JP3924953B2 - ふろ給湯器用ろ過材の再生制御方法 - Google Patents

ふろ給湯器用ろ過材の再生制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、給湯と風呂の追いだきのできる風呂給湯器に外接続もしくは内蔵できるろ過槽のろ過材の浄化を保持することができる、ふろ給湯器用ろ過材の再生制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的な従来の代表技術として、特開平8−38828号公報の風呂ユニットを図14に示す。符号101は風呂ユニットの全体構成を示し、102は浴槽,104は浴槽102中の湯水を循環しながら浄化する浄化装置,106は浴槽102や図示しないカラン等へ給湯したり、浴槽102への補水や、浴槽102中の湯水の追いだき等を行う自動給湯風呂装置で、浄化装置104は、浴槽102に接続された循環水路110を備え、この循環水路110の途中に、吸込側からの吐出側に向かって、循環ポンプ112,ろ過槽114,生物ろ床槽116,および殺菌装置118が順次配設されている。
【0003】
上記のろ過槽114は、容器内にガラスビーズ等の比較的粒子径の小さな(たとえば、200〜400μm)ろ過材を充填して構成され、髪の毛や垢等の比較的大きな浮遊物を除去(浄化)するようになっている。
【0004】
また120はろ過槽114の逆洗(ろ過材の再生)時に使用される排水路,121〜124は水抜き用の排水路,131〜134は水路切り換え用の電磁式の三方弁,136,137は排水用の電磁式の二方弁で、逆洗指令手段162は、浄化装置104の運転時間を積算し、その積算時間が予め設定された基準時間に達するたびに浄化装置104の逆洗指令信号を出力し、この逆洗指令信号を出力により、浄化装置104の逆洗を実行するものである。
【0005】
ろ過槽114の逆洗では、ろ過槽114の三方弁131を排水路120,他方の三方弁132を排水路121にそれぞれ切り換える。また三方弁133,134は排水路120,122との連通を遮断する状態に保持し、排水弁136,137も閉じた状態に保持する。
【0006】
浴槽102中の湯水が循環水路110の吹込口から吸い込まれて循環ポンプ112によって加圧流出され、この湯水は、排水路121から三方弁132,ろ過槽114,三方弁131および排水路120を順次通過して外部に排出される。つまり、ろ過槽114には、浄化運転とは逆に下側から上側に向けて湯水が流れ、これによって、内部のろ過材が強制的に攪拌されて洗浄、すなわち再生される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成と制御では、浴槽の湯水を循環ポンプによって、下側から上側に向けて流し、ろ過槽に充填されているろ過材が強制的に攪拌されて洗浄再生される一般的な逆洗洗浄が開示されているだけである。
【0008】
髪の毛や垢等が加圧流出される時に、同時にろ過材(比較的小さな粒子径のガラスビーズや浜砂等)が流出し、ろ過槽上部の三方弁(図14の符号131)にも流出し、三方弁のボール部や弁シール部に傷がつき、シール不良となり浄化循環時、排水路から水漏れが発生し浴槽の湯水が少なくなり循環ポンプが空運転し信頼性が低下したり、特に全自動(水位を検出して自動的に足し湯する機能)場合、湯水が連続供給され、電気やガス,水が不経済となり現在の社会的背景である省資源,省エネルギーに反する。
【0009】
