JP3925168B2 - レーザによる溝加工方法及びハニカム構造体成形用金型の製造方法 - Google Patents
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【技術分野】
本発明は,金属などの表面に細い幅の底を有する溝をレーザを使って形成する溝加工方法,およびこの方法を利用したハニカム構造体成形用金型の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
従来,レーザを使った加工は,被加工物の溶接や切断に利用されているが,底部のある,すなわち有底の溝を加工することに利用された例はない。レーザを用いた切断方法では,被加工物にレーザ光を照射して溶融させ,この溶融部をアシストガスまたは高圧水により除去するものである。具体的には,まずレーザ光を一ヶ所に集中して照射して貫通穴をあけ,次いでレーザ光の照射位置を移動して再び貫通穴を形成する。この貫通穴が連続的に形成されることによって被加工物が切断される。
【0003】
この方法を溝形成に利用した場合,底をもたない貫通した溝を設けることは可能であるが,有底の溝を形成することはできなかった。また,高圧水を噴射して溶融部を除去する方法では,被加工物の表面に水が溜まり,レーザ光の進行経路が水によって変えられて精度よく所望の位置に照射できないという問題もある。
【0004】
一方,セラミック製のハニカム成形体を押出成形するためのハニカム構造体成形用金型には,格子状のスリット溝が設けられる。このスリット溝はその大部分が有底の深底狭幅のものである。このスリット溝の形成方法としては,研削加工や放電加工が利用されていたが,スリット溝幅の100μm以下という狭幅化が進むにつれ,物理的な砥石や電極を用いる上記研削加工や放電加工の利用が難しくなってきた。
【0005】
【解決しようとする課題】
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,幅狭で溝深さが深く,有底の溝をレーザを用いて形成する方法,およびこれを利用してハニカム構造体成形用金型を製造する方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題の解決手段】
請求項1は、レーザを用いて金属材料よりなる被加工物の表面に有底の溝を形成する方法であって、
上記被加工物に対して水を噴射して水柱を形成すると共に、該水柱の中を通してレーザ光を上記被加工物に照射し、
上記被加工物に照射する上記レーザ光の照射位置を、溝形成位置に沿って相対的に150mm/分以上の高速で複数回通過するように、上記被加工物を繰り返し移動させると共に、上記被加工物を移動させると共に、上記レーザ光を照射させて溶融した溶融部を水により分離、冷却、除去することによって、上記有底の溝を、該有底の溝幅の10倍以上の深さに形成することを特徴とするレーザによる溝加工方法にある。
【0007】
次に,本発明の作用効果につき説明する。
本発明の溝加工方法では,上記のごとくレーザ光の照射位置の相対的移動速度を150mm/分以上という高速にする。これにより,レーザ光を照射させて溶融した溶融部を,例えば,溝に沿ってアシストガスで吹き飛ばすことにより,容易に分離,冷却,除去することができる。すなわち,貫通穴をあけることなく容易に溶融部を分離,冷却,除去することができる。そのため,従来,切断や溶接にしか利用されていなかったレーザ加工を有底の溝加工に適用することができる。
【0008】
上記レーザによる溝加工方法においては,上記のごとく,上記被加工物に対して水を噴射して水柱を形成すると共に,該水柱の中を通して上記レーザ光を上記被加工物に照射する。これにより,レーザ光が上記水柱中に閉じこめられた状態で被加工物に照射され,レーザ光により溶融された溶融部がその周囲の水によって効率よく分離し,冷却除去される。それ故,より一層精度よく有底の溝加工を行うことができる。
【0009】
また,請求項2の発明のように,上記レーザ光の照射位置の移動は上記溝形成位置上を複数回通過するように繰り返して行うことが好ましい。この場合には,1回のレーザ照射による加工量を少なく設定できる。そのため,レーザ照射によって溶融する溶融部が少量である。それ故,その溶融部を,例えば,溝に沿ってアシストガスで吹き飛ばすことにより,上記溶融部を容易に分離,冷却,除去することができる。したがって,より一層精度よく有底の溝加工を行うことができる。
【0010】
