JP3925021B2 - 電子写真用材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機,プリンター,ファクシミリ等の電子写真装置のロール,ブレード,ベルト等の各種の部材の材料として用いられる電子写真用材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真装置の殆どの部材について、半導電領域(印加電圧10Vの体積抵抗率が107 〜1012Ω・cm程度)の制御が必要であり、その要求される制御領域は、体積抵抗率で1桁以内と狭い場合が多い。また、環境変化によるばらつきも小さく抑える必要があり、電子導電機構による半導電制御が必要不可欠となっている。
【0003】
そこで、上記部材の材料に含有させる電子導電剤として、カーボンブラックや金属酸化物を用いることが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、カーボンブラックは、安価であるため、製品の低価格化を実現しやすいという利点を有するものの、所望の半導電領域に設定すべくカーボンブラックの配合量を増やしていくと、その粒子自体の導電率がかなり高いために、急激な低電気抵抗化(パーコレーション)が発生するという難点がある。
【0005】
一方、金属酸化物は、カーボンブラックより導電率が低いため、上記難点を生じないものの、上記部材中で金属酸化物が偏在化して、部材内の電気抵抗の均一性が損なわれるという難点がある。これは、金属酸化物粒子の分散性が悪く、材料ロットや分散加工ロットで分散度が変わりやすい不安定なものであり、また粒子比重が大きいために保管時に沈降が生じやすいことに起因する。
【0006】
また、金属酸化物粒子はそれ自体の導電率の低さから、ポリマーへの多量配合を必要とし、導電粒子のストラクチャー(繋がり)を発達させることで、電気抵抗を下げ、所望の電気抵抗を発現している。そのため、このストラクチャー間にかかる電圧はストラクチャーを発達させずに個々の金属酸化物粒子が独立して存在する場合に比べると、印加電圧が分配されにくくなるため、ストラクチャーギャップに電圧が集中しやすくなり、部材への印加電圧を大きくしていくと、急激に電気抵抗が低下するという現象が生じやすくなる。すなわち、印加電圧により電気抵抗が大きく変化する(電圧依存性が大きい)という問題がある。また、導電剤の多量充填は材料表面への導電剤露出を招き、それはトナーの外添剤として使用されているSiO2 、TiO2 等といった無機粒子の付着原因となる。これにより製品寿命が短くなるという難点がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、導電剤の添加量に対する急激な低電気抵抗化を防止できるとともに、部材内の電気抵抗のばらつきや電圧依存性を小さく抑えることができ、少量の配合で所望の半導電領域に設定することができる電子写真用材料の提供をその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の電子写真用材料は、下記の(A)成分および(B)成分を含有するものであって、その(B)成分の外表面に、高分子量分散剤が付着しているという構成をとる。
(A)アクリル系バインダーおよびフッ素系バインダーのうちの少なくとも一方のバインダー。
(B)カーボンブラックがエポキシ樹脂で被覆処理されてなるエポキシ樹脂被覆カーボンブラック。
【0009】
すなわち、本発明者らは、上記難点を生ずることなく、所望の半導電領域に設定することができる電子写真用材料を得るべく鋭意研究を重ねた。その過程で、電子導電剤として、カーボンブラックがエポキシ樹脂で被覆処理されてなるエポキシ樹脂被覆カーボンブラック(B成分)を用いれば、パーコレーションを発生させず、電気抵抗のばらつきや電圧依存性を抑えることができるとの知見を得た。そこで、この知見に基づきさらに研究開発を重ねた結果、エポキシ樹脂被覆カーボンブラック(B成分)のバインダーとして、アクリル系バインダーおよびフッ素系バインダーのうちの少なくとも一方のバインダー(A成分)を用いれば、その他のバインダー(ウレタン系等)に比べ少量の配合で所望の半導電領域に安定して設定することができることを突き止めたさらに、上記B成分のエポキシ樹脂被覆カーボンブラックの外表面に高分子量分散剤の付着処理をすれば、その付着した高分子量分散剤の作用により、エポキシ樹脂被覆カーボンブラックの分散性が高まって、電気抵抗のばらつきや電圧依存性が一層良好になることを見いだし、本発明に到達した。そして、本発明の電子写真用材料は、エポキシ樹脂被覆カーボンブラック(B成分)の配合量を少量にできるため、硬度上昇,可撓性低下,表面平滑性低下を防止できるという利点を有する。
【0010】
なお、本発明において、A成分のうちのアクリル系バインダーには、メタクリル系バインダーも含まれ、かつフッ素を含有する有機基やポリシロキサン基等を含有する変性アクリレートバインダー、変性メタクリルバインダーも含まれる。
【0011】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
本発明の電子写真用材料は、アクリル系バインダーおよびフッ素系バインダーのうちの少なくとも一方のバインダー(A成分)と、エポキシ樹脂被覆カーボンブラック(B成分)とを含有するものであって、その(B)成分の外表面に、高分子量分散剤が付着している。
【0013】
上記A成分のうちのアクリル系バインダーとしては、アクリル系単量体を構造単位とするものであれば、特に限定するものではない。上記アクリル系単量体は、アクリル酸およびその誘導体のみならず、メタクリル酸およびその誘導体、さらにはそれらを重合させて得られる共重合体も含む趣旨である。このようなアクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸2,2−ジメチルプロピル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−2−tert−ブチルフェニル、アクリル酸2−ナフチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸4−メトキシフェニル、アクリル酸2−メトキシカルボニルフェニル、アクリル酸2−エトキシカルボニルフェニル、アクリル酸2−クロロフェニル、アクリル酸4−クロロフェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−シアノベンジル、アクリル酸4−シアノフェニル、アクリル酸p−トリル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシブチル、アクリル酸2−シアノエチル、アクリル酸3−オキサブチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸2,2−ジメチルプロピル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸−2−tert−ブチルフェニル、メタクリル酸2−ナフチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸4−メトキシフェニル、メタクリル酸2−メトキシカルボニルフェニル、メタクリル酸2−エトキシカルボニルフェニル、メタクリル酸2−クロロフェニル、メタクリル酸4−クロロフェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−シアノベンジル、メタクリル酸4−シアノフェニル、メタクリル酸p−トリル、メタクリル酸イソノニル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシブチル、メタクリル酸2−シアノエチル、メタクリル酸3−オキサブチル、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、アクリルアミド、ブチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ピペリジルアクリルアミド、メタクリルアミド、4−カルボキシフェニルメタクリルアミド、4−メトキシカルボキシフェニルメタクリルアミド、メチルクロロアクリレート、エチル−α−クロロアクリレート、プロピル−α−クロロアクリレート、イソプロピル−α−クロロアクリレート、メチル−α−フルオロアクリレート、ブチル−α−ブトキシカルボニルメタクリレート、ブチル−α−シアノアクリレート、メチル−α−フェニルアクリレート、イソボニルアクリレート、イソボニルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート等のラジカル重合性単量体があげられる。
【0014】
そして、上記A成分のうちのアクリル系バインダーの具体例としては、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸n−ブチル、ポリメタクリル酸イソブチル、ポリアクリル酸n−ブチル、ポリアクリル酸イソブチル等があげられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0015】
上記アクリル系バインダーの重量平均分子量は、2,000〜800,000の範囲が好ましく、特に好ましくは10,000〜600,000である。
【0016】
また、上記A成分のうちのフッ素系バインダーとしては、フッ素系単量体を構造単位とするものであれば、特に限定するものではない。上記フッ素系単量体としては、例えば、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等があげられる。
【0017】
そして、上記A成分のうちのフッ素系バインダーの具体例としては、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等があげられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0018】
上記フッ素系バインダーの重量平均分子量は、10,000〜1,000,000の範囲が好ましく、特に好ましくは100,000〜500,000である。
【0019】
そして、本発明の電子写真用材料におけるバインダー(A成分)は、上述のとおり、上記アクリル系バインダー、フッ素系バインダーをそれぞれ単独で用いてもよいし、両者を任意の割合で併せて用いてもよい。
【0020】
上記バインダー(A成分)とともに用いられるエポキシ樹脂被覆カーボンブラック(B成分)は、カーボンブラックがエポキシ樹脂で被覆処理されて構成される。
【0021】
上記カーボンブラックとしては、特に制限するものではなく各種のものを用いることができる。なかでも、エポキシ樹脂を用いて被覆処理する点を考慮して、表面官能基(水酸基、カルボキシル基、カルボニル基等)が多いカーボンブラックが好適である。
【0022】
そして、上記カーボンブラックの平均一次粒子径は、10〜300nmの範囲が好ましく、特に好ましくは15〜100nmである。すなわち、上記範囲内でないと、分散性や導電性の低下等を招くおそれがあるからである。
【0023】
また、上記カーボンブラックの比表面積は、通常、10〜500m2 /gの範囲が好ましく、特に好ましくは50〜300m2 /gである。なお、上記比表面積は、BET法によって測定した値である。すなわち、低温窒素吸着法によりカーボンブラックの窒素吸着量を測定し、これからBETの式を用い多点法により算出した値である。
【0024】
さらに、上記カーボンブラックの揮発分は、1.0%以上が好ましく、特に好ましくは1.0〜10%である。すなわち、このような揮発分を示すものであれば、カーボンブラックの官能基(−OH,=CO,−COOH等)を一定量以上含有することとなり、これらの官能基がエポキシ樹脂に作用し、カーボンブラック表面への被覆を助けるからである。
【0025】
そして、上記カーボンブラックのDBP吸油量は、40〜250ml/100gの範囲が好ましく、特に好ましくは45〜200ml/100gである。すなわち、上記範囲内でないと、電子写真用材料の粘度が高くなり塗布時の作業性が悪くなる等のおそれがあるからである。なお、上記DBP吸油量は、JIS K 6221(A法)によって測定した値である。
【0026】
つぎに、上記カーボンブラックを被覆するエポキシ樹脂としては、特に制限するものではなく各種のものを用いることができるが、なかでも多官能エポキシ樹脂が好適である。ここで、多官能エポキシ樹脂とは、1分子中のエポキシ基の総数が2個以上のエポキシ樹脂をいう。このような多官能エポキシ樹脂としては、例えば、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、トリフェニルグリシジルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルグリシジルメタン型エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂、ジアミドジフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾール型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂等があげられる。なお、エポキシ樹脂は、常法に従って、各種の硬化剤、硬化促進剤、有機溶剤等とともに使用される。そして、エポキシ樹脂とともにその他の樹脂を任意の割合で併用してもよい。
【0027】
そして、上記エポキシ樹脂の使用割合は、上記カーボンブラックとエポキシ樹脂の合計量の5〜40重量%の範囲が好ましく、特に好ましくは5〜20重量%である。すなわち、5重量%未満では、未処理のカーボンブラックと同様の分散性や分散安定性しか得られないおそれがあるからである。逆に、40重量%を超えると、樹脂被覆したカーボンブラックと組み合わせるバインダーの物性やトナー離型性、低摩擦性といった物性を損ねるおそれがあるからである。
【0028】
上記エポキシ樹脂被覆カーボンブラック(B成分)は、上記各材料を用い、例えば、つぎのようにして作製することができる。すなわち、まず、スクリュー型攪拌機付き容器内に、予め調製しておいたカーボンブラックの水スラリーを装填し、所定の攪拌条件下にエポキシ樹脂溶液を少量ずつ添加する。これにより、水中に分散していたカーボンブラックが、エポキシ樹脂溶液側に移行する。そして、水切り工程を経由させた後、真空乾燥を行って、水等を除去することにより、粒子状のエポキシ樹脂被覆カーボンブラック(B成分)を作製することができる。
