JP6195075B2 - 金属微粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、バーナを用いて金属微粒子を生成する金属微粒子の製造方法に関する。
近年、携帯端末等に利用される電子部品の小型化の進展に伴い、電子部品に利用される金属粉末に対する多種多様なニーズがある。該金属粉末の粒子径、粒度分布、及び形状等は、用途により様々である。
従来、バーナを用いて炉内に還元性火炎を形成し、その中で金属化合物を加熱・蒸発・還元処理することで、原料の金属化合物よりも粒径の小さい金属微粒子を製造することが行われている。
このような方法は、CVD装置を用いた気相化学反応法と比較して、原料に塩化物を使用しないことや、加熱方法が火炎による直接加熱であるため、低コストかつ安全に金属微粒子を製造することを可能とした。
電子材料や顔料、フィラーに用いられる無機粒子は、微粒化傾向にある。無機粒子は、粒径が100nm以下になると、物理的及び化学的性質や機能が100nmよりも大きい粒子と比較して大きく変化し、特に、付着・凝集性が著しく高くなることが知られている。
これは、表面積が増大することで粒子表面の相互作用が生じることに起因しており、このことが細かい無機粒子のハンドリング性を悪化させており、その用途によっては、使用される製品の性能低下や開発の妨げとなる場合がある。
そこで凝集性を緩和させるために、各種分散剤や表面修飾技術の開発が盛んに行われている。しかし、無機粒子のバルクとしての性質や溶媒、表面修飾の原料との組合せ等、複合的に要素が重なり合って、最適な分散状態を実現するのは非常に難しい。
分散剤を効果的に利用するためには、粒子表面と親和性の良好な分散剤を選択する必要があり、これを決める要素の一つとして、粒子表面の酸・塩基性が挙げられる。
粒子表面が酸性の場合には、塩基性側の分散剤を選択する必要があり、粒子表面が塩基性の場合には、酸性側の分散剤を選択する必要がある。
このため、粒子表面に酸・塩基性を添加させる技術は、その目的や用途に応じた分散剤を選定する際に極めて重要な技術となる。
例えば、粒子表面に塩基性を持たせる場合、粒子表面に水酸基(−OH)を修飾させる方法がある。この方法の一例として、例えば、特許文献1に開示されたエタノールに浸漬させる方法がある。
また、湿式還元法により生成した粒子には、粒子表面に水酸基が多く存在していることが一般的に知られている。
特開2007−269770号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたエタノールに浸漬させる方法において乾燥した粉を得るためには、エタノールを揮発させる必要があるが、その際に複数の微粒子が接触した状態で乾燥していくため、乾燥後に微粒子が凝集してしまうという問題があった。
仮に、湿式還元法により生成された複数の粒子表面に水酸基が多く存在していたとしても、上記手法により微粒子を乾燥させると、粒子の分散性が悪化する恐れ(言い換えれば、粒子が凝集しやすくなる恐れ)があった。
また、特許文献1に開示された方法において、水酸基を付加させる工程は、微粒子を生成する工程と、は別の工程であると推測される。このように、水酸基を付加させる工程と、微粒子を生成する工程と、を別々の工程で行うと、微粒子の製造工程が増加し、煩雑になってしまうという問題があった。
そこで本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、簡便な手法により、金属微粒子の凝集を抑制することの可能な金属微粒子の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明によれば、反応炉内に還元性火炎を形成するバーナを用いた金属微粒子の製造方法であって、前記還元性火炎中に、金属あるいは金属化合物よりなる粉体原料を投入し、該粉体原料を加熱・還元させることで金属微粒子本体を生成する金属微粒子本体生成工程と、前記金属微粒子本体に対して純水を噴霧して、前記金属粒子本体の表面を水酸基で修飾させることで、前記金属微粒子本体及び前記水酸基を備えた金属微粒子を生成する純水噴霧工程と、を有し、前記反応炉と同一の反応炉内において、前記金属微粒子本体生成工程と、前記純水噴霧工程と、を連続して行うことを特徴とする金属微粒子の製造方法が提供される。
