JP3965003B2 - 画像認識装置及び監視装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、監視画像に現れる侵入者等の検知対象を検出する画像認識装置及び監視装置に関し、特に背景が時間的に変化する場合においても精度良く検知対象を検出することに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、工業用テレビカメラ(ITVカメラ)等の撮像装置を用いた監視装置が各所に設置され、侵入者検知や異常検知に威力を発揮している。そのような監視装置は、天井等に設置されたITVカメラにて監視対象領域の画像を取得する。現在においても、監視員が監視画像をモニタして異常等を検知するという形態の監視システムは存在するが、近年では画像認識装置を組み合わせて、監視画像中に現れる検知対象の像を自動的に検出する監視装置が開発されている。
【0003】
この自動監視装置では、検知対象が検知された場合に、例えば監視員への通報が行われ、監視員はその通報を受けて、現地に赴いて確認する等の必要な措置を行う。このように自動的に検知対象を認識する装置では、監視員の負担が大幅に軽減される。
【0004】
従来の自動監視装置、又はそれに用いられる画像認識装置は、監視画像の時間的な変化を検知し、さらに、変化が生じた画像の大きさや変化率等の特徴量を抽出して、その変化が検知対象によるものであるか否かの判別を行う。監視画像の変化の検出の代表的なものとして、基準画像と監視画像との差(差分画像)を求める差分法がある。基準画像として、背景のみが撮影されている監視画像を利用するという方法や、また現在より所定時刻だけ先行して得られた監視画像を基準画像として利用する方法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の自動監視装置、画像認識装置では、背景自体が時間的に変動する場合には、その変動自体が検知対象として誤検出される可能性があった。例えば、商業店舗においてはクリスマスツリー等のイルミネーションが利用される場合が多々ある。また、各種装置間の通信に赤外線通信が用いられる場合があり、そのような装置が配置されたエリアを赤外線監視すると、通信のやりとりに応じて点滅する赤外光源が映像化される。例えばこれら点滅光源が画像上の異なる位置において順次発光すると、人間等の検知対象が監視領域内で移動した場合に似た画像変化が生じる場合があり、誤検出が生じうる。そのような事象が生じる確率はそれほど高くはないかもしれないが、自動監視装置はその利便性から広く利用されるため、誤検出に伴う監視員や対処員の負担増が問題として認識されている。
【0006】
本発明は上記問題点を解消するためになされたもので、定常点滅光などに起因して発生しうる誤検出が抑制された信頼性の高い監視装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る画像認識装置は、複数のタイミングにおける監視画像をそれぞれ背景画像として保存する背景登録手段と、現在の監視画像を前記背景画像のそれぞれと比較する画像比較手段と、前記現在の監視画像に対する前記画像比較手段における比較結果に基づいて前記検知対象の有無を判定する判定手段とを有し、前記画像比較手段は、前記各背景画像についての前記比較結果として、当該背景画像と前記現在の監視画像との差分画像に基づいた比較結果画像を生成し、前記判定手段は、複数の前記比較結果画像に共通に現れる像に基づいて前記判定を行うことを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、異なるタイミングにおける背景画像が登録される。よって、定常的に明滅する光源が存在する場合のような時間的に変化する背景に対してその変化の各時相における背景画像が保持される。画像比較手段は、これら各背景画像と現在の監視画像とを比較する。監視画像に映るものが背景のみである場合には、背景登録手段に保存される背景画像には当該監視画像と一致度の高いものが存在する。一致度のレベルの定義に応じて、そのような一致度の高い背景画像は一つであったり、複数であったりしうる。一方、監視画像に背景以外のものが映っている場合には、基本的にはその監視画像は背景登録手段に保存される背景画像のいずれとも一致しない。一致度のレベルの定義に応じては、画像比較手段による比較結果は、背景以外のものが映っている場合でも予め背景登録手段が学習した背景画像の幾つかと一致していることを示すかもしれないが、その一致背景画像の数は、背景のみが映っている場合に比べて基本的に少ない。このように、監視画像と各背景画像とを比較して得られる複数の比較結果を総合的に捉えた場合、監視画像に背景のみが映っている場合とそれ以外のものが映っている場合との間には相違が存在する。判定手段はこの相違に基づいて監視画像に背景以外のものが映っている場合を検知する。すなわち、背景自体が変動する場合を検知対象が存在すると誤判定することが抑制される。
