JP3927432B2 - ヘッドランプクリーナ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体のヘッドランプを洗浄するために洗浄液を噴射するヘッドランプクリーナ装置に係り、特に、噴射口を有する伸縮ノズルが車体に対して伸縮する伸縮式のヘッドランプクリーナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
自動車のヘッドランプが汚れた場合に乗員(ドライバ)の手元のスイッチ操作によって任意にヘッドランプを洗浄するための装置として、ヘッドランプクリーナ装置がある。また、ヘッドランプクリーナ装置には、通常噴射口を車体内部に格納し、ヘッドランプの洗浄時にのみ噴射口を車体外部においてヘッドランプへ洗浄液を噴射する噴射位置へ突出させる構造のものがある。
【0003】
このような伸縮式のヘッドランプクリーナ装置について、図8に基づいて説明する。この図に示される如く、ヘッドランプクリーナ装置200は、固定シリンダ202を備えており、この固定シリンダ202が車体に固定されるようになっている。固定シリンダ202の一端部には、洗浄液の供給口204が設けられている。
【0004】
この固定シリンダ202内には、伸縮ノズル206が部分的に挿入されており、該伸縮ノズル206の固定シリンダ202内に位置する端部には、ピストン部208が設けられている。ピストン部208は固定シリンダ202の内周面と摺動可能とされており、該ピストン部208と固定シリンダ202との間はOリング209によって水密状態にシールされている。
【0005】
一方、伸縮ノズル206の固定シリンダ202外部に位置する端部には、噴射ノズル部210が設けられている。また、伸縮ノズル206には、ピストン部208の端面に開口し供給口204側の固定シリンダ202内部と噴射ノズル部210とを連通する洗浄液流路212が設けられている。
【0006】
そして、固定シリンダ202の他端部には、伸縮ノズル206が摺動可能に挿通された状態で該固定シリンダ202他端部の開口214を閉塞するノズルガイド216が固定されている。また、固定シリンダ202内には、一端部がノズルガイド216に当接すると共に他端部がピストン部208に当接する圧縮コイルスプリング218が圧縮状態で配設されている。
【0007】
このヘッドランプクリーナ装置200は、非作動時には圧縮コイルスプリング218の付勢力によって伸縮ノズル206が固定シリンダ202に対する短縮状態とされ、噴射ノズル部210が車体内部に格納される。一方、作動時には、供給口204から洗浄液が供給され、この洗浄液の液圧がピストン部208に作用することで伸縮ノズル206が圧縮コイルスプリング218の付勢力に抗して固定シリンダ202に対して伸長する。すると、伸縮ノズル206の先端に設けられた噴射ノズル部210は、車体外部に突出してヘッドランプに対し洗浄液を噴射する噴射位置に達する。
【0008】
この状態で洗浄液の液圧がさらに高まると、噴射ノズル部210に設けられたチェックバルブ220の弁222が、バルブスプリング224の付勢力に抗して洗浄液流路212端部に設けられた弁座226から離間する。すると、噴射ノズル部210の先端に設けられたノズルチップ228の噴射口230が洗浄液流路212と連通され、該噴射口230からヘッドランプへ向けて洗浄液が噴射される。
【0009】
しかしながら、上記のような従来のヘッドランプクリーナ装置200では、固定シリンダ202が車体に固定され、ピストン部208を有する伸縮ノズル206が固定シリンダ202に対し伸縮する構成であったため、上記作動時にはノズルガイド216が車体外側へ向けて露出され、伸縮ノズル206とノズルガイド216との摺動部Sを経由して雨水や泥水が固定シリンダ202内に侵入する恐れがあった。特に、伸縮ノズル206が車体上下方向に伸縮する構成では、この問題が顕著である。
【0010】
このような固定シリンダ202内への雨水や泥水の侵入は、固定シリンダ202とピストン部208との間のOリング209によるシール部の摩擦を増大させたり、固定シリンダ202とピストン部208との摺動部の摩耗を助長したりする場合があり、ヘッドランプクリーナ装置200の作動不良の原因となる。
【0011】
そこで、固定シリンダ202内への雨水等の侵入を防止するために、伸縮ノズル206とノズルガイド216または固定シリンダ202との間に、ゴム等の弾性材より成る蛇腹状のカバー体を設けた構成が知られている(一例として、特開平10−194092号公報)。しかしながら、この構成では、部品点数や組付工数が増加するためコスト高く、折り畳まれたカバー体の分だけヘッドランプクリーナ装置の体格(長さ)が大きくなってしまう問題があった。
【0012】
また、特開平5−139257号公報に示される如く、車体に固定される固定部材にピストン部を設けると共に該ピストン部を摺動可能に収容するシリンダに噴射ノズル部を設け、作動時に車体外側へ向けて露出される部分に摺動部を設けない構成も知られている。これにより、この公報に記載された構成では、シリンダへの雨水等の侵入が好適に防止されるようになっている。
【0013】
しかしながら、この構成では、シリンダの洗浄液が供給される側と反対側の端部(上記固定部材がシリンダ外部に突出する側の端部)においても、該シリンダの内外がシールリングによって強固にシールされているため、換言すれば、ピストン部とシールリングとの間の空間における空気の出入りが不能、または該空気の出入りに伴う流動抵抗(圧力損失)が極めて大きくなるため、上記固定部材に対するシリンダの伸縮がスムースに行われないという問題があった。
【0014】
本発明は、上記事実を考慮して、大型化することなくシリンダ部内への雨水等の侵入を防止でき、かつ該シリンダ部が固定ピストンに対しスムースに伸縮可能なヘッドランプクリーナ装置を得ることが目的である。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明に係るヘッドランプクリーナ装置は、車体のヘッドランプに対し洗浄液を噴射するための噴射口が、前記車体への固定部位に対して相対移動可能に設けられたヘッドランプクリーナ装置であって、一端部が開口されたシリンダ部の他端部に前記噴射口が前記車体に対し前記シリンダ部と一体的に相対移動するように設けられた伸縮ノズルと、軸線方向が前記シリンダ部の軸線方向に一致されると共に外径が前記シリンダ部の内径よりも小とされた本体部と、該本体部の軸線方向一端部に設けられ前記車体に固定される固定部と、前記シリンダ部の内径に対応する外径を有し前記本体部の軸線方向他端部に同軸的に設けられたピストン部とを有し、前記ピストン部が前記シリンダ部内に該シリンダ部の軸線方向に摺動可能に配置されると共に前記固定部が前記シリンダ部の外側に位置するように、前記シリンダ部に前記開口側から部分的に挿入された固定ピストンと、前記固定ピストンが摺動可能に挿通され、前記シリンダ部の一端部に固定されて前記開口を閉塞するエンドケースと、前記エンドケースに設けられ、前記シリンダ部の内外を連通して、前記シリンダ部内における前記ピストン部と前記エンドケースとの間に侵入した液体の排出及び前記伸縮ノズルの伸縮動作に伴う前記シリンダ部内の呼吸を可能とする連通孔と、前記シリンダ部内における前記固定ピストンの前記本体部の径方向外側でかつ該固定ピストンの前記ピストン部と前記エンドケースとの間に形成される空間に収容され、前記伸縮ノズルを前記固定部側に付勢する付勢手段と、を備え、前記シリンダ部内における前記噴射口と前記ピストン部との間に供給される洗浄液の液圧によって、前記伸縮ノズルを前記固定ピストンに対して伸長させると共に、該伸長状態で前記噴射口から前記洗浄液を噴射する、ことを特徴としている。
【0016】
請求項1記載のヘッドランプクリーナ装置では、伸縮ノズルは、非作動時には付勢手段の付勢力によって固定ピストンの車体に固定される固定部側に付勢され、固定ピストンに対し短縮状態とされる。一方、シリンダ部内における噴射口とピストン部との間に洗浄液が供給されると、伸縮ノズルは、該洗浄液の液圧によって付勢手段の付勢力に抗しつつ固定ピストンに対し伸長し、噴射口から洗浄液を噴射する。
【0017】