さらにろ過槽内のろ過材が外部に流出し、充填ろ過材量が徐々に少なくなり、主機能である浄化性能が著しく低下すること等の不具合が生じる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、給水および浴槽水を温水に加熱する加熱部と、給水回路に設けられ給水温度を検知する給水水温検知部および給水流量を検知する流量検知部と、給湯回路に設けられ温水温度を検知する給湯水温検知部および給湯流量を制御する給湯水量制御部と、浴槽水循環回路に給湯する給湯弁部および前記給湯弁部の上流に給湯水および浴槽水の流れを検知する水流検知部と、前記浴槽水循環回路に浴槽水を循環する循環ポンプおよび浴槽水の浴槽水温度を検知する浴槽水水温検知部と、さらに浴槽水循環回路として循環回路,浄化回路,排水回路の回路構成を設け、浄化回路にろ過材を有するろ過槽と、ろ過槽の下流側に浄化回路と循環回路を切り換える切換弁A、循環ポンプと給湯弁部との間に浴槽水循環回路を開閉する切換弁B、加熱部とろ過槽との間に浄化回路と循環回路に切り換える切換弁C、排水回路を開閉する切換弁Dを各々配設した構成において、前記ろ過槽のろ過材の再生手段として、切換弁A,切換弁B,切換弁C,切換弁Dをろ過材再生回路に切り換えした後、まず(a)給湯弁部を複数回開閉し、次に(b)給湯弁部を開とするとともに、給湯制御弁部で給水流量を少流量制御した後、一定時間給水し、最後に(c)給湯制御弁部で給湯流量を再生流量制御した後、一定時間給水する再生制御を設けたものである。
【0011】
本発明によれば、まず給湯弁部を複数回開閉することによって、ろ過槽に配設しているろ過材を給水水圧で徐々に攪拌し、ろ過材層の表面に堆積している髪の毛や垢を徐々に剥離し、水の通過を均一化させる。さらに浄化していると、ろ過材層内に微小な空気が混入堆積し、この空気が不均一で多量に浮上するとき、ろ過材も同時に浮上させるため、微小な空気を徐々に浮上させ、ろ過材の巻き上げを防止する。
【0012】
次に、上記の水の通過の均一化と空気抜きした後、小流量で一定時間給水することにより、ろ過材の表面の比較的大きな各種堆積物を完全に剥離させ水の通過をより均一化させるとともに、加熱部や排水回路に滞留している空気等を少流量で一定時間給水させることにより、ろ過材の巻き上げを防止する。
【0013】
最後に、再生流量制御した後、一定時間給水することにより、ろ過材表面に付着している比較的小さな堆積物を、ろ過材とろ過材を衝突攪拌させながら再生するとともに、比較的大きな各種堆積物(髪の毛や垢等)を完全にろ過槽から排出させる。この再生流量制御とは、一般的に開示されている(逆洗率120〜130%)とし、一定時間給水とは、ろ過槽の形状やろ過材量により、任意に決定される。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の第1実施形態は、給水および浴槽水を温水に加熱する加熱部と、給水回路に設けられ給水温度を検知する給水水温検知部および給水流量を検知する流量検知部と、給湯回路に設けられ温水温度を検知する給湯水温検知部および給湯流量を制御する給湯水量制御部と、浴槽水循環回路に給湯と風呂の水回路を切り換える給湯弁部および前記給湯弁部の一部に給湯水および浴槽水の流れを検知する水流検知部と、前記浴槽水循環回路に浴槽水を循環する循環ポンプおよび浴槽水の浴槽水温度を検知する浴槽水水温検知部と、さらに浴槽水循環回路として循環回路,浄化回路,排水回路の回路構成を設け、浄化回路にろ過材を有するろ過槽と、ろ過槽の下流側に浄化回路と循環回路を切り換える切換弁A、循環ポンプと給湯弁部との間に浴槽水循環回路を開閉する切換弁B、加熱部とろ過槽との間に浄化回路と循環回路に切り換える切換弁C、排水回路を開閉する切換弁Dを各々配設した構成において、前記ろ過槽のろ過材の再生手段として、切換弁A,切換弁B,切換弁C,切換弁Dをろ過材再生回路に切り換えした後、まず(a)給湯弁部を複数回開閉し、次に(b)給湯弁部を開とするとともに、給湯水量制御部で給水流量を少流量制御した後、一定時間給水し、最後に(c)給湯水量制御部で給湯流量を再生流量制御した後、一定時間給水する再生制御手段を有するものである。
【0015】
