本発明に係る給湯装置の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態における貯湯式風呂給湯装置1の概略的なシステム構成図である。
図2は、貯湯式風呂給湯装置1の機能ブロック図である。
貯湯式風呂給湯装置(給湯装置)1は、貯湯タンクユニット3と、ヒートポンプユニット4と、風呂リモコン5と、台所リモコン10と、を主に有している。また、給湯装置1は、浴室6内の浴槽7と、シャワー8と、カラン9と、接続されている。
貯湯タンクユニット3は、湯水を貯湯する貯湯タンク11を有している。貯湯タンク11は、貯湯タンク11内の貯湯温度を検出する複数の貯湯温度センサ12を側面の上下方向にわたって有している。貯湯タンク11底部には、貯湯タンク11に市水を供給する給水管13が接続されている。給水管13は、市水の給水圧を一定の圧力に減圧する減圧弁14を有している。また、貯湯タンク11頂部には、貯湯タンク11内の過圧を逃す過圧逃し弁16が接続されている。
貯湯タンク11頂部には、貯湯タンク11から出湯する出湯管18が接続されている。出湯管18は、給水管13から分岐された給水バイパス管20と給湯混合弁19を介して接続されている。給水バイパス管20は、給水温度を検出する給水温度センサ25を有している。
給湯混合弁19は、給水バイパス管20からの湯水と出湯管18からの湯水とを給湯設定温度になるよう混合する。給湯混合弁19は、給湯管24と接続されており、給湯混合弁19で混合された湯水は給湯管24によりシャワー8およびカラン9へ導かれる。給湯管24は、給湯流量センサ26と、給湯温度センサ27と、流量調整弁28と、を有している。給湯流量センサ26および給湯温度センサ27は、給湯管24を流れる湯水の流量および温度をそれぞれ検出する。流量調整弁28は、開度を調整することにより給湯管24を流れる湯水の流量を調整(制限)する。
給湯管24は、湯水を風呂循環回路40へ供給する湯はり管32と接続されている。湯はり管32は、湯はり流量センサ33と、湯はり温度センサ34と、湯はり開閉弁35と、を有している。湯はり流量センサ33および湯はり温度センサ34は、湯はり管32から供給される湯水の流量および温度をそれぞれ検出する。湯はり開閉弁35は、湯はり管32を開閉し湯の流通を制御する電磁弁である。
貯湯タンクユニット3は、浴槽7の湯水(浴水)を浴槽7に設けられた循環口7aと風呂熱交換器41との間で循環させる風呂循環回路40を有している。風呂循環回路40は、戻り管42と、風呂熱交換器41と、往き管43とを主に有している。戻り管42および往き管43は、浴槽7の循環口7aに接続され浴槽7からの湯水を流通させる。戻り管42は、浴水を風呂熱交換器41へ戻す。風呂熱交換器41は、貯湯タンク11内上部に設けられ、貯湯タンク11内の湯の熱で浴水を加熱する。往き管43は、風呂熱交換器41で加熱された湯水を浴槽7側へ供給する。
風呂循環回路40は、風呂三方弁45を介して戻り管42と往き管43とをバイパスする熱交バイパス管46を有している。風呂三方弁45は、戻り管42からの湯水を風呂熱交換器41に流通させるか、往き管43にバイパスさせるかを切り替える。
また、戻り管42は、水位センサ48と、風呂温度センサ49と、風呂循環ポンプ50と、を有している。水位センサ48は、浴槽7からの圧力を検出することにより浴槽7内の水位を検出する。風呂温度センサ49は、循環する湯水の温度を検出する。風呂循環ポンプ50は、風呂循環回路40に湯水を循環させる。往き管43は、風呂循環回路40の湯水の循環(流通)の有無を検出する流水スイッチ51を有している。
貯湯タンクユニット3は、貯湯タンクユニット3の各部を電気的に制御する貯湯制御部55を有している。貯湯制御部55は、MPUなどの論理回路を有し、メモリを参照しつつ予め記憶されているプログラムに従って貯湯タンクユニット3の各部を制御する。すなわち、貯湯制御部55は、貯湯温度センサ12、給水温度センサ25、給湯流量センサ26、給湯温度センサ27、湯はり流量センサ33、湯はり温度センサ34、水位センサ48、風呂温度センサ49、および流水スイッチ51の検出値を取得し、この検出値に基づいて貯湯タンクユニット3の各種弁などの作動を制御する。本実施形態においては、貯湯制御部55は、水位センサにより検出された水位に基づいて入浴および出浴を検出する入出浴検出部として機能する。また、貯湯制御部55は、入浴または出浴の状態に関する情報が必要なタイミングである入出浴判断時の所定時間前にポンプが駆動している場合、ポンプを停止するポンプ制御部として機能する。
