JP3931674B2 - 侵入者検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は監視用テレビジョンカメラと補助センサにより侵入者を検出する侵入者検出装置に係り、補助センサに覆いがかけられたときこれを検出し警報するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
侵入者検出装置には、監視用テレビジョンカメラ(以降、カメラと略す)と補助センサ(焦電型赤外線パッシブセンサを用いる)とを備え、監視範囲に侵入者が入ったとき、例えば、侵入者から発せられる熱線すなわち赤外線を補助センサで検知し、この検知に基づいてカメラで監視範囲を撮像し、背景画像(侵入者の居ないときの画像)との画像差を求め、画像差が所定値以上の場合、侵入者ありを警報するものがある。ところで、侵入者が検出を逃れるためカメラや補助センサに覆いをかけるという妨害工作をした場合、侵入者からの赤外線が補助センサで検知されず、従ってカメラも作動せず、侵入者の検出ができない。また、例えば、カメラの近傍に補助光源(LED等)を設けておき、カメラから映像信号が出力されない場合に補助光源を点滅し、この光がカメラにかぶされた覆いで反射されるか否かによってカメラ映像に基づき覆いがかけられたか否かを判断するようにすればカメラの覆いは検出できるが、補助センサで侵入者からの赤外線が検知できない場合に検知不能の原因が補助センサに覆いがかけられたためか否かの判断ができない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、補助センサに覆いがかけられた場合にカメラからの画像に基づいて補助センサに覆いがかけられたか否かを検出できるようにすることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の侵入者検出装置は、カメラと赤外線検知用の補助センサとを用いて侵入者を検出し警報部で警報するものにおいて、前記カメラの画角内に反射鏡を設け、同反射鏡を介して前記補助センサを撮像するように設定し、同反射鏡を介して撮像される部分の画像の変化量が所定の基準値と異なる場合に前記補助センサに覆いがかけられていると判断し、前記警報部により前記補助センサに覆いがかけられていることを警報するように構成する。
【0005】
この場合、前記反射鏡を介して前記カメラで補助センサを撮像するように設定すると共に、同カメラより出力された同反射鏡を介して撮像された部分に異常のないときの画像を記憶する背景画像メモリと、同カメラより随時出力される画像を同背景画像メモリより読出した画像と比較し差分のデータを出力する差分処理部と、同差分処理部からのデータを所定の閾値を基準にして1または0の二値データにする二値化部と、前記カメラにより前記反射鏡を介して撮像される部分の異常の有無を判定するための基準値を記憶する基準値記憶部と、前記二値化部からの二値データを同基準値記憶部より読出した基準値と比較し前記補助センサに覆いがかけられているか否かを判定する覆い判定部と、前記背景画像メモリ、差分処理部、二値化部、基準値記憶部および覆い判定部を制御する制御部とを設け、前記覆い判定部で覆いありを判定した場合に前記警報部により前記補助センサに覆いがかけられていることを警報するように構成する。
【0006】
または、前記カメラより出力される画像から前記反射鏡で反射された部分を切出す画像切出部と、同画像切出部で切出された部分に異常のないときの画像を記憶する背景画像メモリと、同画像切出部から随時出力される画像を同背景画像メモリより読出した画像と比較し差分のデータを出力する差分処理部と、同差分処理部からのデータを所定の閾値を基準にして1または0の二値データにする二値化部と、前記画像切出部で切出される画像の異常の有無を判定するための基準値を記憶する基準値記憶部と、前記二値化部からの二値データを同基準値記憶部より読出した基準値と比較し前記補助センサに覆いがかけられているか否かを判定する覆い判定部と、前記画像切出部、背景画像メモリ、差分処理部、二値化部、基準値記憶部および覆い判定部を制御する制御部とを設け、前記覆い判定部で覆いありを判定した場合に前記警報部により前記補助センサに覆いがかけられていることを警報するように構成してもよい。