ここで、シリンダ部に噴射口を設けることで固定ピストンに対し伸縮する伸縮ノズルが構成され、該シリンダ部における固定ピストンが挿入される開口とは反対側の端部に噴射口が設けられているため、該噴射口(伸縮ノズルが伸長する)側にはシリンダ部と固定ピストンとの摺動部位がない。すなわち、伸縮ノズルの固定ピストンに対する伸長状態で、ヘッドランプへ向けて洗浄液を噴射するヘッドランプクリーナ装置において、車体外側を向く部分に上記摺動部位が存在しない。
【0018】
このため、摺動部を被覆する部材を設ける必要がなく、ヘッドランプクリーナ装置を全体として大型化することなく、シリンダ部への雨水等の侵入が防止される。
【0019】
また、シリンダ部の開口は、固定ピストンを挿通したエンドケースによって閉塞されているため、該開口からの雨水等の侵入も防止される。そして、このエンドケースにシリンダ部の内外を連通する連通孔が設けられているため、シリンダ部内におけるピストン部とエンドケースとの間の空気は、上記伸縮に伴って連通孔を通って出入りし(シリンダ部内の呼吸が果たされ)、伸縮ノズルの固定ピストンに対する伸縮を阻害することがない。さらに、万一シリンダ部内におけるピストン部とエンドケースとの間に雨水等の液体が侵入した場合にも、該液体を上記連通孔から排出することも可能である。
【0020】
このように、請求項1記載のヘッドランプクリーナ装置では、大型化することなくシリンダ部内への雨水等の侵入を防止でき、かつ該シリンダ部が固定ピストンに対しスムースに伸縮可能である。
【0021】
なお、上記連通孔からの液体の排出は、伸縮ノズルの短縮に伴うシリンダ部内の空気の排出(呼気)に伴って為されても良いが、車体への取付状態で上記連通孔が水平よりも下方を向く構成とすれば、上記液体は重力によって確実かつ速やかに排出される。また、連通孔を複数設けた構成では、少なくとも一部の連通孔を上記の如く水平よりも下方へ向けることが望ましい。この構成では、万一侵入した雨水等がリキッドシール状態となることなく確実に排出される。
【0022】
また、上記目的を達成するために請求項2記載の発明に係るヘッドランプクリーナ装置は、体のヘッドランプに対し洗浄液を噴射可能な噴射口が、前記車体に対して相対移動することで、前記車体の外部において前記ヘッドランプに対し前記洗浄液を噴射する噴射位置と、前記車体内部に格納される噴射待機位置とを取り得るヘッドランプクリーナ装置であって、一端部が開口されたシリンダ部の他端部に前記噴射口が前記車体に対し前記シリンダ部と一体的に相対移動するように設けられた伸縮ノズルと、軸線方向が前記シリンダ部の軸線方向に一致されると共に外径が前記シリンダ部の内径よりも小とされた本体部と、該本体部の軸線方向一端部に設けられ前記車体に固定された固定部と、前記シリンダ部の内径に対応する外径を有し前記本体部の軸線方向他端部に同軸的に設けられたピストン部とを有し、前記ピストン部が前記シリンダ部内に該シリンダ部の軸線方向に摺動可能に配置されると共に前記固定部が前記シリンダ部の外側に位置するように、前記シリンダ部に前記開口側から部分的に挿入された固定ピストンと、前記シリンダ部に前記開口側から部分的に挿入され、一端側が前記シリンダ部内に摺動可能に配置されたピストン部を有すると共に、他端側が前記シリンダ部の外側に位置して前記車体内部に固定された固定ピストンと、前記固定ピストンが摺動可能に挿通され、前記シリンダ部の一端部に固定されて前記開口を閉塞するエンドケースと、前記エンドケースに設けられ、前記シリンダ部の内外を連通して、前記シリンダ部内における前記ピストン部と前記エンドケースとの間に侵入した液体の排出及び前記伸縮ノズルの伸縮動作に伴う前記シリンダ部内の呼吸を可能とする連通孔と、前記シリンダ部内における前記固定ピストンの前記本体部の径方向外側でかつ該固定ピストンの前記ピストン部と前記エンドケースとの間に形成される空間に収容され、前記伸縮ノズルを前記固定部側に付勢する付勢手段と、を備え、通常は前記付勢手段の付勢力によって前記伸縮ノズルを前記固定ピストンに対し短縮させて前記噴射口を前記待機位置に位置させ、前記シリンダ部内における前記噴射口と前記ピストン部との間に供給される洗浄液の液圧によって、前記伸縮ノズルを前記固定ピストンに対して伸長させて前記噴射口を前記噴射位置に位置させる、ことを特徴としている。
【0023】
請求項2記載のヘッドランプクリーナ装置では、通常(洗浄液の液圧が作用しない非作動状態)伸縮ノズルは、付勢手段の付勢力によって固定ピストンに対し短縮され、噴射口が車体内部に格納された待機位置に位置する。一方、シリンダ部内における噴射口とピストン部との間に洗浄液が供給されると、伸縮ノズルは、該洗浄液の液圧によって付勢手段の付勢力に抗しつつ固定ピストンに対し伸長し、噴射口が車体外部の噴射位置に移動する。そして、該噴射位置において、噴射口からヘッドランプへ向けて洗浄液を噴射する。
【0024】
ここで、シリンダ部に噴射口を設けることで固定ピストンに対し伸縮する伸縮ノズルが構成され、該シリンダ部における固定ピストンが挿入される開口とは反対側の端部に噴射口が設けられているため、作動時に車体外部へ突出する該噴射口側、すなわち、車体外側に向けて露出される部分にはシリンダ部と固定ピストンとの摺動部位がない。
【0025】
このため、摺動部を被覆する部材を設ける必要がなく、ヘッドランプクリーナ装置を全体として大型化することなく、シリンダ部への雨水等の侵入が防止される。
【0026】
また、シリンダ部の開口は、固定ピストンを挿通したエンドケースによって閉塞されているため、該開口からの雨水等の侵入も防止される。そして、このエンドケースにシリンダ部の内外を連通する連通孔が設けられているため、シリンダ部内におけるピストン部とエンドケースとの間の空気は、上記伸縮に伴って連通孔を通って出入りし(シリンダ部内の呼吸が果たされ)、伸縮ノズルの固定ピストンに対する伸縮を阻害することがない。さらに、万一シリンダ部内におけるピストン部とエンドケースとの間に雨水等の液体が侵入した場合にも、該液体を上記連通孔から排出することも可能である。
【0027】
このように、請求項2記載のヘッドランプクリーナ装置では、大型化することなくシリンダ部内への雨水等の侵入を防止でき、かつ該シリンダ部が固定ピストンに対しスムースに伸縮可能である。
【0028】
なお、上記連通孔からの液体の排出は、伸縮ノズルの短縮に伴うシリンダ部内の空気の排出(呼気)に伴って為されても良いが、車体への取付状態で上記連通孔が水平よりも下方を向く構成とすれば、上記液体は重力によって確実かつ速やかに排出される。また、連通孔を複数設けた構成では、少なくとも一部の連通孔を上記の如く水平よりも下方へ向けることが望ましい。この構成では、万一侵入した雨水等がリキッドシール状態となることなく確実に排出される。
【0029】
請求項3記載の発明に係るヘッドランプクリーナ装置は、請求項2記載のヘッドランプクリーナ装置において、前記固定ピストンは、前記シリンダ部の前記開口が水平方向若しくは水平方向よりも下方を向くように、前記車体内部に固定された、ことを特徴としている。
【0030】
請求項3記載のヘッドランプクリーナ装置では、シリンダ部の開口が水平方向(重力方向と直交する方向)若しくは水平方向よりも下方を向いているため、伸縮ノズルの露出部分に飛水(付着)し重力によって下方へ移動する雨水等が該開口部(エンドケースとの間や連通孔)からシリンダ内に侵入することがない。
【0031】
なお、シリンダ部の開口の開口面は、該シリンダ部の軸線方向に対し傾斜して形成されても良いことは言うまでもない。
【0032】
請求項4記載の発明に係るヘッドランプクリーナ装置は、請求項1乃至請求項3の何れか1項記載のヘッドランプクリーナ装置において、前記エンドケースに設けられ、前記シリンダ部の外面よりも外方へ傘状に突出する傘部を備えた、ことを特徴としている。
【0033】
請求項4記載のヘッドランプクリーナ装置では、エンドケースに傘部を設けたため、シリンダ部の外周面に付着した雨水等の固定ピストンの露出部(固定ピストンのシリンダ部の外側に位置する部分)への滴下が防止される。
【0034】
なお、請求項1乃至請求項3記載のヘッドランプクリーナ装置では、シリンダ部の開口側の端部に傘部を設けることも可能であるが、エンドケースに傘部を設けることで構造が簡素化される。
【0035】
