JP2008110535A - ハニカム構造体成形用金型及びその製造方法、並びにハニカム構造体の製造方法 - Google Patents

ハニカム構造体成形用金型及びその製造方法、並びにハニカム構造体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】押出成形時のハニカム構造体の外周壁の倒れを防止することができるハニカム構造体成形用金型及びその製造方法、並びにハニカム構造体の製造方法を提供すること。
【解決手段】ハニカム構造体成形用金型1は、供給穴を設けた供給穴部21とスリット溝3を設けたスリット溝部22とを有する金型本体2と、スリット溝部22の外周端から材料の押出方向に伸びた外周立設部と、外周立設部から内方に向かって突出していると共にスリット溝部22との間に間隙を設けた外周突出部42とを有する外周ガイドリング4とを備えている。外周突出部42の先端420から約2セル分内方までの拡大領域300に位置するスリット溝3である拡大スリット溝32の溝幅は、拡大スリット溝32よりも内方の通常スリット溝31及び外周ガイドリング4に対面すると共に拡大スリット溝32よりも外方の外方スリット溝の溝幅よりも大きい。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハニカム構造体を押出成形するためのハニカム構造体成形用金型及びその製造方法、並びに上記ハニカム構造体成形用金型を用いたハニカム構造体の製造方法に関する。
ハニカム状のセル壁に囲まれた多数のセルと外周側面を覆う筒状の外周壁とを有するハニカム構造体を押出成形するハニカム構造体成形用金型としては、材料を供給するための供給穴と材料をハニカム状に成形するためのスリット溝を設けた金型本体に、スリット溝から押し出された材料を誘導して所望の外形を得るための外周ガイドリングを組み付け、金型本体の押出方向端面が、外周ガイドリングに対面する部分と対面しない部分とを面一とした平面状であるものが知られている。
このようなハニカム構造体成形用金型を用いてハニカム構造体を押出成形する際、次のような問題が生じる。すなわち、ハニカム構造体の外周壁は、外周ガイドリングに対面するスリット溝から押出方向(以下、適宜、第1方向という)に押し出された材料が金型本体と外周ガイドリングとの間に設けられた間隙を金型本体表面と平行方向(以下、適宜、第2方向という)に通過し、その間隙から第2方向に押し出され、その後外周ガイドリングに導かれて再び第1方向に進行方向を変えて形作られる。このとき、第1方向に形成される外周壁に対して、金型本体と外周ガイドリングとの間の間隙から第2方向に押し出される材料の押出し力が加わり、外周壁付近のセル壁が変形する等して、外周壁の倒れが生じる。
なお、これは、上記のごとく、金型本体の押出方向端面が、外周ガイドリングに対面する部分と対面しない部分とを面一とした平面状であるということにも起因していると考えられるが、その平面状の構成自体は種々の理由から維持する必要がある。
この問題を解決するため、特許文献1では、外周壁付近のセル壁を形成するスリット溝に研磨用粘土を通し、そのスリット溝の溝幅を拡大した金型が示されている。これによって、外周壁付近に厚みの大きなセル壁を形成し、強度を向上させるというものである。しかしながら、この金型では、スリット溝の加工精度が低く、押出成形時の外周壁の倒れを防止するだけの強度を充分に確保することができない。
このようなことから、押出成形時におけるハニカム構造体の外周壁の倒れを防止することができるハニカム構造体成形用金型が望まれている。
国際公開第98/05602号パンフレット
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、押出成形時におけるハニカム構造体の外周壁の倒れを防止することができるハニカム構造体成形用金型及びその製造方法、並びにハニカム構造体の製造方法を提供しようとするものである。
第1の発明は、材料を供給するための供給穴を設けた供給穴部と、上記供給穴に連通して格子状を呈し、材料をハニカム状に成形するためのスリット溝を設けたスリット溝部とを有する金型本体と、上記スリット溝部の外周端から材料の押出方向に伸びた外周立設部と、該外周立設部から内方に向かって突出していると共に上記スリット溝部との間に間隙を設けた外周突出部とを有する外周ガイドリングとを備えたハニカム構造体成形用金型において、
上記外周突出部の先端から1〜3セル分内方までの領域に位置する上記スリット溝である拡大スリット溝の溝幅は、該拡大スリット溝よりも内方の上記スリット溝である通常スリット溝及び上記外周ガイドリングに対面すると共に上記拡大スリット溝よりも外方の上記スリット溝である外方スリット溝の溝幅よりも大きいことを特徴とするハニカム構造体成形用金型にある(請求項1)。
本発明のハニカム構造体成形用金型は、ハニカム状のセル壁に囲まれた多数のセルと外周側面を覆う筒状の外周壁とを有するハニカム構造体を成形するためのものであり、上記金型本体と上記外周ガイドリングとを備えている。上記外周ガイドリングの上記外周突出部の先端から1〜3セル分内方までの領域には、上記拡大スリット溝が設けられている。また、該拡大スリット溝よりも内方には、上記通常スリット溝が設けられており、上記拡大スリット溝よりも外方には、上記外周ガイドリングに対面する上記外方スリット溝が設けられている。そして、上記拡大スリット溝の溝幅は、上記通常スリット溝及び外方スリット溝の溝幅よりも大きい。
このようなハニカム構造体成形用金型を用いて材料を押出成形した場合、上記外周ガイドリングに対面する上記外方スリット溝から押出方向(第1方向)に押し出された材料は、上記外周突出部と上記スリット溝部との間の間隙を上記スリット溝部表面と平行方向(第2方向)に通過する。その後、上記外周突出部の先端から第2方向に押し出され、上記外周突出部に導かれて再び第1方向に進行方向を変え、ハニカム構造体の外周壁を形成する。そして、上記外周ガイドリングの上記外周突出部の先端に近い位置に設けられた上記拡大スリット溝から押し出された材料によって、上記通常スリット溝から押し出された材料によって形成されたセル壁よりも厚みの大きな強度の高いセル壁が、外周壁のすぐ内方に形成される。
これにより、押出成形時において、上記第1方向に形成される外周壁に対して、上記外周突出部の先端から上記第2方向に押し出される材料の押出し力が加わったとしても、外周壁のすぐ内方に形成される厚みの大きな強度の高い上記のセル壁によって、上記押出し力に耐え得るだけの強度を充分に確保することができる。
また、上記外周ガイドリングに対面して設けられた上記外方スリット溝の溝幅は、上記拡大スリット溝の溝幅よりも小さい。そのため、上記外方スリット溝までも上記拡大スリット溝と同様に溝幅を大きくする場合と比べると、上記外周突出部の先端から上記第2方向に押し出される材料の量やその押出し力を抑制することができる。これにより、上記拡大スリット溝を設けたことによる効果をさらに有効に発揮することができる。すなわち、本発明では、上記拡大スリット溝よりも外周側全体を広幅化するのではなく、最外周部分は狭幅化を維持し、径方向において途中の部分である上記拡大スリット溝部分のみを選択的に広幅化したことに最大の特徴がある。
それ故に、押出成形時における外周壁付近のセル壁の変形や、それに伴う外周壁の倒れを防止することができ、ハニカム構造体を精度良く、確実に成形することができる。
このように、本発明によれば、押出成形時におけるハニカム構造体の外周壁の倒れを防止することができるハニカム構造体成形用金型を提供することができる。
第2の発明は、材料を供給するための供給穴を設けた供給穴部と、上記供給穴に連通して格子状を呈し、材料をハニカム状に成形するためのスリット溝を設けたスリット溝部とを有する金型本体と、上記スリット溝部の外周端から材料の押出方向に伸びた外周立設部と、該外周立設部から内方に向かって突出していると共に上記スリット溝部との間に間隙を設けた外周突出部とを有する外周ガイドリングとを備え、上記外周突出部の先端から1〜3セル分内方までの領域に位置する上記スリット溝である拡大スリット溝の溝幅が、該拡大スリット溝よりも内方の上記スリット溝である通常スリット溝及び上記外周ガイドリングに対面すると共に上記拡大スリット溝よりも外方の上記スリット溝である外方スリット溝の溝幅よりも大きいハニカム構造体成形用金型を製造する方法において、
上記金型本体を形成するに当たっては、金型素材の穴形成面に上記供給穴を形成する供給穴形成工程と、
上記金型素材の上記穴形成面と反対側の溝形成面に上記スリット溝を形成するスリット溝形成工程と、
上記拡大スリット溝を形成する領域に位置する上記スリット溝の溝幅をレーザー加工又は放電加工により拡大して上記拡大スリット溝を形成する溝拡大工程とを有することを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法にある(請求項7)。
本発明の製造方法は、上記金型本体と上記外周ハウジングとを備えたハニカム成形用金型を製造する方法である。上記金型本体を形成するに当たっては、上記のごとく、供給穴形成工程とスリット溝形成工程と溝拡大工程とを行う。そして、該溝拡大工程においては、上記拡大スリット溝を形成する領域に位置する上記スリット溝の溝幅をレーザー加工又は放電加工により拡大して上記拡大スリット溝を形成する。これにより、所定の領域に上記拡大スリット溝を有する上記第1の発明のハニカム構造体成形用金型を得ることができる。そして、このハニカム構造体成形用金型は、上述したとおり、押出成形時におけるハニカム構造体の外周壁の倒れを防止することができ、ハニカム構造体を精度良く、確実に成形することができる。
また、上記溝拡大工程において、レーザー加工又は放電加工を用いて上記スリット溝の溝幅を拡大する。そのため、上記スリット溝の溝幅を精度良く拡大することができる。また、上記拡大スリット溝を所望の領域に容易に形成することができる。
このように、本発明の製造方法によれば、押出成形時におけるハニカム構造体の外周壁の倒れを防止することができるハニカム構造体成形用金型を得ることができる。
第3の発明は、ハニカム状のセル壁に囲まれた多数のセルと外周側面を覆う筒状の外周壁とを有するハニカム構造体を製造する方法において、
上記第1の発明のハニカム構造体成形用金型を用いてセラミック原料を含む材料を押出成形し、上記ハニカム構造体を成形する成形工程と、
上記ハニカム構造体を所定長さに切断する切断工程と、
上記ハニカム構造体を乾燥する乾燥工程と、
上記ハニカム構造体を焼成する焼成工程とを有することを特徴とするハニカム構造体の製造方法にある(請求項12)。
本発明のハニカム構造体の製造方法は、上記のごとく、成形工程と切断工程と乾燥工程と焼成工程とを行う。そして、上記成形工程では、上記第1の発明のハニカム構造体成形用金型を用いてセラミック原料を含む材料を押出成形し、上記ハニカム構造体を成形する。そのため、上記外周壁のすぐ内方に、他よりも厚みの大きな強度の高いセル壁が形成される。これにより、押出成形時における上記外周壁付近の上記セル壁の変形や、それに伴う上記外周壁の倒れを防止することができ、上記ハニカム構造体を精度良く、確実に成形することができる。
このように、本発明の製造方法によれば、押出成形時におけるハニカム構造体の外周壁の倒れを防止することができる。
上記第1の発明においては、上記外周突出部の先端から1〜3セル分内方までの領域とは、上記外周突出部の先端から内方へ1〜3セル分の距離(ピッチ)までの領域のことである。
また、格子状を呈する上記スリット溝において、その単位格子を形成する辺のうちの1つの辺に着目した場合、その辺の一部でも上記領域に入っていれば、その辺全体の溝幅を拡大して上記拡大スリット溝とする。そのため、上記拡大スリット溝が上記領域の内方及び外方に少しはみ出して存在することもある。
また、上記拡大スリット溝を上記外周突出部の先端から1セル分に満たない領域に設けた場合には、外周壁の倒れを防止する効果を充分に得ることができないおそれがある。一方、3セル分を超える領域に設けた場合には、外周壁の倒れを防止する効果が飽和状態となるため、それを超える領域に上記拡大スリット溝を設ける必要性がない。
また、上記拡大スリット溝は、レーザー加工又は放電加工により形成してあることが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記拡大スリット溝を所望の溝幅で所望の領域に精度良く設けることができる。
また、上記拡大スリット溝は、ウォータジェットレーザー加工により形成してあることが好ましい(請求項3)。
この場合には、上記拡大スリット溝を所望の溝幅で所望の領域にさらに精度良く設けることができる。
上記第2の発明においては、上記溝拡大工程では、上記拡大スリット溝を形成する領域に位置する上記スリット溝の溝幅をウォータジェットレーザー加工により拡大して上記拡大スリット溝を形成することが好ましい(請求項8)。
この場合には、上記スリット溝の加工をさらに精度良く行うことができる。そして、上記拡大スリット溝を所望の溝幅で所望の領域にさらに精度良く形成することができる。
上記第1の発明及び第2の発明においては、上記拡大スリット溝の溝幅は、上記通常スリット溝の溝幅の1.2〜1.5倍であることが好ましい(請求項4、9)。
この場合には、押出成形された直後のハニカム構造体の外周壁付近の強度を充分に確保し、外周壁の倒れを防止する効果を向上させることができる。
また、上記通常スリット溝の溝幅は、110μm以下であることが好ましい(請求項5、10)。
上記スリット溝の溝幅が小さくなるほど、押出成形された直後のハニカム構造体の強度は低くなる。そのため、上記通常スリット溝の溝幅が110μm以下の場合には、上記拡大スリット溝を設けるという本発明の構成がより一層必要となり、外周壁の倒れを防止するという効果を有効に発揮することができる。
また、上記スリット溝部は、上記外周突出部に対面する領域の幅が3セル分以上であることが好ましい(請求項6、11)。
上記外周突出部に対面する領域の上記スリット溝が多くなるほど、そのスリット溝から押し出される材料が多くなり、上記外周突出部の先端から上記第2方向に押し出される材料の押出し力も大きくなる。そのため、上記スリット溝部の上記外周突出部に対面する領域の幅が3セル分以上の場合には、上記拡大スリット溝を設けるという本発明の構成がより一層必要となり、外周壁の倒れを防止するという効果を有効に発揮することができる。
実施例にかかる本発明のハニカム構造体成形用金型について、図を用いて説明する。
本例のハニカム構造体成形用金型1は、図1、図2に示すごとく、セラミック原料を含む材料を押出成形して、ハニカム構造体を成形するためのものであり、金型本体2と外周ガイドリング4とにより構成されている。
金型本体2は、図3(a)、(b)に示すごとく、材料を供給するための供給穴211を穴形成面201に多数設けた供給穴部21と、供給穴211に連通して格子状を呈し、材料をハニカム状に成形するためのスリット溝3を溝形成面202に設けたスリット溝部22とを有する。
スリット溝部22は、周囲よりも突出した直径125mmの円形状を呈している。また、突出していない下段面203には、後述する外周ガイドリング4を固定するためのピン穴29が設けられている。
外周ガイドリング4は、図2、図4(a)、(b)に示すごとく、スリット溝部22の外周端から材料の押出方向に伸びた外周立設部41と、外周立設部41から内方に向かって突出していると共にスリット溝部22との間に間隙5を設けた外周突出部42とを有する。
外周立設部41は、リング状を呈しており、その内周面411が金型本体2のスリット溝部22の外周面221に当接するよう構成されている。そして、この外周立設部41の高さをスリット部溝22の高さより大きくすることによって、間隙5を確保している。
外周突出部42は、外周立設部41と同様にリング状を呈しており、スリット溝部22と対面する外周対向面421がスリット溝部22との間の間隙5を維持するように内方に突出するよう形成されている。また、外周突出部42の先端側には、材料の押出方向に沿って徐々に拡開するように傾斜したテーパ面422が設けられている。
また、外周ガイドリング4には、これを金型本体2に固定するためのピン穴49が設けられている。
そして、図1、図2に示すごとく、金型本体2と外周ガイドリング4とは、金型本体2のスリット溝部22の外周面221に外周ガイドリング4の外周立設部41の内周面411が当接した状態で、ピン19をそれぞれのピン穴29、49に挿設することによって固定されている。
また、本例のハニカム構造体成形用金型1において、スリット溝部22に形成されたスリット溝3は、図5に示すごとく、拡大領域300に存在する拡大スリット溝32と、拡大領域300よりも内方にある通常スリット溝31と、拡大領域300よりも外方にある外方スリット溝33とを有している。拡大スリット溝32の溝幅は、通常スリット溝31の溝幅よりも大きい。本例の拡大スリット溝32の溝幅は140μm、通常スリット溝31の溝幅は110μmである。また、外方スリット溝33は、通常スリット溝31と同様の溝幅である。
なお、拡大領域300とは、同図に示すごとく、組み付けた外周ガイドリング4の外周突出部42の先端420が位置する仮想線Cとその仮想線Cから約2セル分の距離aだけ内方にある仮想線Dとに間の領域のことである。ここでの仮想線C、Dは、円形状の溝形成面202の中心からそれぞれ半径57mm、55mmの円である。したがって、距離aは2mmである。また、スリット溝3のセルピッチbは、1.11mmである。
また、格子状を呈するスリット溝3において、その単位格子を形成する4辺のうちの1つの辺に着目した場合、その辺の一部でも拡大領域300に入っていれば、その辺全体の溝幅を拡大して拡大スリット溝32としている。
次に、上記のハニカム構造体成形用金型1の製造方法について説明する。
まず、金型本体2の材料となる金型素材20(図6参照)を準備する。金型素材20は、周囲よりも突出した四角形状の突出部200を有している。なお、本例の金型素材20としては、SKD(合金工具鋼)材よりなる金属板を加工したものを用いた。
次いで、金型素材20の穴形成面201に、超硬ドリルを用いて所定深さの供給穴21を形成する(供給穴形成工程)。そして、金型素材20に対して焼入れ・焼き戻しを行い、硬化処理を施す。そして、平面研削盤を用いて、金型素材20の表面を研削して仕上げる。
次いで、図6に示すごとく、金型素材20の下段面203に、超硬エンドミルを用いて外周ハウジング4を固定するためのピン穴29を形成する。そして、金型素材20の溝形成面202に、ダイヤモンドを付着させた極薄のカーターを用いてスライシング加工を施し、四角形格子状のスリット溝3を形成する(スリット溝形成工程)。
次いで、図7に示すごとく、金型素材20の溝形成面202に、ウォータジェットレーザー加工を施す。
ウォータジェットレーザー加工を行う加工装置7は、同図に示すごとく、ウォータジェットレーザーを噴射するノズル711を有するノズルヘッド71と、ノズルヘッド71への高圧水を供給する高圧水供給部72と、これらの間を結び高圧水を導く配管73と、レーザーを発生させるレーザー発生部74と、ノズルヘッド71とレーザー発生部74との間を結ぶ配線75を有する。また、被加工物である金型素材を保持すると共に平面上で移動可能なベッド76を有する。ベッド76には、ベッド駆動部が内蔵されている。そして、このベッド駆動部と高圧水供給部72とは、これらを操作するための操作盤77に接続されている。なお、ノズル711のノズル径は、0.05mmである。
具体的には、同図に示すごとく、加工装置のベッド76に被加工物である金型素材20を保持する。そして、ノズル711からウォータジェットレーザー79を噴射する。そして、拡大領域300に位置するスリット溝3にウォータジェットレーザー79を吹き付け、溝幅を拡大し、拡大スリット溝32を形成する(溝拡大工程)。このとき、ウォータジェットレーザー79の水圧を230bar、送り速度を5mm/minとした。
次いで、金型素材20の突出部200に放電加工を施し、円形状に加工する。これにより、図3(a)、(b)の金型本体2を得る。
次いで、金型本体2に予め作製しておいた図4(a)、(b)の外周ガイドリング4を組み付ける。具体的には、金型本体2に外周ガイドリング4を重ね、ピン19をピン穴29、49に挿設することにより固定する。
以上により、図1、図2のハニカム構造体成形用金型1を作製する。
次に、上記のハニカム構造体成形用金型1を用いたハニカム構造体の製造方法について説明する。
まず、ハニカム構造体成形用金型1を図示しないスクリュー式の押出成形装置の先端にセットする。そして、押出成形装置内にセラミック材料を投入し、押出成形を行う。なお、セラミック材料としては、平均粒径が5μmのカオリンと0.5μmのカオリンを44〜50重量%、平均粒径が8μmのタルク35〜41重量%、平均粒径が1.2μmの水酸化アルミニウム13〜19重量%、及び残部アルミナを配合して、最終的にコーディエライトの化学組成となるようにしたセラミック原料に水、バインダー等を加えて混練したものを用いた。
次いで、押出成形装置からハニカム構造体成形用金型1にセラミック材料が供給され、供給穴21、スリット溝3を通過して押し出され、セル壁82に囲まれた多数のセル81と外周側面を覆う筒状の外周壁83とを有するハニカム構造体8(図9参照)が成形される(成形工程)。
さらに具体的に説明すると、図8に示すごとく、外周突出部42に対面する外方スリット溝33から押出方向(第1方向X)に押し出された材料(セラミック材料)80は、外周突出部42とスリット溝部22との間の間隙5を溝形成面202と平行方向(第2方向Y)に通過する。そして、外周突出部42の先端420から第2方向Yに押し出され、その後外周突出部42に導かれて再び第1方向Xに進行方向を変え、外周壁83を形成する。
また、同図に示すごとく、拡大スリット溝32から押し出された材料80は、拡大セル壁822となる。また、通常スリット溝31から押し出された材料80は、通常セル壁821となる。
このようにして、図9に示すごとく、四角形格子状のセル壁82(通常セル壁821及び拡大セル壁822)に囲まれた多数のセル81と外周側面を覆う筒状の外周壁83とを有するハニカム構造体8が成形される。
成形されたハニカム構造体8には、図10に示すごとく、外周壁83付近に拡大セル壁822が形成され、その拡大セル壁822の内側に通常セル壁821が形成されている。なお、押出成形直後における通常セル壁821の厚みは110μm、拡大セル壁822の厚みは140μm、外周壁83の厚みは200μmである。
そしてさらに、押出成形後のハニカム構造体8を所定長さに切断し(切断工程)、乾燥し(乾燥工程)、焼成する(焼成工程)。