【0029】
上記B成分のエポキシ樹脂被覆カーボンブラックは、上記のようにして作製されるものであるが、その後、上記B成分の外表面には、高分子量分散剤の付着処理がなされる。また、本発明の電子写真用材料には、上記バインダー(A成分)およびエポキシ樹脂被覆カーボンブラック(B成分)を上記のように付着処理したものの他に、上記付着処理に用いたものと同様の高分子量分散剤等の適宜の添加剤を配合してもよい。
【0030】
上記B成分の外表面への付着や添加剤として用いられる高分子量分散剤は、重量平均分子量が1,000〜50,000の分散剤であって、例えばカーボンブラック用として通常用いられる各種の分散剤があげられる。具体例としては、ポリエステル系分散剤、ポリウレタン系分散剤、ポリアクリレート系分散剤等があげられる。
【0031】
そして、上記高分子量分散剤(上記付着処理に用いたものも含む)の配合割合は、エポキシ樹脂被覆カーボンブラックに対して0.1〜40重量%の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは5〜30重量%である。すなわち、少なすぎると分散剤として有効に働かず、逆に多すぎると物性が悪くなったり、経時的にブリードアウトが生じるおそれがあるからである。
【0032】
本発明の電子写真用材料は、例えば、つぎのようにして製造することができる。すなわち、まず、上記エポキシ樹脂被覆カーボンブラック(B成分)と高分子量分散剤とを所定の割合で配合し、例えばビーズミル等の分散機を用いて分散する。これにより、エポキシ樹脂被覆カーボンブラックの外表面に、高分子量分散剤が付着する。
【0033】
そして、このようにして得られた分散剤処理済みのエポキシ樹脂被覆カーボンブラックと上記バインダー(A成分)とその他の添加剤とをサンドミル等の分散機を用いて分散することにより、目的とする電子写真用材料が得られる。
【0034】
このようにして得られる電子写真用材料は、エポキシ樹脂被覆カーボンブラック(B成分)を用いているため、急激な低電気抵抗化を招来せず、しかも電気抵抗のばらつきや電圧依存性を小さく抑えることができる。また、フッ素系バインダーおよびアクリル系バインダーの少なくとも一方のバインダー(A成分)を用いているため、少量のエポキシ樹脂被覆カーボンブラック(B成分)で所望の半導電領域に設定することができる。具体的に説明すると、例えば体積抵抗率(印加電圧10V)が107 〜1012Ω・cm程度の半導電領域に設定する場合、エポキシ樹脂被覆カーボンブラック(B成分)の使用量は、アクリル系バインダー100重量部(以下「部」と略す)に対して5〜30部程度で足り、またフッ素系バインダー100部に対しては1〜20部程度で足りる。一方、その他のバインダー(ウレタン系等)100部に対するエポキシ樹脂被覆カーボンブラック(B成分)の使用量は、107 Ω・cmの体積抵抗率に調整する場合では、50部以上が必要になる。このように、上記電子写真用材料は、エポキシ樹脂被覆カーボンブラック(B成分)の少量使用で、所望の半導電領域に設定することができる。その結果、上記電子写真用材料を用いてなる硬化体は、固くならずに可撓性を有し、表面が平滑になる。
【0035】
本発明の電子写真用材料は、電子写真装置の各種の部材、例えば現像ロール、帯電ロール、転写ロール、層形成ブレード、中間転写ベルト等に用いることができる。
【0036】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0037】
まず、実施例および比較例に先立って、アクリル系バインダー、フッ素系バインダー、エポキシ樹脂被覆カーボンブラック、高分子量分散剤を準備した。
【0038】
〔アクリル系バインダー〕
アクリル樹脂(三菱レーヨン社製、ダイヤナールBR106)。
【0039】
〔フッ素系バインダー〕
フッ素樹脂(ダイキン社製、VT100)。
【0040】
〔エポキシ樹脂被覆カーボンブラック(b1)〕
平均一次粒子径24nm、比表面積134m2 /g、pH値3.0、DBP吸油量65ml/100gのカーボンブラックを準備し、このカーボンブラックと純水とをホモミキサーにより6,000rpmで30分間混合処理してスラリーを調製した。一方、アミノフェノール型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、エピコート630)をトルエンに溶解してエポキシ樹脂溶液を調製した。そして、スクリュー型攪拌機付き容器に上記スラリーを移し、約1,000rpmの攪拌条件下、上記アミノフェノール型エポキシ樹脂がカーボンブラックとアミノフェノール型エポキシ樹脂の合計量の10重量%の割合となるよう上記エポキシ樹脂溶液を少量ずつ添加した。約15分経過後、水に分散していたカーボンブラックは、全量トルエン側に移行し大径の粒となった。そして、60メッシュの金網で水切りを行った後、真空乾燥機により70℃で7時間乾燥し、水とトルエンとを除去した。このようにして、粒子状のエポキシ樹脂被覆カーボンブラックを得た。
