JP3927001B2 - 色素セット、インクセット並びに記録方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は色素セット、インクセット、及びこれを用いたインクジェット録方法に関するものである。詳しくは、特にインクジェット記録に適した水溶性アゾ金属キレート化合物を含むマゼンタ色素を色素ユニットとして含む少なくとも3色の色素ユニットからなる色素セット、各色素のインクからなるインクセット、及びこれを用いたインクジェット記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
直接染料や酸性染料等の水溶性染料を含む記録液の液滴を微小な吐出オリフィスから飛翔させて記録を行う、いわゆるインクジェット記録方法が実用化されている。
この記録液に関しては、電子写真用紙のPPC(プレイン ペーパー コピア)用紙、ファンホールド紙(コンピューター等の連続用紙)等の一般事務用に汎用される記録紙に対する定着が速く、しかも印字物の印字品位が良好であること、即ち、印字ににじみがなく輪郭がはっきりしていることが要求されると共に、記録液としての保存時の安定性も優れていることが必要であり、従って使用できる溶剤が著しく制限される。
【0003】
記録液用の染料に関しては、上記のような限られた溶剤に対して充分な溶解性を有すると共に、記録液として長期間保存した場合にも安定であり、また印字された画像の彩度及び濃度が高く、しかも耐水性、耐光性、室内変褪色性に優れていること等が要求されている。従来より使用されている直接染料は、色調が不鮮明であり、逆に色調の鮮明な酸性染料は耐光性が劣る傾向にあり、更に、従来より、含金属アゾ系の色素は耐光性は良好であるが、色調がくすみ、不鮮明で色調が優れない。そこで、記録液用の色素として、特に色調と耐光性の両者を満足するインクジェット記録用色素の開発が望まれていた。
【0004】
一方、インクジェット記録方法において、フルカラー画像を形成するには、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3原色、或いはこれにブラック(Bk)を加えた4色のインクを使用し、各々のインクの吐出量を制御することにより、被記録材上で、これらの色が混色されて画像を形成する。更に、フルカラー画像の形成に際しては、色の違いだけでなく、色の濃淡も表現する必要があるが、濃淡部は、通常、色素濃度の異なる2種以上のインクを用いて形成される。しかし、従来のインクジェット記録用色素のセットに関しては、光照射による画像の褪色、即ち耐光性が乏しいことが問題となっており、とりわけ、色素濃度の低いインクを用いる淡色部の耐光性が低いことが問題であった。更に、フルカラー画像の褪色については、その色を構成する原色の褪色バランスが揃っていることが求められている。
ところが、従来の色素、とりわけマゼンタ色素は、シアン色素とくにフタロシアニン系色素によるキャタリティックフェードを受けがちであり、混色部分のマゼンタのOD(印字濃度)が、マゼンタ色素単独の堅牢性から予想される褪色度合いより甚だしく褪色してしまうという傾向があった。この欠点を補うべく、種々のマゼンタ色素を用いたインクセットが提案されてきたが、彩度、色相と堅牢性を兼ね備えた満足な性能を得るには至っていなかった。
なお、本明細書中では、以下、上記3原色の色素及びブラック色素の各色素を色素ユニット、2種以上の各色素の組合せたものを色素セット、各色素を含むインクの2種以上組合せたもの及び色素濃度の異なる2種以上のインクを組合せたものをインクセットと称する。
【0005】
例えば特開2000−256587号公報には、マゼンタとシアンの混色印字物の耐光堅牢度を改良した例が示され、従前の技術に比べるといくらかは改善されたことが伺われる。しかし、画像の耐光堅牢性試験結果によれば、シアンに比べマゼンタは約3倍といった大きな色差すなわち大きな変褪色度合いしか得られておらず、未だ改良すべき余地が残っていた。
【0006】
一方、米国特許6,053,969号公報には、イエロー、シアン、マゼンタ各色素の種類を特定した色素セットやインクセットの例が記載されている。しかし、マゼンタ色素が有する上記したような混色画像の堅牢性の問題に関しては何等認識されておらず、まして本願発明におけるような特定のマゼンタ色素を用いることについての記載はもちろん示唆するものも無い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、インクジェット記録方法によりフルカラー記録した場合に、印字品位が良好であると共に、記録画像の色調が鮮明で濃度が高く、耐光性に優れており、室内変褪色が少なく、しかも長期間保存した場合にも堅牢性と褪色バランスが良好な画像が得られる色素セット、インクセット、及びこれを用いたインクジェット記録方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは特定のアゾ系化合物と金属元素とのアゾキレート化合物である水溶性色素をマゼンタ色素として含む色素セットを使用することにより上記目的を達成した。即ち本発明の要旨は、少なくとも1種類のマゼンタ色素、少なくとも1種類のイエロー色素、及び少なくとも1種類のシアン色素を含む色素セットにおいて、マゼンタ色素が下記一般式(1)で表されるアゾ系化合物と金属元素とから形成される水溶性モノアゾ金属キレート化合物であることを特徴とする色素セットに存する。
【化17】
Figure 0003927001
【0009】
(一般式(1)は下記Y 1 以外に分子内に少なくとも1個以上の親水性基を有するモノアゾ系化合物であり、X1は少なくとも1つの5〜7員環の複素環を形成するのに必要な複数個の原子を表すが、X1を含む複素環はピリジン環以外の複素環である。X1を含む複素環は複素環上に置換基を有していてもよく、複素環上の置換基がさらに縮合して縮合環を形成してもよい。X1を含む縮合複素環は置換されていても良い。Ar1は下記一般式(2)〜(4)で表されるナフチル基を表す。Y1はキレート化基を表し、Z1は互いに異なっても良い任意の置換基を表し、aは0〜6の整数を表す。但し、該複素環が2−(4,5−ジシアノ)−イミダゾリル基であってZ 1 がスルホ基の場合、aは1又は2を表し、aが2の場合式(4)の1−ナフチル基では6位に、式(2)〜(3)の2−ナフチル基では5位にスルホ基を有し、aが1の場合式(2)〜(3)の2−ナフチル基では8位にスルホ基を有しない。
【0010】
【化18】
Figure 0003927001
【0011】
本発明の他の要旨は、上記色素セットにおける各色素ユニットのイエロー色素、マゼンタ色素、シアン色素、及び場合によりブラック色素を、個別に含有する各インクから構成されることを特徴とするインクセット、並びに該インクセットを用いたインクジェット記録方法に存する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の色素セットは、マゼンタ、イエロー、シアンの3原色色素及びブラック色素からなる色素ユニットにより構成される。
本発明におけるマゼンタ色素の金属キレート色素は、前記一般式(1)で表されるアゾ系化合物と、金属元素から形成される水溶性のアゾ金属キレート化合物である。分子量が通常4000以下のものが好ましく、なかでも溶解性、保存安定性、印字濃度等を総合的に考慮すると、300以上、2000以下程度のものが好ましい。
前記一般式(1)において、X1 は、少なくとも1つの5〜7員環の複素環を形成するのに必要な複数個の原子を表すが、X1 を含む複素環は、ピリジン環以外の複素環である。X1 を含む複素環は、好ましくはイミダゾール環、ピラゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ベンゾチアゾール環、ベンズオキサゾール環、またはベンズイミダゾール環等である。中でも、X1 を含む複素環がイミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環であるのが好ましい。
【0013】
