JP3925480B2 - インクジェットプリンタ及びインクジェットプリンタの制御方法、ポンプの制御方法 - Google Patents

インクジェットプリンタ及びインクジェットプリンタの制御方法、ポンプの制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、液体を内部に吸引して外部に排出するポンプの制御方法に関し、さらにそのポンプが適用されたインクジェットプリンタ及びインクジェットプリンタの制御方法に関する。
インクジェットプリンタは、インクジェットヘッドに形成された吐出ノズルから種々の原理を用いてインク滴を吐出して記録媒体たる用紙に対して所望画像の記録を行うものである。このインクジェットヘッドには、インクの供給源となるインクカートリッジがチューブなどを介して接続されており、印刷中においては、吐出ノズルの毛細管現象と吐出ノズルからのインク滴の吐出により生じる負圧を利用してインクカートリッジからインクを吸引している。
しかし、インク内に気泡が混入するとインクをインクカートリッジから吸引することが難しくなり、インクジェットヘッドで用紙に対して所望画像を印刷できなくなる。
特許文献1に記載されたインクジェットプリンタは、このような問題を解決するものである。このインクジェットプリンタには、パージ用のポンプが設けられており、インクジェットヘッド(記録ヘッド)とインクを収納したインクカートリッジとがポンプ内に挿通された可撓性のチューブで連通されている。このポンプは、内部に回転自在に取付けられたロータを有しており、このロータには円周方向に等角度間隔離して3つのローラが軸を介して回転自在に軸承されている。また、ロータの外径とポンプの円形の空間の内径との間に可撓性のチューブが配置されている。このようなインクジェットプリンタでの印刷中は、ロータのローラがチューブを押しつぶさない位置に配置され、前述と同様にインクジェットヘッドの吐出ノズル(噴出ノズル)の毛細管現象と吐出ノズルからのインクの吐出によって生じる負圧によってインクカートリッジからチューブを介してインクジェットヘッドにインクが吸引される。そしてインクジェットヘッドの吐出ノズルからインク滴が吐出されて用紙に画像が記録される。また、パージ動作を行う場合は、ポンプのロータを回転させることでポンプからインクジェットヘッドへと強制的にインクを供給する。これにより、気泡が混入したインクをインクジェットヘッドから除去することができるので、インク供給状態の信頼性が回復する。
特公平7−80304号公報(第3−5頁、図1)
しかしながら、特許文献1に記載されたインクジェットプリンタにおいては、インクジェットヘッド側に強制的にインクを供給する際に、ロータを回転させつつローラで可撓性のチューブの同一箇所を繰り返し押しつぶすものであるために、ポンプ内に配置されたチューブが破損してインクジェットヘッドへのインク供給不良をまねくポンプ故障が生じる問題がある。
そこで、本発明の一つの目的は、ポンプ故障が生じにくいインクジェットプリンタを提供することである。
本発明の別の目的は、故障が生じにくいポンプの好適な制御方法及び、故障が生じにくいポンプを有するインクジェットプリンタの好適な制御方法を提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明のインクジェットプリンタは、内部に空洞を有しており、前記空洞内へとインクを吸入する第1貫通孔と前記空洞内からインクを排出する第2貫通孔とが形成されたハウジングと、前記空洞内において回転可能な回転子と、2つの端面が前記空洞の壁面と接触するように前記回転子に支持された状態において、前記回転子と共に回転可能である仕切り部材とを備えたポンプと、前記ポンプからインクが供給されるインクジェットヘッドと、インクを内包したインク供給部材の前記ポンプとの接続及び前記ポンプからの分離を可能にする離接許可手段と、前記空洞内において前記第1貫通孔から前記第2貫通孔に至る第1流路の流路抵抗が、前記空洞内において前記第1貫通孔から前記回転子に対して前記第1流路とは反対側を経由して前記第2貫通孔に至り且つ前記第1流路よりも流路長が長い第2流路の流路抵抗よりも大きくなる範囲内に、又は前記空洞内において前記第1貫通孔から前記第2貫通孔に至る第1流路の流路抵抗に対する、前記空洞内において前記第1貫通孔から前記回転子に対して前記第1流路とは反対側を経由して前記第2貫通孔に至り且つ前記第1流路よりも流路長が長い第2流路の流路抵抗の比が、前記回転子が停止した状態で前記第1流路をインクが流れる印字時におけるよりも小さくなる範囲内に、前記仕切り部材が位置しているか否かを検出するための仕切り部材検出手段とを備え、前記仕切り部材が前記範囲内に位置していることを前記仕切り部材検出手段が検出したときに、前記離接許可手段によって前記インク供給部材の前記ポンプとの接続あるいは前記ポンプからの分離が可能とされる(請求項1、2)。
また、本発明は、別の観点では、内部に空洞を有しており、前記空洞内へとインクを吸入する第1貫通孔と前記空洞内からインクを排出する第2貫通孔とが形成されたハウジングと、前記空洞内において回転可能な回転子と、2つの端面が前記空洞の壁面と接触するように前記回転子に支持された状態において、前記回転子と共に回転可能である仕切り部材とを備えたポンプと、前記ポンプからインクが供給されるインクジェットヘッドと、インクを内包したインク供給部材の前記ポンプとの接続及び前記ポンプからの分離を可能にする離接許可手段とを備えたインクジェットプリンタにおいて、前記空洞内には、前記第1貫通孔から前記第2貫通孔に至る第1流路と、前記第1貫通孔から前記回転子に対して前記第1流路とは反対側を経由して前記第2貫通孔に至り且つ前記第1流路よりも流路長が長い第2流路とが備えられ、前記第1流路の流路抵抗が印字時におけるよりも大きくなる範囲内に前記仕切り部材が位置しているか否か検出するための仕切り部材検出手段を備え、前記仕切り部材が前記範囲内に位置していることを前記仕切り部材検出手段が検出したときに、前記離接許可手段によって前記インク供給部材の前記ポンプとの接続あるいは前記ポンプからの分離が可能とされる(請求項3)。
これにより、可撓性のチューブを用いる場合と異なり、ポンプの構造が簡略なので故障が少なくなる。従って、ポンプ故障に起因したインクジェットヘッドへのインク供給不良を防ぐことができる。また、インクの初期導入時にポンプの空洞内に気泡が残留しにくい範囲に、又は、インク供給部材とポンプとの分離時にメニスカスが破壊されにくい範囲に仕切り部材を予め配置させておくことができる。
また、本発明において、前記範囲内において、前記仕切り部材の位置に対応して決まる前記第2流路の流路抵抗のうち、前記インク供給部材の前記ポンプとの接続を可能とする導入位置での流路抵抗が、前記インク供給部材の前記ポンプからの分離を可能とする分離位置での流路抵抗より低く、前記仕切り部材が前記導入位置に位置していることを前記仕切り部材検出手段が検出したときに、前記離接許可手段が、前記インク供給部材の前記ポンプとの接続を可能とし、前記第1貫通孔から前記空洞内へのインクの初期導入を許可することが好ましい(請求項4)。これにより、仕切り部材が所定範囲内に配置される前にインクの初期導入が開始されるのを未然に防ぐことができる。
また、このとき、前記離接許可手段が、前記仕切り部材検出手段の検出結果に連動して、前記インク供給部材が前記ポンプへのインク供給を可能とする所定位置に移動することで前記ポンプとの接続を可能とし、且つ前記インク供給部材の前記ポンプからの分離を可能にする第1の位置と、前記所定位置への移動及び前記ポンプからの分離を不可能とする第2の位置とを取り得る規制部材を備えていてもよい(請求項5)。これにより、簡易な構成で、仕切り部材が所定範囲内に配置される前にインク供給部材がインク供給を可能とする所定位置に移動するのを未然に防ぐことができる。
また、このとき、前記仕切り部材が前記導入位置に位置していることを前記仕切り部材検出手段が検出したときに、前記離接許可手段が、前記インク供給部材の前記ポンプへの接続を許可し、前記仕切り部材検出手段の検出結果に連動して、前記規制部材の位置を前記第2の位置から、前記インク供給部材の前記ポンプとの接続のための移動を可能にする前記第1の位置に変更していてもよい(請求項6)。これにより、仕切り部材が導入位置に配置される前にインク供給部材からポンプにインクが初期導入されるのを未然に防ぐことができる。
また、このとき、前記離接許可手段が、前記仕切り部材が前記分離位置に位置しているときに、前記インク供給部材の前記ポンプからの分離を許可し、前記規制部材の位置を前記第2の位置から、前記インク供給部材の前記ポンプからの分離のための移動を可能にする前記第1の位置に変更していてもよい(請求項7)。これにより、仕切り部材が分離位置に配置されていない状態で、インク供給部材をポンプから分離されるのを未然に防ぐことができる。
また、このとき、前記インク供給部材の前記ポンプへの接続が行われる否か、及び、前記インク供給部材の前記ポンプからの分離が行われるか否かを判断するための判断手段をさらに備えており、前記仕切り部材検出手段は、前記インク供給部材の前記ポンプとの接続あるいは前記ポンプからの分離が行われると前記判断手段が判断した後に、前記仕切り部材が前記範囲内に位置しているか否かを検出してもよい(請求項8)。これにより、仕切り部材検出手段による無駄な検出動作を行わずにすむ。
また、本発明において、前記ポンプは、前記仕切り部材の一方の前記端面が前記第1流路に沿った前記空洞の壁面と接触した状態において、前記仕切り部材が前記範囲内に位置していると前記仕切り部材検出手段が検出するように構成されていることが好ましい(請求項9)。これにより、仕切り部材の一方の端面が第1流路の壁面に接触しているので、回転子に依存しない簡単な構成となる。
また、このとき、前記ポンプは、前記仕切り部材の一方の前記端面が前記第1流路に沿った前記空洞の壁面と接触した状態において、前記仕切り部材が前記範囲内に位置していると前記仕切り部材検出手段が検出するように構成されており、前記第2流路に沿った前記空洞の壁面であって、前記仕切り部材の一方の前記端面が前記第1流路に沿った前記空洞の壁面と接触する範囲内にあるときに他方の前記端面が接触する範囲には、前記仕切り部材が1周回転する間において前記仕切り部材の前記端面と接触しない凹部が設けられており、前記導入位置において、前記仕切り部材の端面が、前記凹部と対向し、前記分離位置において、前記仕切り部材の端面が、前記凹部を前記第2貫通孔側に越した前記第2流路の壁面と接触していてもよい(請求項10)。これにより、第2流路の流路抵抗を非常に小さくすることができる。また、第2流路の流路抵抗が仕切り部材が導入位置にあるときよりも仕切り部材が分離位置にあるときの方が大きくなる。
また、本発明において、前記ポンプは、前記仕切り部材の両方の前記端面が前記第2流路に沿った前記空洞の壁面と接触した状態において、前記仕切り部材が前記範囲内に位置していると前記仕切り部材検出手段が検出するように構成されていることが好ましい(請求項11)。これにより、回転子が空洞の壁面と接触した状態において、仕切り部材と回転子を用いた確実な流路抵抗調整が可能である。
また、このとき、前記回転子の周面が前記第1流路に沿った前記空洞の壁面と断続的に接触する場合、前記仕切り部材の両方の前記端面が前記第2流路に沿った前記空洞の壁面と接触しているときに、前記回転子の周面が前記第1流路に沿った前記空洞の壁面と接触していてもよい(請求項12)。また、このとき、前記回転子の周面には、前記仕切り部材の両方の前記端面が前記第2流路に沿った前記空洞の壁面と接触しているときに前記第1流路を遮断するシール部材が配置されていてもよい(請求項13)。これにより、第1流路の流路抵抗を非常に大きくすることができる。
また、このとき、前記第2流路に沿った前記空洞の壁面であって、前記仕切り部材の両方の前記端面が前記第2流路に沿った前記空洞の壁面と接触する範囲内にあるときに各端面と対向する2つの位置の少なくともいずれか一方には、前記仕切り部材が1周回転する間において前記仕切り部材の前記端面と接触しない凹部が設けられていてもよい(請求項14)。これにより、第2流路の流路抵抗を非常に小さくすることができる。
