンク内に回収することができる。したがって、残留燃料回収手段とは異なる経路で、噴射系に残留しているDME燃料の一部を回収することができるので、残留燃料回収手段の負荷が軽減され、それによって、残留燃料回収手段によるDME燃料の回収時間を短縮することができる。
【0011】
これにより、本願請求項1に記載の発明に係るディーゼルエンジンのDME燃料供給装置によれば、コンプレッサーの吸引力で低圧に維持されている低圧タンク内の負圧によって、噴射系に残留しているDME燃料の一部を吸引して低圧タンク内に回収することができるので、残留燃料回収手段によって噴射系に残留しているDME燃料を燃料タンクへ回収する時間を短縮することができるという作用効果が得られる。
【0012】
本願請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記オイルセパレータ側の圧力を保持するとともに、前記低圧タンクから前記オイルセパレータ側へ前記DME燃料が逆流することを防止する逆止弁が、前記オイルセパレータと前記低圧タンクとの間に配設されている、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置である。
【0013】
このように、逆止弁によって、オイルセパレータ側、つまりインジェクションポンプのカム室内が所定の圧力に維持されるとともに、低圧タンクからオイルセパレータ側へDME燃料が逆流することを防止することができるので、カム室内を大気圧より高圧に維持することができ、カム室内が大気圧以下になってインジェクションポンプ内に大気が侵入してしまうことを防止することができる。
【0014】
これにより、本願請求項2に記載の発明に係るディーゼルエンジンのDME燃料供給装置によれば、本願請求項1に記載の発明による作用効果に加えて、オイルセパレータと低圧タンクとの間に配設されている逆止弁によって、カム室内を大気圧より高圧に維持したまま低圧タンク内を低圧にすることができるという作用効果が得られる。
【0015】
本願請求項3に記載の発明は、燃料タンクからフィードパイプを経由して供給されたDME燃料を、所定のタイミングで所定の量だけディーゼルエンジンの燃料噴射ノズルに連通しているインジェクションパイプへ送出するインジェクションポンプと、該インジェクションポンプからオーバーフローした前記DME燃料を前記燃料タンクへ戻すためのオーバーフロー燃料パイプと、前記燃料噴射ノズルからオーバーフローした前記DME燃料を前記オーバーフロー燃料パイプへ連通させるノズルリターンパイプと、前記ディーゼルエンジン停止後、前記インジェクションポンプの油溜室内、前記ノズルリターンパイプ内、及び前記オーバーフロー燃料パイプ内に残留している前記DME燃料を、前記燃料タンクへ回収可能な残留燃料回収手段とを備えたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置であって、前記ディーゼルエンジンの潤滑系と分離された専用潤滑系となっている前記インジェクションポンプのカム室内の潤滑油に混入した前記DME燃料を分離するオイルセパレータと、該オイルセパレータにて分離した前記DME燃料を加圧して前記燃料タンクへ送出するコンプレッサーと、前記コンプレッサーの吸入口に接続された低圧タンクと、該低圧タンクと前記オーバーフロー燃料パイプとを連通させるパージパイプと、該パージパイプを開閉可能なパージパイプ開閉電磁弁とを備える、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置である。
【0016】
前述したように、前記DME燃料は、常温で気体となる性質を有しており、かつ粘性も低いことからインジェクションポンプ内において、インジェクションポンプエレメントのプランジャからカム室内にDME燃料が漏れ出てしまう。そこで、インジェクションポンプのカム室をディーゼルエンジンの潤滑系と分離した専用潤滑系とし、カム室内に漏れ出て潤滑油に混入したDME燃料をオイルセパレータで分離してコンプレッサーで燃料タンクへ送出する。それによって、カム室に漏れ出たDME燃料に引火する虞をなくすことができる。
【0017】
このコンプレッサーの吸入口に低圧タンクが連結されているので、低圧タンク内は、コンプレッサーの吸引力によって低圧な状態に維持される。そして、パージパイプ開閉電磁弁を開制御してパージパイプを介して噴射系を低圧タンクへ連通させると、コンプレッサーの吸引力で低圧に維持されている低圧タンク内の負圧によって、オーバーフロー燃料パイプを介して噴射系に残留しているDME燃料の一部を吸引して低圧タンク内に回収することができる。そして、低圧タンク内に回収されたDME燃料は、コンプレッサーに吸引されて気化しながら燃料タンクへ送出される。
【0018】
このように、オイルセパレータにてカム室内の潤滑油から分離されたDME燃料を燃料タンクへ送出するコンプレッサーを利用して低圧に維持されている低圧タンク内の負圧によって、噴射系に残留しているDME燃料の一部を吸引して低圧タンク内に回収することができるので、残留燃料回収手段とは異なる経路で、噴射系に残留しているDME燃料の一部を合理的に回収することができる。したがって、残留燃料回収手段の負荷が軽減されるので、残留燃料回収手段によって噴射系に残留しているDME燃料を燃料タンクへ回収する時間をさらに短縮することができるという作用効果が得られる。
【0019】
本願請求項4に記載の発明は、請求項3において、前記低圧タンク内の圧力を保持する逆止弁が、前記コンプレッサーと前記低圧タンクとの間に配設されている、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置である。
【0020】
このように、逆止弁によって低圧タンク内が所定の圧力に維持されるので、コンプレッサーに吸引されて低圧状態になる低圧タンク内を常に低圧に維持することができるという作用効果が得られる。
【0021】
本願請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項において、前記ディーゼルエンジン停止後、前記残留燃料回収手段によって前記油溜室内、前記ノズルリターンパイプ、及び前記オーバーフロー燃料パイプ内に残留している前記DME燃料を前記燃料タンクへ回収する動作を所定時間実行した後、前記パージパイプ開閉電磁弁を開き、前記残留燃料回収手段にて回収しきれなかった前記DME燃料を前記低圧タンクの負圧によって回収する制御を実行するDME燃料回収制御部を備える、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置である。
【0022】
本願請求項5に記載の発明に係るディーゼルエンジンのDME燃料供給装置によれば、本願請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明による作用効果に加えて、DME燃料回収制御部は、残留燃料回収手段によって噴射系内に残留しているDME燃料を回収した後、低圧タンクと噴射系とを連通させることで、残留燃料回収手段にて回収しきれなかった噴射系内のDME燃料を低圧タンクの負圧によって一気に回収することができるので、残留燃料回収手段及び低圧タンクによる噴射系のDME燃料の回収動作を最も効果的かつ効率的に実行することができるという作用効果が得られる。
