JP3929877B2 - 電子線描画装置およびその要部の製造方法 - Google Patents

電子線描画装置およびその要部の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体、記録メディア、光導波路などの製造に用いる電界放出電子線を利用した微細加工技術に係わり、特に、カーボンナノチューブ製の陰極チップを有した電子電界エミッタに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路や超微細光学素子(例えば、波長分割多重光通信用デバイスなど)のマイクロ加工プロセス分野では、0.1μm以下の溝幅で高アスペクト比(10〜60)を狙った開発が進められてきた。つまり、数nmオ−ダのビ−ム径の電子線と50KeV以上の高加速電圧条件を組み合わせて、レジスト厚みとしてはミクロンオ−ダ(1μm〜3μm)を対象としてきたのである。2006年頃をタ−ゲットにした国家プロジェクトにおいてもノードデザインは70nm(0.07μm)であり、レジスト厚みは1μm以上の領域である。したがって、この場合では、入射電子線がレジスト層を透過して基板面からの後方散乱電子がレジスト表面近傍まで影響を与える現象は考慮する必要がなかったが、近年、薄膜レジストを用いる工程が要求されるようになり、この散乱電子の影響が問題視されるようになってきた。
一方、書き換え可能型DVD(光ディスク)以降の大容量メディア用原盤作成においては、従来からのレーザ波長とレンズ特性により制約される光絞り径では対応困難になってきている。そのため、各メーカーとも、様々な工夫を凝らして開発を進めており、近年は、微細パターン形成において圧倒的な加工マージンを有する電子線描画技術を利用する試みが始められている。しかし、この分野においても前記した問題を含む様々な問題が発生し始めている。
例えば、書き換え可能型光メディアや光ピックアップガイド用溝部を有するハードディスクでは、30nm以下のパターン深さが要求されているが、この値は従来、電子線描画分野では殆ど経験のない領域である。なお、浅いパタ−ンを形成する従来技術としては、厚めのレジスト層に開口パターンを設け、それをマスクにして基板をエッチングすることによりパターンを作る手法がある(ISOM2001,パイオニア社・飯田「電子線露光装置による高密度マスタリング技術の進展」)。これはシリコン基板表面の数十nmのSiO層とレジスト材のエッチングレートの差を利用する工法であるが、プラズマエッチング装置やイオンビームエッチング装置など高価な設備を必要とする。また、経済性の面から、既存の光ディスク用原盤製造設備やプロセス条件などの変更を極力抑える工法が望ましい。その意味で、エッチング工程を使わずに、サブミクロン以下の浅いパターンを形成する方法が望まれる。
【0003】
また、25GB/5”以上の記録密度の原盤の場合、溝ピッチは0.3μm以下であり、溝幅は0.15μm以下かつ深さ0.025μm(25nm)が要求され、このような密度で、かつ一筆書きモード(連続描画)で連続的に描画せねばならないが、電子線によるこのような連続描画は難しい作業である。
その理由は、従来の電子線描画は数十nmオ−ダのビ−ムを用いて所定の領域内をベクタースキャン、ベクタースキャンモードといった塗り重ね方式でおこなうのが一般的で、この場合、100mm/sオーダの描画速度が限界であるので、1枚の描画を完了するのに100時間以上を費やさざるを得ないということにある。少なくても1m/s以上の速度、つまり10時間以下で露光が完了するためには、ワ−クの高速度回転と前記した一筆書きモ−ドは回避できないのである。しかも、溝の内壁荒れやランド部の表面荒さやうねりはすべて信号ノイズ成分を助長し、C/Nの低減をもたらす。したがって、レジスト層内での電子散乱領域生成の細かな制御も必要となる。
しかし、高速化のために大電流でかつ高エネルギ−(高加速電圧)を適用すると、基板からの一次電子の後方散乱の影響がでてくる。この影響はレジスト厚みが薄くなればなるほど顕著になるという厄介な問題を抱えているのである。
【非特許文献1】
ISOM2001,パイオニア社・飯田「電子線露光装置による高密度マスタリング技術の進展」
【特許文献1】