また、本発明において、前記第1貫通孔が、円筒形状の前記ハウジングの水平な半径方向の位置に配設され、前記第2貫通孔が、前記ハウジングの鉛直上方向の位置に配設され、前記第2貫通孔には、内部にフィルタが水平に配置されたフィルタ収容部が設置されていることが好ましい(請求項15)。これにより、インク供給部材をポンプに接続したときに発生するインク内の異物をフィルタで除去することができる。そのため、インク供給部材に特別なフィルタ構造を設ける必要がなくなるので、インク供給部材の簡素化が達成される。また、第2貫通孔がハウジングの鉛直上方向に位置しているので、インク初期導入時にインク内に混入した気泡が、浮力に逆らわずにスムーズに排出される。そのため、インク内に混入した気泡の高い排出性が得られる。また、フィルタが水平に配置されているので、インクの初期導入時にインク内に混入した気泡に対して、気泡の浮力とポンプの送液力とを重ね合わせた大きな力を加えることが可能になるため、気泡がフィルタを通過しやすい。そのため、フィルタに多量の気泡が滞留したインク供給が中断されることが抑制される。
また、このとき、プリンタ内の環境温度を計測する温度センサをさらに備えており、前記判断手段が、前記温度センサからの温度情報に基づいて、前記仕切り部材が前記導入位置に所定の時間だけ停止させていてもよい(請求項16)。これにより、インク供給部材内のインクの粘性を考慮したインクの初期導入が可能になる。
また、このとき、前記インク供給部材には、内包されたインク情報を記憶したチップが設けられており、前記チップに記憶されたインク情報を読み取る読み取り部をさらに備えており、前記判断手段が、前記読み取り部で読み取られたインク情報に基づいて、前記仕切り部材が前記導入位置に所定の時間だけ停止させていてもよい(請求項17)。これにより、インク供給部材内のインクの粘性を考慮したインクの初期導入が可能になる。
また、本発明において、前記インク供給部材が、可撓性を有するフィルムから構成されたインクを内包するインク袋を有しており、前記インク袋が、前記仕切り部材が前記導入位置に停止しているときに押圧されることが好ましい(請求項18)。これにより、インク袋のインクが押圧力によってポンプの空洞に導入される。
また、本発明のインクジェットプリンタの制御方法は、内部に空洞を有しており、前記空洞内へとインクを吸入する第1貫通孔と前記空洞内からインクを排出する第2貫通孔とが形成されたハウジングと、前記空洞内において回転可能な回転子と、2つの端面が前記空洞の壁面と接触するように前記回転子に支持された状態において、前記回転子と共に回転可能である仕切り部材とを備えたポンプと、前記ポンプからインクが供給されるインクジェットヘッドとを備えたインクジェットプリンタの制御方法であって、前記空洞内において前記第1貫通孔から前記第2貫通孔に至る第1流路の流路抵抗が、前記空洞内において前記第1貫通孔から前記回転子に対して前記第1流路とは反対側を経由して前記第2貫通孔に至り且つ前記第1流路よりも流路長が長い第2流路の流路抵抗よりも大きくなる範囲内に、前記仕切り部材を配置するステップと、前記第1貫通孔から前記空洞内へのインクの初期導入を開始するステップとを備えている(請求項19)。
また、本発明は、別の観点では、内部に空洞を有しており、前記空洞内へとインクを吸入する第1貫通孔と前記空洞内からインクを排出する第2貫通孔とが形成されたハウジングと、前記空洞内において回転可能な回転子と、2つの端面が前記空洞の壁面と接触するように前記回転子に支持された状態において、前記回転子と共に回転可能である仕切り部材とを備えたポンプと、前記ポンプからインクが供給されるインクジェットヘッドとを備えたインクジェットプリンタの制御方法であって、前記空洞内において前記第1貫通孔から前記第2貫通孔に至る第1流路の流路抵抗に対する、前記空洞内において前記第1貫通孔から前記回転子に対して前記第1流路とは反対側を経由して前記第2貫通孔に至り且つ前記第1流路よりも流路長が長い第2流路の流路抵抗の比が、前記回転子が停止した状態で前記第1流路をインクが流れる印字時におけるよりも小さくなる範囲内に、前記仕切り部材を配置するステップと、前記第1貫通孔から前記空洞内へのインクの初期導入を開始するステップとを備えている(請求項20)。
また、本発明は、別の観点では、内部に空洞を有しており、前記空洞内へとインクを吸入する第1貫通孔と前記空洞内からインクを排出する第2貫通孔とが形成されたハウジングと、前記空洞内において回転可能な回転子と、2つの端面が前記空洞の壁面と接触するように前記回転子に支持された状態において、前記回転子と共に回転可能である仕切り部材とを備えたポンプと、前記ポンプからインクが供給されるインクジェットヘッドとを備えたインクジェットプリンタの制御方法であって、前記空洞内には、前記第1貫通孔から前記第2貫通孔に至る第1流路と、前記第1貫通孔から前記回転子に対して前記第1流路とは反対側を経由して前記第2貫通孔に至り且つ前記第1流路よりも流路長が長い第2流路とが備えられ、前記第1流路の流路抵抗が印字時におけるよりも大きくなる範囲内に前記仕切り部材を配置するステップと、前記第1貫通孔から前記空洞内へのインクの初期導入を開始するステップとを備えている(請求項21)。
これにより、インクを第1貫通孔からポンプ内に初期導入したときに、ポンプ内の気泡が第2貫通孔から抜けやすくなって、ポンプの空洞内に気泡が残留しにくくなる。
本発明において、前記初期導入の開始時又は開始後に前記仕切り部材を前記範囲内にて振動させる振動ステップをさらに備えていることが好ましい(請求項22)。これにより、仕切り部材を振動させることで、ポンプ内の気泡が第2貫通孔から抜けやすくなって、ポンプの空洞内に気泡が残留しにくくなる。
また、本発明において、前記初期導入を開始するステップが、前記ポンプにインクを供給するためのインク供給部材が前記ポンプへのインク供給を可能とする所定位置に移動するのを許可するステップを含んでいることが好ましい(請求項23)。これにより、仕切り部材が所定範囲内に配置される前にインクの初期導入が開始されるのを未然に防ぐことができる。
また、本発明のインクジェットプリンタの制御方法は、別の観点では、内部に空洞を有しており、前記空洞内へとインクを吸入する第1貫通孔と前記空洞内からインクを排出する第2貫通孔とが形成されたハウジングと、前記空洞内において回転可能な回転子と、2つの端面が前記空洞の壁面と接触するように前記回転子に支持された状態において、前記回転子と共に回転可能である仕切り部材とを備えたポンプと、前記ポンプからインクが供給されるインクジェットヘッドとを備えたインクジェットプリンタの制御方法であって、前記空洞内において前記第1貫通孔から前記第2貫通孔に至る第1流路の流路抵抗が、前記空洞内において前記第1貫通孔から前記回転子に対して前記第1流路とは反対側を経由して前記第2貫通孔に至り且つ前記第1流路よりも流路長が長い第2流路の流路抵抗よりも大きくなる範囲内に、前記仕切り部材を配置するステップと、前記ポンプと、前記ポンプにインクを供給するためのインク供給部材とを分離するステップとを備えている(請求項24)。
また、本発明は、別の観点では、内部に空洞を有しており、前記空洞内へとインクを吸入する第1貫通孔と前記空洞内からインクを排出する第2貫通孔とが形成されたハウジングと、前記空洞内において回転可能な回転子と、2つの端面が前記空洞の壁面と接触するように前記回転子に支持された状態において、前記回転子と共に回転可能である仕切り部材とを備えたポンプと、前記ポンプからインクが供給されるインクジェットヘッドとを備えたインクジェットプリンタの制御方法であって、前記空洞内において前記第1貫通孔から前記第2貫通孔に至る第1流路の流路抵抗に対する、前記空洞内において前記第1貫通孔から前記回転子に対して前記第1流路とは反対側を経由して前記第2貫通孔に至り且つ前記第1流路よりも流路長が長い第2流路の流路抵抗の比が、前記回転子が停止した状態で前記第1流路をインクが流れる印字時におけるよりも小さくなる範囲内に、又は、前記空洞内において前記第1貫通孔から前記第2貫通孔に至る第1流路の流路抵抗と、前記空洞内において前記第1貫通孔から前記回転子に対して前記第1流路とは反対側を経由して前記第2貫通孔に至り且つ前記第1流路よりも流路長が長い第2流路の流路抵抗との合計流路抵抗が、前記回転子が停止した状態で前記第1流路をインクが流れる印字時におけるよりも大きくなる範囲内に、前記仕切り部材を配置するステップと、前記ポンプと、前記ポンプにインクを供給するためのインク供給部材とを分離するステップとを備えている(請求項25、26)。
これにより、ポンプがインクジェットヘッドと接続されている場合において、ポンプとインク供給部材とを分離させるときに、メニスカスが破壊されにくくなる。そのため、インクジェットヘッドからインクが漏れるのを防ぐことができる。
また、本発明において、前記分離するステップが、前記インク供給部材が移動するのを許可するステップを含んでいることが好ましい(請求項27)。これにより、仕切り部材が所定範囲内に配置される前にインク供給部材とポンプとが分離されるのを未然に防ぐことができる。
また、本発明のポンプの制御方法は、内部に空洞を有しており、前記空洞内へと液体を吸入する第1貫通孔と前記空洞内から液体を排出する第2貫通孔とが形成されたハウジングと、前記空洞内において回転可能な回転子と、2つの端面が前記空洞の壁面と接触するように前記回転子に支持された状態において、前記回転子と共に回転可能である仕切り部材とを備えたポンプの制御方法であって、前記空洞内において前記第1貫通孔から前記第2貫通孔に至る第1流路の流路抵抗が、前記空洞内において前記第1貫通孔から前記回転子に対して前記第1流路とは反対側を経由して前記第2貫通孔に至り且つ前記第1流路よりも流路長が長い第2流路の流路抵抗よりも大きくなる範囲内に、前記仕切り部材を配置するステップと、前記第1貫通孔から前記空洞内への液体の初期導入を開始するステップとを備えている(請求項28)。これにより、液体を第1貫通孔からポンプ内に初期導入したときに、ポンプ内の気泡が第2貫通孔から抜けやすくなって、ポンプの空洞内に気泡が残留しにくくなる。
また、本発明のポンプの制御方法は、別の観点では、内部に空洞を有しており、前記空洞内へと液体を吸入する第1貫通孔と前記空洞内から液体を排出する第2貫通孔とが形成されたハウジングと、前記空洞内において回転可能な回転子と、2つの端面が前記空洞の壁面と接触するように前記回転子に支持された状態において、前記回転子と共に回転可能である仕切り部材とを備えたポンプの制御方法であって、前記空洞内において前記第1貫通孔から前記第2貫通孔に至る第1流路の流路抵抗が、前記空洞内において前記第1貫通孔から前記回転子に対して前記第1流路とは反対側を経由して前記第2貫通孔に至り且つ前記第1流路よりも流路長が長い第2流路の流路抵抗よりも大きくなる範囲内に、前記仕切り部材を配置するステップと、前記ポンプと、前記ポンプに液体を供給するための液体供給部材とを分離するステップとを備えている(請求項29)。これにより、接続された液体供給部材をポンプから分離させるときに、ポンプ内の圧力をほぼ一定状態に保つことができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施の形態に係わるインクジェットプリンタの全体的な構成を示す側面図である。図1に示すインクジェットプリンタ101は、4つのインクジェットヘッド1を有するカラーインクジェットプリンタである。このプリンタ101には、図中左方に給紙部111が、図中右方に排紙部112が、それぞれ構成されている。
プリンタ101内部には、給紙部111から排紙部112に向かって用紙が搬送される用紙搬送経路が形成されている。給紙部111のすぐ下流側には、記録媒体である用紙を挟持搬送する一対の送りローラ105a、105bが配置されている。一対の送りローラ105a、105bによって用紙は図中左方から右方へ送られる。用紙搬送経路の中間部には、二つのベルトローラ106、107と、両ローラ106、107間に架け渡されるように巻回されたエンドレスの搬送ベルト108とが配置されている。搬送ベルト108の外周面すなわち搬送面にはシリコン処理が施されており、一対の送りローラ105a、105bによって搬送されてくる用紙を、搬送ベルト108の搬送面にその粘着力により保持させながら、一方のベルトローラ106を搬送モータ142(図5参照)で図中時計回り(矢印104の方向)に回転駆動させて下流側(右方)に向けて搬送するようになっている。
