JP3930966B2 - 建築用複合板とその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は建築用複合板とその製造方法に関し、特に、配向性ストランドボード(Oriented Strand Board−OSB)の表裏面にセメント層又は石膏層を備えた建築用複合板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
セメントボードや石膏ボードは、耐火性を備えた不燃・準不燃の建築用の内外装材として広く使用されている。さらに、セメントをバインダーとして木片を板状に成形した木質セメント板も耐火性、耐久性に優れた建築材料であり、床材、壁材あるいは天井材などとして広く使われている。
【0003】
しかし、セメントボードや石膏ボードは曲げ強度が低い欠点があり、また、木質セメント板は、木質を混入することによって曲げ性能を向上させているが、重く(比重が大きく)、構造材としての強度が十分でないことから、施工性が低いなどの欠点を持つ。さらに、特に、乾式製造による場合には、木質材の混入により寸法変化がしやすくなるというデメリットも抱えている。
【0004】
石膏ボードや木質セメント板に比べて比重が小さく、強度も大きく、耐火性にも優れた建築用材として、特開平9−164627号公報には、低比重(0.3〜0.5g/cm3)のパーティクルボードの表裏面に、その表裏面近傍に含浸層を形成しつつ二水石膏からなる石膏層が積層された石膏パーティクルボードが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の石膏パーティクルボードの製造は、低比重のパーティクルボードをその周囲を包囲する成形通路に導いて搬送し、この成形通路での搬送時に、低比重パーティクルボードの表裏両面に半水石膏粉末に水を添加して形成された流動状の石膏水液を供給して硬化させることにより行われる。
【0006】
一般に、パーティクルボードは吸水による膨潤率が高く、寸法安定性に欠ける。上記の製造方法による場合、石膏水液中の水分が低比重パーティクルボードに吸収されるので、製造過程において、芯材としてのパーティクルボードが吸水により膨潤するのを回避することは困難である。また、製造後の石膏パーティクルボードも、芯材であるパーティクルボードの吸水膨潤により、寸法変化を起こす恐れがある。
【0007】
本発明の目的は、軽量で曲げ強度も強いことから施工性が良好であり、かつ、耐火性(準不燃性)であると共に、高い寸法安定性を持つことから、建築用の内・外装材としてのみならず構造用部材としても利用できる建築用複合板及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、建築用複合板の芯材として寸法安定化処理を施した配向性ストランドボードを用いることにより解決される。
配向性ストランドボードは、フェノール樹脂やMDI、尿素樹脂、メラミン樹脂などを介して木質ストランドを板状に成形したものであり、比重が小さく(0.65程度)、他の繊維板やパーティクルボードと比較して高い曲げ強度を持っており、施工性に優れた建築用板として使用されている。しかし、配向性ストランドボードもパーティクルボードと同様に水分の吸放出による寸法変化率が大きいために、高湿度環境下に長時間さらされることがないような場所など、使用場所が限られるという不都合を持つ。そこで、本発明では、建築用複合板の芯材として配向性ストランドボードに加熱水蒸気処理による寸法安定化処理を施したものを用いることとし、その表裏両面にセメント層又は石膏層を積層した。
【0009】
すなわち、本発明による建築用複合板は、予め加熱水蒸気処理による寸法安定化処理を施した配向性ストランドボードの表裏両面に、該表裏両面に含浸層を形成した状態でセメント層又は石膏層が積層されていることを特徴とする。
本発明において、芯材である配向性ストランドボードの機械的強度をさらに向上させるために、あるいは、難燃性を付与するために、不飽和ポリエステル樹脂溶液やコロイダルシリカ溶液のような薬液類を加熱水蒸気処理による寸法安定化処理を施した配向性ストランドボードに含浸させるようにしてもよい。配向性ストランドボードは合板やMDFのような他の木質繊維板と比較して水や薬液類スラリーの通り口が多く、その通り口が加熱水蒸気処理によりさらに広げられていることから、前記の含浸処理は、木口面からだけでなく、表裏面からも可能となる。
【0010】
