JP3926941B2 - 風呂装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、風呂の湯水の追い焚きを行うことができる風呂装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4には給湯機能付き風呂装置の一例が模式的に示されている。この給湯機能付き風呂装置(器具)は、同図に示すように、給湯熱交換器1と追い焚き熱交換器2を有し、上記給湯熱交換器1の入側には水供給源から水を給湯熱交換器1に導くための給水通路3が接続され、給湯熱交換器1の出側には該給湯熱交換器1から流れ出た湯水をシャワー等の給湯場所に導くための給湯通路4が接続されている。上記給水通路3には該給水通路3の通水流量を検出する水量センサ20が介設されている。
【0003】
上記追い焚き熱交換器2の一端側には往管5の一端側が接続され、往管5の他端側は浴槽6に連通接続されている。また、追い焚き熱交換器2の他端側には通路7の一端側が接続され、この通路7の他端側は循環ポンプ8の吐出口に接続されている。循環ポンプ8の吸入口には戻り管10の一端側が接続され、戻り管10の他端側は前記浴槽6に連通接続されている。上記往管5と追い焚き熱交換器2と通路7と循環ポンプ8と戻り管10によって浴槽6の湯水を循環ポンプ8の駆動により循環させるための追い焚き循環通路11が構成されており、この追い焚き循環通路11の循環湯水流を検出する水流スイッチ24が戻り管10に介設されている。
【0004】
上記追い焚き循環通路11の通路7と給湯通路4とを連通接続する注湯通路12が設けられており、この注湯通路12には該通路の開閉を行う電磁弁等の湯張り制御弁13が介設されている。
【0005】
また、上記給湯熱交換器1を燃焼加熱する給湯バーナ15と、追い焚き熱交換器2を燃焼加熱する追い焚きバーナ16とが設けられており、上記各バーナ15,16には燃料ガス供給源に連通された通路(図示せず)から分岐されたガス供給通路17,18がそれぞれ接続されている。上記循環ポンプ8を含む追い焚き循環通路11と追い焚きバーナ16とによって風呂の湯水を追い焚き加熱する加熱手段が構成されている。
【0006】
この給湯機能付き風呂装置には給湯運転や湯張り運転や追い焚き運転等の器具運転を制御する制御装置25が設けられており、この制御装置25には指令部26が信号接続されている。この指令部26には、図3の(a)に示すように、湯張り運転の開始・停止の指令を発するための湯張りボタン27や、追い焚き運転の開始・停止の指令を発するための追い焚き指令手動操作部であるわかすボタン28や、追い焚きの加熱時間や湯張りの湯量等を可変設定するためのアップボタン30およびダウンボタン31や、各種情報を表示するための表示部32等が設けられている。
【0007】
図4に示す給湯機能付き風呂装置は上記のように構成されている。この図4に示す給湯機能付き風呂装置は、風呂の湯温を検出するセンサが設けられていない簡易型の風呂装置であり、制御装置25によって次に示すように器具運転が制御される。
【0008】
例えば、上記制御装置25は、水量センサ20等の様々なセンサ出力の情報や、上記指令部26の情報を時々刻々と取り込んでおり、これら取り込んだ情報に基づき、シャワー等の給湯場所に導かれた給湯通路4の給湯栓(図示せず)が開栓され、給水通路3の通水が水量センサ20によって検出されたことを検知すると、給湯運転による給湯バーナ15の燃焼を開始し、その給湯バーナ15の燃焼火炎の熱によって給湯熱交換器1の通水を加熱して湯を作り出し該湯を給湯通路4を通して所望の給湯場所に給湯する。この給湯運転中には、例えば、上記指令部26の表示部32に、図3の(b)に示すような給湯運転中であることを知らせる給湯燃焼マーク33を表示させる。そして、上記給湯栓が閉栓され、水量センサ20によって給水通路3の通水停止を検知すると、給湯バーナ15の燃焼を停止して、次の給湯運転に備える。
【0009】
また、制御装置25は湯張り運転を次のように制御する。例えば、指令部26の湯張りボタン27が押されて湯張り運転の開始指令が発せられたことを検知すると、湯張り制御弁13を開弁し、この湯張り制御弁13の開弁による給水通路3の通水が水量センサ20によって検知されると、上記給湯運転と同様に給湯バーナ15を燃焼させて給湯熱交換器1で湯を作り出し、この湯を給湯通路4と注湯通路12と追い焚き循環通路11とを順に介して浴槽6に注湯する。そして、湯張り運転を開始してからの注湯湯量が予め定められた目標注湯湯量(例えば、180リットル)に達したときに、上記湯張り制御弁13を閉弁して湯張り運転を終了する。上記湯張り運転中には、指令部26の表示部32に、図3の(c)に示すような湯張り用の表示形態でもって湯張り運転中であることを表示させると共に、目標の注湯湯量を表示させる。
【0010】
上記のように、表示部32が湯張り用の表示状態であるときには、上記アップボタン30が押される毎に、目標注湯湯量を予め定めた単位湯量ずつ(例えば、20リットルずつ)段階的に増加する方向に可変させ、また、ダウンボタン31が押される毎に、目標注湯湯量を予め定められた単位湯量ずつ(例えば、20リットルずつ)減少する方向に可変させる。このように、目標注湯湯量が可変された以降には、制御装置25は可変後の目標注湯湯量に基づいて上記の如く湯張り運転を制御する。
【0011】
さらに、制御装置25は追い焚き運転を次のように制御する。例えば、上記指令部26のわかすボタン28が押され追い焚き加熱の開始指令が発せられたことを検知すると、循環ポンプ8を駆動し、該循環ポンプ8の駆動による追い焚き循環通路11の循環水流が水流スイッチ24により検出されていることを確認して追い焚きバーナ16の燃焼を開始させ、該追い焚きバーナ16の燃焼火炎の熱によって追い焚き熱交換器2を流れる循環湯水を加熱する追い焚き加熱を開始させる。
【0012】
この追い焚き加熱中には、指令部26の表示部32に、図3の(d)に示すような追い焚き用の表示形態でもって、追い焚き加熱中であることを表示させると共に、目標加熱時間を表示させる。この目標加熱時間は、追い焚き加熱を停止するまでの目標の加熱時間であり、表示部32が上記追い焚き用の表示形態であるときには、上記アップボタン30が押される度に、上記目標加熱時間を予め定めた単位時間ずつ(例えば、5分ずつ)段階的に増加する方向に可変させ、また、ダウンボタン31が押される度に、上記目標加熱時間を予め定めた単位時間ずつ(例えば、5分ずつ)段階的に減少する方向に可変させる。
【0013】