【0023】
本願請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項において、前記フィードパイプが連結されている前記油溜室の入口側と、前記燃料タンク内の気相とを連結する気相圧力送出パイプと、該気相圧力送出パイプの開閉を行う気相圧力送出パイプ開閉電磁弁とを備える、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置である。
【0024】
ディーゼルエンジン停止後に気相圧力送出パイプ開閉電磁弁を開くことによって、燃料タンク内の気相と油溜室の入口側とが気相圧力送出パイプによって連通するので、油溜室に燃料タンク内の気相の圧力が作用することになる。燃料タンク内の気相は、気化したDME燃料が油溜室内よりも高圧な状態で存在している。したがって、燃料タンク内の気相の圧力によって、噴射系内に残留している液体状態のDME燃料を残留燃料回収手段へ強制的に圧送することができる。
【0025】
これにより、本願請求項6に記載の発明に係るディーゼルエンジンのDME燃料供給装置によれば、本願請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明による作用効果に加えて、燃料タンク内の気相の圧力によって、噴射系内に残留している液体状態のDME燃料を残留燃料回収手段へ強制的に圧送することができるので、残留燃料回収手段によって噴射系内に残留しているDME燃料を燃料タンクへ回収する時間をさらに短縮することができるという作用効果が得られる。
【0026】
本願請求項7に記載の発明は、請求項6において、前記気相圧力送出パイプは、該気相圧力送出パイプの内径が部分的に狭くなっている絞り部を有している、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置である。
【0027】
燃料タンク内の気相から送出される気化したDME燃料は、絞り部によって圧縮され、さらに高圧になるので、油溜室内及びオーバーフロー燃料パイプ内に残留している液体状態のDME燃料を、さらに高い圧力で残留燃料回収手段へ圧送することができる。
【0028】
これにより、本願請求項7に記載の発明に係るディーゼルエンジンのDME燃料供給装置によれば、本願請求項6に記載の発明による作用効果に加えて、噴射系内に残留している液体状態のDME燃料を、さらに高い圧力で残留燃料回収手段へ圧送することができるので、噴射系内に残留しているDME燃料を燃料タンクへ回収する時間をさらに短縮することができるという作用効果が得られる。
【0029】
本願請求項8に記載の発明は、請求項7において、前記燃料タンク内の前記DME燃料を所定の圧力に加圧し、前記フィードパイプへ送出するフィードポンプを備え、前記残留燃料回収手段は、前記フィードパイプと前記オーバーフロー燃料パイプとの間に配設されたアスピレータによって、前記フィードポンプから送出された前記DME燃料を、そのまま前記燃料タンクへ環流させ、前記油溜室内、及び前記オーバーフロー燃料パイプ内に残留している前記DME燃料が、環流する前記DME燃料に吸引されて、前記燃料タンクへ回収される構成を成している、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置である。
【0030】
前述したように、アスピレータは、ポンプ等の吸引駆動力源によりDME燃料を吸引するのではなく、本来はDME燃料を送出するためのインジェクションポンプを駆動源として環状のDME燃料の流れを構成し、そのDME燃料の流れによる吸引力によって、噴射系内に残留しているDME燃料を吸引する。つまり、ポンプ等の吸引駆動力源と比較して吸引力が弱いので、噴射系内に気化した状態で残留しているDME燃料しか吸引できない。
【0031】
したがって、本願請求項8に記載の発明に係るディーゼルエンジンのDME燃料供給装置によれば、気化する前の液体状態のDME燃料を、アスピレータへ強制的に圧送することができるので、本願請求項7に記載の発明による作用効果を特に効果的に得ることができるものである。
【0032】
本願請求項9に記載の発明は、請求項8において、前記残留燃料回収手段は、前記フィードパイプの送出口を前記アスピレータの環流流路の入口側と前記油溜室の入口側とのいずれか一方に切り換えて連通させる第1の電磁弁と、前記アスピレータの吸入口と前記油溜室及び前記オーバーフロー燃料パイプとの間の開閉を行う第2の電磁弁とを有し、前記DME燃料回収制御部は、前記ディーゼルエンジン停止後、前記第1の電磁弁の連通を前記アスピレータの入口側に切り換え、前記第2の電磁弁を開いて、前記フィードポンプから送出された前記DME燃料を前記燃料タンクへ環流させる流路を構成するとともに、前記気相圧力送出パイプ開閉電磁弁を開き、所定時間経過後に前記気相圧力送出パイプ開閉電磁弁のみを閉じる制御を所定時間実行する、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置である。
【0033】
第1の電磁弁及び第2の電磁弁の開閉動作によって、燃料タンク内のDME燃料がアスピレータの入口から出口へ流れた後に再び燃料タンク内に戻る環状のDME燃料の流れを構成する。同時に、気相圧力送出パイプ開閉電磁弁を開き、燃料タンク内の気相の圧力によって、噴射系内に残留している液体状態のDME燃料を残留燃料回収手段へ強制的に圧送する。そして、所定時間経過後に気相圧力送出パイプ開閉電磁弁のみを閉じることによって、噴射系内を低圧な状態に維持する。つまり、噴射系内に液体状態で残留しているDME燃料を気相の圧力によって圧送した後、気相圧力送出パイプ開閉電磁弁のみを閉じる。それによって、噴射系内が低圧な状態に維持され、圧送できずにわずかに残ってしまった液体状態のDME燃料の気化を促進することができる。したがって、より短時間で、噴射系内のDME燃料を燃料タンクへ回収することができる。
【0034】
これにより、本願請求項9に記載の発明に係るディーゼルエンジンのDME燃料供給装置によれば、本願請求項8に記載の発明による作用効果に加えて、圧送できなかった液体状態のDME燃料の気化を促進することができるので、残留燃料回収手段によって、噴射系内に残留しているDME燃料を燃料タンクへ回収する時間をさらに短縮することができるという作用効果が得られる。
【0035】
本願請求項10に記載の発明は、請求項9において、前記DME燃料回収制御部は、前記第2の電磁弁を閉じた後、前記パージパイプ開閉電磁弁を開く手段を有している、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置である。
【0036】