1 を含む複素環は複素環上に1個以上の置換基を有していてもよく、複素環上の置換基がさらに縮合して縮合環を形成してもよい。その場合、複素環上の置換基は各々独立に、置換されていてもよいアルキル基(例えばメチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、トリフルオロメチル基等)、置換されていてもよいアリール基(好ましくは炭素数6〜10のアリール基、例えばフェニル基、ナフチル基等)、置換されていてもよいアラルキル基(ベンジル基等、好ましくは総炭素数7〜10のもの)、置換されていてもよいアリル基(例えばビニル基、2−プロペニル基等)、置換されていてもよいアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基等)、置換されていてもよいアリールオキシ基(例えば、フェノキシ基等)、置換されていてもよいアシルオキシ基(好ましくはアセチルオキシ基等の炭素数2〜7のアルカノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、置換されていてもよいアルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等)、置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよいアシル基(例えばアセチル基等の炭素数2〜10のアシル基等)、カルボキシル基、水酸基、シアノ基、置換されていてもよいアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基等の炭素数2〜7のアルカノイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、ニトロ基、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子、フッ素原子等)、ホスホノ基、スルホ基、メルカプト基、置換されていてもよいアルキルチオ基(例えばメチルチオ基、エチルチオ基等の炭素数1〜6のアルキルチオ基)、置換されていてもよいアルキルスルホキシ基(例えばメチルスルホキシ基、エチルスルホキシ基等の炭素数1〜6のアルキルスルホキシ基等)、置換されていてもよいアルキルスルホニル基(例えばメチルスルホニル基、エチルスルホニル基等の炭素数1〜6のアルキルスルホニル基等)、またはチオシアナト基から選ばれるのが好ましい。
【0014】
中でも、一般式(1)において、X1 を含む複素環が下記一般式(5)〜(8)で表される金属キレート色素であるのが好ましい。
【0015】
【化19】
Figure 0003927001
【0016】
(式中、R1 は互いに異なっていても良く、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリールオキシ基、置換されていてもよいアシルオキシ基、置換されていてもよいアルコキシカルボニル基、置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基、カルボキシル基、置換されていてもよいカルバモイル基、水酸基、置換されていてもよいアシル基、シアノ基、置換されていてもよいアシルアミノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホ基、メルカプト基、置換されていてもよいアルキルチオ基、及びチオシアナト基から選ばれる基であり、R1 はさらにイミダゾール環とともに縮合環を形成していても良い。cは0〜2の整数を表す。R2 は水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、または置換されていてもよいアリル基を表す。)
中でも、R1 が置換されていてもよいアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、またはシアノ基である場合が好ましく、R2 が水素原子または置換されていてもよいアルキル基である場合が好ましい。最も好ましくは、cが2であり、2個のR1 がともにシアノ基であり、かつR2 が水素原子または置換されていてもよいアルキル基である場合である。
【0017】
【化20】
Figure 0003927001
【0018】
(式中、R1 は互いに異なっていても良く、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいアルコキシカルボニル基、置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基、カルボキシル基、置換されていてもよいカルバモイル基、水酸基、シアノ基、またはスルホ基を表す。dは0〜2の整数を表す。R4 は水素原子、置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいアリール基を表す。)
【0019】
【化21】
Figure 0003927001
【0020】
(式中、R5 は互いに異なっていても良く、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリールオキシ基、置換されていてもよいアシルオキシ基、置換されていてもよいアルコキシカルボニル基、置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基、カルボキシル基、水酸基、置換されていてもよいアシル基、シアノ基、置換されていてもよいアシルアミノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホ基、置換されていてもよいアルキルチオ基、または置換されていてもよいアリールチオ基を表し、R5 はさらにチアゾール環とともに縮合環を形成していても良い。eは0〜2の整数を表す。)
好ましくはR5 が置換されていてもよいアルキル基である場合、e=0でR5 が無い場合、あるいはR5 がチアゾール環とともに縮合環を形成している場合が望ましい。
【0021】
【化22】
Figure 0003927001
【0022】
(式中、R6 は水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、メルカプト基、置換されていてもよいアルキルチオ基、置換されていてもよいアルキルスルホキシ基、または置換されていてもよいアルキルスルホニル基を表す。)
6 は好ましくは水素原子、または置換されていてもよいアルキル基であるのが望ましい。
【0023】
前記一般式(5)〜(8)で表される複素環のうち、好ましくは一般式(5)で表されるイミダゾール環であるのが望ましい。特に、一般式(5)が、下記一般式(5′)であるものが好適である。
【化23】
Figure 0003927001
(式中、R2′は水素原子または置換されていてもよいアルキル基を表す)
【0024】
また、一般式(1)におけるAr1 は、前記一般式(2)〜(4)で表されるナフチル基であり、Y1 はキレート化基を表す。Y1 は、好ましくは水酸基、カルボキシル基、置換されていてもよいアミノ基(例えばアミノ基、メチルアミノ基、ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ基等)、スルホ基、カルバモイル基、置換されていてもよいアルコキシ基(例えばメトキシ基、カルボニル基、2−ヒドロキシエトキシ基等)、置換されていてもよいアルキルチオ基(例えばメチルチオ基、2−ヒドロキシエチルチオ基等)、置換されていてもよいアルキルスルホニルアミノ基(例えばメチルスルホニルアミノ基等)、または置換されていても良いアリールスルホニルアミノ基(例えばベンゼンスルホニルアミノ基等)である。Y1 が水酸基である場合がさらに好ましい。
【0025】
前記一般式(2)〜(4)におけるZ1は各々独立に、置換されていてもよいアルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基等)、置換されていてもよいアリールオキシ基(例えばフェノキシ基等)、置換されていてもよいアシルオキシ基(例えばアセチルオキシ基等の炭素数2〜7のアルカノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、置換されていてもよいアルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基等)、置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、カルボキシル基、置換されていてもよいカルバモイル基(例えばカルバモイル基、置換されていてもよいカルボキシアニリド基(3−スルホカルボキシアニリド基等)、水酸基、置換されていてもよいアミノ基(例えばアミノ基、メチルアミノ基等の炭素数1〜6のアルキルアミノ基等)、ウレイド基、置換されていてもよいアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基等の炭素数2〜7のアルカノイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、置換されていてもよいアルキルスルホニルアミノ基(例えばメチルスルホニルアミノ基等の炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基等)、置換されていてもよいアリールスルホニルアミノ基(例えばフェニルスルホニルアミノ基、4−メチルフェニルスルホニルアミノ基等)、ホスホノ基、スルホ基、及び置換されていてもよいスルファモイル基(例えばスルファモイル基、N,N-ビス(カルボキシメチル)スルファモイル基等)から選ばれる基であるのが好ましい。aは0〜6の整数を表す。但し、該複素環が2−(4,5−ジシアノ)−イミダゾリル基であってZ 1 がスルホ基の場合、aは1又は2を表し、aが2の場合式(4)の1−ナフチル基では6位に、式(2)〜(3)の2−ナフチル基では5位にスルホ基を有し、aが1の場合式(2)〜(3)の2−ナフチル基では8位にスルホ基を有しない。