図4に示す給湯機能付き風呂装置は、前述したように、風呂の温度を検出するセンサが設けられていない簡易型の風呂装置であることから、風呂の湯温が入浴に適した湯温まで上昇するのに必要であると想定される追い焚きの加熱時間を器具の利用者が上記アップボタン30やダウンボタン31を利用して可変設定することとなっており、追い焚き加熱が開始されてから上記設定された目標加熱時間を経過したときに、追い焚き加熱を自動的に終了させる構成を有している。また、追い焚き加熱中に、上記わかすボタン28が押され追い焚きの終了指令が手動により発せられたときに、追い焚き加熱を終了させる構成も備えている。
【0014】
上記のように、わかすボタン28は追い焚き加熱の開始指令を発する機能と、追い焚き加熱の終了指令を手動により発する機能とを兼用するものであり、また、アップボタン30およびダウンボタン31は、湯張り運転中に目標注湯湯量を手動により可変設定するための操作部の機能と、追い焚き加熱中に目標加熱時間を手動により可変設定するための加熱時間手動操作部の機能とを兼用する構成であり、指令部26に設けられる操作部の数を削減した構成となっている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前回の追い焚きの加熱時間を記憶する記憶手段が設けられている風呂装置があり、このような風呂装置には、例えば、指令部26のわかすボタン28が押されると、追い焚き加熱を開始すると共に、上記記憶されている前回の追い焚きの加熱時間が読み出され該読み出された加熱時間を目標加熱時間として自動的に設定する構成を備えたものがある。
【0016】
このような構成を備えた風呂装置では、例えば、前記わかすボタン28が誤って押されて追い焚き加熱が開始された場合に、そのわかすボタン28の誤操作による追い焚き加熱を器具の利用者が気付かないときには、前回の加熱時間を経過するまで追い焚き加熱が継続するので、浴槽6内の湯水の湯温が非常に高温となり、危険であるというわかすボタン28の誤操作に起因した風呂湯温高温上昇問題が発生する虞があった。
【0017】
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、誤操作に起因した風呂湯温高温上昇問題を防止することができ、安全性を高めた風呂装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は次に示すような構成をもって前記課題を解決する手段としている。すなわち、第1の発明は、風呂の湯水を追い焚き加熱する加熱手段と、追い焚き加熱の開始指令を手動によって発するための追い焚き指令手動操作部と、追い焚きの目標加熱時間を設定する目標加熱時間設定部とが設けられている風呂装置であって、データを保持する記憶部が設けられ、該記憶部には追い焚きの安全サイドの加熱時間のデータが安全機能用加熱時間として記憶されており、上記追い焚き指令手動操作部が操作され追い焚き加熱が開始されてから上記記憶部に保持されている安全機能用加熱時間を経過するまでの間に上記目標加熱時間設定部によって目標加熱時間が設定された場合には、この設定された目標加熱時間が経過するまで追い焚き加熱を継続させる追い焚き加熱制御部が設けられており、また、追い焚き加熱が開始されてから上記安全機能用加熱時間を経過するまでの間に上記目標加熱時間が設定されなかった場合には加熱手段による追い焚き加熱を終了させる追い焚き加熱安全制御部が設けられている構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0019】
第2の発明は、上記第1の発明の構成を備え、記憶部は、記憶されたデータを保持するのに電力が不要である不揮発性記憶部により構成されている構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0020】
第3の発明は、上記第1又は第2の発明の構成を備え、前回の追い焚きの加熱時間を記憶する加熱時間記憶部と、該加熱時間記憶部に記憶されている加熱時間の読み出し指令を手動により発するための記憶値読み出し指令手動操作部とが設けられており、目標加熱時間設定部は、追い焚き加熱が開始された以降の予め定められた記憶値読み出し可能期間中に上記記憶値読み出し指令手動操作部が操作されたときには、上記加熱時間記憶部に記憶されている加熱時間を読み出し、該読み出した加熱時間を目標加熱時間として設定する構成と成している構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0021】
第4の発明は、上記第3の発明の構成を備え、加熱時間を手動により可変設定するための加熱時間手動可変操作部が設けられ、また、記憶部に保持されている安全機能用加熱時間よりも短い待機時間が予め与えられ、追い焚き加熱が開始されてから上記待機時間を経過するまでの間が記憶値読み出し可能期間として定められており、目標加熱時間設定部は、上記記憶値読み出し可能期間中に加熱時間記憶部に記憶されている加熱時間が目標加熱時間として設定されず、上記記憶値読み出し可能期間が終了してから安全機能用加熱時間に達するまでの間に上記加熱時間手動可変操作部によって加熱時間が可変設定されたときには、その可変設定された加熱時間を目標加熱時間として設定する構成と成している構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0022】
第5の発明は、上記第3の発明の構成を備え、追い焚き加熱が開始されてから記憶部に保持されている安全機能用加熱時間に達するまでの間を記憶値読み出し可能期間とした構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0023】
第6の発明は、上記第1又は第2の発明の構成を備え、加熱時間を手動により可変設定するための加熱時間手動可変操作部が設けられており、目標加熱時間設定部は、追い焚き加熱が開始されてから安全機能用加熱時間に達するまでの間に上記加熱時間手動可変操作部によって加熱時間が可変設定されたときには、その可変設定された加熱時間を目標加熱時間として設定する構成と成している構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0024】
