JP3924511B2 - ディーゼルエンジンにおける液体dme燃料気化促進装置 - Google Patents

ディーゼルエンジンにおける液体dme燃料気化促進装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、本願発明は、DME(ジメチルエーテル)を燃料としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンによる大気汚染対策として、軽油の代わりに排気がクリーンなDME(ジメチルエーテル)を燃料とするものが注目されている。DME燃料は、従来の燃料である軽油と違って液化ガス燃料である。つまり、軽油と比較して沸点温度が低く、大気圧下で軽油が常温において液体であるのに対して、DMEは、常温において気体となる性質を有している。そのため、従来のディーゼルエンジンにDME燃料を使用する際には、インジェクションポンプへの供給圧力が低いと、DME燃料が気化してしまう。よって、液体のDME燃料をインジェクションポンプへ供給するためには、軽油燃料よりインジェクションポンプへの供給圧力を高くする必要がある。
【0003】
したがって、従来のディーゼルエンジンにDME燃料を使用すると、そのインジェクションポンプへの高い供給圧力によって、エンジンの燃料噴射ノズルにDME燃料を送出するインジェクションポンプのプランジャバレルとプランジャとの間の隙間から、インジェクションポンプのカム室に漏れる燃料の量が、軽油燃料を使用した場合と比較して大幅に増加してしまうという問題が生じる。また、DMEは、軽油と比較して低粘度であるので、隙間から漏れやすくなり、さらにその量は多くなってしまう。そして、プランジャバレルとプランジャとの間の隙間から漏れた液体状のDME燃料が、インジェクションポンプのカム室に流れ込んでカム室内の潤滑油に混入してしまうと、潤滑油の粘性が低下し、インジェクションポンプの動作に支障をきたす虞がある。この潤滑油に混入した液体状のDME燃料は、分離して取り除くのが困難であり、また、気化することによって潤滑油から抜けるまでに長い時間を要することから、ディーゼルエンジンのDME燃料供給装置のインジェクションポンプにおいて、プランジャバレルとプランジャとの隙間からカム室に漏れ出る液体状のDME燃料を可能な限り少なくすることが課題とされている。
【0004】
しかし、プランジャバレル及びプランジャを高精度に形成して、プランジャバレルとプランジャとの隙間を可能な限り小さくしても漏れ出るDME燃料を少なくするのには限界がある。そこで、このような課題を解決する手段の一例としては、カム室内の気相部分に充満している気化したDME燃料からオイルセパレータで潤滑油を分離し、分離した気体状のDME燃料を吸引して燃料タンクに戻すものが挙げられる。これによって、カム室内に漏れ出た液体状のDME燃料の気化が促進され、液体状態で潤滑油に混入する量を少なくすることができるとともに、潤滑油に混入してしまった液体状のDME燃料の気化が促進され、液体状のDME燃料が潤滑油から分離される時間を短くすることができるので、DME燃料が潤滑油に混入することによる潤滑油の潤滑性能の低下を少なくすることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、カム室内は、カム室内に酸素が侵入することを防止する必要があるため、圧力調節弁等によって大気圧以上の一定の圧力に維持されている。そのため、DME燃料の気化がスムーズに行われず、上述したオイルセパレータによって分離したDME燃料を吸引して燃料タンクに戻してもカム室内に漏れ出たDME燃料を全て戻しきることができないままカム室内の潤滑油に混入しているDME燃料の量が徐々に増加していってしまう。そして、それによって、カム室内の潤滑油の劣化が促進されて短期間で潤滑油の潤滑性能が劣化してしまい、短いサイクルでカム室内の潤滑油を交換しなければならなかった。
【0006】
本願発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、インジェクションポンプのカム室内に漏れ出たDME燃料による潤滑油の潤滑性能の劣化を低減させることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本発明に係るディーゼルエンジンにおける液体DME燃料気化促進装置は、DME燃料タンクから燃料噴射ノズルまでの燃料供給系に設けられ、内部に潤滑油を有し、カム室内圧力制限手段によって大気圧以上の一定圧力に維持され、前記燃料供給系から液体状のDME燃料が流れ込んでくるカム室であり、吸引手段に連通されたオイルセパレータによってカム室内の気相部分に充満している気化したDME燃料から潤滑油が分離されるように構成され、前記吸引手段とオイルセパレータとの間の流路に前記カム室内圧力制限手段が設けられている当該カム室の液体DME燃料気化促進装置であって、前記カム室内圧力制限手段をバイパスして、前記カム室と前記吸引手段とを直接連通させるバイパス通路と、該バイパス通路を開閉するバイパス通路開閉手段とを備え、該バイパス通路が開にされたときカム室内が前記吸引手段によって直接吸引されて前記一定圧力より低い圧力に減圧されるように構成されていることを特徴とするものである
また、ディーゼルエンジンのDME燃料供給装置としての第1の態様は、燃料タンクからフィードパイプを経由して供給されたDME燃料を、所定のタイミングで所定の量だけディーゼルエンジンの燃料噴射ノズルに連通しているインジェクションパイプへ送出するインジェクションポンプと、該インジェクションポンプのカム室内に混入したDME燃料と前記カム室内の潤滑油とを分離可能なオイルセパレータと、該オイルセパレータにて分離したDME燃料を前記燃料タンクへ回収するための連通路と、該連通路に配設され、前記オイルセパレータを介して前記カム室内の気相部を吸引する吸引手段と、前記連通路の前記吸引手段と前記オイルセパレータとの間に配設され、前記カム室内の圧力を一定の圧力以上に維持するカム室内圧力制限手段と、該カム室内圧力制限手段をバイパスして、前記カム室と前記吸引手段とを直接連通させるバイパス通路と、該バイパス通路を開閉するバイパス通路開閉手段とを備えたものである。