本発明は前記の建築用複合板を製造する方法として、密閉された空間内に配向性ストランドボードを収容し、収容した配向性ストランドボードを加熱し及び/又は高圧水蒸気を外部から供給して加熱水蒸気処理による寸法安定化処理を施す工程、及び、該加熱水蒸気処理による寸法安定化処理が施された配向性ストランドボードの表裏両面に、該表裏両面に含浸層を形成しつつセメント層又は石膏層を積層する工程、とを少なくとも有することを特徴とする製造方法を開示する。
【0011】
加熱水蒸気処理による寸法安定化処理を施した配向性ストランドボードに対して、不飽和ポリエステル樹脂溶液やコロイダルシリカ溶液のような薬液類を含浸させる工程をさらに含んでいてもよく、それにより、芯材である配向性ストランドボードの機械的強度をさらに向上させ、あるいは、難燃性を付与することが可能となる。
本発明において、配向性ストランドボードは既存のものであってよく、木質ストランドもアスペンやスギなど任意であり樹種は問わない。
【0012】
本発明において、加熱水蒸気処理とは、密閉された空間内に配向性ストランドボードを収容し、配向性ストランドボードを加熱して、あるいは、加熱と共に高圧(例えば、15kgf/cm2前後程度の)水蒸気を外部から供給して、収容した配向性ストランドボードそのものが有する水分を高圧水蒸気化し、あるいは高圧(例えば、15kgf/cm2前後程度の)飽和水蒸気を外部から供給して、その状態で配向性ストランドボードを該密閉空間内に一定時間(例えば、10分程度)放置する処理をいい、この処理を行うことにより、配向性ストランドボードの寸法安定性は大きく向上し、水分の吸放出による膨潤や収縮が抑制された高い寸法安定性を持つ配向性ストランドボードが得られる。なお、前記加熱水蒸気処理の基本的態様については、特開平6−238616号公報、特開平8−108406号公報等に詳細に記載されている。
【0013】
本発明の好ましい態様において、前記配向性ストランドボードに加熱水蒸気処理による寸法安定化処理を行うに際して、配向性ストランドボードを収容した密閉空間内を予め減圧状態とし、そこに高圧水蒸気を外部から供給するようにしてもよい。この場合には、配向性ストランドボードの内部にまで均一な寸法安定化処理が短時間で施される利点がある。
【0014】
本発明でいう密封空間は、従来知られたオートクレーブによる密封空間であってもよく、上下プレス盤の間に形成した密封空間、又は上下プレス盤の間に配置あるいは形成した密閉された耐圧容器による密閉空間であってもよい。また、密閉された空間の加熱源は任意であるが、ドライヤー、熱板プレス、容器の蒸気加温、バンドヒーターのような電気的加熱、マイクロウェーブ、高周波加熱、等であってよい。また、密閉空間は前もって昇温されていてもよく、配向性ストランドボードそのものを前もって加熱しておいてもよい。密閉空間に供給する高圧蒸気は飽和蒸気でもよく過熱蒸気でもよい。
【0015】
本発明において、薬液類を含浸させる方法は、従来行われている、被処理木質材を薬液中に浸漬して含浸させる浸漬含浸法、被処理木質材を温かい薬液(温浴)中で加熱した後、冷たい薬液中(冷浴)に急速に移して冷却させることにより該木質材中に薬液類を吸収含浸させるようにした温冷浴含浸法、含浸の妨げとなっている木材中の空気を減圧によって排除して薬液類の含浸をし易くした減圧含浸法、外圧によって薬液類を強制的に押し込める加圧含浸法、さらには、前記した減圧と加圧を組み合わせた注入法、などを利用できる。
【0016】
前記のようにして加熱水蒸気処理による寸法安定化処理を行い、また、必要に応じて薬液類の含浸処理を行った配向性ストランドボードに対して、その表裏両面に含浸層を形成した状態でセメント層又は石膏層を積層する。
本発明において、セメントはポルトランドセメント、アルミナセメントなどであってよく、耐火性を向上させるために、炭酸カルシウム粉末や水酸化アルミニウム粉末のような無機物を混入させてもよい。また、石膏はα−半水石膏、β−半水石膏などであってよい。
【0017】
積層方法は任意であるが、処理済み配向性ストランドボードをその寸法よりわずかに大きな型枠内に導き、表裏面に及び必要な場合には木口面にもセメントスラリー又は石膏スラリーを流して硬化させ積層状態とする態様、あるいは、セメントスラリー又は石膏スラリー中に処理済み配向性ストランドボードを所要時間浸漬しておく態様、などであってよい。いずれの場合にも、セメントスラリー又は石膏スラリーは配向性ストランドボードの表裏面及び木口面からある程度の深さまで含浸していき、硬化する。含浸によりアンカー効果が生じ、セメントスラリー又は石膏スラリーと配向性ストランドボードとの密着性が良好となる。前記のように、配向性ストランドボードはスラリーの通り口が多く、その通り口が加熱水蒸気処理によりさらに広げられていることから、前記セメントスラリー又は石膏スラリーの含浸は、木口面からだけでなく、表裏面からも容易にかつ各自に進行する。