【0026】
1 は、好ましくはカルボキシル基、置換されていてもよいカルバモイル基、スルホ基または置換されていてもよいスルファモイル基である。
また、一般式(2)〜(4)で表されるナフチル基のうち、一般式(2)または(4)が好ましい。
特に、Ar1が下記一般式(5’’)で表されるものが好適に用いられる。
【化24】
Figure 0003927001
(式中、R2’’はスルホ基、および置換されていてもよいスルファモイル基を表す)
一般式(1)で表されるアゾ系化合物は、分子内に親水性基を少なくとも1個以上有する化合物である。かかる親水性基としては、例えばスルホ基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、ホスホノ基等が挙げられるが、これらの中でスルホ基又はカルボキシル基が好ましい。
【0027】
本発明において(1)で表されるアゾ系化合物とキレート化合物を形成する金属としては、例えば銀(I)、アルミニウム(III)、金(III)、セリウム(III、IV)、コバルト(II、III)、クロム(III)、銅(I、II)、ユウロピウム(III)、鉄(II、III)、ガリウム(III)、ゲルマニウム(IV) 、インジウム(III)、ランタン(III)、マンガン(II)、ニッケル(II)、パラジウム(II)、白金(II、IV)、ロジウム(II、III)、ルテニウム(II、III 、IV)、スカンジウム(III)、ケイ素(IV)、サマリウム(III)、チタン(IV)、ウラン(IV)、亜鉛(II)、ジルコニウム(IV)等が挙げられる。好ましくはニッケル(II)、コバルト(II、III)、銅(II)が挙げられる。
金属錯体の製造に用いる金属塩の陰イオンとしてはCl- 、Br- 、CH3 COO- 、SO4 2-等の一価または二価の陰イオンが挙げられる。
【0028】
本発明で使用される色素は遊離酸型のまま使用してもよいが製造時、塩型で得られた場合はそのまま使用してもよいし、所望の塩型に変換してもよい。また酸基の一部が塩型のものであってもよく、塩型の色素と遊離酸型の色素が混在していてもよい。このような塩型の例としてNa、Li、K等のアルカリ金属の塩、アルキル基もしくはヒドロキシアルキル基で置換されていてもよいアンモニウムの塩、又は有機アミンの塩があげられる。有機アミンの例として、低級アルキルアミン、ヒドロキシ置換低級アルキルアミン、カルボキシ置換低級アルキルアミン及び炭素数2〜4のアルキレンイミン単位を2〜10個有するポリアミン等があげられる。これらの塩型の場合、その種類は1種類に限られず複数種混在していてもよい。
【0029】
また、本発明で使用する色素の構造において、その1分子中に酸基が複数個含まれる場合は、その複数の酸基は塩型あるいは酸型であり互いに異なるものであってもよい。
これ等の色素の具体例としては、例えば以下の表−1から表−6に示す構造の色素が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0030】
【表1】
Figure 0003927001
【0031】
【表2】
Figure 0003927001
【0032】
【表3】
Figure 0003927001
【0033】
【表4】
Figure 0003927001
【0034】
【表5】
Figure 0003927001
【0035】
【表6】
Figure 0003927001
【0036】
【表7】
Figure 0003927001
【0037】
【表8】
Figure 0003927001
【0038】
【表9】
Figure 0003927001
【0039】
【表10】
Figure 0003927001
【0040】
【表11】
Figure 0003927001
【0041】
【表12】
Figure 0003927001
【0042】
【表13】
Figure 0003927001
【0043】
【表14】
Figure 0003927001
【0044】
【表15】
Figure 0003927001
【0045】
【表16】
Figure 0003927001
【0046】
【表17】
Figure 0003927001
【0047】
【表18】
Figure 0003927001
【0048】
【表19】
Figure 0003927001
【0049】
【表20】
Figure 0003927001
【0050】
【表21】
Figure 0003927001
【0051】
【表22】
Figure 0003927001
【0052】
【表23】
Figure 0003927001
【0053】
【表24】
Figure 0003927001
【0054】
【表25】
Figure 0003927001
【0055】
【表26】
Figure 0003927001
【0056】
本発明における色素ユニットとしてのイエロー色素には、特に制限は無いが、例えば、下記の一般式(9)、(10)、(11)、(12)で表される色素が好適に用いられる。分子量が4000以下のものが好ましく、なかでも300以上、2000以下程度のものが溶解性、保存安定性、印字濃度等を総合的に考慮すると好ましい。
【化25】
Figure 0003927001
(式中RY1は、水素原子、ハロゲン原子、または任意の置換基を表し、複数のRY1は各々異なっていても同一でも良く、nは1又は2を表す。)
【0057】
【化26】
Figure 0003927001
(式中RY2は、水素原子、ハロゲン原子、または任意の置換基を表し、複数のRY2は各々異なっていても同一でも良く、nは1又は2を表す。)
【0058】
【化27】
Figure 0003927001
(式中RY3は、水素原子、ハロゲン原子、または任意の置換基を表し、複数のRY3は各々異なっていても同一でも良い。)
【0059】
【化28】
Figure 0003927001
(式中RY4は、水素原子、ハロゲン原子、または任意の置換基を表し、複数のRY4は各々異なっていても同一でも良い。)
【0060】
一般式(9)〜(12)の各式において、RY1〜RY4は例えば、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、スルファモイル基、置換されていても良いスルホニル基、置換されていても良いカルボニル基、置換されていても良いトリアジニル基、置換されていても良いC1〜C4アルキル基、置換されていても良いC1〜C4アルコキシ基、置換されていても良いフェニル基、置換されていても良いアミノ基等から選ばれる。中でも、一般式(9)〜(12)に記されているアゾ基に対し左側に記されている芳香環には、スルホ基やカルボキシル基等が、好適な置換基として用いられる。一方、、一般式(9)〜(12)に記されているアゾ基に対し右側に記されている芳香環には、アルキル基、アルコキシ基、カルボキシル基、スルホ基やハロゲン原子等で置換されていても良いフェニル基等が好適な置換基として用いられる。更に、一般式(9)、(10)に記されたアミノ基に結合した置換基としては、カルボニル基、トリアジニル基、等が好適な例として上げられ、これらは、直接にあるいは別の連結基を介してもう一つのアゾ色素骨格に連結されていても良く、あるいは置換アルキル基で置換された、アミノ基あるいはチエニル基で置換されていても良い。
【0061】