特開2000−203820公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来技術の帰結として、従来の電子線描画装置は大型で高価な装置構成となった。電子放出角度は、エミッタ先端の曲率半径rに依存しており、電子放出角度を縮小する縮小系の光学系をとらざるを得なかった。そのため、行路長は長くなり、電子ビームの収差を抑えるべく種々の電子レンズを配する必要があった。その上、微小なビーム径を得るために途中に数十μm径の貫通穴を有するアパーチャを介しており、その結果、放出電子の初期エネルギーの70パーセント以上を遮蔽することになり、微小ビーム径(数十nm)で大電流を得ることが困難であった。市販装置では50nA@50nmくらいが限界とされている。磁界重畳型の電子銃ユニットもあるが高価である。
本発明の目的は、このような従来技術の問題を解決することにあり、具体的には、カーボンナノチューブ製の針状陰極チップをエミッタに用いてエミッタ先端の曲率半径を飛躍的に小さくすることにより、高性能・小型・安価な電子線描画装置を提供することにある。さらに具体的には、照射電流は可変とし、加速電圧は低減して低電力としつつ従来の高加速ビームの性能を得ることができ、複雑な電子光学系を省略可能にすることにより装置を小型化することができるし、カーボンナノチューブ製の複数本の針状陰極チップから成るチップセットを選択することもできる電子線描画装置を提供することにある。
なお、特開2000−203820公報に示された従来技術では、前記したようなカーボンナノチューブを効率よく製造できる方法を提案している。密閉容器中を所定の真空度とした状態で、その密閉容器中にガスを導入し、そのような密閉容器中に対向して配置した2つの炭素電極を加熱し、その状態において炭素電極間でアーク放電を発生させ、カーボンナノチューブを製造するのである。しかし、この従来技術はカーボンナノチューブ製の針状陰極チップを有した電子電界エミッタに関するものではない。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明では、パターンを描画する、電子電界エミッタを備えた電子線描画装置において、カーボンナノチューブ製の針状陰極チップの本数が異なっている複数のチップセットのなかから用いるチップセットを選択可能とすべく該各チップセットを共通の回転可能円盤上に配した構成の電子電界エミッタと、選択されたチップセットの針状陰極チップの本数に従って照射電流値を自動的に設定する制御部とを備えた。
また、請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明において、選択されたチップセットへ電界を印加する、前記複数のチップセットが共有化する共通通電部材を備えた。
また、請求項3記載の発明では、請求項1または請求項2記載の発明において、電子電界エミッタから放出する電子流を制御する電子光学構造が等倍系である構成にした。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例を示す、電子銃と呼ばれる電子線描画装置要部の構成図である。図示したように、この実施例の電子銃は、絶縁体基台1、導電性のチップホルダ2、カーボンナノチューブ製針状チップ(以下、CNTチップと称する)3、電子流を引き出したり抑制したりするウエネルト(グリッド含む)4、電子の加速性を制御する陽極5などを備えている。なお、電子放出部材(電子電界エミッタ:以下、エミッタと略す)としての前記CNTチップ3は、シリコンやモリブデン製などのマイクロエミッタに比べ真空の制約が緩いこと、高い電流密度が得られること、強度が高いなど種々の優れた特性を有している。
【0007】
次に、CNTチップ3からの電界放出について説明する。
カーボンファイバの先に付けた1本の多層CNT(MWCNT)チップ3からの電界放出では、80V以下の電圧で(チップ先端(エミッタ先端)〜陽極間の距離:1mm)、0.1〜1uAの放出電流が得られる。このような低い印加電圧で電界放出が起きるのは、「原子ワイヤモデル」で説明づけられる。CNTチップ先端から炭素原子の鎖がとけて電界方向にワイヤが引き伸ばされ、そのワイヤ先端から電子放出が起きるのである。この放出電子のエネルギー幅も0.11〜0.25eVと非常に狭い。Lab6やショットキー型のZrO/Wなどでは約1eVであり、それに比べると極めてシャープなエネルギー分布を示す電子放出源である。
図2は前記したことを説明したものである。図中の左側の従来型電子銃では先端Rが1〜5μmのチップから電子が放出される様子を示している。市販のタングステンチップ、Lab6製チップ、TFE(サーマルフィールドエミッション型)のZrO/W製チップがこれに当たる。一般的にガウシアン型の電子ビームと呼ばれている。