また,請求項3の発明のように,上記被加工物は金属材料であってもよい。上記レーザによる溝加工方法は,被加工物がセラミックス,その他の材料の場合にも適用できるが,特に金属材料の場合に有効である。すなわち,被加工物が金属材料の場合には,レーザ光照射により部分が溶融した溶融部がそのままもとの位置で固まって溝加工が難しくなり易い。しかし,上記のごとくレーザ照射位置の150mm/分以上の相対的な高速移動を実施することによって,上述した優れた作用効果が得られ,金属材料上での溝加工を可能とすることができる。
【0011】
また,上記レーザによる溝加工方法においては,上記のごとく,上記有底の溝がその溝幅の10倍以上の溝深さを有する。これにより,上記の優れた作用を特に有効に利用することができる。すなわち,本発明によれば,上記被加工物に照射するレーザ光の照射位置を,溝形成位置に沿って相対的に150mm/分以上の高速で移動させている。そのため,レーザ光を照射させて溶融した溶融部を,例えば,溝に沿ってアシストガスで吹き飛ばすことにより,容易に分離,冷却,除去することができる。それ故,溝幅に対して深い上記有底の溝の加工をより一層精度よく行うことができる。したがって,本発明によれば,溝幅の10倍以上の溝深を有する有底の溝を形成することができる。
なお,本発明によれば,溝幅の20倍以上の溝深さを有する有底の溝であっても形成できる。
【0012】
また,請求項4の発明のように,上記有底の溝がU溝であっても良い。ここで,U溝とは,溝の断面曲線の両方の溝側壁と溝底とにそれぞれ接する円Rを想定した場合,上記溝側壁と溝底とを結ぶ断面曲線が上記円Rの必ず外側を通るものと定義することができる。
この場合にも,上記の優れた作用を特に有効に利用することができる。
【0013】
次に、請求項4の発明は、材料供給用の供給穴と,該供給穴に連通して格子状に設けられ材料をハニカム形状に成形するためのスリット溝とを有し、かつ各スリット溝がその溝幅の10倍以上の溝深さを有するハニカム構造体成形用金型を製造する方法において、
金型素材に対して上記スリット溝をレーザを用いて加工するに当たり、上記金型素材に対して水を噴射して水柱を形成すると共に、該水柱の中を通して上記レーザ光を上記金型素材に照射し、
かつ上記供給穴を設けた面と反対側の面に照射するレーザ光の照射位置を、溝形成位置に沿って移動させるにあたっては、当該レーザ光の照射位置を、上記溝形成位置に沿って相対的に150mm/分以上の高速で複数回通過するように、上記被加工物を繰り返し移動させると共に、上記被加工物を移動させると共に、上記レーザ光を照射させて溶融した溶融部を水により分離、冷却、除去することを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法にある。
【0014】
本発明の製造方法では,上記スリット溝を加工する際に,上記レーザ光を相対的に移動させる方法をとる。これにより,上記のごとくその溝幅に対して深いスリット溝を容易に製造することができる。
【0015】
すなわち,金型用素材にスリット溝を設ける場合には,単にレーザ光を照射するだけでは,レーザ光を受けて形成された溶融部がそのまま固まって溝の形成が困難である。ここで,本発明の方法では,上記のごとく,上記レーザ光を相対的に移動させる。これにより,例えば,溶融部を溝に沿ってアシストガスで分離し冷却固化して除去することにより,溶融部を容易に分離,冷却,除去することができる。したがって,溝幅が狭く,深いスリット溝を,レーザを用いて容易に精度よく形成することができる。
【0016】
上記ハニカム構造体成形用金型の製造方法においては,上記のごとく,レーザ光の照射位置を相対的に150mm/分以上の高速で移動させる。そのため,レーザ光を受けて形成された溶融部を溝に沿って,例えば,アシストガスで分離し冷却固化して除去することにより,溶融部を容易に分離,冷却,除去することができる。したがって,上記のごとくその溝幅に対して深いスリット溝を,より一層精度よく形成することができる。
【0017】
また,上記ハニカム構造体成形用金型の製造方法においては,上記のごとく,上記金型素材に対して水を噴射して水柱を形成すると共に,該水柱の中を通して上記レーザ光を上記金型素材に照射する。これにより,レーザ光が上記水柱中に閉じこめられた状態で金型素材に照射され,レーザ光により溶融された溶融部がその周囲の水によって効率よく分離し,冷却除去される。それ故,より一層精度よくスリット溝の加工を行うことができる。
【0018】
