次に、この発明の第1実施形態の風呂装置1の構成について、図面に基づき詳細に説明する。
風呂装置1は、貯湯タンクユニット2と、ヒートポンプユニット3と、浴室リモコン4、台所リモコン(浴室外リモコン)5とを主に有している。また、風呂装置1は、浴槽6と、シャワー7と、カラン8と接続されている。
貯湯タンクユニット2は、湯水を貯湯する貯湯タンク9を有している。貯湯タンク9は、貯湯タンク9内の貯湯温度を検出する複数の貯湯温度センサ10を側面の上下方向にわたって有している。貯湯タンク9底部には、貯湯タンク9に市水を供給する給水管11が接続される。給水管11は、市水の給水圧を一定の圧力に減圧する減圧弁12を有している。
貯湯タンク9頂部には、貯湯タンク9から出湯する出湯管13が接続されている。出湯管13は、給水管11から分岐された給水バイパス管14と給湯混合弁15を介して接続されている。
給湯混合弁15は、給水バイパス管14からの水と出湯管13からの湯水とを給湯設定温度になるよう混合する。給湯混合弁15は、給湯管16と接続されており、給湯混合弁15で混合された湯水は給湯管16によりシャワー7およびカラン8へ導かれる。給湯管16は、給湯流量センサ17と、給湯温度センサ18とを有している。給湯流量センサ17および給湯温度センサ18は、給湯管16を流れる湯水の流量および温度をそれぞれ検出する。
給湯管16は、湯水を風呂循環回路19へ供給する湯はり管20と接続されている。前記湯はり管20は、湯はり流量センサ21と、湯はり温度センサ22と、湯はり開閉弁23とを有している。湯はり流量センサ21および湯はり温度センサ22は、湯はり管20から供給される湯水の流量および温度をそれぞれ検出する。湯はり開閉弁23は、湯はり管20を開閉する電磁弁である。
貯湯タンクユニット2は、浴槽6の湯水(浴槽水)を浴槽6と風呂熱交換器24との間で循環させる前記風呂循環回路19を有している。この風呂循環回路19は、風呂戻り管25と、風呂熱交換器24と、風呂往き管26とを主に有している。風呂戻り管25は、浴槽水を風呂熱交換器24へ戻す。風呂熱交換器24は、貯湯タンク9内上部に設けられ、貯湯タンク9内の湯の熱で浴槽水を加熱する。風呂往き管26は、風呂熱交換器24で加熱された浴槽水を浴槽6側へ供給する。
風呂循環回路19は、風呂三方弁27を介して風呂戻り管25と風呂往き管26とをバイパスする熱交バイパス管28を有している。風呂三方弁27は、風呂戻り管25からの浴槽水を風呂熱交換器24に流通させるか、風呂往き管26にバイパスさせるかを切り替える。
また、風呂戻り管25は、浴槽6内の浴槽水の水位を検出する水位検出手段としての水位センサ29と、風呂循環回路19を循環する浴槽水の温度を検出する風呂温度検出手段としての風呂温度センサ30と、浴槽水を浴槽6と風呂熱交換器24との間を循環させる風呂循環ポンプ31とを有している。なお、風呂往き管26は、風呂循環回路19の浴槽水の循環の有無を検出する流水スイッチ32を有している。
貯湯タンクユニット2は、貯湯タンクユニット2を電気的に制御する貯湯制御部33を有している。貯湯制御部33は、MPUなどの論理回路を有し、メモリを参照しつつ予め記憶されているプログラムに従って貯湯タンクユニット2を電気的に制御する。すなわち、貯湯制御部33は、上述の各種センサの検出値を取得し、この検出値に基づいて貯湯タンクユニット2の各種弁などの作動を制御する。また、貯湯制御部33は、浴室リモコン4、台所リモコン5を介してユーザの指示を受け付け、各部を制御し指示を実行する。すなわち、貯湯制御部33は、リモコン4、5で指示された給湯設定温度や、風呂設定温度、設定湯量などに基づいて給湯運転、風呂自動運転、風呂追い焚き運転などを実行する。
貯湯タンクユニット2は、貯湯タンク9内の湯水を主に深夜時間帯に沸き上げるヒートポンプユニット3と、加熱往き管34および加熱戻り管35を介して接続される。ヒートポンプユニット3は、これら加熱往き管34および加熱戻り管35と、加冷媒回路36と、加熱制御部37とを有している。
