JP7029313B2 - 金属超微粉の製造方法 - Google Patents
金属超微粉の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7029313B2 JP7029313B2 JP2018037879A JP2018037879A JP7029313B2 JP 7029313 B2 JP7029313 B2 JP 7029313B2 JP 2018037879 A JP2018037879 A JP 2018037879A JP 2018037879 A JP2018037879 A JP 2018037879A JP 7029313 B2 JP7029313 B2 JP 7029313B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- furnace
- ultrafine powder
- powder
- raw material
- metal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
Description
そのため、積層セラミックコンデンサの内部電極として用いられるニッケル超微粉としては、極力粒度分布が狭い(シャープな)ニッケル超微粉が望まれている。
[1] 外気と遮断された円筒状の炉内に、酸素または酸素富化空気を支燃性ガスとして燃料をバーナで燃焼させることで還元火炎を形成し、該還元火炎中へ粉体状の金属または金属化合物である原料粉体を供給し、該原料粉体を加熱、蒸発、及び還元させることで、金属超微粉を生成する金属超微粉の製造方法であって、
前記炉内に、前記加熱、前記蒸発、及び前記還元された前記原料粉体を冷却する旋回流を形成し、該旋回流の強度を調節することで、所望の粒度分布とされた前記金属超微粉を生成する、金属超微粉の製造方法。
[2] 前記旋回流の強度を規定するS値は、下記式(1)で示され、前記S値を変化させて前記金属超微粉の粒度分布を制御する、[1]に記載の金属超微粉の製造方法。
S=(Fs/Fz)/(D/d)・・・(1)
但し、上記式(1)において、
Fs:炉内旋回ガス運動量、
Fz:バーナ噴出ガス運動量、
D:炉内径、
d:バーナ出口径、をそれぞれ示すものとする。
[3] 前記S値は、前記炉の側壁から該炉の接線方向へ噴出する不活性ガスの噴出量で調整する、[2]に記載の金属超微粉の製造方法。
[4] 前記バーナは、前記炉の頂部に配置され、
前記原料粉体を前記バーナに供給し、
前記炉の上部において、前記原料粉体を前記加熱、前記蒸発、及び前記還元させ、
前記炉の下部に、前記旋回流を形成する、[1]乃至[3]のいずれか一項に記載の金属超微粉の製造方法。
これにより、別々の場所で金属超微粉を生成する工程と、生成された金属超微粉を分級する工程と、を行う従来の方法と比較して、簡便に所望の粒度分布とされた金属超微粉を製造できる。
また、金属超微粉の平均粒径は、平均一次粒子径をいう。具体的には、金属超微粉の平均粒径は、FE-SEM(JSM-6700F(日本電子株式会社製))を用い、20000倍の倍率で異なる場所を20箇所観察して得られた画像データを、画像解析ソフト(「Scandium」;Soft Imaging System GmbH社製)を用いて解析して得られた値である。
なお、本実施形態において「金属超微粉」とは、平均粒径が1μm未満の金属粉をいう。
先ず、図1を参照して、本実施形態の金属超微粉の製造方法を行う際に使用する金属超微粉製造装置10の構成について説明する。
金属超微粉製造装置10は、燃料ガス供給源11と、原料フィーダー12と、バーナ13と、支燃性ガス供給源15と、炉17と、複数の不活性ガス供給部18と、不活性ガス供給源19と、バグフィルター21と、ブロワー22と、を有する。
原料粉体としては、例えば、ニッケル、コバルト、銅、銀、鉄等の金属の粒子や、ニッケル、コバルト、銅、銀、鉄等の金属の酸化物(金属酸化物)及びニッケル、コバルト、銅、銀、鉄等の金属の水酸化物等の金属化合物の粒子を用いることができる。
原料供給路32は、原料供給管31の内部に設けられた空間であり、バーナ13の軸方向に延在している。原料供給路32は、原料フィーダー12と接続されている。
原料供給路32は、原料粉体及びキャリアガス(燃料ガスを含む)をバーナ13の先端側に輸送する。キャリアガスとしては、燃料ガス単体や、該燃料ガスと図示していない供給設備から供給される不活性ガス(例えば、窒素やアルゴン等)との混合ガス等を用いることができる。