【0009】
本発明に係る画像認識装置は、前記画像比較手段が、前記各背景画像についての前記比較結果として、当該背景画像と前記現在の監視画像との差分画像に基づいた比較結果画像を生成し、前記判定手段が、複数の前記比較結果画像に共通に現れる像に基づいて前記判定を行うものである。
【0010】
本発明によれば、原理的には、監視画像が背景のみを映すものである場合には、差分の結果、少なくとも一つの比較結果画像には何らの像も現れず、一方、監視画像が背景以外のものを映すものである場合には、全ての比較結果画像に互いに重なる部分を有した像が現れる。実際には、前者の場合においても幾つかの比較結果画像に共通の像が現れ、また後者の場合においても必ずしも全部の比較結果画像に共通の像が現れないであろう。しかし、共通の像が現れる比較結果画像の数は基本的に前者より後者の場合の方が大きい。よって、その数に関し適当な閾値を定めることにより両者を区別することができ、それに基づいて検知対象の有無を判定することができる。
【0011】
本発明に係る監視装置は、撮像手段によって、複数のタイミングにおける監視画像をそれぞれ背景画像として取得し、背景画像セットとして登録する背景登録手段と、前記撮像手段が出力する監視画像から新たな背景画像を取得し、当該新たな背景画像を用いて前記背景画像セットを漸次、更新する背景更新手段と、現在の監視画像を前記背景画像のそれぞれと比較する画像比較手段と、前記現在の監視画像に対する前記比較手段における比較結果に基づいて前記検知対象の有無を判定する判定手段とを有するものである。
【0012】
本発明によれば、装置の利用環境に応じた複数の背景画像からなる背景画像セットが動作開始前に登録される。さらに、背景画像セットを構成する背景画像は、監視画像から新たに得られる背景画像によって、適宜更新される。すなわち、背景の変動状況の変化や、日照等による背景の全体的な変化に対応して背景画像セットが更新される。これにより、監視画像に映るものが背景のみである場合を確実、継続的に除去することができる。
【0013】
他の本発明に係る監視装置は、前記背景更新手段が、現行の前記背景画像セットに前記新たな背景画像を加えた複数の背景画像から新たな背景画像セットを選択する際に、当該新たな背景画像セットに含まれることとなる各背景画像相互の類似度が低減するという基準を用いるものである。
【0014】
本発明によれば、背景画像セットには、互いに類似しないような背景画像が登録される。本発明では、監視画像の得られるタイミングに関わらず、そのタイミングにおける背景に類似する背景画像が背景登録手段に保持されるのが好適である。すなわち、定常的な時間変動を行う背景の画像がその変動の時相に関係なく、つまり満遍なく背景登録手段に保持されるのが好適である。この要件は、背景画像セットに登録される複数の背景画像が互いに他のどの背景画像とも似ないようにすることにより達成される。背景更新手段が、この要件を満たしながら背景画像セットの更新を行うことにより、背景のみの画像と検知対象が存在する画像との識別精度が常時良好に保たれる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る侵入者監視装置の好適な実施形態について図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明に係る監視装置の概略のブロック構成図である。本装置は、監視領域を撮影可能な撮像装置2と、撮像装置2から出力される現在の監視画像内に人影があるか否かを判断する画像認識装置4とから構成される。撮像装置2は、例えば、CCD撮像素子を用いた工業用カメラ等であり、その監視目的に応じて赤外線カメラの場合もあるし可視光カメラの場合もある。撮像装置2は、ここでは監視対象領域に向けて固定して設置する場合を説明するが、所定角度範囲で揺動して広範な範囲を走査、監視できるように構成することもできる。
【0017】
画像認識装置4は処理部6と記憶部8とを有する。処理部6は背景登録モジュール10、背景更新モジュール12、画像比較モジュール14及び判定モジュール16を含んでいる。処理部6は、例えば、中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)を用いて構成することができ、各モジュール10〜16はこのCPU上で実行されるプログラムとして実現することができる。