第7の発明は、風呂の湯水を追い焚き加熱する加熱手段と、追い焚き加熱の開始指令を手動によって発するための追い焚き指令手動操作部と、前回の追い焚き加熱の加熱時間を記憶する加熱時間記憶部と、該加熱時間記憶部に記憶されている加熱時間の読み出し指令を手動により発するための記憶値読み出し指令手動操作部とが設けられている風呂装置であって、上記追い焚き指令手動操作部が操作され追い焚き加熱の開始指令が発せられても、追い焚き加熱を開始させず追い焚き加熱に備えて待機させる追い焚き加熱待機制御部と、上記追い焚き指令手動操作部が操作されてから予め与えられた待機終了時間が経過するまでの追い焚き待機期間中に、上記記憶値読み出し指令手動操作部が操作されたときには上記加熱時間記憶部に記憶されている加熱時間を読み出し該読み出した加熱時間を目標加熱時間として設定すると共に追い焚き加熱を開始させ、追い焚き加熱を開始してから上記目標加熱時間が経過したときに追い焚き加熱を終了する追い焚き加熱制御部と、上記追い焚き指令手動操作部が操作されてから上記待機終了時間を経過したのにも拘わらず、上記記憶値読み出し指令手動操作部が操作されなかったときには上記追い焚き加熱待機制御部による追い焚き加熱待機状態を解除させる追い焚き加熱安全制御部とが設けられている構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0025】
第8の発明は、上記第3又は第4又は第5又は第7の発明の構成を備え、追い焚き指令手動操作部は記憶値読み出し指令手動操作部としての機能を兼用する構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0026】
第9の発明は、上記第3又は第4又は第5又は第7の発明の構成を備え、加熱時間を手動により可変設定するための加熱時間手動可変操作部を備え、該加熱時間手動可変操作部は記憶値読み出し指令手動操作部としての機能を兼用する構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0027】
第10の発明は、上記第1〜第9の発明の何れか1つの発明の構成を備え、加熱時間を手動により可変設定するための加熱時間手動可変操作部を備え、目標加熱時間が設定された以降に上記加熱時間手動可変操作部による加熱時間の可変設定を受け付ける構成と成し、追い焚き加熱制御部は、目標加熱時間が設定された以降に上記加熱時間手動可変操作部によって加熱時間が可変設定されたときには、目標加熱時間を上記可変設定後の加熱時間に置き換えて追い焚き加熱を制御する構成と成している構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0028】
上記構成の発明において、例えば、追い焚き加熱制御部は、追い焚き指令手動操作部が操作されて追い焚き加熱の開始指令が発せられたときには、加熱手段による追い焚き加熱を開始させる。そして、追い焚き加熱が開始されてから記憶部に保持されている安全機能用加熱時間を経過するまでの間に、目標加熱時間設定部によって目標加熱時間が設定されたときには、追い焚き加熱制御部は、追い焚き加熱が開始されてから上記目標加熱時間を経過するまで、追い焚き加熱を継続させる。
【0029】
また、追い焚き加熱が開始されてから上記安全機能用加熱時間を経過しても目標加熱時間が設定されなかった場合には、追い焚き加熱安全制御部が、加熱手段による追い焚き加熱を終了させる。
【0030】
上記目標加熱時間設定部は手動操作を利用して目標加熱時間を設定する構成とし、また、上記安全機能用加熱時間は追い焚き加熱によって風呂の湯水温度が高温に上昇するのを抑制することができる短い時間とすることによって、追い焚き指令手動操作部が誤って操作され追い焚き加熱が開始されてしまってから上記安全機能用加熱時間を経過するまでの短時間の間に、上記目標加熱時間設定部によって目標加熱時間が設定されることは殆ど無く、このことから、追い焚き指令手動操作部が誤操作され、器具の利用者が気付かないうちに追い焚き加熱が開始されていても、上記追い焚き加熱安全制御部によって、風呂の湯温が高温に上昇する前に、追い焚き加熱は自動的に終了することとなり、前記追い焚き指令手動操作部の誤操作に起因した風呂湯温高温上昇問題を防止することができ、前記課題が解決される。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明に係る実施形態例を図面に基づき説明する。
【0032】
第1の実施形態例の風呂装置は前記図4に示す風呂装置のシステム構成を有し、特徴的なことは、図1に示すような制御構成を備えていることである。なお、この第1の実施形態例の説明において、図4に示す風呂装置のシステム構成の説明は前述したので、その重複説明は省略する。
【0033】
この第1の実施形態例において特徴的な制御構成は、図1に示すように、加熱時間記憶部35と加熱時間データ更新部36と記憶部である不揮発性記憶部37と目標加熱時間設定部38と時間計測手段39とサンプリング部40と追い焚き加熱制御部41と追い焚き加熱安全制御部42とを有して構成されている。
【0034】
不揮発性記憶部37はデータを保持するのに電力が不要なものであり、この不揮発性記憶部37には予め定められた次に示す安全機能用加熱時間Takが保持されている。上記安全機能用加熱時間Takは、追い焚き加熱によって浴槽6の湯水湯温が大幅に上昇するのを防止することができる追い焚きの加熱時間であり、この第1の実施形態例では、追い焚き加熱による風呂湯水の湯温上昇幅が予め定めた値(例えば5deg)以下に抑制できる加熱時間が実験や演算等によって求められ、この求めた加熱時間が安全機能用加熱時間Takとして上記不揮発性記憶部37に格納されている。
【0035】
加熱時間記憶部35はデータの書き込み・消去が自在の記憶部であり、前回の追い焚きの加熱時間を記憶している。
【0036】
上記サンプリング部40は予め定められた時間間隔毎に(例えば、1秒毎に)指令部26の情報を取り込む構成を備えている。
【0037】
追い焚き加熱制御部41は上記サンプリング部40のサンプリング情報を時々刻々と取り込み、該取り込んだサンプリング情報に基づき、指令部26のわかすボタン28が操作されて追い焚き加熱の開始指令が発せられたことを検知したときには、前述したように循環ポンプ8を駆動させ追い焚きバーナ16の燃焼を開始させて追い焚き加熱を開始させると同時に、計測開始指令を時間計測手段39に発する。時間計測手段39は上記計測開始指令を受け取ると、追い焚き加熱が開始されてからの経過時間の計測を開始する。
【0038】
目標加熱時間設定部38はサンプリング部40によって取り込まれた指令部26の情報や、追い焚き加熱制御部41の動作情報や、時間計測手段39の計測時間の情報を時々刻々と取り込み、それら情報に基づき追い焚きの目標加熱時間を予め与えられた制御手順に従って設定する構成を備えており、この第1の実施形態例では、次に示す第1〜第4の制御手順のうちの何れか1つが与えられる。