請求項5記載の発明に係るヘッドランプクリーナ装置は、請求項1乃至請求項4の何れか1項記載のヘッドランプクリーナ装置において、弁座と、該弁座を開閉可能な弁と、該弁を前記弁座の閉塞方向に付勢する弁付勢手段とを有し、前記シリンダ部と前記噴射口との間に設けられ、前記伸縮ノズルを伸長させる前記液圧よりも大きな前記洗浄液の液圧によって前記弁が前弁座を開放し前記洗浄液を前記噴射口から噴射させるチェックバルブを備えた、ことを特徴としている。
【0036】
請求項5記載のヘッドランプクリーナ装置では、非作動時には弁付勢手段の付勢力によって弁が弁座を閉塞し、噴射口への洗浄液の供給が阻止される。また、作動時に洗浄液の液圧によって伸縮ノズルが固定ピストンに対し伸長(停止)すると、弁に上記液圧よりも大きな液圧が作用して該弁が弁座を開放する。これにより、噴射口に洗浄液が供給され該噴射口から洗浄液が噴射される。
【0037】
このように、請求項5記載のヘッドランプクリーナ装置では、伸縮ノズルが固定ピストンに対し伸長する前における洗浄液の噴射が防止されると共に、非作動時に置ける噴射口からの洗浄液の漏洩が防止される。そして、この非作動時においても弁の直上流まで洗浄液が充填されているため、作動時には速やかに洗浄液が噴射される。
【0038】
請求項6記載の発明に係るヘッドランプクリーナ装置は、請求項1乃至請求項5の何れか1項記載のヘッドランプクリーナ装置において前記付勢手段を、一端部が前記ピストン部に当接すると共に他端部が前記エンドケースに当接する圧縮コイルスプリングとした、ことを特徴としている。
【0039】
請求項6記載のヘッドランプクリーナ装置では、上記付勢手段が、シリンダ部内に摺動可能に配置されるピストン部と該シリンダ部の開口を閉塞するエンドケースとの間に、単に該ピストン部及びエンドケースとの当接状態で配設された圧縮コイルスプリングであるため、シリンダ部にばね受け部分を設ける必要がなく構造が簡単で、かつ組付性も良好である。
【0040】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態に係るヘッドランプクリーナ装置10について図1乃至図5に基づいて説明する。図1には、ヘッドランプクリーナ装置10の全体構成が断面図にて示されている。
【0041】
この図に示される如く、ヘッドランプクリーナ装置10は、固定ピストン12を備えている。固定ピストン12は、略円管状に形成され内部が洗浄液流路14とされた本体部16と、本体部16の一端部に設けられジョイント部材120を介して車体のフロントバンパ110(何れも後述)に固定される固定部18と、本体部16の他端部に設けられ後述するシリンダ部30内に摺動可能に配置されるピストン部20とを有して構成されている。
【0042】
固定部18は、本体部16の外周部に突設されジョイント部材120の係合孔130に係合可能な複数の係合爪22と、係合爪22よりも先端側において本体部16の外周部に全周に亘り凹設された断面視略半円状のシール保持溝24とを有している。なお、洗浄液流路14の固定部18側端部に開口した部分が、洗浄液が供給される供給口14Aとされている。
【0043】
ピストン部20は、図2にも示される如く、内外径共に本体部16よりも大径の周壁部20Aと、周壁部20Aの本体部16側端部と該本体部16の外周部とを同軸的に連結する底部20Bとを有する有底円筒状に形成されており、その内部が洗浄液流路14と連通されている。また、ピストン部20の周壁部20Aの外周部には、全周に亘るシール保持溝26が凹設されている。
【0044】
以上説明した固定ピストン12には、伸縮ノズル28が伸縮可能に取り付けられている。伸縮ノズル28は、シリンダ部30と、シリンダ部30の一端部に設けられた噴射ノズル部32とを備えて構成されている。
【0045】
シリンダ部30は、その内径がピストン部20の外径に対応した円筒状に形成されており、その他端側(噴射ノズル部32と反対側)の開口30Aから固定ピストン12のピストン部20側の一部が挿入されている。この状態でシリンダ部30の内周面とピストン部20の外周面とが軸方向への摺動可能に接している。また、この摺動部位は、ピストン部20のシール保持溝26に配設されたシール部材としてのOリング34によって水密にシールされている。
【0046】
一方、図3にも示される如く、噴射ノズル部32は、シリンダ部30の一端部に固定されるノズルベース36を備えている。ノズルベース36は、外径がシリンダ部30の内径に対応した円筒状の嵌入部38と、嵌入部38の一端部に同軸的に設けられ外径がシリンダ部30の外径に対応した環状の係合部40とを備えており、嵌入部38と係合部40との間には、段部42が形成されている。
【0047】
この係合部40の端面には部分的に凹んだ複数の係止凹部40Aが設けられており、嵌入部38がシリンダ部30内に嵌入されると共に段部42がシリンダ部30の一端側開口端面に係合した状態で、該一端側開口端に延設された係止片30Bがかしめられて各係止凹部40Aに係止されることで、ノズルベース36がシリンダ部30の一端部に脱落不能に固定されている。
【0048】
また、嵌入部38の外周部には、全周に亘るシール保持溝44が設けられており、該シール保持溝44に保持されたシール部材としてのOリング46によって水密状態で、上記の通りノズルベース36がシリンダ部30に固定されている。
【0049】
さらに、ノズルベース36は、嵌入部38の他端側に同軸的に突設されたバルブシート部48を備えている。バルブシート部48は、その外径がピストン部20の周壁部20Aの内径よりも小径の有底円筒状に形成されており、その底部48Aは先端側に向けて連続的に縮径されるテーパ状に形成されている。
【0050】
このノズルベース36の内部は、軸方向略中央部に形成された段部50を境界にして係合部40側の部分がノズル嵌合部52とされ、ノズル嵌合部52よりも小径のバルブシート部48側の部分がシール室54とされている。ノズル嵌合部52は、段部50の近傍における一部がテーパ状に縮径され、該縮径端から略ストレートに係合部40側の開口端に至っている。一方、シール室54は、円柱状空間の先端側が底部48Aに対応してテーパ状に形成され、底部48Aの軸心部に設けられた流入口56によってシリンダ部30の内部と連通されている。この流入口56のバルブシート部48(底部48A)内側の縁部が、本発明における「弁座」に相当する。
【0051】
以上説明したノズルベース36には、シール室54にバルブシートシール58を配置した状態で、ノズルボディ60が固定されている。バルブシートシール58は、ゴム等の弾性材料より成り、シール室54の形状に略対応して形成されており、その中央部に流入口56に対応した貫通孔62を有している。また、バルブシートシール58のノズルボディ60側の端部には、段部50に係合可能なフランジ部58Aが設けられている。
【0052】
ノズルボディ60は、略有底筒状に形成されており、その開口端近傍で内外ともノズル嵌合部52に対応して若干テーパ状に拡径した圧入部64が、該ノズル嵌合部52に圧入されてノズルベース36に固定されている。この状態で、テーパ状の圧入部64の端面がバルブシートシール58のフランジ部58Aを押えており、バルブシートシール58はシール室54に密着されている。
【0053】
これにより、バルブシートシール58は、バルブシート部48の流入口56縁部と後述するバルブ80の弁部82との間をシールすると共に、ノズルボディ60とノズルベース36との間をもシールする構成である。
【0054】
ノズルボディ60(圧入部64)の内部には、流入口56及び貫通孔62を介してシリンダ部30の内部と連通されたバルブ室66が形成されている。バルブ室66は、上記固定状態で、シリンダ部30、流入口56、及び貫通孔62と略同軸的に配置されるようになっている。また、バルブ室66のバルブシートシール58と反対側の端部には、洗浄液流路68が連設されている。
【0055】
洗浄液流路68は、バルブ室66よりも小径とされると共に偏心して配置され、その中間部が略直角に屈曲されている。この洗浄液流路68の屈曲された端部は、ノズルボディ60の側部に略半球状に凹設されたチップ保持部70に連通している。チップ保持部70には、これに対応した略球状のノズルチップ72が圧入や嵌合等によって固定保持されている。
【0056】
