JP3928147B2 - 鉄骨梁の架設構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は鉄骨梁の架設構造、特に、鉄骨梁自体を制振ダンパーとして機能せしめて振動減衰効果を得ることを可能とした構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、建物の耐震性を向上させるために、地震エネルギーを吸収して振動を抑制し速やかに減衰させる各種の制振ダンパーを建物に設置することが行われるようになってきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
建物に設置する制振ダンパーとしては、オイルダンパー、粘弾性ダンパー、鋼材ダンパー等が一般的であるが、それらはいずれも安価なものではないし、それらを設置するためにかなりのスペースを確保しなければならず、また保守も必要である。
【0004】
上記事情に鑑み、本発明は、格別の制振ダンパーを用いることなく、鉄骨梁自体に制振ダンパーとしての機能をもたせることのできる構造を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、二部材間に鉄骨梁を架設する際に適用する構造であって、前記鉄骨梁を主材の両端にベースプレートを設けた構成として該ベースプレートの周縁部を前記主材の横断面輪郭よりも外側に突出せしめ、該ベースプレートの周縁部のみをその両面側から対の挟持部材により挟み込んだ状態で前記部材に対して締結することにより、該ベースプレートと前記部材との間にはベースプレートの曲げ変形を許容するためのクリアランスを形成するとともに該クリアランスを前記主材の横断面輪郭の範囲全体にわたって確保し、当該鉄骨梁が所定荷重を受けた際に前記ベースプレートの面外曲げ変形を許容して該ベースプレートを降伏せしめる構成としたものである。
また、前記ベースプレートの周縁部に当接する前記挟持部材の当接面を凸曲面に形成することが好適である。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1ないし図3は本発明の一実施形態を示すものである。本実施形態は、柱あるいは壁等の対向する二部材1,1間に鉄骨梁2を架設する際に適用されるものであり、その鉄骨梁2としては通常のH形鋼等からなる主材3の両端にそれぞれ鋼板からなる平板状のベースプレート4,4を溶接して取り付けられたものを用い、それらベースプレート4,4の上下の周縁部は主材3の横断面輪郭よりも外側に突出させておく(主材3がH形鋼である場合には、ベースプレート4の上下の周縁部を主材3の上下のフランジよりも上下にそれぞれ突出させておく)。
【0007】
上記の鉄骨梁2の部材1,1間に対する架設は、主材3の上下に突出している各ベースプレート4の上下の周縁部のみをアンカーボルト5により部材1に対して締結することで行う。その際、ベースプレート4を部材1表面よりやや浮かせた状態としてベースプレート4と部材1との間に若干のクリアランス6を形成し、そのクリアランス6を主材3の横断面輪郭の範囲全体にわたって確保する。そのため、部材1に対するベースプレート4の締結は、図2に示すように、対の挟持部材7,7によりベースプレート4の上下の周縁部を両面側から挟み込んだ状態で行い、それら挟持部材7のベースプレート4に対する当接面は凸曲面7aとしておく。
【0008】
上記構造により架設された鉄骨梁2にあっては、所定の設定荷重を越える荷重が作用した際、特に地震時に水平力が加わって建物に層間変位が生じたような場合、図3に示すようにベースプレート4が面外方向に曲げ変形を生じて降伏するものであり、そのような降伏が主材3に先立って生じるようにベースプレート4の厚さ、寸法、部材1に対する締結位置が設定されている。
【0009】
そして、上記の鉄骨梁2は、ベースプレート4が上記のような塑性変形することで地震エネルギーを吸収し、建物の振動を速やかに減衰させ得るものである。つまり、この鉄骨梁2自体が一種の鋼材ダンパーとして機能するものであり、他に制振ダンパーを設けずとも振動減衰効果を得ることができることになる。
【0010】
