JP3928010B2 - 種子のゲル被覆加工装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、種子をゲル化剤で被覆する装置、特に、微小種子を連続的に複数並列にゲル被覆加工する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から栄養物質や薬剤等を混ぜたゲル化剤を用いて、種子を被覆する技術は公知となっている。特開平8−149906号の技術である。該技術は一つのノズルに一粒ずつ種子を挿入して、ゲル被覆種子を製造するものであったために、一般の農家では十分ゲル被覆種子を供給できるのであるが、種苗会社や農協や大規模栽培農家等では供給が追いつかないのである。そこで、複数のノズルに同時に種子を挿入して、連続的にゲル被覆種子を加工する技術が公知となっている。例えば、特開平9−149710号の技術である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来技術のゲル被覆加工装置によって加工できる種子は水稲等の直径7mm〜12mm程度の種子を対象としており、それより小さい種子の加工はできなかったのである。つまり、極小さい種子であると、種子を供給するホッパー内で浮遊したり、種子を吸着して搬送する吸着ノズルに種子が入り込んで詰まりが生じたり、ゲル被覆するための加工ノズル内に種子が付着したり、ゲルの外側に種子が位置したりしていたのである。そこで、本発明は直径7mm以下の微小種子であっても確実にゲル被覆して、連続的に加工できる装置を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明が解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、吸着ヘッド(6)の先端ノズル(43)に、一粒の種子(S)を吸着し、ゲル化剤(G)を吐出する吐出ノズル(50)の吐出孔(50a)に、該種子(S)を供給して、該種子(S)を吐出ノズル(50)内のゲル化剤(G)にて被覆する構成において、前記各吐出ノズル(50)のゲル通路にそれぞれプランジャケース(67)を連通し、該プランジャケース(67)にプランジャ(70)を収納し、各プランジャ(70)を連結板(69)と連結し、該連結板(69)を一本のアクチュエーター(71)に連結し、該アクチュエーター(71)の作動で、前記複数の各吐出ノズル(50)からゲル化剤(G)を同時に押し出すように構成したものである。
【0005】
請求項2においては、請求項1記載の種子のゲル被覆加工装置において、前記吸着ヘッド(6)の先端ノズル(43)内に、アクチュエーター(49)と連結して進退自在に押し込みピン(44)を挿入配置し、該先端ノズル(43)の種子(S)を吐出ノズル(50)の吐出孔(50a)に供給すると同時に、該押し込みピン(44)を先端ノズル(43)の吸引口(43a)より突出させて、該吐出ノズル(50)の吐出孔(50a)内に種子(S)を押し込むものである。
【0006】
請求項3においては、請求項2記載の種子のゲル被覆加工装置において、前記先端ノズル(43)の吸引口(43a)と、該吐出ノズル(50)の吐出孔(50a)を対向して配置し、該押し込みピン(44)を吐出孔(50a)内に挿入し、該押し込みピン(44)の先端で、種子(S)を吐出孔(50a)内のゲル化剤(G)内部へ押し込むものである。
【0007】
請求項4においては、請求項2記載の種子のゲル被覆加工装置において、前記各吐出ノズル(50)を、軸心を中心に回転自在に平行に設けた回転ノズル(60)上にそれぞれ設け、該各回転ノズル(60)の一側にピニオン部(60c)をそれぞれ形成し、該ピニオン部(60c)をラック(56)に噛合させ、該ラック(56)をアクチュエーター(57)に連結し、該アクチュエーター(57)の作動で前記各吐出ノズル(50)を上下方向に向きを変更可能としたものである。
【0008】
