JP3926333B2 - 液体炭化水素からカーボンナノ材料の合成のための燃焼方法 - Google Patents
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Description
本発明は、2002年12月5日に出願された米国特許仮出願60/337,750号から35U.S.C.119(e)の下で優先権を得ている。
発明の背景
本発明は、煤発生火炎中におけるフラーレンを含むカーボンナノ材料の生産に関し、特にバーナー、燃焼装置と、カーボンナノ材料の生産方法に関する。更に詳細には、この発明は、液状の炭化水素原料油を液滴の形、例えばスプレイ(噴霧)によって火炎中に導入してカーボンナノ材料を生産するための燃焼装置と燃焼方法に関するものである。
カーボンナノ材料については様々な用途が提案されている。例えば、フラーレンとフラーレニック煤は、例えば、半導体加工における電子線レジストやフォトレジストへの添加材として、燃料電池のための陽子伝導膜、即ちリチウムバッテリーの陽極における光制限材料として、有機トランジスタにおける活性素材として、化粧品の顔料として、抗酸化剤として、そして、例えば抗ウイルス材等の治療剤として使用できる。
当業者は、カーボンナノ材料、そして特にフラーレン、単層カーボンナノチューブ(SWNTs)及び多層カーボンナノチューブ(MWNTs)に対しての商業的応用について可能性を認めているが、これらの合成のための費用が高いこと、及びこれらの応用を発展させるための必要な十分な量のこれらの材料を得ることが難しいことが、これらの材料の実際的な適用の主要な障害となっていた。この業界においては、生産価格を下げて実際の応用に十分な量のこれらの材料を提供できる煤火炎法において、フラーレンを含むカーボンナノ材料を作る改善された方法及び装置が際立って必要である。
煤火炎法は、高い生産率(好ましくは約100g/日を超える)でカーボンナノ材料を生産する、現在では最も費用効率が高い方法である。この発明は、煤火炎を用いる燃焼法によってカーボンナノ材料を合成する改良された方法に関する。
十分な量のフラーレンや他のカーボンナノ材料の生産に対しては、煤の場合と比較して特別な燃料と燃焼条件が必要であることが当業者によって知られている。通常の又は工業的な燃焼を通しては煤と比較してフラーレンの形成は低いので、これらの材料は最も感度の高い分解技術で検出できるのみである(K.-H.Homann, Angrew.Chem. Int.Ed.1998,37,2434-2451)。バーナーのデザインは、フラーレン生産の効率と受入れ率とを提供するために選択されなければならない変数の一つである(A.A.Bogdanov at al, Technical Physics,Vol.45, No.5,2000,pp.521-527 )。この発明は、カーボンナノ材料の生産レベルを高めることを促進する、より揮発性の低い芳香族炭化水素原料油の使用に特に適したバーナーの改善されたデザインに関するものである。
フラーレンは、水冷された平たい金属プレート(冷却バーナー)の上で安定化された予混合炎中で合成されていた(Howard et al.,U.S.Patent 5,273,729)。この装置は、バーナーからのガス用の出口を形成する多孔性のバーナープレートを有するバーナーを使用していると報告された。バーナープレートは、バーナー内における燃料と酸化剤の混合物の発火を防ぐためと、火炎を安定させるために水冷されている。バーナーを通ずるガスの速度が増加すると、火炎の前部がバーナー表面から離れる傾向にあり、これが火炎の不安定性をもたらす可能性がある(即ち、火炎が消える可能性がある)。バーナープレートの冷却は、バーナー表面からの熱損失を促進し、バーナーの表面に向けて炎の前部が戻る結果を引き起こす。
しかしながら、バーナー表面を冷却することは、バーナー表面にガス流れの不規則性を引き起こす可能性のある堆積物の形成を促進し、火炎中に不均一性を導き、材料生産性とその均一性に悪影響を与えうる。バーナー表面が堆積物によって覆われることになった場合、バーナーを掃除するために、この合成処理は停止されなければならない。バーナーを掃除するために、処理を頻繁に中断しなければならない場合には、合成効率を減少し、フラーレンのコストを増加させる。
2002年3月15日に出願されたアメリカ特許出願10/098,829号は、火炎の安定性を維持するために冷却を必要としないバーナープレートによるカーボンナノ材料の生産用のバーナーの使用を報告している。このバーナーは、バーナーの清掃回数をより少なくするために、バーナープレートの堆積物の構築率を減少させるように、より高い温度で操業される。更には、バーナープレートの冷却のために大きな熱損失を伴うことなく火炎の温度を上昇させ、ガスの流れを加熱できるような、非冷却型のバーナーを使用することがより効率的である。この特許出願に記載されているバーナーは、バーナープレートとして多孔性の耐火材料を使用している。更に、バーナープレナムは、バーナーの操業を促進するために、温度制御、例えば加温用又は冷却用の液体ジャケットを選択的に備えている。
バーナー表面の冷却をしない場合の他の利点は、バーナー中での凝縮を防ぐ一方、ガスとして、より低い蒸気圧の添加物及び又は燃料あるいは原料油を火炎中に導入できることである。このような添加物の一例として、高沸点(低揮発性)の多環芳香族炭化水素(PAH)の多い原料油があり、例えば、2002年3月15日に出願されたアメリカ特許出願10/099,095に記載されているように、費用効率、フラーレンに対する高い生産率に貢献する。他の例としては、燃料流により簡単に混和し、高温度で昇華する触媒がある。
例えば工業炉等の他の応用分野においては、高温度の表面を有するバーナーが知られている。例えば、アベ等によるアメリカ特許第4,673,349号には、高い温度の表面を有する燃焼バーナーが記載されており、これには多孔性のセラミック本体からなるバーナープレートが使用されている。この発明の両方の実施例においては、貫通孔を含む多孔性のセラミック本体が報告されている。モリス等によるアメリカ特許第4,889,481号は、赤外線バーナーとして使用される二重構造となった多孔性のセラミックからなるバーナープレートが報告されている。ホロボザック等によるアメリカ特許第5,470,222号は、加熱装置に使用される高い放射率の多孔性セラミックの火炎保持器が報告されている。
アメリカ特許第5,876,684号(ウィザーズ、J.C.とR.O.ロオウティファイ)は、水冷式のバーナーによって形成される火炎中にグラファイトの粉を供給する方法が報告されている。アメリカ特許第5,985,232号(ハァワード等)は、他のタイプの火炎と他のタイプのバーナーがフラーレンを生産するのに用いられるであろうことを推定しているが、そのようなバーナーの例について開示していないし、バーナーの操作と火炎の発生の為の手順についても開示していないし、予混合の水冷式の平たいプレートを備えたバーナーから得られた結果以外は開示していない。
カーボンブラックは、天然ガスの火炎に液状の炭化水素をスプレイすることによって生産されうるものである。アメリカ特許第4,228,131号、第4,250,145号、第5,069,882号、第5,188,806号、第5,254,325号、第5,264,199号、第5,651,945号、第6,096,284号、第6,099,818号に記載されているようなカーボンブラックの反応炉は、大気圧又は大気圧に近い圧力で操業される。一方、カーボンナノ材料の合成は、大気圧以下の圧力で操業される。カーボンブラックの反応炉では単にppmレベルの量のフラーレンしか発見されてはいない。一般的には、カーボンブラックの反応炉においては、炭化水素の液滴と高温の燃焼ガスはガス通路における乱流を引き起こすベンチェリー内で混合される。この混合方法は、フラーレンとフラーレニック煤の生産に対しては容易に用いることができない。その理由は、燃焼システムにおけるフラーレンの形成に要求される低い圧力で乱流を形成することが困難であるからである。僅かな形成レベル(ppm)のフラーレンのみが、カーボンブラックの製造過程において確認されている。
この発明は、フラーレン及びフラーレニック煤を含むカーボンナノ材料の生産のための燃焼装置を提供している。最も一般的に、この燃焼装置は、酸素含有ガスと炭化水素燃料ガスから火炎を形成するために、これらの酸素含有ガスと炭化水素燃料ガスを燃焼システム内に導入するための1以上の注入口と、この火炎に液体炭化水素供給原料の液滴を導入するための液滴供給装置と、この燃焼システム内で生成したカーボンナノ材料を含む凝縮生成物を回収するための装置とを有している。この燃焼システムは、火炎の下流側に選択的に反応領域を有する。この反応領域は、炭化水素の原料油が火炎中、この反応領域又はその両方に導入されることを提起している。