ディーゼルエンジン停止後、第1の電磁弁の連通をアスピレータの入口側に切り換え、前記第2の電磁弁を開いて燃料タンク内のDME燃料がアスピレータの入口から出口へ流れた後に再び燃料タンク内に戻る環状のDME燃料の流れを構成して、油溜室内及びオーバーフロー燃料パイプ内に残留しているDME燃料をアスピレータの吸引口から吸引して燃料タンクへ回収する。つづいて、このアスピレータによる残留燃料の吸引を一定時間行って残留燃料がまだ残っている状態で、第2の電磁弁を閉じてアスピレータの吸引口を閉じる。そして、前述したパージパイプ開閉電磁弁を開いて低圧タンクとオーバーフロー燃料パイプとを連通させ、低圧タンクの負圧によって残りの残留燃料を一気に吸引する。このように、アスピレータで噴射系に残留しているDME燃料をある程度燃料タンクへ回収した後、低圧タンクの負圧によってアスピレータで回収しきれなかった残りの残留燃料を一気に回収することができるので、ディーゼルエンジン停止後に噴射系に残留しているDME燃料の回収時間をさらに短縮することができるという作用効果が得られる。
【0037】
本願請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれか1項において、前記DME燃料を冷却媒体とする冷却サイクルによって前記フィードパイプに流れる前記DME燃料を冷却する燃料冷却器と、前記インジェクションポンプ内の前記DME燃料の温度を検出する温度検出手段と、該温度検出手段にて検出した前記インジェクションポンプ内の温度に基づいて、前記インジェクションパイプへ送出される前記DME燃料の温度が一定になる如く、前記燃料冷却器を制御して前記フィードパイプに流れる前記DME燃料の温度を制御する供給燃料温度制御部を備える、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置である。
【0038】
このように、温度検出手段にて検出したインジェクションポンプ内の温度に基づいて、インジェクションパイプへ送出されるDME燃料の温度が一定になる如く、供給燃料冷却装置を制御してフィードパイプに流れるDME燃料の温度を制御することによって、油溜室内のDME燃料の温度を一定の温度に制御することができる。
【0039】
これにより、本願請求項11に記載の発明に係るディーゼルエンジンのDME燃料供給装置によれば、本願請求項1〜10のいずれか1項に記載の発明による作用効果に加えて、油溜室内のDME燃料の温度を一定の温度に制御することができるので、油溜室のDME燃料の温度を一定に維持することができ、それによって、DME燃料の噴射量の温度補正を行わずにDME燃料の噴射特性を安定させることができるという作用効果が得られる。
【0040】
本願請求項12に記載の発明は、請求項11において、前記供給燃料冷却装置は、前記DME燃料を冷却媒体とした燃料冷却器と、前記冷却媒体としての前記DME燃料を前記燃料タンクから前記燃料冷却器へ供給する冷却媒体供給パイプと、該冷却媒体供給パイプを開閉可能な冷却媒体供給パイプ開閉電磁弁とを備え、前記燃料冷却器にて前記冷却媒体供給パイプに流れる前記DME燃料を気化させ、前記DME燃料が気化することによる気化熱を利用して前記フィードパイプに流れる前記DME燃料を冷却する構成を成しており、前記供給燃料温度制御部が前記冷却媒体供給パイプ開閉電磁弁を開閉制御することによって制御される、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置である。
【0041】
前述したように、DME燃料は、常温で気体となる性質を有しているので、DME燃料を冷却媒体とした冷却サイクルを構成し、DME燃料が気化することによる気化熱を利用してフィードパイプ内のDME燃料を冷却することができる。つまり、DME燃料の冷却媒体としての優れた特性を有効利用した燃料冷却器によってフィードパイプ内のDME燃料を冷却するので、供給燃料冷却装置を合理的に構成することができる。
【0042】
これにより、本願請求項12に記載の発明に係るディーゼルエンジンのDME燃料供給装置によれば、本願請求項11に記載の発明による作用効果に加えて、DME燃料の冷却媒体としての優れた特性を有効利用した燃料冷却器によって、供給燃料冷却装置を合理的に構成することができるので、ディーゼルエンジンのDME燃料供給装置のコストを低減させることができるという作用効果が得られる。
【0043】
本願請求項13に記載の発明は、請求項12において、前記燃料タンクから前記燃料冷却器へ供給されて気化した前記DME燃料は、前記コンプレッサーへ送出される、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置である。
【0044】
このように、燃料冷却器へ供給されて気化したDME燃料が、コンプレッサーへ送出される構成を成していることによって、オイルセパレータにて潤滑油と分離されてDME燃料と、燃料冷却器へ供給されて気化してDME燃料とを1つのコンプレッサーで加圧して燃料タンクへ送出することができるので、供給燃料冷却装置を効率的に構成することができる
これにより、本願請求項13に記載の発明に係るディーゼルエンジンのDME燃料供給装置によれば、本願請求項12に記載の発明による作用効果に加えて、供給燃料冷却装置を効率的に構成することができるので、ディーゼルエンジンのDME燃料供給装置のコストをより低減させることができるという作用効果が得られる。
【0045】
本願請求項14に記載の発明は、請求項1〜13のいずれか1項において、前記インジェクションポンプから送出された前記DME燃料は、コモンレールへ供給され、該コモンレールから各燃料噴射ノズルへ送出される構成を成している、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置である。
【0046】
本願請求項14に記載の発明に係るディーゼルエンジンのDME燃料供給装置によれば、コモンレール式ディーゼルエンジンのDME燃料供給装置において、前述した本願請求項1〜13のいずれか1項に記載の発明による作用効果を得ることができる。
本願請求項15に記載の発明は、燃料タンクからディーゼルエンジンの燃料噴射ノズルまでの燃料供給系に設けられ、前記燃料噴射ノズルへ送出するためのDME燃料が前記燃料タンクから供給される油溜室と、前記燃料供給系に設けられ、内部に潤滑油を有し、前記油溜室から液体状のDME燃料が流れ込んでくる、前記ディーゼルエンジンの潤滑系と分離したカム室と、前記油溜室からオーバーフローしたDME燃料を前記燃料タンクへ戻すためのオーバーフロー燃料パイプと、前記燃料噴射ノズルからオーバーフローしたDME燃料を前記オーバーフロー燃料パイプへ連通させるノズルリターンパイプと、前記ディーゼルエンジン停止後、前記油溜室内、前記ノズルリターンパイプ内及び前記オーバーフロー燃料パイプ内に残留しているDME燃料を、前記燃料タンクへ回収可能な残留燃料回収手段とを備えたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置であって、前記油溜室から前記カム室に漏れ出て潤滑油に混入したDME燃料を分離するオイルセパレータと、該オイルセパレータにて分離したDME燃料を加圧して前記燃料タンクへ送出するコンプレッサーと、前記オイルセパレータと前記コンプレッサーとの間に配設された低圧タンクと、該低圧タンクと前記オーバーフロー燃料パイプとを連通させるパージパイプと、該パージパイプを開閉可能なパージパイプ開閉電磁弁とを備える、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置である。