【0008】
前述したように、インジェクションポンプは、カム室内に酸素が侵入することを防止する必要があるため、カム室内圧力制限手段によってカム室内が大気圧以上の一定の圧力に維持されている。そのため、その圧力によってDME燃料の気化がスムーズに行われず、オイルセパレータによって分離したDME燃料を吸引手段によって吸引して燃料タンクに戻してもカム室内に漏れ出たDME燃料を全て戻しきることができないままカム室内の潤滑油に混入しているDME燃料の量が徐々に増加していってしまう。
【0009】
そこで、このように、カム室内の圧力を大気圧以上の一定の圧力に維持しているカム室内圧力制限手段をバイパスする、つまり、カム室内圧力制限手段をバイパスしてカム室と吸引手段とを直接連通させる連通路と、この連通路を開閉するバイパス通路開閉手段とを設ける。そして、必要に応じてカム室内圧力制限手段をバイパスした状態でカム室内を吸引手段で吸引することによって、カム室内を一時的に大気圧未満の負圧状態にする。それによって、潤滑油に混入してしまったDME燃料の気化が一気に促進され、潤滑油に混入してしまったDME燃料を短時間で燃料タンクへ回収することができる。
【0010】
これにより、第1の態様に係るディーゼルエンジンのDME燃料供給装置によれば、必要に応じてカム室内圧力制限手段をバイパスすることによって、潤滑油に混入してしまったDME燃料の気化が一気に促進され、潤滑油に混入してしまったDME燃料を短時間で燃料タンクへ回収することができるので、インジェクションポンプのカム室内に漏れ出たDME燃料による潤滑油の潤滑性能の劣化を低減させることができるという作用効果が得られる。
【0011】
本願の第2の態様は、第1の態様において、前記カム室内の潤滑油の粘度、前記カム室内の潤滑油の密度、前記カム室内の圧力、前記カム室内の温度の少なくともいずれか1つを検出可能なカム室内状態検出手段と、該カム室内状態検出手段が検出した検出値が所定の許容値を超えた場合に前記バイパス通路開閉手段を開制御するバイパス制御手段とを備える、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置である。
【0012】
カム室内の潤滑油の粘度、カム室内の潤滑油の密度、カム室内の圧力、及びカム室内の温度のうち、少なくともいずれか1つを検出するカム室内状態検出手段によって、カム室内の潤滑油の劣化、つまり、潤滑油にDME燃料が一定量以上混入することによる潤滑性能の低下を検出することができる。そして、このカム室内状態検出手段によって検出した検出値が所定の許容値を超えた場合にバイパス通路開閉手段を開制御するので、適切なカム室内圧力制限手段のバイパス制御を行うことができる。尚、カム室内の潤滑油の粘度、カム室内の潤滑油の密度、カム室内の圧力、及びカム室内の温度のうち、2つ以上を検出し、それらの検出情報を組み合わせて潤滑油の劣化の度合いを多面的に判定することによって、潤滑油にDME燃料が一定量以上混入することによる潤滑性能の低下の検出精度をより向上させることができる。
【0013】
これにより、第2の態様に係るディーゼルエンジンのDME燃料供給装置によれば、カム室内の潤滑油の粘度、カム室内の潤滑油の密度、カム室内の圧力、及びカム室内の温度の少なくともいずれか1つを検出するカム室内状態検出手段によって、適切なカム室内圧力制限手段のバイパス制御を行うことができ、それによって、第1の態様による作用効果を得ることができる。
【0014】
本願の第3の態様は、第2の態様において、前記バイパス制御手段は、前記カム室内状態検出手段が検出した検出値が所定の許容値以下になった時点で前記バイパス通路開閉手段を閉制御する、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置である。
【0015】
第3の態様に係るディーゼルエンジンのDME燃料供給装置によれば、第2の態様による作用効果に加えて、カム室内状態検出手段が検出した検出値が所定の許容値を超えた時点で開制御されているバイパス通路開閉手段を、カム室内状態検出手段が検出した検出値が所定の許容値以下になった時点で閉制御することによって、潤滑油に混入しているDME燃料を常に一定量以下に維持することができるという作用効果が得られる。また、それによって、カム室内圧力制限手段のバイパス時間を最小限に止めることができるので、カム室内圧力制限手段をバイパスすることによるカム室への酸素の侵入の虞を最小限に止めることができるという作用効果が得られる。
【0016】
本願の第4の態様は、第2の態様又は第3の態様において、前記バイパス制御手段は、前記カム室内状態検出手段が検出した検出値が所定の許容値を超えてから一定時間経過した後、前記バイパス通路開閉手段を閉制御する、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置である。
【0017】
このように、カム室内状態検出手段が検出した検出値が所定の許容値を超えた時点でバイパス通路開閉手段を開制御した後、一定時間経過した時点で閉制御することによって、バイパス通路開閉手段を簡略に閉制御することができる。この一定時間は、カム室内状態検出手段の検出値が所定の許容値以下になるのに必要十分な時間に設定され、実験等によって決定される規定値である。
【0018】
これにより、第4の態様に係るディーゼルエンジンのDME燃料供給装置によれば、第2の態様又は第3の態様による作用効果に加えて、カム室内状態検出手段が検出した検出値が所定の許容値を超えてバイパス通路開閉手段を開制御した後の閉制御を簡略かつ適切に行うことができるという作用効果が得られる。
【0019】
本願の第5の態様は、第1の態様第4の態様のいずれか1つの態様において、所定の時間周期で一定時間、前記バイパス通路開閉手段を開閉制御する定周期バイパス制御手段を備える、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置である。
【0020】