一般的に、液滴を発生させるために使用することができる如何なる装置又は機器であってもこの液滴供給装置に使用することができ、例えば、スプレイノズルやピエゾ電気式の液滴発生器が使用できる。液状の炭化水素の液滴は、如何なるタイプの液滴供給によることも可能である。ここではスプレイの用語は、噴霧液、噴霧(mist)、霧(fog )、霧状にされた噴霧液を含め、全ての液滴分布と液滴サイズに広く用いられる。特定の実施例においては、燃焼装置は、炭化水素燃料(例えば、メタンや天然ガスのような軽炭化水素)中で酸素含有ガス(例えば、空気又は酸素)の燃焼によって火炎を形成するためのバーナーを備え、このバーナーは、火炎又は火炎の下流側の反応領域に炭化水素の原料油、好ましくは芳香族成分を含む原料油の液滴を取り入れるための1又は2以上の注入口に連携している。原料油が取り入れられた後、カーボンナノ材料、特にフラーレンが痕跡レベル(10ppmを超える)を超えて生成される条件(温度、圧力、滞留時間)のもとで原料は燃焼、熱分解又はその両方が行われる。
この発明のバーナーによって発生した火炎は、化学量論に近くし、そして、好ましくは、煤はないものとすることができるが、導入される炭化水素原料油を考慮すると、火炎は、好ましくは燃料が多くかつ強烈に煤が多くなる。そしてまた、スプレイ又は噴射された炭化水素原料油の一部は、燃焼して更に熱を発生し、残った原料油がフラーレン又はその他のカーボンナノ材料に変わるのを支持する。追加的なガスを炭化水素原料油と共に加えることが可能であり、これは、例えば液体噴射ノズルを通して、炭化水素原料油の液滴の分裂を促進する。もし、ノズルから供給されるガスに酸素含有ガスを用いると、酸化ガスと燃焼に寄与する原料油の一部との攪拌を促進することによって、原料油を加熱するのに役立つ。炭化水素原料油に伴って酸素含有ガスを導入することによって、反応領域に存在する燃焼ガスは非平衡の組成を有することになる可能性がある。
この発明は、また実用的な量を生成するために十分な量でカーボンナノ材料を生産する方法を含む。例えば、本発明の方法は、特にトルエンのような単環芳香族炭化水素原料油から回収された煤から約5%重量以上の抽出可能なフラーレンを生成することに用いられうる。より好ましい実施例においては、この発明により約8重量%以上の溶出可能なフラーレンを生成することが容易であり、そして更により好ましい実施例においては、約10重量%以上の溶出可能なフラーレンを生成しうる。この発明の方法は、炭化水素燃料、特に、例えばメタン(又は天然ガス)のような軽炭化水素を燃焼させることによって発生する火炎を準備することと、この火炎又はこの火炎の上流側の反応領域に炭化水素原料油の液滴をスプレイ又は噴射することを有し、これによって、原料油は燃焼又は熱分解又はこれらの両方を行い、カーボンナノ材料が形成される。
スプレイされた炭化水素原料油に少なくとも一つの芳香族環を含む場合には、フラーレン形成の動力学特性(kinetics)が改善される。スプレイ又は噴射のための炭化水素原料油は、好ましくは、1以上の芳香族環とより好ましくは2又はそれ以上の環を持つ多核芳香族炭化水素(PAHs)とを有する芳香族成分を含んでいる。燃焼又は熱分解のために、液体の状態で燃焼システムに容易にスプレイ又は噴射できる高沸点原料油を使用するのがよい。この燃焼システムにおいては、それがスプレイ又は噴射される前に原料油が揮化する必要はない。液体のスプレイ又は噴射を促進するためにインジェクターやスプレイの注入口の温度を(例えば、液体ジャケットを設けて加熱又は冷却することによって)制御することが好ましい。
火炎は、軽炭化水素(低分子重量の炭化水素、例えばC1〜C6の炭化水素)を燃焼させることによってバーナーの表面でなるべく発生させる。ここでの燃焼システムは、火炎中又は火炎の下流にあってこの火炎と熱的に連携のある反応領域に原料油の液滴を生成することによって操業される。原料油の液滴は、スプレイ、噴射又は液滴を発生させる他の手段によって発生することができる。火炎を形成するためのガスの流れは、この燃焼システムに(液滴として)供給される原料油の流れとは別に制御される。結果として、フラーレンと他のカーボンナノ材料を形成するための原料油の液滴の燃焼と熱分解は、本質的に火炎の安定性から独立している。火炎の安定性は、本質的に、バーナーへの酸素含有ガスと燃料(例えば軽炭化水素)の流量と相対量を調整することによって維持することができる。これは、ある特定の化学成分によってもたらされる時間と温度の履歴の範囲をより広くすると同じように、火炎中にもたらされる化学成分をより広く変化させることによっても成しえる。これにより、火炎中により広い範囲の化学種成分をもたらし、ある特定の化学成分に対して、より広い範囲の時間−熱履歴をもたらすことができる。
この発明のバーナーは、それが原料油をカーボンナノ材料に変換させるのに必要な熱を発生する限りにおいて、如何なる構造であってもよい。最適なバーナーには、燃料と酸化剤の流れが平行又は対向する拡散バーナーを含み、1次元だけでなく2次元のウォルフハード・パッカー(Wolfhard-Packer )タイプのバーナーを含むが、これに限定されるものではない。また、最適なバーナーは予混合バーナーを含み、ブンゼンバーナーと平火炎バーナーを含む。この発明に適した特別なバーナーは、一つのプレナム(加熱又は冷却されることによって温度制御されている)と、プレナムとバーナー表面との間に設けられる一つの多孔質の耐熱材料とを有している。このバーナーの表面の大半は、多孔性の耐熱材料によって構成されている。火炎が形成されるバーナーの表面は、プレナムが冷却されている場合にあっても好ましくは冷却されていない。このタイプのバーナーは熱管理が改善され、かつ効率が改善されている。バーナーの表面の下流側は熱くなっており、そしてその熱伝導性が悪いので、火炎からバーナーに対して殆ど熱が逃げない。実際には、バーナーは火炎に用いられる未燃焼の燃料と酸化剤とを予熱している。水冷されたバーナーにおいては、火炎によって発生する熱のかなりの部分が冷却水によって失われるが、それにも関わらず、水冷式のバーナーは、原料油をカーボンナノ材料に変換するための必要な熱を発生させることができる。
この発明は、熱(即ち、火炎)を発生させるために、より経済的な炭化水素源(メタン、天然ガス又は他の軽炭化水素)を用い、そしてまた、フラーレン形成のためのより経済的な炭化水素原料油を使用している。原料油は1以上の芳香族炭化水素(トルエン、ベンゼン)や1以上の直ちには揮化しないPAHsを含んでいる。炭化水素燃料ガスの燃焼は、この燃焼システムにおける熱の大部分を発生するので、スプレイ又は噴射された原料油の大部分がフラーレン又は他のカーボンナノ材料の合成に有効であると信じられる。
火炎又は反応領域に注入口からスプレイ又は噴射するこの発明の燃焼システムを用いる場合の他の利点は、火炎中により低い蒸気圧を有する添加物を取り込むことができることである。この添加物が最大温度時に凝縮相であって、予混合バーナーが爆発を伴うことなく操業されている場合には、この添加物はバーナー中ではガスとして加えることができないことになる。炭化水素燃料が温度の上昇に伴いバーナー中で煤になりはじめるので、非水冷型の予混合バーナーは温度制限がある。液滴燃焼に対しては、その液滴が火炎環境中で蒸発するまで添加物がガスにはならないので、その状況が改善される。この場合には、火炎からの熱は添加物を揮化させるために使用され、バーナー材料からの高温度制限はない。非揮発性の触媒は、それらがスプレイされる炭化水素原料油中に単純に分散させることによって火炎中又は反応領域に組み込まれる。
この発明の燃焼システムは、従来の予混合型のバーナーに比較して改善され、熱の発生源としてより廉価な炭化水素(例えば、天然ガス)を使用し、そして、より高価の芳香族含有炭化水素を基本的に合成用に使用している。上で注記したように、この発明の燃焼システムは、バーナーに加える前に燃料を揮化する装置は必要としない。観察された炭化水素からフラーレンへの最も高い変換率は、多核芳香族炭化水素(PAHs)を用いたときに成し遂げられるが、これらの原料油は、また直ちに多くの非揮発性のPAHsと他の炭素質の固体に変換される。PAHsからの焼付け(Coking)は、予混合バーナーにおいて、それらを使用する場合に必要とされる昇温された温度において、特に深刻である。一旦形成されると、これらの固体堆積物は加熱されたバーナーとプレナムを迅速に閉塞する。低揮発性の原料油が、バーナーを介してよりもむしろこのシステムにスプレイ又は噴射されるので、この発明の燃焼システムは改善されて、バーナー表面を清掃するための操作の停止を行うことになしに、より長い期間操業することができる。