【0018】
記憶部8はハードディスク装置等の磁気記録装置を用いることもできるが、その他、RAM(Random Access Memory)等の半導体メモリを用いて処理の高速化を図ることもできる。記憶部8には、後述するように背景登録モジュール10によって、背景画像セットが格納される。記憶部8に登録された背景画像セットは背景更新モジュール12によって、漸次、更新することができる。
【0019】
画像認識装置4は、画像比較モジュール14にて、現在、撮像装置2から得られる監視画像である現画像と記憶部8に記憶された背景画像セットに含まれる複数の背景画像それぞれとを比較し、判定モジュール16にて、それら複数の比較結果に基づいて現画像内における侵入者の有無を判定する。
【0020】
図2は、本装置の概略の処理を示す処理フロー図である。本装置の動作は、大きく初期化モード、監視モード、背景画像更新モードの3つの動作モードからなる。本装置の処理は、例えば装置の電源スイッチをON状態とすることにより開始される(S30)。装置が起動されると、まず初期化モードとして背景登録モジュール10によって背景画像登録処理S32が行われる。この背景画像登録処理S32では、記憶部8に所定フレーム数Nの画像が背景画像セットとして記録され、その後、監視モードへ移行するまで背景画像セットの更新が継続される。
【0021】
初期化モードから監視モードへの移行は、例えば、本装置を遠隔監視している監視者からの通信回線を用いた遠隔操作や、装置の設置者による指示、スイッチ操作によって行われる。処理部6は、その指示を検知すると(S34)、監視処理S36を開始する。この監視処理S36は具体的には、画像比較モジュール14、判定モジュール16によって行われる処理である。
【0022】
ステップS34にて、監視処理への移行指示が検知されない場合には、上述したように背景画像登録処理S32に復帰し、背景画像セットの更新が、監視モードへの移行まで継続される。
【0023】
監視処理S36が1回終了するごとに、監視終了指示がなされているか否かが判断され(S38)、指示されている場合には、例えば装置の動作を停止する。一方、監視終了指示がなされていない場合には、続いて、背景画像セットの更新タイミングか否かが判断される(S40)。更新タイミングでない場合には、監視処理S36に復帰する。一方、更新タイミングである場合には、背景画像更新モードに移行し、背景更新モジュール12によって実施される背景画像更新処理S42が実行され、その後、監視処理S36に復帰する。
【0024】
続いて、背景画像登録処理S32、監視処理S36及び背景画像更新処理S42のそれぞれを詳しく説明する。図3は背景画像登録処理S32の処理フロー図である。背景画像登録処理S32においては、まず、撮像装置2から現画像が取得される(S50)。記憶部8に既に登録されている背景画像の数が、背景画像セットを定義するNフレームに達するまでは(S52)、撮像装置2から順次得られる現画像が背景画像として記憶部8の背景画像セットに追加されていく(S54)。このようにして、記憶部8にNフレームの背景画像が格納され、背景画像セットが完成する。
【0025】
背景画像セットが完成している状態では(S52)、処理S52にて得られた現画像と、登録済みの背景画像セットに含まれる各背景画像それぞれとの差分画像が計算され、さらに適当な閾値で当該差分画像を二値化した差分二値化画像が計算される(S56)。二値化の閾値は、パラメータとして例えば監視者が設定することができる。ここで用いられる閾値は例えば、差分画像の各画素値の平均値に基づいて定めることができる。Nフレームの背景画像に対応して生成されたN枚の差分二値化画像のうち、差分が最小のものを選択し、それに対応する登録済み背景画像と現画像とを入れ替える。すなわち、対応する背景画像に代えて現画像を新たな背景画像として登録することにより、背景画像セットが更新される(S58)。その後、処理は図2に示すメインルーチンに復帰する。ここで差分が最小であることは、例えば、差分二値化画像の各画素値(すなわち“0”又は“1”)の2乗和が最小であるといった基準で判断することができる。ちなみに、差分が最小である背景画像を入れ替えるということは、現画像に最も類似していると判断される背景画像を入れ替えることを意味する。なお、ここでは2乗和計算の容易さなどの観点から差分二値化画像に基づいて現画像に類似した背景画像を選択する処理としたが、単純な差分画像に基づいて現画像に類似した背景画像を選択する処理とすることもできる。
【0026】