そして、給湯弁部を複数回開閉することによって、ろ過槽に配設しているろ過材を給水水圧で徐々に攪拌し、ろ過材層の表面に堆積している髪の毛や垢を徐々に剥離し、水の通過を均一化させる。さらに浄化していると、ろ過材層内に微小な空気が堆積し、この空気が不均一で多量に浮上するとき、ろ過材も同時に浮上させるため、微小な空気を徐々に浮上させ、ろ過材の巻き上げを防止し、水の通過の均一化と空気抜きした後、少流量で一定時間給水することにより、ろ過材の表面の比較的大きな各種堆積物を完全に剥離させ水の通過をより均一化させるとともに、加熱部や排水回路に滞留している空気等を少流量で一定時間給水させることにより、ろ過材の巻き上げを防止する。再生流量制御した後、一定時間給水することにより、ろ過材表面に付着している比較的小さな堆積物を、ろ過材とろ過材を衝突攪拌させながら再生排出するとともに、比較的大きな各種堆積物(髪の毛や垢等)も完全にろ過槽から排出させることにより、ろ過材の再生と流出がなくなり、切換弁Dへの噛み込みによる水漏れを防止し、さらにろ過材量が減少することなく、安定した浄化性能を保つことができる。
【0016】
本発明の第2実施形態は、(b)の給湯弁部を開とするとともに給湯水量制御部で給水流量を少流量制御した後、一定時間給水し、(c)の給湯水量制御部で給湯流量を再生流量制御した後、一定時間給水する間に、(d)として、少流量から再生流量まで徐々に流量を増加する再生制御手段を有するものである。そして、少流量から再生流量まで徐々に流量を増加する再生制御することにより、ろ過材の衝突攪拌時間が長くなり、より水の通過の均一化とろ過材の巻き上げを防止することができ、よりろ過材の再生と流出なくなり、切換弁Dへの噛み込みによる水漏れを防止し、さらにろ過材量が減少することなく、安定した浄化性能を保つことができる。
【0017】
本発明の第3実施形態は、(a)の給湯弁部が開の場合、加熱部を非加熱制御する再生制御手段を有するものである。そして、給湯弁部が複数回開時に、加熱部を加熱すると、たとえば、加熱源がガスや灯油の場合、点火音と点火用燃焼空気を供給するファン音が騒音となる。また加熱部が電気の場合、加熱用リレー切り替え音が、前記同様騒音となることから、給湯弁部が複数回開閉する主目的は、前記に記述の如く、ろ過材層の表面の各種堆積物を剥離し、水の通過を均一化するもので、非加熱制御でも十分な性能を得ることができる。
【0018】
本発明の第4実施形態は、(b),(c)および(d)の給湯弁部が開の場合、加熱部を加熱制御する再生制御手段を有するものである。そして、給湯弁部が開時に、加熱部を加熱し、温水を給水することにより、ろ過材表面に付着した比較的小さな堆積物の剥離を容易にできることから、剥離攪拌時間、すなわち再生制御時間を著しく短縮できる。
【0019】
本発明の第5実施形態は、給水および浴槽水を温水に加熱する加熱部と、給水回路に設けられ給水温度を検知する給水水温検知部および給水流量を検知する流量検知部と、給湯回路に設けられ温水温度を検知する給湯水温検知部および給湯流量を制御する給湯水量制御部と、浴槽水循環回路に給湯と風呂の水回路を切り換える給湯弁部および前記給湯弁部の一部に給湯水および浴槽水の流れを検知する水流検知部と、前記浴槽水循環回路に浴槽水を循環する循環ポンプおよび浴槽水の浴槽水温度を検知する浴槽水水温検知部と、さらに浴槽水循環回路として、加熱部,ろ過槽,循環回路,浄化回路,排水回路の回路構成を設け、浄化回路にろ過材を有するろ過槽と、ろ過槽の下流側に浄化回路と循環回路を切り換える切換弁A、循環ポンプと給湯弁部との間に浴槽水循環回路を開閉する切換弁B、加熱部とろ過槽との間に浄化回路と循環回路に切り換える切換弁C、排水回路を開閉する切換弁Dを各々配設した構成において、前記ろ過槽のろ過材の再生手段として、切換弁A,切換弁B,切換弁C,切換弁Dをろ過材再生回路に切り換えした後、まず(e)循環ポンプを複数回短時間作動し、次に(f)循環ポンプを連続、一定時間作動する再生制御手段を有するものである。
【0020】