【0018】
積層は、加熱水蒸気処理を終えて冷却した状態の配向性ストランドボードに対して行ってもよく、加熱水蒸気処理直後の高温状態にある配向性ストランドボードに対して行ってもよい。後者の場合には、常圧環境で行っても十分な含浸距離を持ってセメント又は石膏が積層されるが、前者の場合には、十分な含浸距離が得られない場合がある。そのために減圧環境下で行うことが推奨される。それにより、所要の含浸距離を得ることができる。そのようにしてセメント又は石膏を積層後、硬化及び養生を行うことにより、本発明による建築用複合板が形成される。
【0019】
上記のように、本発明による建築用複合板は、芯材として配向性ストランドボードを持つことから、曲げ強度が高く比重の小さいものとすることができ、該配向性ストランドボードは寸法安定化処理が施されていることから、吸湿膨潤による寸法変化は回避でき、表裏両面にはセメント又は石膏を積層していることから、耐火性に優れると共に、緻密で滑らかな表面仕上げを持つ。さらに、従来の木質セメント板と比較して断熱性も良好となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明による建築用複合板が示される。この建築用複合板Aは、芯材となる加熱水蒸気処理による寸法安定化処理を施した配向性ストランドボードWaと、この配向性ストランドボードWaの表裏両面に積層されたセメント層又は石膏層G(以下、単にセメント層Gとして表現する)とで構成されており、配向性ストランドボードWaの表裏両面近傍にはセメント又は石膏Gによる含浸層gが形成されている。
【0021】
配向性ストランドボードは市販のものでよく、その配向性ストランドボードに、例えば、図2に示すような装置を用いて、加熱水蒸気処理による寸法安定化処理を施す。図において、1a、1bは、従来の木材処理で用いられる平板プレスに装着されると同様のプレス盤(熱盤)であり、プレス盤の平面積は処理しようとする配向性ストランドボードWの平面寸法に合わせて設計すればよい。
【0022】
それぞれに熱源としてのヒータ2a、2bが設けられ、さらに図示の例では、配向性ストランドボードWと衝接することとなる表面部分には多数の細孔3a、3bが形成されている。上方のプレス盤1aに形成された細孔3aは配管4a及び開閉弁Vを介して高圧水蒸気発生源Sに接続しており、下方のプレス盤1bに形成された細孔3bは配管4bを介して真空ポンプVPに接続している。真空ポンプに変えてブロアー(図2には示されない)を用いてもよい。
【0023】
この装置を用いて市販の配向性ストランドボードWに加熱水蒸気処理を実施するには、先ず、自然乾燥状態にある配向性ストランドボードW、あるいは、好ましくは従来知られた熱風ドライヤー(図示されない)等により加熱されて昇温しかつ自然乾燥状態よりも含水率が低くされた配向性ストランドボードWを、下方のプレス盤1bの該細孔3bが形成されている位置に載置する。一方、上方のプレス盤1aには前記配向性ストランドボードWを収容できる位置にステンレス材等からなる方形状の厚さ規制治具10をネジ止め(図示されない)等により固定する。なお、11は厚さ規制治具10の上端縁及び下端縁に取り付けた弾性シール材である。この厚さ規制治具10は下方のプレス盤1bに固定的に取り付けてもよく、いずれの場合であっても、厚さ規制治具10の高さは、配向性ストランドボードWの厚さとほぼ等しいか、幾分厚いものとする。また、メッシュの小さい網状体、例えば金網(図示しない)を配向性ストランドボードWの上下面に配置して加熱水蒸気処理を行うことも可能であり、その場合には、高圧水蒸気供与の分散化が大いに期待でき、短時間での処理が可能となる。
【0024】
次に、プレス盤1a、1bを該厚さ規制治具10により規制されるまで接近させ、停止させる。その状態で高圧水蒸気発生源S側の配管4aに設けた開閉弁Vを開き、プレス盤1aに形成した細孔3aから高圧水蒸気を噴出させる。必要に応じて、真空ポンプVP(又は、ブロアー)を作動させて、下方のプレス盤1bに形成した細孔3bから真空引きを行なう。予め真空引きをして減圧状態とした後で、真空ポンプVPを停止させ、高圧水蒸気の噴出を行ってもよい。細孔3aから配向性ストランドボードWに向けてあるいは密封空間に向けて噴出する水蒸気は、噴出力に加えて吸引力による力を受け、配向性ストランドボードWの内部にまで容易にかつ均一に到達することができる。さらに、真空引きが行なわれていることから、外部に高圧水蒸気が漏洩することはなく、高圧水蒸気の無駄を無くすと共に周囲の安全も補償される。