また、貯湯制御部55は、風呂リモコン5および台所リモコン10を介してユーザの指示を受け付け、各部を制御し指示を実行する。すなわち、貯湯制御部55は、風呂リモコン5および台所リモコン10で指示された給湯設定温度や、風呂設定温度、設定湯量などに基づいて風呂自動運転、風呂追だき運転、たし湯運転などを実行する。貯湯制御部55は、経過時間をカウントする(カウントアップする)第1タイマと、第2タイマと、第3タイマと、を有している。第1タイマは、入浴の検出から初回報知時間(後述)の経過までをカウントする。第2タイマは、初回報知時間の経過から、スヌーズ報知時間(後述)の経過を繰り返しカウントする。第3タイマは、入浴の検出から出浴の検出まで、または出浴が検出されない場合カウントの上限時間(タイマ上限時間)までをカウントする。本実施形態においては、第1から第3タイマは、入出浴検出部が入浴を検出してから報知時間までをカウントするタイマとして機能する。
貯湯タンクユニット3は、加熱往き管65および加熱戻り管66を介して、ヒートポンプユニット4と接続されている。ヒートポンプユニット4は、貯湯タンク11内の湯水を主に深夜時間帯に沸き上げる。ヒートポンプユニット4は、加熱往き管65と、加熱戻り管66と、冷媒回路61と、加熱制御部62と、外気温度センサ63と、を有している。
加熱往き管65は、加熱循環ポンプ64と、入水温度センサ69と、を有している。加熱循環ポンプ64は、貯湯タンク11底部から取り出した湯水を冷媒回路61内で循環させる。入水温度センサ69は、加熱往き管65から冷媒水熱交換器68に流入する湯水の温度を検出する。加熱戻り管66は、ヒートポンプユニット4で加熱された湯水を貯湯タンク11上部へ戻す。加熱戻り管66は、冷媒水熱交換器68から流出する湯水の温度を検出する沸き上げ温度センサ70を有している。
冷媒回路61は、圧縮機71、冷媒水熱交換器68、膨張弁72、および蒸発器73が冷媒サイクル配管74で環状に接続された回路である。圧縮機71は、冷媒を圧縮し高温冷媒とする。冷媒水熱交換器68は、高温冷媒と貯湯タンク11からの湯水とを熱交換する。膨張弁72は、冷媒水熱交換器68で放熱された冷媒を減圧し、低温低圧の冷媒とする。蒸発器73は、低温低圧の冷媒を蒸発させる。また、蒸発器73には、送風機75により熱源となる外気が送風される。
外気温度センサ63は、ヒートポンプユニット4が設置されている屋外の外気温度を検出する。加熱制御部62は、MPUなどの論理回路を有し、メモリを参照しつつ予め記憶されているプログラムに従ってヒートポンプユニット4の各部を電気的に制御する。すなわち、加熱制御部62は、入水温度センサ69、沸き上げ温度センサ70、および外気温度センサ63の検出値を取得し、冷媒回路61などの動作を制御する。
浴室6には、浴槽7、シャワー8、カラン9、および風呂リモコン5が設けられている。風呂リモコン5は、表示部91と、スピーカ92(図2)と、スイッチ類93と、通話部94(図2)と、焦電センサ98と、風呂リモコン制御部97と、を有している。
表示部91は、給湯装置1に関する各種の情報(給湯設定温度、風呂設定温度、風呂設定湯量、残湯量、給湯装置1の動作状態など)を表示する。
スイッチ類93は、設定スイッチ、風呂自動運転スイッチ、追いだきスイッチ、たし湯スイッチ、およびメニュースイッチなどを有する。
設定スイッチは、給湯設定温度、風呂設定温度および風呂設定湯量を設定する指示を受け付ける。風呂自動運転スイッチは、風呂自動運転を開始または停止する指示を受け付ける。追いだきスイッチは、追いだき運転を開始または停止する指示を受け付ける。たし湯スイッチは、たし湯運転を開始または停止する指示を受け付ける。メニュースイッチは、給湯装置1の詳細な設定を行う階層構造のメニュー設定画面を呼び出す。
なお、風呂自動運転は、風呂設定温度および設定湯量(設定水位)に基づいて浴槽7内の湯を設定水位および設定温度になるよう自動で湯を注湯(および追いだき)する湯はりをし、湯はり完了後は設定水位および設定温度を維持するよう保温時間が経過するまで自動で保温(追いだき)する自動保温運転をすることを意味する。追いだき運転は、風呂循環ポンプ50を駆動し、浴槽7内の湯を風呂熱交換器41との間で循環させて予め設定された目標温度まで加熱することを意味する。たし湯運転は、浴槽7に設定量の湯または水を注湯(注水)することを意味する。各運転は、貯湯制御部55の制御に基づいて実行される。
通話部94(インターホン)は、台所リモコン10と通信し、浴室6内の人と台所内の人との間で通話を行わせる。
焦電センサ98は、検出エリア内の熱源の温度変化量を検出することにより、浴室6における人の有無を検出する。具体的には、焦電センサ98は、人が移動したときや手足などを動かすことによる検出エリアの温度変化を検出することにより、浴室6内に人がいるか否か(動いているかどうか)を検出する。
風呂リモコン制御部97は、MPUなどの論理回路を有し、メモリを参照しつつ予め記憶されているプログラムに従って風呂リモコン5の各部を電気的に制御する。例えば、風呂リモコン制御部97は、スイッチ類93の指示信号や貯湯制御部55からの信号を受け、表示部91に予め定められた必要な情報を表示させる。
シャワー8およびカラン9は、浴室6内や、浴室6外の台所や洗面所などに設けられる。給湯管24は、流量調整弁28の下流側で分岐しており、浴室6に設けられたシャワー8およびカラン9と、浴室6外の各所のシャワー8およびカラン9へ並列に給湯している。
台所リモコン10は、浴室以外の箇所、例えば台所に設置されたリモコンである。台所リモコン10は、風呂リモコン5とほぼ同様の機能を有する、表示部101と、スピーカ102(図2)と、スイッチ類103と、通話部104(図2)と、台所リモコン制御部107と、を有している。台所リモコン制御部107は、MPUなどの論理回路を有し、メモリを参照しつつ予め記憶されているプログラムに従って台所リモコン10の各部を電気的に制御する。例えば、台所リモコン制御部107は、スイッチ類103の指示信号や貯湯制御部55からの信号を受け、表示部101に予め定められた必要な情報を表示させる。
上述した貯湯制御部55、加熱制御部62、風呂リモコン制御部97および台所リモコン制御部107は、互いに必要な情報を送受信可能に接続されている。
本実施形態における給湯装置1は、浴室6内の人(入浴者)の状況を把握し、入浴者および同居者などの浴室6外の人にその旨を報知することができる。具体的には、給湯装置1は、入退室および入出浴の状況を風呂リモコン5および台所リモコン10を介して報知(表示)する。また、給湯装置1は、浴槽7への入浴から出浴までの時間を監視し、予め設定された時間を経過しても出浴が検出されない場合に、風呂リモコン5および台所リモコン10を介して報知する機能(タイマ機能)を有する。以下、浴室6内の人の状況(入退室、入出浴)を検出し、状況を報知する機能を単に「報知機能」という。なお、報知機能には、タイマ機能が含まれている。以下、浴室6への入退室および浴槽7への入出浴の監視と、それに伴う報知を、入出浴報知処理として具体的に説明する。
図3は、本実施形態における給湯装置1により実行される入出浴報知処理を説明するフローチャートである。
図4は、本実施形態における給湯装置1により実行されるスヌーズ報知処理を説明するフローチャートである。
図5は、本実施形態における給湯装置1により実行されるタイマ機能停止後処理を説明するフローチャートである。
図6は、図3の処理において初回報知時間経過を報知する場合の浴室6内の人と、焦電センサ98と、水位センサ48と、第1タイマと、風呂リモコン5および台所リモコン10と、の動作を説明するためのタイムチャートである。
図7は、図3の処理において初回報知時間経過を報知しない場合の浴室6内の人と、焦電センサ98と、水位センサ48と、第1タイマと、風呂リモコン5および台所リモコン10と、の動作を説明するためのタイムチャートである。
図6および図7における各動作説明の後の括弧書きは、各動作に対応する図3の各ステップ名に関する記載である。
図3のステップS1において、貯湯制御部55は、浴室6に人が入室したか(在室しているか)否かを判定する。貯湯制御部55は、風呂リモコン5の焦電センサ98の検出結果に基づいて判定する。貯湯制御部55は入室していないと判定した場合(ステップS1のNo)、入室を検出するまで待機する。一方、貯湯制御部55は入室したと判定した場合(ステップS1のYes)、ステップS2において、人が浴室6に入室した旨を、風呂リモコン5および台所リモコン10を介して浴室6内および浴室6外の人に報知する。
ステップS3において、貯湯制御部55は、水位センサ48の検出結果に基づいて、浴槽7に人が入浴したか否かを判定する。例えば、貯湯制御部55は、水位センサ48の検出結果を所定周期で(例えば500ms毎に)取得し、得られた所定時間分(例えば3秒分)の検出結果の移動平均値(以下単に「現在水位」という)を算出し記憶する。貯湯制御部55は、新たに得られた現在水位を所定時間前(例えば30秒前)の現在水位(以下単に「比較水位」という)と比較する。貯湯制御部55は、現在水位≧比較水位+所定値(例えば3cm)が成立した場合に、浴槽7に人が入浴したと判定する。なお、所定値は人の体積により増加する水位を考慮して決定される。
貯湯制御部55は入浴していないと判定した場合(ステップS3のNo)、ステップS22に進む。一方、貯湯制御部55は、入浴判定ステップS3において入浴したと判定した場合(ステップS3のYes)、ステップS4において、人が入浴した旨を、風呂リモコン5および台所リモコン10を介して浴室6内および浴室6外の人に報知する。ステップS5において、貯湯制御部55は、初回報知時間の経過を検出するための第1タイマのカウントを開始する。また、貯湯制御部55は、タイマ上限時間の経過を検出するための第3タイマのカウントを開始する。貯湯制御部55は、風呂リモコン5(および台所リモコン10)に、入浴を検出してからの経過時間として第3タイマのカウント値を表示する。
ステップS6において、貯湯制御部55は、水位センサ48の検出結果に基づいて浴槽7から人が出浴したか否かを判定する。貯湯制御部55は、出浴検出処理(図8)を実行することによりに出浴を判定する。出浴検出処理の詳細は後述する。貯湯制御部55は出浴したと判定した場合(ステップS6のYes)、ステップS7において、人が出浴した旨を、風呂リモコン5および台所リモコン10を介して浴室6内および浴室6外の人に報知する。また、貯湯制御部55は、第1および第3タイマのカウントをリセットする。
ステップS8において、貯湯制御部55は、スヌーズ報知処理(図4)が実行中であるか否かの判定を行う。貯湯制御部55は、スヌーズ報知処理が実行中であると判定した場合(ステップS8のYes)、ステップS9において、スヌーズ報知処理を終了する。貯湯制御部55は、スヌーズ報知処理が実行中ではないと判定した場合(ステップS8のNo)、およびステップS9の後、入浴判定ステップS3に戻り、以降の処理を繰り返す。すなわち、貯湯制御部55は、再び入浴を検出した場合、新たに第1および第3タイマでカウントを開始し、入浴時間を監視する。
一方、貯湯制御部55は出浴していないと判定した場合(ステップS6のNo)、ステップS10において、第1タイマのカウントが初回報知時間を経過したか否かを判定する。初回報知時間は、入浴者が正常に入浴した場合に入浴から出浴までに要する時間を考慮して設定された任意の時間であり、例えば10分である。貯湯制御部55は、カウントが初回報知時間を経過していないと判定した場合(ステップS10のNo)、出浴判定ステップS6に戻る。
貯湯制御部55は、初回報知時間を経過したと判定した場合(ステップS10のYes)、ステップS11において、初回報知時間が経過した旨を風呂リモコン5(および台所リモコン10)を介して、入浴者に報知する。ステップS12において、貯湯制御部55は、第1タイマのカウントをリセットする。ステップS13において、貯湯制御部55は、スヌーズ報知処理(図4)を実行する。スヌーズ報知処理の詳細は、後述する。
ステップS14において、貯湯制御部55は、タイマ機能(第1タイマのカウント)を延長する指示またはタイマ機能を停止する指示を浴室6内の人から促すための画面を、風呂リモコン5の表示部91に表示する。「延長」は、例えば、再度、リセットされた第1タイマで入浴時間をカウントし、初回報知時間と同一時間(例えば10分)が経過した場合には報知することである。例えば、初回報知時間の10分が経過した後、入浴者がさらに入浴を継続し、かつ初回報知時間と同一時間経過時の報知を希望する場合に、延長の指示を受け付ける。「停止」は、例えば、以降の浴槽7への入出浴の監視およびそれに伴う報知(初回報知時間、スヌーズ報知時間およびタイマ上限時間の報知)を終了することであり、タイマ機能の停止である(詳細は、タイマ機能停止後処理として後述)。
貯湯制御部55は、風呂リモコン5のスイッチ類93を介して指示を受け付ける。例えば、スイッチ類93は、第1タイマの延長および停止を受け付けるスイッチを有しており、このスイッチにより指示を受け付ける。貯湯制御部55は、風呂リモコン5へ手をかざした動作を焦電センサ98に検出させることにより、例えば延長の指示を受け付けてもよい。また、ステップS14においては、選択画面を表示することなく、初回報知時間の経過を知らせる音のみで入浴者に選択(指示)を促してもよい。
また、ステップS14においては、貯湯制御部55は、風呂リモコン5の表示部91に、出浴を促す旨も表示する。
ステップS15において、貯湯制御部55は、タイマ機能の停止の指示を受け付けたか否かの判定を行う。貯湯制御部55は、浴室6内の人からタイマ機能を停止する指示を受け付けた場合(ステップS15のYes)、ステップS16に進む。ステップS16およびS17は、スヌーズ実行判定ステップS8およびスヌーズ終了ステップS9と同様であるため、説明を省略する。ステップS18において、貯湯制御部55は、タイマ機能停止後処理(図5)を実行する。タイマ機能停止後処理の詳細は、後述する。なお、停止指示は、初回報知時間が経過した旨を表示した後の選択画面の表示時(選択画面表示ステップS14)のみによらず、入出浴報知処理が実行されている間はスイッチ類93を介して常時受け付けることができる。
一方、貯湯制御部55は、浴室6内の人からカウントを停止する選択を受け付けていない場合(ステップS15のNo)、ステップS19において、タイマ機能の延長の指示を受け付けたか否かの判定を行う。貯湯制御部55は、浴室6内の人から延長する指示を受け付けていない場合(ステップS19のNo)、停止判定ステップS15に戻り、停止または延長の指示を受け付けるまで処理を繰り返す。
一方、貯湯制御部55は、浴室6内の人から延長する指示を受け付けた場合(ステップS19のYes)、ステップS20に進む。ステップS20およびS21は、スヌーズ実行判定ステップS8およびスヌーズ終了ステップS9と同様であるため、説明を省略する。貯湯制御部55は、スヌーズ報知処理が実行中ではないと判定した場合(ステップS20のNo)、およびステップS21の後、入浴報知ステップS4に戻り、以降の処理を繰り返す。すなわち、貯湯制御部55は、風呂リモコン5(および台所リモコン10)に表示されていた初回報知時間経過の報知を、人が入浴した旨の報知に切り替える。
貯湯制御部55は、入浴判定ステップS3において人が入浴していないと判定した場合(ステップS3のNo)、ステップS22において、焦電センサ98の検出結果に基づいて浴室6から人が退室したか否かを判定する。貯湯制御部55は退室していないと判定した場合(ステップS22のNo)、入浴判定ステップS3に戻る。一方、貯湯制御部55は退室したと判定した場合(ステップS22のYes)、ステップS23において、入浴者が浴室6から退室した旨を、風呂リモコン5および台所リモコン10を介して浴室6内および浴室6外の人に報知する。貯湯制御部55は、入室検出ステップS1に戻り、以降の処理を繰り返す。すなわち、次の入浴者が浴室6に入室するまで待機し、入室を検出した場合(ステップS1のYes)にはステップS2以降の処理が繰り返される。
次に、図4を用いてスヌーズ報知処理を説明する。スヌーズ報知処理は、図3の初回報知時間経過後から出浴が検出されるまで、またはタイマ上限時間が経過するまでの間、入出浴報知処理においてタイマ機能を延長する指示および停止する指示のいずれも受け付けない場合に、実行される。スヌーズ報知処理は、スヌーズ報知時間(例えば5分)ごとに、初回報知時間を経過したにもかかわらず出浴していないことを、入浴者や浴室6外の人に繰り返し報知することを意図している。
ステップS31において、貯湯制御部55は、第2タイマのカウントを開始する。ステップS32において、貯湯制御部55は、第2タイマのカウントがスヌーズ報知時間を経過したか否かを判定する。貯湯制御部55は、カウントがスヌーズ報知時間を経過していないと判定した場合(ステップS32のNo)、スヌーズ報知時間が経過するまで待機する。一方、貯湯制御部55は、スヌーズ報知時間を経過したと判定した場合(ステップS32のYes)、ステップS33において、スヌーズ報知時間が経過した旨を風呂リモコン5および台所リモコン10を介して、入浴者および浴室6外の人に報知する。
ステップS34において、貯湯制御部55は、第3タイマのカウントが上限時間に達し、タイマ上限時間が経過したか否かを判定する。貯湯制御部55は、スヌーズ報知処理を実行する上限時間(例えば入浴検出(ステップS3)から99分)をタイマ機能のカウント満了時間として便宜上設定している。貯湯制御部55は、タイマ上限時間が経過していないと判定した場合(ステップS34のNo)、経過判定ステップS32に戻り、以降の処理を繰り返す。すなわち、貯湯制御部55は、第3タイマのカウントが上限時間に達するまで、スヌーズ報知時間が経過するたびに報知する。
一方、貯湯制御部55は、タイマ上限時間が経過したと判定した場合(ステップS34のYes)、ステップS35において、タイマ上限時間が経過したことを報知し、処理を終了する。