また、請求項2に係る発明によれば、前記反応炉内の領域のうち、前記純水が噴霧される領域の温度を400℃以上にすることを特徴とする請求項1記載の金属微粒子の製造方法が提供される。
また、請求項3に係る発明によれば、前記純水噴霧工程では、前記反応炉内のうち、前記還元性火炎の下流側において、前記金属微粒子本体に対して前記純水を噴霧することを特徴とする請求項1または2記載の金属微粒子の製造方法が提供される。
また、請求項4に係る発明によれば、前記純水噴霧工程では、前記反応炉の側壁を介して、前記純水を噴霧することを特徴とする請求項3記載の金属微粒子の製造方法が提供される。
また、請求項5に係る発明によれば、前記純水噴霧工程では、前記還元性火炎中に位置する前記金属粒子本体に対して、前記純水を噴霧することを特徴とする請求項1または2記載の金属微粒子の製造方法が提供される。
また、請求項6に係る発明によれば、前記純水噴霧工程では、開放端とされた前記反応炉の上端を介して、前記純水を噴霧することを特徴とする請求項5記載の金属微粒子の製造方法が提供される。
また、請求項7に係る発明によれば、前記純水噴霧工程では、前記バーナの先端から前記純水を噴霧することを特徴とする請求項5記載の金属微粒子の製造方法が提供される。
本発明によれば、簡便な手法により、金属微粒子本体の表層に水酸基を修飾した金属微粒子を製造できるとともに、金属微粒子の凝集を抑制できる。
本発明の実施の形態に係る金属微粒子の製造方法を実施する際に使用する金属微粒子製造装置の概略構成を模式的に示す図である。 図1に示す金属微粒子製造装置の領域Aで囲まれた部分を拡大した図である。 他の金属微粒子製造装置の主要部のみを拡大した図(その1)である。 他の金属微粒子製造装置の主要部のみを拡大した図(その2)である。 実験例1で使用したバーナの先端部の断面構造を示す図である。 図5に示すバーナをG視した平面図である。 水を霧化添加した際の水蒸気量比と水酸基量比との関係を示すグラフである。 純水が噴霧される領域の反応炉内の温度と水酸基量比との関係を示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明を適用した実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の実施形態の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の金属微粒子製造装置の寸法関係とは異なる場合がある。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る金属微粒子の製造方法を実施する際に使用する金属微粒子製造装置の概略構成を模式的に示す図である。
図1において、X1,X2方向は、水平方向を示しており、Y1,Y2方向は、X1,X2方向と直交する鉛直方向(言い換えれば、反応炉25及びバーナ22の延在方向)を示している。
図1では、反応炉25を構成する反応炉本体45を断面で図示するとともに、バグフィルター37の内部構造が分かるように外壁の一部の図示を省略する。
また、図1に示すLは、反応炉25の上端25A(言い換えれば、反応炉本体45の上端)から球状化粒子本体に純水を噴霧する位置までの距離(以下、「距離L」という)を示している。
図1を参照するに、第1の実施の形態の金属微粒子製造装置10は、可燃性ガス供給源11と、可燃性ガス供給ライン12と、原料フィーダー14と、原料及び可燃性ガス供給ライン15と、支燃性ガス供給源16と、支燃性ガス供給ライン17と、バーナ22と、反応炉25と、旋回流形成用窒素供給源27と、窒素供給ライン28と、純水噴霧部31と、噴霧供給ライン32と、粒子輸送ライン35と、バグフィルター37と、第1の排気ライン39と、ブロワ41と、第2の排気ライン42と、を有する。
可燃性ガス供給源11(可燃性ガス供給源)は、可燃性ガス供給ライン12の一端と接続されている。可燃性ガス供給源11は、可燃性ガス供給ライン12を介して、原料フィーダー14に可燃性ガス(例えば、プロパン、メタン、天然ガス等)を供給する。