用紙のベルトローラ106に対する挿入及び排出位置には、押さえ部材109a、109bがそれぞれ配置されている。押さえ部材109a、109bは、搬送ベルト108上の用紙が搬送面から浮かないように、搬送ベルト108の搬送面に用紙を押し付けて搬送面上に確実に粘着させるためのものである。
用紙搬送経路に沿って搬送ベルト108のすぐ下流側には、剥離機構110が設けられている。剥離機構110は、搬送ベルト108の搬送面に粘着されている用紙を搬送面から剥離して、右方の排紙部112へ向けて送るように構成されている。
4つのインクジェットヘッド1は、4色のインク(マゼンタ、イエロー、シアン、ブラック)に対応して、用紙搬送方向に沿って4つ並べて設けられている。つまり、このプリンタ101は、ライン式プリンタである。インクジェットヘッド1は、平面視で用紙搬送方向に垂直な長手方向を有する細長い長方形状とされるとともに、その下端にヘッド本体70(圧力室を含むインク流路が形成された流路ユニットと、圧力室のインクに圧力を与えるアクチュエータとが貼り合わされたものである)を有している。これらヘッド本体70の底面には、インクを下方に向けて吐出するための微小径の吐出ノズルを多数並べて形成している。
ヘッド本体70は、その下面と搬送ベルト108の搬送面との間に少量の隙間が形成されるように配置されており、この隙間部分に用紙搬送経路が形成されている。この構成で、搬送ベルト108上を搬送される用紙が4つのヘッド本体70のすぐ下方側を順に通過する際、この用紙の上面すなわち印刷面に向けてノズルから各色のインクが吐出されることで、用紙上に所望のカラー画像を形成できるようになっている。
インクジェットプリンタ101は、インクジェットヘッド1に対するメンテナンスを自動的に行うためのメンテナンスユニット117を有している。このメンテナンスユニット117には、4つのヘッド本体70の下面を覆うための4つのキャップ116が設けられている。
メンテナンスユニット117は、インクジェットプリンタ101で印刷が行われているときには、給紙部111の直下方の位置(退避位置)に位置している。そして、印刷終了後に所定の条件が満たされたとき(例えば、印刷動作が行われない状態が所定の時間だけ継続したときや、プリンタ101の電源オフ操作がされたとき)は、4つのヘッド本体70の直ぐ下方の位置に移動して、この位置にて、キャップ116によってヘッド本体70の下面をそれぞれ覆い、ヘッド本体70のノズル部分のインクの乾燥を防止するようになっている。
ベルトローラ106、107や搬送ベルト108は、シャーシ113によって支持されている。シャーシ113は、その下方に配置された円筒部材115上に載置されている。円筒部材115は、その中心から外れた位置に取り付けられた軸114を中心として回転可能となっている。そのため、軸114の回転に伴って円筒部材115の上端高さが変化すると、それに合わせてシャーシ113が昇降する。メンテナンスユニット117を退避位置からキャップ位置に移動させる際には、予め円筒部材115を適宜の角度に回転させてシャーシ113、搬送ベルト108及びベルトローラ106、107を図1に示す位置から適宜の距離だけ下降させ、メンテナンスユニット117の移動のためのスペースを確保しておく必要がある。
搬送ベルト108によって囲まれた領域内には、インクジェットヘッド1と対向する位置、つまり上側にある搬送ベルト108の下面と接触することによって内周側からこれを支持するほぼ直方体形状(搬送ベルト108と同程度の幅を有している)のガイド121が配置されている。
[インクジェットヘッドへのインク供給構成]
図2は、図1に示すインクジェットプリンタ101のインク供給経路の構成を示す概略図である。図2に示すように、それぞれのインクジェットヘッド1に異なる色のインクを供給するために、プリンタ101内の収容部3(図3参照)に、インクカートリッジ(インク供給部材)20が設けられている。そして、互いに離れた箇所にあるインクジェットヘッド1とインクカートリッジ20とが、ポンプ30とそのポンプ30に接続された可撓性チューブ13とによって接続されている。こうして、インクカートリッジ20からインクジェットヘッド1へのインク供給経路が構成されている。なお、インクカートリッジ20及びポンプ30は、図2では1つのみ示されているが、実際にはインクジェットヘッド1の数に対応して4つずつ設けられている。
[インクカートリッジの構成]
図3は、ポンプ30とインクカートリッジ20とが接続された状態を示す断面図である。図2及び図3に示すように、インクカートリッジ20は、合成樹脂製のケース21の内部に、インク袋22を備えた構成となっている。ケース21には、ポンプ30と対向する面の反対側の面に取手21aが形成されており、ケース21の底面には、厚み方向に貫通し後述するストッパが挿入される開口部21bが形成されている。インク袋22は、脱気されたインクを内包している。インク袋22は、その開口部を封止する樹脂製のスパウトを有し、このスパウトは、シリコンゴム製またはブチルゴム製のキャップ23を備えている。インク袋22は、可撓性を有する複数のフィルムを熱圧着して形成されたパウチフィルムで構成されている。このパウチフィルムは、最内側にポリプロピレン層が形成され、外側に向かって順に基材としてのポリエステル層と、そのポリエステル層に敷設されるガスバリア層としてのアルミ箔層と、フィルムの強度向上のためのナイロン層とが多重に積層された構造となっている。
キャップ23には、後述の中空針25を貫通できるようになっており、また、インクカートリッジ20内部のインクが切れたときには、キャップ23から中空針25を抜いて、インクカートリッジ20ごと交換できるようになっている。
図2に示すように、前述したインクジェットヘッド1のヘッド本体70は、その長手方向一端部側において、吐出ノズルが形成された底面の反対側の面に筒状部材14を備えている。この筒状部材14には、ポンプ30に接続されたチューブ13の一方が接続されており、インクカートリッジ20からのインクがヘッド本体70内部のインク流路に導かれ、吐出ノズルから吐出されるように構成している。なお、チューブ13は円筒形状に形成されており、エラストマー素材としているため十分な可撓性を有している。
また、図3に示すようにプリンタ101には、凹形状に形成されるとともにインクカートリッジ20を収容する収容部3が設けられている。収容部3のインクカートリッジ20の前端面(収容部3にインクカートリッジ20を収容するときの収容方向におけるインクカートリッジ20の前方の端面)に対向する壁面には、押しボタン式のスイッチ4が配置されている。スイッチ4は、インクカートリッジ20が収容部3に収容されて、インクカートリッジ20の前端面と接触することで、インクカートリッジ20が完全に収容部3に収容されていると、後述する制御部60に信号を送るものである。また、収容部3の右下部分には、開口部21bに挿入されるストッパ5と、ストッパ5に接続され直角部6aを有するL字形状のアーム6と、アーム6の端部に接続された電磁弁7とが配置されている。アーム6の電磁弁7側の端部には、貫通した長穴8が形成されており、その長穴8に電磁弁7のスライド可動部7aの一端部が接続されている。そして、アーム6の直角部6aは、アーム6が回動可能なようにプリンタ101本体に支持されている。電磁弁7のスライド可動部7aが図3に示す状態から電磁弁7の内部に向かってスライドすると、図3中反時計回りにアーム6が回動し、ストッパ5が開口部21bから抜去されるとともに、スライド可動部7aの一端部が長穴8に沿って移動するようになっている。
[ポンプの構成]
図4は、図2に示すIV−IV線におけるポンプ30の断面図である。図3及び図4に示すポンプ30は、円筒形状のハウジング31を備えている。ハウジング31の軸芯方向には端面が形成されており、ハウジング31内に空洞32が存在する。このハウジング31の一方の端面には、後述するロータ40の回転軸38が通る開口部33が形成されている。ハウジング31の図3中斜め右下部分の内面には、凹部34が形成されている。この凹部34は、空洞32にインクを初期導入するときに、後述する仕切り部材50の端面と対向する位置に形成されている。また、凹部34はロータ40の回転部39の厚み方向(回転部39の軸芯方向)の長さより短い長さを有するようにハウジング31の軸芯方向に延設されている。
また、図3に示すようにハウジング31の側面には、インクカートリッジ20のキャップ23に対向する位置でインクカートリッジ20からインクをポンプ30の空洞32内に吸入する吸入孔(第1貫通孔)31aが形成されている。この吸入孔31aには、円筒形状を有する金属製の中空針25が直結されている。中空針25のインクカートリッジ20側の端部は、斜めにカットされており、そのため尖った形状を有している。吸入孔31aに直結された中空針25は、図3に示すようにインクカートリッジ20のキャップ23に水平に貫通されており、インクカートリッジ20とポンプ30とのインク流路を形成する。そして、中空針25を介して吸入孔31aからポンプ30の空洞32へインクカートリッジ20のインク袋22内のインクを吸入する。
また、ハウジング31の吸入孔31aから図3中時計回り方向に約90°回転した位置(ハウジング31の側面の鉛直上側位置)に空洞32内からインクジェットヘッド1側にインクを排出する排出孔(第2貫通孔)31bが形成されている。この排出孔31bには、ヘッド本体70の筒状部材14と接続されたチューブ13の一方と接続するフィルタ収納部35が連結されている。このフィルタ収納部35の内部には、排出孔31bからチューブ13までが鉛直方向に向くように連絡孔が形成されている。連絡孔はインクカートリッジ20からインクジェットヘッド1までのインク流路の一部を構成している。また連絡孔の略中間部は、水平方向に拡大しており、そこにはフィルタ面が水平となるようにフィルタ36が配置されている。
フィルタ36は、メッシュフィルタとされており、インクカートリッジ20からインクジェットヘッド1側に供給するインクをろ過することができるようになっている。従って、キャップ23に対する中空針25の抜き差しに伴って発生したゴム滓などは、このフィルタ36で捕捉し、インクから除去することができる。この結果、例えばインクカートリッジ20側にフィルタ構造を特別に設ける必要がなくなるので、インクカートリッジの簡素化が達成される。
また、フィルタ36を水平に配置することで、ポンプ30の空洞32内が空の状態からインクを導入する時(インクの初期導入時)等にインク内に混入した気泡に対して、気泡の浮力と後述するポンプ30の送液力とを重ね合わせた比較的大きな力が加えられるため、気泡がフィルタ36を通過しやすい構成が達成される。従って、フィルタ36の上流側に多量の気泡が滞留してインクジェットヘッド1へのインク供給が中断されることが少なくなる。また、排出孔31bをケース31の鉛直上側に形成することで、インクの初期導入時に空洞32内に混入した気泡が、浮力に逆らわずスムーズに排出されるために、インク内に混入した気泡の高い排出性が得られる。