【0007】
なお、前記覆い判定部にて所定時間間隔で所定回数比較・判定を行い、所定回数以上覆いありが判定された場合に前記警報部により前記補助センサに覆いがかけられていることを警報するようにしてもよい。
【0008】
前記反射鏡は、前記カメラの画角内の監視の邪魔にならない箇所に設けるようにする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1(イ)は本発明による侵入者検出装置の一実施例の要部構成図で、図の1は監視範囲を撮像するためのカメラ、2は人からの赤外線を検知するための焦電型赤外線パッシブセンサを用いた補助センサ、3は反射鏡である。
カメラ1は監視範囲が画角Aに入るように設定され、補助センサ2は侵入者が監視範囲内に入ったとき侵入者から発せられる熱線すなわち赤外線が検知されるように設定する。反射鏡3は、カメラ1の画角A内の、監視の邪魔にならない箇所、例えば、同図(ロ)に示すように右上の隅等(左上、左下または右下の隅等でもよい)に設け、反射鏡3で反射された補助センサ2の画像2′が全体画像の一隅に入るように設定する。そして、反射鏡3を介して撮像されるaの部分(補助センサ2の画像2′)の変化量が所定の基準値以上の場合に補助センサ2に覆いがかけられていると判断し、警報部により補助センサ2に覆いがかけられていることを警報する。
【0012】
図2は本発明による侵入者検出装置の一実施例の要部ブロック図で、図の1はカメラ、2は補助センサ、11は補助センサ2からの赤外線検知の信号とカメラ1より出力される画像に基づいて侵入者を検出する侵入者検出部、12は侵入者検出部11からの信号に基づき侵入者ありを警報し、後述する覆い判定部18で補助センサ2に覆いがかけられていると判定された場合に覆いありを警報する警報部、13はカメラ1より出力される画像から図1の反射鏡3で反射されたaの部分を切出す画像切出部、14は画像切出部13で切出されたaの部分に異常のないときの画像、またはカメラ1より出力された反射鏡3を介して撮像されたaの部分に異常のないときの画像を記憶する背景画像メモリ、15は画像切出部13またはカメラ1から随時出力される画像を背景画像メモリ14より読出した画像と比較し差分のデータを出力する差分処理部、16は差分処理部15からのデータを所定の閾値を基準にして1または0の二値データにする二値化部、17は画像切出部13で切出される画像、またはカメラ1により反射鏡3を介して撮像される部分の画像の異常の有無を判定するための基準値を記憶する基準値記憶部、18は二値化部からの二値データを基準値記憶部17より読出した基準値と比較し補助センサ2に覆いがかけられているか否かを判定する覆い判定部、19は上記各部を制御する制御部である。
【0013】
次に、本発明による侵入者検出装置の動作を説明する。侵入者の検出は、カメラ1で撮像された画像を侵入者検出部11に入力し、侵入者検出部11にて、例えば、侵入者の居ないとき撮像された画像(予め侵入者検出部11に内蔵のメモリに記憶しておく)と比較し、二つの画像の差分の絶対値が所定の基準値より大きい場合に侵入者ありと判定するか、または、補助センサ2で検知される赤外線の変化量の増分が所定の基準値より大きく、かつ、カメラ1からの二つの画像の差分の絶対値が所定の基準値より大きい場合に侵入者ありと判定し、警報部12により侵入者ありを警報する。
【0014】
補助センサ2の覆いの有無の判定は以下のように行う。まず、カメラ1からの画像で、反射鏡3で反射された部分(図1のaの部分)、すなわち補助センサ2に異常のない(補助センサ2が覆われていない)ときの画像を背景画像メモリ14に書込む。そして、カメラ1より随時出力される画像を差分処理部15に入力し、制御部19を介し背景画像メモリ14より読出したaの部分の異常のない画像と比較し、二画像の差分データを求め、二値化部16に入力し、所定の閾値を基準にして1または0の二値データにする。そして、制御部19を介し覆い判定部18に入力し、制御部19を介し基準値記憶部17より読出した異常の有無(補助センサ2が覆われたか否か)を判定するための基準値と比較し、二値データの絶対値が基準値より大きい場合、補助センサ2に覆いがかけられていると判定し、制御部19を介し警報部12より補助センサ2に覆いがかけられていることを警報する。なお、誤判定を防ぐため、覆い判定部18にて所定時間間隔で所定回数比較・判定を行い、覆いありの判定が所定回数以上の場合、警報部12により補助センサ2に覆いがかけられていることを警報するようにしてもよい。