【0039】
第1の制御手順では、わかすボタン28が操作されて上記追い焚き加熱制御部41により追い焚き加熱が開始されてから前記不揮発性記憶部37に保持されている安全機能用加熱時間Takに達するまでの間に、アップボタン30やダウンボタン31が手動により操作されて加熱時間が可変設定されたときには、その設定された加熱時間を目標加熱時間として設定する。
【0040】
この場合には、加熱時間の初期値として例えば5分という短い時間が予め与えられており、例えば、器具の利用者はアップボタン30を1回押して加熱時間を上記初期値である5分に設定し、さらに、アップボタン30を押して加熱時間を10分に可変し、また、加熱時間が長過ぎるときにはダウンボタン31を押して加熱時間を減少可変するというように、アップボタン30やダウンボタン31を利用して器具の利用者が予め定められた時間間隔で加熱時間を段階的に可変させて所望の加熱時間を設定し、該加熱時間が目標加熱時間として設定されることとなる。例えば、アップボタン30を1回押す度に加熱時間が5分ずつ増加する構成である場合に器具利用者が要求する加熱時間が20分であるときには、器具利用者はアップボタン30を少なくとも4回押す必要がある。
【0041】
第2の制御手順では、追い焚き加熱が開始されてから予め定められた待機時間Ttl(例えば、1分)を経過するまでの間が記憶値読み出し可能期間として定められており、わかすボタン28が操作されて上記追い焚き加熱制御部41により追い焚き加熱が開始された以降の上記記憶値読み出し可能期間中に、わかすボタン28が再度操作されたときには、前記加熱時間記憶部35に記憶されている加熱時間の読み出し指令が発せられたと判断し、加熱時間記憶部35から加熱時間を読み出し、該読み出した加熱時間を目標加熱時間として設定する。
【0042】
また、上記記憶値読み出し可能期間中にわかすボタン28が操作されず、上記記憶値読み出し可能期間が終了してから前記不揮発性記憶部37に保持されている安全機能用加熱時間Takに達するまでの間に、アップボタン30やダウンボタン31が手動により操作されて加熱時間が可変設定されたときには、その設定された加熱時間を目標加熱時間として設定する。
【0043】
上記第2の制御手順では、わかすボタン28は追い焚き指令を手動により発するための追い焚き指令手動操作部の機能に加えて、加熱時間記憶部35に記憶されている加熱時間の読み出し指令を手動により発するための記憶値読み出し指令手動操作部の機能を兼用する構成と成している。
【0044】
第3の制御手順では、上記第2の制御手順とほぼ同様であるが、加熱時間手動可変操作部であるアップボタン30およびダウンボタン31が記憶値読み出し指令手動操作部の機能を兼用する構成と成している。つまり、追い焚き加熱が開始されてから予め定められた待機時間Ttl(例えば、1分)を経過するまでの間が記憶値読み出し可能期間として定められており、追い焚き加熱が開始された以降の上記記憶値読み出し可能期間中に、アップボタン30とダウンボタン31の何れか一方が操作されたときには、前記加熱時間記憶部35から加熱時間の情報を読み出し該読み出した加熱時間を目標加熱時間として設定する。
【0045】
また、上記記憶値読み出し可能期間中にアップボタン30とダウンボタン31の何れも操作されず、上記記憶値読み出し可能期間が終了してから前記不揮発性記憶部37に保持されている安全機能用加熱時間Takに達するまでの間に、アップボタン30やダウンボタン31が手動により操作されて加熱時間が可変設定されたときには、その設定された加熱時間を目標加熱時間として設定する。
【0046】
第4の制御手順では、追い焚き加熱が開始されてから前記不揮発性記憶部37に保持されている安全機能用加熱時間Takが経過するまでの間が記憶値読み出し可能期間として予め定められており、追い焚き加熱が開始された以降の上記記憶値読み出し可能期間中に、わかすボタン28とアップボタン30とダウンボタン31のうちの予め定められたボタンが操作されたときには、前記加熱時間記憶部35から加熱時間の情報を読み出し該読み出した加熱時間を目標加熱時間として設定する。
【0047】
この第4の制御手順では、わかすボタン28を押すことによって加熱時間記憶部35の加熱時間が目標加熱時間として設定される場合には、上記わかすボタン28は前記追い焚き指令手動操作部の機能と、記憶値読み出し指令手動操作部の機能とを兼用する構成と成し、また、アップボタン30を押すことによって加熱時間記憶部35の加熱時間が目標加熱時間として設定される場合には、そのアップボタン30は加熱時間手動可変操作部の機能と、記憶値読み出し指令手動操作部の機能とを兼用する構成と成し、さらに、ダウンボタン31を押すことによって加熱時間記憶部35の加熱時間が目標加熱時間として設定される場合には、そのダウンボタン31は加熱時間手動可変操作部の機能と、記憶値読み出し指令手動操作部の機能とを兼用する構成と成している。
【0048】
目標加熱時間設定部38は上記第1〜第4の制御手順のうちの何れか1つの制御手順が与えられており、その与えられた制御手順に従って目標加熱時間を設定した場合には、その目標加熱時間の情報を前記追い焚き加熱制御部41に出力すると共に、目標加熱時間が設定されたことを知らせる信号を追い焚き加熱安全制御部42に出力する。
【0049】
なお、上記目標加熱時間設定部38によって目標加熱時間が設定されると、その目標加熱時間は指令部26の表示部32に図3の(d)に示す如く表示される。
【0050】
追い焚き加熱制御部41は上記目標加熱時間の情報が目標加熱時間設定部38から加えられた以降の追い焚き加熱中には、前記時間計測手段39から取り込んだ計測時間を上記目標加熱時間に比較し、時間計測手段39の計測時間が目標加熱時間に達したか否かを判断し、この比較判断の結果、時間計測手段39の計測時間が目標加熱時間に達したと判断したときに、追い焚き加熱を自動的に終了させる。
【0051】
ところで、この第1の実施形態例では、上記目標加熱時間設定部38によって上記の如く目標加熱時間が設定された以降の追い焚き加熱中に、目標加熱時間の変更を受け付ける構成と成している。例えば、目標加熱時間設定部38は上記の如く目標加熱時間を設定した以降の追い焚き加熱中に、指令部26のアップボタン30が操作されたときには、目標加熱時間を増加させる方向に可変させ、また、ダウンボタン31が操作されたときには目標加熱時間を減少させる方向に可変させて目標加熱時間を変更する。このように、目標加熱時間が変更されたときには、上記追い焚き加熱制御部41は変更前の目標加熱時間を上記変更後の目標加熱時間に置き換えて上記追い焚き加熱制御を行う。