図3及び図4に示すようにポンプ30のハウジング31内には、ロータ(回転子)40が備えられている。ロータ40は、その側面の一部が空洞32の壁面(ハウジング31の内周面)に接触するように、ハウジング31の中心から偏心した一定位置で回転可能に配置されている。ロータ40は、ハウジング31内で回転する回転部39と回転部39に回転力を伝える回転軸38とで構成されている。回転部39は円柱形状を有するとともに、その軸芯方向の両端面が空洞32の両端壁面(ハウジング31の内側両端面)と接する程度の厚みを有している。回転軸38は、回転部39の一方の端面から回転部39の軸芯方向に突出した円柱形状に形成されている。そして、回転軸38がその周面の一部と常に接触するギヤ43によって回転させられる。つまり、ギヤ43が駆動モータ143(図5参照)によって回転させられることで回転軸38が回転し、回転部39も回転するので、ロータ40が回転することになる。ギヤ43の一端面には、それの軸芯方向の一方に向かって突出した突起部44,45を2つ有している。これら突起部44,45は、ギヤ43の中心から外周に向かう同一直線上に並設されている。そして、図4に示すように突起部45の対向する位置には、近接センサ47が配置されている。また、ギヤ43が回転することで、上方に移動した突起部(図4中2点鎖線で示す突起部)44の対向する位置には、近接センサ48が配置されている。これら近接センサ47,48は検出部47a,48aからの所定範囲内であって、突起部44,45が検出部47a,48aに対向したときに、突起部44,45を検出してギヤ43の回転状態を検出する。そのため、ギヤ43によって回転するロータ40の回転状態も検出することが可能になる。なお、本実施の形態における近接センサ47は、後述するようにロータ40に形成された切り欠き部42が仕切り部材50で仕切られた領域のうち、吸入孔31aと排出孔31bとが存在する領域にある場合の仕切り部材50の位置(図3に示すポンプ状態における仕切り部材50の位置であって、インクジェットヘッド1で用紙に印刷しているときの仕切り部材50の位置。以下の説明において、「印字位置」と称する)を検出し、近接センサ48は、ポンプ30の空洞32内にインクを初期導入するときの仕切り部材50の位置(図6(b)に示すポンプ状態における仕切り部材50の位置。以下の説明において「導入位置」と称する)を検出するようになっている。したがって、後述する仕切り部材50の回転位置を正確に検出することが可能になる。
ロータ40の側面には、その直径方向に貫通部41が形成されている。貫通部41は、その内部に後述する2枚の滑り部材51a,51bと仕切り部材50とが重ね合わせて配置された状態において、それら2枚の滑り部材51a,51bと仕切り部材50とが貫通部41の内面に沿って移動できるような極小の隙間を有するような形状に形成されている。
ロータ40の貫通部41には、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体)系の合成ゴムからなる仕切り部材50と仕切り部材50を挟むようにして配置された2つの滑り部材51a,51bとが配置されており、ロータ40の中心を通って横切っている。また、仕切り部材50及び滑り部材51a,51bの長手方向の両端部は、ロータ40の側面から突出するようにして配置されている。なお、仕切り部材50は弾性部材であるため、その長手方向に伸縮可能である。また、滑り部材51a,51bはPOM(ポリオキシメチレン)樹脂から構成されている。
この仕切り部材50は平面形状が長方形の板形状を有しつつ、その長手方向の両端面がハウジング31の内周面(ハウジング31内の空洞32の壁面)と接触するような長さを有する。また、仕切り部材50は、1枚の滑り部材より大きい厚みを有している。このような形状を有する仕切り部材50によって、ハウジング31内の空洞32は常に2つの領域に仕切られている。
2つの滑り部材51a,51bは、前述した仕切り部材50とほぼ同じような形状を有しており、異なる点は長手方向の長さが仕切り部材50より短く、厚みがそれぞれ薄いという点である。また、滑り部材51a,51bは樹脂から構成されているため、滑り部材51a,51bの貫通部41に対する滑り摩擦係数が仕切り部材50の貫通部41に対する滑り摩擦係数よりも小さくなる。従って、滑り部材51a,51bに挟まれて貫通部41に配置された仕切り部材50は、滑り部材51a,51bとともにロータ40を横切る方向に貫通部41の内面を滑らかに移動することが可能となる。
また、滑り部材51a,51bの長手方向の長さを仕切り部材50より短くしているため、駆動モータ143によってロータ40が回転した際に、滑り部材51a,51bの長手方向の両端面がハウジング31の内周面と接触するのを抑制することができるとともに、仕切り部材50の長手方向の両端面とハウジング31の内周面との摩擦によって、仕切り部材50の両端部近傍が過大に屈曲するのを滑り部材51a,51bの長手方向の両端部で抑制することができるので、仕切り部材50の両端部がロータ40の側面とハウジング31の内周面との間に屈曲してかみ込むのを防ぐことができる。そのため、ロータ40の回転時に過大な回転トルクの発生がなくなる。
また、図3に示すようにロータ40の側面には、一部が平面となる切り欠き部42が貫通部41に重ならないように形成されている。この切り欠き部42が、仕切り部材50によって仕切られた空洞32のうち、吸入孔31aと排出孔31bとが存在する領域内に位置することで、吸入孔31aと排出孔31bとが連通状態となり、ポンプ30内のインク流路を形成するとともに、インクジェットヘッド1で用紙に印刷しているときの状態となっている。
また、ロータ40は切り欠き部42が形成されていないロータ40の側面とハウジング31の内周面の左斜め上部分とが接触するような位置に配置されている。従って、ロータ40を回転させると、吸入孔31aから排出孔31bへの流路抵抗を大きくすることが可能となり、吸入孔31aから排出孔31bへの流路抵抗を変化させることができる(図6(b)参照)。なお、空洞32は、吸入孔31aから排出孔31bに向かうインク流路を2つ有している。つまり、図3に示すように空洞32は、吸入孔31aからロータ40の左斜め上側を通過して排出孔31bにインクが流通する第1流路32aと、吸入孔31aからロータ40の右斜め下側を通過して排出孔31bにインクが流通する第2流路32bとを有している。また、第1流路32aは、切り欠き部42が前述したように仕切り部材50によって仕切られた空洞32のうち、吸入孔31aと排出孔31bとが存在する領域内に位置することで、その流路抵抗が小さくなる。
[プリンタの制御系]
続いて、インクジェットプリンタ101の制御系について、図5に示す概略ブロック図を参照して説明する。図5に示すように、インクジェットプリンタ101に含まれる制御部60は、CPU(中央処理装置)61と、インターフェース62と、ROM63と、RAM64と、入力ポート65と、出力ポート66とを有している。インクジェットプリンタ101では、制御部60に含まれるCPU61がインターフェース62を介して入力される印刷指令信号に応じて、ROM63に格納された制御プログラムに従って動作することによって、用紙の給紙、搬送、排紙やインク吐出などの印刷動作の制御が行われる。
CPU61は、必要に応じてRAM64を使って各種処理を行う。また、インターフェース62を介して外部(例えば、パーソナルコンピュータなど)からの印刷データを受信し、必要に応じてROM63に格納された画像データなどを使って、印刷画像データを作成しRAM64に格納する。
そして、CPU61は、給紙部111にセットされた用紙を搬送ベルト108上に用紙を送り出す送りローラ105a,105bに接続された給紙モータ141をモータドライバ131を介して駆動し、搬送ベルト108に回転力を付与するベルトローラ106に接続された搬送モータ142をモータドライバ132を介して駆動する。また、4つのインクジェットヘッド1はヘッド駆動回路130を介してそれぞれ駆動され、印刷画像データに応じた画像の印刷を行う。
また、CPU61は、ポンプ30の空洞32にインクが初期導入されるときにおいて、仕切り部材50が導入位置に配置されるようにモータドライバ133を介して駆動モータ143を駆動する。仕切り部材50が導入位置に配置されると、近接センサ48が突起部44を検出し、入力ポート65を介してCPU61に検出信号が送られる。そして、CPU61がモータドライバ133を介して駆動モータ143を停止させるとともに、インクカートリッジ20が収容部3に収容可能とするように電磁弁ドライバ134を介して電磁弁7を駆動する。インクカートリッジ20が収容部3に収容され、スイッチ4と接触するとスイッチ4から入力ポート65を介してCPU61に収容完了信号が送られ、CPU61がインクカートリッジ20が収容部3から取り外せないように電磁弁ドライバ134を介して電磁弁7を駆動する。
このような状態で、インクがインクカートリッジ20からポンプ30の空洞32に充填される。このとき、インクの種類情報が記憶された図示しないチップがインクカートリッジ20に設けられており、収容部3にインクカートリッジ20を収容したときに、そのチップに記憶されたデータを収容部3の読み取り部12で読み取り、入力ポート65を介してCPU61にインク情報を送信する。そして、CPU61がそのインク情報をもとにROM63、RAM64に記憶されたデータを呼び出して、そのデータに基づいて、駆動モータ143を所定時間停止するようになっている。また、プリンタ101内の環境温度を計測する温度センサ10がプリンタ101に設けられており、その温度センサ10からの温度情報をCPU61に送信する。そして、CPU61がその温度情報をもとにROM63、RAM64に記憶されたデータを呼び出して、そのデータに基づいて、駆動モータ143を所定時間停止するようになっている。このようなインク情報や温度情報のいずれか又は両方をCPU61に送信して、ロータ40の回転を所定時間停止させる制御を行うことで、インクカートリッジ20内のインクの粘性を考慮したインクの初期導入が可能になる。
また、CPU61は、インクカートリッジ20のインク残量検出部15からインクがないという信号が、ストッパ解除ボタン16がユーザに押されストッパ解除ボタン16からの信号が入力ポート65を介して送られたときに、ポンプ30からインクカートリッジ20が分離可能な仕切り部材50の位置(図7(b)に示すポンプ状態における仕切り部材50の位置。以下の説明において、「分離位置」と称する)にモータドライバ133を介して駆動モータ143を駆動する。仕切り部材50が分離位置に配置されると、CPU61がモータドライバ133を介して駆動モータ143を停止させるとともに、インクカートリッジ20の開口部21bからストッパ5が抜去され、ポンプ30からインクカートリッジ20が分離可能なように電磁弁ドライバ134を介して電磁弁7を駆動する。このとき、収容部3からインクカートリッジ20を取り外すと、インクカートリッジ20とスイッチ4とが接触しなくなり、スイッチ4から入力ポート65を介してCPU61に信号が送られ、CPU61がストッパ5を収容部3に存在するように電磁弁ドライバ134を介して電磁弁7を駆動する。
このようにして、収容部3へのインクカートリッジ20の取り付け及び取り外しにおける制御が行われる。なお、インクジェットヘッド1での印刷開始時においては、CPU61は、仕切り部材50が図3に示すような印字位置に配置されるようにモータドライバ133を介して駆動モータ143を駆動する。仕切り部材50が印字位置に配置されると、近接センサ47が突起部45を検出し、入力ポート65を介してCPU61に検出信号が送られる。そして、4つのインクジェットヘッド1がヘッド駆動回路130を介してそれぞれ駆動され、印刷画像データに応じた画像の印刷を行う。
[ポンプへのインク初期導入動作]
続いて、インクジェットプリンタ101において、インクカートリッジ20のインクをポンプ30の空洞32へ初期導入するときについて説明する。
