JP3926919B2 - 弾性表面波装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は弾性表面波フィルタ、弾性表面波共振子などの弾性表面波装置に関し、特に圧電性基板として表面保護膜を有する四硼酸リチウム(LBO:Li2 4 7 )基板を用いた弾性表面波装置の構造及び保護膜の構成材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
弾性表面波装置は圧電性基板上に配設された櫛歯型電極(IDT:InterDigital Transduser)により電気信号を弾性表面波(SAW:Surface Achostic Wave)に変換し、圧電性基板上に配設されたIDTによりSAWを受信し、電気信号とSAWとの変換にかかわる周波数特性を利用するデバイスである。
【0003】
近年携帯電話には、薄型であり小型化ができるというメリットにより弾性表面波装置が広く用いられるようになってきている。このなかでごく最近普及の始まった日本の簡易携帯電話システム(PHS:Personal Handy−phone System)は中間周波数IF段(約240MHz)には0.1%程度の比帯域を持つ怠峻な帯域外減衰特性を持つフィルタが要求されている。このような用途において周波数温度特性の1次係数が0で比較的電気機械結合係数k2 が1%程度と大きく、IDT1本当たりのSAWの反射係数が約3%と大きい45°XカットZ伝搬のLBO基板(45°X−Z LBO)(例えば特公平7−16141)を利用することが有望視されている。この基板を用いると、水晶基板(周波数温度特性の1次係数=0、k2 =0.15%、IDT1本当たりのSAWの反射係数=0.7%)を利用した場合に比べて弾性表面波装置のチップサイズを小型化できるというメリットがある。
【0004】
しかしながらLBO基板は酸にも水にも溶解しやすいという特性を持つため、例えばAlなどからなる電極を形成するプロセスにおいて酸及び水から基板を保護するため、あるいは完成した弾性表面波装置を大気中の湿気の影響から保護するために、基板上に保護膜としての誘電体膜を形成して用いられる。
例えばLBOからなる基板上に、保護膜として形成されたSiO2 等の材料から成る誘電体膜が配設され、この誘電体膜上にAl等の金属材料から成る櫛歯型電極を配設すれば、誘電体膜により基板上に形成する櫛歯型電極を加工する時に用いられるエッチング液、洗浄液などから基板を保護することができる。
【0005】
また櫛歯型電極を基板上に直接配設し、誘電体膜を櫛歯型電極を含めて基板の主面全体を覆うように配設すれば、誘電体膜により基板及び櫛歯型電極を大気中に含まれる湿気等の影響から保護することができる。である。誘電体膜も上述のようにスパッタ法等により形成することができる。
さらに誘電体膜を櫛歯型電極の上下に配設するようにすれば、さらに安定な弾性表面波装置を得ることができる。
【0006】
図5はLBO基板の保護膜として用いられる誘電体膜と、LBO基板上を伝搬するSAW位相速度との関係を実験的に求めた結果を示したものである。
【0007】
誘電体材料にTa2 5 を用いた場合には、誘電体膜の膜厚とともにSAWの位相速度Vs は低下する傾向があり、ΔVs (h/λ)/Vs(0)=−0.5、すなわち誘電体膜の膜厚hがSAWの波長λの1%の場合SAW位相速度は0.5%減少する。
200MHzで動作する弾性表面波装置の場合、誘電体膜の厚みを0.17μm(0.01λ)に設定すると約1MHzの周波数低下が生じてしまうことになる。同様に誘電体膜の構成材料にSiO2 を用いた場合には誘電体膜の膜厚とともにSAWの位相速度Vs は上昇する傾向があり、ΔVs (h/λ)/Vs(0)=1.2、すなわち誘電体膜の膜厚hがSAW波長λの1%の場合SAW位相速度は1.2%上昇する。
200MHzで動作するSAWテバィスの場合、誘電体膜の厚みを0.17μm(0.01λ)に設定すると約2.4MHzの周波数上昇が生じてしまうことになる。
【0008】
さらに誘電体材料にSi3 4 を用いた場合には、誘電体膜の膜厚とともにSAW位相速度Vs は上昇する傾向はSiO2 を用いた場合よりも顕著であり、ΔVs (h/λ)/Vs (0)=3.0、すなわち誘電体膜の膜厚hがSAW波長λの1%の場合SAW位相速度は3.0%上昇する。