電子の放出角度はチップ先端Rで決定されるので先端の先鋭化が必須であるが、特殊加工により先鋭化を図っても1μm程度が現時点における限界とされている。
一方、図2の右側に示したこの実施例で採用するCNT型電子銃は、先端Rが20〜200nmであり、従来型の1/5〜1/50という超先鋭なチップを実現することができる。したがって、図2に示したように放出角度が圧倒的に狭いビーム形状を示す。ガウシアンビームのように裾野を引くことがなく、長い行路長の電子光学系では収差の面でも有利である。
【0008】
図3および図4に、前記したようなCNT型電子銃の電子光学系を示す。なお、この図は光ディスク原盤露光装置を例にしているので、X−θテーブル20を備えているが、X−Y−Zテーブルの載物台の構成でも構わない。
図3は従来型の電子ビーム光学系であり、図示したように、この電子ビーム光学系は、CNTチップ3を搭載したエミッタ11、コンデンサレンズ12、第1偏向電極13、第2偏向電極14、微小な貫通穴を有するアパーチャ15、フォーカスレンズ16、対物レンズ17から構成されている。
このような構成で、電子ビームは、エミッタ11から放出後、コンデンサレンズ12によって集光され、偏向作用を有する第1偏向電極13内を通過する。そして、偏向された電子はアパーチャ15に照射され、直径40〜150μmの貫通穴を通りながらビーム整形が実施される。したがって、この過程で相当量の電子ビームが遮蔽されることになる。なお、フォーカスレンズ16および対物レンズ17はレジスト面(被加工物)上への集光や集光スポット径の調整などのために配置されている。
【0009】
一方、図4はCNTチップ3の特徴を生かした等倍系(拡がった電子ビームを元に戻す縮小系ではないという意味である)構成の電子光学系である。この構成では、CNTチップ3から放出される電子ビームは指向性が極端に高く、そのため、ビーム幅(エネルギー拡がり幅eV)が従来の電子銃に比べて小さく、したがって、集光のためのコンデンサレンズやアパーチャを設置する必要はないと判断し、省略している。つまり、CNTチップ3からの電子ビームは微小なビーム径の平行光と考えてよいので、フォーカスレンズは必要なく、ビーム径の微調整のための簡易な対物レンズ18、および低加速条件でも十分な電流密度を有する電子ビームであるという特徴を生かした簡易な偏向電極19のみを搭載している。このような構成では、図4から明らかなように、従来の電子カラム(鏡筒)よりも小型で簡単になる。
【0010】
次に、所望のパターン幅を得るための描画条件制御について説明する。
従来技術においては、照射するビーム径と照射電流値とを制御することにより所望のパターン幅を得ていた。ビーム径は全ての電子光学系の総合的な精度により決まり、電子銃の電源ノイズやレンズの非点収差や球面収差の影響が大きく、設計者の高度な技術が要求されていた。さらに、大電流密度の条件で描画するときには電子相互間のクーロン効果によるビームのぼけ現象も難度の高い技術課題である。
それに対して、この実施例では前記したように、電子ビームの指向性が高いことからビーム径制御は簡単でよいし、比較的低加速(数KV以下)の電子ビームを使用するので、前記したような課題を回避することが可能である。つまり、この実施例では、パターン幅の調整は、針状チップの本数を選択することにより2倍、3倍というようにおこなう。
図5に、この実施例における描画パターン幅制御の方法を示す。図5(a)は1本のチップ3を有する電子銃、図5(b)は3本のチップ3を有する電子銃である。チップ本数、チップ間隔、チップの傾斜角度などを工夫することによりビーム径および照射電流値を制御することができる。図5(a)では、ビーム径が細く、したがって、X−θテーブル20上の被加工物に形成されるパターン幅が狭くなることを示し、図5(b)では、ビーム径が太く、したがって、X−θテーブル20上の被加工物に形成されるパターン幅が広くなることを示している。
【0011】
図6および図7に、複数のチップセット(1本または複数本の針状陰極チップと導電路と絶縁基板からなる部材)のなかから一つのチップセットを選択できるようにした回転タレット方式の電極構造を示す。図6は回転タレット盤21の模式図である。回転タレット盤21をその中心を回転軸として回転させることにより所望のチップ群を選択するのである。回転タレット盤21の片面には、同一円周に沿って本数の異なるチップ(群)3が配置されているため、回転タレット盤21の回転角度を調整することにより、所望のチップ群を選択することが可能となる。