【0025】
所望量の高圧水蒸気の噴出を終えた後、あるいは、真空引きと高圧水蒸気の供給を並行して行う場合には、真空ポンプVP(又は、ブロアー)を停止し、解圧及び冷却工程を行なうことにより、配向性ストランドボードWに対する加熱水蒸気処理は終了し、配向性ストランドボードWには高い寸法安定性が付与される。なお、熱源としてのヒータ2a、2bにより、配向性ストランドボードWの内部水分を高圧水蒸気化するだけの熱量が与えられる場合には、外部から高圧水蒸気を供給することは必ずしも必要とされない。
【0026】
上記のようにして加熱水蒸気処理を施した配向性ストランドボードWaに対して、その表裏両面に(必要な場合には木口面部分にも)セメント層Gを積層する。積層方法及び装置は任意であるが、例えば、加熱水蒸気処理が施された配向性ストランドボードWaをその周囲を包囲する成形通路内に搬送し、その搬送過程で配向性ストランドボードWaの表裏両面に流動状のセメントスラリー(あるいは、石膏スラリー)を供給し、その後に硬化、養生させる方法、あるいは、図3aに示すように、加熱水蒸気処理が施された配向性ストランドボードWaの寸法よりもわずかに大きな内法寸法を持つ浸漬槽50に硬貨遅延剤を混入したセメントスラリー(あるいは、石膏スラリー)51を充填しておき、その中に、前記処理済みの配向性ストランドボードWaを浸漬し、所要時間経過後、そこから取り出し、硬化、養生させて、図3bに示す建築用複合板Aとする方法などであってもよい。
【0027】
【実施例】
以下、実施例により説明する。
[実施例1]
前もって200℃に温めておいた内寸12×510×1000mmの耐圧容器内に、寸法10×500×900mmの市販の配向性ストランドボードWを配置し、容器内に15kgf/cm2 の高圧水蒸気を10分間噴射する処理を行った。10分間処理後に容器内の蒸気を解圧バルブで緩やかに常圧に戻した後、処理材を取り出した。
【0028】
取り出し直後の配向性ストランドボードWaを、図3に示すような、セメントスラリー槽50に浸漬させた。浸漬時間は10分とした。セメントスラリー51は予め硬化遅延剤によって硬化時間が調節されている。10分経過後、セメントスラリー槽50から配向性ストランドボードWaを取り出し、離型性のよい平板上にて数日間硬化、養生させた。表裏面の積層されたセメント層Gは厚みがそれぞれ1mmであり、含浸層gはそれぞれ約0.5mmであった。完成したセメント積層配向性ストランドボードAに対して、比重、ヤング率、曲げ強度、JIS A 1321表面試験(難燃性能試験)を行った。
【0029】
[実施例2]
実施例1と同様にして加熱水蒸気処理を行った配向性ストランドボードWaを耐圧容器から取り出し、直ちに、内寸12×501×900mmの枠内に導き、周囲にセメントスラリーを流し込んだ。はじめの内はセメントスラリーは配向性ストランドボード内に吸収されたが、次第に時間当たりの吸収量が減少し、それ以上流し込めなくなった。その時点でセメントスラリーの供給を止め、しばらく硬化させた後、脱型し、数日間養生させた。その後、実施例1と同様の試験を行った。
【0030】
[比較例1]
市販の木質セメント板(厚み12mm)に対し、実施例1と同様の試験を行った。
[比較例2]
市販の配向性ストランドボード(厚み12mm)に対し、実施例1と同様の試験を行った。
表1に試験結果を示す。
【0031】
【表1】
Figure 0003930966
【0032】
表1に示すように、本発明による製品は、市販の木質セメント板と比較して軽量でありながら、高い曲げ強度を持ち、かつ、同等の難燃性能を有する。
[実施例3]
前もって200℃に温めておいた内寸12×510×1000mmの耐圧容器内に、寸法10×500×900mmの市販の配向性ストランドボードWを配置し、容器内に15kgf/cm2 の高圧水蒸気を10分間噴射する処理を行った。10分間処理後に容器内の蒸気を解圧バルブで緩やかに常圧に戻した後、処理材を取り出した。
【0033】