可燃性ガス供給ライン12は、他端が原料フィーダー14と接続されている。原料フィーダー14は、原料及び可燃性ガス供給ライン15の一端と接続されている。原料フィーダー14は、金属よりなる粉末原料を原料及び可燃性ガス供給ライン15に供給する。
原料及び可燃性ガス供給ライン15は、他端がバーナ22の後端と接続されている。原料及び可燃性ガス供給ライン15は、可燃性ガスとともに。粉体原料をバーナ22内に供給する。
支燃性ガス供給源16は、支燃性ガス供給ライン17の一端と接続されている。支燃性ガス供給源16は、支燃性ガス供給ライン17を介して、バーナ22に支燃性ガス(例えば、酸素や酸素富化空気)を供給する。支燃性ガス供給ライン17は、他端がバーナ22と接続されている。
バーナ22は、Y1,Y2方向に延在するように、かつ先端22Aが反応炉25の上端面に対して面一となるように、反応炉25の上方に配置されている。先端22Aには、還元性火炎Bが形成される。還元性火炎Bは、反応炉25内に形成される。
図2は、図1に示す金属微粒子製造装置の領域Aで囲まれた部分を拡大した図である。図2では、生成された金属微粒子本体51に純水を噴霧することで、金属微粒子54が生成される様子を説明するために、反応炉25内を断面で図示する。
図2において、Cは生成された金属微粒子本体51が落下する方向、D方向は純水が噴霧される方向、Eは噴霧された純水、Fは生成された金属微粒子54(この段階では、所望の粒径よりも大きな金属微粒子も含まれている)が反応炉本体45から導出される方向を示している。
図1及び図2を参照するに、反応炉25は、反応炉本体45と、純水導入部47と、金属微粒子導出部48と、を有する。
反応炉本体45は、Y1,Y2方向に延在する筒状の冷却炉であり、その内部に筒状空間を有する。反応炉本体45の内壁のうち、純水導入部47及び金属微粒子導出部48の直上に位置する部分は、反応炉本体45の上端から下端に向かう方向に対して、幅が狭くなるような形状とされている。
このような形状とすることで、純水を噴霧させる前の段階で、生成された複数の金属微粒子本体51がばらばらな状態で落下することを抑制可能となるので、純水噴霧部31により、複数の金属微粒子本体51の全体に純水を噴霧させることができる。
純水導入部47は、噴霧供給ライン32と接続されている。純水導入部47は、純水噴霧部31により噴霧された純水を反応炉本体45内に導入するための導入口である。
金属微粒子導出部48は、純水導入部47と対向するように、反応炉本体45に設けられている。金属微粒子導出部48は、粒子輸送ライン35と接続されている。
金属微粒子導出部48は、反応炉25内において生成された金属微粒子54(この段階では、所望の粒径よりも大きな金属微粒子も含まれている)を粒子輸送ライン35に導出させる。
旋回流形成用窒素供給源27は、窒素供給ライン28の他端と接続されている。旋回流形成用窒素供給源27は、窒素供給ライン28に窒素を供給する。
上記構成とされた反応炉25は、水冷の炉壁構造であってよいし、耐火物構造の炉であってもよい。
純水噴霧部31は、反応炉25の外側に設けられている。純水噴霧部31は、噴霧供給ライン32と接続されている。純水噴霧部31は、噴霧供給ライン32及び純水導入部47を介して(言い換えれば、反応炉本体45の側壁を介して)、反応炉本体45内に位置する複数の金属微粒子本体51に純水を噴霧する。
このとき、使用目的に応じて純水の噴霧量を調節することで、複数の金属微粒子本体51の表面に所望の量の水酸基53を修飾させることが可能となり、得られた複数の金属微粒子54の凝集は抑制された状態となる。
純水噴霧部31としては、例えば、純水を圧力により噴霧する圧力式噴霧器を用いることができる。具体的には、純水噴霧部31としては、例えば、スプレーノズルを用いることができる。
噴霧された純水の平均粒径は、小さいことが好ましい。噴霧された純水の平均粒径は、例えば、100μm以下に設定するとよい。これにより、反応炉本体45内において、噴霧された純水を効率良く水蒸気にすることができる。