図7は電極構造の断面図である。図示したように、回転軸23を有する絶縁材のベース台22上に、電気的に導通可能なばね付き球面座24を配している。また、回転軸23を軸として回転する絶縁体の回転タレット盤21に配置された、底面に4角錐のくぼみ(ばね付き球面座24に嵌合する)を有するチップ埋め込み台25には、チップセット26を挿入している。このような構成により、球面座電極を介してチップセット26には数百ボルトの電圧が印加される。さらに、チップセット26の上方に配置されたグリッド/陽極部材27は、チップ電位に対して正の電位を保つよう設計してある。この電位を変化させることにより、レジストに作用させる電子エネルギーを調整することが可能になっている。
また、前記したような、針状陰極チップの本数を選択可能にした構成では、チップ本数に比例させてエミッタから放出する電子流の量を変えられるようにしている。図示していない制御部は選択されたチップセットの針状陰極チップの本数を認識し、その本数に比例させて段階的に電子流の量を設定・制御するのである。
【0012】
次に、これまで説明してきたこの実施例の電子銃の要部を作成する手順について説明する。
まず、バルク材または複雑に絡み合う繊維状の形態で提供されるCNT原材料から1本〜数本の針状チップを選別し、所定のユニットとして組み上げる技術が必要である。現在のところそれに関して確立された手法は皆無であるが、例えば図8および図9に示した電気泳動方式により、CNT原材料から単体CNTを粗選別し、チップ基板に配列する。
図8は、CNT原材料を分散させた液(電解質)から電気泳動現象を利用してCNTを採取する概念図である。なお、電気泳動とは、分散媒体に加えられた電界を駆動力として、荷電体が分散媒体中を泳動する現象で、ここではCNTが荷電体である。
前記において、泳動速度uは、電界の強さE[V/cm]、分散媒体の特性(粘性係数η、誘電率ε)、荷電体の特性などに依存して決まる。泳動粒子の運動に対する分散媒体の粘性による制止力を、Stokesの法則によって考慮し、かつ荷電体が円柱状と仮定すると、u=εEζ/4πη となる。ここで、ζはゼータ電位または界面動電位と呼ばれる電位であり、CNTのサイズ(径、長さ)に応じて変化する。界面動電位がCNTのサイズにより異なるのは、荷電状態の粒子表面には溶液中のイオンが強く吸着するが、この吸着量がCNTのサイズにより異なるからである。この差で各CNTの移動速度uに差が生じる。つまり、ある経過時間後の粒子の存在する相対場所が異なる。
図8に示したように、CNT分散液は格納箱31から細い管を介して極少量ずつ滴下する。そして、所定の時間経過後、図示のようにE1、E2、E3など正の電荷をCNTに与えて近傍の粒子をクーロン引力で捕捉する。なお、基板32の表面には、図9(a)に示したようにμmサイズのピラミッド状の突起33を設けておく。このような構造では、電界は突起33の先端に集中しやすくCNTは選択的に突起33の先端に付着する。サイズが小さく、したがって移動速度uが小さいCNTほど下方(重力方向での下方)の突起33に付着するのである。また、図9(b)に示したように、基板32には予め微細な刻み線34を設けておき、処理後、更に微小なブロックに分割できるようにしておく。
【0013】
その後の電子銃要部の作成手順を図10に示す。電子顕微鏡など観察手段と超精密なX−Y−Zテーブルを用い、図10に示したようにして、チップセット本体29(図7参照)に所望の長さ・径・本数のCNTチップを装着する。なお、この作業をおこなう場所は真空装置内である。
まず、図10(1)に示したように、CNTチップの着いた基板32とチップセット本体29を対向させる。X−Y−Zテーブルにセットした基板32をX−Y−Zテーブルにより移動させて対向させるのである。そして、引き続き、基板32をX−Y−Zテーブルにより移動させて、所望のCNTチップをチップセット本体29に機械的に嵌合させる(図10(2)参照)。続いて、基板32とチップセット本体29を引き離すと、CNTチップは基板32から抜ける。
この後は、電子ビームを照射してCNTチップとチップセット本体29とを溶着させることによりチップセット26が完成する。
なお、前記において、チップセット本体29の表面は予め無数のマイクロボイドが形成されており、複数のCNTチップを適宜嵌合させることができる。
こうして、この製造方法によれば、所望のチップサイズのチップセットを容易に製造することができる。
また、上記した製造方法では、カーボンナノチューブ製の針状陰極チップを有したチップセットを組み立てる際、電気泳動工程で、陽極部に与えた電位を液中のチップ材に対して所定の時間作用させることによりチップ材のサイズが分別されるので、所望のサイズのCNTチップを得ることができ、電子銃の特性ばらつきを抑えることができる。
また、上記した製造方法では、陰極部へ泳動したチップ材が、陰極部上でチップ材のサイズに応じて重力方向に並ぶので、所望のサイズのCNTチップを容易に得ることができる。
【0014】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、請求項1記載の発明では、パターンを描画する、電子電界エミッタを備えた電子線描画装置において、電子電界エミッタがカーボンナノチューブ製の針状陰極チップであるので、エミッタ先端の曲率半径を飛躍的に小さくすることができ、これにより集光のための電子光学系を簡単にでき、且つエネルギー効率が良くなり、高性能・小型・安価な電子線描画装置を実現することができる。
また、電子電界エミッタはそれぞれ針状陰極チップの本数の異なっているチップセットが共通の回転可能円盤上に複数配された構成であり、その複数のチップセットのなかから用いるチップセットを選択できるので、照射電流値や照射ビーム径を容易に変更することができる。
また、選択されたチップセットの針状陰極チップの本数に従って照射電流値が自動的に設定されるので、同様に、エネルギー効率を向上させることができるし、適切な照射電流値を容易に設定することができる。
また、請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明において、選択されたチップセットへ電界を印加する通電部材を複数のチップセットが共有できるので、複数のチップセットを備えても装置が大きくならないで済む。
また、請求項3記載の発明では、請求項1または請求項2記載の発明において、電子電界エミッタから放出する電子流を制御する電子光学構造が等倍系であるので、エネルギー効率を向上させることができるし、集光系を簡略化でき、小型・低コストを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す電子線描画装置要部の構成図である。
【図2】従来技術および本発明の電子線描画装置要部を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施例を示す電子線描画装置要部の他の構成図である。
【図4】本発明の一実施例を示す電子線描画装置要部の他の構成図である。
【図5】本発明の一実施例を示す描画パターン幅制御方法の説明図である。
【図6】本発明の一実施例を示す電子線描画装置要部の他の構成図である。
【図7】本発明の一実施例を示す電子線描画装置要部の他の構成図である。
【図8】本発明の一実施例を示す電子線描画装置要部の製造方法の説明図である。
【図9】本発明の一実施例を示す電子線描画装置要部の製造方法の他の説明図である。
【図10】本発明の一実施例を示す電子線描画装置要部の製造方法の他の説明図である。
【符号の説明】
2 チップホルダ、3 カーボンナノチューブ製針状チップ、5 陽極、11エミッタ、12 コンデンサレンズ、13 第1偏向電極、14 第2偏向電極、15 アパーチャ、16 フォーカスレンズ、17 対物レンズ、18 対物レンズ、19 偏向電極、20 X−θテーブル、21 回転タレット盤、23 回転軸、24 ばね付き球面座、25 チップ埋め込み台、26 チップセット、31 格納箱、32 基板、33 突起

Claims (3)

  1. パターンを描画する、電子電界エミッタを備えた電子線描画装置において、
    カーボンナノチューブ製の針状陰極チップの本数が異なっている複数のチップセットのなかから用いるチップセットを選択可能とすべく該各チップセットを共通の回転可能円盤上に配した構成の電子電界エミッタと、
    選択されたチップセットの針状陰極チップの本数に従って照射電流値を自動的に設定する制御部とを備えたことを特徴とする電子線描画装置。
  2. 請求項1記載の電子線描画装置において、選択されたチップセットへ電界を印加する、前記複数のチップセットが共有化する共通通電部材を備えたことを特徴とする電子線描画装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の電子線描画装置において、電子電界エミッタから放出する電子流を制御する電子光学構造が等倍系であることを特徴とする電子線描画装置。
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