取り出し直後の配向性ストランドボードWaを、図3に示す形状の石膏スラリー槽50に浸漬させた。浸漬時間は10分とした。石膏スラリー51は予め硬化遅延剤によって硬化時間が調節されている。10分経過後、石膏スラリー槽50から配向性ストランドボードWaを取り出し、離型性のよい平板上にて数日間硬化、養生させた。表裏面の積層された石膏層Gは厚みがそれぞれ1.0mmであり、含浸層gはそれぞれ約0.5mmであった。完成した石膏積層配向性ストランドボードAに対して、比重、ヤング率、曲げ強度、JIS A 1321表面試験(難燃性能試験)を行った。
【0034】
[実施例4]
実施例3と同様にして加熱水蒸気処理を行った配向性ストランドボードWaを耐圧容器から取り出し、直ちに、内寸12×501×900mmの枠内に導き、周囲に石膏スラリーを流し込んだ。はじめの内は石膏スラリーは配向性ストランドボード内に吸収されたが、次第に時間当たりの吸収量が減少し、それ以上流し込めなくなった。その時点で石膏スラリーの供給を止め、しばらく硬化させた後、脱型し、数日間養生させた。その後、実施例1と同様の試験を行った。
【0035】
[比較例3]
市販石膏ボード(厚み12mm)に対し、実施例3と同様の試験を行った。
[比較例4]
市販の配向性ストランドボード(厚み12mm)に対し、実施例3と同様の試験を行った。
その結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
Figure 0003930966
【0037】
表2に示すように、本発明による製品は、市販の石膏ボードと比較して、硬さが向上し、高い曲げ強度を持ち、かつ、同等の難燃性能を有する。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、予め寸法安定化処理を施した配向性ストランドボードを芯材とし、その表裏両面にセメント層又は石膏層を積層するようにしたので、曲げ強度に強くかつ寸法安定性が高い耐火性建築用複合板が得られる。また、芯材として配向性ストランドボードを持つことから、木質セメント板よりも比重が小さくなり、作業性の向上も期待できる。さらに、配向性ストランドボードの表裏面ををセメント層又は石膏層で覆うことから、凹凸ある配向性ストランドボードの表裏面を緻密で滑らかな表裏面に仕上げることとなり、いわゆる目止め効果も達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による建築用複合板の一例を説明する断面図。
【図2】配向性ストランドボードに加熱水蒸気処理による寸法安定化処理を施す装置の一例を示す概念図。
【図3】本発明による建築用複合板の製造過程の一例を説明する概念図。
【符号の説明】
A…建築用複合板、Wa…加熱水蒸気処理による寸法安定化処理を施した配向性ストランドボード、G…セメント層又は石膏層、g…含浸層、50…浸漬槽、51…セメント又は石膏スラリー

Claims (5)

  1. 予め加熱水蒸気処理による寸法安定化処理を施した配向性ストランドボードの表裏両面に、該表裏両面に含浸層を形成した状態でセメント層又は石膏層が積層されていることを特徴とする建築用複合板。
  2. 予め加熱水蒸気処理による寸法安定化処理及び薬液類の含浸処理を施した配向性ストランドボードの表裏両面に、該表裏両面に含浸層を形成した状態でセメント層又は石膏層が積層されていることを特徴とする建築用複合板。
  3. 密閉された空間内に配向性ストランドボードを収容し、収容した配向性ストランドボードを加熱し及び/又は高圧水蒸気を外部から供給して加熱水蒸気処理による寸法安定化処理を施す工程、及び、
    該加熱水蒸気処理による寸法安定化処理が施された配向性ストランドボードの表裏両面に、該表裏両面に含浸層を形成しつつセメント層又は石膏層を積層する工程、
    とを少なくとも有することを特徴とする建築用複合板の製造方法。
  4. 密閉された空間内に配向性ストランドボードを収容し、収容した配向性ストランドボードを加熱し及び/又は高圧水蒸気を外部から供給して加熱水蒸気処理による寸法安定化処理を施す工程、
    加熱水蒸気処理による寸法安定化処理が施された配向性ストランドボードに薬液類を含浸する工程、及び、
    該加熱水蒸気処理による寸法安定化処理が施された配向性ストランドボードの表裏両面に、該表裏両面に含浸層を形成しつつセメント層又は石膏層を積層する工程、
    とを少なくとも有することを特徴とする建築用複合板の製造方法。
  5. 密閉された空間内を減圧状態とした後に、高圧水蒸気を外部から供給して加熱水蒸気処理による寸法安定化処理を施すことを特徴とする請求項3又は4記載の建築用複合板の製造方法。
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