そして、まず浴槽水を用い循環ポンプを複数回短時間作動することにより、第1実施形態で詳述したように、ろ過槽に配設しているろ過材を循環ポンプの循環水流で徐々に攪拌し、ろ過材層の表面に堆積している髪の毛や垢を徐々に剥離し、水の通過を均一化させる。さらにまたろ過材層内に微小な空気が混入堆積し、この空気が不均一で多量に浮上するとき、ろ過材も同時に浮上させるため、微小な空気を徐々に浮上させ、ろ過材の巻き上げを防止する。次に、上記の水の通過の均一化と空気抜きした後、循環ポンプを連続、一定時間作動することにより、ろ過材表面に付着している比較的小さな堆積物を、ろ過材とろ過材を衝突攪拌させながら再生するとともに、比較的大きな各種堆積物(髪の毛や垢等)を完全にろ過槽から排出させる。循環ポンプによる再生流量制御は、一般的に開示されている(逆洗率120〜130%)が最適であるが、浴槽と機器との配管長や配管径により決定されるため、流量制御は困難なため、循環ポンプの循環時間は、ろ過槽の形状やろ過材量により、任意に決定される。
【0021】
本発明の第6実施形態は、(e)の循環ポンプを複数回短時間作動と(f)の循環ポンプを連続、一定時間作動との間に、(g)として、循環ポンプを複数回中時間作動する再生制御手段を有するものである。そして、循環ポンプの複数回短時間作動と連続、一定時間作動との間に、複数回中時間作動することにより、第2実施形態で詳述したと同様に、ろ過材の衝突攪拌時間が長くなり、より水の通過の均一化とろ過材の巻き上げを防止することができる。
【0022】
本発明の第7実施形態は、(e)および(g)の循環ポンプを複数回作動の場合、加熱部を非加熱制御する再生制御手段を有するものである。そして、循環ポンプが複数回作動時に、加熱部を加熱すると、加熱部がガスや灯油の場合、点火音と点火用燃焼空気を供給するファン音が騒音となり、加熱部が電気の場合、加熱用リレー切り替え音が、前記同様騒音となることから、循環ポンプが複数回作動する主目的は、第3実施形態に詳述したと同様に、ろ過材層の表面の各種堆積物を剥離し、水の通過を均一化するもので、非加熱制御でも十分な性能を得ることができる。
【0023】
本発明の第8実施形態は、(f)の循環ポンプを連続一定時間作動の場合、加熱部を加熱制御する再生制御手段を有するものである。そして、循環ポンプが連続作動時は、加熱部を加熱し、温水を給水することにより、ろ過材表面に付着した比較的小さな堆積物の剥離を容易にできることから、剥離攪拌時間、すなわち再生制御時間を著しく短縮できる。
【0024】
本発明の第9実施形態は、給湯温水検知部または浴槽水水温検知部により、加熱部で少なくとも35℃以上に加熱制御する再生制御手段を有するものである。そしてまた、ろ過材の再生水の湯温を少なくとも35℃以上に加熱することにより、温水による表面張力が小さくなり、ろ過材層表面の各種堆積物が早く剥離できること、またろ過材層に混入している空気の追い出しが早くなること、さらにろ過材に付着した各種堆積物を再生攪拌して早く剥離できることにより、再生洗浄時間が短縮でき、かつ確実にろ過材を再生することができる。
【0025】
【実施例】
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0026】
(実施例1)
以下、本発明の実施例1におけるふろ給湯器用ろ過材の再生制御方法について図面を用い説明する。
【0027】
図1はふろ給湯器の概略構成、図2はろ過材の再生制御の概略フローチャート、図3は再生制御の概略タイムチャートを示す。
【0028】
図1において、水は水入口より水温センサからなる給水水温検知部1、水量センサからなる流量検知部2を通り、熱交換器と燃焼バーナからなる加熱部18で熱を吸収して、給湯水量制御部4、給湯センサからなる給湯水温検知部3を通り、湯出口(未符号)より放出される。
【0029】
浴槽水20は、循環ポンプ7により浴槽19に取りつけられた風呂接続アダプタ21,戻り通路22,ふろセンサからなる浴槽水水温検知部8,循環ポンプ7,二方弁からなる切換弁B15,水流スイッチからなる水流検知部6,加熱部18,三方弁からなる切換弁C16,三方弁からなる切換弁A14,往き通路23,風呂接続アダプタ21の浴槽水循環回路の循環回路を循環する。また浴槽水20は、循環ポンプ7により浴槽19に取りつけられた風呂接続アダプタ21,戻り通路22,ふろセンサからなる浴槽水水温検知部8,循環ポンプ7,二方弁からなる切換弁B15,水流スイッチからなる水流検知部6,加熱部18,三方弁からなる切換弁C16,ろ過材13(アルミナボール:粒子径0.3〜0.5mmを使用)を配設しているろ過槽12,三方弁からなる切換弁A14,往き通路23,風呂接続アダプタ21の浴槽水循環回路の浄化回路を循環する。