【0052】
追い焚き加熱安全制御部42は、上記追い焚き加熱制御部41の動作情報を取り込み該動作情報に基づき追い焚き加熱が開始されたことを検知した以降には、上記時間計測手段39の計測時間の情報を時々刻々と取り込み、この時間計測手段39の計測時間を上記不揮発性記憶部37の安全機能用加熱時間Takに比較し、上記時間計測手段39の計測時間が安全機能用加熱時間Takに達したか否かを判断する。
【0053】
この追い焚き加熱安全制御部42は上記比較判断により、時間計測手段39の計測時間が安全機能用加熱時間Takに達していないとの判断結果が出ている間、つまり、追い焚き加熱が開始されてから安全機能用加熱時間Takを経過するまでの間に、前記目標加熱時間設定部38から目標加熱時間が設定されたことを知らせる信号が加えられたときには、上記時間計測手段39の計測時間の取り込み動作およびその計測時間と安全機能用加熱時間Takとの比較判断動作とを終了する。
【0054】
また、追い焚き加熱安全制御部42は上記時間計測手段39の計測時間と安全機能用加熱時間Takとの比較の結果、上記計測時間が安全機能用加熱時間Takに達したと判断したのにも拘わらず、前記目標加熱時間が設定されたことを知らせる信号が目標加熱時間設定部38から加えられなかったときには、わかすボタン28は誤って操作されたものであると推定され、器具の利用者が要求していないのに風呂の追い焚き加熱が開始された虞があると判断し、前記わかすボタン28の誤操作に起因した風呂湯温高温上昇問題を回避するために追い焚き加熱を終了させる必要があると判断し、追い焚き加熱制御部41に追い焚き終了信号を出力する。追い焚き加熱制御部41は上記追い焚き終了信号を受けると、追い焚き加熱を終了させる。
【0055】
加熱時間データ更新部36は追い焚きの加熱時間の情報を前記加熱時間記憶部35の加熱時間に上書き格納する構成を備えており、例えば、上記目標加熱時間設定部38の動作情報を時々刻々と取り込み、目標加熱時間が設定される度に、その設定された目標加熱時間のデータを前記加熱時間記憶部35の加熱時間に上書き格納する。
【0056】
この第1の実施形態例によれば、わかすボタン28が操作されて追い焚き加熱が開始されてから予め定めた安全機能用加熱時間Takを経過するまでの間に、わかすボタン28とアップボタン30とダウンボタン31のうちの少なくとも1つを利用した手動操作によって上記目標加熱時間が設定されなかったときには、追い焚き加熱を自動的に終了させる構成を備え、わかすボタン28が誤って操作されて追い焚き加熱が開始されてから上記安全機能用加熱時間Takを経過するまでの間に、気付かないうちにわかすボタン28とアップボタン30とダウンボタン31のうちの予め定めたボタン操作が行われて目標加熱時間が設定されることは殆ど無いことから、わかすボタン28が誤って操作されて器具の利用者が要求していないのに追い焚き加熱が開始されたときには、安全機能用加熱時間Takを経過したときに追い焚き加熱が自動的に終了することとなり、前記わかすボタン28の誤操作に起因した風呂湯温高温上昇問題を防止することができ、安全性を高めた風呂装置を提供することができる。
【0057】
また、前記目標加熱時間設定部38に第1の制御手順が与えられている場合には、つまり、追い焚き加熱が開始されてから安全機能用加熱時間Takを経過するまでの間に、アップボタン30やダウンボタン31の手動操作により可変設定された加熱時間を目標加熱時間として設定する場合には、風呂が冷めている状態から追い焚き加熱をして風呂を沸かし直しする際には目標加熱時間が長い時間であることから前記アップボタン30やダウンボタン31を複数回操作して予め定められた初期値から目標加熱時間まで追い焚きの加熱時間を増加する方向に可変させなければならず、目標加熱時間の手動設定がやや面倒であるけれども、わかすボタン28が誤操作され追い焚き加熱が開始された後に、仮に、上記アップボタン30が気付かずに押されて目標加熱時間が設定されてしまっても、そのアップボタン30の誤操作回数は1回程度であると想定され、設定される目標加熱時間は初期値と同程度の短時間であることから、わかすボタン28の誤操作の直後にアップボタン30が誤操作されるという偶然的な事態が生じても、風呂の湯温が高温に上昇する前に追い焚き加熱を自動的に終了させることができ、前記わかすボタン28の誤操作に起因した風呂湯温高温上昇問題を確実に回避することができる。
【0058】
ところで、湯張り機能(給湯機能)付き風呂装置では、風呂を冷めた状態から沸かし直しするために追い焚き加熱が要求されることは少なく、入浴者が風呂の湯温を少し高めたいときに追い焚き加熱が要求される場合が多いと考えられ、湯温を少し高めるためには追い焚き加熱時間は短時間であることから、上記アップボタン30やダウンボタン31の手動操作回数は少なくて済み、アップボタン30やダウンボタン31の手動操作の面倒は気にならないので、湯張り機能付き風呂装置に上記第1の制御手順を採用することは非常に有効である。
【0059】
また、前記目標加熱時間設定部38に第2又は第3又は第4の制御手順が与えられている場合には、つまり、わかすボタン28が操作された後に、わかすボタン28とアップボタン30とダウンボタン31のうちの予め定められたボタンが操作されたときに加熱時間記憶部35に記憶されている加熱時間が読み出されて該読み出された加熱時間が目標加熱時間として設定される場合には、上記わかすボタン28やアップボタン30やダウンボタン31は記憶値読み出し指令手動操作部としての機能を兼用することなるので、上記ボタン28,30,31とは別個の記憶値読み出し指令手動操作部を設ける場合に比べて、ボタンの数の増加を抑制することができる。
【0060】
さらに、上記の如く、前記目標加熱時間設定部38に第2又は第3又は第4の制御手順が与えられている場合には、わかすボタン28が操作された後に、わかすボタン28とアップボタン30とダウンボタン31のうちの予め定められたボタンを1回操作するだけで、目標加熱時間を設定することが可能であるので、目標加熱時間を設定するのに必要なボタンの手動操作回数を削減することができ、器具の利用者は簡単に追い焚きの目標加熱時間を設定することができる。
【0061】