本願請求項16に記載の発明は、燃料タンクからディーゼルエンジンの燃料噴射ノズルまでの燃料供給系に設けられ、前記燃料噴射ノズルへ送出するためのDME燃料が前記燃料タンクから供給される油溜室と、前記燃料供給系に設けられ、内部に潤滑油を有し、前記油溜室から液体状のDME燃料が流れ込んでくる、前記ディーゼルエンジンの潤滑系と分離したカム室と、前記油溜室からオーバーフローした前記DME燃料を前記燃料タンクへ戻すためのオーバーフロー燃料パイプと、前記燃料噴射ノズルからオーバーフローした前記DME燃料を前記オーバーフロー燃料パイプへ連通させるノズルリターンパイプと、前記ディーゼルエンジン停止後、前記油溜室内、前記ノズルリターンパイプ内、及び前記オーバーフロー燃料パイプ内に残留している前記DME燃料を、前記燃料タンクへ回収可能な残留燃料回収手段とを備えたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置であって、前記油溜室から前記カム室に漏れ出て潤滑油に混入した前記DME燃料を分離するオイルセパレータと、該オイルセパレータにて分離した前記DME燃料を加圧して前記燃料タンクへ送出するコンプレッサーと、前記コンプレッサーの吸入口に接続された低圧タンクと、該低圧タンクと前記オーバーフロー燃料パイプとを連通させるパージパイプと、該パージパイプを開閉可能なパージパイプ開閉電磁弁とを備える、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置である。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、ディーゼルエンジンのDME燃料供給装置の概略構成について説明する。図1は、本願発明に係るDME燃料供給装置の第1実施例を示した概略構成図である。
【0048】
ディーゼルエンジンにDME燃料を供給するDME燃料供給装置100は、インジェクションポンプ1を備えている。インジェクションポンプ1は、ディーゼルエンジンが有するシリンダの数と同じ数のインジェクションポンプエレメント2を備えている。フィードポンプ51は、燃料タンク4に貯留されているDME燃料を、所定の圧力に加圧してフィードパイプ5へ送出する。燃料タンク4のDME燃料送出口41は、燃料タンク4内のDME燃料の液面より下に設けられており、フィードポンプ51が燃料タンク4のDME燃料送出口41近傍に配設されている。フィードパイプ5へ送出されたDME燃料は、フィルタ51でろ過され、3方電磁弁71を介してインジェクションポンプ1へ送出される。3方電磁弁71は、噴射状態時(ディーゼルエンジンの運転時)にはONで図示の方向に連通している。
【0049】
インジェクションポンプ1内のカム室12は、ディーゼルエンジンの潤滑系と分離された専用潤滑系となっており、オイルセパレータ13は、インジェクションポンプ1内のカム室12に漏れ出たDME燃料が混入したカム室12内の潤滑油をDME燃料と潤滑油とに分離し、潤滑油をカム室12に戻す。オイルセパレータ13で分離されたDME燃料は、カム室12内の圧力が大気圧以下になるのを防止するチェック弁(逆止弁)14を介してコンプレッサー16へ送出され、コンプレッサー16で加圧された後、チェック弁(逆止弁)15、及びクーラー42を介して燃料タンク4へ戻される。チェック弁15は、ディーゼルエンジンの停止時に、燃料タンク4からDME燃料がカム室12へ逆流するのを防止するために設けられている。本願発明に係るDME燃料供給装置100は、電動コンプレッサーが必要ないので、当該実施例においてコンプレッサー16は、カム室12内のカムを駆動力源とするコンプレッサーとなっている。それによって、より省電力なDME燃料供給装置100が可能になる。
【0050】
燃料タンク4からフィードポンプ51によって所定の圧力に加圧されて送出されたDME燃料は、インジェクションポンプ1の各インジェクションポンプエレメント2からインジェクションパイプ3を経由して、所定のタイミングで所定の量だけディーゼルエンジンの各シリンダに配設されている燃料噴射ノズル9へ圧送される。オーバーフロー燃料パイプ81には、油溜室11内のDME燃料の圧力を所定の圧力に維持するとともに、オーバーフローしたDME燃料が燃料タンクに戻る方向にのみDME燃料の流れ方向を規定するオーバーフローバルブ82が配設されている。インジェクションポンプ1からオーバーフローしたDME燃料は、オーバーフロー燃料パイプ81を経由し、オーバーフローバルブ82、オーバーフローリターンパイプ8、及びクーラー42を介して燃料タンク4へ戻される。また、各燃料噴射ノズル9からオーバーフローしたDME燃料は、ノズルリターンパイプ6を経由し、オーバーフロー燃料パイプ81、オーバーフローリターンパイプ8、及びクーラー42を介して燃料タンク4へ戻される。
【0051】
また、DME燃料供給装置100は、ディーゼルエンジン停止時に、インジェクションポンプ1内の油溜室11、オーバーフロー燃料パイプ81、及びノズルリターンパイプ6に残留しているDME燃料を燃料タンク4へ回収する「残留燃料回収手段」を備えている。「残留燃料回収手段」は、アスピレータ7、3方電磁弁71、2方電磁弁72、及びDME燃料回収制御部10を備えている。DME燃料回収制御部10は、ディーゼルエンジンの運転/停止状態(DME燃料供給装置100の噴射/無噴射状態)を検出し、各状態に応じて3方電磁弁71、2方電磁弁72、及びフィードポンプ51等のON/OFF制御を実行し、ディーゼルエンジン停止時には、油溜室11、オーバーフロー燃料パイプ81、及びノズルリターンパイプ6に残留しているDME燃料を回収する制御を実行する。
【0052】
アスピレータ7は、入口7aと出口7bと吸入口7cとを有している。入口7aと出口7bは真っ直ぐに連通しており、吸入口7cは、入口7aと出口7bとの間の連通路から、略垂直方向に分岐している。3方電磁弁71がOFFの時に連通する連通路の出口側が入口7aに接続されており、クーラー42を介して燃料タンク4への経路へ出口7bが接続されている。また、吸引口7cは、噴射状態時(ディーゼルエンジンの運転時)にはOFF状態で閉じている2方電磁弁72に接続されている。
【0053】
DME燃料回収制御部10は、無噴射状態時(ディーゼルエンジンの停止時)には、3方電磁弁71をOFFしてフィードパイプ5からアスピレータ7の入口7aへの連通路を構成するとともに、2方電磁弁72をONして、オーバーフローバルブ82の上流側のオーバーフロー燃料パイプ81とアスピレータ7の吸入口7cとの間を連通させる。したがって、フィードポンプ51から送出されたDME燃料は、インジェクションポンプ1へ送出されずに、アスピレータ7へ送出され、入口7aから出口7bへ抜け、オーバーフローバルブ82の下流側のオーバーフロー燃料パイプ81、オーバーフローリターンパイプ8、及びクーラー42を介して燃料タンク4へ戻り、再びフィードポンプ51からアスピレータ7へ送出される。つまり、アスピレータ7を介してDME燃料液が環流する状態となる。そして、インジェクションポンプ1内の油溜室11、及びオーバーフローバルブ82の上流側のオーバーフロー燃料パイプ81に残留しているDME燃料は、入口7aから出口7bへ流れるDME燃料の流れによって生じる吸引力によって気化され、気化したDME燃料が吸引口7cから吸引され、入口7aから出口7bへ流れるDME燃料に吸収されて燃料タンク4へ回収される。