このように、定周期で一定時間、バイパス通路開閉手段を開閉制御することによって、バイパス通路開閉手段の開閉制御を簡略化することができる。バイパス通路開閉手段の制御を行う時間周期は、潤滑油に混入しているDME燃料の量が許容量を超えると想定される時間に設定され、バイパス通路開閉手段を開制御する一定時間は、潤滑油に混入しているDME燃料の量が許容量以下になるのに必要十分な時間に設定され、実験等によって決定される規定値である。
【0021】
これにより、第5の態様に係るディーゼルエンジンのDME燃料供給装置によれば、第1の態様第4の態様のいずれか1つの態様による作用効果に加えて、バイパス通路開閉手段の開閉制御を簡略かつ適切に行うことができるという作用効果が得られる。
【0022】
本願の第6の態様は、第1の態様第5の態様のいずれか1つの態様において、前記インジェクションポンプは、ディーゼルエンジンの駆動軸の回転が伝達されて回転するカムシャフトと係合するプランジャの上下動で開閉可能なデリバリバルブによって、前記燃料タンクから前記フィードパイプを経由して前記DME燃料が供給される油溜室の前記DME燃料を、所定のタイミングで所定の量だけ前記ディーゼルエンジンの燃料噴射ノズルに連通しているインジェクションパイプへ加圧して送出するインジェクションポンプエレメントを有し、該インジェクションポンプエレメントは、前記油溜室、及び前記プランジャ上部から前記カム室へ向けて前記プランジャと該プランジャが挿設されるプランジャバレルとの摺接面に漏れ出た液体状の前記DME燃料を、前記カム室内に漏れ出る前に減圧して気化させる空間部を前記プランジャと前記プランジャバレルとの摺接面に形成したDME燃料気化部を備えている、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置である。
【0023】
インジェクションポンプの油溜室には、高圧な液体状態のDME燃料が充填されており、油溜室から各インジェクションポンプエレメントへ供給されたDME燃料は、プランジャによる燃料加圧、及びその圧力によってプランジャとプランジャバレルとの摺接面のわずかな隙間からカム室へわずかに漏れ出てしまう。そのため、このように、プランジャとプランジャバレルとの摺接面に油溜室から漏れ出た高圧な液体状態のDME燃料を減圧させるための空間部を設けることによって、常温で気体となる性質を有する高圧な液体状態のDME燃料を減圧して飽和蒸気圧以下にすることでカム室に漏れ出る前に気化させることができる。
【0024】
つまり、DME燃料気化部は、液体が急激に膨張すると圧力が低下して、そのエネルギーが失われる原理と、常温の大気圧下では気体となるDME燃料特有の性質を応用することによって、加圧されて液体状態のDME燃料を減圧して気化させるものである。したがって、油溜室内、及びプランジャ上部の高圧な液体状態のDME燃料は、プランジャとプランジャバレルとの摺接面からカム室に漏れ出る前に空間部において減圧されて気化するので、液体状態のDME燃料がカム室内の潤滑油に混入してしまう虞を低減させることができる。
【0025】
これにより、第6の態様に係るディーゼルエンジンのDME燃料供給装置によれば、第1の態様第5の態様のいずれか1つの態様による作用効果に加えて、高圧な液体状態のDME燃料を減圧する空間部を有するDME燃料気化部によって、液体状態のDME燃料がカム室内の潤滑油に混入してしまうことを防止することができるので、カム室内の潤滑油にDME燃料が混入してしまうことによる潤滑油の潤滑性能の低下を低減することができ、それによって、カム室内圧力制限手段のバイパス時間をより短縮することができるという作用効果が得られる。
【0026】
本願の第7の態様は、第6の態様において、前記インジェクションポンプは、前記空間部が、前記プランジャの周面に周方向に形成された環状溝によって形成されている、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置である。
【0027】
第7の態様に係るディーゼルエンジンのDME燃料供給装置によれば、第6の態様による作用効果に加えて、インジェクションポンプのDME燃料気化部の空間部がプランジャに形成されているので、つまり、プランジャの外周面に空間部が形成されているので、空間部を形成するための加工が容易になるという作用効果が得られる。
【0028】
本願の第8の態様は、第6の態様において、前記インジェクションポンプは、前記空間部が、前記プランジャバレルの内周面に周方向に形成された環状溝によって形成されている、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置である。
【0029】
このように、インジェクションポンプの空間部をプランジャの外周面が摺接するプランジャバレルの内周面に形成してもよく、それによって、第6の態様による作用効果を得ることができる。
【0030】
本願の第9の態様は、第7の態様又は第8の態様において、前記インジェクションポンプは、前記DME燃料気化部が、複数の前記環状溝を有している、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置である。
【0031】
このように、複数の環状溝によって空間部を形成することによって、複数の空間が形成され、それによって、高圧な液体状のDME燃料を段階的に減圧していくことができる。したがって、環状溝による各空間の容積を小さく設定することができるので、高精度に形成されているインジェクションポンプのプランジャとプランジャバレルとの摺接面の精度が低下する虞を少なくすることができる。
【0032】
これにより、第9の態様に係るディーゼルエンジンのDME燃料供給装置によれば、第7の態様又は第8の態様による作用効果に加えて、DME燃料気化部を形成することによるインジェクションポンプのプランジャ及びプランジャバレルの精度への影響を少なくすることができるという作用効果が得られる。
【0033】
本願の第10の態様は、第6の態様第9の態様のいずれか1つの態様において、前記インジェクションポンプは、前記DME燃料気化部が、前記空間部が前記プランジャと前記プランジャバレルとの摺接面の前記カム室寄りに形成されている、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置である。