ここで、表示部91、101は、例えば、液晶表示画面、および水平方向に並べられた複数のセグメントからなるゲージを有している。入出浴報知処理(図3)およびスヌーズ報知処理(図4)においては、風呂リモコン制御部97および台所リモコン制御部107は、貯湯制御部55の指示に基づいて、報知内容を液晶表示画面に図や文字で表示することができる。また、風呂リモコン制御部97および台所リモコン制御部107は、各セグメントの色を異ならせたり、点灯、消灯および点滅を組み合わせたり、ゲージの長さを異ならせたりすることにより、入浴時間をはじめとする浴室6内の状況を表示することができる。
例えば、貯湯制御部55は、入室を検出した場合(入室検出中、出浴検出後)には、中央の1つのセグメントを白色で点灯する。貯湯制御部55は、出浴を検出した場合、全てのセグメントを消灯する(消灯することで出浴を報知する)。貯湯制御部55は、入浴を検出した場合、左端のセグメントを緑色で点滅する。また、貯湯制御部55は、入浴検出中においては、入浴時間に応じた個数のセグメントを左端から順に緑色で点灯する。入浴時間に応じた表示は、浴室6外の人に表示する必要性が低いため、風呂リモコン5のみに行うのが好ましい。例えば、貯湯制御部55は、入浴検出中においては、台所リモコン10の表示部101の所定数のセグメントを緑色で点灯した状態を維持する。
貯湯制御部55は、第1タイマのカウントが初回報知時間を経過した場合、および第2タイマのカウントがスヌーズ報知時間を経過した場合、風呂リモコン5の表示部101の全てのセグメントを、所定時間緑色で点滅する。また、貯湯制御部55は、台所リモコン10の表示部101の所定数のセグメントを、所定時間緑色で点滅する。貯湯制御部55は、初回報知時間経過およびスヌーズ報知時間経過の報知時には、スピーカ92、102を介して音で報知してもよい。
貯湯制御部55は、初回報知時間経過の報知(報知ステップS11)は、風呂リモコン5の表示部91においてのみ行ってもよい。入浴の経過時間を知らせる1回目の報知となる初回報知時間経過の報知(例えば入浴検出から10分後)は、入浴者の入浴時間の目安の通知として用いるのが適しており、スヌーズ報知時間の経過から浴室6外の人に通知すれば十分だからである。
また、貯湯制御部55は、初回報知時間またはスヌーズ報知時間経過後、台所リモコン10の表示部101に入浴者の安否状態の確認を促す旨を表示させてもよい。また、風呂リモコン制御部97および台所リモコン制御部107は、通話部94、104を制御し、浴室6と台所との間で自動的に通話可能な状態にしてもよい。これにより、浴室6外の人は入浴者とコミュニケーションを図り安否確認をすることができたり、応答がない場合には入浴事故の発生を即座に認識したりすることができる。
なお、上記は表示態様の一例であり、表示の態様はこれに限られない。
次に、図5を用いてタイマ機能停止後処理を説明する。タイマ機能停止後処理は、タイマ機能を停止する指示を受け付けた場合(停止判定ステップS15のYes)に実行される。
ステップS41において、貯湯制御部55は、タイマ機能の停止を解除する解除指示を受け付けたか否かを判定する。解除指示は、例えば、風呂リモコン5のスイッチ類93が有する、停止を解除する指示を受け付けるスイッチを介して受け付ける。貯湯制御部55は、解除指示を受け付けたと判定した場合(ステップS41のYes)、タイマ機能停止後処理を終了し、入出浴報知処理(図3)の入浴判定ステップS3に進む。
一方、貯湯制御部55は、解除指示を受け付けていないと判定した場合(ステップS41のNo)、ステップS42において、焦電センサ98の検出結果に基づいて浴室6から人が退室したか否かを判定する。貯湯制御部55は退室していないと判定した場合(ステップS42のNo)、解除判定ステップS41に戻る。一方、貯湯制御部55は退室したと判定した場合(ステップS42のYes)、ステップS43において、入浴者が浴室6から退室した旨を、風呂リモコン5および台所リモコン10を介して浴室6内および浴室6外の人に報知する。
ステップS44において、貯湯制御部55は、浴室6に人が入室したか否かを判定する。貯湯制御部55は、風呂リモコン5の焦電センサ98の検出結果に基づいて判定する。貯湯制御部55は入室していないと判定した場合(ステップS44のNo)、入室を検出するまで待機する。一方、貯湯制御部55は入室したと判定した場合(ステップS44のYes)、ステップS45において、人が浴室6に入室した旨を、風呂リモコン5および台所リモコン10を介して浴室6内および浴室6外の人に報知する。貯湯制御部55は、解除判定ステップS41に戻り、以降の処理を繰り返す。