【0015】
または、カメラ1からの画像を画像切出部13に入力し、反射鏡3で反射されたaの部分を切出し、この部分に異常のないときの画像(切出し画像)を背景画像メモリ14に書込む。そして、カメラ1より随時出力される画像から画像切出部13でaの部分を切出し、差分処理部15に入力し、制御部19を介し背景画像メモリ14より読出した画像(aの部分に異常のない画像)と比較し、二画像の差分データを求め、二値化部16に入力し、所定の閾値を基準にして1または0の二値データにする。そして、制御部19を介し覆い判定部18に入力し、制御部19を介し基準値記憶部17より読出した異常の有無(補助センサ2が覆われたか否か)の判定の基準値と比較し、二値データの絶対値が基準値より大きい場合、補助センサ2に覆いがかけられていると判定し、制御部19を介し警報部12より補助センサ2に覆いがかけられていることを警報する。この場合も、覆い判定部18にて所定時間間隔で所定回数比較・判定を行い、覆いありの判定が所定回数以上の場合に警報部12により補助センサ2に覆いがかけられていることを警報するようにしてもよい。このように、画像切出部13を用いることにより、覆いの有無の判定に関係のない部分のデータの処理をせずに済むため、その分のノイズが減り、判定精度を上げることができる。
【0016】
図3は他の構成例の要部で、補助センサ2の検知範囲B内に、例えば、侵入者検出装置と離して有線あるいは無線で接続するようにした赤外LED(発光ダイオード)21を設け、装置をテストモードに切換え、赤外LED21から赤外線を発光させ、このとき補助センサ2で赤外LED21からの赤外線が検知されない場合、補助センサ2に覆いがかけられていると判断し、警報部により補助センサ2に覆いがかけられていることを警報するようにしたものである。なお、赤外LED21以外からの赤外線の検知による誤動作(誤判断)を防ぐため、赤外LED21の発光を所定時間間隔で所定回数行い、補助センサ2による赤外線の検知を赤外LED21の発光と同期をとって行うようにし、赤外線の検知されない回数が所定回数以上あった場合に補助センサ21に覆いがかけられていると判断し、警報するようにしてもよい。
【0017】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明による侵入者検出装置によれば、監視用のカメラの画角内の監視の邪魔にならない箇所に反射鏡を設け、反射鏡で反射された補助センサの部分の画像がカメラの出力画像の一隅に収まるようにし、カメラからのこの部分に異常のないときの画像を記憶しておき、カメラから随時出力されるこの部分の画像を記憶の画像と比較し、差分データを求め、所定の閾値を基準にして二値化し、二値データの絶対値が覆いありの判定基準値より大きい場合に補助センサに覆いがかけられていると判定し、警報するものであるから、補助センサの覆いの有無を高い確度で判定し警報することができる。なお、覆い判定部にて所定時間間隔で所定回数比較・判定を行い、所定回数以上覆いありが判定された場合に覆いありを警報することにより、判定誤りを防ぐことができる。また、画像切出部を用いて補助センサの部分の画像を切出し、データ処理するようにすれば、他の部分のデータ処理を行わずに済むのでその分のノイズが減り、より一層判定精度を上げることができる。
また、補助センサの検知範囲内に赤外LEDを設け、装置をテストモードに切換え、赤外LEDを発光させ、赤外LEDからの赤外線が補助センサで検知されない場合に補助センサに覆いがかけられたと判断し警報するようにすることにより、画像処理なしの簡便な方法で覆いの有無を検知することができる。この場合も、赤外LEDの発光を所定時間間隔で所定回数行い、補助センサによる赤外線の検知を赤外LEDの発光と同期をとって行い、赤外線の検知されない回数が所定回数以上の場合に補助センサに覆いがかけられていると判断することにより、誤判断を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による侵入者検出装置の一実施例の要部構成図である。