これにより、原料供給管31の先端面31a側には、すり鉢形状とされた空間である燃焼室Cが形成されている。
複数の一次支燃性ガス噴出孔39は、一次支燃性ガス供給路37が輸送した一次支燃性ガスをバーナ13の中心軸13Aに対して平行に噴出する。
冷却ジャケット管42は、冷却水が流通可能な二重管構造とされている。これにより、冷却ジャケット管42は、該冷却水によりバーナ13を冷却する。
複数の二次支燃性ガス噴出孔45を通過する円の中心は、バーナ13の中心軸13Aと一致している。複数の二次支燃性ガス噴出孔45は、いずれもその噴射方向がバーナ13の中心軸13Aに向かうように傾斜して配置されている。
複数の二次支燃性ガス噴出孔45は、二次支燃性ガス供給路43に輸送された二次支燃性ガスを燃焼室Cに向けて噴射する。
炉17の頂部(上端)には、バーナ13の先端が下向きとなるように、バーナ13が取り付けられている。また、炉17の側壁17Aには、図示していない水冷構造(例えば、水冷ジャケット)が設けられている。炉17内の内径Dは、例えば、0.8mとすることができる。
複数の不活性ガス供給部18は、炉17の側壁17Aの周方向、及び炉17の延在方向(鉛直方向)に配置されている。
複数の不活性ガス供給部18は、不活性ガス供給源19と接続されており、不活性ガス供給源19から供給された不活性ガス(例えば、窒素)を炉17内に噴出させる。
また、旋回流Eの強さは、どのような粒度分布の金属超微粉を取得するかにより、適宜調節する必要がある。旋回流Eの強さは、不活性ガス供給部18から噴出される不活性ガスの噴出量(言い換えれば、炉17の側壁17Aから炉17の接線方向へ噴出する不活性ガスの噴出量)を変えることで調節可能である。
S=(Fs/Fz)/(D/d)・・・(1)
但し、上記式(1)において、「Fs」は、炉17内の旋回ガス(不活性ガス供給部18から噴出される不活性ガス等)の運動量、「Fz」は、バーナ13からの噴出ガス(バーナ13の原料噴出孔34から原料を噴出するキャリアガス等)の運動量、「D」は、炉17の内径、「d」は、バーナ13の出口径、をそれぞれ示す。
具体的には、S値を小さくする操作としては、炉17内の旋回ガスの運動量を小さくする(すなわち、不活性ガス供給部18から噴出する不活性ガスの噴出量を少なくする)操作、あるいはバーナ13からの噴出ガスの運動量を大きくする(すなわち、バーナ13からの噴出する各ガスの噴出量を多くする)操作が挙げられる。
これにより、別々の場所で金属超微粉を生成する工程と、生成された金属超微粉を分級する工程と、を行う従来の方法と比較して、簡便に所望の粒度分布とされた金属超微粉を生成できる。
バグフィルター21は、炉17の取り出し口17Bと接続されている。バグフィルター21には、取り出し口17Bを介して、ガス及び所望の粒度分布とされた金属超微粉が輸送される。
ブロワー22は、ガス排出部21Aを介して、バグフィルター21内のガスを吸引し、該ガスを排ガスとして排出する。
これにより、分級や混合といった別々の工程ではなく、金属超微粉の生成工程で粒度分布が調整できるため、従来の方法と比較して簡便に所望の粒度分布とされた金属超微粉を製造できる。
また、原料噴出孔34、一次支燃性ガス噴出孔39、及び二次支燃性ガス噴出孔45の噴出角度についても適宜選択することができる。
次に、図1及び図4を参照して、本実施形態の金属超微粉の製造方法について説明する。
先ず、バーナ13に、燃料ガス及び原料粉体(金属または金属化合物よりなる粉体)と、一次支燃性ガス及び二次支燃性ガスと、を供給することで、炉17内の上部17-1に支燃性ガス及び燃料ガスにより高温還元火炎を形成し、高温還元火炎中で原料粉体を加熱、蒸発、及び還元させる。
このとき、炉17内の下部17-2には、炉17の側壁17Aの接線方向から不活性ガス(例えば、窒素)を噴出させることで、旋回流Eが形成される。
これにより、所望の粒度分布とされた金属超微粒子の製造が完了する。
これにより、分級や混合といった別々の工程ではなく、金属超微粉の生成工程で粒度分布が調整できるため、従来の方法と比較して簡便に所望の粒度分布とされた金属超微粉を製造できる。
実施例では、始めに、原料粉体として平均粒径が5μmの酸化ニッケル粉(3kg/h)を用いて、図1に示す金属超微粉製造装置10により、ニッケル超微粉を生成した。
このとき、燃料ガスとして天然ガス(11.1Nm3/h)、支燃性ガスとして酸素(酸素比0.9、一次支燃性ガスと二次支燃性ガスとの分配比:全体の酸素量で2:8となるように配分)、炉17の内径Dを0.8m、不活性ガスとして窒素(50~250Nm3/h)を用いた。