【0041】
〔エポキシ樹脂被覆カーボンブラック(b2)〕
エポキシ樹脂として、ジアミドジフェニルメタン型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、エピコート604)を用いた以外は、上記と同様にして、粒子状のエポキシ樹脂被覆カーボンブラックを得た。
【0042】
〔エポキシ樹脂被覆カーボンブラック(b3)〕
エポキシ樹脂として、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、エピコート152)を用いた以外は、上記と同様にして、粒子状のエポキシ樹脂被覆カーボンブラックを得た。
【0043】
〔高分子量分散剤〕
ポリエステル系分散剤(ゼネカ社製、ソルスパースS24000GR)。
【0044】
【実施例1】
上記エポキシ樹脂被覆カーボンブラック(b1)に対して上記高分子量分散剤が18重量%の割合となるように両者を配合し、ビーズミルで分散することにより、エポキシ樹脂被覆カーボンブラックに対し分散剤処理を行った。なお、この分散剤処理済みのエポキシ樹脂被覆カーボンブラックのメジアン径は、0.105μmであった。そして、この分散剤処理済みのエポキシ樹脂被覆カーボンブラック15部と、上記アクリル系バインダー100部とを有機溶剤に分散させ、液状の電子写真用材料を調製した。
【0045】
【実施例2】
実施例1と同様にして、分散剤処理済みのエポキシ樹脂被覆カーボンブラックを得た。そして、この分散剤処理済みのエポキシ樹脂被覆カーボンブラック5部と、フッ素系バインダー100部とを有機溶剤に分散させ、液状の電子写真用材料を調製した。
【0046】
【実施例3】
上記エポキシ樹脂被覆カーボンブラック(b2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、分散剤処理済みのエポキシ樹脂被覆カーボンブラックを得た。なお、この分散剤処理済みのエポキシ樹脂被覆カーボンブラックのメジアン径は、0.113μmであった。そして、この分散剤処理済みのエポキシ樹脂被覆カーボンブラック15部と、上記アクリル系バインダー100部とを有機溶剤に分散させ、液状の電子写真用材料を調製した。
【0047】
【実施例4】
上記エポキシ樹脂被覆カーボンブラック(b3)を用いた以外は、実施例1と同様にして、分散剤処理済みのエポキシ樹脂被覆カーボンブラックを得た。なお、この分散剤処理済みのエポキシ樹脂被覆カーボンブラックのメジアン径は、0.0989μmであった。そして、この分散剤処理済みのエポキシ樹脂被覆カーボンブラック8部と、上記フッ素系バインダー100部とを有機溶剤に分散させ、液状の電子写真用材料を調製した。
【0048】
【比較例1】
アクリル樹脂100部と、カーボンブラック5部とを有機溶剤に分散させ、液状の電子写真用材料を調製した。なお、このカーボンブラックは、エポキシ樹脂で被覆処理されておらず、平均一次粒子径24nm、比表面積134m2 /g、pH値3.0、DBP吸油量65ml/100gであった。
【0049】
【比較例2】
比較例1で用いたカーボンブラックに対して上記高分子量分散剤が18重量%の割合となるように両者を配合し、ビーズミルで分散することにより、カーボンブラックに対し分散剤処理を行った。なお、この分散剤処理済みのカーボンブラックのメジアン径は、0.135μmであった。そして、この分散剤処理済みのカーボンブラック40部と、ウレタン樹脂(日本ポリウレタン社製、ニッポラン5025)100部とを有機溶剤に分散させ、液状の電子写真用材料を調製した。
【0050】
【比較例3】
実施例1と同様にして、分散剤処理済みのエポキシ樹脂被覆カーボンブラックを得た。そして、この分散剤処理済みのエポキシ樹脂被覆カーボンブラック40部と、比較例と同様のウレタン樹脂100部とを有機溶剤に分散させ、液状の電子写真用材料を調製した。
【0051】
【比較例4】
実施例1と同様にして、分散剤処理済みのエポキシ樹脂被覆カーボンブラックを得た。そして、この分散剤処理済みのエポキシ樹脂被覆カーボンブラック40部と、ニトリルゴム(日本ゼオン社製、DN101)100部と、さらに配合剤として、酸化亜鉛5部、ステアリン酸1部、促進剤CZ1部、促進剤BZ0.5部、硫黄1部を有機溶剤に分散させ、液状の電子写真用材料を調製した。
【0052】
【従来例】
アクリル系バインダー100部と、導電性TiO2 60部とを有機溶剤に分散させ、液状の電子写真用材料を調製した。
【0053】
このようにして得られた各電子写真用材料について、下記に示す方法に従って、体積抵抗率、電圧依存性、電気抵抗のばらつき、メジアン径、電子導電剤の沈降度合い、表面粗さ、トナー付着性の評価を行った。その結果を、後記の表1および表2に示した。
【0054】
〔体積抵抗率〕
常法にて、膜厚20〜30μmの塗膜を形成し、この塗膜について、φ20mmの銀ペースト電極を用いSRIS 2304に準じて体積抵抗率(印加電圧10V、100V)を測定した。なお、体積抵抗率は、10点測定し、その中央点(小さい方から5番目)を表示した。
【0055】
〔電圧依存性〕
上記のようにして測定された、印加電圧10Vのときの体積抵抗率と、印加電圧100Vのときの体積抵抗率との差を、変動桁数で表示した。
【0056】
〔電気抵抗のばらつき〕
上記のようにして測定された、印加電圧10Vのときの体積抵抗率について、その最大値と最小値との差が1桁以上であれば電気抵抗のばらつきが大きいとして×と表示し、差が0.5桁以上1桁未満であれば電気抵抗のばらつきが小さいとして○と表示し、差が0.5桁未満であれば電気抵抗のばらつきがないとして◎と表示した。
【0057】
〔メジアン径〕
液状の電子写真用材料を日機装社製マイクロトラックUPAにて粒度分布を測定し、50%体積粒子径をメジアン径とした。
【0058】
〔電子導電剤の沈降度合い〕
各電子写真用材料を、20℃×50%RHの条件下に7日間放置し、電子導電剤の沈降度合いを目視観察した。そして、電子導電剤の沈降がはっきりと観察されたものを×、電子導電剤の沈降が観察されなかったものを○として表示した。
【0059】
〔表面粗さ〕
上記と同様にして塗膜を形成した後、JIS B 0601に準拠して、Rz(十点平均粗さ)を測定した。そして、測定値が3μm以上のものを×、測定値が3μm未満のものを○として表示した。
【0060】
〔トナー付着性〕
上記と同様にして形成した塗膜にトナーの外添剤として使用される乾式SiO2 を擦り付けた後、ウェスで拭き取り、残存したSiO2 の付着度合いを目視観察した。そして、SiO2 が付着し表面が真っ白になったものを×、ほとんど白くならなかったものを○として表示した。
【0061】
【表1】
Figure 0003925021
【0062】
【表2】
Figure 0003925021
【0063】
上記表1および表2の結果から、実施例品はすべて、アクリル系バインダーまたはフッ素系バインダーとエポキシ樹脂被覆カーボンブラックとを用いているため、全ての特性に優れていることがわかる。特に、上記エポキシ樹脂被覆カーボンブラックの外表面には高分子量分散剤が付着処理されているため、電気抵抗のばらつきや電圧依存性が特に抑制されていることがわかる。一方、比較例1品、2品は、エポキシ樹脂で被覆処理されていないカーボンブラックを用いているため、電気抵抗のばらつきや電圧依存性が悪くなっていることがわかる。また、比較例3品、4品は、バインダーとして、ニトリルゴムまたはウレタン樹脂を用いているため、実施例品と同程度の体積抵抗率を実現するのにエポキシ樹脂被覆カーボンブラックを多く使用しており、その結果、トナー付着性が悪くなっていることがわかる。
【0064】
なお、上記各実施例においては、バインダーとして、アクリル系バインダーまたはフッ素系バインダーを単独で用いたが、これに限定するものではなく、両者を併用した場合であっても、上記各実施例と同様に優れた効果が得られることを確認している。
【0065】
【発明の効果】
以上のように、本発明の電子写真用材料は、アクリル系バインダーおよびフッ素系バインダーのうちの少なくとも一方のバインダー(A成分)と、エポキシ樹脂被覆カーボンブラック(B成分)とを含有するものであり、そのエポキシ樹脂被覆カーボンブラック(B成分)の外表面に、高分子量分散剤が付着している。そのため、エポキシ樹脂被覆カーボンブラック(B成分)によって、急激な低電気抵抗化を発生させずに、電気抵抗のばらつきや電圧依存性を小さく抑えることができ、また上記バインダー(A成分)によって、所望の半導電領域に設定するのにエポキシ樹脂被覆カーボンブラック(B成分)を少量の配合で済ますことができる。しかも、上記B成分のエポキシ樹脂被覆カーボンブラックの外表面に付着した高分子量分散剤の作用により、エポキシ樹脂被覆カーボンブラックの分散性が高まって、電気抵抗のばらつきや電圧依存性が一層良好になる。したがって、本発明の電子写真用材料は、半導電領域の制御が必要とされる電子写真装置の各種の部材の材料として好適なものとなる。

Claims (2)

  1. 下記の(A)成分および(B)成分を含有する電子写真用材料であって、その(B)成分の外表面に、高分子量分散剤が付着していることを特徴とする電子写真用材料
    (A)アクリル系バインダーおよびフッ素系バインダーのうちの少なくとも一方のバインダー。
    (B)カーボンブラックがエポキシ樹脂で被覆処理されてなるエポキシ樹脂被覆カーボンブラック。
  2. 高分子量分散剤を含有する請求項1記載の電子写真用材料。
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