請求項5においては、請求項1記載の種子のゲル被覆加工装置において、前記吸着ヘッド(6)の先端ノズル(43)が種子(S)を吸引するストッカー(5)を設け、該ストッカー(5)は、振動板(27)とバイブレータ(26)から構成し、該振動板(27)の一側に凹部(27a)を構成して種子(S)を溜め、振動板(27)の他側にバイブレータ(26)を連結して、バイブレータ(26)の振動により、振動板(27)上の種子(S)を浮遊させたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に本発明の一実施を説明する。図1は本発明のゲル被覆加工装置の正面図、図2は同じく平面図、図3は同じく側面図、図4はホッパーと繰出装置の後面断面図、図5はストッカーの後面断面図、図6は吸着ヘッドと搬送装置の側面図一部断面図、図7は同じく平面図、図8は同じく正面断面図、図9は吸着ヘッドの拡大側面断面図、図10は加工部の正面図一部断面図、図11は同じく平面図一部断面図、図12は同じく側面図、図13はゲル被覆種子の加工工程を示す断面図である。
【0010】
図1、図2、図3において、本発明のゲル被覆加工装置の全体構成から説明する。ゲル被覆加工装置は種子供給部A、加工部B、硬化部C、水洗部Dからなり、これらは架台1によって支持されている。該架台1の下部にキャスター輪2・2・・・を設けて移動容易としている。後述する種子供給部Aは、ホッパー3と繰出装置4とストッカー5と種子Sを吸着する吸着ヘッド6と該吸着ヘッド6を移動する搬送装置7からなり、後述する加工部Bは、架台1の中央上方に位置して、種子供給部Aより種子を受け取り、ゲル化剤によって種子Sを被覆して所定の大きさに形成して落下させるようにしている。
【0011】
前記硬化部Cは、架台1上で前記加工部Bの下方より右方に硬化槽9を横設し、該硬化槽9内には硬化剤を充填し、加工部Bと反対側の右端に落下口10を形成している。また、硬化槽9の上方に搬送ベルト11を配置し、該搬送ベルト11の外周上には一定間隔をおいてパドル12・12・・・が搬送ベルト11の搬送方向に対して直角方向に突設されている。該搬送ベルト11はモーターM1によって駆動される。
【0012】
こうして、前記加工部Bより落下した未硬化のゲル被覆種子は、硬化槽9内に落下して硬化剤と接触し、このゲル被覆種子は、搬送ベルト11の回転駆動によってパドル12によって硬化槽9内を搬送され、落下口10に至り水洗部Dに落下される。この硬化槽9内に落ちてから水洗部Dに至るまでの時間で硬化するようにしており、この硬化時間は前記モーターM1の回転数を制御することによって搬送速度が調節され、硬度を調節できるようにしている。
【0013】
水洗部Dは前記架台1内の、落下口10下方より中央部まで配設されており、該中央部に排出口13を形成して、該排出口13の下方に製品収納容器14を配置している。水洗部Dは、水洗槽15とスクリュー16からなり、該スクリュー16は水洗槽15内に左右方向に前記落下口10から排出口13までの間に収納して、図示しないモーターによって駆動される。前記落下口10と水洗槽15の始端側との間には、漏斗状のガイド体17が配置され、排出口13の前工程側には、水切り体18が配置されている。
【0014】
このような構成において、水洗槽15内には水洗用の水が充填され、所定の硬さに硬化したゲル被覆種子が落下口10よりガイド体17を介して水洗槽15の右端に落下して水に漬けられる。そして、スクリュー16の回動によって、ゲル被覆種子が排出口13まで搬送され、この搬送時にゲル被覆種子外周に付着した硬化剤が洗い落とされて、ゲル剤の硬化が停止される。そして、ゲル被覆種子が排出口13の水切り体18で余分な水を除去し、て製品収納容器14に落下して収容されるのである。
【0015】