さらに、前記目標加熱時間設定部38に第2又は第3の制御手順が与えられている場合には、わかすボタン28が操作されてから前記安全機能用加熱時間Takよりも短い待機時間Ttlを経過するまでの短い記憶値読み出し可能期間にわかすボタン28とアップボタン30とダウンボタン31のうちの予め定められたボタンが操作されなければ、前回の加熱時間が目標加熱時間として設定されない構成と成すことから、わかすボタン28が誤って操作されてから上記待機時間Ttlを経過するまでの短期間のうちに、予め定められたボタンが操作されて目標加熱時間が設定されることは殆ど皆無であることから、わかすボタン28が誤って操作され追い焚き加熱が開始されても安全機能用加熱時間Takを経過したときに追い焚き加熱を終了させることができるので、安全性に優れた風呂装置を提供することができる。
【0062】
さらに、上記の如く目標加熱時間設定部38に第2又は第3の制御手順が与えられている場合には、追い焚き加熱が開始されてから上記待機時間Ttlを経過するまでの記憶値読み出し可能期間中に目標加熱時間が設定されず、記憶値読み出し可能期間が終了してから前記安全機能用加熱時間Takに達するまでの間に、アップボタン30あるいはダウンボタン31の操作によって加熱時間が可変設定されたときには、その加熱時間が目標加熱時間として設定される構成と成しており、わかすボタン28が誤って操作されて追い焚き加熱が開始された以降に上記記憶値読み出し可能期間が終了してから安全機能用加熱時間Takに達するまでの間に、仮に、上記アップボタン30あるいはダウンボタン31が手動により操作されて目標加熱時間が設定されても、その操作の回数は1回程度であり、誤操作によって設定された目標加熱時間は例えば5〜10分程度と短いことから、浴槽6内の湯水温度が非常に高温に上昇することはなく、わかすボタン28の誤操作に起因した風呂湯水高温上昇問題を確実に防止することができる。
【0063】
以下に、第2の実施形態例を説明する。この第2の実施形態例では、前記第1の実施形態例とは異なる制御構成でもってわかすボタン28の誤操作に起因した風呂湯温高温上昇問題を回避する構成の一例を示す。
【0064】
この第2の実施形態例の風呂装置は前記図4に示す風呂装置のシステム構成を有し、特徴的なことは、図2に示すような制御構成を備えていることである。この第2の実施形態例において特徴的な制御構成は、図2に示すように、加熱時間記憶部35と加熱時間データ更新部36と目標加熱時間設定部38と時間計測手段39とサンプリング部40と追い焚き加熱制御部41と追い焚き加熱安全制御部42と追い焚き加熱待機制御部45とを有して構成されている。
【0065】
なお、この第2の実施形態例の説明において、図4に示す風呂装置のシステム構成は前述し、また、上記加熱時間記憶部35と加熱時間データ更新部36とサンプリング部40との制御構成は前記第1の実施形態例に示した加熱時間記憶部35と加熱時間データ更新部36とサンプリング部40との制御構成にそれぞれ同様であるのでその共通部分の重複説明は省略する。
【0066】
この第2の実施形態例では、追い焚き加熱待機制御部45は、サンプリング部40のサンプリング情報に基づいて、わかすボタン28が操作されて追い焚き加熱の開始指令が発せられたことを検知したときには、追い焚き加熱の開始指令が発せられたけれども追い焚き加熱を開始させず追い焚き加熱に備えて待機させるための信号を追い焚き加熱制御部41に出力すると共に、追い焚き加熱の待機状態に入ったことを示す信号を追い焚き加熱安全制御部42に出力する。
【0067】
追い焚き加熱制御部41は上記追い焚き加熱待機制御部45から待機信号が加えられると、追い焚き加熱の待機状態と成り、この待機状態であるときに、上記サンプリング部40のサンプリング情報に基づいて、わかすボタン28とアップボタン30とダウンボタン31のうちの記憶値読み出し指令手動操作部として予め定められたボタンが操作されたことを検知したときには、追い焚き加熱を開始し、時間計測手段39の計測動作を開始させると共に、目標加熱時間を設定させるための指令を目標加熱時間設定部38に出力する。
【0068】
目標加熱時間設定部38は上記指令が加えられると、加熱時間記憶部35に記憶されている加熱時間を読み出し、該読み出した加熱時間を目標加熱時間として設定し、この目標加熱時間の情報を上記追い焚き加熱制御部41に出力する。
【0069】
追い焚き加熱制御部41は上記目標加熱時間設定部38から目標加熱時間が加えられると、時々刻々と取り込まれる時間計測手段39の計測時間を上記目標加熱時間に比較し、この比較の結果、上記計測時間が目標加熱時間に達したと判断したときに、追い焚き加熱を終了させる。
【0070】
なお、この第2の実施形態例においても、前記第1の実施形態例と同様に、目標加熱時間が設定された後に、アップボタン30やダウンボタン31の手動操作による加熱時間の可変設定を受け付ける構成を備えている。
【0071】
また、追い焚き加熱安全制御部42はタイマ(図示せず)が内蔵されており、このタイマには予め定められた待機終了時間(例えば5分)が設定されており、上記追い焚き加熱待機制御部45から追い焚き加熱待機状態となったことを知らせる信号が加えられたときに上記タイマを駆動させ、追い焚き加熱待機状態となってから上記待機終了時間が経過して上記タイマがタイムアップしたのにも拘わらず、上記わかすボタン28とアップボタン30とダウンボタン31とのうちの記憶値読み出し指令手動操作部として定められたボタンが操作されず追い焚き加熱制御部41による追い焚き加熱が開始されなかったときには、追い焚き加熱の待機状態を解除させるための指令を追い焚き加熱待機制御部45に出力し、追い焚き加熱待機制御部45はその指令を受けて、追い焚き加熱制御部41の待機状態を解除する。
【0072】
第2の実施形態例によれば、わかすボタン28が操作されても追い焚き加熱は開始されず、わかすボタン28が操作されてから予め定められた待機期間中に、わかすボタン28とアップボタン30とダウンボタン31とのうちの記憶値読み出し指令手動操作部として定められたボタンが操作されたときに、追い焚き加熱が開始される構成であり、わかすボタン28が誤操作された以降の短い待機期間中に、上記記憶値読み出し指令手動操作部として設定されたボタンが操作される可能性は低いことから、前記第1の実施形態例と同様に、わかすボタン28の誤操作に起因した風呂湯水湯温高温上昇問題の発生を防止することができる。
【0073】
なお、この発明は上記各実施形態例に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、上記各実施形態例では、加熱時間記憶部35に記憶されている加熱時間の読み出し指令を手動により発するための記憶値読み出し指令手動操作部が必要である場合には、わかすボタン28とアップボタン30とダウンボタン31のうちの予め定められたボタンが上記記憶値読み出し指令手動操作部の機能を兼用する構成であったが、加熱時間記憶部35の加熱時間の読み出し指令を手動により発するための専用の操作部を上記わかすボタン28やアップボタン30やダウンボタン31とは別個に設けてもよい。