加熱往き管34は、貯湯タンク9底部から取り出した湯水を流通させる。加熱往き管34は、貯湯タンク9からの湯水を供給する加熱循環ポンプ38と、加熱往き管34から冷媒水熱交換器39に流入する湯水の温度を検出する入水温度センサ40とを有している。加熱戻り管35は、ヒートポンプユニット3で加熱された湯水を貯湯タンク9上部へ戻す。加熱戻り管35は、冷媒水熱交換器39から加熱戻り管35へ流出する湯水の温度を検出する沸き上げ温度センサ41を有している。
加冷媒回路36は、圧縮機42、冷媒水熱交換器39、膨張弁43、および空気熱交換器44が冷媒配管45で環状に接続された回路である。圧縮機42は、冷媒を圧縮し高温高圧冷媒とする。冷媒水熱交換器39は、高温高圧冷媒と貯湯タンク9からの湯水とを熱交換する。膨張弁43は、冷媒水熱交換器39で放熱された冷媒を減圧し、低温低圧の冷媒とする。空気熱交換器44は、低温低圧の冷媒を蒸発させる。また、空気熱交換器44には、送風機46により熱源となる外気が送風される。
加熱制御部37は、MPUなどの論理回路を有し、メモリを参照しつつ予め記憶されているプログラムに従ってヒートポンプユニット3を電気的に制御する。すなわち、加熱制御部37は、ヒートポンプユニット3内の各種センサの検出値を取得し、圧縮機42などの作動を制御する。
浴室47には、浴槽6、シャワー7および浴室リモコン4が設けられる。浴室リモコン4は、表示部48と、風呂自動運転スイッチ49、一時停止スイッチ50、設定スイッチ、メニュースイッチなどのスイッチ類とを有している。表示部48は、風呂装置1に関する各種の情報(給湯設定温度、風呂設定温度、風呂設定湯量、風呂装置1の作動状態など)を表示する。設定スイッチは、給湯設定温度、風呂設定温度および風呂設定湯量を設定する指示を受け付ける。風呂自動運転スイッチ49は、風呂設定温度および風呂設定湯量に基づいて浴槽6内の湯を目標水位および温度になるよう自動で湯はり運転し、湯はり完了後は、浴槽水の温度を風呂設定温度に一定に維持するように、必要に応じて風呂熱交換器24に浴槽水を循環させて追い焚き加熱を行いながら、所定の保温時間が経過するまで自動で保温運転する指示を受け付ける。一時停止スイッチ50(一時停止設定手段に相当)は、前記保温運転を一時停止する指示を受け付け、保温運転の一時停止中に再度一時停止スイッチ50が操作された場合、保温運転の一時停止を解除する指示を受け付ける。メニュースイッチは、風呂装置1の詳細な設定を行う階層構造のメニュー設定画面を呼び出す。
浴室リモコン4は、浴室47内の人の有無を検出する人感センサ51を有している。人感センサ51は、赤外線などにより浴室47に人がいることを検出する。また、浴室リモコン4は、MPUなどの論理回路を有し、メモリを参照しつつ予め記憶されているプログラムに従って浴室リモコン4を電気的に制御する浴室リモコン制御部を有している。浴室リモコン制御部は、スイッチ類の指示信号や貯湯制御部33からの信号を受け、表示部48に予め定められた必要な情報を表示させる。
台所リモコン5は、浴室リモコン4と同様に、表示部52と、風呂自動運転スイッチ53、一時停止スイッチ54(一時停止設定手段に相当)、設定スイッチ、メニュースイッチなどのスイッチ類とを有している。表示部52は、風呂装置1に関する各種の情報(給湯設定温度、風呂設定温度、風呂設定湯量、風呂装置1の作動状態など)を表示する。なお、台所リモコン5の設定スイッチ、風呂自動運転スイッチ53、一時停止スイッチ54、メニュースイッチは浴室リモコン4に設けられているものと同機能であるため説明を省略する。
台所リモコン5は、MPUなどの論理回路を有し、メモリを参照しつつ予め記憶されているプログラムに従って台所リモコン5を電気的に制御する台所リモコン制御部を有している。台所リモコン制御部は、スイッチ類の指示信号や貯湯制御部33からの信号を受け、表示部52に予め定められた必要な情報を表示させる。上述した貯湯制御部33、加熱制御部37、浴室リモコン制御部および台所リモコン制御部は、互いに必要な情報を送受信可能に接続されている。