この発明は、改善されたバーナー、燃焼装置、及びカーボンナノ材料の生産のための方法を提供する。この発明の燃焼システムは、燃料と酸化剤から煤を含む火炎を提供している。このシステムによって生産される燃焼凝縮物は、制限なしに煤、フラーレニック煤と、フラーレンとを含み得る。本発明の燃焼システムは、予混合された燃料と酸化剤を必要とせず、多量の多環芳香族炭化水素を含むような低い蒸気圧の原料油の使用に適している。この発明のバーナーは、バーナープレートの表面を冷却することになしに操業することができ、そして、仮に冷却する場合があるとしても、積極的な冷却又は熱吸収のためのその他の形をとる必要は殆どない。本発明のバーナーは、また、バーナー又はバーナー下流側の表面の好ましくない煤堆積物の形成を減少させて操業することができる。
特定の実施例においては、この発明はバーナーのプレナムの出口を形成し、そして、バーナー表面を構成している多孔性の耐熱材料(耐火材料)を用いて、カーボンナノ材料の生産用のバーナーを提供している。多孔性の耐熱材料は、バーナープレートを横切るガス流を一様に分配させ、バーナー表面又はその近傍の火炎を安定させ、プレナム内に火炎が逆火するのを防止し、燃焼に先立ち燃料と酸化剤の予熱を行うことを可能にする。この多孔性の耐熱材料は、1又は2以上の層からなる多孔性の耐熱材料、例えば1枚又は複数の多孔性の耐熱板から形成することができる。これらの層の気孔率は、望ましい熱的特性とガスの通過性を与えるために、同じであってもよいし、異なってもよい。この耐熱材料はまた、耐熱材料の粒の積み重ねによって形成してもよい。これらの粒(particles )の寸法とこの粒の層の厚みは(耐熱材料の種類と同様に)、好ましい熱的特性と、火炎の逆火を捕捉する機能が成し遂げられるように選択される。特殊な耐熱材料(耐火材料)を用いる場合には、これらの粒を保持するよう支えるものとして特別なものが提供される必要がある。例えば、耐熱材料の粒の層を形成することができ、そして又は、この層は、バーナー中へガスを通過させるがこれらの粒子を維持している多孔性の金属フリットの上に保持される。例えば、多孔性の基部と非多孔性の支持用の壁を有するホッパーは、耐熱性の粒の層を保持するために提供できる。適切な耐熱材料には制限なしにジルコニアとアルミナが含まれる。多孔性の耐熱材料はまた、多孔性の耐熱板と粒との混合体であってもよい。例えば、耐熱板の頂部上に載った粒の層は、発火中及び運転停止中に受ける熱的ショックを減少し、亀裂による故障の可能性を減ずる。
もし存在するなら、バーナーのプレナムは、プレナム内で燃料と酸化性ガスの温度を制御するために、例えば流体ジャケットを通じて選択的に加熱又は冷却することができ、これは例えば、プレナム内の燃料の凝縮を防止し、ガスを予熱し、又は金属フリットの焼付けを防止する。
本発明の燃焼装置は、1又はそれ以上の本発明のバーナーを合体させて使用させ、燃焼において生産された煤中に、より高いレベルでフラーレンや他のカーボンナノ材料を発生させることができる。この発明の燃焼装置は、反応領域を有し、そして、この反応領域は、バーナーの下流側にあり、好ましくは、約1000℃と約1400℃との間に維持される。原料油の燃焼又は熱分解と、カーボンナノ材料を形成するための更なる燃焼又は生産物の熱分解の反応(例えば、凝縮反応)は、この反応領域において連続して起こさせることができる。この燃焼システムは、更に、燃料の液滴を、このシステムの1以上のバーナーで発生する1以上の火炎に又はこのシステムの反応領域中にスプレイ又は噴射するための1以上の注入口を有している。
好ましい実施例においては、バーナーの下流側のこの燃焼装置の一部は、バーナーかからの熱をより良く保有するために断熱されて、これによって、カーボンナノ材料を発生する連続した反応を促進するレベルにその領域の温度を保持している。本装置のこの断熱された部分が反応領域を形成する。バーナーの下流側のこの燃焼装置の一部を断熱することは、反応領域を引き延ばす作用を有し、これによって、高温で反応する物質の滞留時間を拡張し、カーボンナノ材料の生産量を高める。
別の実施例において、酸化剤が反応領域を含む装置の壁に沿って、好ましくは、バーナーの多孔性の耐熱板の周辺から、燃焼装置中に追加的に供給される。この追加的な酸化剤は、多孔性の耐熱板とバーナーの下流側の反応領域の周囲表面の煤堆積物の形成を減少させる。
特定の実施例においては、液状の炭化水素が、酸素含有ガスなどであろうガスと共に燃焼システム内に取り入られる。このガスは、炭化水素原料油の液滴のサイズを減少するのを助ける。もし、このガスが酸素を含むガスであれば、液滴の燃焼を促進し、液滴周囲の熱を増加する。
フラーレン及びフラーレニック煤の燃焼システムは、外圧より低い圧力(例えば、1気圧以下の圧力)で処理され、従って、燃焼システムは適切な真空ハウジングと、バーナープレートの下流側の燃焼装置内(例えば、バーナー表面と反応領域が大気圧以下を保持する)を大気圧以下にして保持するポンプを有している。この燃焼装置は、バーナーから反応領域、回収装置(以下に説明)を通じてシステムの排気系へのガスの流れを促進する適切なポンプシステムを備えている。このポンプシステムは、多孔性の耐熱板の下流を大気圧以下にする。
この燃焼装置は、合成されたカーボンナノ材料を集めるための回収装置を備えている。この回収装置は、単純にその上に回収用の凝縮物が生成する燃焼装置の1以上の表面で(例えば、手動で又は自動的にその表面をこすることによって)形成することもできる。その代わりに、好ましくは、この回収装置は1以上のフィルターを含むカーボンナノ材料を回収するためのフィルター機構とこのフィルターから捕捉された生成物を解放する機構とを備えている。例えば、この燃焼装置には、このフィルターから生成物を解放するための通路(access)を設けることもできる。その代わりに、1を超えるフィルターが使用されている場合、生成ガスの流れからフィルターを避けるための装置をフィルターを清掃するために備えることができる。その代わりにそして好ましくは、回収された生成物をフィルターからそのままの状態で取り除く装置を備えることもできる。
この発明は、また、この発明のバーナーとこの発明の燃焼装置を用いてカーボンナノ材料を作る方法を提供する。カーボンナノ材料は、バッチ処理又は連続処理のいずれであっても製造することができる。
本発明の燃焼システムにおいて、火炎安定性の条件は、カーボンナノ材料の形成の工程から分離することができ、このカーボンナノ材料の形成は、まず燃料が豊富な状態又はそうでない状態でも操業されうる火炎を形成し、次に追加的に炭化水素を加えることによって行われる。低蒸気圧のものを含む、より幅広い燃料が、火炎の中に液として炭化水素原料油を取り込むことによって使用されうる。導入された炭化水素原料油は滴状に分裂され、そして蒸発し少なくとも部分的には燃焼する。適切なスプレイインジェクターや原料油の滴を取り込むための注入口やノズルが、多くのタイプのバーナーと共に使用することができる。液滴は、ノズル、超音波分散器又は圧電装置を含む如何なる適切な装置を用いても火炎中に取り込むことがあり得る。ノズルが最も好ましく、羽根付きのものであっても、衝突タイプのものであっても、空気噴霧タイプのものであっても、又は静電タイプのものであっても使用できる。
液滴導入については、軸方向方式と放射状方式の2つの典型的形状がある。軸方向噴射においては、バーナーの軸心にスプレイノズルが装着され、スプレイの軸心が燃焼ガスの流れの軸心に一致している。液滴スプレイのインジェクターにより、通常は液滴のパターンが中空状又は中実円錐状に形成される。軸外しのインジェクターと矩形又は長円形の液滴パターンを形成するインジェクターも使用できるが、スプレイ又は噴射によって発生した液滴の分布が火炎の熱分布に適合するものが好ましい。もし、バーナーから発生する火炎が、バーナープレートから又は反応領域中において上方に広がる軸対称の熱分布を有しているならば、スプレイ又は噴射された液滴の分布が軸対称であって、バーナープレート上から反応領域まで延長しているのが好ましい。バーナーと反応領域における熱と原料油の分布の好ましいマッチングは、原料油の加熱の効率と、望ましいカーボンナノ材料への変換の効率を増加させるよう作用する。もし、バーナープレートからあるいは反応領域中において、上方に拡張する非対称の熱分布があるならば、原料油の液滴の分布は、この熱分布に適合するように本質的に非対称となっているのが好ましい。火炎によって発生する熱の至るところに最も均一に炭化水素原料油を位置させるスプレイノズルやインジェクターは、生産量を高めるために好ましい。軸方向のインジェクターが図1と図2に示されている。