粒子輸送ライン35は、反応炉25の下部、及びバグフィルター37の上部と接続されている。粒子輸送ライン35は、生成された金属微粒子54をバグフィルター37に輸送するためのラインである。
バグフィルター37は、第1の排気ライン39の一端と接続されている。バグフィルター37の下端からは、所望の粒径とされ、かつ金属微粒子本体51及び水酸基53を備えた複数の金属微粒子54が回収される。
ブロワ41は、第1の排気ライン39の他端と接続されている。また、ブロワ41は、第2の排気ライン42と接続されている。ブロワ41は、第1及び第2の排気ライン39,41を介して、バグフィルター37内を排気する。
次に、図1に示す金属微粒子製造装置10を用いた本実施の形態の金属微粒子の製造方法について説明する。
本実施の形態の金属微粒子の製造方法は、反応炉25内においてバーナ22の先端22Aに形成された還元性火炎B中に、金属あるいは金属化合物よりなる粉体原料を分散された状態で投入し、分散された粉体原料を加熱・還元させることで複数の金属微粒子本体51を生成(金属微粒子本体生成工程)した後、純水の噴霧量を調節した上で、複数の金属微粒子本体51に対して純水を噴霧して、複数の金属粒子本体51の表面を水酸基53で修飾させて、金属微粒子本体51及び水酸基53を備えた金属微粒子54を生成(純水噴霧工程)する。
これにより、同一の反応炉25内において、金属微粒子本体生成工程と、純水噴霧工程と、を連続して行うことが可能となる。
したがって、別々の装置内において、金属微粒子本体生成工程と、純水噴霧工程と、を行う場合と比較して、金属微粒子54の製造工程を簡略化することができる。
また、純水の噴霧量を調節することで、複数の金属微粒子本体51の表面に所望の量の水酸基を修飾させることが可能となる。
さらに、反応炉本体45内において、還元性火炎B中に分散された状態で噴出された粉体原料を加熱・還元することで得られる分散された複数の金属微粒子本体51の表面に水酸基を修飾させることで、乾燥した状態の複数の金属微粒子54(言い換えれば、表面に水酸基が修飾され、かつ乾燥された複数の金属微粒子本体51)を得ることが可能となるので、得られた複数の金属微粒子54の凝集を抑制できる。
図3及び図4は、他の金属微粒子製造装置の主要部のみを拡大した図である。
図3を参照するに、金属微粒子製造装置60は、図1に示す金属微粒子製造装置10を構成する噴霧供給ライン32を構成要素から除き、純水噴霧部31を反応炉25の上端よりも上方に配置し、還元性火炎Bに対して、直接、純水を噴霧させた構成とされている以外は、金属微粒子製造装置10と同様な構成とされている。
図3に示す金属微粒子製造装置60を用いる場合の金属微粒子の製造方法は、先に説明した純水噴霧工程において、還元性火炎B中に位置する金属粒子本体(図示せず)に対して、純水を噴霧すること以外は、先に説明した金属微粒子製造装置10に示す金属微粒子の製造方法と同様な手法で行うことができる。
図3に示す金属微粒子製造装置60を用いて金属微粒子を製造することで、還元性火炎Bの近傍において、複数の金属微粒子本体51に対して純水を噴霧することが可能となるので、金属微粒子本体51の表面に水酸基を効率良く修飾させることができる。
また、図3に示す金属微粒子製造装置60を用いた金属微粒子の製造方法は、先に説明した図1に示す金属微粒子製造装置10を用いた金属微粒子の製造方法と同様な効果を得ることができる。
図4を参照するに、金属微粒子製造装置70は、図1に示す金属微粒子製造装置10を構成する噴霧供給ライン32をバーナ22に接続させ、バーナ22の先端22Aから還元性火炎B中に位置する金属粒子本体(図示せず)に純水を噴霧させること以外は、金属微粒子製造装置10と同様な構成とされている。
図4に示す金属微粒子製造装置70を用いる場合の金属微粒子の製造方法は、先に説明した純水噴霧工程において、バーナ22を介して、還元性火炎B中に位置する金属粒子本体(図示せず)に対して純水を噴霧すること以外は、先に説明した金属微粒子製造装置10に示す金属微粒子の製造方法と同様な手法で行うことができる。