ノズルチップ72は、その内部を略直径方向に貫通する噴射流路72Aを有しており、噴射流路72Aの球面よりも突出した一端部に洗浄液(後述)を所定の範囲(角度)内で拡散噴射可能な噴射口74が設けられている。また、ノズルチップ72は、噴射流路72Aの他端部側において該噴射流路と略直交する平面に沿って切り欠かれると共に洗浄液流路68よりも大径の平坦面72Bを有している。このノズルチップ72は、噴射口74がノズルボディ60の外側に位置し、平坦面72Bがチップ保持部70内に位置するように該チップ保持部70に固定される構成である。
【0057】
これにより、ノズルチップ72は、噴射口74がチップ保持部70を介して洗浄液流路68と連通されるようになっており、その外周部における球面部が洗浄液流路68を閉塞しない範囲内でチップ保持部70への取付角度が調整(上記固定前に)可能とされている。そして、本実施の形態では、ノズルチップ72は、平坦面72Bが洗浄液流路68と略直交するように(噴射流路72Aが洗浄液流路68に沿うように)チップ保持部70に固定されている。
【0058】
一方、ノズルボディ60のバルブ室66には、円柱状のバルブガイド76が洗浄液流路68との間の段部78からバルブシートシール58側に同軸的に立設されている。また、バルブ室66には、弁としてのバルブ80が配設されている。バルブ80は、略円錐状に形成されバルブシートシール58の貫通孔62の縁部に当接して該貫通孔62(流入口56)を閉塞可能な弁部82と、弁部82の大径側端部に同軸的に設けられた円筒状のガイド部84とで構成されている。ガイド部84の内径はバルブガイド76の外径に対応している。
【0059】
バルブ80は、そのガイド部84にバルブガイド76が摺動可能に挿入されることで、その軸線方向に移動してバルブシートシール58の貫通孔62に対し接離可能な構成である。さらに、バルブ室66には、弁付勢手段としての圧縮コイルばねであるバルブスプリング86が配設されている。バルブスプリング86は、バルブガイド76を挿通した圧縮状態で、一端部が段部78に当接すると共に他端部がバルブ80のガイド部84の端面に当接している。
【0060】
これにより、バルブ80は、バルブスプリング86の付勢力によってバルブシートシール58側に付勢されており、通常は弁部82が貫通孔62の縁部に当接する構成である。そして、バルブ80は、シリンダ部30側から弁部82に作用する圧力が所定値以上に(伸縮ノズル28を固定ピストン12に対し伸長させる液圧よりも大きく)なると、バルブスプリング86の付勢力に抗して貫通孔62の縁部から離間し、シリンダ部30(流入口56)と噴射口74とを連通するようになっている。
【0061】
すなわち、以上説明したバルブシート部48、シール室54、流入口56(以上、ノズルベース36)、バルブ室66、バルブガイド76(以上、ノズルボディ60)、バルブシートシール58、バルブ80、バルブスプリング86が、シリンダ部30と噴射口74との間に設けられたチェックバルブ88を構成している。
【0062】
また、噴射ノズル部32の先端には、後述するトップカバー162取付用の取付凹部90が設けられており、取付凹部90の最奥部の近傍には、後述する支持ピン166の脱落防止用の係合凸部90Aが設けられている。
【0063】
図1及び図2に戻り、以上説明した伸縮ノズル28のシリンダ部30の開口30A側端部には、エンドケース92が設けられている。エンドケース92は、シリンダ部30の外径と略同径の略円板状に形成され、その中央部には固定ピストン12の本体部16が摺動可能に挿通されるガイド孔94が設けられている。また、エンドケース92の一端面におけるシリンダ部30の内面に対応する位置には、該内面に対向して係合爪96がそれぞれ設けられた複数のフック部98が軸方向に立設されている。
【0064】
このエンドケース92は、そのガイド孔94に固定ピストン12の本体部16を挿通させると共に、その一端面をシリンダ部30の開口30A側端面に突き当てた状態で、フック部98の係合爪がシリンダ部30の開口30A近傍に設けられた係合孔30Cに入り込むことで、該シリンダ部30に脱落不能に固定されている。なお、フック部98は、その先端がピストン部20の底部20Bに当接することで固定ピストン12に対する伸縮ノズル28の伸長量を規制するストッパとしても機能するようになっており、要求される上記伸長量に応じてその長さが決められる。
【0065】
また、エンドケース92の外周部には、その径方向外側に突出する傘部100が設けられている。傘部100は、シリンダ部30との突き当て端から延設され、図4に示される如く車体への組付状態で上側になる部分がシリンダ部30の軸線方向に略直角な堰き止め部100Aとされると共に、下側となる部分が上記組付け状態で傾斜して下方へ延びるスカート部100Bとされている。
【0066】
さらに、エンドケース92には、シリンダ部30への固定状態で該シリンダ部30の内外を連通する連通孔102を有する連通管104を備えている。連通孔102は、上記組付状態でシリンダ部30内の最下部となる位置が基端とされると共に、スカート部100Bの内側に設けられ上記組付状態で略鉛直方向に沿う連通管104の先端で鉛直方向下向きに開口する位置が終端とされている。
【0067】
この連通孔102(連通管104)は、上記の如く配置されることで、固定ピストン12に対する伸縮ノズル28の伸縮の際に、シリンダ部30内におけるピストン部20とエンドケース92との間の空気の出入りを許容する機能の他、万一シリンダ部30内の開口30A側に雨水等が浸入した際に、該雨水等を排出する機能を有する構成である。
【0068】
また、ヘッドランプクリーナ装置10は、圧縮コイルスプリング106を備えている。圧縮コイルスプリング106は、シリンダ部30内におけるピストン部20(底部20B)とエンドケース92との間の空間であるスプリング室107内に収容されている。具体的には、圧縮コイルスプリング106は、スプリング室107内において圧縮状態で、一端部がピストン部20の底部20Bに当接すると共に他端部がエンドケース92の端面に当接している。これにより、伸縮ノズル28は、圧縮コイルスプリング106の付勢力によって、固定ピストン12に対し短縮する方向に付勢されている。
【0069】
そして、伸縮ノズル28は、図4に示される如く、ピストン部20の周壁部20A先端がノズルベース36の嵌入部38端面に当接することで、固定ピストン12に対する短縮状態方向の移動が規制されるようになっている。すなわち、ノズルベース36は、フック部98とは反対の短縮側のストッパとして機能する構成である。なお、この短縮状態では、ノズルベース36のバルブシート部48がピストン部20(周壁部20A)の内側に入り込むようになっている。
【0070】
また、伸縮ノズル28は、固定ピストン12の供給口14Aから洗浄液流路14を通して、シリンダ部30内におけるピストン部20(底部20B)と噴射ノズル部32との間の伸縮液室108内に洗浄液が供給されると、該洗浄液の液圧によって圧縮コイルスプリング106の付勢力に抗しつつシリンダ部30の内周面がピストン部20の周壁部20A外周面(Oリング34)と摺動し、固定ピストン12に対し伸長する(スプリング室107を縮小しつつ伸縮液室108が拡大する)ようになっている。
【0071】
さらに、伸縮ノズル28は、上記の通りエンドケース92のフック部98にピストン部20の底部20Bが当接することにより固定ピストン12に対する伸長が阻止されて伸縮液室108内の液圧がさらに上昇すると、該液圧によってチェックバルブ88のバルブ80の弁部82がバルブシートシール58の貫通孔62縁部から離間し、噴射口74から洗浄液を噴射する構成である。
【0072】
以上説明したヘッドランプクリーナ装置10は、図4に示される如く車体に取り付けられる。なお、図4等に矢印Aで示す方向を車体に対する前方向として説明する。
【0073】
車体のヘッドランプ(何れも図示省略)下方には、フロントバンパ110が配置されている。フロントバンパ110は中空に形成されており、その前方へ若干傾斜した底板部110Aにはジョイント取付孔112を有するボス部114が下方(外方)へ向けて突設されている。一方、フロントバンパ110の天板部110Bには、ホルダ取付孔116を有するボス部118が下方(内方)へ向けて延設されている。ホルダ取付孔116は、ジョイント取付孔112に対して若干前方へオフセットして設けられている。
【0074】
ジョイント取付孔112には、ジョイント部材120が取り付けられている。ジョイント部材120は、略円筒状に形成されたピストン保持部122を備えている。ピストン保持部122は、その内径が固定ピストン12の本体部16(固定部18)の外径に対応すると共に、その外径がジョイント取付孔112の内径に対応している。