【0074】
また、上記各実施形態例では、目標加熱時間が設定された以降にアップボタン30やダウンボタン31の手動操作による加熱時間の可変設定を受け付ける構成を備えていたが、例えば、加熱時間はほぼ変動しないと想定される使用形態である場合には、上記目標加熱時間設定後の加熱時間の可変設定を受け付けない構成としてもよい。
【0075】
さらに、上記第1の実施形態例では、目標加熱時間設定部38に前記第1の制御手順が与えられる場合にも、加熱時間記憶部35と加熱時間データ更新部36が設けられていたが、第1の制御手順では、前回の追い焚きの加熱時間は使用しないので、第1の制御手順が与えられることが予め定められている場合には、上記加熱時間記憶部35や加熱時間データ更新部36を省略してもよい。
【0076】
さらに、上記各実施形態例では、図4に示す二缶二水路タイプの給湯機能付き風呂装置を例にして説明したが、この発明は追い焚き加熱の開始指令を手動により発するための追い焚き指令手動操作部と、追い焚き加熱を開始してからの経過時間を利用して追い焚き加熱を終了させる制御構成とを備えた簡易型の風呂装置に適用することができ、例えば、一缶二水路タイプの給湯機能付き風呂装置や、風呂単機能の風呂装置や、追い焚き用の循環ポンプを持たないバランス型風呂装置等にもこの発明は適用することができる。
【0077】
さらに、上記第1の実施形態例では、データを保持するのに電力が不要な不揮発性記憶部(EEPOM)37が記憶部として設けられていたが、上記不揮発性記憶部(EEPOM)に代えて、RAMやフラッシュメモリー等の記憶装置を記憶部として設けてもよい。ただ、電池の電力を利用して制御装置が駆動している風呂装置においては、消費電力を抑制するために、上記記憶部として上記不揮発性記憶部を用いることが望ましい。
【0078】
また、図4に示す例では追い焚き指令手動操作部や加熱時間手動可変操作部はボタンの形態であったが、例えば、追い焚き指令手動操作部や加熱時間手動可変操作部はスイッチ等、ボタン以外の形態でもよい。
【0079】
【発明の効果】
この発明によれば、追い焚き加熱が開始されてから予め定められた安全機能用加熱時間を経過するまでの間に目標加熱時間が設定されなかった場合には加熱手段による追い焚き加熱を終了させる構成を備えたので、追い焚き加熱を開始したのにも拘わらず安全機能用加熱時間を経過しても、何らかの原因によって目標加熱時間が設定されなかったときには、安全を確保するために追い焚き加熱が自動的に終了することとなり、安全性を高めた風呂装置を提供することができる。
【0080】
不揮発性記憶部に安全機能用加熱時間を保持する構成を備えたものにあっては、安全機能用加熱時間を保持するのに電力が不要であることから、省電力化を図ることができる。
【0081】
追い焚き加熱が開始された以降に記憶値読み出し指令手動操作部が操作されたときに、記憶されている前回の追い焚きの加熱時間を読み出して目標加熱時間として設定する構成を備えたものや、追い焚き加熱が開始された以降に加熱時間手動可変設定部により可変設定された加熱時間を目標加熱時間として設定する構成を備えたものにあっては、追い焚き指令手動操作部が誤操作されて追い焚き加熱が開始された以降に、気付かずに記憶値読み出し指令手動操作部や加熱時間手動可変設定部が誤操作される可能性は非常に低いことから、追い焚き指令手動操作部が誤操作されて追い焚き加熱が開始されても安全機能用加熱時間が経過したときに追い焚き加熱は自動的に終了することとなり、風呂の湯水が非常に高温に上昇してしまう風呂湯温高温上昇問題を回避することができる。
【0082】
追い焚き加熱が開始された以降に記憶値読み出し指令手動操作部が操作されたときに、記憶されている前回の追い焚きの加熱時間を読み出して目標加熱時間として設定する構成を備えたものにあっては、記憶値読み出し指令手動操作部を1回操作するだけで、目標加熱時間を簡単に設定することができるので、操作部の操作が簡単であり、利便性が高い風呂装置を提供することができる。
【0083】
追い焚き加熱が開始されてから予め定められた待機時間が経過するまでの記憶値読み出し可能期間中に記憶値読み出し指令手動操作部が操作されたときに、記憶されている前回の追い焚きの加熱時間を読み出して目標加熱時間として設定し、その記憶値読み出し可能期間中に目標加熱時間が設定されず、記憶値読み出し可能期間が終了してから安全機能用加熱時間に達するまでの間に、加熱時間手動可変操作部によって加熱時間が可変設定されたときには、その加熱時間を目標加熱時間として設定する構成を備えたものにあっては、追い焚き指令手動操作部が誤操作されて追い焚き加熱が開始されてから上記待機時間を経過するまでの短い記憶値読み出し可能期間中に、気付かずに記憶値読み出し指令手動操作部が誤操作される可能性は非常に低い上に、追い焚き指令手動操作部の誤操作による追い焚き加熱の開始後に、記憶値読み出し可能期間が終了してから安全機能用加熱時間に達するまでの間に、仮に、気付かないうちに加熱時間手動可変操作部が操作されて目標加熱時間が設定されたとしても、その誤操作により設定された目標加熱時間は短時間であると想定されるので、追い焚き加熱は短時間で自動的に終了することとなり、前記風呂湯温高温上昇問題を確実に防止することができ、安全性に優れた風呂装置を提供することができる。
【0084】
追い焚き指令手動操作部が操作されても追い焚き加熱の開始を待機させ、この追い焚き加熱の待機中に、記憶値読み出し指令手動操作部が操作されたときに追い焚き加熱を開始させ、予め定めた待機期間中に記憶値読み出し指令手動操作部が操作されなかったときには待機状態を解除させるものにあっては、追い焚き指令手動操作部が誤って操作されても、短い追い焚き待機期間中に、気付かないうちに、記憶値読み出し指令手動操作部が操作されて追い焚き加熱が開始されることは殆ど無いことから、追い焚き指令手動操作部の誤操作に起因した風呂湯温高温上昇問題をほぼ回避することができる。
【0085】
追い焚き指令手動操作部は記憶値読み出し指令手動操作部としての機能を兼用する構成であるものや、加熱時間手動可変操作部は記憶値読み出し指令手動操作部としての機能を兼用する構成であるものにあっては、操作部の数の増加を抑制することができる。
【0086】