図6は、ポンプ30にインクを初期導入するときの状況を示しており、(a)はインクカートリッジ20が収容部3に収容されていない状況を示す断面図であり、(b)はインクカートリッジ20が途中まで収容部3に収容されている状況を示す断面図であり、(c)はインクカートリッジ20が収容部3に完全に収容された状況を示す断面図である。図6(a)に示すポンプ30の空洞32にはインクが導入されておらず、この状態のポンプ30にインクを初期導入するときは、プリンタ101の電源をON操作することで、図6(b)に示すようにポンプ30のロータ40が回転して、ロータ40の側面と空洞32の壁面とが接触するとともに、仕切り部材50の一端部がロータ40の側面と空洞32の壁面とが接触している部分に配置され、仕切り部材50が導入位置に配置される。このとき、仕切り部材50の他端面の一部は、凹部34と対向している。このような導入位置に仕切り部材50が配置されることで、空洞32の第1流路32aの流路抵抗が大きくなり、第2流路32bの流路抵抗が小さくなる。つまり、空洞32の第1流路32aは、ロータ40の側面と仕切り部材50の一端面とが空洞32の壁面と接触しているので、流路抵抗が印字時におけるよりもはるかに大きい状態となっている。また、空洞32の第2流路32bは、仕切り部材50の他端面と空洞32の壁面とが接触しているだけであり、且つ仕切り部材50の他端面の一部が凹部34と対向し、凹部34と仕切り部材50の他端面との間に隙間が形成されているので、流路抵抗が第1流路32aよりも小さい状態となっている。したがって、図6(b)に示すような仕切り部材50の位置による第1流路32aの流路抵抗に対する第2流路32bの流路抵抗の比は、仕切り部材50が図6(a)に示すように印字位置に配置されているときの第1流路32aの流路抵抗に対する第2流路32bの流路抵抗の比よりも小さくなっている。すなわち、本実施の形態において、仕切り部材50の導入位置における第1流路32aの流路抵抗をR1とし、第2流路32bの流路抵抗をR2とし、さらに印刷位置における各流路抵抗をR10,R20とした場合に、R1>R2、R2/R1<R20/R10、R1>R10という3つの条件がすべて満たされている。
また、図6(b)に示すような導入位置に仕切り部材50が配置されることで、ギヤ43の突起部44を近接センサ48で検出し、その検出信号を制御部60に送信する。このとき、制御部60は近接センサ48からの検出信号に基づいて、電磁弁7を制御して電磁弁7のスライド可動部7aを電磁弁7の内部に向かってスライドさせる。スライド可動部7aが縮むことで、アーム6が直角部6aを回転支点として回動し、ストッパ5が図6(a)に示す印字位置から図6(b)に示す導入位置に移動してインクカートリッジ20が収容部3に収容可能となる。なお、制御部60でポンプ30内にインクを初期導入すると判断してから近接センサ48が突起部44を検出しているので、近接センサ48による無駄な検出動作を行わずにすむ。
そして、図6(b)に示すようにインクカートリッジ20を収容部3に挿入しつつ、図6(c)に示すようにインクカートリッジ20の前端面をスイッチ4に接触させて、インクカートリッジ20を収容部3へ収容させる。このとき、スイッチ4がインクカートリッジ20の前端面と接触することで、スイッチ4から制御部60にインクカートリッジ20の収容完了信号が送信される。すると、制御部60は、スイッチ4からの収容完了信号に基づいて、電磁弁7を制御して電磁弁7のスライド可動部7aを内部から外方に向かってスライドさせる。スライド可動部7aが伸ばされることで、アーム6が直角部6aを回転支点として回動し、ストッパ5がケース21の開口部21bに挿入され、インクカートリッジ20が収容部3から取り外せないようになる。
図6(c)に示すように収容部3にインクカートリッジ20が収容され、インクカートリッジ20内に設けられた図示しないインク袋押圧機構による押圧力でインク袋22からのインクが、ポンプ30の空洞32に吸入孔31aから初期導入される。このとき、空洞32の仕切り部材50で仕切られた領域のうち、吸入孔31aが存在する側の領域にまずインクが充填される。そして、空洞32の仕切り部材50で仕切られた領域のうち、排出孔31bが存在する領域に、仕切り部材50の他端面と凹部34との隙間からインクが充填されると共に、ロータ40の側面及び仕切り部材50の一端面と空洞32の壁面とが接触した部分からもインクが充填されていく。このとき、上記3つの条件が満たされているので、優先的に第2流路32b側からインクが充填されていき、ポンプ30の空洞32全体がインクで満たされる。このように、第2流路32b側からインクが優先的に充填されていくので、第2流路32bに存在する気体が排出孔31bから抜けやすくなって、空洞32がインクで満たされるときには、ほとんどの気体が空洞32内に存在しなくなる。つまり、第1流路32a側から排出孔31bに向かってインクが充填された後、第2流路32b側にインクが充填されると、第2流路32b側に存在する気体が排出孔31bから抜けにくくなって空洞32を満たしたインクに気泡が残留するが、本発明においては、空洞32にインクが導入されると、気体が排出孔31bから確実に抜けていくので、空洞32を満たしたインク内に気泡が残留しないようにすることができる。また、凹部34が設けられていることで、第2流路32bの流路抵抗を第1流路32aよりも効果的に小さくすることができる。つまり、仕切り部材50の他端面が凹部34と対向していない場合では、第2流路32bの流路抵抗を上昇させることができ、後述するポンプ30のパージ操作において、ポンプ30内のインクをインクジェットヘッド1側に効率よく送液することができるとともに、凹部34と仕切り部材50の他端面を対向させることで、第2流路32bの流路抵抗を第1流路32aよりも小さくすることができる。なお、上述したように、導入位置におけるロータ40の停止時間は、インクの種類及び環境温度に応じて決定される。つまり、インクの粘性が高いものを、ポンプ30の空洞32に充填したときは、空洞32をインクで満たすのに時間がかかり、空洞32をインクで満たすまでにロータ40を回転させると、空洞32内に残留した気泡が撹拌され、インク内に気泡が混合された状態となる。しかし、インクの種類や環境温度に応じて所定時間だけ、ロータ40の回転を強制的に停止させると、前述したように排出孔31bから空洞32内の気体が抜けて、空洞32のインクに気泡が存在しない状態にすることができる。なお、ロータ40の回転を停止する所定時間は、本実施の形態においては、スイッチ4とインクカートリッジ20が接触した時点からの時間であり、インクカートリッジ20がスイッチ4に接触すると同時にポンプ30の空洞32にインクが充填され始めている。
また、インクをポンプ30内の空洞32に導入しているときに、図6(b)に示す導入位置に配置された仕切り部材50を、第1流路32aの流路抵抗が第2流路32bの流路抵抗より大きくなる範囲において、小刻みにロータ40が回転する正逆回転方向に動かして振動するようにしてもよい。つまり、インク導入時における仕切り部材50を後述するパージ動作時のポンプ30のロータ40の回転速度の1/50〜1/100程度の回転速度であって、図6(b)に示す仕切り部材50を基準としてそこから±5°の範囲内で、制御部60から駆動モータ143を制御しつつロータ40を正逆回転させて振動させてもよい。このように、仕切り部材50を小刻みに動かすことで、仕切り部材50とハウジング31の壁面とが摺動することになるので、第2流路32aの流路抵抗が小さい状態で各流路32a,32bの流路抵抗の差が大きくなり、インク導入時の空洞32の気体が仕切り部材50とハウジング31の壁面との間から抜けやすくなる。つまり、第1流路32aの流路抵抗は、ロータ40の周面とハウジング31の壁面とが接触しているので、さほど小さくならないが、第2流路32bの流路抵抗は第2流路32b中の仕切り部材50の端部とハウジング31の壁面との摺動によって小さくなり、各流路抵抗の差が大きくなる。そのため、第2流路32b内の気体が第2貫通孔31bから優先的に抜けることになり、空洞32内に気泡が残留しにくくなる。
[ポンプからインクカートリッジを分離するときの動作]
続いて、インクジェットプリンタ101において、ポンプ30からインクカートリッジ20を分離するときについて説明する。
図7は、ポンプ30からインクカートリッジ20を分離するときの状況を示しており、(a)は収容部3にインクカートリッジ20が収容されている状況を示す断面図であり、(b)はポンプ30からインクカートリッジ20を分離させるときの状況を示す断面図であり、(c)はポンプ30からインクカートリッジ20を完全に分離させた状況を示す断面図である。図7(a)に示すポンプ30は、ロータ40の側面を空洞32の壁面に接触しない位置、すなわち第1流路32aに切り欠き部42を存在させた位置でロータ40の回転を停止させ、インクカートリッジ20内のインクをインクジェットヘッド1に流通させている。インクカートリッジ20内に設けられたインク残量検出部15から制御部60にインク袋22内のインクがなくなったという信号が送信されると、制御部60がインクカートリッジ20の「交換」と認識して駆動モータ143を制御し、図7(a)に示す印字位置からロータ40を矢印方向(正方向)に回転させて、図7(b)に示すような分離位置にする。このとき、仕切り部材50は近接センサ48で検出されるインクを初期導入するときの導入位置から、ロータ40が若干正回転した分離位置に配置されている。つまり、ロータ40と空洞32の壁面とが接触している位置から吸入孔31a側にずれた空洞32の壁面と仕切り部材50の一端面とが接触しており、凹部34と対向している位置から排出孔31b側にずれた空洞32の壁面と仕切り部材50の他端面とが接触している。このように仕切り部材50が配置されると同時に、制御部60が電磁弁7を制御して、電磁弁7のスライド可動部7aを電磁弁7の内部に向かってスライドさせる。スライド可動部7aが引っ込むことで、アーム6が直角部6aを回転支点として回動し、ストッパ5が図7(a)に示す位置から図7(b)に示す位置に移動して開口部21bから抜去され、インクカートリッジ20がポンプ30から分離可能となる。そして、インクカートリッジ20の取手21aをユーザが把持して、図7(b)及び図7(c)に示すように収容部3からインクカートリッジ20を取り外す。
このようにポンプ30からインクカートリッジ20を分離させるときに、仕切り部材50が分離位置に配置されていて、仕切り部材50の他端面が凹部34と対向していないので、第2流路32bの流路抵抗がインク初期導入時における第2流路32bの流路抵抗よりも大きくなる。また、第1流路32aの流路抵抗は、ロータ40の側面と空洞32の壁面との接触と、仕切り部材50の一端面と空洞32の壁面との接触とで、第1流路32aを通過するインクが2重に遮られているので、インク初期導入時における第1流路32aの流路抵抗とほぼ同じである。なお、仕切り部材50の両端面と空洞32の壁面との接触はほぼ同じになっているので、第2流路32bの流路抵抗は、第1流路32aの流路抵抗より小さくなっている。
また、第1及び第2流路32a,32bの合計流路抵抗が印刷時におけるよりもはるかに大きくなり、インク供給経路内のインクの圧力がほぼ一定に保たれている。そのため、ポンプ30の吸引孔31aからエアが吸い込まれず、インク供給経路のインクの圧力バランスが崩れない。したがって、メニスカスが破壊されてインクジェットヘッド1の吐出ノズルからインクが漏れないようにすることができる。なお、仕切り部材50の分離位置においても上述したようにR1>R2、R2/R1<R20/R10、R1>R10(ただし、ここではR1、R2は分離位置での流路抵抗を表しているとする)という3つの条件がすべて満たされている。
また、インクカートリッジ20内にインクが残っている場合であっても、インクカートリッジ20を強制的にポンプ30から分離させて収容部3から取り外したいときにおいては、プリンタ101に設けられたストッパ解除ボタン16を押せば、仕切り部材50が図7(b)に示す分離位置に配置され、インク供給経路内の圧力バランスがほぼ一定に保たれ、前述と同様に電磁弁7のスライド可動部7aが動作してストッパ5が開口部21bから抜去されて、インクカートリッジ20が取り外し可能になる。
[印刷時のインク供給動作]
続いて、インクジェットプリンタ101において、インクジェットヘッド1での印刷時のインク供給動作について説明する。
搬送ベルト108で搬送された用紙に対して、インクジェットヘッド1からインク滴を吐出して所望画像の印刷時は、ヘッド本体70の吐出ノズルからインクが吐出されることでヘッド本体70内に負圧が発生し、その負圧と吐出ノズルの毛細管現象とを利用した吸引力によってインクジェットヘッド1がインクカートリッジ20のインク袋22からインクを吸引している。
従って、インクジェットヘッド1がインクを吸引しているときのインクジェットヘッド1とインクカートリッジ20との間のインク流路の一部を形成するポンプ30は、図3に示すように仕切り部材50によって仕切られた空洞32のうち、吸入孔31aと排出孔31bとが存在する領域内にロータ40の切り欠き部42が位置するようにロータ40の回転が停止されているとともに、仕切り部材50が印字位置に配置されている。