特に、上記の鉄骨梁2にあっては、主材3の横断面輪郭の外側に突出させたベースプレート4の周縁部のみが挟持部材7により挟持されて部材1に対して締結されていること、挟持部材7によりベースプレート4が浮いた状態で締結されてベースプレート4と部材1との間にクリアランス6が確保されていること、特にそのクリアランス6は主材3の横断面輪郭の範囲全体にわたって確保されていること、さらにベースプレート4を挟持している挟持部材7の当接面7aが凸曲面とされていることにより、ベースプレート4の面外方向への曲げ変形が支障なく許容されるものであり、したがって制振ダンパーとして確実に機能し得るものとなっている。しかも、ベースプレート4を形成している鋼板は面外曲げ変形を受けた際の塑性変形能力が大きいものであるから、この鉄骨梁2は大きなエネルギー吸収性能を期待できるものであって制振ダンパーとしてきわめて有効なものである。
【0011】
なお、上記実施形態では、主として層間変位を受けた際にベースプレート4が上下方向に曲げ変形を生じるようにベースプレート4の上下の周縁部のみを部材1に対して締結するようにしたのであり、通常はそのようにすることが好ましいが、鉄骨梁2に作用する荷重の方向によってはベースプレート4の左右の周縁部のみを締結する方が好ましい場合も想定され(たとえば鉄骨梁2の両端部が互いに水平逆方向に変位することが想定されるような場合)、その場合にはそのように構成すれば良い。つまり、ベースプレート4の左右の周縁部を主材3の横断面輪郭よりも両側方に突出させておき、その周縁部のみを挟持部材7により挟持して部材1に対して締結すれば良い。あるいは、可能であればベースプレート4の四隅部のみを締結することでベースプレート4の上下左右の双方に対する曲げ変形を許容せしめる構成とすることも考えられる。
【0012】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、二部材間に鉄骨梁を架設する際に、鉄骨梁を主材の両端にベースプレートを設けた構成として、そのベースプレートの周縁部を主材の横断面輪郭の外側に突出させ、ベースプレートの周縁部のみを挟持部材により挟持して架設対象の部材に対して浮かせた状態で締結することによって、ベースプレートと部材との間クリアランスを形成するとともに、そのクリアランスを主材の横断面輪郭の範囲全体にわたって確保し、それにより当該鉄骨梁が所定荷重を受けた際にベースプレートの面外曲げ変形を許容してそれを降伏せしめる構成としたから、この鉄骨梁自体が一種の鋼材ダンパーとして機能してベースプレートの塑性変形により地震エネルギーを吸収して建物の振動を抑制しかつ速やかに減衰させ得るものであり、しかも優れたエネルギー吸収性能を期待できるものであり、したがって他に制振ダンパーを設けずとも振動減衰効果を得ることができ、その結果、従来のように各種の制振ダンパーを別個に設ける場合に比較すると大幅なコスト削減を図ることができるとともに、設置スペースを必要とせず、保守も不要であり、きわめて有効である。
【0013】
また、ベースプレートの周縁部に当接する挟持部材の当接面を凸曲面に形成すれば、ベースプレートの曲げ変形を確実に許容せしめて制振ダンパーとしての機能を確実に発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態を示す側面図である。
【図2】 同、ベースプレートの部材に対する締結部の拡大図である。
【図3】 同、ベースプレートが曲げ変形した状態を示す図である。
【符号の説明】
1 部材
2 鉄骨梁
3 主材
4 ベースプレート
5 アンカーボルト
6 クリアランス
7 挟持部材
7a 凸曲面

Claims (2)

  1. 二部材間に鉄骨梁を架設する際に適用する構造であって、前記鉄骨梁を主材の両端にベースプレートを設けた構成として該ベースプレートの周縁部を前記主材の横断面輪郭よりも外側に突出せしめ、該ベースプレートの周縁部のみをその両面側から対の挟持部材により挟み込んだ状態で前記部材に対して締結することにより、該ベースプレートと前記部材との間にはベースプレートの曲げ変形を許容するためのクリアランスを形成するとともに該クリアランスを前記主材の横断面輪郭の範囲全体にわたって確保し、当該鉄骨梁が所定荷重を受けた際に前記ベースプレートの面外曲げ変形を許容して該ベースプレートを降伏せしめる構成としたことを特徴とする鉄骨梁の架設構造。
  2. 前記ベースプレートの周縁部に当接する前記挟持部材の当接面を凸曲面に形成してなることを特徴とする請求項1記載の鉄骨梁の架設構造。
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