これ等の色素の具体例としては、例えばC.I.アシッドイエロー17:1、C.I.アシッドイエロー23、C.I.アシッドイエロー49、C.I.アシッドイエロー65、C.I.アシッドイエロー104、C.I.アシッドイエロー155、C.I.アシッドイエロー183、C.I.アシッドイエロー194、C.I.ダイレクトイエロー86、C.I.ダイレクトイエロー106、C.I.ダイレクトイエロー132、C.I.ダイレクトイエロー142、C.I.ダイレクトイエロー173、C.I.ダイレクトイエロー194が挙げられる。
【0062】
更に、一般式(9)及び(10)に対応する色素を[(A−N=N−B1−NH−)n−R](但し、nは1又は2)で表し、一般式(11)及び(12)に対応する色素を[A−N=N−B2]で表した場合、A、B1及びB2によって表される遊離酸の構造を表7及び表8に示す。本発明の色素は、これらから適宜選ぶことができるが、これらに限定されるものではない。
【0063】
【表27】
Figure 0003927001
【0064】
【表28】
Figure 0003927001
【0065】
【表29】
Figure 0003927001
【0066】
【表30】
Figure 0003927001
【0067】
【表31】
Figure 0003927001
【0068】
本発明の色素ユニットとしてのシアン色素には、特に制限は無いが、例えば、下記の一般式(13)、(14)で表される色素が好適に用いられる。通常、分子量5000以下のものが好ましく、なかでも分子量300以上、3000以下程度のものが溶解性、保存安定性、印字濃度等を総合的に考慮すると好ましい。特に、一般式(13)で表されるフタロシアニン色素は耐光堅牢性が良好なので好適であるが、一般式(14)で示したトリフェニルメタン系色素も、色相と彩度が良好であり、シアンインクに用いられる。
【0069】
【化29】
Figure 0003927001
(式中RC1は、水素原子、ハロゲン原子、または任意の置換基を表し、複数のRC1は各々異なっていても同一でも良く、Mは金属原子を表す。)
【0070】
【化30】
Figure 0003927001
(式中RC2は、水素原子、ハロゲン原子、または任意の置換基を表し、複数のRC2は各々異なっていても同一でも良い。)
【0071】
一般式(13)〜(14)の各式において、RC1、RC2は例えば、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、スルファモイル基、置換されていても良いスルホニル基、置換されていても良いカルボニル基、置換されていても良いトリアジニル基、置換されていても良いC1〜C4アルキル基、置換されていても良いC1〜C4アルコキシ基、置換されていても良いフェニル基、置換されていても良いアミノ基等から選ばれる。中でも、一般式(13)に記されたRC1については、アルキル基、ハロゲン原子、スルホ基、スルファモイル基、あるいは置換トリアジニル基や置換フェニル基等に結合したアルキルジアミノ基で置換されたスルホニル基等から選ばれた置換基が好適に用いられる。一方、一般式(14)に記されたRC2については、例えば、カルボキシル基、スルホ基、スルファモイル基、置換アルキル基で置換されたアミノ基等が好適に用いられる。
【0072】
これ等の色素の具体例としては、例えばC.I.アシッドブルー9、C.I.ダイレクトブルー86、C.I.ダイレクトブルー199、C.I.リアクティブブルー5、7、11、14、15:01、18、21、23、25、35、38、41、48、63、71、72、77、80、85、92、95、105、107、118:1、123、124、136、138、140、143、148、152、153、159、174、197、207、215、227、229、231、又はこれらの加水分解物、あるいは遊離酸の構造が表9から表10に示される色素が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0073】
【表32】
Figure 0003927001
【0074】
【表33】
Figure 0003927001
【0075】
本発明の色素ユニットとしてのブラック色素には特に制限は無く、カーボンブラックに代表される顔料系色素や、染料系色素が好適に用いられる。染料系色素においては例えば、一般式(15)や一般式(16)で表される色素が特に好適に用いられ、その分子量は4000以下が好ましく、中でも300以上、2000以下程度のものが溶解性、保存安定性、印字濃度等を総合的に考慮すると好ましい。
【0076】
【化31】
Figure 0003927001
(ここで一般式(15)は分子内に少なくとも1個以上の親水性基を有する化合物であり、B、C及びDは、各々独立に芳香環を表し、更に任意の置換基を有していても良い。mは0〜1、nは0〜3、pは0〜2、qは0〜4の整数を表す。Bが複数存在する場合、各々のBは同一であっても異なっていても良い。RB1及びRB2は各々独立に水素原子又は任意の置換基を表す。)
【0077】
【化32】
Figure 0003927001
(ここで一般式(16)は分子内に少なくとも1個以上の親水性基を有する化合物であり、B’、C’及びD’は、各々独立に芳香環を表し、更に任意の置換基を有していても良い。m’は0〜1、n’は0〜3、p’は0〜2、q’は0〜4の整数を表す。B’が複数存在する場合、各々のBは同一であっても異なっていても良い。RB1及びRB2は各々独立に水素原子又は任意の置換基を表す。Mは3座以上の配位をとることもでき、その場合、Mは一般式(16)中の任意の置換基もしくは結合部分から、又は任意の配位子により、任意の配位子対金属の比率で配位していても良い。B’が複数存在する場合におけるアゾ基をはさんで隣り合うB同士、又はB’とC’に、−O−M−O−の形で金属イオンが更に配位していても良い。)
【0078】
一般式(15)〜(16)の各式において、RB1及びRB2は例えば、水素原子、置換されていても良いスルホニル基、置換されていても良いカルボニル基、置換されていても良いトリアジニル基、置換されていても良いC1〜C4アルキル基、置換されていても良いC1〜C4アルコキシ基、置換されていても良いフェニル基等が好適に用いられる。
【0079】
一般式(15)においては、mは1であるものが特に好ましく、nは1若しくは2であるものが特に好ましく、pは1であるものが特に好ましく、RB1及びRB2は独立に水素原子、置換されていても良いフェニル基、置換されていても良いC1〜C4アルキル基であるものが特に好ましい。qは0〜2であるものがより好ましく用いられ、qが0や1である場合、特にqが0である場合はDで示された芳香環は更に芳香環置換アゾ基で置換されたものも好ましく用いられる。qが1の場合、Bで示された芳香環はスルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基で置換されたフェニル基もしくはナフチル基であることが好ましく、Cで示された芳香環はスルホ基、カルボキシル基、置換されていても良いC1〜C4アルキル基、置換されていても良いC1〜C4アルコキシ基、アセトアミノ基、置換アルキルスルホニル基等で置換されたフェニレン基あるいはナフチレン基であるものが、より好ましく用いられる。qが2以上の場合、一般式(15)に複数存在するBのうち左末端のBについては、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基で置換されたフェニル基もしくはナフチル基であることが好ましく、それ以外のB並びにCは、スルホ基、カルボキシル基、置換されていても良いC1〜C4アルキル基、置換されていても良いC1〜C4アルコキシ基、アセトアミノ基、置換アルキルスルホニル基等で置換されたフェニレン基あるいはナフチレン基であるものが、より好ましく用いられる。
【0080】
一般式(16)においては、m’は0であるものが特に好ましく、n’は1若しくは2であるものが特に好ましく、p’は1であるものが特に好ましく、RB1及びRB2は独立に水素原子、置換されていても良いフェニル基、置換されていても良いC1〜C4アルキル基であるものが特に好ましい。q’は0〜2であるものがより好ましく用いられ、q’が0や1である場合、特にq’が0である場合はD’で示された芳香環は更に芳香環置換アゾ基で置換されたものも好ましく用いられる。q’が1の場合、B’で示された芳香環はスルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基で置換されたフェニル基もしくはナフチル基であることが好ましく、C’で示された芳香環はスルホ基、カルボキシル基、置換されていても良いC1〜C4アルキル基、置換されていても良いC1〜C4アルコキシ基、アセトアミノ基、置換アルキルスルホニル基等で置換された、フェニレン基あるいはナフチレン基であるものが、より好ましく用いられる。q’が2以上の場合、一般式(16)に複数存在するB’のうち左末端のB’については、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基で置換されたフェニル基もしくはナフチル基であることが好ましく、それ以外のB’並びにC’は、スルホ基、カルボキシル基、置換されていても良いC1〜C4アルキル基、置換されていても良いC1〜C4アルコキシ基、アセトアミノ基、置換アルキルスルホニル基等で置換されたフェニレン基あるいはナフチレン基であるものが、より好ましく用いられる。