【0034】
プランジャとプランジャバレルとの摺接面に漏れ出た高圧で液体状のDME燃料は、カム室に向けて漏れ出る過程において徐々に圧力が低下していく。したがって、DME燃料気化部がカム室寄りに形成されていることによって、圧力がある程度低下した状態のDME燃料を減圧して気化させるので、高圧で液体状態のDME燃料を効果的に減圧して気化させることができる。
【0035】
これにより、第10の態様に係るディーゼルエンジンのDME燃料供給装置によれば、第6の態様第9の態様のいずれか1つの態様による作用効果に加えて、インジェクションポンプのプランジャとプランジャバレルとの間に漏れ出た高圧で液体状態のDME燃料を効果的に減圧して気化させることができるという作用効果が得られる。
【0036】
本願の第11の態様は、第1の態様第10の態様のいずれか1つの態様において、前記インジェクションポンプから送出された前記DME燃料は、コモンレールへ供給され、該コモンレールから各燃料噴射ノズルへ送出される構成を成している、ことを特徴としたディーゼルエンジンのDME燃料供給装置である。
第11の態様に係るディーゼルエンジンのDME燃料供給装置によれば、コモンレール式ディーゼルエンジンのDME燃料供給装置において、前述した第1の態様第10の態様のいずれか1つの態様による作用効果を得ることができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、ディーゼルエンジンのDME燃料供給装置の概略構成について説明する。図1は、本願発明に係るDME燃料供給装置の第1実施例を示した概略構成図である。
【0038】
ディーゼルエンジンにDME燃料を供給するDME燃料供給装置100は、インジェクションポンプ1を備えている。インジェクションポンプ1は、ディーゼルエンジンが有するシリンダの数と同じ数のインジェクションポンプエレメント2を備えている。フィードポンプ51は、燃料タンク4に貯留されているDME燃料を、所定の圧力に加圧してフィードパイプ5へ送出する。燃料タンク4のDME燃料送出口41は、燃料タンク4内のDME燃料の液面より下に設けられており、フィードポンプ51が燃料タンク4のDME燃料送出口41近傍に配設されている。フィードパイプ5へ送出されたDME燃料は、フィルタ5aでろ過され、3方電磁弁71を介してインジェクションポンプ1へ送出される。3方電磁弁71は、噴射状態時(ディーゼルエンジンの運転時)にはONで図示の方向に連通している。
【0039】
燃料タンク4からフィードポンプ51によって所定の圧力に加圧されて送出されたDME燃料は、インジェクションポンプ1の各インジェクションポンプエレメント2からインジェクションパイプ3を経由して、所定のタイミングで所定の量だけディーゼルエンジンの各シリンダに配設されている燃料噴射ノズル9へ圧送される。オーバーフロー燃料パイプ81には、油溜室11内のDME燃料の圧力を所定の圧力に維持するとともに、オーバーフローしたDME燃料が燃料タンクに戻る方向にのみDME燃料の流れ方向を規定するオーバーフローバルブ82が配設されている。インジェクションポンプ1からオーバーフローしたDME燃料は、オーバーフロー燃料パイプ81を経由し、オーバーフローバルブ82、オーバーフローリターンパイプ8、及びクーラー42を介して燃料タンク4へ戻される。また、各燃料噴射ノズル9からオーバーフローしたDME燃料は、ノズルリターンパイプ6を経由し、オーバーフロー燃料パイプ81、オーバーフローリターンパイプ8、及びクーラー42を介して燃料タンク4へ戻される。
【0040】
また、DME燃料供給装置100は、ディーゼルエンジン停止時に、インジェクションポンプ1内の油溜室11、オーバーフロー燃料パイプ81、インジェクションポンプエレメント2、インジェクションパイプ3、及びノズルリターンパイプ6に残留しているDME燃料を燃料タンク4へ回収する手段として、アスピレータ7、3方電磁弁71、2方電磁弁72、及びDME燃料回収制御部10を備えている。DME燃料回収制御部10は、ディーゼルエンジンの運転/停止状態(DME燃料供給装置100の噴射/無噴射状態)を検出し、各状態に応じて3方電磁弁71、2方電磁弁72、及びフィードポンプ51等のON/OFF制御を実行し、ディーゼルエンジン停止時には、油溜室11、オーバーフロー燃料パイプ81、インジェクションポンプエレメント2、インジェクションパイプ3、及びノズルリターンパイプ6に残留しているDME燃料を回収する制御を実行する。
【0041】
アスピレータ7は、入口7aと出口7bと吸入口7cとを有している。入口7aと出口7bは真っ直ぐに連通しており、吸入口7cは、入口7aと出口7bとの間の連通路から、略垂直方向に分岐している。3方電磁弁71がOFFの時に連通する連通路の出口側が入口7aに接続されており、クーラー42を介して燃料タンク4への経路へ出口7bが接続されている。また、吸引口7cは、噴射状態時(ディーゼルエンジンの運転時)にはOFF状態で閉じている2方電磁弁72に接続されている。
【0042】
DME燃料回収制御部10は、無噴射状態時(ディーゼルエンジンの停止時)には、3方電磁弁71をOFFしてフィードパイプ5からアスピレータ7の入口7aへの連通路を構成するとともに、2方電磁弁72をONして、オーバーフローバルブ82の上流側のオーバーフロー燃料パイプ81とアスピレータ7の吸入口7cとの間を連通させる。したがって、フィードポンプ51から送出されたDME燃料は、インジェクションポンプ1へ送出されずに、アスピレータ7へ送出され、入口7aから出口7bへ抜け、オーバーフローバルブ82の下流側のオーバーフロー燃料パイプ81、オーバーフローリターンパイプ8、及びクーラー42を介して燃料タンク4へ戻り、再びフィードポンプ51からアスピレータ7へ送出される。つまり、アスピレータ7を介してDME燃料液が環流する状態となる。そして、インジェクションポンプ1内の油溜室11、及びオーバーフローバルブ82の上流側のオーバーフロー燃料パイプ81に残留しているDME燃料は、入口7aから出口7bへ流れるDME燃料の流れによって生じる吸引力によって吸引口7cから吸引され、入口7aから出口7bへ流れるDME燃料に吸収されて燃料タンク4へ回収される。また、DME燃料回収制御部10は、無噴射状態時に2方電磁弁72をONするので、ノズルリターンパイプ6とオーバーフローバルブ82の上流側のオーバーフロー燃料パイプ81とが連通し、ノズルリターンパイプ6に残留しているDME燃料は、オーバーフローバルブ82の上流側のオーバーフロー燃料パイプ81経由で吸引口7cから吸引されて燃料タンク4へ回収される。