【0054】
さらに、DME燃料供給装置100は、燃料タンク4内の気相4bの出口(気相送出口43)とインジェクションポンプ1の油溜室11の入口側とを連結する気相圧力送出パイプ73を備えている。気相圧力送出パイプ73は、その内径が部分的に狭くなっている絞り部75と、気相圧力送出パイプ73の連通を開閉する気相圧力送出パイプ開閉電磁弁74とを有している。前述した「残留燃料回収手段」によって、油溜室11、オーバーフロー燃料パイプ81、及びノズルリターンパイプ6のDME燃料を吸引して燃料タンク4へ回収する際に、DME燃料回収制御部10は、同時に気相圧力送出パイプ開閉電磁弁74をONして、燃料タンク4の気相4bと油溜室11の入口側とを連結している気相圧力送出パイプ73を連通状態にする。油溜室11、オーバーフロー燃料パイプ81、及びノズルリターンパイプ6に残留している液体状態のDME燃料は、気相4bの高い圧力によって、アスピレータ7の吸入口7cへ向けて圧送されることになる。また、気相圧力送出パイプ73の内径が部分的に狭くなっている絞り部75によって、その圧力がさらに高圧に圧縮され、より高い圧力で圧送することができる。
【0055】
前述したように、アスピレータ7による吸引力は、気化したDME燃料を吸引する程度の吸引力しかないので、気相4bの圧力を利用して液体状態のDME燃料をアスピレータ7の吸入口7cへ圧送することによって、油溜室11、オーバーフロー燃料パイプ81、及びノズルリターンパイプ6に残留しているDME燃料を回収する時間を大幅に短縮することができる。そして、DME燃料回収制御部10は、所定時間経過後に気相圧力送出パイプ開閉電磁弁74のみを閉じて、高圧状態の気相4bとの間の連通が遮断する。それによって、油溜室11、オーバーフロー燃料パイプ81、及びノズルリターンパイプ6内をより低圧な状態にすることができるので、気相圧によって圧送できずに残ってしまった液体状態のDME燃料の気化が促進され、「残留燃料回収手段」によって残留しているDME燃料を回収する時間をより短縮することができる。
【0056】
また、オイルセパレータ13とコンプレッサー16との間には、燃料タンク4より容量が小さい密閉構造を有する低圧タンク17が配設されている。低圧タンク17は、パージパイプ19によってオーバーフローバルブ82の上流側のオーバーフロー燃料パイプ81と連通している。パージパイプ19には、パージパイプ19を開閉可能なパージパイプ開閉電磁弁18が配設されている。パージパイプ開閉電磁弁18は、DME燃料回収制御部10によって制御され、ディーゼルエンジン停止時には、ONして開状態となって低圧タンク17とオーバーフロー燃料パイプ81とが連通し、ディーゼルエンジン運転時には、OFFして閉状態となって低圧タンク17とオーバーフロー燃料パイプ81との連通は遮断される。低圧タンク17とオイルセパレータ13との間には、逆止弁14が配設されている。逆止弁14は、オイルセパレータ13側の圧力を一定の圧力に維持するとともに、低圧タンク17からオイルセパレータ13側へDME燃料が逆流することを防止している。
【0057】
オイルセパレータ13によってカム室12内の潤滑油から分離されたDME燃料は、低圧タンク17を経由してコンプレッサー16により吸引される。そのため、低圧タンク17は、コンプレッサー16に吸引にされることによって内部の圧力が低下し、逆止弁14によってオイルセパレータ13側が一定の圧力に維持されていることによって、低圧タンク17内は、一定の低圧状態となる。また、低圧タンク17は密閉構造なので、ディーゼルエンジン停止時にコンプレッサー16が停止しても、一定の低圧状態を維持することができる。そして、低圧タンク17内が一定の低圧状態に維持されている状態で、ディーゼルエンジン停止時にパージパイプ開閉電磁弁18をONし、低圧タンク17とオーバーフロー燃料パイプ81とを連通させると、低圧タンク17内の負圧によってオーバーフロー燃料パイプ81内に残留しているDME燃料(2方電磁弁35がONで連通している場合には、ノズルリターンパイプ6に残留しているDME燃料も)の一部が低圧タンク17へ吸引されて回収される。低圧タンク17へ吸引されたDME燃料は、ディーゼルエンジンが再び始動してコンプレッサー16が動作した際に、コンプレッサー16に吸引されて燃料タンク4へ回収される。
【0058】
したがって、「残留燃料回収手段」によって、油溜室11、オーバーフロー燃料パイプ81、及びノズルリターンパイプ6に残留しているDME燃料を回収した後に、パージパイプ開閉電磁弁18をONにすることで、「残留燃料回収手段」によって回収しきれずに残ってしまったDME燃料を低圧タンク17内へ一気に吸引して回収することができる。それによって、「残留燃料回収手段」によるDME燃料の回収時間を短縮することができる。尚、「残留燃料回収手段」によって、油溜室11、オーバーフロー燃料パイプ81、及びノズルリターンパイプ6に残留しているDME燃料を回収する前でも同様の効果が期待できる。
【0059】
また、本願発明に係るDME燃料供給装置100の第2実施例としては、上記第1実施例に加えて、インジェクションポンプ1に供給するDME燃料を冷却する「供給燃料冷却装置」を備えたものが挙げられる。図2は、本願発明に係るDME燃料供給装置100の第2実施例を示した概略構成図である。
【0060】
DME燃料供給装置100は、「供給燃料冷却装置」として、油溜室11内のDME燃料の温度を検出する「温度検出手段」としての温度センサ11aと、DME燃料を冷却媒体とし、冷却媒体としてのDME燃料を気化させる燃料気化器55を有する燃料冷却器53と、DME燃料を燃料タンク4から燃料冷却器53へ供給する冷却媒体供給パイプ5aと、冷却媒体供給パイプ5aを開閉可能な冷却媒体供給パイプ開閉電磁弁54と、供給燃料温度制御部20とを備えている。供給燃料温度制御部20は、温度センサ11aにて検出した油溜室11内のDME燃料の温度に基づいて、油溜室11からインジェクションパイプ3(噴射燃料通路31)へ送出されるDME燃料の温度が一定になる如く、冷却媒体供給パイプ開閉電磁弁54を制御してフィードパイプ5に流れるDME燃料の温度を制御する。
【0061】
燃料冷却器53は、冷却媒体供給パイプ5aに流れるDME燃料を燃料気化器55にて気化させ、DME燃料が気化することによる気化熱を利用してフィードパイプ5に流れるDME燃料を冷却する構成を成している。供給燃料温度制御部20は、温度センサ11aで検出した油溜室11内のDME燃料の温度が所定の温度より高い場合には、冷却媒体供給パイプ開閉電磁弁54を開制御して、燃料冷却器53に冷却媒体としてのDME燃料を供給してフィードパイプ5を流れるDME燃料を冷却し、温度センサ11aで検出した油溜室11内のDME燃料の温度が所定の温度以下の場合には、冷却媒体供給パイプ開閉電磁弁54を閉制御して、燃料冷却器53に冷却媒体としてのDME燃料を供給しない。
【0062】
このようにして、フィードパイプ5に流れるのDME燃料を冷却制御することによって、油溜室11内のDME燃料の温度を一定に維持することができるので、インジェクションポンプ1でDME燃料の噴射量の温度補正を行うことなく燃料噴射ノズル9の噴射特性を安定させることができる。
【0063】
さらに、本願発明に係るDME燃料供給装置100の第3実施例としては、上記第2実施例に加えて、インジェクションパイプ3を二重管構造としたものが挙げられる。図3は、本願発明に係るDME燃料供給装置100の第3実施例を示した概略構成図である。
【0064】
DME燃料供給装置100は、インジェクションパイプ3を冷却する手段として、インジェクションパイプ3が噴射燃料通路31と冷却媒体通路32とを有する二重管構造となっている。図5は、インジェクションパイプ3の構成を示した断面図である。噴射燃料通路31は、インジェクションポンプエレメント2の送出口と燃料噴射ノズル9とを連通させ、インジェクションポンプエレメント2から圧送される油溜室11の高圧なDME燃料を燃料噴射ノズル9へ送出する。冷却媒体通路32は、噴射燃料通路31の外周面に形成されており、油溜室11の入口手前のフィードパイプ5とノズルリターンパイプ6とを連通させ、フィードポンプ51によってフィードパイプ5へ送出される燃料タンク4内のDME燃料が、噴射燃料通路31を流れるDME燃料を冷却する冷却媒体として流れる。
【0065】
つまり、フィードポンプ51が動作しているときに冷却媒体通路32には、フィードパイプ5からパイプ34を経由してDME燃料が流れ込み、パイプ33を経由してノズルリターンパイプ6へDME燃料が流れ出て、逆止弁36、オーバーフロー燃料パイプ81、オーバーフローリターンパイプ8、及びクーラー42を介して燃料タンク4へ戻る循環経路で燃料タンク4内のDME燃料が冷却媒体として流れる。逆止弁36は、オーバーフロー燃料パイプ81から冷却媒体通路32へ燃料タンク4のDME燃料が逆流するのを防止している。そして、冷却媒体通路32を流れるDME燃料によって、噴射燃料通路31が冷却され、それによって、噴射燃料通路31の温度が上昇することを防止することができる。
【0066】
また、無噴射状態時に冷却媒体通路32に残留しているDME燃料は、前述の「残留燃料回収手段」によって回収される。DME燃料回収制御部10は、無噴射状態時に2方電磁弁35をONして、冷却媒体通路回収パイプ37を介してノズルリターンパイプ6とオーバーフローバルブ82の上流側のオーバーフロー燃料パイプ81とを連通させる。したがって、ノズルリターンパイプ6及び冷却媒体通路32に残留しているDME燃料は、冷却媒体通路回収パイプ37及びオーバーフローバルブ82の上流側のオーバーフロー燃料パイプ81を経由してアスピレータ7の吸引口7cから吸引されて燃料タンク4へ回収される。
【0067】
このようにして、冷却媒体通路32を流れる冷却媒体としてのDME燃料によって噴射燃料通路31を冷却することができるので、DME燃料供給装置100による発熱やディーゼルエンジンからの熱等がインジェクションパイプ3へ伝達してインジェクションパイプの温度が上昇してしまうことを防止することができる。したがって、燃料噴射ノズル9へ圧送されるDME燃料の温度が上昇することを防止することができ、それによって、燃料噴射ノズル9によるDME燃料の噴射特性が不安定になってしまう虞を少なくすることができる。そして、インジェクションパイプ3を噴射燃料通路31と冷却媒体通路32とから成る二重管構造とし、冷却媒体通路32へ燃料タンク4内のDME燃料を冷却媒体として循環させることによって、インジェクションパイプ3を冷却する手段を低コストで構成することができる。
【0068】
また、インジェクションパイプ3の温度が上昇してしまうことを防止することができるので、ディーゼルエンジン停止直後のインジェクションパイプ3の噴射燃料通路31へ燃料タンク4からDME燃料を充填した際に、充填したDME燃料の一部が気化してDME燃料を完全に充填しきることができない虞を少なくすることができる。さらに、インジェクションパイプ3の外周面には、断熱性を有する被膜3aが施されており、それによって、インジェクションパイプ3に対する周囲からの熱を遮断することができるので、インジェクションパイプ3の温度上昇をより確実に防止することができる。
【0069】
さらに、本願発明に係るDME燃料供給装置100の第4実施例としては、上記第3実施例において、DME燃料供給装置100をコモンレール式にしたものが挙げられる。図4は、本願発明に係るDME燃料供給装置100の第4実施例を示した概略構成図である。
【0070】
このように、インジェクションポンプ1から圧送されるDME燃料が、各燃料噴射ノズル9が連結されているコモンレール91を介して供給されるコモンレール式DME燃料供給装置100においても本願発明の実施は可能であり、本願発明による作用効果を得ることができるものである。
【0071】
さらに、本願発明に係るDME燃料供給装置100の第5実施例としては、低圧タンク17がコンプレッサー16の吸入口に接続されたものが挙げられる。図6は、本願発明に係るDME燃料供給装置100の第5実施例を示した概略構成図である。
【0072】
低圧タンク17は、コンプレッサー16に吸引されて内圧が低圧状態となり、逆止弁171によってコンプレッサー16が停止しても低圧状態が維持されるようになっている。また低圧タンク17は、パージパイプ19によってオーバーフローバルブ82の上流側のオーバーフロー燃料パイプ81と連通しており、パージパイプ19には、パージパイプ19を開閉可能なパージパイプ開閉電磁弁18が配設されている。パージパイプ開閉電磁弁18は、DME燃料回収制御部10によって制御され、ディーゼルエンジン停止時には、ONして開状態となって低圧タンク17とオーバーフロー燃料パイプ81とが連通し、ディーゼルエンジン運転時には、OFFして閉状態となって低圧タンク17とオーバーフロー燃料パイプ81との連通は遮断される。尚、その他の構成については、前述した第1実施例と同様なので説明は省略する。
【0073】
DME燃料回収制御部10は、ディーゼルエンジン停止後、残留しているDME燃料を回収する際には、アスピレータ7によって油溜室11及びオーバーフロー燃料パイプ81に残留しているDME燃料の回収を一定時間行った後、フィードポンプ51をOFF制御して停止させるとともに、2方電磁弁72をOFF制御してオーバーフロー燃料パイプ81とアスピレータ7の吸入口7cとの連通を遮断する。そして、パージパイプ開閉電磁弁18をON制御し、略一定の低圧状態に維持されている低圧タンク17とオーバーフロー燃料パイプ81とを連通させる。オーバーフロー燃料パイプ81内に残留している残りのDME燃料は、低圧タンク17内の負圧によって低圧タンク17へ吸引されて回収される。低圧タンク17へ吸引されたDME燃料は、ディーゼルエンジンが再び始動してコンプレッサー16が動作した際に、コンプレッサー16に吸引されて燃料タンク4へ回収される。