ここで、前記保温運転について詳細に説明すると、まず、ユーザは保温運転を実行する保温時間(2時間など)を浴室リモコン4または台所リモコン5から設定することができる。保温運転は、浴槽水の温度を風呂設定温度に保つように予め設定された所定のインターバル時間(20分など)ごとに湯温確認動作を行う。湯温確認動作時は、風呂三方弁27を、風呂戻り管25からの浴槽水を風呂往き管26にバイパスさせる状態に切り替えると共に風呂循環ポンプ31を駆動させて、浴槽水を浴槽6、風呂戻り管25、熱交バイパス管28、風呂往き管26を循環させ、風呂温度センサ30で浴槽水の温度を確認する。この時、風呂温度センサ30で検出される浴槽水の温度に基づいて、浴槽水の追い焚きの要否を判定する。具体的には、風呂温度センサ30で検出される浴槽水の温度が、風呂設定温度よりも所定温度低い追い焚き開始温度以下であった場合、追い焚きが必要と判断し、風呂三方弁27を、風呂戻り管25からの浴槽水を風呂熱交換器24に流通させる状態に切り替えると共に風呂循環ポンプ31を駆動させて、浴槽水を浴槽6、風呂戻り管25、風呂熱交換器24、風呂往き管26を循環させ、風呂熱交換器24にて浴槽水を追い焚き加熱し、風呂温度センサ30で検出される浴槽水の温度が風呂設定温度以上になったら、風呂循環ポンプ31の駆動を停止させ、追い焚きを停止する。一方、湯温確認動作の結果、風呂温度センサ30で検出される浴槽水の温度が上記追い焚き開始温度よりも高かった場合は、追い焚きが不要と判断し、風呂循環ポンプ31の駆動を停止し、追い焚きは行わない。
前記保温運転中は、必要に応じて浴槽水が自動で追い焚きされるため、浴槽6内の循環口からは高温の浴槽水(高温湯)が吐出されることがある。幼児等の子供と一緒に入浴するとき、追い焚きにより発生する高温湯が子供に触れることがないように、浴室リモコン4に設けられた一時停止スイッチ50を操作(オン操作)して、保温運転を一時停止させることができる。幼児等の子供が一人で入浴するような場合であっても、母親等が子供の入浴前に台所リモコン5に設けられた一時停止スイッチ54を操作(オン操作)しておき、保温運転を一時停止させることができる。保温運転が一時停止された場合は、リモコン4、5にその旨を表示や音により報知するようにしてもよい。なお、保温運転の一時停止中に、一時停止スイッチ50、54が再度操作(オフ操作)されると保温運転の一時停止を解除し、保温運転を再開させることができる。保温運転が再開された場合、リモコン4、5にその旨を表示や音により報知するようにしてもよい。
また、入浴者やその他のユーザは、入浴を終えた後などに、一時停止スイッチ50、54による保温運転の一時停止解除操作をし忘れてしまうことがある。そこで、本実施形態では、次の入浴者が温度低下した湯に浸かり不快な思いをしないように、一時停止スイッチ50、54の操作(オン操作)から所定時間(例えば30分)が経過したら、保温運転の一時停止が解除されるように制御されており、一時停止スイッチ50、54が操作(オン操作)された後に、一時停止スイッチ50、54の操作(オフ操作)がなかったとしても、保温運転の一時停止が自動的に解除される。保温運転の一時停止を自動的に解除する前記所定時間は、前記保温時間よりも短い時間に予め設定されている。
上述の保温運転時の動作を実行させるために必要な構成として、図2に示すように、貯湯制御部33は、所定の保温時間が経過するまで浴槽水の温度を風呂設定温度に維持するよう追い焚きさせる保温運転を実行させる保温制御手段55を有し、保温制御手段55は、設定された保温時間をカウントする保温時間カウンタ56と、保温運転中に湯温確認動作実行までのインターバル時間をカウントするインターバル時間カウンタ57と、保温運転の一時停止時間をカウントする一時停止時間カウンタ58とを有している。
次に、風呂装置1の保温運転時の動作について図3を用いて説明する。ここでは風呂自動運転の湯はり完了後の保温運転開始時点を起点(時間0分)として、保温制御手段55により保温運転が行われる場面について説明する。図3中の太実線は風呂温度センサ30で検出される浴槽水の温度推移を示しており、破線は保温時間カウンタ56でカウントされる保温時間の推移を示しており、一点鎖線はインターバル時間カウンタ57でカウントされるインターバル時間の推移を示しており、二点鎖線は一時停止時間カウンタ58でカウントされる保温運転の一時停止時間の推移を示している。