【0081】
これ等の色素の具体例としては例えば、C.I.フードブラック2、C.I.ダイレクトブラック19、C.I.ダイレクトブラック154、C.I.ダイレクトブラック195、C.I.ダイレクトブラック200、リアクティブブラック31、またはこれらの加水分解物、あるいは遊離酸の構造が表11から表12に示される色素が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
表11及び表12においては、一般式(15)及び(16)で表されるブラック色素の構造を説明するために各々以下の式(15’)及び(16’)で示した。
【0082】
【化33】
Figure 0003927001
本発明で使用するブラック色素としては、式(15’)において好ましくはnは1〜2であり、nが2の場合Bは同一でも異なっていても良い。又式(16’)においては、好ましくはmは0〜1、nは0〜2であり、nが2の場合Bは同一でも異なっていても良い。
【0083】
【表34】
Figure 0003927001
【0084】
【表35】
Figure 0003927001
【0085】
【表36】
Figure 0003927001
【0086】
【表37】
Figure 0003927001
【0087】
【表38】
Figure 0003927001
【0088】
【表39】
Figure 0003927001
【0089】
表13に、本発明の色素セットに特に好ましく用いられるイエロー及びブラック色素を具体的に例示する。更に、それら色素と本発明におけるマゼンタ色素の特に好ましい組み合わせ例について表14に例示する。
【0090】
【表40】
Figure 0003927001
【0091】
【表41】
Figure 0003927001
【0092】
【表42】
Figure 0003927001
表14中、マゼンタの化合物No.は、表−1〜表−6の化合物No.を、イエロー及びブラックの化合物No.は、表13の化合物No.をそれぞれ表す。
【0093】
本発明のマゼンタ色素は、原料環状アミノ化合物をジアゾ化し、ナフトール類とカップリングさせるジアゾ化カップリング法、或いはヒドラジノ化合物を例えば1,2−ナフトキノン誘導体と縮合させる方法等によりアゾ色素となし、アゾ色素に例えば塩化ニッケルや硫酸銅といった金属化合物を反応させる方法など公知の方法に従って得られる。
本発明のインクは、上記色素セットの各色素、即ちマゼンタ、イエロー、シアン、必要に応じブラックを用いて調製されるが、記録液(インク)中における色素の含有量としては、濃色インクは記録液全量に対して合計で0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜7重量%、特に2〜5重量%程度が好ましい。淡色インクを使用する場合には、色素の含有量としては0.1〜2重量%、好ましくは0.1〜1.5重量%程度が好ましい。また、任意のインク中に複数の色素が入っていても良い。
また、本発明のマゼンタインクにおいては、前記一般式(1)で表される色素は、金属元素とのキレート化合物として含まれるが、キレート化合物を形成しないで一部遊離の色素として記録液中に併存していることも包含する。遊離の色素が存在することで、キレート化合物を安定に存在させることができる場合がある。その一方で、多すぎると金属キレート化合物としての本来の性能が薄れるので、存在させる場合には、通常、記録液中に1〜5重量%程度の割合である。
【0094】
また、本発明の記録液(インク)に用いられる水性媒体としては、水と水溶性有機溶剤からなる媒体であり、水溶性有機溶剤として、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール(重量平均分子量約190〜400)、グリセリン、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、チオジエタノール、ジメチルスルホキシド、エチレングリコールモノアリルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、2−ピロリドン、スルホラン、エチルアルコール、イソプロパノール等を水に含有しているのが好ましい。これ等の水溶性有機溶剤は、通常記録液の全量に対して1〜45重量%の範囲で使用される。一方、水は記録液の全量に対して50〜95重量%の範囲で使用される。
【0095】
本発明の記録液に、その全量に対して0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%の尿素、チオ尿素、ビウレット、セミカルバジドから選ばれる化合物を添加したり、又0.001〜5重量%の界面活性剤を添加することによって、印字後の速乾性及び印字品位をより一層改良することができる。
【0096】
本発明のインクセットは、上記の各色素を含むインクの少なくとも2種を組合せたもの或いは各色素において色素濃度の異なる2種以上のインクを組合せたものである。好適なインクセットは上記の各色素の好適な組合せの色素セットに基づいて調製したインクを組み合わせることにより得ることが出来る。
【0097】
【実施例】
以下、本発明を参考例、実施例を挙げて更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれ等の実施例に限定されるものではない。
【0098】
[参考例−I]
I.色素の製造(1)
1:アゾ化合物の合成(ジアゾ化カップリング例1)
水206ml、35%塩酸20ml、2−アミノ−4,5−ジシアノイミダゾール10.0gの溶液を冷却し、5〜10℃にて亜硝酸ナトリウム5.5gを水12mlに溶解した水溶液を加えジアゾ化した。
【0099】
スルファミン酸で過剰の亜硝酸ナトリウムを分解しジアゾ液を得た。2−ナフトール−3,6−ジスルホン酸二ナトリウム27.5gを水284mlに溶解させ、0〜5℃にてNaOH水溶液でpHを8.0〜9.0に調整しながら先のジアゾ液を滴下した。生じた固形分を濾取、水洗、乾燥して下記構造式(L1)に示す化合物34.1gを得た。
【0100】
【化34】
Figure 0003927001
【0101】
2:金属キレート色素の合成
(参考例1) ニッケルキレート色素の調製
構造式(L1)のアゾ色素3.0gに水45mlを加え、NaOH水溶液でpH10.0に調整し溶解させた。塩化ニッケル(II)6水和物0.72g/水7mlの溶液を15〜25℃で滴下した。反応中、NaOH水溶液でpHを9.0〜10.0に調整した。塩化ナトリウム1.0gを加え固形分を濾取した。得られたウェットケーキに水45mlを加え50〜55℃まで加熱して溶解させ、濾過した。得られた濾液にイソプロピルアルコール130mlを加え、析出物を濾取、乾燥して表−1、No.1−5のニッケルキレート化合物1.1gを得た。
得られたニッケルキレート色素の最大吸収波長(水中)は529.0nmであった。
【0102】
(参考例2) 銅キレート色素の調製
構造式(L1)のアゾ色素10.0gに水300mlを加え、NaOH水溶液でpH10.0に調整し、溶解させた。次に塩化銅(II)2水和物1.73g/水33mlの溶液を滴下した。反応中、NaOH水溶液でpHを9.0〜10.0に調整した。塩化ナトリウム20gを加え、固形分を濾取した。得られたウェットケーキを水に溶解させ、イソプロピルアルコールを加えて、析出物を濾取、乾燥して表−1、No1−6の銅キレート色素5.0gを得た。
得られた銅キレート色素の最大吸収波長(水中)は544.0nmであった。
【0103】
(参考例3〜19) ニッケルキレート色素の調製
参考例1と同様の方法にて表−1のNo.1−9、No.1−10、No.1−14、No.1−15、No.1−34、No.1−36、No.1−38、No.1−44、No.1−45、No.1−46、No.1−48、No.1−51、No.1−52、No.1−53、表−5のNo.5−5、No.5−8、表−6のNo.6−8のニッケルキレート色素を製造した。