図1は本発明のバーナー10と、ここでの燃焼システムにおいては有用であるバーナーの下流側の反応領域20とを(断面図にて)示している。バーナープレートの下流側の燃焼システムは、適切なポンプシステム(図示しない)によって大気圧より低い圧力に維持されている。このバーナーはプレナム3と、プレナムとバーナー表面との間に耐熱(耐火)材料9を有している。耐熱材料はバーナー表面11を形成している。図1は、またこのシステム内に原料油の液滴を導くための軸方向に配置されたスプレイインジェクター7を示している。多孔性の金属フリット(点線15で示す)は耐熱材料を保持し支える。スプレイインジェクターは、このインジェクターへの原料油の流れを制御するバルブを有する注入口と計量装置に接続されている。注入口とインジェクターは、このインジェクターを通じて液体の輸送を促進するために加熱(又は冷却)されてもよい。1又は2以上の注入口が、バーナープレナムに、燃料及び酸素含有ガスの導入及び流れ制御のために設けられている。これらの注入口には、インラインの混合装置を設けることも可能である。バーナープレナムは、バーナーに燃料と酸化剤の通過を促進するために、随意的に温度制御(例えば、加熱又は冷却するための液体ジャケットを用いて、又は加熱するための加熱用テープも用いて)されている。そしてまた、概略的に記載されているように、反応領域に2次的な酸化剤(例えば、空気)を追加するための注入口25a、25bがある。
図2には、この発明のバーナー10と、ここでの燃焼システムにおいて有用な、前記バーナーの下流の反応領域20が(断面図にて)示されている。この反応領域は耐火材18によってバーナー表面の下流に延長されている。バーナープレートの下流にある燃焼システムは適切なポンプシステム(図示せず)によって大気圧より低い圧力に保持される。バーナーはプレナム3とプレナムとバーナー表面との間にある耐熱材料9とを有する。この耐熱材料の表面がバーナー表面11を形成する。図2は、またこのシステム内に原料油の液滴を導くための軸心方向に配置されたスプレイインジェクター7を示している。多孔性の金属フリット15がこの耐熱材料を支持及び又は保持をしている。フリットの温度を制御するための液流のためのコイル16がフリットの間に挟まれているのが見える。スプレイインジェクターは、このインジェクターへの液状の原料油とガスの流れを制御するバルブを有する注入口と計量装置に接続されている。注入口とインジェクターは、このイジェクターを通じて液体の輸送を促進するために加熱(又は冷却)されてもよい。1又は2以上の注入口が、バーナープレナムに、燃料及び酸素含有ガスの導入及び流れ制御のために設けられている。これらの注入口には、インラインの混合装置を設けることも可能である。このインジェクターは、ノズルを通じる液体燃料とガスの通過を促進するために加熱又は冷却する液体ジャケット8によって温度制御されている。
本発明の燃焼システムは、原料油を放射状にスプレイ又は噴射するものを使用することも可能であり、液状の原料油は、好ましくは火炎及び又は反応領域の外周を囲んで位置する複数のインジェクターから導入される。放射状のスプレイ構造は、一般的に、十分なサイズのカーボンブラック製造プラントにおいて使用されるが、ここでの大きな火炎中では、一つの軸方向の噴霧器は、多くの小さな噴霧器のようには炭化水素の液滴を供給しない。小さな円周を有するより小さなユニットにおいては、それぞれ放射状に配置されたインジェクターを通じるスプレイ容量は小さく、フラーレンを形成するために十分小さい液滴を作るために、インジェクターのオリフィスサイズを非常に小さくする必要がある。インジェクターの数は火炎の直径とスプレイの貫通距離によって変化する。この場合、最適の構成は、火炎によって発生する熱を通して最も均等に炭化水素が配置されるものである。1を超えるインジェクターやスプレイノズルが使用されている場合、各インジェクター又はノズルは、長さ、オリフィスサイズ又は形状、及び内部構造において同一又は異なるものとすることができる。各ノズル又はスプレイノズルは、原料油の源と液体的に連結されている。特定の実施例においては、原料油は、システム中に望ましい液滴の流れを発生させるために、インジェクター、スプレイノズル、又は他の液滴分配用の導管を通じてポンプ送りすることができる。1又はそれ以上のインジェクター、ノズル又は他の液滴分配器を通じての流れは、独立に制御されるか、何れか1つ又はそれ以上が一斉に制御される。ノズル、超音波分散器及び圧電機器を含む如何なる適切な装置も液状の炭化水素原料油の液滴を火炎及び又は反応領域に分配するのに使用することができる。ノズルが最も好ましく、羽根付き、衝突タイプ、空気噴霧タイプのもの、又は静電気タイプのものであってもよい。
分配される液滴のサイズは、火炎中の熱発生率に対する炭化水素供給率の正しい比率を選択することに関係する。種々のスプレイノズルは種々の液滴サイズの分布を有し、炭化水素の粘度や上流側の圧力のようなパラメータの関数となる。多くの小さな液滴があるにもかかわらず、炭化水素の体積のほとんどが、数少ない最も大きな液滴に含まれることはこれらの分配物の性質である。それゆえ、炭化水素原料油のスプレイ又は噴射の制御においては、分配された液滴の数に加えて炭化水素の体積の空間的分布を考慮に入れなければならない。
カーボンナノ材料に変換されうる炭化水素の全てに一定の時間と温度履歴をもたらす火炎環境が、最適の生産のために好ましい。
一般に、液滴のサイズは液状の炭化水素原料油に伴ってスプレイノズルを通るガスを押すことによって減少させることができる。このタイプのノズルは、たまに「空気噴霧型」、「空気補助型」、「発泡型」として知られている。このノズルは液滴のサイズを減らすのに加え、酸素含有ガスと液体の炭化水素とを完全に混合する機会を与え、追加的な熱を発生させて液滴の幾らかを燃焼させる場合に有利である。図2はこの操作方法のために適したノズルを示している。
カーボンナノ材料のより高い収率は、バーナーからの放射方向の流れ分布(放射方向の熱分布)とバーナーからの炭化水素原料油の放射状の体積分布をマッチングさせることによって得られる。最も大きい原料油の液滴は、このシステム内にスプレイされた炭化水素の大部分を含み、蒸発するのに最も長い時間を要し、従って、最も遠くまで移動し、軸から離れた位置に噴射された原料油を配置することになる。しかしながら、この最も大きい液滴の角度分布は必ずしも均一にする必要はなく、例えば、大きく偏向した角度位置においてするよりも大きな液滴を、軸近傍に存在させ得る。スプレイやインジェクター装置の周りのこの原料油の液滴の分布は、部分的に炭化水素原料油の上流側の圧力の関数となる。火炎の端部に向けてよりも軸により多くの炭化水素原料油を近づけた場合、このシステムは、バーナーを通して流れが不均等に分配されるよう調整することによって、即ち、バーナー中のより多くの流れが端部よりも中心部を通ることによって、なお一層最適化することができる。その結果、熱と炭化水素スプレイの液滴とがマッチした位置にあり、それらが空間的に均等でないとしても、これによって、等温の反応領域が確保される。
熱分布とガス速度は、図1のバーナーの表面を横切って実質的には均等として説明されており、同様に望ましい量の炭化水素原料油の均等な分布を形成する。更に、私達は、1200℃以下でフラーレンを形成するには1ミリセカンド以上必要であり、そして、液滴が蒸発する時間がフラーレンの形成時間の1/10以下である筈であることを信じている。最近の基準は、炭化水素−酸素の火炎中で、液滴のサイズを10ミクロンまで(ザウタ平均;体積平均=35ミクロン)としており、最も小さい商業的に利用できる衝突型のスプレイノズルによって、辛うじて成し得るものである。図1に示す軸流型噴射器については、燃料の蒸発に関係する、軸心に沿っての温度降下を和らげるのに、広い角度のスプレイパターンが最も望ましい。
いくらかのフラーレンは、殆ど全ての炭化水素から形成されるであろうが、フラーレンの収率は、導入される炭化水素原料油に強く依存する。コールタール留出物から傑出して見いだされるPAHsは、フラーレンの形成のためにより好ましい。このスプレイ又は噴出される原料油は、多環芳香族炭化水素(PAH)含有燃料だけに限定されるものでなく、例えば、トルエン等の単環芳香族燃料にも適用される。高比率のアルカンを有する炭化水素混合物はより望ましくない原料油となる。しかしながら、本発明における使用に適切な原料油は、かなりの量のPAHsを含んでいる。適切な原料油は、多くの中からとりわけ、コールタール留出物の分留物と石油留出物の分留物(又はそのような分留物の組み合わせ)を含む。
