JP3929168B2 - 特殊スラブの構築方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、段差の付いた特殊スラブ構造を合理化し、工業化した構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のマンション建築においては、高齢者、身障者等の対応構造物として、多様化した構造仕様が一般的となってきているが、浴室や便所等の水廻り配管スペース等を、躯体スラブの段差により確保することは、床の構築工法を合理化し、工業化工法として考える上で重要な問題点となっている。
この問題点に対応する工法として、
▲1▼在来スラブ工法
▲2▼ハーフPCスラブ工法
▲3▼プレファブデッキと在来スラブ工法の複合化
▲4▼ハーフPCスラブ工法と在来スラブ工法の複合化等が考えられる。
【0003】
しかしこれらの工法には、以下の問題点がある。
▲1▼ 段差部の鉄筋、型枠工事に労務が集中し、手間とコストがかかり工程に大きく影響を与える。
▲2▼ 段差部を小梁化しなければならず、また、PC加工がL字型化するため、コストがかかる。
▲3▼、▲4▼ 段差部の下がり部のみ、在来型枠とするためプレファブ化を採用したコストメリットがない。
更に、フルPCスラブ工法とした場合は、工場製作するとコスト高になると共に、運搬時及び荷下ろし時に破損することがあり、構造品質上問題となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたもので、簡単な方法により、多様化するニーズに対応できる特殊な床の構築工法の合理化、工業化工法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
段差の付いた特殊スラブの構築方法であって、段差付きプレファブスラブ2と段差鉄筋ユニット5を一体構造とし、これに隣接する、段差なしの一般プレファブスラブ3と段差なしの一般鉄筋ユニットを、別途に一体構造とし、前記、両プレファブスラブ2と3、鉄筋ユニット同士を接合後、所定位置に移動設置することを特徴とする、特殊スラブ1の構築方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【0007】
<イ>全体構成
図1は、本発明による特殊スラブ1の分解斜視図である。
特殊スラブ1は、段差付きプレファブスラブ2と段差鉄筋ユニット5(図2)を一体構造とし、別途に、従来公知の段差なしの一般プレファブスラブ3と段差なしの一般鉄筋ユニット(図示せず)を一体構造とし、両プレファブスラブ2、3と鉄筋ユニット同士を接合一体化して構成される。
【0008】
<ロ>段差付きプレファブスラブ
段差付きプレファブスラブ2は、たとえば鋼板等を設計形状・寸法に合わせて予め工場製作されている。
段差付きプレファブスラブ2同士、または、一般プレファブスラブ3との接合一体化を行うため、スラブ2、3端部の所定箇所に帯鋼板等のガイド部材4が予め固定されている。
【0009】
<ハ>一般プレファブスラブ
一般プレファブスラブ3は、在来のフラットなスラブであり、段差付きプレファブスラブ2の設計形状・寸法に合わせて予め工場製作されている。
【0010】
<ニ>段差鉄筋ユニット
図2は、段差鉄筋ユニット5の側面図である。
段差鉄筋ユニット5は、段差のついた立上がり角部のみを、予め鉄筋加工場でユニットに組立て、段差付きプレファブスラブ2の組立てヤードに運搬、固定されるものである。
または、段差鉄筋ユニット5は、段差付きプレファブスラブ2の組立てヤードで組立、固定作業を行ってもよい。
【0011】
<ホ>一般鉄筋ユニット
一般鉄筋ユニットは、前記の段差鉄筋ユニット5以外のフラットなスラブに配筋される鉄筋ユニットであり、一般プレファブスラブ3の組立てヤードにおいて組立、固定作業が行われるものである。
【0012】
【作用】
以下、本発明による特殊スラブ1の構築方法を説明する。
【0013】
<イ>特殊スラブの組立て
特殊スラブ1の組立て作業は、特殊スラブ1の設置箇所に近い場所に組立てヤードを設けて行われる。
現場の地理的条件により、組立てられた特殊スラブ1を、設置箇所まで小運搬する方法を取ってもよい。
組立てヤードにおいて、設計図面に従って、小分割された段差付きプレファブスラブ2と一般プレファブスラブ3をそれぞれ組立て加工する。
組立て加工完了後、スラブ2、3を接合させ、小分割された1ブロックの特殊スラブ1とする。
スラブ2、3の接合に際しては、その端部に設けたガイド部材4をガイドとして、高さ調整等微調整を行った後、所定箇所を溶接し一体化させる。(図1)
【0014】
<ロ>鉄筋の組立て
スラブ2、3の一体化が完了後、予め鉄筋加工場で組立てられた段差鉄筋ユニット5を、段差付きプレファブスラブ2の立上がり角部に固定し、引き続き一般鉄筋ユニットの組立て、固定作業を行う。
【0015】
<ハ>特殊スラブの移動、設置
組立てヤードにおいて、スラブ2、3の一体化及び鉄筋ユニットの組立て、固定作業が完了後、たとえばクレーン等により、特殊スラブ1を目的場所に移動、設置する。
図3は、吊治具6により特殊スラブ1を目的場所に移動、設置している状況を示す側面図であり、特殊スラブ1の段差はレバーブロック8を用いて高さ調整される。図4はその平面図を示す。
吊治具6は、H型鋼、溝型鋼等を特殊スラブ1の大きさに合わせて加工した吊治具であり、ワイヤー7を介してクレーン等により吊り上げられ、組立てヤードから目的場所に移動、設置される。
設置場所には、予め支保工が組立てられており、この支保工上に特殊スラブ1を載置し、固定することにより特殊スラブ1の設置作業が完了する。
【0016】
【発明の効果】
本発明は以上説明したようになるから、次のような効果を得ることができる。
<イ>予め工場製作されたプレファブスラブを使用するので、合理化、工業化された構築工法とすることができる。
<ロ>工事施工上の管理工数の低減、工期短縮と品質の向上が図れる。
<ハ>合理化、工業化された構築工法であるため、コストの縮減が可能である。
<ニ>多様化するニーズにフレキシブルに対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による特殊スラブの分解斜視図。
【図2】段差鉄筋ユニットの側面図。
【図3】吊治具により特殊スラブを目的場所に移動、設置している状況を示す側面図。
【図4】同上平面図。

Claims (1)

  1. 段差の付いた特殊スラブの構築方法であって、
    段差付きプレファブスラブと段差鉄筋ユニットを一体構造とし、
    これに隣接する、段差なしの一般プレファブスラブと段差なしの一般鉄筋ユニットを、別途に一体構造とし、
    前記、両プレファブスラブと鉄筋ユニット同士を接合後、
    所定位置に移動設置することを特徴とする、
    特殊スラブの構築方法。
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