【0104】
これらのキレート色素の水中における最大吸収波長を測定した。各々の参考例で調製したキレート色素及びその水中における最大吸収波長を下記の表15に示す。
【0105】
【表43】
Figure 0003927001
【0106】
またNo.1−34のマススペクトルはエレクトロスプレーイオン法によって、磁場型マススペクトル(JEOL社製 JMS−700)で測定した。主ピーク、m/e=791を観測し、これはNo.1−34の金属:アゾ系化合物=1:2錯体(分子量 792 58Ni)と一致した。
【0107】
(参考例20) 銅キレート色素の調製
参考例2と同様の方法にて表−1のNo.1−35の銅キレート色素を製造した。得られた銅キレート色素の最大吸収波長(水中)は549.5nmであった。
【0108】
II.色素の製造(2)
1:アゾ化合物の合成(ジアゾ化カップリング例2)
2−アミノチアゾール硫酸塩2.96gに酢酸40ml、n−プロピオン酸15mlを添加し、−5℃に冷却した。0〜−5℃で撹拌下、ニトロシル硫酸(43.8%)6.4gを添加、撹拌してジアゾ液を得た。2−ナフトール−3,6−ジスルホン酸二ナトリウム7.0gを氷水300mlに溶解した中に先に得たジアゾ液を添加した。5℃以下で20%NaOH水溶液を添加し、pH3に中和、カップリングさせた。塩化ナトリウム40gを添加し、固形分を濾取した。
【0109】
得られたウェットケーキを水に再分散し(容量、200ml)、NaOH水溶液でpHを9.0に調整し、イソプロピルアルコール300mlを加え、析出した色素を濾取、水/イソプロピルアルコール=1/1の混合物で洗浄、乾燥して下記構造式(L2)のアゾ色素7.48gを得た。
【0110】
【化35】
Figure 0003927001
【0111】
2:金属キレート色素の合成
(参考例21) ニッケルキレート色素の調製
構造式(L2)の色素、1.53gに水40mlを加え、NaOH水溶液でpH10.0に調整し溶解させた。次に塩化ニッケル(II)6水和物0.792gの水溶液を滴下した。反応中、酢酸でpHを5.0〜6.0に調整し、撹拌した。原料消失後、イソプロピルアルコール80ml中に反応液を加え、析出色素を濾取、水/イソプロピルアルコール=1/2の混合物で洗浄、乾燥して表−3、No.3−1のニッケルキレート色素1.63gを得た。得られたニッケルキレート色素の最大吸収波長(水中)は545.5nmであった。
【0112】
(参考例22〜29) ニッケルキレート色素の調製
参考例21と同様にして表−2のNo.2−6、表−3のNo.3−12、表−4のNo.4−1、No.4−2、No.4−15、表−5のNo.5−1、No.5−2、No.5−3のニッケルキレート色素を製造した。
得られたニッケルキレート色素の水中における最大吸収波長を測定した。
各々参考例で調製したキレート色素及びその水中における最大吸収波長を下記の表16に示す。
【0113】
【表44】
Figure 0003927001
【0114】
[参考例−II]
記録液の調製
▲1▼記録液(インク−1)の調製
ジエチレングリコール10重量部、ジエチレングリコールモノブチルエーテル3重量部、参考例1で得た前記No.1−5のニッケルキレート色素3.0重量部に水を加え、水酸化ナトリウム水溶液でpHを9に調整して全量を100重量部とした。この組成物を充分に混合して溶解し、孔径1μmのテフロン(登録商標)フィルターで加圧濾過した後、真空ポンプ及び超音波洗浄機で脱気処理して記録液を調製した。記録液のpHは、7.5であった。
【0115】
印字物の彩度評価
得られた記録液を使用し、インクジェットプリンター(商品名PM−750C、セイコーエプソン社製品)を用いて、電子写真用紙(商品名4024紙、ゼロックス社製品)、スーパーファイン専用紙(商品名MJA4SP1、セイコーエプソン社製)、スーパーファイン専用光沢紙(商品名MJA4SP3、セイコーエプソン社製)、専用フォトプリント紙(商品名PMA4SP1、セイコーエプソン社製)に各々インクジェット記録を行い、得られた印字物の彩度を、マクベス濃度計(グレタグマクベスSPM50、マクベス社製)にて測定し、C*値の形で定量化した。ここで、C*値は画像の彩度の高さや低さを表す数値であり、数値が大きいほど、彩度が高いことを意味する。専用フォトプリント紙の場合、上記測定により、C*値は77.6との良好な結果を得た。また下記(a)〜(c)の方法による諸評価を行った。
【0116】
(a)記録画像の耐光性:
キセノンフェードメーター(アトラス社製)を用い、記録紙(印字物)に照射エネルギー150〜160KJ/m2で80時間照射し、その前後の変退色の度合いを、マクベス濃度計(グレタグマクベスSPM50、マクベス社製)にて測定し、△E値の形で定量化した。ここで、△E値は、変退色度合いを表す数値であり、数値が大きければ、変退色度合いが大きく、すなわち、その画像の光堅牢性が低いことを表す。専用フォトプリント紙の場合、上記測定により、△E値は2.0との良好な結果を得た。
【0117】
(b)記録画像の室内変退色性(耐オゾン性):
遮光されたオゾン濃度3ppmの槽内に印字物を湿度50〜60%の環境下で2時間放置し、その前後の変退色の度合いを、マクベス濃度計(グレタグマクベスSPM50、マクベス社製)にて測定し、△E値の形で定量化した。専用フォトプリント紙の場合、上記測定により、△E値は11.0との良好な結果を得た。
(c)記録液の保存安定性:
記録液をテフロン(登録商標)製容器に密閉し、5℃及び60℃で1ケ月間保存した後の変化を調べたところ、不溶物の析出は認められなかった。
【0118】
▲2▼ 記録液の調製
インク−1の調製に用いた色素の代わりに、参考例12、13、14、15で製造したアゾ金属キレート化合物を用い、た以外は同様にして記録液の調製、実印字、印字物の彩度を測定したところ、専用フォトプリント紙の場合、表−9に示すように、良好な結果を得た。また同様に(a)〜(c)の方法による諸評価を行ったところ、専用フォトプリント紙の場合、表17に示すように、いずれも良好な結果が得られた。
【0119】
【表45】
Figure 0003927001
【0120】
[対照例]
市販のインクジェットプリンター(商品名PM−750C、セイコーエプソン社製品)を用いて、インクジェット専用フォトプリント紙(商品名PR−101、キヤノン社製)にインクジェット記録を行った。印字はマゼンタとブラックの2色について、印字濃度をOD値にして1近辺になるようにベタ印字を行った。ここで用いたプリンターでは、マゼンタとシアンの2色のインクがそれぞれ濃色インクと淡色インクのセットになっており、これにブラック、イエローと合わせ、計6色のインクからなるインクセットが純正インクとして用いられている。この純正インクを比較対照インクとする。
【0121】
印字物の評価
印字物の耐光性
キセノンフェードメーター(アトラス社製)を用い、上記記録で得られた印字物にキセノン光を80時間照射し、その前後の変退色の度合いを、グレタグマクベスSPM50にて測定し、△E値とマゼンタのOD残存率との形で定量化した。
ここで、△E値は、画像の総合的な変退色度合いを表す数値であり、数値が大きければ、変退色度合いが大きく、すなわち、その画像の光堅牢性が低いことを表す。
一方マゼンタOD残存率は、画像を構成する色成分のうち、マゼンタの成分の褪色度合いを定量する数値であり、これが100%に近ければ近いほど、マゼンタ成分の褪色度合いが低いすなわちマゼンタ成分が分解を受けていないことを示し、すなわちその画像のマゼンタ成分の光堅牢性が高いことを表す。
【0122】
本対照例において、マゼンタ印字部の印字濃度は1.1のOD値を得た。耐光試験の結果、△Eは15.5、マゼンタOD残存率は69%との結果を得た。一方、ブラック印字部の印字濃度は1.1のOD値を得た。耐光試験の結果、△Eは36.4、マゼンタOD残存率は49%との結果を得た。すなわち、混色部分のマゼンタ成分はマゼンタ単独の印字部分よりも激しく褪色していた。周囲の他色の色素の触媒的な作用によりマゼンタが加速的に褪色してしまう現象、すなわちキャタリティックフェードによるものだと考えられた。
【0123】
実施例
記録液(マゼンタ)の調製