背景画像登録処理S32から復帰した処理は判断処理S34に移行する。処理S34にて、監視モードへの移行が決定されない場合には、再び背景画像登録処理S32が実行される。この場合には、既に背景画像セットは完成しているので、処理S52では処理S56,S58側へ分岐し、処理S50にて取得された現画像による背景画像セットの更新だけが行われる。
【0027】
以上のように、背景画像登録処理S32においては、時間的に変動しうる背景画像をさまざまな時相にて記録することができる。その変動が定常的なものである場合、つまり、背景が取りうるパターンが限定された範囲に留まる状態においては、現実的なNにて定義された背景画像セットでそれら背景のパターンを十分に網羅することが可能である。このように本装置では、例えば商店のイルミネーションや赤外線通信を行う装置が配置された環境等、背景に定常的に明滅を繰り返す光源が存在するような状況における背景の変化が学習される。ちなみに、後述の説明で明らかとなるように、本装置では背景のパターンが限られた範囲で変動するものであれば用いることができ、それら各パターンが必ずしも周期的に現れる必要はない。
【0028】
図4は、監視処理S36の処理フロー図である。なお、本処理の具体例は別の図を用いて後に説明する。監視処理S36においては、撮像装置2から現画像が取得され(S70)、当該現画像と登録済みの背景画像セットに含まれる各背景画像それぞれとの比較結果画像として差分二値化画像が計算される(S72)。
【0029】
現画像のうち背景部分は、背景画像との差分を取ることにより、その部分のデータ値が“0”となる可能性が大きい。ここで、その可能性が100%とならないのは、上述したように本装置の背景が定常的に時間変動する状況にて用いられ得るものであるからである。すなわち、現画像と、当該現画像における背景の時相と異なる時相の背景画像との比較においては、背景部分であっても、必ずしもその部分のデータ値は“0”とはならない。すなわち、適当な二値化閾値を設定して、現画像の背景部分と非背景部分とを区別することができない場合がある。
【0030】
しかし、背景画像セットには、現画像に対応する時相の背景画像が基本的には学習されている。よって、その対応する背景画像と現画像との差分画像の背景部分は基本的に“0”又は十分に小さな値となる。この場合には、適当な二値化閾値によって背景部分の二値化画素値を“0”、非背景部分の二値化画素値を“1”とすることができる。
【0031】
次に、Nフレームの背景画像に対応して生成されたN枚の差分二値化画像は、互いに加算され合成画像が生成される(S74)。この合成画像の各画素値は、0〜Nの範囲の整数を取りうる。例えば、その画素値は、N枚の差分二値化画像全てでデータ“1”を有する場合に最大値Nを取る。さて、各背景画像に対応して求められた差分二値化画像はいずれも、現画像における非背景部分に二値化画素値が“1”となる領域を有する。ちなみに現画像の非背景部分に対応する部分に、差分二値化画素値が“1”となる領域が存在しない場合とは、現画像の非背景部分に対応する領域において、現画像と背景画像との画素値が一致する場合であって、そのようなケースは一般には起こりにくい。よって、合成画像における当該非背景部分のデータ値は基本的に“N”となる。
【0032】
一方、現画像の背景部分に関しては、上述したようにいずれかの差分二値化画像の対応部分のデータ値が“0”となるため、当該部分の合成画像のデータ値は“N”未満となる。
【0033】
よって、合成画像に対する二値化処理S76においては、現画像の背景部分に対応する領域のデータ値を“0”とするような閾値を設定することができる。上述の例では、閾値をNに設定して、合成画像のデータ値がNのとき“1”に、N未満のときに“0”とされる。現画像がいずれかの時相の背景画像そのものである場合には、この二値化処理S76によって、画像全体に亘って画素値が“0”である画像が得られる。一方、現画像に非背景部分が含まれる場合には、その当該部分に対応して画素値“1”の領域を有する画像が得られる。
【0034】
透視変換S78は、画像上に現れる像の遠近を考慮して、その像の大きさを換算する処理であり、従来より行われている処理である。その結果、合成後二値化画像に現れる像の大きさが検知対象、例えば人物と推定される場合には(S80)、例えば通信回線を通じて監視センタへ、例えば当該人物が侵入者であるとして通報がされ(S82)、その後、図2に示すメイン処理へ復帰する。一方、合成後二値化画像に検知対象がないと判断される場合には、通報は行われずにメイン処理に復帰する。
【0035】