また,請求項6の発明のように,上記レーザ光の照射位置の移動は上記溝形成位置上を複数回通過するように繰り返して行うことが好ましい。この場合には,1回のレーザ照射による加工量を少なく設定できる。そのため,レーザ照射によって溶融する溶融部が少量である。それ故,その溶融部を,例えば,溝に沿ってアシストガスで吹き飛ばすことにより,上記溶融部を容易に分離,冷却,除去することができる。したがって,上記のごとくその溝幅に対して深いスリット溝を,より一層精度よく形成することができる。
【0019】
また,請求項7の発明のように,上記スリット溝は丸形状,三角形状,四角形状または六角形状を連ねた格子形状とすることができる。いずれの形状の場合でも,上記の優れた作用を特に有効に利用することができる。そして,コストの高い放電加工を避けて,このレーザを用いたスリット溝の加工を実用化することによって,スリット溝加工工程を大幅に合理化することができる。
【0020】
また,請求項8の発明のように,上記ハニカム構造体成形用金型の材料が超硬又は合金工具鋼であることが好ましい。上記レーザによる溝加工方法は,被加工物がセラミックス,その他の材料の場合にも適用できるが,特に,上記超硬,又は合金工具鋼(例えばSKD61など),あるいはその他の鉄鋼材料の場合に有効である。すなわち,被加工物が上記材料の場合には,レーザ光照射により部分が溶融した溶融部がそのままもとの位置で固まって溝加工が難しくなり易い。しかし,上記のごとくレーザ照射位置が相対的に移動することによって,上述した優れた作用効果が得られ,金属材料上での溝加工を可能とすることができる。
なお,上記超硬とは,バインダーとしてコバルト粉を含有するタングステンカーバイト粉をプレスなどで固めた後,焼結した粉末冶金合金をいう。
【0021】
また,請求項9の発明のように,上記スリット溝の幅が40〜150μmであって,深さが2.0〜3.5mmであることが好ましい。このような幅狭深溝の場合には,上記の優れた作用を特に有効に利用することができる。
【0022】
また,請求項10の発明のように,上記スリット溝の深さの誤差を0.3mm以下とすることもできる。この場合には,上記の優れた作用を特に有効に利用することができる。すなわち,本発明による方法では,上記スリット溝を加工する際に,上記レーザ光を相対的に移動させる方法をとる。これにより,溶融部を溝に沿ってアシストガスで分離し冷却固化して除去することにより,溶融部を容易に分離,冷却,除去することができる。したがって,上記移動速度の最適化を図ることによって,深さ誤差が0.3mm以下の上記有底の溝を形成することもできる。
【0023】
【発明の実施の形態】
実施形態例1
本発明の実施形態例にかかるレーザによる溝加工方法につき,図1を用いて説明する。
本例では,レーザを用いて被加工物7の表面に有底の溝70を形成する。その際,被加工物7に照射するレーザ光1の照射位置を,溝形成位置に沿って相対的に150mm/分以上の高速で移動させる。
【0024】
以下,これを詳説する。
本例では,図1に示すレーザ加工装置2を用いる。このレーザ加工装置2は,レーザ光を発生させるレーザ発生部21と発生したレーザ光を所望の径に絞るレーザヘッド22と,これらの間を結びレーザ光を導く光ファイバー部23と,レーザ光1の周囲に噴射するアシストガスをレーザヘッド22に供給するアシストガス供給部25を有する。また,被加工物7を保持すると共に平面上で移動可能なベッド26を有する。このベッドにはベッド駆動部が内蔵されており,このベッド駆動部,アシストガス供給部25,およびレーザ発生部21はこれらを操作するための操作盤29に接続されている。
【0025】
被加工物7は,同図に示すごとく,厚さ15mm,幅×長さが200×200mmの四角形の金属板であり,材質はSKD61よりなる。もちろん,これと異なるサイズ,材質の被加工物を用いることも可能である。
この被加工物7に対して,本例では,幅0.1mm,深さ2.0mmの有底溝を形成する。
【0026】
具体的には,図示しない支持装置に上記被加工物7を平面方向に移動可能に保持する。そして,図1の矢印Aの方向に被加工物7を移動させながら,レーザ加工装置2からレーザ光1およびアシストガス15を発射する。このとき,被加工物7の移動速度は,150mm/分以上の240mm/分とした。なお,上記レーザ加工装置2は従来の切断加工に用いることもできるが,その場合には100mm/分の移動速度が最高である。本例ではこの速度を大きく上回る高速でレーザ光1の照射位置を相対的に移動させた。
【0027】
これにより,上記レーザ光1を照射した部分が順次溶融された後,この溶融部が分離,冷却,除去される。そして,この結果,1回のレーザ光1の照射によって,深さが非常に浅い有底溝70が形成される。そして,本例では,レーザ光1の照射位置の移動は,溝形成位置上を150回通過するように繰り返して行った。これにより,上記のごとく幅0.1mm,深さ2.0mmのサイズを有する幅狭深底の有底溝70が精度よく得られた。
【0028】
実施形態例2
本例は,実施形態例1のレーザ加工装置2に代えて,図2に示すごとく,水柱35を噴射できるレーザ加工装置3を用いた。このレーザ加工装置3は,同図に示すごとく,レーザ光を発生させるレーザ発生部31と発生したレーザ光を所望の径に絞るレーザヘッド32と,これらの間を結びレーザ光を導く光ファイバー部33と,レーザ光1の周囲において噴射する水柱18用の高圧水をレーザヘッド32部分に供給する高圧水供給部35と,高圧水を水柱18として噴射するノズル36とを有する。また,実施形態例1の場合と同様に,被加工物7を保持すると共に平面上で移動可能なベッド26を有する。このベッドに内蔵されたベッド駆動部,高圧水供給部35,およびレーザ発生部31はこれらを操作するための操作盤39に接続されている。
【0029】
そして,このレーザ加工装置3を用い,被加工物7に対して水を噴射して水柱18を形成すると共に,水柱18の中を通して上記レーザ光1を被加工物7に照射した。そしてまた,レーザ光1の照射位置は,実施形態例1と同様に240mm/分の高速で相対移動させた。また,レーザ光1の照射回数も実施形態例1と同様に150回とした。
【0030】
この場合には,レーザ光1が上記水柱18中に閉じこめられた状態で被加工物7に照射され,レーザ光1により溶融された溶融部がその周囲の水によって効率よく分離し,冷却除去される。それ故,より一層精度よく有底の溝加工を行うことができる。この結果,本例でも,幅0.1mm,深さ2.0mmのサイズを有する幅狭深底の有底溝70が精度よく得られた。
【0031】
実施形態例3
本例は,実施形態例2のレーザによる溝加工方法を利用して,ハニカム構造体成形用金型を製造した。
本例で製造するハニカム構造体成形用金型8は,図3,図4に示すごとく,材料供給用の供給穴81と,該供給穴81に連通して格子状に設けられ材料をハニカム形状に成形するためのスリット溝82とを有し,かつ各スリット溝82がその溝幅の10倍以上の溝深さを有するものである。
また,本例のスリット溝82は,周囲よりも突出した溝形成部820に対して四角形格子状に設ける。
【0032】
このような形状のハニカム構造体成形用金型8を製造するに当たっては,まず,突出した上記溝形成部820を有する金型素材を準備する。そして,その裏面,すなわち溝形成部820と反対側の面に,ドリルを用いて上記供給穴81(図4)を設ける。次いで,上記溝形成部820に実施形態例2と同様の方法によりスリット溝82を設ける。
【0033】
すなわち,図2のレーザ加工装置3のベッド36に金型素材80をセットし,上記レーザ光1の照射位置の移動を,縦横の格子状に繰り返し行った。このときの照射位置の相対移動速度は240mm/分,繰り返し回数は150とし,実施形態例2と同様とした。
これにより,幅0.1mm,深さ2.0mmのサイズのスリット溝82を有するハニカム構造体成形用金型8が精度よく得られた。
【0034】
実施形態例4
本例は,図5に示すごとく,実施形態例3におけるハニカム構造体成形用金型8のスリット溝82の格子形状を六角形に変更した例である。
本例では,実施形態例3とレーザ光1の照射位置の移動経路を変更した以外は同様の条件でハニカム構造体成形用金型8を製造した。この場合には,特に,従来放電加工でしか成形できなかった六角格子状のスリット溝82を,上記レーザによる溝加工方法によって効率よく,かつ精度よく行うことができ,スリット溝形成工程を大幅に合理化することができる。それ故,ハニカム構造体成形用金型の製造コストの低減及び製造期間の短縮を図ることができる。
【0035】
実施形態例5
本例は,以下のレーザ加工条件によって,実施形態例3における上記ハニカム構造体成形用金型8のスリット溝82を形成した例である。本例では,実施形態例3におけるレーザ加工装置3において,周波数400Hz,パルス120μmsec,電圧700V,水圧100bar,STEP10μm,移動速度240mm/min,スキャン回数80〜130回の加工条件で,上記スリット溝82を形成した。
その結果,上記ハニカム構造体成形用金型8において,幅が40〜150μmであって,深さが2.0〜3.5mmである上記スリット溝82を形成することができた。
【0036】
実施形態例6
本例では,実施形態例2におけるレーザ加工装置3を用いて,上記レーザ光1の照射位置の移動速度と,上記有底の溝70の溝深さ及び溝幅との関係を求める実験を行った。なお,レーザ加工条件は,上記レーザ光1の照射位置の移動速度を除いて,実施形態例5と同様である。