ジエチレングリコール10重量部、ジエチレングリコールモノブチルエーテル3重量部、表1No.1−34のニッケルキレート色素2.4重量部、に水を加え、水酸化ナトリウム水溶液でpHを9に調整して全量を100重量部とした。この組成物を充分に混合して溶解し、孔径1μmのテフロン(登録商標)フィルターで加圧濾過した後、真空ポンプ及び超音波洗浄機で脱気処理して、濃マゼンタ記録液を調製した。同じ色素の量を0.6重量部とした他は同様な操作を行い、淡マゼンタ記録液を調製した。この際、各色素の濃度は、インクの光学濃度(OD値)が、使用したプリンターの純正インクの値に等しくなるように調整した。
【0124】
上記の如く調製した濃、淡マゼンタ記録液を、対照例に示したプリンターに使用されている純正インクの濃、淡マゼンタインクの代わりに用いた他は、上記対照例と同様の条件で印字試験と耐光性評価を行った。その結果、マゼンタ印字部の印字濃度は0.9のOD値を得た。耐光試験の結果、△Eは3.6、マゼンタOD残存率は92%との良好な結果を得た。一方、ブラック印字部の印字濃度は1.1のOD値を得た。耐光試験の結果、△Eは12.1、マゼンタOD残存率は93%との結果を得た。すなわち、イエロー、シアン等他色と重ね打ちされることによって得られているブラックの画像においても、マゼンタの褪色度合いは大きくなく、従前の系に見られたような、混色部において赤味が速やかに失われ、色バランスが狂うという、好ましくない挙動は起きなかった。
【0125】
上記マゼンタ記録液の代わりに、上記参考例−IIの記録液の調製▲1▼及び▲2▼で調製した記録液を使用し、シアン色素としてC.I.Direct Blue 199、イエロー色素として表13に記載の13−3の色素を用いた記録液と組み合わせた場合にも同程度の良好な記録画像が得られることが見込まれる。また、表14に示した色素の組み合わせからなる各記録液を用いても、同様に良好な記録画像が得られる事が見込まれる。
【0126】
【発明の効果】
本発明の色素セット、インクセットあるいは記録方法を用いると、混色部分や淡色部分においても良好な堅牢性を有する印字物が得られ、しかも普通紙・専用紙に記録した場合、鮮明な記録物を得ることができる。

Claims (24)

  1. 少なくとも1種類のマゼンタ色素、少なくとも1種類のイエロー色素、及び少なくとも1種類のシアン色素を含む色素セットにおいて、マゼンタ色素が下記一般式(1)で表されるアゾ系化合物と金属元素とから形成される水溶性モノアゾ金属キレート化合物であることを特徴とする色素セット。
    Figure 0003927001
    (一般式(1)は下記Y 1 以外に分子内に少なくとも1個以上の親水性基を有するモノアゾ系化合物であり、X1は少なくとも1つの5〜7員環の複素環を形成するのに必要な複数個の原子を表すが、X1を含む複素環はピリジン環以外の複素環である。X1を含む複素環は複素環上に置換基を有していてもよく、複素環上の置換基がさらに縮合して縮合環を形成してもよい。X1を含む縮合複素環は置換されていても良い。Ar1は下記一般式(2)〜(4)で表されるナフチル基を表す。Y1はキレート化基を表し、Z1は互いに異なっても良い任意の置換基を表し、aは0〜6の整数を表す。但し、該複素環が2−(4,5−ジシアノ)−イミダゾリル基であってZ 1 がスルホ基の場合、aは1又は2を表し、aが2の場合式(4)の1−ナフチル基では6位に、式(2)〜(3)の2−ナフチル基では5位にスルホ基を有し、aが1の場合式(2)〜(3)の2−ナフチル基では8位にスルホ基を有しない。
    Figure 0003927001
  2. 一般式(1)において、X1 を含む複素環が、イミダゾール環、ピラゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ベンゾチアゾール環、ベンズオキサゾール環、またはベンズイミダゾール環であることを特徴とする請求項1に記載の色素セット。
  3. 一般式(1)において、X1 を含む複素環は1個以上の置換基を有していても良く、複素環上の置換基は各々独立に、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいアリル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリールオキシ基、置換されていてもよいアシルオキシ基、置換されていてもよいアルコキシカルボニル基、置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよいアシル基、カルボキシル基、水酸基、シアノ基、置換されていてもよいアシルアミノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、ホスホノ基、スルホ基、メルカプト基、置換されていてもよいアルキルチオ基、置換されていてもよいアルキルスルホキシ基、置換されていてもよいアルキルスルホニル基、及びチオシアナト基から選ばれる基であることを特徴とする請求項1又は2に記載の色素セット。
  4. 前記一般式(2)〜(4)において、Y1 は、水酸基、カルボキシル基、置換されていてもよいアミノ基、スルホ基、カルバモイル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルキルチオ基、置換されていてもよいアルキルスルホニルアミノ基、または置換されていても良いアリールスルホニルアミノ基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の色素セット。
  5. 前記一般式(2)〜(4)において、Z1 は各々独立に、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリールオキシ基、置換されていてもよいアシルオキシ基、置換されていてもよいアルコキシカルボニル基、置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基、カルボキシル基、置換されていてもよいカルバモイル基、水酸基、置換されていてもよいアミノ基、ウレイド基、置換されていてもよいアシルアミノ基、置換されていてもよいアルキルスルホニルアミノ基、置換されていてもよいアリールスルホニルアミノ基、ホスホノ基、スルホ基、及び置換されていてもよいスルファモイル基から選ばれる基であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の色素セット。
  6. 一般式(1)において、X1 を含む複素環が下記一般式(5)で表されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の色素セット。
    Figure 0003927001
    (式中、R1 は互いに異なっていても良く、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリールオキシ基、置換されていてもよいアシルオキシ基、置換されていてもよいアルコキシカルボニル基、置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基、カルボキシル基、置換されていてもよいカルバモイル基、水酸基、置換されていてもよいアシル基、シアノ基、置換されていてもよいアシルアミノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホ基、メルカプト基、置換されていてもよいアルキルチオ基、及びチオシアナト基から選ばれる基であり、R1 はさらにイミダゾール環とともに縮合環を形成していても良い。cは0〜2の整数を表す。R2 は水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、または置換されていてもよいアリル基を表す。)
  7. 一般式(5)が、下記一般式(5′)であることを特徴とする請求項6に記載の色素セット。
    Figure 0003927001
    (式中、R2′は水素原子または置換されていてもよいアルキル基を表す)
  8. Ar1が下記一般式(5’’)で表されることを特徴とする請求項7に記載の色素セット
    Figure 0003927001
    (式中、R2’’はスルホ基、および置換されていてもよいスルファモイル基を表す)
  9. 一般式(1)において、X1 を含む複素環が下記一般式(6)で表されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の色素セット。
    Figure 0003927001