目標加熱時間が設定された後に、加熱時間手動可変操作部による加熱時間の可変設定を受け付ける構成としたものにあっては、器具の利用者がいつでも加熱時間を適宜設定することができ、使い勝手を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態例において特徴的な主要な制御構成を示すブロック構成図である。
【図2】第2の実施形態例において特徴的な主要な制御構成を示すブロック構成図である。
【図3】複数の手動操作部が設けられている指令部の一例を当該指令部の表示部の表示例と共に示す説明図である。
【図4】風呂装置の一例を示すモデル図である。
【符号の説明】
2 追い焚き熱交換器
8 循環ポンプ
11 追い焚き循環通路
15 追い焚きバーナ
25 制御装置
26 指令部
28 わかすボタン
30 アップボタン
31 ダウンボタン
35 加熱時間記憶部
37 不揮発性記憶部
38 目標加熱時間設定部
41 追い焚き加熱制御部
42 追い焚き加熱安全制御部
45 追い焚き加熱待機制御部
Claims (10)
- 風呂の湯水を追い焚き加熱する加熱手段と、追い焚き加熱の開始指令を手動によって発するための追い焚き指令手動操作部と、追い焚きの目標加熱時間を設定する目標加熱時間設定部とが設けられている風呂装置であって、データを保持する記憶部が設けられ、該記憶部には追い焚きの安全サイドの加熱時間のデータが安全機能用加熱時間として記憶されており、上記追い焚き指令手動操作部が操作され追い焚き加熱が開始されてから上記記憶部に保持されている安全機能用加熱時間を経過するまでの間に上記目標加熱時間設定部によって目標加熱時間が設定された場合には、この設定された目標加熱時間が経過するまで追い焚き加熱を継続させる追い焚き加熱制御部が設けられており、また、追い焚き加熱が開始されてから上記安全機能用加熱時間を経過するまでの間に上記目標加熱時間が設定されなかった場合には加熱手段による追い焚き加熱を終了させる追い焚き加熱安全制御部が設けられている風呂装置。
- 記憶部は、記憶されたデータを保持するのに電力が不要である不揮発性記憶部により構成されていることを特徴とする請求項1記載の風呂装置。
- 前回の追い焚きの加熱時間を記憶する加熱時間記憶部と、該加熱時間記憶部に記憶されている加熱時間の読み出し指令を手動により発するための記憶値読み出し指令手動操作部とが設けられており、目標加熱時間設定部は、追い焚き加熱が開始された以降の予め定められた記憶値読み出し可能期間中に上記記憶値読み出し指令手動操作部が操作されたときには、上記加熱時間記憶部に記憶されている加熱時間を読み出し、該読み出した加熱時間を目標加熱時間として設定する構成と成していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の風呂装置。
- 加熱時間を手動により可変設定するための加熱時間手動可変操作部が設けられ、また、記憶部に保持されている安全機能用加熱時間よりも短い待機時間が予め与えられ、追い焚き加熱が開始されてから上記待機時間を経過するまでの間が記憶値読み出し可能期間として定められており、目標加熱時間設定部は、上記記憶値読み出し可能期間中に加熱時間記憶部に記憶されている加熱時間が目標加熱時間として設定されず、上記記憶値読み出し可能期間が終了してから安全機能用加熱時間に達するまでの間に上記加熱時間手動可変操作部によって加熱時間が可変設定されたときには、その可変設定された加熱時間を目標加熱時間として設定する構成と成していることを特徴とする請求項3記載の風呂装置。
- 追い焚き加熱が開始されてから記憶部に保持されている安全機能用加熱時間に達するまでの間を記憶値読み出し可能期間としたことを特徴とする請求項3記載の風呂装置。
- 加熱時間を手動により可変設定するための加熱時間手動可変操作部が設けられており、目標加熱時間設定部は、追い焚き加熱が開始されてから安全機能用加熱時間に達するまでの間に上記加熱時間手動可変操作部によって加熱時間が可変設定されたときには、その可変設定された加熱時間を目標加熱時間として設定する構成と成していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の風呂装置。
- 風呂の湯水を追い焚き加熱する加熱手段と、追い焚き加熱の開始指令を手動によって発するための追い焚き指令手動操作部と、前回の追い焚き加熱の加熱時間を記憶する加熱時間記憶部と、該加熱時間記憶部に記憶されている加熱時間の読み出し指令を手動により発するための記憶値読み出し指令手動操作部とが設けられている風呂装置であって、上記追い焚き指令手動操作部が操作され追い焚き加熱の開始指令が発せられても、追い焚き加熱を開始させず追い焚き加熱に備えて待機させる追い焚き加熱待機制御部と、上記追い焚き指令手動操作部が操作されてから予め与えられた待機終了時間が経過するまでの追い焚き待機期間中に、上記記憶値読み出し指令手動操作部が操作されたときには上記加熱時間記憶部に記憶されている加熱時間を読み出し該読み出した加熱時間を目標加熱時間として設定すると共に追い焚き加熱を開始させ、追い焚き加熱を開始してから上記目標加熱時間が経過したときに追い焚き加熱を終了する追い焚き加熱制御部と、上記追い焚き指令手動操作部が操作されてから上記待機終了時間を経過したのにも拘わらず、上記記憶値読み出し指令手動操作部が操作されなかったときには上記追い焚き加熱待機制御部による追い焚き加熱待機状態を解除させる追い焚き加熱安全制御部とが設けられている風呂装置。
- 追い焚き指令手動操作部は記憶値読み出し指令手動操作部としての機能を兼用する構成であることを特徴とする請求項3又は請求項4又は請求項5又は請求項7記載の風呂装置。
- 加熱時間を手動により可変設定するための加熱時間手動可変操作部を備え、該加熱時間手動可変操作部は記憶値読み出し指令手動操作部としての機能を兼用する構成であることを特徴とする請求項3又は請求項4又は請求項5又は請求項7記載の風呂装置。
- 加熱時間を手動により可変設定するための加熱時間手動可変操作部を備え、目標加熱時間が設定された以降に上記加熱時間手動可変操作部による加熱時間の可変設定を受け付ける構成と成し、追い焚き加熱制御部は、目標加熱時間が設定された以降に上記加熱時間手動可変操作部によって加熱時間が可変設定されたときには、目標加熱時間を上記可変設定後の加熱時間に置き換えて追い焚き加熱を制御する構成と成していることを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか1つに記載の風呂装置。
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