図4に示す金属微粒子製造装置70を用いて金属微粒子を製造することで、図3に示す金属微粒子製造装置60を用いた場合よりも還元性火炎Bの近傍において、複数の金属微粒子本体51に対して純水を噴霧することが可能となるので、金属微粒子本体51の表面に水酸基をさらに効率良く修飾させることができる。
また、図4に示す金属微粒子製造装置70を用いた金属微粒子の製造方法は、先に説明した図1に示す金属微粒子製造装置10を用いた金属微粒子の製造方法と同様な効果を得ることができる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
以下、実験例について説明するが、本発明は、下記実験例に限定されない。
(実験例1)
実験例1では、図1に示す金属微粒子製造装置10を用いた。ここで、実験例1で使用した装置構成について説明する。
図5は、実験例1で使用したバーナの先端部の断面構造を示す図である。図5に示すJは、バーナ22の中心線(以下、「中心線J」という)を示している。図5において、図1に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
図6は、図5に示すバーナをG視した平面図である。図6において、図5に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
ここで、図5及び図6を参照して、実験例1で使用したバーナ22の構成について簡単に説明する。
バーナ22は、バーナ本体75と、冷却部76と、を有する。バーナ本体75は、複数の筒状部材で構成されており、その先端側には、円錐台形状とされた凹部である燃焼室81が設けられている。燃焼室81は、バーナ22の基端側から先端側に向かう方向に対して、拡径された形状とされている。
バーナ本体75の中央の平坦な部分(燃焼室の底面に相当する)には、中心線Jを中心とする円周上に配置された複数の原料噴出孔83が設けられている。複数の原料噴出孔83からは、可燃性ガス及び粉体原料が噴出される。
バーナ本体75の中央の平坦な部分のうち、複数の原料噴出孔83よりも外側に位置する部分には、複数の第1の支燃性ガス噴出孔84が設けられている。複数の第1の支燃性ガス噴出孔84は、中心線Jを中心とする円周上に配置されている。
バーナ本体75のうち、燃焼室81の傾斜面を構成する部分には、中心線Jを中心とする円周上に配置された複数の第2の支燃性ガス噴出孔85が設けられている。
冷却部76は、冷却水が流れる水路を有しており、バーナの先端部を冷却する機能を有する。
上記構成とされたバーナ22の第1の支燃性ガス噴出孔84からは、第1の酸素ガスを噴出させ、第2の支燃性ガス噴出孔85からは、第2の酸素ガスを噴出させた。
実験例1では、純水噴霧部31として、スプレーイングシステムスジャパン社製のTXホロコーンノズルを用いた。霧化させた純水の液滴径は、TXホロコーンノズルの推奨値である45〜65μmを用いた。
実験例1では、粉体原料として平均粒径6μmの酸化ニッケル粉、可燃性ガスとして天然ガス(LNG)、支燃性ガスとして酸素ガス(第1及び第2の酸素ガス)を用い、純水を霧化添加して水蒸気を変化させた場合に生成したニッケル微粒子の塩基点量を評価した。
このとき、表1に示す条件を用い、純水を霧化添加する際の反応炉25内の温度を600℃とした。
Figure 0006195075
表1に示す「酸素比」は、可燃性ガスとなる天然ガスを完全に燃焼させる際に必要な酸素量を1としたときの酸素の比率を示している。酸素比が1よりも小さいと酸素不足となり、還元性火炎においてCOやHが生成され、還元雰囲気となる。
各LNG条件で生成された金属微粒子の比表面積を、株式会社マウンテック社製の測定器であるMacsorbを用いて測定した。この結果を表1に示す。
表1に示す「金属微粒子の比表面積」とは、生成された金属微粒子のうち、1gの金属微粒子が保有する表面積の合計の表面積を示している。
表1に示すように、LNGが20Nm/hのときの比表面積が6.0〜6.3m/gとなり、LNGが30Nm/hのときの比表面積が8.2〜8.4m/gとなり、LNGが40Nm/hのときの比表面積が9.9〜10.2となった。
図7は、水を霧化添加した際の水蒸気量比と水酸基量比との関係を示すグラフである。なお、実験例1では、無水酢酸を用いた滴定法により水酸基量を定量分析した。