これにより、ハニカム構造体8を作製を完了する。
次に、本例のハニカム構造体成形用金型1における作用効果について説明する。
本例のハニカム構造体成形用金型1は、金型本体2と外周ガイドリング4とを備えている。外周ガイドリング4の外周突出部42の先端420から約2セル分内方までの拡大領域300には、拡大スリット溝32が設けられている。また、拡大スリット溝32よりも内方には、通常スリット溝31が設けられており、拡大スリット溝32よりも外方には、外周ガイドリング4に対面する外方スリット溝33が設けられている。そして、拡大スリット溝32の溝幅は、通常スリット溝31及び外方スリット溝33の溝幅よりも大きい。
このようなハニカム構造体成形用金型1を用いて材料80を押出成形した場合、外周ガイドリング4に対面する外方スリット溝33から押し出された材料80によって外周壁83が形成される。そして、拡大スリット溝32から押し出された材料80によって、通常スリット溝31から押し出された材料80によって形成された通常セル壁8よりも厚みの大きな強度の高い拡大セル壁82が、外周壁83のすぐ内方に形成される。
これにより、押出成形時において、第1方向Xに形成される外周壁83に対して、外周突出部42の先端420から第2方向Yに押し出される材料80の押出し力が加わったとしても、外周壁83のすぐ内方に形成される厚みの大きな強度の高い拡大セル壁82によって、上記押出し力に耐え得るだけの強度を充分に確保することができる。
また、外周ガイドリング4に対面して設けられた外方スリット溝33の溝幅は、拡大スリット溝32の溝幅よりも小さい。そのため、外方スリット溝33までも拡大スリット溝32と同様に溝幅を大きくする場合と比べると、外周突出部42の先端420から第2方向Yに押し出される材料80の量やその押出し力を抑制することができる。これにより、拡大スリット溝32を設けたことによる効果をさらに有効に発揮することができる。すなわち、本例では、拡大スリット溝32よりも外周側全体を広幅化するのではなく、最外周部分は狭幅化を維持し、径方向において途中の部分である拡大領域300の拡大スリット溝32のみを選択的に広幅化したことに最大の特徴がある。
それ故に、押出成形時における外周壁83付近のセル壁82の変形や、それに伴う外周壁83の倒れを防止することができ、ハニカム構造体8を精度良く、確実に成形することができる。
また、拡大スリット溝32は、ウォータジェットレーザー加工により形成してある。すなわち、ウォータジェットレーザー加工を用いることにより、スリット溝3の加工を精度良く行うことができる。そして、拡大スリット溝32を所望の溝幅で所望の領域に精度良く形成することができる。
また、拡大スリット溝32の溝幅は、通常スリット溝31の溝幅の約1.3倍である。そのため、押出成形時におけるハニカム構造体8の外周壁83付近の強度を充分に確保し、外周壁83の倒れを防止する効果を向上させることができる。
このように、本例のハニカム構造体成形用金型は、押出成形時におけるハニカム構造体の外周壁の倒れを防止することができる。
実施例における、ハニカム構造体成形用金型を示す平面図。 図1のA−A線矢視断面図。 実施例における、金型本体を示す(a)平面図、(b)側面図。 実施例における、外周ガイドリングを示す(a)平面図、(b)側面図。 図3(a)のB部を拡大した説明図。 実施例における、金型素材を示す説明図。 実施例における、加工装置を示す説明図。 実施例における、ハニカム構造体を成形する工程を示す説明図。 実施例における、ハニカム構造体を示す説明図。 実施例における、ハニカム構造体の外周壁付近を拡大した説明図。
符号の説明
1 ハニカム構造体成形用金型
2 金型本体
21 供給穴部
22 スリット溝部
3 スリット溝
300 拡大領域
31 通常スリット溝
32 拡大スリット溝
4 外周ガイドリング
42 外周突出部
420 先端(外周突出部の先端)
8 ハニカム構造体

Claims (12)

  1. 材料を供給するための供給穴を設けた供給穴部と、上記供給穴に連通して格子状を呈し、材料をハニカム状に成形するためのスリット溝を設けたスリット溝部とを有する金型本体と、上記スリット溝部の外周端から材料の押出方向に伸びた外周立設部と、該外周立設部から内方に向かって突出していると共に上記スリット溝部との間に間隙を設けた外周突出部とを有する外周ガイドリングとを備えたハニカム構造体成形用金型において、