図5は背景画像更新処理S42の処理フロー図である。この処理は、メイン処理にて更新タイミングであると判断された場合に開始される。例えば所定時間経過を以て、更新タイミングとすることができる。処理S42においてはまず、現画像が取得される(S90)。更新は既登録の背景画像セット中のいずれかの背景画像の代わりに、取得された現画像を登録することにより行われる。どの背景画像を選択するかについて、ここでは2つの判断基準が用いられている。第1の基準は、背景画像セットに登録されている背景画像の中に所定時間経過した、つまり十分古いものがあれば、それを選択するという基準である(S92)。所定時間を経過したものが複数ある場合には、それらのうち最古のものが選択される。この基準に該当する背景画像が存在する場合には、その背景画像が背景画像セットから消去され、現画像が新たに登録される(S94)。
【0036】
第2の基準は、背景画像セットに登録された背景画像のうち、現画像にもっとも類似したものを選択するという基準である。例えば、現画像と各背景画像との差分二値化画像を求め(S96)、例えばその各画素値の2乗和が最小となるといった条件で現画像に最も類似した背景画像を定義することができる(S98)。
【0037】
第2の基準によれば、背景画像セットに含まれる背景画像が相互の非類似関係で維持される。よって、背景画像セットが背景の変動の各時相の背景画像を満遍なく含むことが期待される。
【0038】
一方、第2の基準では、何らかの原因で、背景と異なるイレギュラーな画像が一旦登録されると、その画像は背景画像セットから取り除かれにくい。第1の基準によれば、この第2の基準の不都合を是正することができる。
【0039】
次に、本装置の監視処理S36の具体例を説明する。図6は、上述した本装置の原理を説明する模式図である。以下の例では、背景画像セットを構成する画像数Nは4に設定される。記憶部8には、異なる時相における背景画像110〜116で構成される背景画像セットが登録されている。また現画像120が撮像装置2から画像認識装置4に入力される。ここでは図示の都合上、背景画像110〜116、現画像120をそれぞれ二値化画像としており、黒い部分がデータ“1”の部分、白い部分がデータ“0”の部分を表す。例えば、背景画像中の黒い円形の領域は、それぞれ別個の点滅光源の像を表す。それらは点滅しているため、基本的に、異なる時相の背景画像に共通には現れない。また、現画像は背景画像114内に人物像122が映っている画像を表しており、黒い円形の像124は背景画像114に現れる光源の像である。
【0040】
現画像120と各背景画像110〜116それぞれとの差分二値化処理を行うと、各背景画像110〜116それぞれに対応して、差分二値化画像130〜136が得られる。これらを加算することにより合成画像140が得られる。合成画像140の各像には、データ値を記している。例えば像124に対応する領域のデータ値は“3”である。また、人物像122は基本的にデータ値“4”であるが、人物像122中に重なる光源(背景画像116に現れる光源)に対応する領域のデータ値は“3”となることが示されている。この合成画像140に対して閾値4で二値化処理S76を行った結果が、合成後二値化画像150である。このように合成後二値化画像150には人物像に対応する領域に非零領域152が形成される。
【0041】
このように、本装置によれば、背景画像が時間的に変化する状況においても、その影響を排除して検知対象である人物の存在を検出することができる。
【0042】
図6はある時刻における一つの現画像に対する処理を表すものであった。図7は、現画像の時間的な経過に応じた、合成後二値化画像を示す模式図である。図において、時間軸は例えば上から下へ向かっており、左側の画像の系列170が時間経過に応じた一連の現画像である。右側の画像の系列180は、これら各現画像に対応する一連の合成後二値化画像である。同時刻の現画像と合成後二値化画像とは横に併置して示している。時刻t5〜t7における現画像に画面右から左へ移動する人物像171〜173が現れる。本装置ではこの場合にのみ、合成後二値化画像に、当該移動する人物像に対応する像181〜183が生じる。つまり、従来は例えば、異なる位置で異なるタイミングで発光する光源の影響を除去することができなかったため、例えば時刻t1〜t3における現画像のような画像系列を移動する物体として検知し、それが人物等と誤認識される場合があったのに対し、本装置ではそのような誤認識が抑制される。
【0043】
上述の処理では、合成後二値化画像を生成する際の閾値を背景画像セットの構成画像数Nと同じにしたが、閾値をそれより下げることもできる。閾値を下げることにより、例えば、検知対象像と背景画像のいずれかとが一致するような状況が生じても、検出漏れが起きにくくなる。つまり、検出感度が向上する。その一方で、検知対象以外の像、例えば背景の変動により生じる擬似的な像を誤検出する可能性が増加するおそれはある。閾値はこのような検出感度と検出精度とのトレードオフによって選択することができる。
【0044】
【発明の効果】
本発明に係る監視装置、画像認識装置によれば、複数の背景画像と現画像とを比較して得られる複数の比較結果画像に基づいて目的物の検知処理を行うことにより、背景が定常的な時間変動をする状況においても、背景以外の存在を識別して、検知対象を精度良く検知することができるという効果が得られる。
【0045】
また、背景画像セットを漸次更新することにより、例えば背景画像が長期的に変化するような場合でも、背景の影響を良好に排除して、検知対象を識別することができる効果が得られる。また、その更新に際して、背景画像相互の非類似関係を維持するようにすることにより、背景画像セットが背景の時間変化を良好に反映したものとなり、背景の影響が良好に排除され、検知対象の識別精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る監視装置の概略のブロック構成図である。
【図2】 本装置の概略の処理を示す処理フロー図である。
【図3】 背景画像登録処理の処理フロー図である。
【図4】 監視処理の処理フロー図である。
【図5】 背景画像更新処理の処理フロー図である。
【図6】 本装置の判定モジュール16の原理を説明する模式図である。
【図7】 現画像の時間的な経過に応じた、合成後二値化画像を示す模式図である。
【符号の説明】
2 撮像装置、4 画像認識装置、6 処理部、8 記憶部、10 背景登録モジュール、12 背景更新モジュール、14 画像比較モジュール、16 判定モジュール。
Claims (4)
- 監視画像内に現れる検知対象を検出する画像認識装置において、
複数のタイミングにおける前記監視画像をそれぞれ背景画像として保存する背景登録手段と、
現在の監視画像を前記背景画像のそれぞれと比較する画像比較手段と、
前記現在の監視画像に対する前記画像比較手段における比較結果に基づいて前記検知対象の有無を判定する判定手段と、
を有し、
前記画像比較手段は、前記各背景画像についての前記比較結果として、当該背景画像と前記現在の監視画像との差分画像に基づいた比較結果画像を生成し、
前記判定手段は、複数の前記比較結果画像に共通に現れる像に基づいて前記判定を行うこと、
を特徴とする画像認識装置。 - 請求項1に記載の画像認識装置において、
前記判定手段は、前記複数の比較結果画像のうち所定数以上の比較結果画像で共通に現れる非背景部分の領域に基づき前記判定を行うこと、
を特徴とする画像認識装置。 - 監視画像を取得する撮像手段と前記監視画像内に現れる検知対象を検出する画像認識手段とを備えた監視装置において、
前記撮像手段によって、複数のタイミングにおける前記監視画像をそれぞれ背景画像として取得し、背景画像セットとして登録する背景登録手段と、
前記撮像手段が出力する監視画像から新たな背景画像を取得し、当該新たな背景画像を用いて前記背景画像セットを漸次、更新する背景更新手段と、
現在の監視画像を前記背景画像のそれぞれと比較する画像比較手段と、
前記現在の監視画像に対する前記画像比較手段における比較結果に基づいて前記検知対象の有無を判定する判定手段と、
を有し、
前記画像比較手段は、前記各背景画像についての前記比較結果として、当該背景画像と前記現在の監視画像との差分画像に基づいた比較結果画像を生成し、
前記判定手段は、複数の前記比較結果画像に共通に現れる像に基づいて前記判定を行うこと、
を特徴とする監視装置。 - 監視画像を取得する撮像手段と前記監視画像内に現れる検知対象を検出する画像認識手段とを備えた監視装置において、
前記撮像手段によって、複数のタイミングにおける前記監視画像をそれぞれ背景画像として取得し、背景画像セットとして登録する背景登録手段と、
前記撮像手段が出力する監視画像から新たな背景画像を取得し、当該新たな背景画像を用いて前記背景画像セットを漸次、更新する背景更新手段と、
現在の監視画像を前記背景画像のそれぞれと比較する画像比較手段と、前記現在の監視画像に対する前記画像比較手段における比較結果に基づいて前記検知対象の有無を判定する判定手段と、
を有し、
前記背景更新手段は、前記背景画像セットに含まれる複数の背景画像のうち前記新たな背景画像と最も類似する背景画像を、当該新たな背景画像と入れ替えて登録すること、
を特徴とする監視装置。
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