【0043】
さらに、DME燃料供給装置100は、燃料タンク4内の気相4bの出口とインジェクションポンプ1の油溜室11の入口側とを連結する気相圧力送出パイプ73を備えている。気相圧力送出パイプ73は、その内径が部分的に狭くなっている絞り部75と、気相圧力送出パイプ73の連通を開閉する気相圧力送出パイプ開閉電磁弁74とを有している。前述した「残留燃料回収手段」によって、油溜室11、オーバーフロー燃料パイプ81、及びノズルリターンパイプ6のDME燃料を吸引して燃料タンク4へ回収する際に、DME燃料回収制御部10は、同時に気相圧力送出パイプ開閉電磁弁74をONして、燃料タンク4の気相4bと油溜室11の入口側とを連結している気相圧力送出パイプ73を連通状態にする。油溜室11、オーバーフロー燃料パイプ81、及びノズルリターンパイプ6に残留している液体状態のDME燃料は、気相4bの高い圧力によって、アスピレータ7の吸入口7cへ向けて圧送されることになる。
【0044】
インジェクションポンプ1内のカム室12は、ディーゼルエンジンの潤滑系と分離された専用潤滑系となっており、オイルセパレータ13は、インジェクションポンプ1内のカム室12に漏れ出たDME燃料が混入したカム室12内の潤滑油をDME燃料と潤滑油とに分離し、潤滑油をカム室12に戻す。オイルセパレータ13で分離されたDME燃料は、カム室12内の圧力が大気圧以下になるのを防止する「カム室内圧力制限手段」としてのチェック弁(逆止弁)14を介して「吸引手段」としてのコンプレッサー16へ送出され、コンプレッサー16で加圧された後、逆止弁15、及びクーラー42を介して燃料タンク4へ戻される。逆止弁15は、ディーゼルエンジンの停止時に、燃料タンク4からDME燃料がカム室12へ逆流するのを防止するために設けられている。コンプレッサー16は、カム室12内のカムを駆動力源とするコンプレッサーとなっている。
【0045】
オイルセパレータ13の出口側とコンプレッサー16との間には、チェック弁14をバイパスしてオイルセパレータ13の出口側をコンプレッサー16へ直接連通させるバイパス通路61が設けられている。そして、オイルセパレータ13の出口側とチェック弁14との間には、オイルセパレータ13の出口側をチェック弁14へ連通させる連通経路と、オイルセパレータ13の出口側をバイパス通路61へ連通させる連通経路とを切り換える「バイパス通路開閉手段」としての3方電磁弁62が配設されている。3方電磁弁62は、OFF制御状態において、オイルセパレータ13の出口側をチェック弁14へ連通させる連通経路を構成し、ON制御状態において、オイルセパレータ13の出口側をバイパス通路61へ連通させる、つまりバイパス通路61を連通状態にする連通経路を構成する。
【0046】
カム室12内には、カム室12内の潤滑油の粘度を検出する「カム室内状態検出手段」としてのカム室内センサ12aが配設されている。カム室内センサ12aにて検出された潤滑油の粘度の検出値は、「バイパス制御手段」としてのバイパス制御部30へ送出され、バイパス制御部30は、カム室内センサ12aの検出値に基づいて、3方電磁弁62をON/OFF制御する。尚、カム室内センサ12aは、潤滑油に対するDME燃料の混入度合いが識別可能ならばどんな検出センサでも良く、例えば、カム室12内の潤滑油の密度を検出するセンサであっても良く、あるいは、カム室12内の圧力を検出するセンサであっても良く、あるいは、カム室12内の温度を検出するセンサであっても良く、さらには、これらの2つ以上を検出可能なセンサであっても良い。
【0047】
バイパス制御部30は、カム室内センサ12aが検出した潤滑油の粘度の検出値が所定の許容値を超えた場合に、つまり、油溜室11からインジェクションポンプエレメント2を介してカム室12へ漏れ出たDME燃料が潤滑油に混入し、混入したDME燃料によって潤滑油の粘度が所定の粘度未満に低下して潤滑性能が許容値未満に低下してしまった場合に、3方電磁弁62をON制御してオイルセパレータ13の出口側をバイパス通路61へ連通させる制御を実行する。オイルセパレータ13の出口側がバイパス通路61へ連通することによって、カム室12内は、カム室12内の圧力を大気圧以上に規制するチェック弁14がバイパスされた状態でコンプレッサー16によって吸引されることによって大気圧以下に減圧される。それによって、潤滑油に混入してしまっているDME燃料の気化が一気に促進される。そして、気化したDME燃料は、オイルセパレータ13によって潤滑油が分離され、コンプレッサー16によって吸引されて燃料タンク4へ回収される。そして、カム室内センサ12aが出力する潤滑油の粘度の検出値が所定の許容値以下になった時点で、つまり、カム室12内が減圧されることによって、潤滑油に混入したDME燃料が一気に気化して潤滑油から除去され、それによって潤滑油の粘度が所定の粘度以上の粘度となって潤滑性能が許容値以上に回復した時点で、3方電磁弁62をOFF制御してオイルセパレータ13の出口側をチェック弁14側へ連通させ、バイパス通路61を遮断する。
【0048】
このようにして、カム室12内を一時的に大気圧以下に減圧することによって、潤滑油に混入してしまったDME燃料の気化を一気に促進させ、短時間で燃料タンク4へ回収することができるので、インジェクションポンプ1のカム室12内に漏れ出たDME燃料による潤滑油の潤滑性能の劣化を低減させることができる。また、カム室内センサ12aが検出する潤滑油の粘度に応じて、3方電磁弁62のON/OFF制御を実行するので、潤滑油に混入しているDME燃料を常に一定量以下に維持することができ、それによって、チェック弁14をバイパスする時間を最小限に止めることができるので、チェック弁14をバイパスすることによるカム室12への酸素の侵入の虞を最小限に止めることができる。