【図2】本発明による侵入者検出装置の一実施例の要部ブロック図である。
【図3】本発明による侵入者検出装置の他の実施例の要部構成図である。
【符号の説明】
1 カメラ
2 補助センサ
2′補助センサ2の画像
3 反射鏡
11 侵入者検出部
12 警報部
13 画像切出部
14 背景画像メモリ
15 差分処理部
16 二値化部
17 基準値記憶部
18 覆い判定部
19 制御部
21 赤外LED
A カメラ1の画角
a 反射鏡3で反射される部分
B 補助センサ2の検知範囲

Claims (5)

  1. 監視用テレビジョンカメラと赤外線検知用の補助センサとを用いて侵入者を検出し警報部で警報するものにおいて、前記監視用テレビジョンカメラの画角内に反射鏡を設け、同反射鏡を介して前記補助センサを撮像するように設定し、同反射鏡を介して撮像される部分の画像の変化量が所定の基準値と異なる場合に前記補助センサに覆いがかけられていると判断し、前記警報部により前記補助センサに覆いがかけられていることを警報するようにしたことを特徴とする侵入者検出装置。
  2. 監視用テレビジョンカメラと赤外線検知用の補助センサとを用いて侵入者を検出し警報部で警報するものにおいて、前記監視用テレビジョンカメラの画角内に反射鏡を設け、同反射鏡を介して前記補助センサを撮像するように設定すると共に、前記監視用テレビジョンカメラより出力された前記反射鏡を介して撮像された部分に異常のないときの画像を記憶する背景画像メモリと、同監視用テレビジョンカメラより随時出力される画像を同背景画像メモリより読出した画像と比較し差分のデータを出力する差分処理部と、同差分処理部からのデータを所定の閾値を基準にして1または0の二値データにする二値化部と、前記監視用テレビジョンカメラにより前記反射鏡を介して撮像される部分の異常の有無を判定するための基準値を記憶する基準値記憶部と、前記二値化部からの二値データを同基準値記憶部より読出した基準値と比較し前記補助センサに覆いがかけられているか否かを判定する覆い判定部と、前記背景画像メモリ、差分処理部、二値化部、基準値記憶部および覆い判定部を制御する制御部とを設け、前記覆い判定部で覆いありを判定した場合に前記警報部により前記補助センサに覆いがかけられていることを警報するようにしたことを特徴とする侵入者検出装置。
  3. 監視用テレビジョンカメラと赤外線検知用の補助センサとを用いて侵入者を検出し警報部で警報するものにおいて、前記監視用テレビジョンカメラの画角内に反射鏡を設け、同反射鏡を介して前記補助センサを撮像するように設定すると共に、前記監視用テレビジョンカメラより出力される画像から前記反射鏡で反射された部分を切出す画像切出部と、同画像切出部で切出された部分に異常のないときの画像を記憶する背景画像メモリと、同画像切出部から随時出力される画像を同背景画像メモリより読出した画像と比較し差分のデータを出力する差分処理部と、同差分処理部からのデータを所定の閾値を基準にして1または0の二値データにする二値化部と、前記画像切出部で切出される画像の異常の有無を判定するための基準値を記憶する基準値記憶部と、前記二値化部からの二値データを同基準値記憶部より読出した基準値と比較し前記補助センサに覆いがかけられているか否かを判定する覆い判定部と、前記画像切出部、背景画像メモリ、差分処理部、二値化部、基準値記憶部および覆い判定部を制御する制御部とを設け、前記覆い判定部で覆いありを判定した場合に前記警報部により前記補助センサに覆いがかけられていることを警報するようにしたことを特徴とする侵入者検出装置。
  4. 前記覆い判定部にて所定時間間隔で所定回数比較・判定を行い、所定回数以上覆いありが判定された場合に前記警報部により前記補助センサに覆いがかけられていることを警報するようにしたことを特徴とする請求項1、2または3記載の侵入者検出装置。
  5. 前記反射鏡は、前記監視用テレビジョンカメラの画角内の監視の邪魔にならない箇所に設けるようにしたことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の侵入者検出装置。
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