    上記外周突出部の先端から1〜3セル分内方までの領域に位置する上記スリット溝である拡大スリット溝の溝幅は、該拡大スリット溝よりも内方の上記スリット溝である通常スリット溝及び上記外周ガイドリングに対面すると共に上記拡大スリット溝よりも外方の上記スリット溝である外方スリット溝の溝幅よりも大きいことを特徴とするハニカム構造体成形用金型。
  2. 請求項1において、上記拡大スリット溝は、レーザー加工又は放電加工により形成してあることを特徴するハニカム構造体成形用金型。
  3. 請求項2において、上記拡大スリット溝は、ウォータジェットレーザー加工により形成してあることを特徴とするハニカム構造体成形用金型。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、上記拡大スリット溝の溝幅は、上記通常スリット溝の溝幅の1.2〜1.5倍であることを特徴とするハニカム構造体成形用金型。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において、上記通常スリット溝の溝幅は、110μm以下であることを特徴とするハニカム構造体成形用金型。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項において、上記スリット溝部は、上記外周突出部に対面する領域の幅が3セル分以上であることを特徴とするハニカム構造体成形用金型。
  7. 材料を供給するための供給穴を設けた供給穴部と、上記供給穴に連通して格子状を呈し、材料をハニカム状に成形するためのスリット溝を設けたスリット溝部とを有する金型本体と、上記スリット溝部の外周端から材料の押出方向に伸びた外周立設部と、該外周立設部から内方に向かって突出していると共に上記スリット溝部との間に間隙を設けた外周突出部とを有する外周ガイドリングとを備え、上記外周突出部の先端から1〜3セル分内方までの領域に位置する上記スリット溝である拡大スリット溝の溝幅が、該拡大スリット溝よりも内方の上記スリット溝である通常スリット溝及び上記外周ガイドリングに対面すると共に上記拡大スリット溝よりも外方の上記スリット溝である外方スリット溝の溝幅よりも大きいハニカム構造体成形用金型を製造する方法において、
    上記金型本体を形成するに当たっては、金型素材の穴形成面に上記供給穴を形成する供給穴形成工程と、
    上記金型素材の上記穴形成面と反対側の溝形成面に上記スリット溝を形成するスリット溝形成工程と、
    上記拡大スリット溝を形成する領域に位置する上記スリット溝の溝幅をレーザー加工又は放電加工により拡大して上記拡大スリット溝を形成する溝拡大工程とを有することを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法。
  8. 請求項7において、上記溝拡大工程では、上記拡大スリット溝を形成する領域に位置する上記スリット溝の溝幅をウォータジェットレーザー加工により拡大して上記拡大スリット溝を形成することを特徴するハニカム構造体成形用金型の製造方法。
  9. 請求項7又は8において、上記拡大スリット溝の溝幅は、上記通常スリット溝の溝幅の1.2〜1.5倍であることを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法。
  10. 請求項7〜9のいずれか1項において、上記通常スリット溝の溝幅は、110μm以下であることを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法。
  11. 請求項7〜10のいずれか1項において、上記スリット溝部は、上記外周突出部に対面する領域の幅が3セル分以上であることを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法。
  12. ハニカム状のセル壁に囲まれた多数のセルと外周側面を覆う筒状の外周壁とを有するハニカム構造体を製造する方法において、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載のハニカム構造体成形用金型を用いてセラミック原料を含む材料を押出成形し、上記ハニカム構造体を成形する成形工程と、
    上記ハニカム構造体を所定長さに切断する切断工程と、
    上記ハニカム構造体を乾燥する乾燥工程と、
    上記ハニカム構造体を焼成する焼成工程とを有することを特徴とするハニカム構造体の製造方法。
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