つまり、ロータ40の切り欠き部42によって、ロータ40とハウジング31の内周面との間には隙間が形成され、その隙間によって第1流路32aの流路抵抗が非常に小さくなり、インクジェットヘッド1からインクカートリッジ20のインク流路が確保され、インクジェットヘッド1にインクが供給されることになる。また、吸入孔31aから排出孔31bまでのポンプ30内の流路抵抗が低い状態となって、インクカートリッジ20とインクジェットヘッド1とがポンプ30内で低抵抗でつながる。そのため、印刷時においてインクジェットヘッド1からのインク吐出に応じて必要なインクが自然とインクカートリッジ20からポンプ30を介してインクジェットヘッド1へと供給される。
[パージ時のポンプ動作]
続いて、インクジェットプリンタ101においてパージ時のポンプ動作について説明する。図8は、ポンプの動作状態を示しており、(a)は印刷時のポンプ状態を示し、(b)及び(c)はパージ時のポンプのロータの回転状態の経過を示すものである。
インクカートリッジ20を交換した場合などにインク内に混入した気泡をパージする時のポンプ30の動作は、まず、図8(a)に示すロータ40の状態から駆動モータ143でギヤ43を回転させてロータ40を所定の回転速度で回転させる。このポンプ30は、ロータ40を回転させるだけでインクを強制的に送ることができる。つまり、図8(b)に示すようにロータ40を矢印方向に回転させると、ロータ40の切り欠き部42が形成されていない側面とハウジング31の内周面とが接触し、吸入孔31aから排出孔31bへの第1流路32aの流路抵抗が大きくなり、吸入孔31aと連通する領域と排出孔31bと連通する領域と吸入孔31a及び排出孔31bに連通しない領域とに仕切られる。そして、図8(c)に示すようにロータ40の矢印方向の回転に伴って、吸入孔31aと連通する領域は大きくなり、その領域内には負圧が生じてインクカートリッジ20からインクが吸引されることになる。一方、ロータ40の回転に伴って排出孔31bと連通する領域は小さくなり、その領域内に存在するインクが強制的に排出孔31bからインクジェットヘッド1側に送液されることになる。
また、ロータ40の回転に伴ってロータ40の貫通部41に配置された仕切り部材50と滑り部材51a,51bは、図8(b)に示す状態から図8(c)に示すように貫通部41の内面を滑り、ロータ40を横切る方向に移動する。つまり、ロータ40の回転によって、図8(b)に示す仕切り部材50の長手方向の上側の端面とハウジング31の内周面との接触によって生じるロータ40を横切る方向の下方側に押す力が、仕切り部材50の長手方向の下側の端面とハウジング31の内周面との接触によって生じるロータ40を横切る方向の上方側に押す力より大きくなり、仕切り部材50と滑り部材51a,51bとがロータ40を横切る方向の下方側に移動する。この仕切り部材50の移動の際に、滑り部材51a,51bは貫通部41の内面を滑らかに滑るために、仕切り部材50をスムーズに移動させることができる。
また、ロータ40の回転に伴って仕切り部材50は、その長手方向に伸縮しつつ移動しているために、仕切り部材50の両端面はケース31の内周面と常に接触している。このようなロータ40の回転に伴う仕切り部材50の移動及び伸縮によって、吸入孔31aと連通する領域内に負圧を生じさせることが可能となり、排出孔31bと連通する領域に存在するインクを排出孔31bから排出することが可能となる。
このように吸入孔31aから排出孔31bへの第1流路32aの流路抵抗を大きくした状態となるように切り欠き部42が形成されていないロータ40の側面をハウジング31の内周面に接触させつつロータ40を回転させると、インクカートリッジ20のインクが強制的に吸入孔31aからポンプ30内へ吸引されると共に排出孔31bから排出されて、排出孔31bに接続されたチューブ13を介してインクをインクジェットヘッド1側に強制的に送液することが可能となる。そのため、インク内に混入した気泡やポンプ30の排出孔31bに接続されたチューブ13などからインク内に混入した気泡をインクと共にパージすることができる。
[ポンプの変形例]
本実施の形態のインクジェットプリンタ101のポンプ30の変形例について、以下に説明する。図9は、ポンプ30の第1変形例を示しており、(a)はポンプへのインク初期導入時における仕切り部材の導入位置を示す断面図であり、(b)は印刷時における仕切り部材の印字位置を示す断面図である。図10は、ポンプ30の第2変形例を示しており、(a)はポンプへのインク初期導入時における仕切り部材の導入位置を示す断面図であり、(b)は印刷時における仕切り部材の印字位置を示す断面図である。なお、前述したポンプ30と同様なものについては同符号で示し、説明を省略する。
図9(a)に示すようにポンプ230は、前述したポンプ30とほぼ同様であるが、ポンプ230の空洞32にインクを初期導入するときの仕切り部材50の導入位置と、ポンプ230へのインクの初期導入時において、ロータ40の側面と空洞32の壁面とが接触する部分にシール部材231が配置されている点と、ポンプ230へのインクの初期導入時において、仕切り部材50の両端面と対向するハウジング31の内周面に、この両端面の一部と対向する凹部232が形成されている点とが、前述したポンプ30と異なる点である。
ポンプ230は、空洞32にインクを初期導入するときは、空洞32の仕切り部材50で仕切られた領域のうち、吸入孔31a及び排出孔31bとが存在しない領域に切り欠き部42が存在し、仕切り部材50の両端部が第2流路32bに存在するようにされており、ロータ40の側面と空洞32の壁面とが接触する部分にシール部材231が存在している。そして、仕切り部材50の両端面の一部が凹部232と対向している。このようにロータ40が空洞32の壁面と接触した状態で仕切り部材50が配置されることで、仕切り部材50とロータ40とを用いた確実な流路抵抗調整が可能になる。つまり、シール部231によって第1流路32aの流路抵抗が非常に大きくなり、凹部232と仕切り部材50の両端面との間に隙間が形成されて第2流路32bの流路抵抗が小さくなる。従って、このときも上記3つの条件が満たされており、ポンプ230の空洞32にインクが導入されるときに、空洞32の気体が排出孔31bから抜けやすくなって、空洞32をインクで満たしたときにインク内に気泡がほとんどない状態となる。
また、インクジェットヘッド1で印刷を行うときは、図9(b)に示す印字位置に仕切り部材50を配置させ、空洞32の仕切り部材50で仕切られた領域のうち、吸入孔31aと排出孔31bとが存在する領域に切り欠き部42を配置させることで、第1流路32aの流路抵抗が小さくなり、第1流路32aからインクジェットヘッド1にインクカートリッジ20のインクを円滑に供給することができる。また、このとき、仕切り部材50の両端面の一部は凹部232と対向しているので、この両端面と凹部232との間の隙間を通って第2流路32bからもインクをインクジェットヘッド1に供給することができる。
また、第1変形例においてはインクカートリッジ20を分離するときに、図9(a)に示す導入位置と同じ位置を分離位置としている。これによって、第1及び第2流路32a,32bの合計流路抵抗が、印刷時の第1及び第2流路32a,32bの合計流路抵抗よりも大きくなる。また、このときも上記3つの条件が満たされており、メニスカスが破壊されてインクジェットヘッド1の吐出ノズルからインクが漏れないようにすることができる。
図10(a)に示すようにポンプ330は、前述したポンプ30やポンプ230のようにロータ40に切り欠き部42が形成されていないだけで、その他は前述したポンプ230と同様である。このようなポンプ330においても、図10(a)に示すように空洞32にインクを初期導入するときは、仕切り部材50の両端部が第2流路32bに存在するようにされており、ロータ40の側面と空洞32の壁面とが接触する部分にシール部材231が存在している。そして、仕切り部材50の両端面の一部が凹部232と対向している。このように仕切り部材50が配置されることで、シール部231によって第1流路32aの流路抵抗が非常に大きくなり、凹部232と仕切り部材50の両端面との間に隙間が形成されて第2流路32bの流路抵抗が小さくなる。従って、ポンプ330の空洞32にインクが導入されるときに、空洞32の気体が排出孔31bから抜けやすくなって、空洞32をインクで満たしたときにインク内に気泡がほとんど残留しない状態となる。なお、第2変形例においても上述の第1変形例と同様に導入位置がインクカートリッジ20を分離するときの分離位置となっている。これによっても第1及び第2流路32a,32bの合計流路抵抗が、印刷時の第1及び第2流路32a,32bの合計流路抵抗よりも大きくなる。また、このときも上記3つの条件が満たされており、第1変形例と同様な効果を得ることができる。
また、インクジェットヘッド1で印刷を行うときは、図10(b)に示す印字位置に仕切り部材50を配置させ、空洞32の仕切り部材50で仕切られた領域のうち、吸入孔31a及び排出孔31bとが存在しない領域にシール部材231を配置させることで、第1流路32aの流路抵抗が小さくなり、第1流路32aからインクジェットヘッド1にインクカートリッジ20のインクを供給することができるとともに、仕切り部材50の両端面の一部は凹部232と対向しているので、この両端面と凹部232との間の隙間を通って第2流路32bからもインクをインクジェットヘッド1に供給することができる。
以上のような本実施の形態によるインクジェットプリンタ101によると、ポンプ30,230,330の吸引孔31aからポンプ30,230,330内にインクを初期導入したときにおいて、第2流路32bの流路抵抗が第1流路32aの流路抵抗よりも小さくなり、第1流路32aの流路抵抗に対する第2流路32bの流路抵抗の比も印刷時における第1流路32aの流路抵抗に対する第2流路32bの流路抵抗の比よりも小さくなり、且つ第1流路32aの流路抵抗が印刷時におけるその流路抵抗よりも大きくなる。そのため、ポンプ30,230,330内の気泡が排出孔31bから抜けやすくなって、ポンプ30,230,330の空洞32内に気泡が残留しにくくなる。また、上記公報とは異なり、ポンプ内に可撓性チューブを配置する必要がないので、ポンプ30,230,330の構造が簡略となって故障が少なくなる。従って、ポンプ30,230,330故障に起因したインクジェットヘッドへのインク供給不良を防ぐことができる。
ポンプ30にインクを初期導入するときにおいて、仕切り部材50が図6(b)に示す位置に存在しないと、ストッパ5が収容部3から移動しないので、仕切り部材50が図6(b)に示す位置にない状態でインクカートリッジ20を収容部3に収容してポンプ30にインクが初期導入されるのを未然に防ぐことができる。また、ポンプ30からインクカートリッジ20を分離するときにおいて、仕切り部材50が図7(b)に示す位置に存在しないと、ストッパ5が開口部21bから抜去されないので、仕切り部材50が図7(b)に示す位置にない状態でインクカートリッジ20をポンプ30から分離されるのを未然に防ぐことができる。そのため、インク供給経路の圧力バランスが崩れないので、インクジェットヘッド1の吐出ノズルからインクが漏れない。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいてさまざまな設計変更が可能なものである。例えば、上述したポンプにおいて、インク初期導入時及びインクカートリッジ20の分離時に、R1>R2、R2/R1<R20/R10、R1>R10という3つの条件のうち、少なくともいずれか1つが満たされていればよい。これによって上述したようにポンプ内にインクが初期導入されたときに、空洞内に気泡が残留しにくくなるとともに、インクカートリッジの分離時にメニスカスが破壊されるのを防ぐことができる。また、上述した実施の形態で説明した技術は、インクジェットプリンタ以外にも適用することが可能であり、その場合、一例として空洞32にインクなどの液体が初期導入されるときに、第1流路の流路抵抗が第2流路の流路抵抗より大きくなるように仕切り部材が配置されていればよい。こうすれば、空洞内の気体が排出孔から抜けやすくなって気体がポンプ内部に残留しにくくなる。また、上述したポンプ330において、仕切り部材50の両端面と空洞32の壁面とが接触している部分を通過する流路抵抗より、ロータ40の側面と空洞32の壁面とが接触している部分を通過する流路抵抗の方を大きくしておけば、ポンプ330へのインク導入時において、仕切り部材50はどこの位置にあっても良い。