この発明において有用な液状炭化水素原料油には、少なくとも1つの芳香環を持つ1以上の芳香族成分を含むものが含まれる。特に、フラーレンの合成のために好まれる炭化水素燃料には、かなりの量の(即ち、重量比で約30%又はそれ以上)の多核芳香族炭化水素(PAHs)が含まれる。各種の供給源からのPAH原料油が有効である。炭化水素原料油の有効な供給源は、約160℃から210℃の沸点(約大気圧で)を有するものを含む、コールタールの留出物の分留物、石油留出物の分留物で特に石油系溶剤であるナフサ分留物、及び、100℃から220℃(約大気圧で)の温度範囲で回収される1以上の分留物を含むコールタール留出物で、特に、120℃〜200℃(約大気圧で)の温度範囲で回収される1以上の分留物を含むコールタール留出物を含む。本発明における炭化水素原料油は、また、液状の炭化水素を含み、この液状の炭化水素には、1以上のベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、インダン、クレオソールと組み合わされるインデンを含む。
燃料と酸化剤は図1のバーナーに予混合されて供給するか、代わりに、バーナーの中で混合を行って供給することができる。特に、燃料と酸化剤については、火炎を発生させるために耐熱材プレートを通して流れるに先立って混合を行うためのスタテックミキサーが、耐熱材プレートの上流側に随意的に含まれる。プレナム内にあるスタテックミキサーは、燃料と酸化剤の混合にあたってその温度をより良く制御するために、プレナムの回りに液体ジャケットを組み付けることができる。本発明に適切に使用できるスタテックミキサーは、当業者により知られているもので、商業的に入手できるものであり、例えば、コフロ社(Coflo Inc )から入手できる。混合は、プレナムに導かれる導管又はプレナム自身に邪魔板や突出物を設けることによって簡単に行うことができる。多孔質の耐熱プレートの上流側に配置されている多孔質の金属板は、耐熱材を横切る燃料と酸化剤を均等に分配することができる。多孔質の金属プレートは、ガス拡散ミキサーで使用されている多孔質金属プレートに代表される気孔サイズを有しており、およそ1〜50ミクロンのオーダーである。また、多孔質の耐熱材を通じる燃料と酸化剤の通路においては、更に、追加的な混合とガス分配を行うことができる。
図1のバーナーは、予混合された酸素と軽炭化水素が入るプレナムと、プレナムの下流側にあって、火炎と予混合されているが発火していないガスとの間の熱的障壁として作用する多孔質の耐火材料との、少なくとも2つの部分から構成される。この多孔質の耐火材料は溶解されたものでもよいし、本質的に粒子状のものであってもよい。もし粒子状の耐火材料が用いられる場合、粒子状物を収納するホッパーが存在しなければならない。このホッパーは、バーナー表面の下流側の反応領域の外側周囲を覆う耐火物からなる絶縁材から形成することができる。耐火材料はジルコニアとアルミナが適切に選択できる。研削球(grinding spheres)もまた適しているが、グログ(grog)が粒状物における経済的な選択である。もし、耐熱材料の粒状物が使用される場合には、粒状物のサイズは、火炎の逆火防止器として働くように十分に小さくなるように選定すべきであり、即ち、粒状物間の空隙が火炎の消炎距離より小さいことになる。しかしながら、粒状物はガス流中で流動化するほど小さくてはいけない。約5mmの直径を有するジルコニアのグログは40から200SLPMの冷たいガス流を有する10インチバーナーの中では使用できる。バーナーにおけるフリットされた熱的障壁のためのパラメータは、2002年3月15日に出願されたアメリカ特許出願10/098,829号に記載されている。粒状物からなる耐熱材料のためのホッパーの底は、図1に記載されているように金属フリットとすることができる。金属フリットは10ミクロンの気孔を有し、ガス流に従って、30〜120torrの圧力降下を発生している。5〜50ミクロンのものを確実に含む、他の多くの気孔サイズが、同じように効率的に働くであろう。
第3の項目である、予混合ガスの発火点以下にプレナムの温度を保持するバーナーの側部又はバーナーフリット(図2に示す)間の冷却は、耐熱材料の必要な厚みを減らして、又は耐熱材料を通じてより低温のガス流動で操業することによって追加してもよい。(耐熱材料を通しての冷たいガスの流れは金属フリットを冷却するための主要な手段を提供し、ガスの流れが少なくなれば、他の冷却源の必要性が増加する)。加熱/冷却用の流体ジャケットに適切に使用できる流体には、原料油自身、水と、プロピレングリコールがある。プレナムを加熱するための他の手段(電気ヒータ)とプレナムを冷却するための他の手段(冷凍機、電気クーラー)が若し希望すれば使用することができる。
図において、反応領域は、バーナーの下流の高温(1000℃以上)の反応領域を拡張するための耐熱材料や他の熱的に絶縁する材料からなる1以上の壁5を位置付けることによって形成されるように示されている。このシステムにおける反応領域とガス流の長さは、反応領域に原料油又は原料油生成物について望ましい滞留時間が得られるように調整することができる。滞留時間は、通常は選択されたカーボンナノ材料の発生が最適になるように調整される。例えば、滞留時間は、所定の反応領域と液滴のインジェクターを備えた所定のシステムにおいて、システム内のガスの流量を変えることによって調整することができる。滞留時間は、また、システム中への液滴噴霧率によるであろうし、このシステムは、また、スプレイノズルやインジェクターの形状に依拠するであろう。火炎中又はその近傍において発生する化学種の、反応領域における好ましい滞留時間は少なくとも約1ミリセカンドで、そして好ましくは5〜10ミリセカンド又はそれ以上である。
多孔質の耐熱材料は放射熱負荷の下で溶けない耐火材料であれば如何なるものでもよく、炭素や、ジルコニア、アルミナ、ゴーデェライト(cordierite)のようなセラミックスを含む。ジルコニアは十分な安定性( stability)を示すが、アルミナよりも高価である。インチ当たり約30〜50の気孔を有し、一つの気孔サイズが300〜800ミクロンであり、工場でシールされた端部を有する、厚さが1から1.5インチのジルコニアプレートがこの発明のバーナーの使用に適している。ジルコニアプレートは、ニューヨーク、アルフレットにあるベスビウス・ ハイ・テック(Vesuvius Hi Tec )から得ることができる。孔は貫通孔の形でないことが(ガス分配において)一般的に好まれることである。多孔性耐熱材料からなるバーナープレートの表表面の下流側は、操業中は熱い状態を保つように設計されている。熱いバーナープレートの表面は、火炎からその上への熱負荷投射の下で溶解、昇華、又は分解を防止するために冷却される必要はない。熱いバーナーの表面は、少なくとも1000℃を超える温度に耐える必要がある。
耐熱材料プレート又は粒状物ホッパーは、如何なる横断面形状であってもよく、円、六角形、正方形が含まれる。好ましくは、多孔質の耐熱材料の側部は、側部からのガス流を除くためにシールされている。もし、複合多孔質の耐熱材料プレートが使用される場合には、それらは異なる構成及び又は気孔特性を有することができる。多孔質の耐熱材料の最適の数は、反応装置を通じるガス流の要求される流量のほか、プレート材料、気孔率と厚みにも依拠するであろう。
バーナープレートの気孔サイズと気孔の体積率は、カーボンナノ材料の生産に重大な影響を与えることに無しに非常に広い範囲で変更できる。もし、バーナープレートが複合多孔質の耐熱材料プレートによって構成されていたら、この場合は、各プレートは異なる気孔率特性を有することができる。例えば、比較的小さな気孔サイズと気孔率を有する比較的薄い耐熱材料は、流れ分布に対して十分な圧力降下を提供し得るが、一方、比較的大きな気孔サイズと気孔率を有する比較的厚いプレートは熱的障壁として使用できる。比較的小さな(5〜50ミクロン)気孔サイズと気孔率の、薄い(1/8〜1/4インチ)金属フリットは、また、上流側の多孔質の耐熱材料のプレートの上流側が熱的障壁として使用される場合、流れ分布に対する十分な圧力降下を提供するものとして使用することができる。上流側及び下流側はバーナーを通じての燃料と酸化剤の流れの全体的な方向に対して定義されている。
同様に、異なるサイズの粒状物を用いた粒状耐熱材料の異なる層を用いることができる。粒状物のサイズは広く変えることができ、カーボンナノ材料の生産に影響を与える。さらに、粒状物のサイズの半径方向の分布も変化させることができ、より大きな粒状物からなる層を通して、ガス流をわずかに、より多くさせることが可能である。一般に、要求される気孔率は多孔質の耐熱材料の厚みと化学的特性によるものである。耐熱材料は、表面面積あたりの燃料と酸化剤の単位流量が火炎を維持しうるように、十分に多孔質でなければならない。また、バーナープレートの上流側の燃料と酸化性ガスが発火のために十分に混合されるような気孔特性を有するのが好ましい。