保温運転を開始すると、保温制御手段55は、保温時間カウンタ56によって保温時間(ここでは、120分=2時間)のカウントをスタートさせると共に、インターバル時間カウンタ57によってインターバル時間(ここでは、20分)のカウントをスタートさせる。そして、インターバル時間カウンタ57が20分をカウントアップすると、保温制御手段55は、風呂三方弁27を、風呂戻り管25からの浴槽水を風呂往き管26にバイパスさせる状態に切り替えると共に風呂循環ポンプ31を駆動させ、風呂温度センサ30で検出される浴槽水の温度に基づき浴槽水の湯温確認を行い、浴槽水の追い焚きの要否を判定する。図3の太実線で示されているように、20分時点では、風呂温度センサ30で検出される浴槽水の温度は追い焚き開始温度以下になっていないため、保温制御手段55は、追い焚き不要と判断し、追い焚きを行わない。インターバル時間カウンタ57のカウントはゼロにクリアーされ、再度インターバル時間のカウントをスタートさせる(20分時点)。
再度インターバル時間カウンタ57が20分をカウントアップすると(40分時点)、保温制御手段55は、上記したのと同様に湯温確認を行い、浴槽水の追い焚きの要否を判定する。図3の太実線で示されているように、40分時点で、風呂温度センサ30で検出される浴槽水の温度は追い焚き開始温度以下になっているため、保温制御手段55は、追い焚きが必要と判断し、風呂三方弁27を、風呂戻り管25からの浴槽水を風呂熱交換器24に流通させる状態に切り替えると共に風呂循環ポンプ31を駆動させて、浴槽水の追い焚き加熱を開始する。インターバル時間カウンタ57のカウントはゼロにクリアーされ、再度インターバル時間のカウントをスタートさせる(40分時点)。追い焚き自体は浴槽水の温度が風呂設定温度以上となるまで行われる。
そして、ユーザにより、浴室リモコン4の一時停止スイッチ50または台所リモコン5の一時停止スイッチ54が操作(オン操作)されると、保温制御手段55は、一時停止時間カウンタ58によって保温運転の一時停止時間(ここでは、30分)のカウントをスタートさせる(50分時点)。この時、保温制御手段55は、インターバル時間カウンタ57のカウントを強制的にカウントアップさせるが、保温運転の一時停止指示信号がきているため、保温運転の一時停止指示信号が優位となり、この時点で湯温確認および追い焚きの要否判定を行うことはない。
ユーザによる浴室リモコン4の一時停止スイッチ50または台所リモコン5の一時停止スイッチ54の操作(オフ操作)がされることなく、時間が経過し、保温運転が一時停止されてから所定時間(30分)が経過、すなわち、一時停止時間カウンタ58が30分をカウントアップすると、保温制御手段55は、保温運転の一時停止を解除し、保温運転を再開させる(80分時点)。一時停止時間カウンタ58のカウントはゼロにクリアーされる。
この80分時点において、保温制御手段55は、インターバル時間カウンタ57のカウントアップ信号を有効にして、保温運転の一時停止解除と同時に、風呂三方弁27を、風呂戻り管25からの浴槽水を風呂往き管26にバイパスさせる状態に切り替えると共に風呂循環ポンプ31を駆動させ、風呂温度センサ30で検出される浴槽水の温度に基づき浴槽水の湯温確認を行い、浴槽水の追い焚きの要否を判定する。図3の太実線で示されているように、80分時点では、風呂温度センサ30で検出される浴槽水の温度は追い焚き開始温度以下になっているため、保温制御手段55は、追い焚きが必要と判断し、風呂三方弁27を、風呂戻り管25からの浴槽水を風呂熱交換器24に流通させる状態に切り替えると共に風呂循環ポンプ31を駆動させて、浴槽水の追い焚き加熱を開始する。インターバル時間カウンタ57のカウントはゼロにクリアーされ、再度インターバル時間のカウントをスタートさせる(80分時点)。追い焚き自体は浴槽水の温度が風呂設定温度以上となるまで行われる。なお、保温運転の一時停止解除時は、必ず湯温確認動作が行われるが、湯温を確認した結果、浴槽水の温度が追い焚き開始温度より高い場合、追い焚きは行われない。