図7に示す水酸基量は、生成した金属微粒子から無水酢酸を分解した溶液を作製し、京都電子工業株式会社製の電位差自動滴定装置AT−710を用いて、該溶液を測定することで取得した。
なお、図7において、水蒸気量比は、各LNG流量の条件において、純水を添加しない場合を1としたときの比率である。また、水酸化量比は、各LNG流量において水蒸気を添加しなかった場合を1としたときの比率である。
図7を参照するに、水蒸気量比を変化させることで生成した微粒子表層の水酸基量が増加することが判った。
(実験例2)
実験例2では、表2に示す金属ニッケル微粒子の製造条件において、噴霧する純水の量を10L/hとし、純水が噴霧される領域の反応炉25内の温度を200℃〜800℃の範囲内で変化させたときに生成されたニッケル微粒子の塩基点量を評価した。この結果を図8に示す。なお、純水が噴霧される領域の反応炉25内の温度は、図1に示す距離Lを変えることで調整した。
Figure 0006195075
図8は、純水が噴霧される領域の反応炉内の温度と水酸基量比との関係を示すグラフである。なお、水酸基量比は、純水添加位置を600℃の場合に得られた粒子の塩基点量を1として比較した。
図8を参照するに、上記温度が400℃以上のときに、純水を噴霧させることで水酸基点量が増加し、水酸基がよりよく修飾された。
本発明は、金属微粒子を製造する際に使用する金属微粒子の製造方法に適用可能である。
10,60,70…金属微粒子製造装置、11…可燃性ガス供給源、12…可燃性ガス供給ライン、14…原料フィーダー、15…原料及び可燃性ガス供給ライン、16…支燃性ガス供給源、17…支燃性ガス供給ライン、22…バーナ、22A…先端、25…反応炉、25A…上端、27…旋回流形成用窒素供給源、28…窒素供給ライン、31…純水噴霧部、32…噴霧供給ライン、35…粒子輸送ライン、37…バグフィルター、39…第1の排気ライン、41…ブロワ、42…第2の排気ライン、45…反応炉本体、47…純水導入部、48…金属微粒子導出部、75…バーナ本体、76…冷却部、81…燃焼室、83…原料噴出孔、84…第1の支燃性ガス噴出孔、85…第の支燃性ガス噴出孔、A…領域、B…還元性火炎、C,D,F…方向、E…噴霧された純水、J…中心線、L…距離

Claims (7)

  1. 反応炉内に還元性火炎を形成するバーナを用いた金属微粒子の製造方法であって、
    前記還元性火炎中に、金属あるいは金属化合物よりなる粉体原料を投入し、該粉体原料を加熱・還元させることで金属微粒子本体を生成する金属微粒子本体生成工程と、
    前記金属微粒子本体に対して純水を噴霧して、前記金属粒子本体の表面を水酸基で修飾させることで、前記金属微粒子本体及び前記水酸基を備えた金属微粒子を生成する純水噴霧工程と、
    を有し
    前記反応炉と同一の反応炉内において、前記金属微粒子本体生成工程と、前記純水噴霧工程と、を連続して行うことを特徴とする金属微粒子の製造方法。
  2. 前記反応炉内の領域のうち、前記純水が噴霧される領域の温度を400℃以上にすることを特徴とする請求項1記載の金属微粒子の製造方法。
  3. 前記純水噴霧工程では、前記反応炉内のうち、前記還元性火炎の下流側において、前記金属微粒子本体に対して前記純水を噴霧することを特徴とする請求項1または2記載の金属微粒子の製造方法。
  4. 前記純水噴霧工程では、前記反応炉の側壁を介して、前記純水を噴霧することを特徴とする請求項3記載の金属微粒子の製造方法。
  5. 前記純水噴霧工程では、前記還元性火炎中に位置する前記金属粒子本体に対して、前記純水を噴霧することを特徴とする請求項1または2記載の金属微粒子の製造方法。
  6. 前記純水噴霧工程では、開放端とされた前記反応炉の上端を介して、前記純水を噴霧することを特徴とする請求項5記載の金属微粒子の製造方法。
  7. 前記純水噴霧工程では、前記バーナの先端から前記純水を噴霧することを特徴とする請求項5記載の金属微粒子の製造方法。
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