もし、バーナープレートの上流側でガスが十分に混合されていれば、耐熱材料の気孔サイズは、バーナープレートの上流側表面でのガスの発火を防止するために火炎に対する消炎距離よりも小さく選定される。気孔サイズが消炎距離を超える場合には、バーナープレートの上流側表面が予混合ガスを点火するのに十分に熱くなるまで、火炎が耐熱材料内に存在することができ、上流側に逆上って働くことができる。消炎距離は圧力に関係するので、気孔サイズの上限もまた圧力によって変わる。バーナープレートの上流側における発火の防止もバーナープレートの材質とその厚みに依存する。耐熱材料の気孔サイズと厚みは、耐熱材料の上流側表面において発火を防止するために、耐熱材料を横切って存在する温度が十分な勾配を有するように選定される。
耐熱材料がプレートの形で使用される場合には、バーナーに、この分野で周知の技術でシールされる。プレナムは、好ましくは耐熱プレートの上流側表面又は金属フリットに高温で曲げ性(flexcible )を有するシール剤でシールされる。もし、複合耐熱プレートが用いられている場合には、プレート間の結合部の外側端部が、また好ましくは、高温で曲げ性を有するシール材によってシールされている。適切な曲げ性を有するシールには、常温硬化型(RTV)のシリコン付着性シール性化合物、エポキシ又は他の当業者に知られているシール性化合物が含まれる。シール剤がその好ましい使用温度を超えることを防止するために必要であれば、冷却部を備えることができる。高温曲げ性を有するシール材は、また、そのシール部を機械的に保護するためにより硬くより強い材料によって覆うことができる。一つの例として、プレート間の接合部分に常温硬化型のシリコンシール材を用いて積み重ねられた耐熱プレートを、シリコンシール材の剥離を防ぐためにガラス繊維で巻くこともできる。金属フリットをまたプレナムに溶接することもできるが、熱負荷がこのフリットを変形する。溶接によってこのフリットを付着させることは、カーボンナノ材料の形成を害するものではない。代わりに、図2に示すように、金属フリットを金属支持材を用いてプレナムにねじ込むこともできる。
バーナーの下流側の熱的に絶縁された反応領域の存在は、この発明の燃焼システムにおけるカーボンナノ材料の収率を著しく高める。この領域の存在は、両図面において、バーナー表面から容積部分下流側の周辺の耐熱材料の付近に示されている。絶縁された反応領域の好ましい長さは、ガスの速度に比例して変わり、より速いガス速度に対してはより長い絶縁領域が好まれるが、大概は、1から4フィート以内である。好ましくは、高温のガスの流速と反応領域の長さとの組み合わせは、燃焼生成物が反応領域に少なくとも約1ミリセコンドの間滞留することを可能にする。より高温で断熱する材料は、例えばジルコニア、アルミナ、及びこれらの混合物のような何らかの耐熱材料とすることが可能である。より低温の断熱材料としては、かなりの量のシリカを含むことができる。
このシステムには、二次酸化剤(例えば、空気)をシステム内に取り入れる1以上の注入口が備えられており、この注入口は、好ましくはこのシステムの表面近く(例えば、反応領域の壁)に、バーナー表面の下流側の壁(耐熱材料の壁を含む)上に形成される煤を軽減するために設けられている。好ましい実施例においては、二次酸化剤は、それが耐熱材料の壁に沿って、又はバーナー表面を形成する耐熱材料を通して浸透するようにシステム内に取り入れられる。如何なる特定の理論によっても縛られることなく、追加的な酸化剤は、煤が形成し始める比率から空気/燃料の比率を変えて、反応領域周辺に希薄燃焼領域を作ると信じられる。更に、反応領域の周辺の表面の煤凝縮物が燃料ガスと追加的な酸化剤との反応によって発生する熱によって減少する。
この燃焼システムは、また点火源を含んでいる。バーナーの点火源は、この分野で知られている如何なるタイプの点火源であってもよい。特に、バーナーを火花を用いて点火することもできる。一例としてテスラ(Tesla )コイルが2つのワイヤの間で火花を形成することができる。この点火源は反応領域内に配置することもでき、また、他の場所の点火装置の位置を使用することもできる。この燃焼システム内のバーナーに点火するための他の手段は、この分野においてはよく知られており、この発明の燃焼装置に用いるための必要以上の実験をせずとも、ただちに採用することができる。
図1に示されている要素とは別に、この発明の燃焼システムは、カーボンナノ材料生産物を含んでいる凝縮物及び又は煤を回収する回収装置を有するであろう。燃焼システム中で発生した揮発性のガスはこのシステムから排出される。燃焼システムのこれらの要素は図には記載されていないが、これらの要素を実施するためのいろいろな手段が、この分野において知られており、そして、それらを本発明のシステム及び方法において適用できる。回収装置は、フィルターをラインから取り除くことに無しにカーボンナノ材料の回収のための反応システム内でそのまま清掃でき、合成を妨げることなくこの反応システムからカーボンナノ材料を除去できるものが好ましい。好ましい回収装置が、2002年3月15に出願されたアメリカ特許出願10/098,828に記載されている。特に有効な回収装置は、フィルターの気孔から回収された生産物を直接除去するために、高圧ガスの逆流がフィルターの下流側に作用するフィルターシステムである。
完全な燃焼システムは、回収可能な量のフラーレンとフラーレニック煤を生産するために、大気圧より低い圧力で操業されるべきである。この圧力は、好ましくは200torr未満であるが30torrより大きい。
図1に示す実施例においては、ザウタ平均粒径20ミクロンの液滴を発生させる、90度の噴霧角を有するスプレイノズル(商業的には、デラバン社(Delavan, Inc)の製品番号050X90A製のものが有用)を使用したバーナーの下流側18インチまで広がった断熱された領域を有する10インチ直径のバーナーが使用され、メタン流量=30SLPM(Standard Litter Per Minute)、酸素流量=60SLPM、トルエン流量=20ml/分、下流側のチャンバー圧=40torrの条件で8〜9重量%の抽出フラーレンを含む煤が合成できることが観察された。この収率は、メタン流量=40SLPM、酸素流量=80SLPM、トルエン流量=30ml/分でも観察された。反応領域を延長したこの模範的な燃焼システムにおいて、著しい収率の改善が得られることが信じられる。
図2に示す実施例においては、バーナーの下流側に18インチまで延長された断熱されたゾーンを備えた直径10インチのバーナーに、135度の噴霧角度を有したスプレイノズル(スプレイイングシステムズ社(Spraying Systems Co.)の製品番号1/8J−SS)を用い、9〜10重量%の抽出可能なフラーレンが、メタン流量=30SLPM、バーナーの酸素流量=40SLPM、トルエン流量42ml/分、ノズル酸素流量=45SLPMで、下流側のチャンバー圧=40torrで合成できたことが観察された。この収率は、液体のキャップが、その液流のための孔が元の孔の面積の半分であるものに置き換えられたバージョンのノズルを用いて、メタンガス流量=30SLPM、バーナーの酸素流量=60SLPM、トルエン流量=61ml/分、そして、ノズルの酸素流量=45SLPMでも観察された。この模範的な燃焼システムにおいて、反応領域を延長することによって、著しい収率の改善がなされると信じられる。
また、図2に示す実施例においては、バーナーの下流側に18インチまで延長された断熱された領域を備えた直径10インチのバーナーに、135度の噴霧角度を有したスプレイノズル(商業的にはスプレイイングシステムズ会社(Spraying Systems Co.)の製品番号1/8J−SSのものが有用)を用い、8重量%の抽出可能なフラーレンが、メタン流量=18SLPM、バーナーの酸素流量=40SLPM、コールタール留出物(インデン分留物)流量=45ml/分、ノズル酸素流量=48SLPM、下流側のチャンバー圧=40torrで、液体キャップを、液流のための孔が元の面積の半分であるものにおきかえたノズルを用いて、8重量%の抽出可能なフラーレンが合成できたことが確認された。これらの条件に対する煤収率は、約100g/時間であって、炭素変換率(コールタール留出物中の炭素に対するフラーレン中の炭素)は0.36%であった。この模範的な燃焼システムにおいて反応領域を延長し、コールタール留出物の異なる分留物を使用し、及び又は操作条件を変えることによって、著しく改良された収率を得ることができると信じられる。