【0049】
次に、本願発明に係るDME燃料供給装置100の第2実施例について図面を参照しながら説明する。図2は、本願発明に係るDME燃料供給装置100の第2実施例を示した概略構成図である。
【0050】
ディーゼルエンジンにDME燃料を供給する本願発明に係るDME燃料供給装置100は、インジェクションポンプ1を備えている。燃料タンク4の液相部4aのDME燃料は、液相燃料出口41からフィルタ5aでろ過された後、フィードパイプ5及び3方電磁弁31を介してインジェクションポンプ1の油溜室11へ供給される。3方電磁弁31は、噴射状態時(ディーゼルエンジンの運転時)にはON状態でフィードパイプ5が油溜室11に連通している。インジェクションポンプ1は、ディーゼルエンジンが有するシリンダの数と同じ数のインジェクションポンプエレメント2を備えている。インジェクションポンプエレメント2の燃料送出口には、インジェクションパイプ3が接続されており、インジェクションパイプ3は、燃料噴射ノズル9へ接続され、インジェクションポンプ1から送出される高圧に圧縮されたDME燃料は、インジェクションパイプ3を介して燃料噴射ノズル9へ圧送される。燃料噴射ノズル9からオーバーフローしたDME燃料は、ノズルリターンパイプ6を介してフィードパイプ5へ戻され、再び油溜室11へと供給される。
【0051】
油溜室11の外側には、油溜室11のDME燃料を冷却するための油溜室燃料温度調節手段として、フィードパイプ5から分岐した冷却媒体供給パイプ17を介して燃料タンク4からDME燃料が冷却媒体として供給される。冷却媒体として供給されたDME燃料は、冷却媒体供給パイプ開閉電磁弁19を介して燃料気化器18へ供給される。そして、燃料気化器18で気化されたDME燃料は、その気化熱を利用した油溜室燃料冷却器111に供給され、その気化熱によって油溜室11内のDME燃料が冷却される。油溜室燃料冷却器111に冷却媒体として供給されたDME燃料は、電動コンプレッサー33によって吸引されて燃料タンク4へ戻される。
【0052】
電動コンプレッサー33にて加圧されたDME燃料は、リターン経路切換電磁弁32がOFFしている場合には、クーラー42によって冷却されてから燃料タンク4へ戻される(第1のリターン経路)。また、リターン経路切換電磁弁32がONしている場合には、クーラー42を経由しないで、つまり冷却されずに燃料タンク4へ戻される(第2のリターン経路)。したがって、リターン経路切換電磁弁32のON/OFF制御によって、燃料タンク4に戻すDME燃料の温度を調節することができ、それによって、燃料タンク4内のDME燃料の温度を制御することができる。尚、逆止弁43は、第2のリターン経路からDME燃料がクーラー42へ逆流することを防止するためのものである。
【0053】
そして、冷却媒体供給パイプ開閉電磁弁19は、油溜室温度センサ11aにて検出された油溜室11内のDME燃料の温度に基づいて、DME燃料温度制御部40によって制御され、冷却媒体供給パイプ開閉電磁弁19が開閉制御されることによって、油溜室燃料冷却器111への冷却媒体の供給がON/OFF制御される。また、リターン経路切換電磁弁32は、燃料タンク温度センサ4cにて検出された燃料タンク4内のDME燃料の温度に基づいて、DME燃料温度制御部40によってON/OFF制御される。
【0054】
燃料タンク4内のDME燃料は、油溜室燃料冷却器111によって冷却された油溜室11内のDME燃料と、燃料タンク4内のDME燃料との温度差によって生じる両者間の相対的な圧力差によって、フィードパイプ5へと圧送される。つまり、当該実施例に示したDME燃料供給装置100は、燃料タンク4からDME燃料をインジェクションポンプ1へ送出するためのポンプを備えておらず、油溜室11内のDME燃料を冷却することによって生じる油溜室11と燃料タンク4内との圧力差によって、燃料タンク4内のDME燃料をインジェクションポンプ1へ供給する構成を成している。そのため、油溜室11にはオーバーフロー経路が設けられておらず、油溜室11からインジェクションポンプエレメント2によってインジェクションパイプ3を介して燃料噴射ノズル9へ圧送されたDME燃料の分だけ供給されていくことになる。また、燃料噴射ノズル9からオーバーフローしたDME燃料は、従来のように燃料タンク4へ戻されずに、ノズルリターンパイプ6を介してフィードパイプ5へ戻され、再び油溜室11へ供給される。
【0055】
また、インジェクションポンプ1内のカム室12は、ディーゼルエンジンの潤滑系と分離された専用潤滑系となっており、オイルセパレータ13は、インジェクションポンプ1内のカム室12に漏れ出たDME燃料が混入したカム室12内の潤滑油をDME燃料と潤滑油とに分離し、潤滑油をカム室12に戻す。オイルセパレータ13で分離されたDME燃料は、カム室12内の圧力が大気圧以下になるのを防止する「カム室内圧力制限手段」としてのチェック弁(逆止弁)14を介して電動コンプレッサー33へ送出され、電動コンプレッサー33で加圧された後、クーラー42を介して燃料タンク4へ戻される。
【0056】
そして、前述した第1実施例と同様に、オイルセパレータ13の出口側と電動コンプレッサー33との間には、チェック弁14をバイパスしてオイルセパレータ13の出口側を電動コンプレッサー33へ直接連通させるバイパス通路61が設けられている。そして、オイルセパレータ13の出口側とチェック弁14との間には、オイルセパレータ13の出口側をチェック弁14へ連通させる連通経路と、オイルセパレータ13の出口側をバイパス通路61へ連通させる連通経路とを切り換える「バイパス通路開閉手段」としての3方電磁弁62が配設されている。3方電磁弁62は、OFF制御状態において、オイルセパレータ13の出口側をチェック弁14へ連通させる連通経路を構成し、ON制御状態において、オイルセパレータ13の出口側をバイパス通路61へ連通させる、つまりバイパス通路61を連通状態にする連通経路を構成する。
【0057】