なお、上記「酸素比」とは、燃料が完全燃焼するために必要な酸素の量を1と定義したときの値のことをいう。
また、ニッケル超微粉を生成する際、天然ガスの供給量、酸素比の値、及び酸化ニッケルの供給量を一定とし、炉17内に供給する窒素の量を変えることで、気流の旋回強度(旋回流Eの強度)を規定するS値を制御して、旋回流Eの強度を調整した。
次いで、上記観察したそれぞれ20箇所の画像データを、画像解析ソフト(「Scandium」;Soft Imaging System GmbH社製)を用いて解析し、この解析結果から得られた粒度分布に基づきCv値を算出して比較した。
Cv値=「標準偏差(μm)」/「平均粒径(μm)」×100(%)・・・(2)
上記式(2)において、「標準偏差(μm)」及び「平均粒径(μm)は、上記画像解析ソフトを用いて得られた値である。
図7は、旋回流の強度を規定するS値が0.4の場合にバグフィルターから回収したニッケル超微粉をFE-SEMで撮影した写真である。
すなわち、S値を小さくすると粒度分布はシャープになる(Cv値は小さくなる)。ただし、S値が1.0未満になると、連結粒子が多数発生してしまい、例えば内部電極材料としては好ましくない。一方、S値を大きくすると粒度分布は広くなり、大粒子が含まれるようになる。
Claims (3)
- 外気と遮断された円筒状の炉内に、酸素または酸素富化空気を支燃性ガスとして燃料をバーナで燃焼させることで還元火炎を形成し、該還元火炎中へ粉体状の金属または金属化合物である原料粉体を供給し、該原料粉体を加熱、蒸発、及び還元させることで、金属超微粉を生成する金属超微粉の製造方法であって、
前記炉内に、前記加熱、前記蒸発、及び前記還元された前記原料粉体を冷却する旋回流を形成し、下記式(1)で示される前記旋回流の強度を規定するS値を変化させて前記金属超微粉の粒度分布を制御することで、所望の粒度分布とされた前記金属超微粉を生成する、金属超微粉の製造方法。
S=(Fs/Fz)/(D/d)・・・(1)
但し、上記式(1)において、
Fs:炉内旋回ガス運動量、
Fz:バーナ噴出ガス運動量、
D:炉内径、
d:バーナ出口径、をそれぞれ示す。 - 前記S値は、前記炉の側壁から該炉の接線方向へ噴出する不活性ガスの噴出量で調整する、請求項1に記載の金属超微粉の製造方法。
- 前記バーナは、前記炉の頂部に配置され、
前記原料粉体を前記バーナに供給し、
前記炉の上部において、前記原料粉体を前記加熱、前記蒸発、及び前記還元させ、
前記炉の下部に、前記旋回流を形成する、請求項1又は2に記載の金属超微粉の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018037879A JP7029313B2 (ja) | 2018-03-02 | 2018-03-02 | 金属超微粉の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018037879A JP7029313B2 (ja) | 2018-03-02 | 2018-03-02 | 金属超微粉の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019151889A JP2019151889A (ja) | 2019-09-12 |
JP7029313B2 true JP7029313B2 (ja) | 2022-03-03 |
Family
ID=67948383
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018037879A Active JP7029313B2 (ja) | 2018-03-02 | 2018-03-02 | 金属超微粉の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7029313B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7303239B2 (ja) * | 2021-03-19 | 2023-07-04 | 大陽日酸株式会社 | 無機質球状化粒子製造用バーナ及び無機質球状化粒子の製造方法、並びに無機質球状化粒子 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009024239A (ja) | 2007-07-23 | 2009-02-05 | Taiyo Nippon Sanso Corp | 金属超微粉の製造方法 |