その結果を図6に示す。同図において,横軸は,上記レーザ光1の照射位置の移動速度を示し,縦軸は,上記有底の溝70の溝深さ及び溝幅を示す。
【0037】
なお,同図より知られるごとく,上記レーザ光1の照射位置の移動速度を150mm/min以上とすることにより,1スキャンあたりの加工時間の短縮効果が得られるのに加えて,同じスキャン回数であっても上記有底の溝70をより深く形成できるという効果が得られる。
その結果,上記レーザ光1を照射して上記有底の溝70を形成するに当たっては,上記レーザ光1の照射位置の移動速度を150mm/min以上とすることにより,大幅な能率向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1におけるレーザ加工装置の構成を示す説明図。
【図2】実施形態例2におけるレーザ加工装置の構成を示す説明図。
【図3】実施形態例3におけるハニカム構造体成形用金型の,(a)平面図,(b)その要部拡大図。
【図4】実施形態例3におけるハニカム構造体成形用金型の断面を,図3のA−A線矢視から見た説明図。
【図5】実施形態例3におけるハニカム構造体成形用金型の,(a)平面図,(b)その要部拡大図。
【図6】実施形態例6におけるレーザ光の照射位置の移動速度と,形成される有底の溝の溝深さ及び溝幅との関係。
【符号の説明】
1...レーザ光,
2,3...レーザ加工装置,
7...被加工物,
70...溝,
8...ハニカム構造体成形用金型,
81...供給穴,
82...スリット溝,
820...溝形成部,
Claims (8)
- レーザを用いて金属材料よるなる被加工物の表面に有底の溝を形成する方法であって、
上記被加工物に対して水を噴射して水柱を形成すると共に、該水柱の中を通してレーザ光を上記被加工物に照射し、
上記被加工物に照射する上記レーザ光の照射位置を、溝形成位置に沿って相対的に150mm/分以上の高速で複数回通過するように、上記被加工物を繰り返し移動させると共に、上記レーザ光を照射させて溶融した溶融部を水により分離、冷却、除去することによって、上記有底の溝を、該有底の溝幅の10倍以上の深さに形成することを特徴とするレーザによる溝加工方法。 - 請求項1において、上記被加工物は金属材料よりなることを特徴とするレーザによる溝加工方法。
- 請求項1〜2のいずれか1項において,上記有底の溝がU溝であることを特徴とするレーザによる溝加工方法。
- 材料供給用の供給穴と,該供給穴に連通して格子状に設けられ材料をハニカム形状に成形するためのスリット溝とを有し、かつ各スリット溝がその溝幅の10倍以上の溝深さを有するハニカム構造体成形用金型を製造する方法において、
金型素材に対して上記スリット溝をレーザを用いて加工するに当たり、上記金型素材に対して水を噴射して水柱を形成すると共に、該水柱の中を通して上記レーザ光を上記金型素材に照射し,
かつ上記供給穴を設けた面と反対側の面に照射するレーザ光の照射位置を、溝形成位置に沿って移動させるにあたっては、当該レーザ光の照射位置を、上記溝形成位置に沿って相対的に150mm/分以上の高速で複数回通過するように、上記被加工物を繰り返し移動させると共に、上記レーザ光を照射させて溶融した溶融部を水により分離、冷却、除去することを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法。 - 請求項4において、上記スリット溝は丸形状、三角形状、四角形状または六角形状を連ねた格子形状であることを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法。
- 請求項4〜5のいずれか1項において、上記ハニカム構造体成形用金型の材料は、超硬又は合金工具鋼であることを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法。
- 請求項4〜6のいずれか1項において、上記スリット溝の幅が40〜150μmであって、深さが2.0〜3.5mmであることを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法。
- 請求項4〜7のいずれか1項において、上記スリット溝の深さの誤差が0.3mm以下であることを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法。
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