カム室12内には、カム室12内の潤滑油の粘度を検出する「カム室内状態検出手段」としてのカム室内センサ12aが配設されている。カム室内センサ12aにて検出された潤滑油の粘度の検出値は、「バイパス制御手段」としてのバイパス制御部30へ送出され、バイパス制御部30は、カム室内センサ12aの検出値に基づいて、3方電磁弁62をON/OFF制御する。以下、バイパス制御部30の説明については、第1実施例と同様の説明となるので省略する。
【0058】
このようにして、当該実施例に示したようなフィードポンプを有さないDME燃料供給装置100においても前述した第1実施例と同様に、カム室12内を一時的に大気圧以下に減圧することによって、インジェクションポンプ1のカム室12内に漏れ出たDME燃料による潤滑油の潤滑性能の劣化を低減させることができる。
【0059】
つづいて、本願発明に係るDME燃料供給装置100の第3実施例として、上述した第1実施例又は第2実施例に加えてインジェクションポンプエレメント2に、カム室12へ漏れ出るDME燃料を気化するための空間部を設けたDME燃料供給装置100について図面を参照しながら説明する。図3は、本願発明に係るDME燃料供給装置100を構成するインジェクションポンプ1のインジェクションポンプエレメント2近傍の断面を示した要部斜視図である。また、図4は、本願発明に係るインジェクションポンプ1の断面図であり、図4(a)は、全体の側面図、図4(b)は、プランジャの一部を拡大して示したものである。
【0060】
デリバリバルブホルダ21は、デリバリバルブ挿設孔211を有する形状を成しており、インジェクションポンプ1の基体に固定されている。デリバリバルブ挿設孔211と連通している燃料液送出口212には、インジェクションパイプ3が接続される。デリバリバルブ挿設孔211には、デリバリバルブ23が往復動可能に挿設されており、デリバリバルブ23は、デリバリスプリング22によって、デリバリバルブホルダ21と一体に配設されているデリバリバルブシート24のバルブシート部24aに、バルブ部231が当接する如く付勢されている。
【0061】
プランジャバレル25は、デリバリバルブシート24と一体に配設され、デリバリバルブシート24に連通している液圧室25aを有している。液圧室25aには、プランジャ26が往復動可能に挿設されており、その一端側がデリバリバルブ23に面している。プランジャ26は、プランジャスプリング27によって、カム122側に付勢されている。プランジャ26は、ディーゼルエンジンの駆動軸に連結され、ディーゼルエンジンの駆動力で回転するカムシャフト121のカム122によって、タペット28を介してデリバリバルブ23側(符号Dの矢印で示した方向)に押し上げられる。プランジャ26のつば部261は、コントロールラック123と係合して回転するピニオン29と一体の円筒状の部材であるスリーブ291と係合しており、コントロールラック123の往復動によってピニオン29が回転し、プランジャ26が周方向に回転する構成を成しており、このプランジャの回転位置によってDME燃料の噴射量が増減する。
【0062】
プランジャ26が挿設されているプランジャバレル25の内周面には、本願発明に係る「DME燃料気化部」としての3つの環状溝20がプランジャバレル25の内周面の周方向に形成されている。環状溝20によってプランジャ26とプランジャバレル25との摺接面には、空間部20aが形成されている。油溜室11内の高圧な液体状態のDME燃料が液圧室25aに充填され、プランジャ26が上昇することによってデリバリバルブ23を介して燃料液送出口212へ送出される際に、プランジャ26とプランジャバレル25との摺接面に液体状態のDME燃料が漏れ出る。プランジャ26とプランジャバレル25との摺接面に漏れ出た液体状態のDME燃料は、3つの空間部20aにおいて段階的に減圧されて気化した状態でカム室12へ漏れ出る。気化した状態でカム室12へ漏れ出たDME燃料は、カム室12に配設されたオイルセパレータ13によって潤滑油から分離され、コンプレッサー16によって吸引されて燃料タンク4へ送出される。
【0063】
尚、空間部20aの容積は、プランジャ26とプランジャバレル25との摺接面の間隔等からプランジャ26とプランジャバレル25との摺接面に漏れ出た液体状態のDME燃料が十分減圧されて気化可能な容量であれば良い。また、プランジャ26とプランジャバレル25との摺接面は、高精度に形成されているので、その精度に環状溝20が及ぼす影響を最小限にするためにも可能な限り幅が狭く容量の小さい溝であることが好ましいと言える。
【0064】
このようにして、油溜室11からカム室12へ向けてプランジャ26とプランジャバレル25との摺接面に漏れ出た高圧で液体状態のDME燃料は、空間部20aにおいて減圧されて気化した状態でカム室12へ漏れ出る。そして、カム室12へ漏れ出た気体状態のDME燃料をオイルセパレータ13で分離しつつコンプレッサー16で吸引して燃料タンク4へ戻すので、カム室12内に漏れ出てカム室12内の潤滑油に混入してしまうDME燃料を少なくすることができる。したがって、DME燃料の混入による潤滑油の潤滑性能の低下を低減させることができ、それによって、チェック弁14をバイパスしてカム室12内を一時的に大気圧以下に減圧する時間を短縮することができる。
【0065】
また、第3実施例の変形例としては、空間部20aを形成する環状溝20をプランジャ26とプランジャバレル25との摺接面のカム室寄りに形成したものが挙げられる。図5は、プランジャバレル25のカム室12寄りに環状溝20が形成されたインジェクションポンプ1の一部を拡大して示した断面図である。
【0066】
プランジャ26とプランジャバレル25との摺接面に漏れ出た高圧で液体状のDME燃料は、カム室12に向けて漏れ出る過程において徐々に圧力が低下していく。したがって、このように、環状溝20がカム室寄りに形成され、空間部20aがカム室寄りに形成されていることによって、圧力がある程度低下した状態のDME燃料を減圧して気化させるので、高圧で液体状態のDME燃料を効果的に減圧して気化させることができる。
【0067】
さらに、第3実施例の変形例としては、プランジャ26に環状溝20が形成されたものが挙げられる。図6は、プランジャ26に環状溝20が形成されたインジェクションポンプ1の一部を拡大して示した断面図である。