100分時点の動作は先に説明した20分時点の動作と同様なので説明を省略する。そして、保温開始から120分が経過、すなわち、保温時間カウンタ56が120分をカウントアップすると(120分時点)、保温制御手段55は、保温運転を終了する。この時、インターバル時間カウンタ57が20分をカウントアップするが、保温運転終了の信号の方が優位となるため、湯温確認および追い焚きの要否判定は実施されず、インターバル時間カウンタ57のカウントはゼロにクリアーされ、インターバル時間カウンタ57によるカウントも終了する。
以上説明したように、ユーザによる一時停止スイッチ50、54の操作により、保温運転の一時停止が設定された場合、保温制御手段55は、保温運転の一時停止を所定時間経過後に自動的に解除するようにしたことで、たとえユーザが一時停止スイッチ50、54を操作(オフ操作)し忘れて、手動での保温運転一時停止解除がなされなかったとしても、所定時間経過後に自動的に解除されて保温運転が再開されるので、次の入浴者であっても、ぬるい湯に浸かることがなく、快適な入浴が行うことができる。
また、ユーザによる一時停止スイッチ50、54の操作により、保温運転の一時停止が設定された場合、インターバル時間を強制的にカウントアップさせ、保温運転の一時停止解除時に、インターバル時間のカウントアップ信号を有効にして、すぐさま風呂循環ポンプ31を駆動させて、風呂温度センサ30の検出する浴槽水の温度に基づいて、追い焚きの要否を判定することで、保温運転の一時停止解除時はすぐに浴槽水の湯温確認が行われ、湯温確認の結果、追い焚きが必要であると判定された場合は追い焚きを行い、快適な入浴が行える状態になるよう素早く準備し、湯温確認の結果、追い焚きが不要であると判定された場合は、無駄に追い焚きを行うことがなく、追い焚きに係るエネルギー消費を抑制することができる。
次に、この発明の第2実施形態の風呂装置1について図面を用いて説明する。この実施形態は先に説明した第1実施形態と同一部分については同一符号を付し説明を省略して相違する点についてのみ説明する。
図4に示すように、58は保温制御手段55に設けられ、浴室47内の人が浴室47から退室したか否かを判定する退室判定手段である。退室判定手段59は、浴室リモコン4に設けられた人感センサ51の検出結果に基づいて、浴室47内の人が浴室47から退室したか否かを判定する。具体的には、退室判定手段59は、人感センサ51による人検出信号なしの時間が所定時間継続した場合に、人が浴室47から退室したと判定する。
ここでは、退室判定手段59は、人感センサ51による人検出信号なしの時間が所定時間継続した場合に、人が浴室47から退室したと判定しているが、退室判定はこの判定方法に限られない。例えば、退室判定手段59は、水位センサ29の検出結果に基づいて、浴室47内の人が浴室47から退室したか否かを判定するようにしてもよい。具体的には、退室判定手段59は、水位センサ29で検出される浴槽6内の水位の変化が所定値未満である状態が所定時間継続した場合に、入浴が終了したとみなし、人が浴室47から退室したと判定する。その他の判定方法として、浴室リモコン4に照度センサを設け、退室判定手段59は、照度センサが浴室47の照明が消灯されたとみなせる消灯照度を検出(消灯照度を所定時間継続して検出)した場合に、人が浴室47から退室したと判定するようにしてもよいし、浴室リモコン4に設けられたマイクにより入浴音を検出し、退室判定手段59は、入浴音なしの状態が所定時間継続した場合に、人が浴室47から退室したと判定するようにしてもよい。もちろん、退室判定手段59は、上記の複数の退室判定方法の中から2つ以上を組み合わせて退室判定を行うようにしてもよい。
保温制御手段55は、上記退室判定手段59の判定結果を用いて、保温運転の一時停止を解除することができる。入浴者やその他のユーザは、入浴を終えた後などに、一時停止スイッチ50、54による保温運転の一時停止解除操作をし忘れてしまうことがある。そこで、この第2実施形態では、次の入浴者が温度低下した湯に浸かり不快な思いをしないように、一時停止スイッチ50、54の操作(オン操作)により保温運転の一時停止が行われた後、人感センサ51の検出結果に基づいて退室判定手段59により浴室47から人が退室したと判定された場合、保温制御手段55は、保温運転の一時停止を解除するようにしている。これにより、一時停止スイッチ50、54の操作(オフ操作)がなかったとしても、保温運転の一時停止が自動的に解除される。
次に、風呂装置1の保温運転時の動作について図5を用いて説明する。ここでは風呂自動運転の湯はり完了後の保温運転開始時点を起点(時間0分)として、保温制御手段55により保温運転が行われる場面について説明する。図5中の太実線は風呂温度センサ30で検出される浴槽水の温度推移を示しており、破線は保温時間カウンタ56でカウントされる保温時間の推移を示しており、一点鎖線はインターバル時間カウンタ57でカウントされるインターバル時間の推移を示しており、細実線は人感センサ51で検出される浴室47へ入退室する人の状態を示している。
保温運転を開始すると、保温制御手段55は、保温時間カウンタ56によって保温時間(ここでは、120分=2時間)のカウントをスタートさせると共に、インターバル時間カウンタ57によってインターバル時間(ここでは、20分)のカウントをスタートさせる。そして、インターバル時間カウンタ57が20分をカウントアップすると、保温制御手段55は、風呂三方弁27を、風呂戻り管25からの浴槽水を風呂往き管26にバイパスさせる状態に切り替えると共に風呂循環ポンプ31を駆動させ、風呂温度センサ30で検出される浴槽水の温度に基づき浴槽水の湯温確認を行い、浴槽水の追い焚きの要否を判定する。図5の太実線で示されているように、20分時点では、風呂温度センサ30で検出される浴槽水の温度は追い焚き開始温度以下になっていないため、保温制御手段55は、追い焚き不要と判断し、追い焚きを行わない。インターバル時間カウンタ57のカウントはゼロにクリアーされ、再度インターバル時間のカウントをスタートさせる(20分時点)。
再度インターバル時間カウンタ57が20分をカウントアップすると(40分時点)、保温制御手段55は、上記したのと同様に湯温確認を行い、浴槽水の追い焚きの要否を判定する。図5の太実線で示されているように、40分時点で、風呂温度センサ30で検出される浴槽水の温度は追い焚き開始温度以下になっているため、保温制御手段55は、追い焚きが必要と判断し、風呂三方弁27を、風呂戻り管25からの浴槽水を風呂熱交換器24に流通させる状態に切り替えると共に風呂循環ポンプ31を駆動させて、浴槽水の追い焚き加熱を開始する。インターバル時間カウンタ57のカウントはゼロにクリアーされ、再度インターバル時間のカウントをスタートさせる(40分時点)。追い焚き自体は浴槽水の温度が風呂設定温度以上となるまで行われる。
そして、45分時点で、人感センサ51により人(入浴者)が検出され、浴室47への人の入室が検出されて、50分時点で、ユーザにより、浴室リモコン4の一時停止スイッチ50または台所リモコン5の一時停止スイッチ54が操作(オン操作)されると、保温制御手段55は、インターバル時間カウンタ57のカウントを強制的にカウントアップさせる。この時、インターバル時間カウンタ57のカウントはカウントアップするが、保温運転の一時停止指示信号がきているため、保温運転の一時停止指示信号が優位となり、この時点で湯温確認および追い焚きの要否判定を行うことはない。
ユーザによる浴室リモコン4の一時停止スイッチ50または台所リモコン5の一時停止スイッチ54の操作(オフ操作)がされることなく時間が経過し、70分時点において、入浴者が浴室47から退室すると、人感センサ51により人検出信号なしが出力される。人感センサ51からの人検出信号なしの状態が所定時間(ここでは、10分)継続すると、退室判定手段59は、人が浴室47から退室したと判定する(80分時点)。この時、保温制御手段55は、退室判定手段59からの退室判定を受け、保温運転の一時停止を解除し、保温運転を再開させる(80分時点)。