また、ポンプ30,230,330のハウジング31に凹部34,232が形成されていなくてもよい。仕切り部材50の位置を各センサ47,48で検出して、ポンプへのインク導入時、ポンプからインクカートリッジの分離及び印刷時における仕切り部材50の位置を定めているが、角度センサや他の検出方法のセンサを用いて仕切り部材の位置を適宜定めてもよい。また、インク供給経路に圧力センサを設けてメニスカスが破壊されるような所定範囲以外の圧力になる前に、上述した実施の形態のようにロータを回転させて所定位置に仕切り部材を配置させても良い。こうすることで、インクカートリッジをポンプから分離させてもメニスカスが破壊されるようなインク供給経路内の圧力変動を抑制することができる。なお、上述した実施の形態におけるインクジェットヘッド1はラインタイプのものであるが、シリアルタイプのインクジェットヘッドであってもよい。
また、上述したポンプ30内にインクを初期導入しているときに、仕切り部材50を振動するように小刻みに動かさなくてもよい。また、上述した第1流路32aは、切り欠き部42の換わりにロータの側面の2点を結ぶように貫通されて形成された貫通孔(トンネル)であってもよい。つまり、仕切り部材50が図10(b)に示すような印字位置に配置されているときに、吸引孔31aと連通する空洞と排出孔31bと連通する空洞とを流路抵抗が小さい状態で連通させるような貫通孔(トンネル)がロータ40に形成されている場合、その貫通孔が第1流路の一部であってもよい。
本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタの全体的な構成を示す側面図である。 図1に示すインクジェットプリンタのインク供給経路の構成を示す概略図である。 ポンプとインクカートリッジとが接続された状態を示す断面図である。 図2に示すIV−IV線におけるポンプの断面図である。 図1に示すインクジェットプリンタの制御系を示す概略ブロック図である。 ポンプにインクを初期導入するときの状況を示しており、(a)はインクカートリッジが収容部に収容されていない状況を示す断面図であり、(b)はインクカートリッジが途中まで収容部に収容されている状況を示す断面図であり、(c)はインクカートリッジが収容部に完全に収容された状況を示す断面図である。 ポンプからインクカートリッジを分離するときの状況を示しており、(a)は収容部にインクカートリッジが収容されている状況を示す断面図であり、(b)はポンプからインクカートリッジを分離させるときの状況を示す断面図であり、(c)はポンプからインクカートリッジを完全に分離させた状況を示す断面図である。 ポンプの動作状態を示しており、(a)は印刷時のポンプ状態を示し、(b)及び(c)はパージ時のポンプのロータの回転状態の経過を示すものである。 本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタに適用されたポンプの第1変形例を示しており、(a)はポンプへのインク初期導入時における仕切り部材の導入位置を示す断面図であり、(b)は印刷時における仕切り部材の印字位置を示す断面図である。 本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタに適用されたポンプの第2変形例を示しており、(a)はポンプへのインク初期導入時における仕切り部材の導入位置を示す断面図であり、(b)は印刷時における仕切り部材の印字位置を示す断面図である。
符号の説明
1 インクジェットヘッド
5 ストッパ
6 アーム
7 電磁弁
20 インクカートリッジ(インク供給部材)
30,230,330 ポンプ
31 ハウジング
31a 吸入孔(第1貫通孔)
31b 排出孔(第2貫通孔)
32 空洞
32a 第1流路
32b 第2流路
40 ロータ(回転子)
47 近接センサ
48 近接センサ
50 仕切り部材
60 制御部

Claims (29)

  1. 内部に空洞を有しており、前記空洞内へとインクを吸入する第1貫通孔と前記空洞内からインクを排出する第2貫通孔とが形成されたハウジングと、前記空洞内において回転可能な回転子と、2つの端面が前記空洞の壁面と接触するように前記回転子に支持された状態において、前記回転子と共に回転可能である仕切り部材とを備えたポンプと、
    前記ポンプからインクが供給されるインクジェットヘッドと、
    インクを内包したインク供給部材の前記ポンプとの接続及び前記ポンプからの分離を可能にする離接許可手段と、
    前記空洞内において前記第1貫通孔から前記第2貫通孔に至る第1流路の流路抵抗が、前記空洞内において前記第1貫通孔から前記回転子に対して前記第1流路とは反対側を経由して前記第2貫通孔に至り且つ前記第1流路よりも流路長が長い第2流路の流路抵抗よりも大きくなる範囲内に、前記仕切り部材が位置しているか否かを検出するための仕切り部材検出手段とを備え、
    前記仕切り部材が前記範囲内に位置していることを前記仕切り部材検出手段が検出したときに、前記離接許可手段によって前記インク供給部材の前記ポンプとの接続あるいは前記ポンプからの分離が可能とされることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 内部に空洞を有しており、前記空洞内へとインクを吸入する第1貫通孔と前記空洞内からインクを排出する第2貫通孔とが形成されたハウジングと、前記空洞内において回転可能な回転子と、2つの端面が前記空洞の壁面と接触するように前記回転子に支持された状態において、前記回転子と共に回転可能である仕切り部材とを備えたポンプと、
    前記ポンプからインクが供給されるインクジェットヘッドと、
    インクを内包したインク供給部材の前記ポンプとの接続及び前記ポンプからの分離を可能にする離接許可手段と、
    前記空洞内において前記第1貫通孔から前記第2貫通孔に至る第1流路の流路抵抗に対する、前記空洞内において前記第1貫通孔から前記回転子に対して前記第1流路とは反対側を経由して前記第2貫通孔に至り且つ前記第1流路よりも流路長が長い第2流路の流路抵抗の比が、前記回転子が停止した状態で前記第1流路をインクが流れる印字時におけるよりも小さくなる範囲内に、前記仕切り部材が位置しているか否かを検出するための仕切り部材検出手段とを備え、
    前記仕切り部材が前記範囲内に位置していることを前記仕切り部材検出手段が検出したときに、前記離接許可手段によって前記インク供給部材の前記ポンプとの接続あるいは前記ポンプからの分離が可能とされることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  3. 内部に空洞を有しており、前記空洞内へとインクを吸入する第1貫通孔と前記空洞内からインクを排出する第2貫通孔とが形成されたハウジングと、前記空洞内において回転可能な回転子と、2つの端面が前記空洞の壁面と接触するように前記回転子に支持された状態において、前記回転子と共に回転可能である仕切り部材とを備えたポンプと、
    前記ポンプからインクが供給されるインクジェットヘッドと、
    インクを内包したインク供給部材の前記ポンプとの接続及び前記ポンプからの分離を可能にする離接許可手段とを備えたインクジェットプリンタにおいて、
    前記空洞内には、前記第1貫通孔から前記第2貫通孔に至る第1流路と、前記第1貫通孔から前記回転子に対して前記第1流路とは反対側を経由して前記第2貫通孔に至り且つ前記第1流路よりも流路長が長い第2流路とが備えられ、
    前記第1流路の流路抵抗が印字時におけるよりも大きくなる範囲内に前記仕切り部材が位置しているか否か検出するための仕切り部材検出手段を備え、
    前記仕切り部材が前記範囲内に位置していることを前記仕切り部材検出手段が検出したときに、前記離接許可手段によって前記インク供給部材の前記ポンプとの接続あるいは前記ポンプからの分離が可能とされることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  4. 前記範囲内において、前記仕切り部材の位置に対応して決まる前記第2流路の流路抵抗のうち、前記インク供給部材の前記ポンプとの接続を可能とする導入位置での流路抵抗が、前記インク供給部材の前記ポンプからの分離を可能とする分離位置での流路抵抗より低く、
    前記仕切り部材が前記導入位置に位置していることを前記仕切り部材検出手段が検出したときに、前記離接許可手段が、前記インク供給部材の前記ポンプとの接続を可能とし、前記第1貫通孔から前記空洞内へのインクの初期導入を許可することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。
  5. 前記離接許可手段が、前記仕切り部材検出手段の検出結果に連動して、前記インク供給部材が前記ポンプへのインク供給を可能とする所定位置に移動することで前記ポンプとの接続を可能とし、且つ前記インク供給部材の前記ポンプからの分離を可能にする第1の位置と、前記所定位置への移動及び前記ポンプからの分離を不可能とする第2の位置とを取り得る規制部材を備えていることを特徴とする請求項4に記載のインクジェットプリンタ。
  6. 前記仕切り部材が前記導入位置に位置していることを前記仕切り部材検出手段が検出したときに、前記離接許可手段が、前記インク供給部材の前記ポンプへの接続を許可し、前記仕切り部材検出手段の検出結果に連動して、前記規制部材の位置を前記第2の位置から、前記インク供給部材の前記ポンプとの接続のための移動を可能にする前記第1の位置に変更することを特徴とする請求項5に記載のインクジェットプリンタ。
  7. 前記離接許可手段が、前記仕切り部材が前記分離位置に位置しているときに、前記インク供給部材の前記ポンプからの分離を許可し、前記規制部材の位置を前記第2の位置から、前記インク供給部材の前記ポンプからの分離のための移動を可能にする前記第1の位置に変更することを特徴とする請求項5または6に記載のインクジェットプリンタ。
  8. 前記インク供給部材の前記ポンプへの接続が行われる否か、及び、前記インク供給部材の前記ポンプからの分離が行われるか否かを判断するための判断手段をさらに備えており、
    前記仕切り部材検出手段は、前記インク供給部材の前記ポンプとの接続あるいは前記ポンプからの分離が行われると前記判断手段が判断した後に、前記仕切り部材が前記範囲内に位置しているか否かを検出することを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。
  9. 前記ポンプは、前記仕切り部材の一方の前記端面が前記第1流路に沿った前記空洞の壁面と接触した状態において、前記仕切り部材が前記範囲内に位置していると前記仕切り部材検出手段が検出するように構成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。
  10. 前記ポンプは、前記仕切り部材の一方の前記端面が前記第1流路に沿った前記空洞の壁面と接触した状態において、前記仕切り部材が前記範囲内に位置していると前記仕切り部材検出手段が検出するように構成されており、
    前記第2流路に沿った前記空洞の壁面であって、前記仕切り部材の一方の前記端面が前記第1流路に沿った前記空洞の壁面と接触する範囲内にあるときに他方の前記端面が接触する範囲には、前記仕切り部材が1周回転する間において前記仕切り部材の前記端面と接触しない凹部が設けられており、
    前記導入位置において、前記仕切り部材の端面が、前記凹部と対向し、
    前記分離位置において、前記仕切り部材の端面が、前記凹部を前記第2貫通孔側に越した前記第2流路の壁面と接触していることを特徴とする請求項4〜8のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。