次に、本発明の要部である種子供給部Aについて説明する。前記ホッパー3は複数、本実施例では3台並列に配置され、各ホッパー3の下部にはそれぞれ繰出装置4が配置されている。この繰出装置4の一つについて図4より説明する。繰出装置4は繰出ケース20内に繰出ロール21が収納され、該繰出ロール21の軸心位置に、駆動軸22が挿入されてキー等によって相対的に回転しないようにして、該駆動軸22の回動によって繰出ロール21が回動されるようにしている。該駆動軸22の一端には、図示しないモーターまたはロータリシリンダー等からなるアクチュエーターが配置されて回動駆動するようにし、制御回路によって制御されている。該繰出ロール21の外周の一部には凹部21aを形成して、複数の種子Sを嵌入できるようにしている。
【0016】
また、前記繰出ケース20の上部には、ホッパー3に連通する供給口20aを形成し、下部には落下口20bを形成して、ストッカー5の上方に位置させている。そして、前記供給口20aの下部には前記繰出ロール21の外周面に摺接するようにブラシ23が配置されている。このような構成において、駆動軸22を回動することによって三つの繰出ロール21が同時に駆動され、凹部21a内に嵌入した種子Sが下方に移動され、このとき繰出ロール21の外周よりはみ出た余分な種子Sは、ブラシ23によって除去されて、一定量の種子Sが下方へ移動されて落下口20bよりストッカー5に落下するようにし、繰出ロール21は一回転して停止される。
【0017】
前記ストッカー5は一定量の種子Sを溜めておき、吸着ヘッド6で一つずつの種子を容易に吸着できるようにするためのものであり、図5に示すように、フレーム25上にバイブレータ26と振動板27が配置され、該バイブレータ26はフレーム25の一側(図5における右側)に固定され、バイブレータ26の駆動軸26aが振動板27の一側に固定されている。該振動板27は正面視逆「へ」字状に構成して、図5における左側に種子Sを溜める凹部27aを形成し、一端を防振部材28を介してフレーム25に取り付け、他端(図5における左側)はボルト29に緩嵌合して、バネによって上方へ付勢し、振動板27が振動できるようにしている。なお、凹部27aの前後には、種子Sが落下しないように側板27bが形成されている。このようにして、前記繰出装置4より繰り出された種子Sは、振動板27上に落下して、凹部27a上に集まる。そして、バイブレータ26を駆動することによって振動板27が振動し、凹部27a上の種子Sは固まることなく浮遊し、適度にバラついて、後述する吸着ヘッド6のノズルに吸着するようにしている。
【0018】
前記吸着ヘッド6及び搬送装置7は、枠体1の左側上部に配置されており、搬送装置7は、図6、図7、図8に示すように、枠体1上部に前後の側板30・30が固定され、該側板30・30間に支持プレート31・31・31が横架されている。該右側の支持プレート31・31(図7においては左側)の中途部間にロッドレスシリンダー32のスライドレール32a・32aと支持レール33・33が横架され、後側の側板30上にレール34が固定されている。該レール34上にスライドプレート35の一端(後端)が摺動自在にガイドされて載置され、他側が前記ロッドレスシリンダー32上に固定されている。該ロッドレスシリンダー32は圧縮空気を供給して左右に駆動される。
【0019】
前記スライドプレート35に吸着ヘッド6が取り付けられており、スライドプレート35の前後略中央上部には昇降シリンダー36が垂直方向に設けられ、該昇降シリンダー36のピストンロッド36a下端に昇降フレーム37の上部が固定され、該昇降フレーム37は門型に構成され、該昇降フレーム37両側の側板37a・37aの外側にはスライダー39・39を設け、前記スライドプレート35の両側より垂設したガイド板40・40に前記スライダー39・39が昇降摺動するときにガイドされるようにしている。
【0020】
前記一側の側板37aの下部内面にはロータリアクチュエーター41が設けられ、一方、前記側板37aと側板37aの間には中間プレート37bがロータリアクチュエーター41側寄りに平行に設けられ、前記他側の側板37aと中間プレート37bの間の下部にノズル本体42が回転自在に支持され、該ノズル本体42の一端に前記ロータリアクチュエーター41の駆動軸41aに連結されている。該ノズル本体42はパイプ状に構成されて、下部に一定間隔をおいて先端ノズル43・43・・・が配置されている。本実施例では先端ノズル43を8個取り付けている。前記ノズル本体42を図示しない真空発生機と連通して、先端ノズル43より吸引して、吸引口43aに種子Sを吸着できるようにしている。