    (式中、R3 は互いに異なっていても良く、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいアルコキシカルボニル基、置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基、カルボキシル基、置換されていてもよいカルバモイル基、水酸基、シアノ基、またはスルホ基を表す。dは0〜2の整数を表す。R4 は水素原子、置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいアリール基を表す。)
  10. 一般式(1)において、X1 を含む複素環が、下記一般式(7)で表されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の色素セット。
    Figure 0003927001
    (式中、R5 は互いに異なっていても良く、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリールオキシ基、置換されていてもよいアシルオキシ基、置換されていてもよいアルコキシカルボニル基、置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基、カルボキシル基、水酸基、置換されていてもよいアシル基、シアノ基、置換されていてもよいアシルアミノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホ基、置換されていてもよいアルキルチオ基、または置換されていてもよいアリールチオ基を表し、R5 はさらにチアゾール環とともに縮合環を形成していても良い。eは0〜2の整数を表す。)
  11. 一般式(1)において、X1 を含む複素環が、下記一般式(8)で表されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の色素セット。
    Figure 0003927001
    (式中、R6 は水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、メルカプト基、置換されていてもよいアルキルチオ基、置換されていてもよいアルキルスルホキシ基、または置換されていてもよいアルキルスルホニル基を表す。)
  12. 水溶性アゾ金属キレート化合物はニッケル、銅またはコバルトから選ばれる金属元素から形成される水溶性アゾ金属キレート化合物であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の色素セット。
  13. イエロー色素は、下記一般式(9)〜(12)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種類のアゾ化合物のイエロー色素を含むことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の色素セット。
    Figure 0003927001
    (式中RY1は、水素原子、ハロゲン原子、または任意の置換基を表し、複数のRY1は各々異なっていても同一でも良く、nは1又は2を表す。)
    Figure 0003927001
    (式中RY2は、水素原子、ハロゲン原子、または任意の置換基を表し、複数のRY2は各々異なっていても同一でも良く、nは1又は2を表す。)
    Figure 0003927001
    (式中RY3は、水素原子、ハロゲン原子、または任意の置換基を表し、複数のRY3は各々異なっていても同一でも良い。)
    Figure 0003927001
    (式中RY4は、水素原子、ハロゲン原子、または任意の置換基を表し、複数のRY4は各々異なっていても同一でも良い。)
  14. 一般式(9)〜(12)の各式においてRY1〜RY4の少なくともひとつが、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、スルファモイル基、置換されていても良いスルホニル基、置換されていても良いカルボニル基、置換されていても良いトリアジニル基、置換されていても良いC1〜C4アルキル基、置換されていても良いC1〜C4アルコキシ基、置換されていても良いフェニル基、置換されていても良いアミノ基のうちの何れかであることを特徴とする請求項13に記載の色素セット。
  15. シアン色素は、下記一般式(13)〜(14)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種類のシアン色素を含むことを特徴とする、請求項1〜14のいずれかに記載の色素セット。
    Figure 0003927001
    (式中RC1は、水素原子、ハロゲン原子、または任意の置換基を表し、複数のRC1は各々異なっていても同一でも良く、Mは金属原子を表す。)
    Figure 0003927001
    (式中RC2は、水素原子、ハロゲン原子、または任意の置換基を表し、複数のRC2は各々異なっていても同一でも良い。)
  16. 一般式(13)〜(14)の各式においてRC1、RC2の少なくともひとつが、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、スルファモイル基、置換されていても良いスルホニル基、置換されていても良いカルボニル基、置換されていても良いトリアジニル基、置換されていても良いC1〜C4アルキル基、置換されていても良いC1〜C4アルコキシ基、置換されていても良いフェニル基、置換されていても良いアミノ基のうちの何れかであることを特徴とする請求項15に記載の色素セット。
  17. 色素ユニットとして、更に少なくとも1種類のブラック色素を含むことを特徴とする請求項1〜16に記載の色素セット。
  18. ブラック色素は、少なくともカーボンブラックを含むことを特徴とする請求項17記載の色素セット。
  19. ブラック色素が下記一般式(15)〜(16)で表され、分子内に少なくとも1個以上の親水性基を有する化合物である少なくとも1種類のブラック色素を含むことを特徴とする請求項17又は18に記載の色素セット。
    Figure 0003927001
    (式中、B、C及びDは、各々独立に芳香環を表し、更に任意の置換基を有していても良い。mは0〜1、nは0〜3、pは0〜2、qは0〜4の整数を表す。Bが複数存在する場合、各々のBは同一であっても異なっていても良い。RB1及びRB2は各々独立に水素原子又は任意の置換基を表す。)
    Figure 0003927001
    (式中、B’C’及びD’は、各々独立に芳香環を表し、更に任意の置換基を有していても良い。m’は0〜1、n’は0〜3、p’は0〜2、q’は0〜4の整数を表す。B’が複数存在する場合、各々のB’は同一であっても異なっていても良い。RB1及びRB2は各々独立に水素原子又は任意の置換基を表す。Mは3座以上の配位をとることもでき、その場合、Mは一般式(16)中の任意の置換基もしくは結合部分から、又は任意の配位子により、任意の配位子対金属の比率で配位していても良い。Bが複数存在する場合におけるアゾ基をはさんで隣り合うB同士、又はB’とC’に、−O−M−O−の形で金属イオンが更に配位していても良い。)
  20. 一般式(15)〜(16)の各式においてRB1及びRB2の少なくともひとつが、水素原子、置換されていても良いスルホニル基、置換されていても良いカルボニル基、置換されていても良いトリアジニル基、置換されていても良いC1〜C4アルキル基、置換されていても良いC1〜C4アルコキシ基、置換されていても良いフェニル基のうちの何れかであることを特徴とする請求項19に記載の色素セット。
  21. 水溶性アゾ金属金属キレートのマゼンタ色素は、更に、一般式(1)で表されるアゾ系色素を併有することを特徴とする請求項1〜20に記載の色素セット。
  22. 請求項1〜21のいずれかひとつに記載の色素セットにおける各色素ユニットのイエロー色素、マゼンタ色素、シアン色素、及び場合によりブラック色素を、個別に含有する各インクから構成されることを特徴とするインクセット。
  23. イエロー色素、マゼンタ色素及びシアン色素の各インクを含むインクセットにおいて、各インクの少なくとも一つが濃色インクと淡色インクの組合せからなる場合、マゼンタ色素の淡色インクに、請求項1〜12及び21のいずれかに記載のマゼンタ色素が含まれていることを特徴とする、請求項22に記載のインクセット。
  24. 請求項22又は23に記載のインクセットを用いることを特徴とするインクジェット記録方法。
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