この80分時点において、保温制御手段55は、インターバル時間カウンタ57のカウントアップ信号を有効にして、保温運転の一時停止解除と同時に、風呂三方弁27を、風呂戻り管25からの浴槽水を風呂往き管26にバイパスさせる状態に切り替えると共に風呂循環ポンプ31を駆動させ、風呂温度センサ30で検出される浴槽水の温度に基づき浴槽水の湯温確認を行い、浴槽水の追い焚きの要否を判定する。図5の太実線で示されているように、80分時点では、風呂温度センサ30で検出される浴槽水の温度は追い焚き開始温度以下になっているため、保温制御手段55は、追い焚きが必要と判断し、風呂三方弁27を、風呂戻り管25からの浴槽水を風呂熱交換器24に流通させる状態に切り替えると共に風呂循環ポンプ31を駆動させて、浴槽水の追い焚き加熱を開始する。インターバル時間カウンタ57のカウントはゼロにクリアーされ、再度インターバル時間のカウントをスタートさせる(80分時点)。追い焚き自体は浴槽水の温度が風呂設定温度以上となるまで行われる。なお、保温運転の一時停止解除時は、必ず湯温確認動作が行われるが、湯温を確認した結果、浴槽水の温度が追い焚き開始温度より高い場合、追い焚きは行われない。
そして、人感センサ51により人(次の入浴者)が検出され、浴室47への人の入室が検出された時(90分時点)、図5の太実線で示されているように、風呂温度センサ30で検出される浴槽水の温度は、風呂設定温度付近となっている。退室判定による保温運転の一時停止自動解除により、保温運転が再開され、次の入浴者が入浴する際も、ぬるい湯に浸かることがなく、快適な入浴が行うことができる。図5の太実線で示されているように、次の入浴者が退室するまでの間(90分時点~115分時点)、浴槽水の温度は追い焚き開始温度を下回ることがなく、風呂設定温度付近に維持されている。
100分時点の動作は先に説明した20分時点の動作と同様なので説明を省略する。そして、保温開始から120分が経過、すなわち、保温時間カウンタ56が120分をカウントアップすると(120分時点)、保温制御手段55は、保温運転を終了する。この時、インターバル時間カウンタ57が20分をカウントアップするが、保温運転終了の信号の方が優位となるため、湯温確認および追い焚きの要否判定は実施されず、インターバル時間カウンタ57のカウントはゼロにクリアーされ、インターバル時間カウンタ57によるカウントも終了する。
以上説明したように、ユーザによる一時停止スイッチ50、54の操作により、保温運転の一時停止が設定された場合、保温運転の一時停止は、退室判定手段59により浴室47から人が退室したと判定された場合に、保温温制御手段54が自動的に解除するようにしたことで、たとえユーザが一時停止スイッチ50、54を操作(オフ操作)し忘れて、手動での保温運転一時停止解除がなされなかったとしても、浴室47から人が退室したことに基づいて自動的に解除されて保温運転が再開されるので、次の入浴者であっても、ぬるい湯に浸かることがなく、快適な入浴が行うことができる。
また、ユーザによる一時停止スイッチ50、54の操作により、保温運転の一時停止が設定された場合、インターバル時間を強制的にカウントアップさせ、保温運転の一時停止解除時に、インターバル時間のカウントアップ信号を有効にして、すぐさま風呂循環ポンプ31を駆動させて、風呂温度センサ30の検出する浴槽水の温度に基づいて、追い焚きの要否を判定することで、保温運転の一時停止解除時はすぐに浴槽水の湯温確認が行われ、湯温確認の結果、追い焚きが必要であると判定された場合は追い焚きを行い、快適な入浴が行える状態になるよう素早く準備し、湯温確認の結果、追い焚きが不要であると判定された場合は、無駄に追い焚きを行うことがなく、追い焚きに係るエネルギー消費を抑制することができる。
なお、第2実施形態では、保温運転一時停止の自動解除を、入浴者の退室判定により行うようにしたが、先に説明した第1実施形態の保温運転一時停止の自動解除、すなわち、保温運転の一時停止設定の開始タイミングから所定時間経過で自動解除するものと併せて行うようにしてもよく、この場合、自動解除タイミングが早く到来する方の制御方法により、保温運転の一時停止解除が実施される。
また、第1、第2実施形態では、貯湯タンク9内の高温湯と浴槽水とを風呂熱交換器24にて熱交換することで、浴槽水を追い焚き加熱しているが、ガスバーナや石油バーナで発生する燃焼炎および燃焼ガスと浴槽水とを風呂熱交換器24にて熱交換することで、浴槽水を追い焚き加熱するものであってもよく、浴槽水を加熱するための熱源は特に限定されない。