この発明の燃焼方法において使用されるスプレイされた燃料は、炭化水素、化石燃料、バイオマス燃料、又はそれらに由来する製品の如何なるものでもよい。より好ましい実施例においては、この燃料には、2002年3月15日に出願されたアメリカ特許出願10/098,829に記載のように多環芳香族炭化水素(PAHs)を含んでいる。この発明の液体スプレイは、コールタール留出物と石油溶剤ナフサの分留物のような蒸気圧の低くPAH濃度の高い原料油の使用を可能としている。
酸化剤は酸素含有ガスであり、好ましくは酸素である。空気でも適切であるが、酸化剤中の窒素は、装置中のポンピング量に対するカーボンナノ材料の生産性を低下させる。もし、燃料がバーナー内で凝縮するのを防止するために加熱が要求される場合には、酸化剤の供給ラインとバーナーの注入口は、また、それが酸化剤と混合するときに燃料が凝縮するのを防止するために加熱されうる。追加的な酸化剤が、煤が多孔質の耐熱材料及び又はバーナーからの火炎を取り巻く燃焼装置の部品上に形成されるのを防止するのに、バーナープレートの下流側の火炎に供給されうる。バーナーやノズル中の燃料に添加される酸化剤と、燃焼装置に供給される二次酸化剤は同一であっても異なるものであってもよい。
1以上の希釈ガスを、バーナー又は周辺の酸化剤供給領域における燃焼装置に導くことが可能である。希釈ガスは、図2に示すようにな空気噴射型のノズルを通して加えることができ、この希釈ガスは、他の酸化性ガスの源となりえること無しに、スプレイの特性に影響を与える可能性を有するものである。窒素は好ましい希釈ガスである。
1以上の触媒を液体スプレイ中に入れることも可能である。鉄、コバルト、ニッケルは、炭素と炭化水素蒸気からカーボンナノチューブの形成に触媒作用を及ぼすことが知られている。鉄、ニッケル又はコバルトは、これらの有機金属化合物を供給液体燃料に溶解させることによって火炎中に取り込むことができる。
一つの実施例において、この発明はカーボンナノ材料の生産のための燃焼装置を提供するもので、プレナムを有する少なくとも一つのバーナーと、供給される液体燃料用のスプレイノズルと、未燃焼ガスと火炎を熱的に分離するための多孔質の耐熱材料とを有し、更に、前記バーナーの点火源、前記バーナーの下流側に減圧状態を提供することが可能な減圧チャンバー、生産されたカーボンナノ材料の回収システム、及び真空を作りだす手段とを有している。
他の実施例においては、この燃焼装置は、壁に付着する煤堆積物の減少又は除去を行うために、追加的な酸化剤を燃焼装置の壁に隣接した燃焼装置に供給する。酸化剤は、上で述べたように、多孔質の耐熱材料からなるバーナープレートの最終部表面又はその近傍に供給することができる。しかしながら、この追加的な酸化剤は、酸化剤がバーナーの下流側の燃焼装置の壁の近傍を通過するように配置された、燃焼装置内の1又はそれ以上のガス注入口によっても供給されうる。この二次的な酸化剤は、バーナー構造を通じて流さなければならないのもでも無く、バーナー構造の一つの部分である必要も無い。
加熱領域に存在した後、燃焼ガスは回収の前に約600℃に放射冷却させることができる。これは、熱絶縁されていない導管に、一定の距離そのガスを流す(そして、冷却)ということによって簡単になされる。この導管は、自然対流又は熱交換によって放射的に冷却されうる。選定された温度以下に流れるガスを冷却することについては、この分野においては種々の手段が知られており、これらの種々の手段はこの発明の燃焼システム用に容易に採用することができる。
減圧チャンバーは、多孔質の耐熱材料からなるバーナープレートの下流側を大気圧より低い圧力に維持している。この減圧チャンバーはバーナーを完全に包含している。バーナープレートの下流側の圧力は、好ましくは、20〜200torrの間にあり、より好ましくは30〜70torrの間にある。バーナーの表面は多孔質で、減圧チャンバーとは流体的に繋がっているので、バーナーの内側の圧力は一般的に大気圧より低くなっている。バーナーの混合と流れ分配の要素は、バーナー長さに沿って圧力降下を発生させることができるので、バーナーの圧力は、バーナーに沿っての軸方向位置によって変えることができる。
カーボンナノ材料の回収システムは、カーボンナノ材料を集めるために、無孔の表面又は多孔質のフィルターのような回収器を使用している。フラーレン又はフラーレニック煤を含むカーボンナノ材料は、燃焼の凝縮物として回収される。凝縮物は、煤とフラーレニック煤とフラーレンを含み、加熱領域で他の燃焼生成物と共に再配置又は凝縮された燃焼生成物を含む。凝縮生成物には、また、燃料から又は燃焼によって生成したものから多環芳香族炭化水素を含む可能性がある。ここでは簡略に説明するが、フラーレンとフラーレニック煤中にPAHsが存在することは好ましくはなく、そして、PAHsはフラーレン又はフラーレニック煤から好ましくは分離される。凝縮物は、バーナーから放出され、回収器やフィルターによって回収することができる燃焼生成物そのもの(又は炭化水素燃料の残留物)である。凝縮物は、例えば、バーナーから放出されるCO又はCO2 のような気体と、ベンゼンやトルエン等のような揮発性化合物とから区別される。カーボンナノ材料の回収のための好ましいシステムは、2002年3月15日に出願されたアメリカ特許出願10/098,828に記載されているようなパルスジェットによって清掃されるバグフイルター装置である。
燃焼システムから燃焼生成物を回収して除去する他の手段が、この分野においては知られており、この発明の燃焼装置における使用に直ちに採用できる。原動力及び又はフィルターへのガス流を利用する他の手段がこの分野において知られており、この発明の燃焼装置における使用に直ちに採用できる。
バグフィルターによる煤回収の好ましい実施の形態において、チャンバー内の圧力は、バグが煤で満ちるにつれて増加する傾向にあるだろう。バーナーの近くの気圧を一定に保つためには、ポンプとこのバグとの間に設けられている圧力調整用のスロットルバルブが、バーナーを含むチャンバーの圧力の変動に応じて絞られる。このバルブは、バグが煤に覆われるのに伴い、更に開かれる。
熱交換器が、前記ガスを少なくもポンプの操業温度まで下げるように用いることができ、これによってポンプの効率を大きく増加できる。煤回収後に熱交換器を配置すると、汚れを最小限にすることができる。
一般的には、減圧チャンバーが1以上の真空ポンプに接続されている。この分野で知られており、所定の圧力とガス流量を達成できる真空ポンプは、いかなるものでも使用可能である。このポンプとしては、ロータリーピストン型、液封型、ルーツブロアー等がある。代替的に、真空は蒸気エジェクターによって準備することもできる。減圧チャンバーにはガス注入口、試料ポート、バーナーの下流側においてガスを冷却するための手段、圧力と温度を検知する素子と、窓を備えることができる。この減圧チャンバーは、また、内部又は外部に断熱材、内側又は外側の水ジャケット、及び又は、チャンバー内又はバーナー(このバーナーがチャンバー内に含まれる場合)内の温度制御を助けるための内部又は外部冷却素子を有することができる。
この燃焼装置は、単一の又は複合のバーナーを組み込むことができる。複合バーナーを備えた燃焼装置は、システムハウジング内に幾つかのバーナーを一緒に取付けることによって形成できる。もう一つの方法としては、六角形や正方形のような異なるバーナー形状のものを選択し、これらを燃焼装置内にて接近して組み合わせ、複合バーナーとすることができる。
この発明は、また、ここで記述された種々の装置と器具と組み合わせ、火炎中に液状スプレーを使用して、フラーレン及びフラーレニック煤を含むカーボンナノ材料の合成方法を提供している。特に、この発明の方法は、煤を含む火炎を提供し、カーボンナノ材料の合成を改善するための多孔質の耐熱材料の表面を有するバーナーを使用し、煤発生火炎の上流側に約1000℃以上の温度の反応領域を形成している。
詳細な実施例において、この発明は、火炎を準備する工程と、巨視的な量のカーボンナノ材料、特にフラーレン又はフラーレニック煤を生産するために効果的な条件の下でチャンバー内に炭化水素原料油の液滴を接触させる工程と、カーボンナノ材料、特に、フラーレンとフラーレニック煤を含む燃焼生成物中の凝縮物を回収する工程とを含むカーボンナノ材料の製造方法を提供している。
より詳細な実施例においては、この発明は、多孔質の耐熱材料の表面を有し、液状の炭化水素スプレイを有するバーナーを準備する工程と、巨視的な量のカーボンナノ材料を生産するために効果的な条件の下でチャンバー内にスプレイされた炭化水素原料油の液滴を、作られた火炎に接触させるためにバーナーを使用する工程と、燃焼生成物中のカーボンナノ材料を含む凝縮物を回収する工程と、この凝集物からカーボンナノ材料を回収する工程と有するカーボンナノ材料の製造方法を提供している。