【0074】
尚、本願発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本願発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
【0075】
【発明の効果】
本願発明によれば、ディーゼルエンジンのDME燃料供給装置において、ディーゼルエンジン停止後に噴射系内のDME燃料を燃料タンクに回収する時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係るDME燃料供給装置の第1実施例を示した概略構成図である。
【図2】本願発明に係るDME燃料供給装置の第2実施例を示した概略構成図である。
【図3】本願発明に係るDME燃料供給装置の第3実施例を示した概略構成図である。
【図4】本願発明に係るDME燃料供給装置の第4実施例を示した概略構成図である。
【図5】インジェクションパイプ3の構成を示した断面図である。
【図6】本願発明に係るDME燃料供給装置の第5実施例を示した概略構成図である。
【符号の説明】
1 インジェクションポンプ
2 インジェクションポンプエレメント
3 インジェクションパイプ
4 燃料タンク
5 フィードパイプ
6 ノズルリターンパイプ
7 アスピレータ
8 オーバーフローリターンパイプ
9 燃料噴射ノズル
10 DME燃料回収制御部
11 油溜室
12 カム室
13 オイルセパレータ
16 コンプレッサー
17 低圧タンク
18 パージパイプ開閉電磁弁
19 パージパイプ
20 供給燃料冷却制御部
31 噴射燃料通路
32 冷却媒体通路
37 冷却媒体通路回収パイプ
42 クーラー
51 フィードポンプ
52 フィルタ
53 燃料冷却器
54 冷却媒体供給パイプ開閉電磁弁
55 燃料気化器
5a 冷却媒体供給パイプ
61 コンプレッサー
73 気相圧力送出パイプ
74 気相圧力送出パイプ開閉電磁弁
75 絞り部
81 オーバーフロー燃料パイプ
82 オーバーフローバルブ
100 DME燃料供給装置

Claims (16)

  1. 燃料タンクからフィードパイプを経由して供給されたDME燃料を、所定のタイミングで所定の量だけディーゼルエンジンの燃料噴射ノズルに連通しているインジェクションパイプへ送出するインジェクションポンプと、
    該インジェクションポンプからオーバーフローした前記DME燃料を前記燃料タンクへ戻すためのオーバーフロー燃料パイプと、前記燃料噴射ノズルからオーバーフローした前記DME燃料を前記オーバーフロー燃料パイプへ連通させるノズルリターンパイプと、
    前記ディーゼルエンジン停止後、前記インジェクションポンプの油溜室内、前記ノズルリターンパイプ内、及び前記オーバーフロー燃料パイプ内に残留している前記DME燃料を、前記燃料タンクへ回収可能な残留燃料回収手段とを備えたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置であって、
    前記ディーゼルエンジンの潤滑系と分離された専用潤滑系となっている前記インジェクションポンプのカム室内の潤滑油に混入した前記DME燃料を分離するオイルセパレータと、
    該オイルセパレータにて分離した前記DME燃料を加圧して前記燃料タンクへ送出するコンプレッサーと、
    前記オイルセパレータと前記コンプレッサーとの間に配設された低圧タンクと、
    該低圧タンクと前記オーバーフロー燃料パイプとを連通させるパージパイプと、
    該パージパイプを開閉可能なパージパイプ開閉電磁弁とを備える、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置。
  2. 請求項1において、前記オイルセパレータ側の圧力を保持するとともに、前記低圧タンクから前記オイルセパレータ側へ前記DME燃料が逆流することを防止する逆止弁が、前記オイルセパレータと前記低圧タンクとの間に配設されている、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置。
  3. 燃料タンクからフィードパイプを経由して供給されたDME燃料を、所定のタイミングで所定の量だけディーゼルエンジンの燃料噴射ノズルに連通しているインジェクションパイプへ送出するインジェクションポンプと、
    該インジェクションポンプからオーバーフローした前記DME燃料を前記燃料タンクへ戻すためのオーバーフロー燃料パイプと、前記燃料噴射ノズルからオーバーフローした前記DME燃料を前記オーバーフロー燃料パイプへ連通させるノズルリターンパイプと、
    前記ディーゼルエンジン停止後、前記インジェクションポンプの油溜室内、前記ノズルリターンパイプ内、及び前記オーバーフロー燃料パイプ内に残留している前記DME燃料を、前記燃料タンクへ回収可能な残留燃料回収手段とを備えたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置であって、
    前記ディーゼルエンジンの潤滑系と分離された専用潤滑系となっている前記インジェクションポンプのカム室内の潤滑油に混入した前記DME燃料を分離するオイルセパレータと、
    該オイルセパレータにて分離した前記DME燃料を加圧して前記燃料タンクへ送出するコンプレッサーと、
    前記コンプレッサーの吸入口に接続された低圧タンクと、
    該低圧タンクと前記オーバーフロー燃料パイプとを連通させるパージパイプと、
    該パージパイプを開閉可能なパージパイプ開閉電磁弁とを備える、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置。
  4. 請求項3において、前記低圧タンク内の圧力を保持する逆止弁が、前記コンプレッサーと前記低圧タンクとの間に配設されている、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において、前記ディーゼルエンジン停止後、前記残留燃料回収手段によって前記油溜室内、前記ノズルリターンパイプ、及び前記オーバーフロー燃料パイプ内に残留している前記DME燃料を前記燃料タンクへ回収する動作を所定時間実行した後、前記パージパイプ開閉電磁弁を開き、前記残留燃料回収手段にて回収しきれなかった前記DME燃料を前記低圧タンクの負圧によって回収する制御を実行するDME燃料回収制御部を備える、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項において、前記フィードパイプが連結されている前記油溜室の入口側と、前記燃料タンク内の気相とを連結する気相圧力送出パイプと、該気相圧力送出パイプの開閉を行う気相圧力送出パイプ開閉電磁弁とを備える、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置。
  7. 請求項6において、前記気相圧力送出パイプは、該気相圧力送出パイプの内径が部分的に狭くなっている絞り部を有している、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置。