【0021】
前記各先端ノズル43の吸引口43aには押し込みピン44が進退自在に挿入されており、該押し込みピン44の進退駆動部Eがノズル本体42の中央上部に設けられて、種子S放出時に押し込みピン44を突出するようにしている。即ち、図9に示すように、パイプ状に構成したノズル本体42の空洞部を空気通路42aとして、その空気通路42a内に押圧プレート45が収納され、該押圧プレート45に前記押し込みピン44・44・・・が先端ノズル43・43・・・の位置に合わせて垂設されている。該押し込みピン44は大径部44aと小径部44bより構成され、該大径部44aの先端に小径部44bを突出し、該小径部44bの直径は後述する吐出ノズル50の吐出孔50aの直径に合わせており、該吐出ノズル50及び押し込みピン44は種子(微小種子)の大きさに合わせて交換できるようにしている。前記大径部44aの外周にはバネ46が外嵌されて、押圧プレート45を上方へ押し上げて、小径部44bが先端ノズル43内に収納されるように付勢している。また、大径部44aの下部が先端ノズル43内の空気通路43bによって進退時のガイドをしている。
【0022】
そして、前記押圧プレート45をノズル本体42の空気通路42a内に収納してパッキンを介してカバー47によって閉じて、該カバー47の前後中央にはシリンダーからなるアクチュエーター49を固定して、該アクチュエーター49のピストン49aはカバー47の中央に開口した挿入孔47aに挿入して、アクチュエーター49を伸長させることによって、ピストン49aが挿入孔47aより突出して押圧プレート45を押すようにしている。
【0023】
このように構成することで、ロッドレスシリンダー32を駆動して、スライドプレート35を左方(図7では右方)へ摺動させると、吸着ヘッド6がストッカー5上方に位置し、ここで昇降シリンダー36を伸長させると、先端ノズル43・43・・・が振動板27の凹部27aに位置し、このとき、バイブレータ26を駆動して種子Sを浮遊させ、真空発生機を作動し、ロータリアクチュエーター41を駆動して先端ノズル43を揺動させながら、吸引口43aより吸引すると、吸引口43aに種子Sが吸着される。この吸着したかどうかは制御回路に接続した圧力センサーにて検知され、全ての吸引口43aに種子Sが吸着されたかどうかを判断する。また、振動板27の凹部27a上に種子Sがなくなると、前記繰出装置4が駆動されて、ホッパー3より種子Sが補充される。
【0024】
前記全ての吸引口43aに種子Sが吸着されると、ロータリアクチュエーター41を停止し、昇降シリンダー36を縮小して先端ノズル43を持ち上げ、ロッドレスシリンダー32を駆動して右方へ摺動させ、再び昇降シリンダー36を伸長させて、先端ノズル43・43・・・を後述する加工部Bの吐出ノズル50上に位置させ、吸引を停止して種子Sを吐出ノズル50上に落下させ、アクチュエーター49を伸長して押圧プレート45を押し下げ、押し込みピン44を先端ノズル43の吸引口43aより突出させて、押し込みピン44で種子Sを吐出ノズル50内に押し込むのである。そして、アクチュエーター49を縮小するとバネ46の付勢力によって、押圧プレート45は持ち上げられ、押し込みピン44は吸引口43aに後退して先端ノズル43内に収納される。
【0025】
加工部Bは図10、図11、図12に示すように、前後方向に設けた取付プレート51が前記架台1に固定され、該取付プレート51の前後両側より後方にサイドプレート52・52が突設され、該サイドプレート52・52上にベースプレート53が横設されている。また、サイドプレート52・52の前部上にスライドプレート54が横設され、該スライドプレート54上にラックホルダー55が前後摺動自在に嵌合され、該ラックホルダー55上にラック56を固定している。該ラックホルダー55の一端(本実施例では後端)にシリンダーからなるアクチュエーター57のピストンロッド57aが固定されて連結され、該アクチュエーター57は取付プレート51とサイドプレート54に固定されている。
【0026】
一方、バルブケース59がベースプレート53の中央上に前後方向に固定され、該バルブケース59の左面に回転ノズル60・60・・・が前記先端ノズル43の位置に合わせて同数(本実施例では8個)、回転自在に嵌合して配置されている。該回転ノズル60・60・・・の前端には軸部60a・60a・・・を形成して、該軸部60a・60a・・・はベアリングを介してベアリングホルダー61に回転自在に支持されている。該ベアリングホルダー61の前後両端は支持シャフト62・62を介して前記バルブケース59に固定して、回転ノズル60・60・・・が抜けないように支持している。
【0027】
そして、前記回転ノズル60のそれぞれの左右中央部の外周には吐出ノズル50が固定され、該回転ノズル60の右側の軸心部からはゲル通路60bが穿設され、該ゲル通路60bと前記吐出ノズル50が連通されている。また、各回転ノズル60の左部の外周にはピニオン部60cが形成され、前記ラック56と常時噛合されて、前記アクチュエーター57を伸縮させることによってラック56が前後方向に摺動されて、回転ノズル60を回転させるようにしている。
【0028】
前記バルブケース59内には前記ゲル通路60b・60b・・・に連通する貫通孔59a・59a・・・をそれぞれ左右方向に開口し、該貫通孔59a・59a・・・にバルブ64・64・・・をそれぞれ挿入している。該バルブ64は貫通孔59aに形成した弁座59bに着座し、その左側を吐出ポート、右側をシリンダー室とし、該シリンダー室にはゲル供給ポート59cと連通し、該ゲル供給ポート59cにホース65を連結して、ゲル化剤を供給できるようにしている。
【0029】
前記バルブ64・64・・・のシャフト部64a上にはダイヤフラム66が固定されて、該ダイヤフラム66はプランジャケース67内に収納されている。そして、該シャフト部64aの端部が連結板69より突出したプランジャ70に連結され、該連結板69はシリンダーからなるアクチュエーター71のピストンロッド71aに連結固定されている。なお、前記アクチュエーターはエアシリンダーより構成しているが、限定するものではなく電動シリンダーやソレノイド等で構成することも可能である。
【0030】
このような構成において、加工部の一つの回転ノズルにおける種子Sをゲル化剤Gによって被覆する過程を図13にて説明する。ゲル通路60b及びバルブケース59の貫通孔59a内全体にはゲル化剤Gが充填されている。この状態からアクチュエーター57が伸長(または縮小)されて、ラック56が摺動されて、該ラック56と噛合した回転ノズル60のピニオン部60cが回転され、図13(a)のように、180度回転して吐出ノズル50が上方向きに位置される。
【0031】
そして、種子供給部Aの種子Sを吸着した先端ノズル43が吐出ノズル50上方に位置され、種子Sを吐出ノズル50の吐出孔50aのゲル化剤Gの膜上に落下させて、続いて図13(b)のように、押し込みピン44を突出して、種子Sをゲル化剤G内部へ押し込む。そして、押し込みピン44を抜いてから前記アクチュエーター57が縮小(または伸長)させて、ラック56を逆方向に摺動し、回転ノズル60を180度回転して吐出ノズル50を下方向きの元の位置に位置させる。
【0032】
そして、アクチュエーター71を伸長させると、図13(c)に示すように、ダイヤフラム66も同時に移動して、シリンダー室内のゲル化剤Gを押し、バルブ64は弁座59bから離れて開き、吐出ノズル50の吐出孔50aより種子Sと気泡を含んだゲル化剤Gaが押し出される。ゲル化剤Gの押し出しが終了すると、アクチュエーター71が縮小されると、バルブ64は閉じ、ダイヤフラム66がゲル化剤Gを吸引しがら引き戻され、図13(d)に示すように、押し出されたゲル化剤Gaは引き戻されるゲル化剤Gに抗して自重により、所定の大きさとなってゲル被覆種子として雫の如く硬化部Cへ落下し、前述の如く処理される。以上の動作を繰り返して連続的に加工が行われ、複数の回転ノズルで同時に平行して加工され、大量のゲル被覆種子を加工できるのである。
【0033】
【発明の効果】
本発明は、以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。
請求項1の如く、吸着ヘッド(6)の先端ノズル(43)に、一粒の種子(S)を吸着し、ゲル化剤(G)を吐出する吐出ノズル(50)の吐出孔(50a)に、該種子(S)を供給して、該種子(S)を吐出ノズル(50)内のゲル化剤(G)にて被覆する構成において、前記各吐出ノズル(50)のゲル通路にそれぞれプランジャケース(67)を連通し、該プランジャケース(67)にプランジャ(70)を収納し、各プランジャ(70)を連結板(69)と連結し、該連結板(69)を一本のアクチュエーター(71)に連結し、該アクチュエーター(71)の作動で、前記複数の各吐出ノズル(50)からゲル化剤(G)を同時に押し出すように構成したので、一つのアクチュエーターによって複数の吐出ノズルから同時にゲル化剤を押し出すことができるようになり、駆動機構が一つで安価に構成できる。
【0034】
請求項2の如く、前記吸着ヘッド(6)の先端ノズル(43)内に、アクチュエーター(49)と連結して進退自在に押し込みピン(44)を挿入配置し、該先端ノズル(43)の種子(S)を吐出ノズル(50)の吐出孔(50a)に供給すると同時に、該押し込みピン(44)を先端ノズル(43)の吸引口(43a)より突出させて、該吐出ノズル(50)の吐出孔(50a)内に種子(S)を押し込むので、種子を吸着する先端ノズルが押し込みピンの進退によって清掃されるようになり、詰まりが生じることなく、確実に吸着し、また、種子を放出するときに押し込みピンで種子を押すので、確実に種子を放出できる。
【0035】
請求項3の如く、前記先端ノズル(43)の吸引口(43a)と、該吐出ノズル(50)の吐出孔(50a)を対向して配置し、該押し込みピン(44)を吐出孔(50a)内に挿入し、該押し込みピン(44)の先端で、種子(S)を吐出孔(50a)内のゲル化剤(G)内部へ押し込むので、小さな種子であっても、その種子は強制的に、かつ、確実にゲル化剤の中に入り、ゲルの外側に種子が付着するような被覆失敗を防止でき、加工効率を向上できたのである。
【0036】
請求項4の如く、前記各吐出ノズル(50)を、軸心を中心に回転自在に平行に設けた回転ノズル(60)上にそれぞれ設け、該各回転ノズル(60)の一側にピニオン部(60c)をそれぞれ形成し、該ピニオン部(60c)をラック(56)に噛合させ、該ラック(56)をアクチュエーター(57)に連結し、該アクチュエーター(57)の作動で前記各吐出ノズル(50)を上下方向に向きを変更可能としたので、一つのアクチュエーターの作動によって各回転ノズルを同時に回転させることができ、駆動構成を簡単で安価に構成でき、また,アクチュエーターの作動で前記各吐出ノズルを上下方向に向きを変更可能としたので、吐出ノズルを上向きとしたときに種子を受けられ、種子を吐出ノズルに位置させる時に落下して被覆ミスを生じることがなく、種子を受けた後に吐出ノズルを下方向きとすることで、自重によってゲル化剤を落下させることができる。
【0037】
請求項5の如く、前記吸着ヘッド(6)の先端ノズル(43)が種子(S)を吸引するストッカー(5)を設け、該ストッカー(5)は、振動板(27)とバイブレータ(26)から構成し、該振動板(27)の一側に凹部(27a)を構成して種子(S)を溜め、振動板(27)の他側にバイブレータ(26)を連結して、バイブレータ(26)の振動により、振動板(27)上の種子(S)を浮遊させたので、種子がストッカー上でかたまったり偏ったり、種子が存在しない部分ができたりすることがなく、適当にバラツキ、吸着ヘッドに種子が確実に吸着できるようになったのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のゲル被覆加工装置の正面図である。
【図2】 同じく平面図である。
【図3】 同じく側面図である。
【図4】 ホッパーと繰出装置の後面断面図である。
【図5】 ストッカーの後面断面図である。
【図6】 吸着ヘッドと搬送装置の側面図一部断面図である。
【図7】 同じく平面図である。
【図8】 同じく正面断面図である。
【図9】 吸着ヘッドの拡大側面断面図である。
【図10】 加工部の正面図一部断面図である。
【図11】 同じく平面図一部断面図である。
【図12】 同じく側面図である。
【図13】 ゲル被覆種子の加工工程を示す断面図である。
【符号の説明】
A 種子供給部
3 ホッパー
5 ストッカー
S 種子
6 吸着ヘッド
7 搬送装置
27 振動板
26 バイブレータ
27a 凹部
43 先端ノズル
44 押し込みピン
49 アクチュエーター
50 吐出ノズル
60 回転ノズル
60c ピニオン部
56 ラック
57 アクチュエーター
67 プランジャケース
70 プランジャ
69 連結板
71 アクチュエーター

Claims (5)

  1. 吸着ヘッド(6)の先端ノズル(43)に、一粒の種子(S)を吸着し、ゲル化剤(G)を吐出する吐出ノズル(50)の吐出孔(50a)に、該種子(S)を供給して、該種子(S)を吐出ノズル(50)内のゲル化剤(G)にて被覆する構成において、前記各吐出ノズル(50)のゲル通路にそれぞれプランジャケース(67)を連通し、該プランジャケース(67)にプランジャ(70)を収納し、各プランジャ(70)を連結板(69)と連結し、該連結板(69)を一本のアクチュエーター(71)に連結し、該アクチュエーター(71)の作動で、前記複数の各吐出ノズル(50)からゲル化剤(G)を同時に押し出すように構成したことを特徴とする種子のゲル被覆加工装置。
  2. 請求項1記載の種子のゲル被覆加工装置において、前記吸着ヘッド(6)の先端ノズル(43)内に、アクチュエーター(49)と連結して進退自在に押し込みピン(44)を挿入配置し、該先端ノズル(43)の種子(S)を吐出ノズル(50)の吐出孔(50a)に供給すると同時に、該押し込みピン(44)を先端ノズル(43)の吸引口(43a)より突出させて、該吐出ノズル(50)の吐出孔(50a)内に種子(S)を押し込むことを特徴とする種子のゲル被覆加工装置。
  3. 請求項2記載の種子のゲル被覆加工装置において、前記先端ノズル(43)の吸引口(43a)と、該吐出ノズル(50)の吐出孔(50a)を対向して配置し、該押し込みピン(44)を吐出孔(50a)内に挿入し、該押し込みピン(44)の先端で、種子(S)を吐出孔(50a)内のゲル化剤(G)内部へ押し込むことを特徴とする種子のゲル被覆加工装置。
  4. 請求項2記載の種子のゲル被覆加工装置において、前記各吐出ノズル(50)を、軸心を中心に回転自在に平行に設けた回転ノズル(60)上にそれぞれ設け、該各回転ノズル(60)の一側にピニオン部(60c)をそれぞれ形成し、該ピニオン部(60c)をラック(56)に噛合させ、該ラック(56)をアクチュエーター(57)に連結し、該アクチュエーター(57)の作動で前記各吐出ノズル(50)を上下方向に向きを変更可能としたことを特徴とする種子のゲル被覆加工装置。
  5. 請求項1記載の種子のゲル被覆加工装置において、前記吸着ヘッド(6)の先端ノズル(43)が種子(S)を吸引するストッカー(5)を設け、該ストッカー(5)は、振動板(27)とバイブレータ(26)から構成し、該振動板(27)の一側に凹部(27a)を構成して種子(S)を溜め、振動板(27)の他側にバイブレータ(26)を連結して、バイブレータ(26)の振動により、振動板(27)上の種子(S)を浮遊させたことを特徴とする種子のゲル被覆加工装置。
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