より好ましいこの実施例において、この燃焼チャンバーは大気圧より低い圧力であって、火炎は炭化水素と酸化剤によって維持され、そして、液状の炭化水素がこの火炎中にスプレイされている。
この発明は、また、酸素含有ガス流と炭化水素ガス流を供給すること、これらのガス流を共に混合し、そして、火炎を形成するために点火することと、煤発生火炎を発生させるために前記火炎中に液状の炭化水素をスプレイすること、煤発生火炎によって生産された凝縮物を回収すること、及びカーボンナノ材料、特にフラーレンとフラーレニック煤を前記凝縮物から取り出すことを含むカーボンナノ材料の製造方法を提供している。
より詳細には、酸素含有ガスと炭化水素ガスの混合物は、バーナーの表面、具体的には、多孔質の耐熱材料の表面を横切って分配される。
好ましい実施例においては、燃焼チャンバーは大気圧より低い圧力となって、スプレイされた炭化水素原料油に芳香族種を含んでいる。
この発明の方法においては、追加的に、1000℃に等しいか又はより大きい温度において、多孔質の耐熱プレートの下流側に反応領域を設ける工程を有する。この改良は熱絶縁された反応領域によるものであり、ここで記載された全ての燃焼装置及び方法に適している。
この発明の方法においては、また追加的に、多孔質の耐熱プレートやガス流の通路が存在する熱絶縁材に煤が堆積するのを防止するため、点火点又はその近傍に追加的な酸化剤を加える工程を有する。この追加的な酸化剤は、また、カーボンナノ材料を形成する火炎からその周囲に逃げる熱損失を緩和することができる。この改良は、下流側に熱絶縁された区画を有する如何なるバーナの使用にも適している。
この発明の方法は、また更に、ノズルを通じて液状スプレイの性質を改良する追加的なガスを加える工程を有し、この追加的なガスは酸化剤である。この追加的なガスは、液滴サイズと時間及び温度履歴の制御を改善する。液流とガスとを混合するノズルの構造は、この分野においてはよく知られている。この種のノズルは考慮されうる如何なるバーナーの使用にも適している。
図1、図2はガスが垂直方向に流れるバーナーを示しているが、例えば、ガスが垂直に下降するもの、又は水平に流れるもののような他の方向を向いたバーナーも、もし多孔質の耐熱材料を適切に支持及び保持するものを備えれば、使用することができる。特に、多孔質の耐熱材料がプレナムの下にあるようにバーナーを指向させると、重力効果が、燃焼中に多孔質の耐熱材料の上に載る煤堆積物を減少させるであろう。
一般に、燃焼によって形成された凝縮物からフラーレンを回収する方法は、より低分子重量の「溶剤抽出フラーレン」を回収するための、例えば、トルエンやキシレン等の溶剤中の抽出を必要とする。フラーレン、フラーレニック煤、及び他のカーボンナノ材料の純粋化のための、この分野で知られる如何なる方法も使用することができる。望ましくないPAHsは、例えば、PAHsが本質的に溶解するが、しかしカーボンナノ材料、特に、フラーレンが本質的に溶解しない溶剤を用いた抽出(繰り返し又は連続的に)又は洗浄によって、回収された燃焼生成物から除去することができる。このような純化に使用できる溶剤は、2002年8月30日に出願したアメリカ特許出願第10/233,010号に報告されているように、アルコール、ジオール、グリコール、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルカン、例えば、ハローアルカン、ニトロアルカン及びアルキルニトリルのような置換アルカン、及びこれらの共沸物を含む。
この分野の当業者は、装置の構成要素、方法の処理、及び材料の等価物の存在、即ち、本発明によって包含される周知の作用均等物の全てを理解するであろう。ここで引用されている全ての参考資料は、ここで開示されているものに矛盾しない範囲で、参考として組み入れられる。
Claims (28)
- a)酸素含有ガスと炭化水素燃料ガスから火炎を形成するために、これらの酸素含有ガスと炭化水素燃料ガスを燃焼システム内に導入するためのバーナーと、
b)前記火炎の下流における反応領域と、
c)前記火炎、前記反応領域又はその両方に、液体炭化水素からなる供給原料の液滴を導入するための液滴供給装置と、
d)この燃焼システム内で生成した凝縮生成物を回収するための装置とを有し、
前記バーナーは、予混合された前記酸素含有ガスと炭化水素燃料ガスが入るプレナムと、該プレナムの下流側に配置された多孔質耐火材料からなって、
前記液滴供給装置は、前記バーナーと軸心を合わせて配置されるスプレイノズルであることを特徴とするカーボンナノ材料製造のための燃焼システム。 - 前記液体炭化水素が前記スプレイノズル又はノズル内で、ガスと混合する請求項1記載の燃焼システム。
- 前記スプレイノズル中のガスが、酸素含有ガスである請求項2記載の燃焼システム。
- 前記バーナー表面より下流の燃焼システム内の圧力が、大気圧より低く維持されている請求項1記載の燃焼システム。
- 前記バーナー表面より下流の燃焼システム内の圧力が、20torr以上に維持されている請求項1記載の燃焼システム。
- 前記バーナー表面より下流の燃焼システム内の圧力が、200torrから20torrの間に維持されている請求項1記載の燃焼システム。
- 前記噴霧された液滴が、ザウター平均径40ミクロン又はそれ未満である請求項1記載の燃焼システム。
- 前記液体炭化水素からなる供給原料を注入するために使われる前記スプレイノズルが少なくとも90°の噴霧角度を有する請求項1記載の燃焼システム。
- 前記炭化水素燃料ガスが、メタン又は天然ガスである請求項1記載の燃焼システム。
- 前記混合ガスから形成される火炎が、前記液体炭化水素の液滴の導入までは、煤を生成しない火炎である請求項1記載の燃焼システム。
- フラーレン、フラーレニック煤又はその両方の生成に用いられる請求項1記載の燃焼システム。
- 前記バーナーのプレナムが、該プレナムの温度制御を規定する液体と熱的接触にある請求項1記載の燃焼システム。
- 前記バーナーからの火炎が、前記ノズルからの液体炭化水素の添加までは煤を生成しない火炎である請求項1記載の燃焼システム。
- 前記液体炭化水素からなる供給原料が、30重量%以上の多核の芳香族炭化水素を含む請求項1記載の燃焼システム。
- 前記液体炭化水素からなる供給原料が、コールタール留出物又は石油留出物である請求項14記載の燃焼システム。
- a)バーナーを介して導入される酸素含有ガスと炭化水素燃料ガスの流れから火炎を形成する工程、b)それによってカーボンナノ材料を生成するように、液体炭化水素からなる供給原料の液滴を前記火炎中又は該火炎の下流の反応領域に導入する工程、c)生成した凝縮生成物からカーボンナノ材料を収集する工程を有するカーボンナノ材料の製造方法であって、
前記バーナーは、予混合された前記酸素含有ガスと炭化水素燃料ガスが入るプレナムと、該プレナムの下流側に配置された多孔質耐火材料からなって、
前記液滴を前記火炎中又は該火炎の下流の反応領域に導入する液滴供給装置は、前記バーナーと軸心を合わせて配置されるスプレイノズルであることを特徴とするカーボンナノ材料製造のための燃焼方法。 - 大気圧以下の圧力に維持された燃焼システム内で行われる請求項16記載の方法。
- 前記燃焼システム内の圧力が、200torrから20torrの間に維持される請求項17記載の方法。
- 前記バーナーのプレナムが、該プレナムの温度制御を規定する液体と熱的接触にある請求項16記載の方法。
- 前記火炎からの熱を維持するため熱的に断熱されている火炎の上流に反応ゾーンを提供し、前記液体炭化水素からなる供給原料又は該供給原料から生成される生成物が、1000℃以上、少なくとも1msの滞留時間、維持されるステップを更に含む請求項16記載の方法。
- 前記液体炭化水素が、前記スプレイノズル内でガスと混合される請求項16記載の方法。
- 前記ガスが酸素である請求項21記載の方法。
- 前記噴霧された液滴が、ザウター平均径40ミクロン又はそれ未満である請求項16記載の方法。
- 前記液体炭化水素からなる供給原料を注入するために使われる前記スプレイノズルが、90°又はそれより大きい噴霧角度を有する請求項16記載の方法。
- 前記液体炭化水素からなる供給原料が、30重量%以上の多核の芳香族炭化水素を有する請求項16記載の方法。
- 前記炭化水素燃料ガスが、メタン又は天然ガスである請求項16記載の方法。
- 前記火炎が前記液体炭化水素の液滴の添加までは煤を生成しない火炎である請求項16記載の方法。
- フラーレン、フラーレニック煤又はその両方を製造するための請求項16記載の方法。
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