JP2016160525A (ja) | 2015-03-05 | 2016-09-05 | 大陽日酸株式会社 | 微粒子製造方法、及び微粒子製造装置 |
JP2017155279A (ja) | 2016-03-01 | 2017-09-07 | 大陽日酸株式会社 | 金属微粒子の製造方法 |
-
2018
- 2018-03-02 JP JP2018037879A patent/JP7029313B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009024239A (ja) | 2007-07-23 | 2009-02-05 | Taiyo Nippon Sanso Corp | 金属超微粉の製造方法 |
JP2016160525A (ja) | 2015-03-05 | 2016-09-05 | 大陽日酸株式会社 | 微粒子製造方法、及び微粒子製造装置 |
JP2017155279A (ja) | 2016-03-01 | 2017-09-07 | 大陽日酸株式会社 | 金属微粒子の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2019151889A (ja) | 2019-09-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4304221B2 (ja) | 金属超微粉の製造方法 | |
TWI381897B (zh) | 金屬超微粉之製造方法 | |
JP5318463B2 (ja) | 微粒子の製造方法およびそれに用いる製造装置 | |
TWI588092B (zh) | 碳化鈦微粒子之製造方法 | |
JP6542798B2 (ja) | 銀微粒子 | |
JP6130616B1 (ja) | 銅微粒子及びその製造方法、並びに焼結体 | |
JP7029313B2 (ja) | 金属超微粉の製造方法 | |
JP5612885B2 (ja) | 金属超微粉の製造方法 | |
JP5859719B2 (ja) | 金属超微粉の製造方法および製造装置 | |
JP5335478B2 (ja) | 金属粒子の製造装置および製造方法 | |
JP6744730B2 (ja) | 金属微粒子の製造方法 | |
JP7139258B2 (ja) | 銅微粒子、導電性材料、銅微粒子の製造方法 | |
JP6201264B2 (ja) | 無機質球状化粒子製造用バーナ、無機質球状化粒子製造装置、無機質球状化粒子の製造方法及び無機質球状化粒子 | |
JP3723022B2 (ja) | 非晶質シリカ微粒子の製造方法 | |
JP2012237023A (ja) | 金属微粒子の製造方法 | |
JP4777642B2 (ja) | ニッケル元素を含有する粉体からの金属ニッケルの濃縮回収方法 | |
JP2009046384A (ja) | 金属酸化物製造装置 | |
JP2016125066A (ja) | 金属微粒子の製造方法 | |
JP2013198856A (ja) | 球状化粒子製造装置及び球状化粒子製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20201106 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210201 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20211208 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20211214 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220120 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220208 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220218 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7029313 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |