JP3928928B2 - 車両用ガラスランチャンネル及びその組立体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車両の窓枠に取付けられるガラスランチャンネルに関し、詳しくはエラストマーを主体に形成されたガラスランチャンネル及び該ガラスランチャンネルを備えたガラスランチャンネル組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車両のボディやドアに装着される長尺状部材の一つとして、窓ガラスの昇降をガイドするとともに窓枠と窓ガラスとの間の隙間を閉ざすガラスランチャンネルがある。
ガラスランチャンネルは、一般にはそれを含む組立体として自動車等の窓枠に取付けられる。例えば、図1に示すように、自動車のフロントドアパネル100の窓枠102において、図示しない昇降可能な窓ガラスが昇降動するときにガイドするように、その窓枠102の内周に沿ってガラスランチャンネル組立体110が装着されている。
一般に自動車の窓枠102等に装着されるガラスランチャンネル組立体110は、複数のガラスランチャンネルとそれらの端末同士を連結するジョイント部材とから構成されている。図示されている例では、窓枠102の前方垂直部分102aに配置されるガラスランチャンネル112と、傾斜部分102b及び略水平に延びる部分(天井部分)102cに配置されるガラスランチャンネル114と、後方垂直部分102dに配置されるガラスランチャンネル116とを有する。そして各ガラスランチャンネル112,114,116は、窓枠のコーナー部分103,104に装着されるジョイント部材113,115(以下「コーナージョイント部材」という。)により連結され、ガラスランチャンネル組立体110として一体化している。
【0003】
図2は図1におけるII−II線に沿って切断したガラスランチャンネル114の横断面図である。なお、図2においてガラスランチャンネル114は(自然状態ではなく)窓枠102に取付けられた状態の形状であり、窓枠102の図示を省略したものである。この図に示すように、長尺状ガラスランチャンネル114の本体部120は、窓枠に取付けられた際に窓ガラスの縁部が嵌り得る溝124が長手方向に形成されるように形成されている。すなわち、本体部120は溝124の底に相当する基底部121とその基底部121の幅方向の両端から立ち上がって溝124の側壁に相当する一対の側壁部122,123(即ち車内寄り側壁部122及び車外寄り側壁部123)とから構成されている。側壁部122,123の自由末端部には、窓ガラスが溝124に差し込まれた際に当該窓ガラスに密接して車内への水の浸入を防止するためのシールリップ126,127がそれぞれ長手方向に形成されている。また、側壁部122,123の基底部121寄り外面には、図示しない窓枠102の所定装着位置(典型的にはガラスランチャンネル取付け溝)にガラスランチャンネル114を保持させるために窓枠内面側に引っ掛ける抜止めリップ128b,128cが設けられている。なお、符号128a,128dで示す部位は、図示しない窓枠の端縁を覆い隠す遮蔽リップである。
【0004】
近年、かかる構造のガラスランチャンネルは、オレフィン系その他の熱可塑性エラストマー、EPDMを主体とする合成ゴム等のいわゆるエラストマー材料を押出成形することによって製造されている。特に、リサイクルが容易であるという観点から、オレフィン系熱可塑性エラストマーから成るガラスランチャンネルが普及しつつある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、自動車等の窓枠に取付けられたガラスランチャンネルは、温度変化の大きい環境下で使用される。例えば、車両の使用場所によっては、60〜80℃程度の高温状態及び/又は−10〜−30℃程度の低温状態におかれる場合もあり得る。このため、車両用ガラスランチャンネルには、大きな温度変化に曝されても形状や物性が変化し難い耐久性が要望される。
【0006】
従来のエラストマーから成るガラスランチャンネルは、かかる耐久性に関して改善すべき余地があった。すなわち、従来のエラストマー製ガラスランチャンネルは比較的伸縮し易く、窓枠取付け後に温度変化の大きい環境下で長期間使用した場合、ガラスランチャンネルが所定の装着位置からずれたり外れたりする(以下「位置ずれ」と総称する。)事態を生じる虞があった。かかる位置ずれが顕著になると、図1に二点鎖線で模式的に示すように、ガラスランチャンネル112,114,116の端部がコーナージョイント部材113,115ごと窓枠102の開口102e側内方に反り曲がった状態(所謂たくれ)となる場合がある。かかる「たくれ」の発生は、美観を損ねるばかりでなく、窓ガラスの正常な昇降を阻害する虞もあり好ましくない。
【0007】
従来、かかる位置ずれに伴う不具合の発生を防止するため、ガラスランチャンネルの窓枠への密着性を強めたり、両面粘着テープや接着剤を併用して窓枠に装着したりしていた。しかし、上記のような手立ては、窓枠へのガラスランチャンネルの装着性を悪化させて作業効率を低下させたり、コストアップとなるため好ましくない。
【0008】
本発明は、従来のエラストマー製ガラスランチャンネルにおける上記問題点を解消すべく創出されたものであり、その目的とするところは、温度変化の大きい使用環境下でも長期に亘って位置ずれを生じず、また、取付け時に作業効率を低下させないエラストマー製ガラスランチャンネルを提供することであり、そのようなガラスランチャンネルを含んで成るガラスランチャンネル組立体を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
本発明によって以下に列挙するガラスランチャンネルが提供される。
すなわち請求項1の発明は、車両の窓枠に取付けられて窓ガラスの縁部が嵌り得る溝を形成する長尺状の本体部を有する、長尺状車両用ガラスランチャンネルである。上記本体部は熱可塑性エラストマーで形成され、上記本体部には、熱可塑性樹脂を主体とし、平均繊維長0.2〜50mm及び平均繊維径3〜20μmの繊維状強化材を0.5〜30質量%配合した強化樹脂成形部が長手方向に形成されている。そして、その強化樹脂成形部は、上記本体部よりも線膨張係数が小さく且つ引張り強度及び弾性率が大きくなるように構成されていて、上記強化樹脂成形部と上記本体部とは押出成形により溶着積層し一体化しており、該強化樹脂成形部はガラスランチャンネルの伸縮を防止するように機能することを特徴とする。
【0010】
このガラスランチャンネルでは、その本体部にエラストマーから成る本体部よりも線膨張係数の小さい強化樹脂成形部が長手方向に形成されている結果、ガラスランチャンネル本体部の長手方向への伸縮が当該強化樹脂成形部の存在によって制限される。なお、ここでいう「線膨張係数」は、典型的には以下の方法により算出することができる。
[線膨張係数測定方法]
(1)長尺状の試験片を常温(25℃)で1000mmの長さにカットする。
(2)試験片を伸び縮み自由に、溝形の治具にセットする。
(3)−30℃(3時間以上放置)において試験片の長さを測定する。測定結果を「1000−α(mm)」とする。
(4)+80℃(3時間以上放置)において試験片の長さを測定する。測定結果を「1000+β(mm)」とする。
(5)次の計算式:線膨張係数=(α+β)mm/(1000mm×110℃)
により線膨張係数を算出する。なお、ここで「110」とは(3)と(4)との測定時の温度差(℃)である。
【0011】
従って、請求項1のガラスランチャンネルによると、温度変化を伴う環境下においてもガラスランチャンネル本体部の長手方向の伸縮(特に収縮)を制限して、且つ弾性率を高めて、特に高温時の剛性低下を防ぎ、かかる温度変化に起因する位置ずれ(たくれ等)の発生を抑制することができる。また、上記のような手立てを講じる必要がないので、作業効率を低下させることなくガラスランチャンネルの窓枠への取付けを行うことができる。
また、このガラスランチャンネルでは、繊維状強化材の含有によって温度変化の大きい環境下におけるガラスランチャンネル本体部の伸縮(特に収縮)抑制性能が向上する。
また、このガラスランチャンネルでは、強化樹脂成形部の引張り強度(一軸(長手方向への)引張り試験法による)が大きいため、窓枠への取付け作業時においてガラスランチャンネルが長手方向に引っ張られた際、当該ガラスランチャンネルの本体部が長手方向へ伸長するのを抑制することができる。このため、引張り応力が内蔵されず、窓枠への取付け作業時にガラスランチャンネル(本体部)に歪みが生じるのを防止し得る。また、長期間使用しても長手方向へ収縮が生じない。従って、請求項1に記載のガラスランチャンネルによると、長手方向の歪みや過度の引張り応力が存在しない状態で窓枠の所定の装着位置にガラスランチャンネルを取付けることができる。このため、ガラスランチャンネルの伸縮防止性能が向上して長期に亘って位置ずれ(たくれ等)の発生を防止することができる。
【0012】
また、請求項2の発明は、請求項1のガラスランチャンネルにおいて、上記繊維状強化材を炭素繊維及び/又はガラス繊維としたものである。
このガラスランチャンネルでは、炭素繊維及び/又はガラス繊維を含有させることによって強化樹脂成形部の線膨張係数をいっそう低下させることができる。
従って、請求項2のガラスランチャンネルによると、温度変化の大きい環境下においてもガラスランチャンネル本体部の伸縮(特に収縮)を顕著に抑制することができる。このため、長期に亘って位置ずれ(たくれ等)の発生を防止することができる。
【0013】
また、請求項3の発明は、請求項1又は2のガラスランチャンネルにおいて、上記強化樹脂成形部がさらに粉末状強化材を含有するものである。粉末状強化材の含有によって温度変化の大きい環境下におけるガラスランチャンネル本体部の伸縮(特に収縮)抑制性能が向上する。
【0014】
また、請求項4の発明は、請求項3のガラスランチャンネルにおいて、上記粉末状強化材をタルクとしたものである。
本発明に係る粉末状強化材としてタルクを含有させることによって、強化樹脂成形部の剛性とこれに伴う本体部の剛性を向上させることができる。
従って、請求項4のガラスランチャンネルによると、請求項3のガラスランチャンネルの奏する効果に加えて、窓ガラスの昇降時のような機械的な影響(ガラスの摺動、車両の振動等)に起因する位置ずれの発生を適度の剛性によって抑制することができる。
【0015】
また、請求項5の発明は、請求項3又は4のガラスランチャンネルにおいて、上記強化樹脂成形部に50質量%以下の含有率で粉末状強化材を含ませたものである。
このガラスランチャンネルでは、粉末状強化材の含有によって温度変化の大きい環境下におけるガラスランチャンネル本体部の伸縮(特に収縮)抑制性能が向上する。さらに高剛性を実現し得る。
従って、請求項5のガラスランチャンネルによると、温度変化の大きい環境下におけるガラスランチャンネル本体部の伸縮(特に収縮)抑制能力が高く、長期に亘って位置ずれ(たくれ等)の発生を防止することができる。また、請求項5のガラスランチャンネルでは、高剛性によって窓ガラスの昇降のような機械的な影響(振動等)に伴う位置ずれの発生を抑制することができる。
【0016】
【0017】
また、請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれか一のガラスランチャンネルにおいて、上記本体部が上記溝の底を構成する基底部とその基底部の幅方向の両端から立ち上がって溝の側壁を構成する側壁部とを有するものである。そして、上記強化樹脂成形部が基底部の少なくとも一部に形成されたことを特徴とする。
このガラスランチャンネルでは、強化樹脂成形部が基底部に設けられていることから、窓枠の所定の位置に取付けられた際、窓枠外部(即ち車両の外部)から強化樹脂成形部が目立たない。また、基底部の剛性が向上する。
従って、請求項6のガラスランチャンネルによると、請求項1〜5のいずれか一のガラスランチャンネルの奏する効果に加えて、美観を損ねることなく強化樹脂成形部付きガラスランチャンネルを窓枠に取付けることができる。
【0018】
また、請求項7の発明は、請求項6のガラスランチャンネルにおいて、上記強化樹脂成形部が基底部の溝内側の表面に形成されたものである。
このガラスランチャンネルでは、上記強化樹脂成形部が基底部の溝内側の表面に形成された結果、当該溝内側の部分の機械的強度や剛性が向上する。
従って、請求項7のガラスランチャンネルによると、請求項6のガラスランチャンネルの奏する効果に加えて、溝内に進入した窓ガラスの縁部がガラスランチャンネル本体部の溝内部に当接することに起因する位置ずれの発生を抑制することができる。
ガラス摺動性、耐摩耗性、耐衝撃性の維持或いは向上の観点から、請求項8の発明のように、前記強化樹脂成形部には超高分子量ポリエチレン又は高密度ポリエチレンが10〜50質量%含まれていることが特に好ましい。
【0019】
また、請求項9の発明は、請求項6のガラスランチャンネルにおいて、上記強化樹脂成形部が基底部の溝外側の表面に形成されたものである。
このガラスランチャンネルでは、上記強化樹脂成形部が基底部の溝外側の表面(即ち窓枠への装着面側)に形成された結果、外観を損なうことなく当該基底部の機械的強度や剛性を向上させ得る。
従って、請求項9のガラスランチャンネルによると、請求項6のガラスランチャンネルの奏する効果に加えて、美観を損ねることなく強化樹脂成形部付きガラスランチャンネルを窓枠に取付けることができる。また、溝内側には、上記強化樹脂成形部が存在しないので、所望する附属物を設けることができる。例えば、窓ガラス縁部が摺動する位置のガラスランチャンネルでは、その摺動に適した低摩擦性の樹脂成形部(ガラス摺動層)を上記強化樹脂成形部に制約されずに本体部の溝内側の表面に形成することができる。
【0020】
また、請求項10の発明は、請求項6のガラスランチャンネルにおいて、上記強化樹脂成形部が基底部の内部に埋設された状態で形成されたものである。
このガラスランチャンネルでは、上記強化樹脂成形部が基底部の内部に埋設された結果、外観を損なうことなく当該基底部の機械的強度や剛性を向上させ得る。
従って、請求項10のガラスランチャンネルによると、請求項6のガラスランチャンネルの奏する効果に加えて、美観を損ねることなく強化樹脂成形部付きガラスランチャンネルを窓枠に取付けることができる。また、溝内側及び溝外側(窓枠装着面側)のいずれにも、上記強化樹脂成形部の存在に制約されずに、所望する附属物を設けることができる。例えば、窓ガラス縁部が摺動する位置のガラスランチャンネルでは、その摺動に適した低摩擦性の樹脂成形部(ガラス摺動層)を上記強化樹脂成形部に制約されずに本体部の溝内側の表面に形成することができる。また、窓ガラス先端が圧接する位置(例えば上側)のガラスランチャンネルでは当接時の衝突音発生を防止する防止装置を上記強化樹脂成形部に制約されずに本体部の溝内又は外側の表面に形成することもできる。
【0021】
また、請求項11の発明は、請求項1〜5のいずれか一のガラスランチャンネルにおいて、上記本体部が上記溝の底を構成する基底部とその基底部の幅方向の両端から立ち上がって溝の側壁を構成する側壁部とを有するものである。そして、上記強化樹脂成形部が側壁部の少なくとも一部に形成されたことを特徴とする。
このガラスランチャンネルでは、強化樹脂成形部が側壁部に設けられていることから、基底部の構造が当該強化樹脂成形部の形成によって制限されない。
従って、請求項11のガラスランチャンネルによると、請求項1〜5のいずれか一のガラスランチャンネルの奏する効果に加えて、基底部の溝内側及び溝外側(窓枠装着面側)のいずれにも、上記強化樹脂成形部の存在に制約されずに所望する附属物を設けることができる。例えば、請求項10のガラスランチャンネル同様、基底部の溝内側の表面に所望する形状のガラス摺動層及び基底部の溝内、外側に衝突音発生防止装置を形成することができる。
【0022】
さらに本発明は、本明細書において開示されたガラスランチャンネルのいずれかを主体とするガラスランチャンネル組立体を提供する。
すなわち請求項12の発明は、車両の窓ガラスの縁部が嵌る溝を形成する長尺状本体部を有する少なくとも二つのガラスランチャンネルと、該ガラスランチャンネルの端末同士を長手方向に連結するジョイント部材であって車両の窓枠のコーナー部分に取付けられる少なくとも一つのコーナージョイント部材とを備える車両用ガラスランチャンネル組立体である。そして、上記ガラスランチャンネルの少なくとも一つが請求項1〜11のうちのいずれか一のガラスランチャンネルであることを特徴とする。
【0023】
請求項12のガラスランチャンネル組立体によると、必要部分において当該組立体の主要部たる本発明に係るガラスランチャンネルの長手方向への伸縮が上記強化樹脂成形部によって制限される。このため、窓枠への取付け後の温度変化に起因する位置ずれ(たくれ等)の発生を抑制し、かかる位置ずれによる不具合の発生を防止することができる。また、本発明のガラスランチャンネル組立体の取付け時には、上記のような手立てを講じる必要がないので、作業効率を低下させることなく窓枠への取付けを行うことができる。なお、上述した何れかの請求項のガラスランチャンネルが奏する効果は当然に当該請求項のガラスランチャンネルを含む組立体においても得られ得る。
【0024】
また、請求項13の発明は、請求項12のガラスランチャンネル組立体において、車両の窓枠における略水平方向に延びる部分を含む部位に配置されるガラスランチャンネルとして請求項1〜11のいずれか一のガラスランチャンネルが使用されているものである。
この組立体では、窓枠の略水平部分に延びる部分を含む部位(典型的には窓枠の天井部分)に取付けるガラスランチャンネルとして本発明に係るガラスランチャンネルが採用されている。かかる部位におけるガラスランチャンネルの位置ずれ(たくれ等)の防止は、美観等を維持するという観点から窓枠の他の部位(例えば垂直部分)よりも重要である。
従って、請求項13のガラスランチャンネル組立体によると、窓枠の上記部位におけるガラスランチャンネルの温度変化等に起因する位置ずれ(たくれ等)の発生を抑制し、かかる位置ずれによる不具合の発生を防止することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項(例えば本発明に係るガラスランチャンネルの構造上及び/又は組成上の特徴)以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば長尺状ガラスランチャンネルの押出成形方法)は、いずれも従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書及び図面によって開示されている事項と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
【0026】
本発明のガラスランチャンネルはエラストマーを主体に形成されるとともに長尺状の本体部(窓ガラスの縁部が嵌り得る溝を構成する部分)に上述の強化樹脂成形部が長手方向に一体に形成されたものである限り、その他の構造や付加的エレメントの有無に限定されない。
また、ガラスランチャンネルの取付け対象は自動車等の車両の窓枠(ドアパネルに設けられたものに限られない)であれば特に限定はない。ガラスランチャンネルの外形や本体部の形状(溝の断面形状を含む)は、窓枠側の装着部位や窓ガラス(縁部)の形状に適合するように決定すればよい。
【0027】
ガラスランチャンネルを構成するエラストマー(室温付近でゴム弾性を示す高分子化合物)としては、熱可塑性エラストマー、熱硬化性エラストマー、エチレン−プロピレン共重合体(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)等の合成ゴムが挙げられる。なかでも、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、スチレン系熱可塑性エラストマー(SBC)、ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、ポリアミド系熱可塑性エラストマー(TPAE)等の熱可塑性エラストマーが好適であり、特にコスト、入手容易性、押出成形性の点からオレフィン系熱可塑性エラストマーが好ましい。
【0028】
オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、重合型(リアクタータイプ)、ブレンドタイプ、静的架橋型及び動的架橋型等のタイプを問わず、いずれも使用可能である。このオレフィン系熱可塑性エラストマーを構成するオレフィン成分としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ペンテン等が挙げられる。これらのうちポリエチレン及びポリプロピレンが好ましく、ポリプロピレンが特に好ましい。また、エラストマー成分(ゴム成分)としては、EPM、EPDM等が挙げられる。これらのうちEPDMが特に好ましい。また、オレフィン成分として二種以上の重合体を含有してもよく、エラストマー成分についても同様である。オレフィン成分がポリプロピレンであり、エラストマー成分がEPM又はEPDMであるオレフィン系熱可塑性エラストマーが特に好ましく用いられる。例えば、重量割合で、30〜60部(更に好ましくは35〜45部)のEPM又はEPDMと、10〜30部(更に好ましくは20〜25部)のポリプロピレンと、適当量(例えば30部)の軟化剤例えばプロセスオイル(典型的にはパラフィン系又はナフテン系)とを配合して成るオレフィン系熱可塑性エラストマーが好適である。必要に応じて適当な架橋剤(有機過酸化物等)を適量添加するとよい。
かかる配合比のオレフィン系熱可塑性エラストマーから成るガラスランチャンネルは、適当な硬度(典型的にはJIS K 7215によるデュロメーター硬度AでHDA60〜90度)を有し、昇降する窓ガラスと接触し得る部位(上記シールリップ等)に適当な弾力性(例えばシール性を保持し得る圧力で窓ガラスに密接し得る弾力性)を付与することができる。
【0029】
一方、本発明のガラスランチャンネルにおける強化樹脂成形部は、熱可塑性樹脂とそれに混入される繊維状強化材及び/又は粉末状強化材とから実質的に構成されるものである限り、特定の成分に限定されない。
強化樹脂成形部のマトリックス樹脂たる熱可塑性樹脂としては種々のものが用いられ得るが、上記エラストマー(典型的にはオレフィン系熱可塑性エラストマー)から成る部分と溶着(典型的には熱溶着)または接着によって化学的に一体化させ易いという観点から、オレフィン系の熱可塑性樹脂が好ましい。この種の樹脂の好適例として、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂、オレフィン系樹脂にEPMやEPDM等のゴム成分が適宜混入されて成るオレフィン系熱可塑性エラストマー及びこれらのブレンド物等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂とブレンドさせる好適例として、超高分子量ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン等のオレフィン系樹脂、ポリブテン、エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、硬質または軟質のポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ABS樹脂、ポリビニルアルコール、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。また、オレフィン系熱可塑性エラストマー以外の熱可塑性エラストマーを含有させてもよい。
ガラス摺動性、耐摩耗性、耐衝撃性の維持或いは向上の観点から、超高分子量ポリエチレン又は高密度ポリエチレンを適当量(好ましくは強化樹脂成形部の10〜50質量%に相当する量)添加するとよい。超高分子量ポリエチレンの添加が特に好ましい。
【0030】
さらに、強化樹脂成形部の線膨張係数(典型的には5×10-5/℃以下、好ましくは3×10-5/℃以下、例えば1×10-5〜3×10-5/℃)を増大させない範囲で、マトリックス樹脂(典型的にはポリプロピレン等のオレフィン系樹脂及びTPO)以外の成分の一種または二種以上を補助的に(好ましくは、マトリックス樹脂全体に対して20質量%以下の割合で)ブレンドすることができる。例えば、補助成分として、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、難燃剤等の一般的な添加剤の一種または二種以上を含有することができる。
【0031】
強化樹脂成形部に含まれる繊維状強化材及び/又は粉末状強化材は、ガラスランチャンネル本体部におけるエラストマーから成る部分の伸縮を抑えるべく添加される成分であり、その目的を達成し得る限り、強化材の種類及びその含有量に制限はない。
繊維状強化材としては、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維(アルミナ繊維、炭化珪素繊維等)、無機ウィスカー(チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー等)等の無機繊維、或いはマトリックス樹脂よりも線膨張係数の小さい材料から成る有機繊維(アラミド繊維等)が挙げられる。線膨張係数の低下、引張り強度の向上等の観点から、炭素繊維及びガラス繊維が好ましく、炭素繊維が特に好ましい。
【0032】
炭素繊維等の繊維状強化材の好ましい形状は、平均繊維長0.2〜50mm(より好ましくは3〜15mm)及び繊維径3〜20μm(より好ましくは5〜15μm)の範囲にある形状である。
かかる繊維状強化材の含有率は、強化樹脂成形部の0.5〜30質量%程度が好適であり、1〜10質量%程度が特に好ましい。繊維状強化材の含有率が0.5質量%よりも少なすぎると、伸縮防止性能が充分に向上しない。一方、繊維状強化材の含有率が30質量%よりも多すぎると、強化樹脂成形部の成形加工性や表面の平滑性が低下する。また、強化樹脂成形部の原材料費が増大する。
【0033】
炭素繊維としては、PAN系及びピッチ系のいずれも好適に用いることができる。PAN系とピッチ系を併用してもよい。例えば、引張り強度が600〜6000MPa(好ましくは3000〜4500MPa)の範囲にある炭素繊維及び/または引張り弾性率が30〜1000GPa(好ましくは200〜950GPa)の範囲にある炭素繊維を用いることができる。
【0034】
このような炭素繊維の入手可能な市販品としては下記のものが例示される。
(a)PAN系炭素繊維;
三菱レイヨン株式会社製の「パイロフィル(登録商標)TR066」、「パイロフィル(登録商標)TR06U」、東邦レーヨン株式会社製の「べスファイト(商標)HTA−C6−N」、「べスファイト(商標)HTA−C6−S」、東レ株式会社製の「トレカ(登録商標)T008」等。
(b)ピッチ系炭素繊維;
三菱化学株式会社製の「ダイアリード(登録商標)K223SE」、「ダイアリード(登録商標)K223QG」、「ダイアリード(登録商標)K223HG」、株式会社ドナック製の「ドナカーボ(商標)S−242」、「ドナカーボ(商標)S−343」、呉羽化学工業株式会社製の「クレカ(商標)C−106F」、「クレカ(商標)C−106S」、日本グラファイトファイバー株式会社製の「グラノック(商標)XN−P9C」、「グラノック(商標)XN−60C」等。
【0035】
一方、粉末状強化材としては、タルク、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、カーボンブラック、クレー、カオリン、シリカ、ケイソウ土、雲母粉、アルミナ、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、二硫化モリブデン、ガラス球、シラスバルーン等から選択される一種または二種以上を使用することができる。これらのうち、タルク、炭酸カルシウム及びシリカが好ましく用いられ、タルクが特に好ましい。
【0036】
粉末状強化材(例えばタルク)の好適な粒径は、平均粒径として0.5〜25μmであり、平均粒径1〜6μmのものが特に好適である。
かかる粉末状強化材の含有率は強化樹脂成形部の50質量%以下が適当であるが、5〜50質量%の範囲とすることが好ましく、10〜30質量%の範囲とするのが特に好ましい。粉末状強化材の含有率が5質量%よりも少なすぎると、粉末状強化材を添加したことによる効果が低くなる。粉末状強化材の含有率が50質量%よりも多すぎると強化樹脂成形部の靭性、弾性等が低下し易い。
【0037】
なお、強化樹脂成形部には、上述したような繊維状強化材(例えば炭素繊維及び/又はガラス繊維)と粉末状強化材(例えばタルク)とを両方含有させてもよい。例えば、炭素繊維等の繊維状強化材の含有率を0.5〜5質量%とし、タルク等の粉末状強化材の含有率を5〜25質量%とすることにより、ガラスランチャンネル本体部の高い伸縮防止性能と強化樹脂成形部の高剛性(即ち、強化樹脂成形部と一体的に形成される本体部の機械的強度向上に寄与する)とを容易に実現することができる。
【0038】
本発明のガラスランチャンネルでは、所望する作用効果を奏し得る限り、強化樹脂成形部の形成部位に特に限定はない。一般の自動車ドアパネルの窓枠に取付けられるガラスランチャンネルの場合、典型的には後述する実施例のように本体部の基底部及び側壁部のいずれか一方又は両方の一部に長手方向に形成される。或いは、本体部の基底部又は側壁部の略全体が強化樹脂成形部であってもよい。
また、強化樹脂成形部のサイズや形状(例えば横断面形状)にも特に制限はなく、所望する作用効果を奏し得る限り、いかなる形状もとり得る。例えば、長手方向に延びるシート又はリボン(板)形状のものや横断面が多角形又は円形である非シート形状のものが強化樹脂成形部として好適である。なお、強化樹脂成形部の形成位置、形状及び大きさは、ガラスランチャンネルの長手方向の前後で一定であってもよく、場所によって異なっていてもよい。
【0039】
本発明のガラスランチャンネルは、従来から自動車用のガラスランチャンネルや各種モールディングを製造する場合と同様の成形方法を採用することによって容易に製造することができる。典型的には、上記本体部及び強化樹脂成形部を形成するためのエラストマー材料その他の樹脂成形材料を用いて一般的な押出成形を行うことにより所望する形状(断面形状)のガラスランチャンネルを製造することができる。例えば、繊維状強化材を含む樹脂成形材料を押出成形すると、長手方向に繊維が配向する傾向にある。このことにより、長手方向の応力による変形(伸縮)を抑制することができる。また、ガラスランチャンネル全体の線膨張を抑えることができる。
【0040】
一例を挙げると、強化樹脂成形部を形成するための樹脂材料(ポリプロピレン樹脂その他の熱可塑性樹脂を主体とし、所定量の繊維状強化材及び/又は粉末状強化材を含有する樹脂材料)を押出ダイに供給し、当該樹脂材料から所定の横断面形状の長尺状成形体を押出成形する。この押出成形により、本発明に係る強化樹脂成形部に相当する長尺状強化樹脂成形体が予め成形される。
次いで、図3に示すように、この長尺状強化樹脂成形体70をドラム71等に巻いておき、ドラム71から長尺状強化樹脂成形体70を押出ダイ72に連続供給するとともに、ガラスランチャンネルの本体部を形成するためのエラストマー形成材料(オレフィン系熱可塑性エラストマー形成材料等)73を図示しない供給口から加熱溶融状態で押出ダイ72に供給する。そして、長尺状強化樹脂成形体70と共に、エラストマー形成材料73を押出ダイ72から排出し、所定の横断面形状のガラスランチャンネル74を押出成形する。この押出成形の際に、長尺状強化樹脂成形体(強化樹脂成形部)70の表面部が熱により溶融し、強化樹脂成形部と所定のエラストマーから成る本体部とが熱溶着により一体化されたガラスランチャンネル74が形成される。押出成形されたガラスランチャンネル74を冷却装置75により冷却した後、引取装置77を介して引き取り、切断装置76で切断することにより、所望する長さのガラスランチャンネル74が得られる。この製造方法は、強化樹脂成形部とそれ以外のエラストマーから成る樹脂成形部(本体部)との成形温度が大きく異なる場合や両樹脂(強化樹脂成形部と本体部)に相溶性が無い場合に好ましく採用される。なお、前記相溶性が無いか乏しい場合には、押出ダイ72に供給される長尺状強化樹脂成形体70の本体部と固着する表面に予め接着剤をコーティングしておくことができる。これにより、長尺状強化樹脂成形部とエラストマーから成る本体部との接着性を向上させ得る。
【0041】
なお、上記製造方法では、あらかじめ押出成形された長尺状強化樹脂成形体(強化樹脂成形部)70をドラム71に巻き取って使用したが、長尺状強化樹脂成形体を成形するための第一の押出ダイとガラスランチャンネル本体を成形するための第二の押出ダイとを直列に配置し、第一の押出ダイによって成形された長尺状強化樹脂成形体がそのまま第二の押出ダイに連続的に供給されるように構成することもできる。この場合には、長尺状強化樹脂成形体の保管等が不要となる。
【0042】
あるいは、両樹脂の成形温度が略同一で且つ相溶性を有するときには、いわゆる二色押出成形(共押出成形)を実施することによって、本体部と強化樹脂成形部とが長手方向に一体化して成るガラスランチャンネルを製造することができる。その一例を図4に示す。押出ダイ82は、強化樹脂成形部を形成するための樹脂材料80がホッパに投入され、押出成形機のシリンダ内で加熱され溶融状態で供給される第一供給口81aと、ガラスランチャンネルの本体部を形成するためのエラストマー形成材料83が同様に加熱され溶融状態で供給される第二供給口81bとを備える。これらの供給口から各材料80,83をそれぞれ供給し、図示しない所定形状の押出口からこれらの材料を押出す。これにより、強化樹脂成形部とエラストマーから成る本体部とが一つの押出ダイ82の内部で熱溶着して一体化されたガラスランチャンネル84が押出成形される。
【0043】
また、本発明に係るガラスランチャンネルを含むガラスランチャンネル組立体は、従来の組立体と同様の方法によって製造することができる。典型的には、押出成形等によって予め製造されている長尺状ガラスランチャンネルの端部同士に所定のコーナージョイント部材を射出成形によって成形する。すなわち、所定のコーナージョイント部材成形用金型のキャビティ内にガラスランチャンネルの長手方向の端部同士を所定の間隙(キャビティ)を保って配置するとともに所定の成形材料を当該キャビティ内に射出する。これにより、ガラスランチャンネルの各端部に結合した状態で所望する形状のコーナージョイント部材が形成される。なお、かかる射出成形方法自体は本発明を何ら特徴付けるものではないため、詳細な説明は省略する。
【0044】
【実施例】
以下に説明する実施例によって、本発明を更に詳細に説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
【0045】
第一実施例として、自動車のフロントドアパネル1の窓枠2に取付けられるガラスランチャンネル組立体10及びその組立体に備えられたガラスランチャンネル12,14,16を図5及び図6を参照しつつ説明する。
図5に示すように、本実施例に係る組立体10は、3つの長尺状ガラスランチャンネル12,14,16と2つのコーナージョイント部材13,15とから構成されている。すなわち、窓枠2の前方垂直部分2aに配置されるガラスランチャンネル12と、傾斜部分2b及び略水平に延びる部分(天井部分)2cに配置されるガラスランチャンネル14と、後方垂直部分2dに配置されるガラスランチャンネル16とを有する。各ガラスランチャンネル12,14,16は、窓枠2のコーナー部分3,4に装着されるコーナージョイント部材13,15によって連結され、ガラスランチャンネル組立体10として一体となっている。かかるガラスランチャンネル組立体10は、押出成形したガラスランチャンネルの端部に所定のコーナージョイント部材を射出成形すると同時に各ガラスランチャンネル12,14,16を連結することによって製造することができる。
【0046】
次に、ガラスランチャンネルの構造について詳細に説明する。図6は図5におけるVI−VI線に沿う断面図であり、傾斜部分2b及び天井部分2cに配置されるガラスランチャンネル14の横断面図である。なお、他の部分2a,2dに配置されるガラスランチャンネル12,16も同様の構造を有しており、重複した記載は省略する。
図6に示すように、本実施例に係るガラスランチャンネル14は、窓枠2(2c)に取付けられた際に図示しない昇降窓ガラスの縁部が嵌まり得る開口を長手方向に沿って有する溝24を形成する本体部20を主要構成要素とする。この本体部20は溝24の底部に相当する基底部21と、その基底部21の幅方向の両端から立ち上がって溝24の側壁となる一対の側壁部22,23(即ち車内寄り側壁部22及び車外寄り側壁部23)とから構成されている。側壁部22,23の外面には、窓枠側に設けられているガラスランチャンネル取付け溝(図示せず)にガラスランチャンネル14を保持させるために窓枠内面側に引っ掛ける抜止めリップ28b,28cと、図示しない窓枠の端縁を覆い隠す遮蔽リップ28a,28dとが設けられている。また、側壁部22,23の自由末端部には、窓ガラスの縁部が溝24に嵌った際に当該窓ガラスに密接して車内への水の浸入を防止するためのシールリップ26,27が長手方向に形成されている。
かかるガラスランチャンネル本体部20は、重量割合で、EPDM40部と、ポリプロピレン樹脂25部と、プロセスオイル(パラフィン系又はナフテン系)30部とを配合して成るオレフィン系熱可塑性エラストマー成形材料を含む材料(この他に補助成分5部を含む)から成形された部分(即ちエラストマー構成部分)である。
【0047】
図6に示すように、ガラスランチャンネル14の基底部21の溝内側表面にはシート(薄板)形状の強化樹脂成形部25が長手方向に一体に形成されている。
かかる強化樹脂成形部25は、重量割合で、上記オレフィン系熱可塑性エラストマー成形材料40部と、超高分子量ポリエチレン40部と、ポリプロピレン樹脂15部と、PAN系炭素繊維(東邦レーヨン(株)製品「べスファイト(商標)HTA−C6−N」、繊維長6mm、平均繊維径7μm)2.5部とを含む材料(この他に補助成分2.5部を含む)から成形された部分である。すなわち、本実施例に係る強化樹脂成形部の炭素繊維(繊維状強化材)含有率は2〜3質量%の範囲にある(約2.5質量%)。
【0048】
本実施例に係るガラスランチャンネル14は、上述の図4に例示したような共押出成形によって容易に製造することができる。すなわち、上述の本体部成形用材料(上記オレフィン系熱可塑性エラストマー成形材料)と強化樹脂成形部成形用材料(上記炭素繊維含有材料)とをそれぞれ異なる押出成形機から一つの押出ダイに供給し、図6に示す断面形状の押出口から押出成形する。これにより、押し出された本体部成形用材料と強化樹脂成形部成形用材料とが長手方向に溶着・接合し、本体部20と強化樹脂成形部25とが一体化して成る本実施例に係るガラスランチャンネルを容易に製造することができる。
【0049】
また、本実施例に係るガラスランチャンネル14では、基底部21の溝内側に強化樹脂成形部25が形成されているため、当該基底部21(延いては本体部20)の機械的強度(特に弾性率とこれに対応する剛性等)を高く保ち得る。また、溝24内に進入した窓ガラスの縁部がガラスランチャンネル本体部20の溝内部(典型的には強化樹脂成形部の表面)に当接することに起因する位置ずれの発生を抑制することができる。
また、強化樹脂成形部25が基底部21にシート形状に形成されているため、そのシート厚み方向(即ちガラスランチャンネルの窓枠への装着方向)に自由に曲げながら取付けを行える。このため、窓枠2の傾斜部分2bと水平部分2cとの間にある上下方向(ガラスランチャンネルの窓枠装着方向と同方向)に湾曲した部分2e(図5参照)にもうまく追従させて所定の装着位置に正しく取付けることができる。
また、本実施例に係る強化樹脂成形部25は、比較的高率に超高分子量ポリエチレンを含有する結果、低摩擦性に優れる。このため、ガラスランチャンネル14に接触する窓ガラスの摺動性が向上する。従って、窓ガラスが摺動する位置のガラスランチャンネル(例えば符号12,16で示すガラスランチャンネル)では、そのスムーズな移動(昇降)を実現し、窓ガラスの移動に伴うガラスランチャンネルの位置ずれを防止することができる。
【0050】
次に、本実施例に係るガラスランチャンネルを大きな温度変化を伴う環境下に曝し、耐伸縮性能を調べた。
すなわち、所定の自動車ドアパネル窓枠に全長1000mmの本実施例に係るガラスランチャンネルを取付け、当該ドアパネルごと恒温試験室に収容した。その後、(i).−30℃4時間、(ii).常温(25℃)1時間、(iii).80℃4時間、そして(iv).常温(25℃)1時間から成る(i)〜(iv)の冷熱サイクルを3回繰り返した(10時間×3回=合計30時間)。
かかる冷熱サイクルによる温度変化試験終了後、窓枠に取付けたガラスランチャンネルを取外し、その全長を測定した。結果を表1に示す。
なお、強化樹脂成形相当部も本体部と同一材料であること以外は本実施例と同様の原料組成及び形状のガラスランチャンネルを同様の製法(2台の押出成形機による一色押出成形)と押出条件によって製造し、上記と同時に同一の温度変化試験を行った。その結果を表1に参考例として示す。
【0051】
【表1】
【0052】
表1から明らかなように、参考例と比較して、本実施例に係るガラスランチャンネルは上記温度サイクルによる大きな温度変化に曝された後もほとんど収縮しておらず、成形当初の全長をほぼ保っていた。このことから、本実施例に係るガラスランチャンネルは高度な耐伸縮性を有することが確かめられた。
なお、実施例及び参考例と同一の別途の各ガラスランチャンネルを自然状態で放置しておいて、80℃の高温時にその状態を手で確認したところ、参考例は軟化して容易に曲がってしまったのに対して、実施例は比較的剛性を保っていた。このことから、実施例は特に高温において参考例よりも弾性率が高い状態を維持していることが確認された。
さらに、本実施例に係るガラスランチャンネル(後述する実施例についても同様)では、低線膨張係数の強化樹脂成形部が繊維状強化材(及び/又は粉末状強化材)を含む結果、熱可塑性エラストマーから成るガラスランチャンネル本体部よりも耐伸長性及び耐収縮性が高い。従って、例えばガラスランチャンネルを窓枠に取付ける際に引張り力が作用しても歪みを生じさせない。また、高剛性の強化樹脂成形部が長手方向に形成されているため、外部から物理的な力(例えば窓ガラスの昇降に伴うガラスランチャンネル長手方向への圧縮力)が加わった際には、当該強化樹脂成形部分が当該物理的外力に耐え得る支持部となってガラスランチャンネル本体部が収縮若しくは伸長するのを防止することができる。
【0053】
次に、第一実施例と同じ組成の強化樹脂成形部を基底部の異なる部位に形成したガラスランチャンネルを第二実施例及び第三実施例として説明する。尚、第二実施例及び第三実施例に係るガラスランチャンネル14A,14Bは、強化樹脂成形部の形成位置を除いて第一実施例と同様の外形・構造を有しており、第一実施例と同様の耐伸縮性に優れるガラスランチャンネル組立体10(図5参照)を製造することができる。
【0054】
第二実施例として図7に示すガラスランチャンネル14Aは、強化樹脂成形部25Aが基底部21Aの外面側即ち溝24の内側表面に形成されていることを特徴とする。
この構成によると、強化樹脂成形部25Aが基底部21Aの外側即ち窓枠装着面側に形成された結果、外観(美観)を損ねることなく基底部21Aの機械的強度や剛性を向上させることができる。また、窓ガラスが接触し得ない部位に強化樹脂成形部25Aを設けるため、当該強化樹脂成形部25Aに低摩擦性(窓ガラスの高摺動を実現する滑り易さ)を付与する必要がない。また、強化樹脂成形部25Aの存在に制約されずに溝24の内側に所望する種々の附属物を設けることができる。例えば、溝内を移動する窓ガラス縁部に対応する位置のガラスランチャンネル(例えば窓枠2a,2dに装着するガラスランチャンネル)では、その摺動に適した低摩擦性の樹脂成形部(即ちガラス摺動層)を溝24の内側表面に積層・形成することができ、窓ガラス縁部が当接する位置のガラスランチャンネル(例えば窓枠2cに装着するガラスランチャンネル)では溝内に衝突音発生防止装置を形成することもできる。
【0055】
第三実施例として図8に示すガラスランチャンネル14Bは、強化樹脂成形部25Bが基底部21Bの内部に埋設されていることを特徴とする。
この構成によると、強化樹脂成形部25Bが基底部21Bの内部に埋設された結果、第二実施例と同様、外観(美観)を損ねることなく基底部21Bの機械的強度や剛性を向上させることができる。また、窓ガラスが接触し得ない部位に強化樹脂成形部25Bを設けるため、当該強化樹脂成形部25Bに低摩擦性(窓ガラスの高摺動を実現する滑り易さ)を付与する必要がない。従って、強化樹脂成形部25Bの存在に制約されずに、溝24の内側或いは外側に所望する種々の附属物(例えば上記ガラス摺動層や衝突音発生防止装置)を設けることができる。
また、強化樹脂成形部25Bを埋設する結果、当該強化樹脂成形部25Bと基底部21Bとの一体性に優れ、ガラスランチャンネル14Bが強く湾曲されたような場合であっても、強化樹脂成形部の剥離を防止することができる。
【0056】
次に、第四実施例として、自動車のリアドアパネル41の窓枠42に取付けられるガラスランチャンネル組立体50及びその組立体に備えられたほぼ直線状のガラスランチャンネル52,54,56,58を図9及び図10を参照しつつ説明する。
図9に示すように、本実施例に係る組立体50は、4つの長尺状ガラスランチャンネル52,54,56,58と3つのコーナージョイント部材53,55,57とから構成されている。すなわち、リアドアの窓枠42の前方垂直部分42aに配置されるガラスランチャンネル52と、略水平に延びる部分(天井部分)42bに配置されるガラスランチャンネル54と、後方傾斜部分42cに配置されるガラスランチャンネル56と後方垂直部分42dに配置されるガラスランチャンネル58とを有する。なお、本実施例では、窓枠42におけるコーナー部分43,44,45以外の部分42a,42b,42c,42dはいずれもほぼ直線状に形成されているため、ガラスランチャンネル組立体50の窓枠装着時には、いずれのガラスランチャンネル52,54,56,58についても曲げ作業を要しない。
そして、第一実施例と同様、各ガラスランチャンネル52,54,56,58は、窓枠42のコーナー部分43,44,45にそれぞれ装着されるコーナージョイント部材53,55,57によって連結され、ガラスランチャンネル組立体50として一体となっている。かかるガラスランチャンネル組立体50についても、部品数が異なるものの第一実施例と同様に押出成形した各ガラスランチャンネルの端部に所定のコーナージョイント部材を射出成形することによって製造することができる。
【0057】
図10は図9のX−X線に沿う断面図で天井部分42bに配置されるガラスランチャンネル54の横断面図であるが、窓枠42の他の部分42a,42c,42dに配置されるガラスランチャンネル52,56,58も同様の構造である。
この図に示すように、本実施例に係るガラスランチャンネル54の本体部60は、上述の各実施例と同様の外形及び断面形状であり、同形状の基底部61、一対の側壁部62,63(車内寄り側壁部62及び車外寄り側壁部63)、抜止めリップ68b,68c、遮蔽リップ68a,68dならびにシールリップ66,67が設けられている。
【0058】
本実施例に係る強化樹脂成形部65は、一方の側壁部(ここでは車内寄り側壁部62)の溝内側表層部に強化樹脂成形部の表面が露出するようにして設けられている。この構成によると、基底部61の構造が当該強化樹脂成形部65の形成によって制限されない。従って、強化樹脂成形部65の存在に制約されずに基底部61の任意の部位に種々の附属物(例えばガラス摺動層)を設けることができる。また、側壁部の溝内側に強化樹脂成形部65を設ける結果、第二、第三実施例と同様、外観(美観)を損ねることなくガラスランチャンネル本体部60の伸縮を抑止することができる。
なお、強化樹脂成形部65の位置は、側壁部62の溝外側表層部に設けられてもよいし、何れか一方又は両方の側壁部62,63の一部分(表層部に限られない)に設けられてもよい。
【0059】
以上、いくつかの実施例を挙げて本発明の車両用ガラスランチャンネル及び該ガラスランチャンネルを備えた組立体を説明したが、本発明はこれら実施例に示した形状・用途に限定されない。
例えば、第一〜第三実施例に係るガラスランチャンネル14,14A,14Bを図9に示すリアドアの窓枠42装着用ガラスランチャンネル組立体50の構成ガラスランチャンネルとして用いることができる。
あるいは、第四実施例に係るガラスランチャンネル54を図5に示すフロントドアの窓枠2装着用ガラスランチャンネル組立体10の構成ガラスランチャンネルとして用いることができる。この場合には、図5に示す湾曲部分2eにおいてガラスランチャンネル54を上下方向即ち基底部61の厚み方向(ガラスランチャンネルの窓枠装着方向と同方向)に湾曲させる必要が生じるが、例えば当該湾曲させる部位を中心にガラスランチャンネルの長手方向に所定間隔を保って複数のスリットを基底部61(側壁部62,63の一部にまで及ぶ深さのものが好ましい)に形成することにより、当該湾曲部分2eにうまく追従させて装着することができる。
【0060】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のガラスランチャンネル組立体が取付けられた状態の自動車フロントドアパネルの一部破断側面図である。
【図2】 図1のII−II線断面図であって従来のガラスランチャンネルの構造を示す横断面図である。
【図3】 本発明のガラスランチャンネルの一製造例を模式的に示す説明図である。
【図4】 本発明のガラスランチャンネルの一製造例を模式的に示す説明図である。
【図5】 一実施例に係る本発明のガラスランチャンネル組立体が取付けられた状態の自動車フロントドアパネルの一部破断側面図である。
【図6】 図5のVI−VI線断面図であって一実施例に係る本発明のガラスランチャンネルの構造を示す横断面図である。
【図7】 一実施例に係る本発明のガラスランチャンネルの構造を示す横断面図である。
【図8】 一実施例に係る本発明のガラスランチャンネルの構造を示す横断面図である。
【図9】 一実施例に係る本発明のガラスランチャンネル組立体が取付けられた状態の自動車リアドアパネルの一部破断側面図である。
【図10】 図9のX−X線断面図であって一実施例に係る本発明のガラスランチャンネルの構造を示す横断面図である。
【符号の説明】
2,42,102 窓枠
10,50,110 ガラスランチャンネル組立体
12,14,14A,14B,16,52,54,56,58,112,114,116 ガラスランチャンネル
13,15,53,55,57,113,115 コーナージョイント部材
20,60,120 本体部
21,21A,21B,61,121 基底部
22,23,62,63,122,123 側壁部
25,25A,25B,65 強化樹脂成形部
Claims (13)
- 車両の窓枠に取付けられて窓ガラスの縁部が嵌り得る溝を形成する長尺状の本体部を有する、長尺状車両用ガラスランチャンネルであって、
前記本体部は熱可塑性エラストマーで形成され、前記本体部には、熱可塑性樹脂を主体とし、平均繊維長0.2〜50mm及び平均繊維径3〜20μmの繊維状強化材を0.5〜30質量%配合した強化樹脂成形部が長手方向に形成されており、
その強化樹脂成形部は、前記本体部よりも線膨張係数が小さく且つ引張り強度及び弾性率が大きくなるように構成されていて、
前記強化樹脂成形部と前記本体部とは押出成形により溶着積層し一体化しており、該強化樹脂成形部はガラスランチャンネルの伸縮を防止するように機能することを特徴とする、車両用ガラスランチャンネル。 - 前記繊維状強化材が炭素繊維及び/又はガラス繊維である、請求項1に記載のガラスランチャンネル。
- 前記強化樹脂成形部は、粉末状強化材を含有する、請求項1又は2に記載のガラスランチャンネル。
- 前記粉末状強化材がタルクである、請求項3に記載のガラスランチャンネル。
- 前記強化樹脂成形部には、50質量%以下の含有率で粉末状強化材が含まれている、請求項3又は4に記載のガラスランチャンネル。
- 前記本体部は、前記溝の底を構成する基底部とその基底部の幅方向の両端から立ち上がって溝の側壁を構成する側壁部とを有しており、
前記強化樹脂成形部は、基底部の少なくとも一部に形成されている、請求項1〜5のいずれかに記載のガラスランチャンネル。 - 前記強化樹脂成形部は、基底部の溝内側の表面に形成されている、請求項6に記載のガラスランチャンネル。
- 前記強化樹脂成形部には、超高分子量ポリエチレン又は高密度ポリエチレンが10〜50質量%含まれている、請求項7に記載のガラスランチャンネル。
- 前記強化樹脂成形部は、基底部の溝外側の表面に形成されている、請求項6に記載のガラスランチャンネル。
- 前記強化樹脂成形部は、基底部の内部に埋設された状態で形成されている、請求項6に記載のガラスランチャンネル。
- 前記本体部は、前記溝の底を構成する基底部とその基底部の幅方向の両端から立ち上がって溝の側壁を構成する側壁部とを有しており、
前記強化樹脂成形部は、側壁部の少なくとも一部に形成されている、請求項1〜5のいずれかに記載のガラスランチャンネル。 - 車両の窓ガラスの縁部が嵌る溝を形成する長尺状本体部を有する少なくとも二つのガラスランチャンネルと、
該ガラスランチャンネルの端末同士を長手方向に連結するジョイント部材であって車両の窓枠のコーナー部分に取付けられる少なくとも一つのコーナージョイント部材とを備える車両用ガラスランチャンネル組立体であって、
前記ガラスランチャンネルの少なくとも一つは請求項1〜11のいずれかに記載のガラスランチャンネルである、車両用ガラスランチャンネル組立体。 - 車両の窓枠における略水平方向に延びる部分を含む部位に配置されるガラスランチャンネルとして請求項1〜11のいずれかに記載のガラスランチャンネルが使用されている、請求項12に記載のガラスランチャンネル組立体。
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