  8. 請求項7において、前記燃料タンク内の前記DME燃料を所定の圧力に加圧し、前記フィードパイプへ送出するフィードポンプを備え、前記残留燃料回収手段は、前記フィードパイプと前記オーバーフロー燃料パイプとの間に配設されたアスピレータによって、前記フィードポンプから送出された前記DME燃料を、そのまま前記燃料タンクへ環流させ、前記油溜室内、及び前記オーバーフロー燃料パイプ内に残留している前記DME燃料が、環流する前記DME燃料に吸引されて、前記燃料タンクへ回収される構成を成している、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置。
  9. 請求項8において、前記残留燃料回収手段は、前記フィードパイプの送出口を前記アスピレータの環流流路の入口側と前記油溜室の入口側とのいずれか一方に切り換えて連通させる第1の電磁弁と、前記アスピレータの吸入口と前記油溜室及び前記オーバーフロー燃料パイプとの間の開閉を行う第2の電磁弁とを有し、前記DME燃料回収制御部は、前記ディーゼルエンジン停止後、前記第1の電磁弁の連通を前記アスピレータの入口側に切り換え、前記第2の電磁弁を開いて、前記フィードポンプから送出された前記DME燃料を前記燃料タンクへ環流させる流路を構成するとともに、前記気相圧力送出パイプ開閉電磁弁を開き、所定時間経過後に前記気相圧力送出パイプ開閉電磁弁のみを閉じる制御を所定時間実行する、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置。
  10. 請求項9において、前記DME燃料回収制御部は、前記第2の電磁弁を閉じた後、前記パージパイプ開閉電磁弁を開く手段を有している、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項において、前記DME燃料を冷却媒体とする冷却サイクルによって前記フィードパイプに流れる前記DME燃料を冷却する供給燃料冷却装置と、前記インジェクションポンプ内の前記DME燃料の温度を検出する温度検出手段と、該温度検出手段にて検出した前記インジェクションポンプ内の温度に基づいて、前記インジェクションパイプへ送出される前記DME燃料の温度が一定になる如く、前記供給燃料冷却装置を制御して前記フィードパイプに流れる前記DME燃料の温度を制御する供給燃料温度制御部を備える、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置。
  12. 請求項11において、前記供給燃料冷却装置は、前記DME燃料を冷却媒体とした燃料冷却器と、前記冷却媒体としての前記DME燃料を前記燃料タンクから前記燃料冷却器へ供給する冷却媒体供給パイプと、該冷却媒体供給パイプを開閉可能な冷却媒体供給パイプ開閉電磁弁とを備え、前記燃料冷却器にて前記冷却媒体供給パイプに流れる前記DME燃料を気化させ、前記DME燃料が気化することによる気化熱を利用して前記フィードパイプに流れる前記DME燃料を冷却する構成を成しており、前記供給燃料温度制御部が前記冷却媒体供給パイプ開閉電磁弁を開閉制御することによって制御される、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置。
  13. 請求項12において、前記燃料タンクから前記燃料冷却器へ供給されて気化した前記DME燃料は、前記コンプレッサーへ送出される、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項において、前記インジェクションポンプから送出された前記DME燃料は、コモンレールへ供給され、該コモンレールから各燃料噴射ノズルへ送出される構成を成している、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置。
  15. 燃料タンクからディーゼルエンジンの燃料噴射ノズルまでの燃料供給系に設けられ、前記燃料噴射ノズルへ送出するためのDME燃料が前記燃料タンクから供給される油溜室と、
    前記燃料供給系に設けられ、内部に潤滑油を有し、前記油溜室から液体状のDME燃料が流れ込んでくる、前記ディーゼルエンジンの潤滑系と分離したカム室と、
    前記油溜室からオーバーフローしたDME燃料を前記燃料タンクへ戻すためのオーバーフロー燃料パイプと、前記燃料噴射ノズルからオーバーフローしたDME燃料を前記オーバーフロー燃料パイプへ連通させるノズルリターンパイプと、
    前記ディーゼルエンジン停止後、前記油溜室内、前記ノズルリターンパイプ内及び前記オーバーフロー燃料パイプ内に残留しているDME燃料を、前記燃料タンクへ回収可能な残留燃料回収手段とを備えたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置であって、
    前記油溜室から前記カム室に漏れ出て潤滑油に混入したDME燃料を分離するオイルセパレータと、
    該オイルセパレータにて分離したDME燃料を加圧して前記燃料タンクへ送出するコンプレッサーと、
    前記オイルセパレータと前記コンプレッサーとの間に配設された低圧タンクと、
    該低圧タンクと前記オーバーフロー燃料パイプとを連通させるパージパイプと、
    該パージパイプを開閉可能なパージパイプ開閉電磁弁とを備える、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置。
  16. 燃料タンクからディーゼルエンジンの燃料噴射ノズルまでの燃料供給系に設けられ、前記燃料噴射ノズルへ送出するためのDME燃料が前記燃料タンクから供給される油溜室と、
    前記燃料供給系に設けられ、内部に潤滑油を有し、前記油溜室から液体状のDME燃料が流れ込んでくる、前記ディーゼルエンジンの潤滑系と分離したカム室と、
    前記油溜室からオーバーフローした前記DME燃料を前記燃料タンクへ戻すためのオーバーフロー燃料パイプと、前記燃料噴射ノズルからオーバーフローした前記DME燃料を前記オーバーフロー燃料パイプへ連通させるノズルリターンパイプと、
    前記ディーゼルエンジン停止後、前記油溜室内、前記ノズルリターンパイプ内、及び前記オーバーフロー燃料パイプ内に残留している前記DME燃料を、前記燃料タンクへ回収可能な残留燃料回収手段とを備えたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置であって、
    前記油溜室から前記カム室に漏れ出て潤滑油に混入した前記DME燃料を分離するオイルセパレータと、
    該オイルセパレータにて分離した前記DME燃料を加圧して前記燃料タンクへ送出するコンプレッサーと、
    前記コンプレッサーの吸入口に接続された低圧タンクと、
    該低圧タンクと前記オーバーフロー燃料パイプとを連通させるパージパイプと、
    該パージパイプを開閉可能なパージパイプ開閉電磁弁とを備える、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置。
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