【0068】
このように、プランジャ26とプランジャバレル25との摺接面において、プランジャ26に環状溝20を設けて空間部20aを形成しても本願発明の実施は可能であり、本願発明による作用効果を得ることができるものである。また、プランジャ26に環状溝20を形成することによって、環状溝20を容易に精度良く形成することができるというメリットがある。
【0069】
さらに、本願発明に係るDME燃料供給装置100の第4実施例としては、上述した第1実施例〜第3実施例に示したDME燃料供給装置100のいずれかにおいて、チェック弁14のバイパス制御をカム室内センサ12aが検出した検出値が所定の許容値を超えてから一定時間経過した後に3方電磁弁62(バイパス通路開閉手段)をOFF制御するようにしたものが挙げられる。例えば、カム室内センサ12aが検出した検出値が所定の許容値を超えた時点で3方電磁弁62をON制御した後、一定時間経過した時点でカム室内センサ12aが検出した検出値が所定の許容値以下にならなくても3方電磁弁62をいったんOFF制御して、カム室12内が大気圧以下に減圧された状態が長時間継続することを防止する。あるいは、カム室内センサ12aが検出した検出値が所定の許容値を超えた時点で3方電磁弁62をON制御した後、一定時間経過した時点でカム室内センサ12aが検出した検出値に関わらず3方電磁弁62をOFF制御する。この一定時間は、カム室12内が減圧されることによって潤滑油に混入したDME燃料が十分除去されると想定される時間に設定する。
【0070】
さらに、本願発明に係るDME燃料供給装置100の第5実施例としては、上述した第1実施例〜第4実施例に示したDME燃料供給装置100のいずれかにおいて、所定の時間周期で一定時間、3方電磁弁62をON制御する定周期バイパス制御手段を設けたものが挙げられる。例えば、定周期で一定時間、3方電磁弁62のON/OFF制御をバイパス制御部30によって繰り返し実行する。3方電磁弁62のON/OFF制御を行う時間周期は、潤滑油に混入しているDME燃料の量が許容量を超えると想定される時間に設定し、3方電磁弁62をON制御する一定時間は、潤滑油に混入しているDME燃料の量が許容量以下になるのに必要十分な時間に設定する。このような定周期バイパス手段を設けることによって、チェック弁14のバイパス制御を簡略化できる。したがって、カム室内センサ12aを設けなくても良く、あるいは、カム室内センサ12aが故障した場合等におけるバックアップ手段としても良い。
【0071】
さらに、本願発明に係るDME燃料供給装置100の第6実施例としては、上述した第1実施例〜第5実施例に示したDME燃料供給装置100のいずれかにおいて、DME燃料供給装置100をコモンレール式にしたものが挙げられ、そのような態様においても本願発明の実施は可能であり、本願発明による作用効果を得ることができる。
【0072】
尚、本願発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本願発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
【0073】
【発明の効果】
本願発明によれば、インジェクションポンプのカム室内に漏れ出たDME燃料による潤滑油の潤滑性能の劣化を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係るDME燃料供給装置の第1実施例を示した概略構成図である。
【図2】本願発明に係るDME燃料供給装置の第2実施例を示した概略構成図である。
【図3】本願発明に係るインジェクションポンプのインジェクションポンプエレメント近傍の断面を示した要部斜視図である。
【図4】本願発明に係るインジェクションポンプの断面図であり、図4(a)は、全体の側面図、図4(b)は、プランジャの一部を拡大して示したものである。
【図5】プランジャバレルのカム室寄りに環状溝が形成されたインジェクションポンプの一部を拡大して示した断面図である。
【図6】プランジャに環状溝が形成されたインジェクションポンプの一部を拡大して示した断面図である。
【符号の説明】
1 インジェクションポンプ
2 インジェクションポンプエレメント
3 インジェクションパイプ
4 燃料タンク
4c 燃料タンク温度センサ
5 フィードパイプ
6 ノズルリターンパイプ
7 アスピレータ
8 リターンパイプ
9 燃料噴射ノズル
11 油溜室
11a 油溜室温度センサ
12 カム室
12a カム室内センサ
13 オイルセパレータ
14 チェック弁
16 コンプレッサー
20 環状溝
20a 空間部
25 プランジャバレル
26 プランジャ
30 バイパス制御部
31 3方電磁弁(連通経路切換手段)
32 リターン経路切換電磁弁
33 電動コンプレッサー
42 クーラー
61 バイパス通路
62 3方電磁弁(バイパス通路開閉手段)
111 油溜室燃料冷却器
100 DME燃料供給装置

Claims (1)

  1. DME燃料タンクから燃料噴射ノズルまでの燃料供給系に設けられ、内部に潤滑油を有し、カム室内圧力制限手段によって大気圧以上の一定圧力に維持され、前記燃料供給系から液体状のDME燃料が流れ込んでくるカム室であり、
    吸引手段に連通されたオイルセパレータによってカム室内の気相部分に充満している気化したDME燃料から潤滑油が分離されるように構成され、前記吸引手段とオイルセパレータとの間の流路に前記カム室内圧力制限手段が設けられている当該カム室の液体DME燃料気化促進装置であって、
    前記カム室内圧力制限手段をバイパスして、前記カム室と前記吸引手段とを直接連通させるバイパス通路と、該バイパス通路を開閉するバイパス通路開閉手段とを備え、該バイパス通路が開にされたときカム室内が前記吸引手段によって直接吸引されて前記一定圧力より低い圧力に減圧されるように構成されていることを特徴とするディーゼルエンジンにおける液体DME燃料気化促進装置。
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