ここで、貯湯制御部55は、上述したとおり、出浴の検出を水位センサ48の検出結果に基づいて行う。水位センサ48は、風呂循環ポンプ50により循環する湯水が流れる戻り管42に設置されている。水位センサ48は、風呂循環ポンプ50の圧力の影響を受けてしまい、風呂循環ポンプ50が作動する追いだき運転中および停止後から圧力が一定となるまでの期間は、浴槽7内の水位を正しく検出することができない検出不可期間(ポンプ駆動中およびポンプ停止後水位の検出を行わない期間)となる。このため、給湯装置1は、追いだき運転中は浴槽7に人が入浴したか、または出浴したか否かを検出することができない。特に、報知時間(初回報知時間、スヌーズ報知時間およびタイマ上限時間)到達直前に風呂循環ポンプ50が駆動していた場合、出浴が検出できないため報知時間経過による報知も行うことができない。
これに対し、本実施形態における給湯装置1は、報知時間直前に追いだき運転に伴う風呂循環ポンプ50の駆動を停止することにより、上述した報知機能を好適に実現することができる。以下、フローチャートを用いて説明する。
図8は、本実施形態における給湯装置1により実行される出浴検出処理を説明するフローチャートである。この出浴検出処理は、入出浴報知処理(図3)で入浴が検出された(入浴判定ステップS3のYes)後(またはカウント開始ステップS5の後)、開始される。
ステップS51において、貯湯制御部55は、追いだき運転を開始する指示を受け付けたか否かを判定する。貯湯制御部55は、追いだき運転を開始する指示をスイッチ類93の追いだきスイッチを介して受け付ける。なお、ステップS51においては、風呂自動運転中の自動保温運転に伴う追いだきの要否を判定してもよい。貯湯制御部55は、追いだき運転の指示を受け付けていないと判定した場合(ステップS51のNo)、水位取得ステップS57へ進む。
貯湯制御部55は、追いだき運転の指示を受け付けたと判定した場合(ステップS51のYes)、ステップS52において、現在水位を追いだき前水位(ポンプ駆動前に水位センサにより検出された水位である駆動前水位)として取得し、記憶する。水位センサ48は、風呂循環ポンプ50の駆動後は、水位の検出ができない(検出しないよう制御される)。このため、貯湯制御部55は、風呂循環ポンプ50停止後の現在水位と比較するための追いだき前水位を記憶する。
ステップS53において、貯湯制御部55は、報知時間の30秒前であるか否かを判定する。報知時間の30秒前は、入出浴判断時の所定時間前としての時間である。
入出浴判断時としての報知時間は、出浴の状態(出浴の有無)に関する情報が必要なタイミングであり、具体的には第1から第3のタイマのカウントが各報知時間を経過したか否かを判定するときである。さらに具体的には、入出浴報知処理(図3)の初回報知時間の経過(到達)を判定する時(ステップS10)、スヌーズ報知処理(図4)のスヌーズ報知時間の経過を判定する時(ステップS32)、およびタイマ上限時間の経過を判定する時(ステップS34)である。
所定時間としての30秒は、少なくとも、ポンプ停止後、貯湯制御部55が出浴の検出が可能となる期間である。具体的には、所定時間である30秒は、水位センサ48の検出不可期間と、検出不可期間経過後に入出浴検出部としての貯湯制御部55が出浴の検出に要する期間とを合わせた期間である。貯湯制御部55が出浴の検出に要する期間は、水位センサ48が検出した水位を取得し、その水位と比較水位(出浴検出処理においては追いだき前水位)とを比較し、出浴の検出の状態(有無)を判定する期間に相当する。
貯湯制御部55は、報知時間の30秒前ではないと判定した場合(ステップS53のNo)、すなわち、報知時間の直前ではないと判定した場合、ステップS54において、追いだき運転を開始する。すなわち、貯湯制御部55は、風呂循環ポンプ50を駆動する。ステップS55において、貯湯制御部55は、浴槽7の湯が、目標温度に到達したか否かを判定する。貯湯制御部55は、目標温度に到達したと判定した場合(ステップS55のYes)、ステップS56において、追いだき運転を終了する。これに伴い、貯湯制御部55は、風呂循環ポンプ50を停止する。ステップS57において、貯湯制御部55は、現在水位を取得する。ステップS58において、貯湯制御部55は、現在水位≦比較水位-所定値が成立したか否かを判定する。すなわち、貯湯制御部55は、入浴後、人の体積分に相当する水位以上の水位が減少したか否かを判定する。貯湯制御部55は、現在水位≦比較水位-所定値が成立していないと判定した場合(ステップS58のNo)、追いだき判定ステップS51に戻る。
一方、貯湯制御部55は成立したと判定した場合(ステップS58のYes)、ステップS59において、出浴を検出し、処理を終了する。貯湯制御部55は、出浴を検出した場合、入出浴報知処理(図3)の出浴判定ステップS6で、出浴したと判定する。
一方、貯湯制御部55は、ステップS55において、目標到達温度に到達していないと判定した場合(ステップS55のNo)、ステップS60において、報知時間の30秒前であるか否かを判定する。貯湯制御部55は、報知時間の30秒前ではないと判定した場合(ステップS60のNo)、すなわち、報知時間の直前ではないと判定した場合、温度判定ステップS55に戻る。
一方、貯湯制御部55は、報知時間の30秒前であると判定した場合(ステップS60のYes)、すなわち、報知時間の直前であると判定した場合、ステップS61において、ポンプ制御部としての貯湯制御部55は、追いだき運転を停止する。すなわち、貯湯制御部55は、風呂循環ポンプ50を停止する。ステップS62において、貯湯制御部55は、現在水位(ポンプ停止後に水位センサにより検出された水位である停止後水位)を取得する。ステップS63において、貯湯制御部55は、現在水位≦追いだき前水位-所定値が成立したか否かを判定する。すなわち、貯湯制御部55は、追いだき運転停止後(ポンプ停止後)において、水位取得ステップS52で記憶した追いだき前水位と現在水位とを比較し、追いだき運転中(追いだき開始ステップS54から追いだき停止ステップS61の間)に入浴者が出浴したか否かを判定する。貯湯制御部55は、現在水位≦追いだき前水位-所定値が成立していないと判定した場合(ステップS63のNo)、ステップS64において、報知時間が経過したか否かを判定する。貯湯制御部55は、報知時間が経過していないと判定した場合(ステップS64のNo)、ステップS62に戻り、報知時間が経過するまで、または現在水位≦追いだき前水位-所定値が成立するまで、水位取得ステップS62および出浴判定ステップS63を繰り返す。
一方、貯湯制御部55は、現在水位≦追いだき前水位-所定値が成立したと判定した場合(ステップS63のYes)、ステップS65において、出浴を検出する。出浴検出ステップS65の後、および経過判定ステップS64で報知時間が経過したと判定した場合(ステップS64のYes)、ステップS66において、貯湯制御部55は、停止した追いだき運転を開始し、処理を終了する。なお、追いだき運転の開始(ポンプの駆動)は、水位センサ48が水位取得ステップS62において現在水位(停止後水位)を検出した後であればよい。
一方、貯湯制御部55は、報知時間前判定ステップS53において報知時間の30秒前であると判定した場合(ステップS53のYes)、追いだき運転を待機し、水位取得ステップS62に進む。この場合、貯湯制御部55は、出浴検出ステップS65の後、または報知時間が経過した後(経過判定ステップS64のYes)、待機していた追いだき運転を開始する。
このような給湯装置1は、報知時間の直前に風呂循環ポンプ50が駆動する風呂動作が行われている場合、風呂循環ポンプ50を停止し、報知時間における入浴者の状況を好適に把握することができる。このような出浴検出処理を実行することにより、給湯装置1は、タイマ機能が風呂循環ポンプ50の動作により妨げられることがない。かつ、風呂循環ポンプ50(追いだき運転などの風呂動作)の停止時間を報知時間の直前の最低限とすることにより、使用者の意図する風呂動作を妨げることがない。この結果、給湯装置1は、タイマ機能の使用者の使い勝手を向上させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
図8の出浴検出処理を実行する給湯装置は、上述した報知機能(タイマ機能)を実行する給湯装置1のみならず、浴室内における人の入浴および出浴を検出しておきたいタイミング(入浴または出浴の状態に関する情報が必要なタイミング)において風呂循環ポンプ50が駆動している可能性がある給湯装置全般に適用することができる。また、風呂循環ポンプ50が駆動する風呂動作として、追いだき運転を適用した給湯装置1の例を説明したが、これに限らずたし湯運転など水位センサ48が検出不可期間となる風呂動作を適用することができる。
焦電センサ98を一例として説明した人感センサは、浴室6のドアに設けられたドア開閉センサ、CCDイメージセンサ、エリアセンサ、サーモグラフィであってもよい。
台所リモコン10を一例として説明した浴室外のリモコンは、リビングなどの台所以外の箇所に設置されたリモコンであってもよい。
また、給湯装置1は、ヒートポンプユニット4に代えて、貯湯タンク11に電熱ヒータ式の加熱手段を有したり、ガスバーナや石油バーナで加熱する瞬間式熱交換器(風呂熱交換器)を有したり、コージェネレーションシステムの廃熱回収装置を有してもよい。