  11. 前記ポンプは、前記仕切り部材の両方の前記端面が前記第2流路に沿った前記空洞の壁面と接触した状態において、前記仕切り部材が前記範囲内に位置していると前記仕切り部材検出手段が検出するように構成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。
  12. 前記回転子の周面が前記第1流路に沿った前記空洞の壁面と断続的に接触する場合、前記仕切り部材の両方の前記端面が前記第2流路に沿った前記空洞の壁面と接触しているときに、前記回転子の周面が前記第1流路に沿った前記空洞の壁面と接触することを特徴とする請求項11に記載のインクジェットプリンタ。
  13. 前記回転子の周面には、前記仕切り部材の両方の前記端面が前記第2流路に沿った前記空洞の壁面と接触しているときに前記第1流路を遮断するシール部材が配置されていることを特徴とする請求項11又は12に記載のインクジェットプリンタ。
  14. 前記第2流路に沿った前記空洞の壁面であって、前記仕切り部材の両方の前記端面が前記第2流路に沿った前記空洞の壁面と接触する範囲内にあるときに各端面と対向する2つの位置の少なくともいずれか一方には、前記仕切り部材が1周回転する間において前記仕切り部材の前記端面と接触しない凹部が設けられていることを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。
  15. 前記第1貫通孔が、円筒形状の前記ハウジングの水平な半径方向の位置に配設され、
    前記第2貫通孔が、前記ハウジングの鉛直上方向の位置に配設され、
    前記第2貫通孔には、内部にフィルタが水平に配置されたフィルタ収容部が設置されていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。
  16. プリンタ内の環境温度を計測する温度センサをさらに備えており、
    前記判断手段が、前記温度センサからの温度情報に基づいて、前記仕切り部材が前記導入位置に所定の時間だけ停止させることを特徴とする請求項8に記載のインクジェットプリンタ。
  17. 前記インク供給部材には、内包されたインク情報を記憶したチップが設けられており、
    前記チップに記憶されたインク情報を読み取る読み取り部をさらに備えており、
    前記判断手段が、前記読み取り部で読み取られたインク情報に基づいて、前記仕切り部材が前記導入位置に所定の時間だけ停止させることを特徴とする請求項8又は16に記載のインクジェットプリンタ。
  18. 前記インク供給部材が、可撓性を有するフィルムから構成されたインクを内包するインク袋を有しており、
    前記インク袋が、前記仕切り部材が前記導入位置に停止しているときに押圧されることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。
  19. 内部に空洞を有しており、前記空洞内へとインクを吸入する第1貫通孔と前記空洞内からインクを排出する第2貫通孔とが形成されたハウジングと、前記空洞内において回転可能な回転子と、2つの端面が前記空洞の壁面と接触するように前記回転子に支持された状態において、前記回転子と共に回転可能である仕切り部材とを備えたポンプと、
    前記ポンプからインクが供給されるインクジェットヘッドとを備えたインクジェットプリンタの制御方法であって、
    前記空洞内において前記第1貫通孔から前記第2貫通孔に至る第1流路の流路抵抗が、前記空洞内において前記第1貫通孔から前記回転子に対して前記第1流路とは反対側を経由して前記第2貫通孔に至り且つ前記第1流路よりも流路長が長い第2流路の流路抵抗よりも大きくなる範囲内に、前記仕切り部材を配置するステップと、
    前記第1貫通孔から前記空洞内へのインクの初期導入を開始するステップとを備えていることを特徴とするインクジェットプリンタの制御方法。
  20. 内部に空洞を有しており、前記空洞内へとインクを吸入する第1貫通孔と前記空洞内からインクを排出する第2貫通孔とが形成されたハウジングと、前記空洞内において回転可能な回転子と、2つの端面が前記空洞の壁面と接触するように前記回転子に支持された状態において、前記回転子と共に回転可能である仕切り部材とを備えたポンプと、
    前記ポンプからインクが供給されるインクジェットヘッドとを備えたインクジェットプリンタの制御方法であって、
    前記空洞内において前記第1貫通孔から前記第2貫通孔に至る第1流路の流路抵抗に対する、前記空洞内において前記第1貫通孔から前記回転子に対して前記第1流路とは反対側を経由して前記第2貫通孔に至り且つ前記第1流路よりも流路長が長い第2流路の流路抵抗の比が、前記回転子が停止した状態で前記第1流路をインクが流れる印字時におけるよりも小さくなる範囲内に、前記仕切り部材を配置するステップと、
    前記第1貫通孔から前記空洞内へのインクの初期導入を開始するステップとを備えていることを特徴とするインクジェットプリンタの制御方法。
  21. 内部に空洞を有しており、前記空洞内へとインクを吸入する第1貫通孔と前記空洞内からインクを排出する第2貫通孔とが形成されたハウジングと、前記空洞内において回転可能な回転子と、2つの端面が前記空洞の壁面と接触するように前記回転子に支持された状態において、前記回転子と共に回転可能である仕切り部材とを備えたポンプと、
    前記ポンプからインクが供給されるインクジェットヘッドとを備えたインクジェットプリンタの制御方法であって、
    前記空洞内には、前記第1貫通孔から前記第2貫通孔に至る第1流路と、前記第1貫通孔から前記回転子に対して前記第1流路とは反対側を経由して前記第2貫通孔に至り且つ前記第1流路よりも流路長が長い第2流路とが備えられ、
    前記第1流路の流路抵抗が印字時におけるよりも大きくなる範囲内に前記仕切り部材を配置するステップと、
    前記第1貫通孔から前記空洞内へのインクの初期導入を開始するステップとを備えていることを特徴とするインクジェットプリンタの制御方法。
  22. 前記初期導入の開始時又は開始後に前記仕切り部材を前記範囲内にて振動させる振動ステップをさらに備えていることを特徴とする請求項19〜21のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。
  23. 前記初期導入を開始するステップが、前記ポンプにインクを供給するためのインク供給部材が前記ポンプへのインク供給を可能とする所定位置に移動するのを許可するステップを含んでいることを特徴とする請求項19〜22のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタの制御方法。
  24. 内部に空洞を有しており、前記空洞内へとインクを吸入する第1貫通孔と前記空洞内からインクを排出する第2貫通孔とが形成されたハウジングと、前記空洞内において回転可能な回転子と、2つの端面が前記空洞の壁面と接触するように前記回転子に支持された状態において、前記回転子と共に回転可能である仕切り部材とを備えたポンプと、
    前記ポンプからインクが供給されるインクジェットヘッドとを備えたインクジェットプリンタの制御方法であって、
    前記空洞内において前記第1貫通孔から前記第2貫通孔に至る第1流路の流路抵抗が、前記空洞内において前記第1貫通孔から前記回転子に対して前記第1流路とは反対側を経由して前記第2貫通孔に至り且つ前記第1流路よりも流路長が長い第2流路の流路抵抗よりも大きくなる範囲内に、前記仕切り部材を配置するステップと、
    前記ポンプと、前記ポンプにインクを供給するためのインク供給部材とを分離するステップとを備えていることを特徴とするインクジェットプリンタの制御方法。
  25. 内部に空洞を有しており、前記空洞内へとインクを吸入する第1貫通孔と前記空洞内からインクを排出する第2貫通孔とが形成されたハウジングと、前記空洞内において回転可能な回転子と、2つの端面が前記空洞の壁面と接触するように前記回転子に支持された状態において、前記回転子と共に回転可能である仕切り部材とを備えたポンプと、
    前記ポンプからインクが供給されるインクジェットヘッドとを備えたインクジェットプリンタの制御方法であって、
    前記空洞内において前記第1貫通孔から前記第2貫通孔に至る第1流路の流路抵抗に対する、前記空洞内において前記第1貫通孔から前記回転子に対して前記第1流路とは反対側を経由して前記第2貫通孔に至り且つ前記第1流路よりも流路長が長い第2流路の流路抵抗の比が、前記回転子が停止した状態で前記第1流路をインクが流れる印字時におけるよりも小さくなる範囲内に、前記仕切り部材を配置するステップと、
    前記ポンプと、前記ポンプにインクを供給するためのインク供給部材とを分離するステップとを備えていることを特徴とするインクジェットプリンタの制御方法。
  26. 内部に空洞を有しており、前記空洞内へとインクを吸入する第1貫通孔と前記空洞内からインクを排出する第2貫通孔とが形成されたハウジングと、前記空洞内において回転可能な回転子と、2つの端面が前記空洞の壁面と接触するように前記回転子に支持された状態において、前記回転子と共に回転可能である仕切り部材とを備えたポンプと、
    前記ポンプからインクが供給されるインクジェットヘッドとを備えたインクジェットプリンタの制御方法であって、
    前記空洞内において前記第1貫通孔から前記第2貫通孔に至る第1流路の流路抵抗と、前記空洞内において前記第1貫通孔から前記回転子に対して前記第1流路とは反対側を経由して前記第2貫通孔に至り且つ前記第1流路よりも流路長が長い第2流路の流路抵抗との合計流路抵抗が、前記回転子が停止した状態で前記第1流路をインクが流れる印字時におけるよりも大きくなる範囲内に、前記仕切り部材を配置するステップと、
    前記ポンプと、前記ポンプにインクを供給するためのインク供給部材とを分離するステップとを備えていることを特徴とするインクジェットプリンタの制御方法。
  27. 前記分離するステップが、前記インク供給部材が移動するのを許可するステップを含んでいることを特徴とする請求項24〜26のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタの制御方法。
  28. 内部に空洞を有しており、前記空洞内へと液体を吸入する第1貫通孔と前記空洞内から液体を排出する第2貫通孔とが形成されたハウジングと、前記空洞内において回転可能な回転子と、2つの端面が前記空洞の壁面と接触するように前記回転子に支持された状態において、前記回転子と共に回転可能である仕切り部材とを備えたポンプの制御方法であって、
    前記空洞内において前記第1貫通孔から前記第2貫通孔に至る第1流路の流路抵抗が、前記空洞内において前記第1貫通孔から前記回転子に対して前記第1流路とは反対側を経由して前記第2貫通孔に至り且つ前記第1流路よりも流路長が長い第2流路の流路抵抗よりも大きくなる範囲内に、前記仕切り部材を配置するステップと、
    前記第1貫通孔から前記空洞内への液体の初期導入を開始するステップとを備えていることを特徴とするポンプの制御方法。
  29. 内部に空洞を有しており、前記空洞内へと液体を吸入する第1貫通孔と前記空洞内から液体を排出する第2貫通孔とが形成されたハウジングと、前記空洞内において回転可能な回転子と、2つの端面が前記空洞の壁面と接触するように前記回転子に支持された状態において、前記回転子と共に回転可能である仕切り部材とを備えたポンプの制御方法であって、
    前記空洞内において前記第1貫通孔から前記第2貫通孔に至る第1流路の流路抵抗が、前記空洞内において前記第1貫通孔から前記回転子に対して前記第1流路とは反対側を経由して前記第2貫通孔に至り且つ前記第1流路よりも流路長が長い第2流路の流路抵抗よりも大きくなる範囲内に、前記仕切り部材を配置するステップと、
    前記ポンプと、前記ポンプに液体を供給するための液体供給部材とを分離するステップとを備えていることを特徴とするポンプの制御方法。
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