【0075】
このピストン保持部122の軸方向中間部には、フランジ部124が径方向外側へ向けて延設されている。また、ピストン保持部122の一端部には、先端にフランジ部124との対向面が形成された係合爪126を有する複数のフック部128が該ピストン保持部122の外周面に沿って軸方向に延設されている。そして、ジョイント部材120は、ピストン保持部122がジョイント取付孔112に挿入された状態で、フランジ部124が底板部110Aの内面に係合すると共に、係合爪126がボス部114の端面に係合することで、フロントバンパ110に固定されている。
【0076】
また、ピストン保持部122の他端部には、固定ピストン12の複数の係合爪22にそれぞれ対応する位置に、該係合爪22と係合可能な複数の係合孔130を有する係合片132が軸線方向に沿って延設されている。また、ピストン保持部122の内周部には、固定ピストン12のシール保持溝24に対応した断面視半円状のシール保持溝134が凹設されると共に、固定部18の端面が係合可能な段部135が設けられている。
【0077】
このピストン保持部122には、その内部に固定ピストン12の固定部18の一部が挿入されてその端面が段部135に係合すると共に、シール保持溝24とシール保持溝134との間にシールリング136を配置した状態で、固定部18のピストン部20との対向面を有する係合爪22が、係合片132の係合孔130に係合することで、固定ピストン12が脱落不能に固定されている。
【0078】
そして、底板部110Aが前方へ若干傾斜していることにより、固定ピストン12も鉛直方向(車体が水平面に位置している場合)に対し若干前方へ傾斜して配置されており、伸縮ノズル28は該固定ピストン12の傾斜方向(長手方向)に沿って伸縮する構成である。
【0079】
さらに、ジョイント部材120は、ホースジョイント部138を備えている。ホースジョイント部138は、ピストン保持部122の一端側におけるフック部128の内側に、該ピストン保持部122と同軸的かつ連通して設けられている。このホースジョイント部138には、ゴムホース140が接続されており、該ゴムホース140はホースジョイント部138とクランプ142との間で挟持されている。
【0080】
このゴムホース140は、図示しないポンプ装置と連通されており、該ポンプ装置の作動によって圧送される洗浄液を固定ピストン12の洗浄液流路(すなわち、シリンダ部30内である伸縮液室108)に配送するようになっている。
【0081】
一方、ホルダ取付孔116には、略カップ状に形成されたホルダ144が取り付けられている。ホルダ144は、平面視でホルダ取付孔116の平面視形状に対応した周壁部144Aと底部144Bとを有して構成されている。周壁部144Aの開口端には、係合部146が外方へ向けて延設されている。
【0082】
また、周壁部144Aの開口端近傍には、係合部146と対向する対向面を有する係合爪148が低く突設されている。そして、ホルダ144は、ホルダ取付孔116(ボス部118)に挿通されて係合部146が天板部110Bの外面に係合した状態で、係合爪148がボス部118に設けられた係合孔150に入り込むことで、天板部110Bに脱落不能に取り付けられている。
【0083】
また、ホルダ144の底部144Bには、凹部152が設けられており、該凹部152にはシリンダガイド154が設けられている。シリンダガイド154は、凹部152を貫通する両端開口の筒状に形成され、上記固定ピストン12の傾斜方向に沿って凹部152の上下(ホルダ144の内外)両側に突出している。
【0084】
このシリンダガイド154は、その内径がシリンダ部30の外径よりも若干大径とされており、伸縮ノズル28の固定ピストン12に対する短縮状態におけるシリンダ部30の噴射ノズル部32側端部に対応する位置に配置されている。そして、シリンダガイド154は、伸縮ノズル28のシリンダ部30が挿通配置されることで、伸縮ノズル28を上記伸縮方向に案内する(伸縮ノズル28の固定ピストン12に対する伸縮方向以外の方向への移動を規制する)ようになっている。
【0085】
また、凹部152には、その内外を連通する配水管ジョイント部156が鉛直方向下向き突設されており、この配水管ジョイント部156には、配水管158が嵌合等によって接続されている。配水管158の自由端に開口する排水口160は、ジョイント部材120に対し十分前方へ離間して配置されている。この排水口から排出される雨水等は、フロントバンパ110の図示しない最底部に設けられた排水孔から車体外部へ排出されるようになっている。
【0086】
さらに、伸縮ノズル28の取付凹部90には、トップカバー162が取り付けられている。トップカバー162は、面板部162Aの外周に沿って低い周壁162Bが下方へ立設された逆盆状に形成されており、ホルダ144の係合部146の外側から該ホルダ144の上方開口部(ホルダ取付孔116)を閉塞可能とされている。
【0087】
また、トップカバー162の面板部中央部には、左右一対の支持脚部164が下方へ向けて突設されている。一対の支持脚部164間には支持ピン166が架け渡されており、この支持ピン166がヘッドランプクリーナ装置10の噴射ノズル部32の先端に設けられた取付凹部90の最奥部に挿入されている。この状態で支持ピン166は、取付凹部90の内面側に突出した係合凸部90Aに係合し(引掛り)、該取付凹部90に保持されている。これにより、トップカバー162は、支持ピン166廻りの揺動可能に伸縮ノズル28に支持されている。
【0088】
また、支持ピン166の上方には、前後一対の規制ピン168A、168Bが一対の支持脚部164間に架け渡されており、トップカバー162の支持ピン166廻りの揺動を規制する構成である。この支持ピン166廻りには、一端部が支持脚部164に係止されると共に他端部が噴射ノズル部32に係止された図示しないトーションばねが配設されている。このトーションばねの付勢力によって、トップカバー162は、図4及び図5に示す矢印B方向(噴射ノズル部32の頂部が前側の規制ピン168Aに当接する方向)に付勢されている。
【0089】
そして、このトップカバー162は、上記伸縮ノズル28の固定ピストン12に対する短縮状態では、上記トーションばねの付勢力に抗して周壁162Bがホルダ144の開口端(係合部146)の外側における天板部110Bに当接して、該ホルダ144の開口端を閉塞する構成である。これにより、ホルダ144への雨水等の侵入が防止されると共に、車両(車体)走行時の空気流の乱れ(渦の発生等)が抑制される。
【0090】
一方、トップカバー162は、図5に示される伸縮ノズル28の固定ピストン12に対する伸長状態では、上記トーションばねの付勢力によって、噴射口74側(ヘッドランプ側)の端部が高くなるように傾斜するようになっている。そして、伸縮ノズル28が短縮しホルダ144の開口端を再度閉塞する際には、矢印A側の周壁162Bから天板部110Bに当接し、その後上記トーションばねの付勢力に抗して矢印Bと反対方向に揺動しつつ噴射口74側の周壁162Bが天板部110Bに当接するようになっている。これにより、トップカバー162は、噴射口74側の周壁162Bが係合部146に干渉することなく、ホルダ144の開口端を開閉できる構成である。
【0091】
次に、本実施の形態の作用について説明する。
【0092】
上記構成のヘッドランプクリーナ装置10では、通常(ポンプ装置の非作動状態において)は、図4に示される如く、圧縮コイルスプリング106の付勢力によって伸縮ノズル28が固定ピストン12に対する短縮状態とされている。具体的には、伸縮ノズル28のノズルベース36がピストン部20の周壁部20A開口側端部に当接し、伸縮液室108が最小の状態となっている。
【0093】
この状態では、バルブスプリング86の付勢力によってバルブ80の弁部82がバルブシートシール58の貫通孔62内周縁に当接され、ノズルボディ60内(噴射口74に連通されたバルブ室66)への洗浄液の供給が阻止されている。なお、この状態において、洗浄液はゴムホース140、ジョイント部材120(ピストン保持部122、ホースジョイント部138)、固定ピストン12の洗浄液流路14、上記最小状態の伸縮液室108、流入口56、バルブシートシール58の貫通孔62(すなわち、チェックバルブ88の弁部82直上流)に充填されている。
【0094】
一方、車体側では、ヘッドランプクリーナ装置10の伸縮ノズル28に取り付けられたトップカバー162が、その周壁162Bを天板部110Bのホルダ144廻りの面に当接させて該ホルダ144を閉塞している。これにより、雨天時においてもホルダ144内への雨水等の浸入が防止されている。また、仮にホルダ144に雨水等が侵入しても、該雨水等は凹部152に溜まり排水口160を介してフロントバンパ110(車体)外部に排出される。
【0095】
すなわち、伸縮ノズル28(噴射口74)は、トップカバー162によって閉塞されたホルダ144内(車体内部であるフロントバンパ110内)における噴射待機位置に位置している。
【0096】
例えば、乗員のスイッチ操作によってゴムホース140と連通されたポンプ装置が作動されると、上記充填された洗浄液の液圧を上昇させつつ洗浄液が伸縮液室108に供給され(流入し)、伸縮ノズル28が、該洗浄液の液圧によって圧縮コイルスプリング106の付勢力に抗して、そのシリンダ部30をピストン部20と摺動させつつ固定ピストン12に対し伸長する(スプリング室107が縮小されると共に伸縮液室108が拡大される)。このとき、伸縮ノズル28は、シリンダガイド154に案内されてガタつくことなくスムースに伸長する。
【0097】
この伸長に伴って伸縮ノズル28は、トップカバー162をフロントバンパ110の天板部110Bから離間させつつ、その噴射ノズル部32(噴射口74)をフロントバンパ110の上方(車体の外部)に突出する。そして、エンドケース92のフック部98先端がピストン部20の底部20Bに当接すると、それ以上の伸長が阻止される。これにより、噴射口74がヘッドランプへ向けて洗浄液を噴射する噴射位置に達する。
【0098】
この状態で、ポンプ装置が作動を続け洗浄液の液圧がさらに上昇すると、バルブ80の弁部82に作用する圧力が上記所定値以上となり、図5に示される如く、バルブ80の弁部82がバルブスプリング86の付勢力に抗してバルブシートシール58から離間し、該バルブシートシール58の貫通孔62の閉塞状態が解除される。
【0099】
貫通孔62の閉塞状態が解除されると、洗浄液は、流入口56、貫通孔62、バルブ室66、洗浄液流路68を通ってノズルチップ72の噴射口74へ供給され、上記噴射位置に位置する該噴射口74からヘッドランプへ向けて噴射される。これにより、ヘッドランプの表面(ガラス面)に付着した汚れが除去される(またはワイパ装置等によって除去しやすくなる)。
【0100】
また、ポンプ装置の作動が停止すると、上記洗浄液の液圧が作用しなくなり、伸縮ノズル28は、圧縮コイルスプリング106の付勢力によって、そのシリンダ部30をピストン部20と摺動させつつ固定ピストン12に対し短縮する(スプリング室107が拡大すると共に伸縮液室108が縮小する)。このとき、伸縮ノズル28は、シリンダガイド154に案内されてガタつくことなくスムースに短縮する。
【0101】
そして、伸縮ノズル28(噴射口74)は、トップカバー162によってホルダ144を閉塞させつつ、フロントバンパ110内(車体内部)に再度格納され、上記噴射待機位置に復帰する。なお、洗浄液は、伸縮液室108の縮小分だけゴムホース140、ポンプ装置等を介してタンクに戻され、上記の通り、バルブ80の弁部82の直上流まで残留する(充填されている)。
【0102】
ここで、ヘッドランプクリーナ装置10では、シリンダ部30の一方の端部に噴射ノズル部32を設けた伸縮ノズル28が、シリンダ部30と摺動するピストン部20を有する固定ピストン12に対し伸縮する構成としたため、相対移動する伸縮ノズル28と固定ピストン12との摺動部位がフロントバンパ110(車体)外側へ向けて露出されない。
【0103】
すなわち、ヘッドランプクリーナ装置10においてフロントバンパ110の外側へ向けて露出される噴射ノズル部32側の部分はOリング46及びバルブシートシール58によって確実にシールされた固定部分であるため、このようなシール部分からシリンダ部30内に雨水等が侵入することはない。また、シリンダ部30内における噴射ノズル部32側の部分は、伸縮液室108であり、該伸縮液室108には上記の通り洗浄液が水密状態で常時充填されているため、雨水等の侵入が確実に防止される。
【0104】
以上により、例えば雨天時等にヘッドランプクリーナ装置10を作動させてホルダ144の開口端(フロントバンパ110のホルダ取付孔116)が開放されても、シリンダ部30の伸縮液室108に雨水や泥水等が侵入することはない。
【0105】
また、シリンダ部30におけるフロントバンパ110の外側には露出されず雨水等が侵入し難い開口30Aは、エンドケース92によって閉塞されているため、該開口部30Aからの雨水等の侵入も確実に防止される。特に、ヘッドランプクリーナ装置10は、開口30Aが水平方向よりも下方を向くように配置されているため、シリンダ部30の外周面がスカートとして機能し、重力によって該外周面を伝って下方へ移動する雨水等の開口30Aからの侵入が一層確実に阻止される。
【0106】
そして、エンドケース92に内外を連通し空気の出入りが可能な連通孔102を設けたため、シリンダ部30内におけるピストン部20とエンドケース92との間の空気は、上記伸縮ノズル28の固定ピストン12に対する伸縮に伴って連通孔102を通って出入りし、換言すれば、連通孔102を通してスプリング室107の拡縮に伴う呼吸が為され、伸縮ノズル28の固定ピストン12に対する伸縮を阻害することがない。
【0107】
また、エンドケース92の連通孔102が、ヘッドランプクリーナ装置10のフロントバンパ110への組付状態でシリンダ部30内の最下部となる位置から下方へ向けて開口しているため、万一シリンダ部30の開口30A側の部分に雨水等が侵入しても、該雨水等は連通孔102から速やかに排出される。すなわち、上記ヘッドランプクリーナ装置10の作動時にシリンダ部30の外周面に付着した雨水が、該外周面を伝ってシリンダガイド154との隙間を通過し、係合孔30C等からシリンダ部30内に侵入しても速やかに排出される。
【0108】
このように、ヘッドランプクリーナ装置10では、シリンダ部30内への雨水等の侵入が防止されると共に、万一侵入した雨水等も確実に排出されるため、シリンダ部30内に雨水等が滞留することがなく、雨水等の侵入経路を被覆するカバー部材等の設置が不要である。すなわち、シリンダ部30内での雨水等の滞留を防止する機能を維持しつつ、ヘッドランプクリーナ装置10を構成する部品点数や組付工数が増加することもなく、ヘッドランプクリーナ装置10が大型化することもない。
【0109】
そして、シリンダ部30内に雨水等が滞留しないため、該シリンダ部30とピストン部20との摩擦や摩耗が増大することがなく、さらに上記の通り連通孔102が開口30A側におけるシリンダ部30内の空気の出入りを許容するため、伸縮ノズル28が固定ピストン12に対しスムースに伸縮する。
【0110】
このように、本実施の形態に係るヘッドランプクリーナ装置10では、大型化することなくシリンダ部30内への雨水等の侵入を防止でき、かつ該シリンダ部30が固定ピストン12に対しスムースに伸縮可能である。
【0111】
また、エンドケース92には傘部100を設けたため、上記の如くシリンダ部30外周面に付着した雨水等が固定ピストン12のシリンダ部30から露出した部分に滴下すること(固定ピストン12露出部への被水)が防止される。具体的は、シリンダ部30外周面を伝って下方へ移動する雨水等は、傘部100の堰き止め部100Aによって堰き止められると共に下方のスカート部100Bへ案内され、該スカート部100Bによって固定ピストン12から離間した位置に滴下される。そのため、シリンダ部30を伝ってエンドケース92に至った水滴が連通管104の連通孔102に至ることは無く、伸縮ノズル28の伸縮動作に伴う呼吸作用でシリンダ部30内に水滴が取り込まれてしまうことが防止できる。
【0112】
さらに、ヘッドランプクリーナ装置10では、チェックバルブ88を設けたため、伸縮ノズル28が噴射位置へ達する前における洗浄液の噴射が防止されると共に、非作動時における噴射口74からの洗浄液の漏洩(所謂液垂れ)も確実に防止される。特に、ポンプ装置の停止直後には、伸縮液室108が縮小するよりも前にバルブ80がバルブシートに当接するため、作動停止直後における液垂れも防止される。また、非作動時においてもバルブ80の弁部82直上流まで洗浄液が充填されているため、作動時には洗浄液が噴射口74から速やかに噴射される。
【0113】
さらにまた、ヘッドランプクリーナ装置10では、圧縮コイルスプリング106が、単に一端部をピストン部20に当接すると共に他端部をエンドケース92に当接することで、伸縮ノズル28を固定ピストン12に対する短縮方向に付勢しているため、シリンダ部30の内側には圧縮コイルスプリング106の他端部が当接するばね受け部を設ける必要がなく、またエンドケース92とは別部品のばね受け部材を設ける必要もない。このため、シリンダ部30の加工及び圧縮コイルスプリング106の組付が容易であり、部品点数や組付工数が増加することもない。
【0114】
次に、本発明の実施の形態の変形例に係るヘッドランプクリーナ装置170について図6及び図7に基づいて説明する。なお、上記実施の形態と基本的に同一の部品、部分については上記実施の形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0115】
図6には、車体への組付状態のヘッドランプクリーナ装置170が断面図にて示されている。この図に示される如く、ヘッドランプクリーナ装置170は、基本的な構成はヘッドランプクリーナ装置10とほぼ共通するが、その長手方向が水平方向と略一致するように車体に組み付けられる点で、ヘッドランプクリーナ装置10とは異なる。以下、ヘッドランプクリーナ装置10と異なる点について、具体的に説明する。
【0116】
ヘッドランプクリーナ装置170では、伸縮ノズル28に代えて伸縮ノズル171を備えている。伸縮ノズル171は、シリンダ部30と噴射ノズル部172で構成されている。噴射ノズル部172では、ノズルボディ60に代えてノズルボディ174を備えている。ノズルボディ174は、取付凹部90を有さず、その先端が後述するトップカバー194を押圧する押圧部176とされている。このノズルボディ174は、その他の構成はノズルボディ60と全く同様である。
【0117】
このノズルボディ174のチップ保持部70には、噴射口74を有するノズルチップ72が固定保持されているが、その取付角度が異なっている。噴射ノズル部172では、噴射口74が若干シリンダ部30側を向くように、ノズルチップ72がチップ保持部70に対し傾斜して(上記の通り、ノズルチップ72の球面部が洗浄液流路68を閉塞しない範囲内で傾斜して)取り付けられている。
【0118】
この噴射ノズル部172は、その他の構成は噴射ノズル部32と全く同様である。すなわち、伸縮ノズル171の他の構成は、伸縮ノズル28と全く同様である。
【0119】
また、ヘッドランプクリーナ装置170では、エンドケース92に代えて、固定ピストン12の本体部16を挿通させた状態で開口30Aを閉塞するエンドケース178を備えている。エンドケース178は、傘部100及び連通管104(連通孔102)を有していない。
【0120】
このエンドケース178には、シリンダ部30の内外を連通する連通孔180が設けられている。連通孔180は、ヘッドランプクリーナ装置170の車体への組付状態でシリンダ部30の最下部(図6及び図7では、フック部98によって隠れている)に位置するように配置され、ここから下後方(上記組付状態における車体の下後方)へ向けて傾斜され、エンドケース178の外周部で開口している。
【0121】
このエンドケース178は、その他の構成はエンドケース92と全く同様である。そして、ヘッドランプクリーナ装置170の他の構成は、ヘッドランプクリーナ装置10と全く同様である。
【0122】
以上説明したヘッドランプクリーナ装置170は、車体におけるフロントバンパ110(天板部110B)と該フロントバンパ110の上方に位置するヘッドランプ182との間に配設されている。ヘッドランプ182は、その前端(矢印A側端部)がフロントバンパ110の前端よりも後方に位置している。ヘッドランプ182の後部には、ボス部114の長さと同長の支持脚部184が吊設されている。
【0123】
支持脚部184には、ジョイント取付孔112と同径のジョイント取付孔186が設けられている。ジョイント取付孔186は、その軸方向が水平方向と略一致している。このジョイント取付孔186には、ジョイント部材120が脱落不能に取り付けられている。
【0124】
そして、このジョイント部材120には、上記実施の形態と同様に、そのピストン保持部122に固定ピストン12(すなわち、ヘッドランプクリーナ装置170)が固定されると共に、そのホースジョイント部138にゴムホース140が接続されている。この状態で、ヘッドランプクリーナ装置170の長手方向、すなわち伸縮ノズル171の伸縮方向が水平方向と略一致している。
【0125】
また、伸縮ノズル171の固定ピストン12に対する短縮状態におけるシリンダ部30の噴射ノズル部172側端部に対応する位置(支持脚部184の前方)には、シリンダガイド188が設けられている。シリンダガイド188は、その内径がシリンダ部30の外径よりも若干大径の略円筒状に形成され、アーム部190を介してヘッドランプ182に吊設されている。また、シリンダガイド188の下方には、フロントバンパ110の天板部110Bに当接支持される脚部192が設けらている。
【0126】
さらに、ヘッドランプ182先端部の下方には、トップカバー194が設けられている。トップカバー194は、一端側に設けられた軸支部196が天板部110Bに揺動自在に支持されており、その他端部がヘッドランプ182の先端下部に突設されたストッパ198に当接した状態で、車体内部であるヘッドランプクリーナ装置170の配設空間の開放端を閉塞する構成である。すなわち、トップカバー194は、その他端部がストッパ198に当接した状態で車体の内外を仕切るようになっている。また、上記軸支部196には、図示しないトーションばねが設けられており、トップカバー194をその他端部がストッパ198と当接する方向に付勢するようになっている。
【0127】
以上説明したヘッドランプクリーナ装置170は、ポンプ装置の非作動時には、図6に示される如く、伸縮ノズル171が固定ピストン12に対する短縮状態で、トップカバー194の内側、すなわち車体内部における噴射待機位置に位置している。
【0128】
そして、ポンプ装置が作動すると、伸縮ノズル171は、その押圧部176においてトップカバー194を押圧して車体外方へ揺動させつつ、固定ピストン12に対し伸長する。エンドケース178のフック部98にピストン部20が当接し、伸縮ノズル171のそれ以上の伸長が阻止されると、該伸縮ノズル171は、図7に示される噴射位置に達する。
【0129】
この状態でポンプ装置がさらに作動を続け、伸縮液室108内の液圧が上昇すると、ヘッドランプクリーナ装置10と同様に、チェックバルブ88が伸縮液室108と噴射口74とを連通し、該噴射口74からヘッドランプ182へ向けて洗浄液が噴射される(図7参照)。
【0130】
このように、本変形例に係るヘッドランプクリーナ装置10によっても、シリンダ部30の外周面がスカートの機能を果たすことによる効果、及び傘部100を設けたことによる効果を除いて、ヘッドランプクリーナ装置10と同様の効果が得られる。
【0131】
また、本変形例に係る構成では、シリンダ部30が水平に配置されているため、該シリンダ部30の外周面に付着した雨水等が、重力によって固定ピストン12のシリンダ部30外部への露出部へ伝わることはない(基本的に、シリンダ部30の外周面がスカートの機能を果たす必要はない)。但し、車体の加速や風圧等による雨水等の車体内方(後方)への移動を考慮して、エンドケース178に傘部100を設けても良い。
【0132】
なお、本発明は、上記実施の形態及び変形例に限定されることなはく、その要旨を逸脱しない範囲内で各種変更して実施が可能であることは言うまでもない。特に、本発明は、ヘッドランプクリーナ装置10、170等の車体への取付構造や噴射ノズル部32、172の構造には限定されない。
【0133】
したがって、例えば、ヘッドランプクリーナ装置10等は、固定ピストン12に対する伸縮ノズル28等の伸縮方向が鉛直方向に沿うように略直立状態で車体に取り付けられても良い。この場合、傘部100は、堰き止め部100Aを設けず、全周に亘るスカート部100Bを有することが望ましい。
【0134】
また、上記の実施の形態及び変形例では、エンドケース92、178に1つの連通孔102、178を設けた構成としたが、本発明はこれに限定されず、エンドケース92、178に複数の連通孔102、178を設けた構成としても良い。この場合、追加する連通孔102等は、シリンダ部30内の最下部ではない位置に設けて最下部の連通孔102等から雨水等を排出する際の空気流入用としても良い。
【0135】
さらに、上記の実施の形態及び変形例では、エンドケース92、178のフック部98がストッパを兼ねる好ましい構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、伸縮ノズル28等の固定ピストン12に対するの伸長量を規制するストッパ部材をエンドケース92等とは別個に設けても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るヘッドランプクリーナ装置の全体構成を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るヘッドランプクリーナ装置を構成するピストン部及びエンドケースを示す拡大断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るヘッドランプクリーナ装置を構成する伸縮ノズルの噴射ノズル部を示す拡大断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るヘッドランプクリーナ装置が車体内部格納された状態を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るヘッドランプクリーナ装置の噴射口が車体外部に突出した状態を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態の変形例に係るヘッドランプクリーナ装置が車体内部格納された状態を示す断面図である。
【図7】本発明の実施の形態の変形例に係るヘッドランプクリーナ装置の噴射口が車体外部に突出した状態を示す断面図である。
【図8】従来のヘッドランプクリーナ装置を示す断面図である。
【符号の説明】
10ヘッドランプクリーナ装置、12固定ピストン、18固定部、20ピストン部、28伸縮ノズル、30シリンダ部、56流入口(弁座)、58バルブシートシール(弁座)、74噴射口、80バルブ(弁)、86バルブスプリング(弁付勢手段)、88チェックバルブ、92エンドケース、100傘部、102連通孔、106圧縮コイルスプリング(付勢手段)、110フロントバンパ(車体)、170ヘッドランプクリーナ装置、171伸縮ノズル、178エンドケース、180連通孔、182ヘッドランプ

Claims (6)

  1. 車体のヘッドランプに対し洗浄液を噴射するための噴射口が、前記車体への固定部位に対して相対移動可能に設けられたヘッドランプクリーナ装置であって、
    一端部が開口されたシリンダ部の他端部に前記噴射口が前記車体に対し前記シリンダ部と一体的に相対移動するように設けられた伸縮ノズルと、
    軸線方向が前記シリンダ部の軸線方向に一致されると共に外径が前記シリンダ部の内径よりも小とされた本体部と、該本体部の軸線方向一端部に設けられ前記車体に固定される固定部と、前記シリンダ部の内径に対応する外径を有し前記本体部の軸線方向他端部に同軸的に設けられたピストン部とを有し、前記ピストン部が前記シリンダ部内に該シリンダ部の軸線方向に摺動可能に配置されると共に前記固定部が前記シリンダ部の外側に位置するように、前記シリンダ部に前記開口側から部分的に挿入された固定ピストンと、
    前記固定ピストンが摺動可能に挿通され、前記シリンダ部の一端部に固定されて前記開口を閉塞するエンドケースと、
    前記エンドケースに設けられ、前記シリンダ部の内外を連通して、前記シリンダ部内における前記ピストン部と前記エンドケースとの間に侵入した液体の排出及び前記伸縮ノズルの伸縮動作に伴う前記シリンダ部内の呼吸を可能とする連通孔と、
    前記シリンダ部内における前記固定ピストンの前記本体部の径方向外側でかつ該固定ピストンの前記ピストン部と前記エンドケースとの間に形成される空間に収容され、前記伸縮ノズルを前記固定部側に付勢する付勢手段と、
    を備え、前記シリンダ部内における前記噴射口と前記ピストン部との間に供給される洗浄液の液圧によって、前記伸縮ノズルを前記固定ピストンに対して伸長させると共に、該伸長状態で前記噴射口から前記洗浄液を噴射する、
    ことを特徴とするヘッドランプクリーナ装置。
  2. 車体のヘッドランプに対し洗浄液を噴射可能な噴射口が、前記車体に対して相対移動することで、前記車体の外部において前記ヘッドランプに対し前記洗浄液を噴射する噴射位置と、前記車体内部に格納される噴射待機位置とを取り得るヘッドランプクリーナ装置であって、
    一端部が開口されたシリンダ部の他端部に前記噴射口が前記車体に対し前記シリンダ部と一体的に相対移動するように設けられた伸縮ノズルと、
    軸線方向が前記シリンダ部の軸線方向に一致されると共に外径が前記シリンダ部の内径よりも小とされた本体部と、該本体部の軸線方向一端部に設けられ前記車体に固定された固定部と、前記シリンダ部の内径に対応する外径を有し前記本体部の軸線方向他端部に同軸的に設けられたピストン部とを有し、前記ピストン部が前記シリンダ部内に該シリンダ部の軸線方向に摺動可能に配置されると共に前記固定部が前記シリンダ部の外側に位置するように、前記シリンダ部に前記開口側から部分的に挿入された固定ピストンと、
    前記シリンダ部に前記開口側から部分的に挿入され、一端側が前記シリンダ部内に摺動可能に配置されたピストン部を有すると共に、他端側が前記シリンダ部の外側に位置して前記車体内部に固定された固定ピストンと、
    前記固定ピストンが摺動可能に挿通され、前記シリンダ部の一端部に固定されて前記開口を閉塞するエンドケースと、
    前記エンドケースに設けられ、前記シリンダ部の内外を連通して、前記シリンダ部内における前記ピストン部と前記エンドケースとの間に侵入した液体の排出及び前記伸縮ノズルの伸縮動作に伴う前記シリンダ部内の呼吸を可能とする連通孔と、
    前記シリンダ部内における前記固定ピストンの前記本体部の径方向外側でかつ該固定ピストンの前記ピストン部と前記エンドケースとの間に形成される空間に収容され、前記伸縮ノズルを前記固定部側に付勢する付勢手段と、
    を備え、通常は前記付勢手段の付勢力によって前記伸縮ノズルを前記固定ピストンに対し短縮させて前記噴射口を前記待機位置に位置させ、前記シリンダ部内における前記噴射口と前記ピストン部との間に供給される洗浄液の液圧によって、前記伸縮ノズルを前記固定ピストンに対して伸長させて前記噴射口を前記噴射位置に位置させる、
    ことを特徴とするヘッドランプクリーナ装置。
  3. 前記固定ピストンは、前記シリンダ部の前記開口が水平方向若しくは水平方向よりも下方を向くように、前記車体内部に固定された、ことを特徴とする請求項2記載のヘッドランプクリーナ装置。
  4. 前記エンドケースに設けられ、前記シリンダ部の外面よりも外方へ傘状に突出する傘部を備えた、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項記載のヘッドランプクリーナ装置。
  5. 弁座と、該弁座を開閉可能な弁と、該弁を前記弁座の閉塞方向に付勢する弁付勢手段とを有し、前記シリンダ部と前記噴射口との間に設けられ、前記伸縮ノズルを伸長させる前記液圧よりも大きな前記洗浄液の液圧によって前記弁が前弁座を開放し前記洗浄液を前記噴射口から噴射させるチェックバルブを備えた、ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項記載のヘッドランプクリーナ装置。
  6. 前記付勢手段を、一端部が前記ピストン部に当接すると共に他端部が前記エンドケースに当接する圧縮コイルスプリングとした、ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項記載のヘッドランプクリーナ装置。
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