200MHzで動作する弾性表面波装置の場合、誘電体膜の厚みを0.17μm(0.01λ)に設定すると約6.0MHzの周波数上昇が生じてしまうことになる。
【0009】
一般に誘電体膜をスパッタ等により成膜する場合、均一な膜厚を有するように成膜することは困難であり、基板上に成膜された誘電体膜には膜厚のばらつきが生じる。また成膜バッチ間でも誘電体膜の厚みにばらつきが生ずる。このようなばらつきの大きさは一般的におおよそ±5%程度である。
膜厚が±5%程度ばらついたとき生ずる周波数変動は、200MHzで動作する弾性表面波装置の場合、誘電体膜の厚みを0.01λとすると、誘電体膜材料がTa2 5 、SiO2 、Si3 4 でそれぞれ±0.05MHz、±0.12MHz、±0.30MHzとなる。
【0010】
このような周波数変動は弾性表面波装置の信頼性を低下させる原因となる。また設計が繁雑になったり、チューニングが必要になったりして生産性を低下させることから製造上の大きな障害となっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような問題を解決するためになされたものである。すなわち本発明の弾性表面波装置は、周波数変動が小さく、生産性の高い構造を有する弾性表面波装置を提供することを目的とする。
また本発明は、周波数変動を生じることなく基板を保護することのできる構造を有する弾性表面波装置に関する。
【0012】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するため、本発明の弾性表面波装置は以下のような構成を備えている。
【0013】
本発明の弾性表面波装置は、四硼酸リチウムからなる基板と、前記基板上に配設された誘電体膜と、前記誘電体膜上に配設された櫛歯型電極とをを具備し、前記誘電体膜は、前記基板上を伝搬する弾性表面波の位相速度が、前記基板上に前記櫛歯型電極を直接配設したときの第1の位相速度よりも小さくなるような第1の誘電体材料と、前記基板上に前記櫛歯型電極を直接配設したときの前記第1の位相速度よりも大きくなるような第2の誘電体材料との混合組成を有することを特徴とする。
【0014】
また本発明の弾性表面波装置は、四硼酸リチウムからなる基板と、前記基板上に配設された櫛歯型電極と、前記櫛歯型電極の上側から前記基板上に配設された誘電体膜とを具備し、前記誘電体膜は、前記基板上を伝搬する弾性表面波の位相速度が、前記基板上に前記櫛歯型電極を直接配設したときの第1の位相速度よりも小さくなるような第1の誘電体材料と、前記基板上に前記櫛歯型電極を直接配設したときの前記第1の位相速度よりも大きくなるような第2の誘電体材料との混合組成を有することを特徴とする。
前記誘電体膜は前記櫛歯型電極の上にも配設されていてもよい。すなわち、厚電性基板上に誘電体膜を配設し、この上に櫛歯型電極、反射器などの電極パターンを配設し、さらに電極パターンの上側から圧電性基板を覆うように誘電体膜を配設するようにしてもよい。
【0015】
このような構成を採用することにより、例えばLBO基板上形成した誘電体膜の膜厚に不均一に起因する周波数変動が低減する。したがって動作周波数のばらつきの小さな弾性表面波装置を高い生産性で提供することができる。
【0016】
また、前記誘電体膜を構成する前記第1の誘電体材料と前記第2の誘電体材料との混合組成比は、前記基板上を伝搬する弾性表面波の位相速度の前記誘電体膜の膜厚依存性がほぼ零になるように設定することが好ましい。このような構成を採用することにより、例えばLBO基板上形成した誘電体膜の膜厚に不均一に起因する周波数変動がなくなる。
【0017】
すなわち本発明の弾性表面波装置はLBO基板上に形成する誘電体膜を、LBO基板上を伝搬するSAWの位相速度を低下させる第1の誘電体とLBO基板上を伝搬するSAWの位相速度を上昇させる第2の誘電体の混合組成を有する誘電体により構成し、その組成比率をLBO基板上を伝搬するSAWの位相速度の誘電体膜厚依存性を零とするよう組み合わせて構成したものである。
【0018】
したがってLBO基板上を伝搬するSAWの位相速度の誘電体膜厚依存性をほぼ零とすることができ、スパッタ等により形成する誘電体膜の膜厚が変動した場合にも弾性表面波装置の周波数変動を生じさせなくすることができる。このため生産性を向上することができる。
【0019】
第1の誘電体材料としては例えばTa2 5 を用いるようにしてもよい。
また第2の誘電体材料としては例えばSiO2 、Si3 4 等を用いるようにしてもよい。混合組成比は体積比、重量比、あるいはモル比など製造上の必要などに応じて用いるようにすればよい。またこのような第1の誘電体材料と第2の誘電体材料とからなる誘電体膜は均一な組成比を有するように形成することが好ましく、例えばスパッタ法などにより成膜するようにしてもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図を参照して説明する。
【0021】
(実施形態1)
図1は本発明の弾性表面波装置の構造の例を概略的に示す図である。また図2は誘電体膜を有する弾性表面波装置の構造の例を概略的に示す図である。
【0022】
図2(a)の弾性表面波装置では、LBOからなる基板1上に、保護膜として形成されたSiO2 等の材料から成る誘電体膜2が配設され、この誘電体膜2上にAl等の金属材料から成る櫛歯型電極3が配設されている。誘電体膜2は、LBO基板1上にスパッタ法等により形成することができる。この場合誘電体膜2は基板上1に形成する櫛歯型電極3を加工する時に用いられるエッチング液、洗浄液などから基板を保護する役割を果たすものである。図2(a)は図1に例示したような弾性表面波装置の断面構造に対応する。
【0023】
図2(b)の弾性表面波装置では、櫛歯型電極3は基板1上に直接配設され、誘電体膜2は櫛歯型電極3を含めて基板1の主面全体を覆うように形成されている。この場合誘電体膜2は基板1及び櫛歯型電極3を大気中に含まれる湿気等の影響から保護する役割を果たすものである。誘電体膜2も上述のようにスパッタ法等により形成することができる。
【0024】
図2(c)の弾性表面波装置は、図2(a)と図2(b)とを組み合わせたもので、誘電体膜2が櫛歯型電極3の上下に配設されている。
このような構造では、図2(a)及び図2(b)の構造よりもさらに安定な弾性表面波装置を得ることができる。そして本発明の弾性表面波装置においては誘電体膜2は、LBO基板1上を伝搬する弾性表面波の位相速度が、LBO基板1上に櫛歯型電極3を直接配設したときの第1の位相速度よりも小さくなるような第1の誘電体材料と、LBO基板1上に櫛歯型電極3を直接配設したときの第1の位相速度よりも大きくなるような第2の誘電体材料との混合組成で構成されている。
さらにこの誘電体膜2を構成する前記第1の誘電体材料と前記第2の誘電体材料との混合組成比は、LBO基板1上を伝搬する弾性表面波の位相速度の誘電体膜2の膜厚依存性がほぼ零になるように設定されている。
【0025】
図3はSiO2 とTa2 5 とからなる誘電体膜を用いて弾性表面波装置を形成した場合に、LBO基板上を伝搬するSAWの位相速度の誘電体膜厚依存性を示す図である。
プロファイルAは、SiO2 とTa2 5 の体積混合比を35対65とした場合であり、プロファイルBはSiO2 とTa2 5 の体積混合比を30対70とした場合であり、プロファイルCはSiO2 とTa2 5 の体積混合比を25対75とした場合である。なお誘電体膜の膜厚は弾性表面波の波長λで規格化した値(h/λ)として示している。
【0026】
図3から、SiO2 とTa2 5 の体積混合比を30対70とした場合に、LBO基板上を伝搬するSAWの位相速度の誘電体膜厚依存性をほぼ零とすることができることがわかる。
【0027】
SiO2 とTa2 5 の体積混合比を35対65とした場合(A)、誘電体膜の膜厚の増加とともにSAW位相速度Vs も増加する。ΔVs (h/λ)/Vs (0) =0.09のとき、すなわち誘電体膜の膜厚hがSAW波長λの約1%の場合、SAW位相速度は約0.09%増大してしまうことがわかる。200MHzで動作する弾性表面波装置の場合には、誘電体膜の厚みを0.17μm(0.01λ)とすると約0.18MHzの周波数上昇が生じてしまうことになる。
【0028】
SiO2 とTa2 5 の体積混合比を25対75とした場合(C)、誘電体膜の膜厚の増加とともにSAW位相速度Vs は低下する。ΔVs (h/λ)/Vs (0) =−0.08のとき、すなわち誘電体膜の膜厚hがSAW波長λの約1%の場合、SAW位相速度は約0.08%低下してしまうことがわかる。200MHzで動作する弾性表面波装置の場合には、誘電体膜の厚みを0.17μm(0.01λ)とすると約0.16MHzの周波数低下が生じてしまうことになる。
【0029】
前述のように、一般に誘電体膜をスパッタ等により成膜する場合、均一な膜厚を有するように成膜することは困難であり、基板上に成膜された誘電体膜には膜厚のばらつきが生じる。また成膜バッチ間でも誘電体膜の厚みにばらつきが生ずる。このようなばらつきの大きさは一般的におおよそ±5%程度である。
このとき生ずる周波数変動は200MHzで動作する弾性表面波装置の場合、誘電体膜が厚み0.01λ、誘電体膜材料のSiO2 とTa2 5 の混合組成比(体積比)を30対70とした場合±0.0009MHzとなる。この周波数変動量は図5を用いて説明した誘電体膜にSiO2 を用いた場合の周波数変動量のおおよそ1/140と非常に小さいものとなる。このように本発明によれば、弾性表面波装置の周波数ばらつきに起因する生産性の低下を低減することができ周波数特性の安定な弾性表面波装置を高い再現性で製造することができる。
【0030】
(実施形態2)
つぎに、SiO2 とTa2 5 の混合組成から成る誘電体膜を得る方法の例について説明する。
【0031】
図4は本発明の弾性表面波装置の製造方法の例を説明するための図であり、LBOなどの水や酸に対して溶解するような圧電性材料からなるウエハ上に、基板上を伝搬するSAWの位相速度を低下させる第1の誘電体とLBO基板上を伝搬するSAWの位相速度を上昇させる第2の誘電体の混合組成を有する誘電体膜を成膜する様子を模式的に示している。
【0032】
図4(a)において、41はスパッタ装置のチャンバ40内に設置した第1のスパッタ・ターゲットであり、スパッタ母材としてTa2 5 からなる第1の誘電体21が張り付けられている。42は第2のスパッタ・ターゲットでスパッタ母材としてSiO2 からなる第2の誘電体22が張り付けられている。第1のスパッタ・ターゲット21及び第2のスパッタ・ターゲット22には個別に高周波電源が接続されており、それぞれ独立に放電電力を制御できるように構成されている。このような装置構成により第1及の誘電体21、第2の誘電体22を同時にスパッタし、スパッタ装置のチャンバ40内に設置したLBO基板からなるウエハ1wにSiO2 とTa2 5 の混合組成から成る誘電体膜2を形成することができる。SiO2 とTa2 5 の混合組成比は第1及び第2のスパッタ・ターゲットに印加する高周波電力の大きさを個別に制御することにより調整することができる。
【0033】
図4(b)において、4はスパッタ・ターゲットで、このターゲットは、スパッタ母材としてTa2 5 からなる第1の誘電体21とSiO2 からなる第2の誘電体22とが組み合わされて張り付けられている。
このような装置構成により第1及び第2の誘電体を同時にスパッタし、スパッタ装置のチャンバ40内に設置したLBO基板からなるウエハ1wにSiO2 とTa2 5 の混合組成から成る誘電体膜を形成することができる。この時スパッタ・ターゲット4に組み合わせて張り付ける第1の誘電体21と第2の誘電体22とのターゲット面内の面積比率を調整することにより、SiO2 とTa2 5 の混合組成比を調整することができる。
【0034】
図4(c)において43はスパッタ・ターゲットで、このターゲット内にはスパッタ母材としてTa2 5 とSiO2 が混合され焼結された混合誘電体23が張り付けられている。このような装置構成によりスパッタし、スパッタ装置のチャンバ40内に設置したLBO基板からなるウエハ1wにSiO2 とTa2 5 の混合組成から成る誘電体膜を形成することができる。この時スパッタ・ターゲット43の混合誘電体23のSiO2 とTa2 5 の体積混合比率を調整することによりSiO2 とTa2 5 の混合組成比を調整することができる。
【0035】
なお上述の説明では、LBO基板上を伝搬するSAWの位相速度の、LBO基板上に配設する誘電体膜の膜厚への依存性をほぼ零とすることのできる誘電体材料として、SiO2 とTa2 5 の混合組成からなる誘電体を例にとって説明したが、本発明はLBO基板上を伝搬するSAWの位相速度を低下させる第1の誘電体とLBO基板上を伝搬するSAWの位相速度を上昇させる第2の誘電体の混合組成を有するように誘電体膜を構成することにより同様の効果を得ることができる。また、少なくとも1種の誘電体のLBO基板上を伝搬するSAWの位相速度の誘電体膜厚への依存係数が異なる3種以上の誘電体を混合して誘電体膜を構成することによっても、LBO基板上を伝搬するSAWの位相速度の誘電体膜厚依存性をほぼ零とすることができる。その一つの例としては、例えばSi3 4 とTa2 5 の混合組成からなる誘電体膜があげられる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の弾性表面波装置によれば、LBO基板上を伝搬するSAWの位相速度の、LBO基板上に配設する誘電体膜の膜厚への依存性をほぼ零とすることができる。したがっLBO基板上に配設した誘電体膜の膜厚にばらつきがあっても、弾性表面波装置の動作周波数のばらつきを均一に保つことができる。したがって動作周波数をばらつかせることなくLBO基板を保護することができ生産性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の弾性表面波装置の構造を概略的に示す図。
【図2】本発明の弾性表面波装置の断面構造を概略的に示す図。
【図3】本発明の弾性表面波装置のSAWの伝搬速度と誘電体膜の膜厚との関係を示す図。
【図4】本発明の弾性表面波装置の製造方法の例を説明するための図。
【図5】弾性表面波装置のSAWの伝搬速度と誘電体膜厚との関係を示す図。
【符号の説明】
1…………圧電性基板
1w………ウエハ
2…………誘電体膜
3…………櫛歯型電極
21………第1の誘電体
22………第2の誘電体
23………混合誘電体
40………チャンバ
41………第1のスパッタ・ターゲット
42………第2のスパッタ・ターゲット
43………第3のスパッタ・ターゲット

Claims (6)

  1. 四硼酸リチウムからなる基板と、
    前記基板上に配設された誘電体膜と、
    前記誘電体膜上に配設された櫛歯型電極とを具備し、
    前記誘電体膜は、前記基板上を伝搬する弾性表面波の位相速度が、前記基板上に前記櫛歯型電極を直接配設したときの第1の位相速度よりも小さくなるような第1の誘電体材料と、前記基板上に前記櫛歯型電極を直接配設したときの前記第1の位相速度よりも大きくなるような第2の誘電体材料との混合組成を有することを特徴とする弾性表面波装置。
  2. 四硼酸リチウムからなる基板と、
    前記基板上に配設された櫛歯型電極と、
    前記櫛歯型電極の上側から前記基板を覆うように配設された誘電体膜とを具備し、
    前記誘電体膜は、前記基板上を伝搬する弾性表面波の位相速度が、前記基板上に前記櫛歯型電極を直接配設したときの第1の位相速度よりも小さくなるような第1の誘電体材料と、前記基板上に前記櫛歯型電極を直接配設したときの前記第1の位相速度よりも大きくなるような第2の誘電体材料との混合組成を有することを特徴とする弾性表面波装置。
  3. 前記誘電体膜は前記前記櫛歯型電極の上にも配設されていることを特徴とする請求項1に記載の弾性表面波装置。
  4. 前記誘電体膜を構成する前記第1の誘電体材料と前記第2の誘電体材料との混合組成比は、前記基板上を伝搬する弾性表面波の位相速度の前記誘電体膜の膜厚依存性がほぼ零になるように設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の弾性表面波装置。
  5. 前記第1の誘電体材料はTa2 5 であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の弾性表面波装置。
  6. 前記第1の誘電体材料はSiO2 であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の弾性表面波装置。
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