【0030】
一方、浴槽19への給湯は、水は注湯弁からなる給湯弁部5を開くと、水は水入口より水温センサからなる給水水温検知部1、水量センサからなる流量検知部2を通り、熱交換器と燃焼バーナからなる加熱部18で熱を吸収して、給湯水量制御部4,給湯センサからなる給湯水温検知部3,給湯弁部5を通り、給湯機能制御(詳細は省略する)、すなわち二方弁からなる切換弁B15を開制御すると、2回路給湯として、循環ポンプ7,戻り通路22と加熱部18,切換弁C,循環回路9,往き通路を各々通り、浴槽19に取りつけられた風呂接続アダプタ21よりお湯はりされる。一方、二方弁からなる切換弁B15を閉制御すると、1回路給湯として、加熱部18,切換弁C16,循環回路9,往き通路を各々通り、浴槽19に取りつけられた風呂接続アダプタ21よりお湯はりされる。本発明では、詳述しないが、特に全自動の場合、符号は省略しているが、戻り通路22と循環ポンプ7との間に、お湯はり水位(湯量)を検知する水位センサにより、浴槽水20を正確にお湯はり時、自動足し湯する時に用いる。
【0031】
他方、ろ過槽12に配設しているろ過材13を再生(逆洗洗浄とも言う)する場合、2再生制御できる。給水,給湯再生制御は、切換弁B15を閉,切換弁C16を循環回路,切換弁A14を浄化回路10,切換弁D17を開に切り換えした後、給湯弁部5を開くと、水は、加熱部18,循環回路9,ろ過槽12に配設したろ過材13の下側から上側に浄化回路10を通り、排水回路11に通水される。浴槽水再生制御は、切換弁B15を開,切換弁C16を循環回路9,切換弁A14を浄化回路10,切換弁D17を開に切り換えした後、循環ポンプ7を作動させると、浴槽水20は、戻り通路22,循環ポンプ7,加熱部18,循環回路9,ろ過槽12に配設したろ過材13の下側から上側に浄化回路10を通り、排水回路11に通水される。
【0032】
図2,図3は、本発明の第一の実施例の再生制御手段のフローチャートおよびタイムチャートを示し、リモコン24による手動操作で説明する。リモコン24の再生SWを「ON」すると、各種切換弁(A,B,C,D)が切り換わり、再生回路になると、給湯弁部5が「開」すると同時に、給湯弁部5「開」タイマと「開,閉」動作回数判定が作動する。次に給湯弁部5「開」タイマの設定時間になると、給湯弁部5が「閉」すると同時に、給湯弁部5「閉」タイマが作動し、前記「開,閉」動作回数判定まで繰り返し作動する。
【0033】
上記作動は、請求項範囲の(a)の給湯弁部を複回数開閉作動のもので、特にろ過材の流出防止で最も重要な再生制御手段であることから、まず「開,閉」タイマについて詳述する。
【0034】
給湯弁部5「開」タイマの好ましい設定時間は、0.2〜5秒である。0.2秒以下は、給湯弁部5「開,閉」制御の限界時間、また5秒以上になると、給水水圧により再生流量が大となり、ろ過材が巻き上げられ、ろ過槽12より流出する場合があることから、給湯弁部5「開」設定タイマを5秒以上でろ過材の流出を防止するためには、発明者らの検証実験(未開示)では、流量Q/ろ過材層の断面積Sに対する流速(線速度:LV値)が1cm/sec以下で、かつろ過材層径長さL1に対し、ろ過材表面からろ過槽の出口(再生時)までの長さL2、すなわちL2/L1の比を7以上にする必要があることから、風呂給湯器の一般的な構成形状内にろ過槽を内蔵できない大きさになってしまうことから、上記で詳述した給湯弁部5「開」タイマの好ましい設定時間は、0.2〜5秒であるが、より好ましい設定時間は、0.5〜3秒である。
【0035】
一方、給湯弁部5「閉」タイマの好ましい設定時間は、3〜20秒である。3秒以下では、給湯弁部5「開」で巻き上げられたろ過材が、自重で再度ろ過材層に沈降できずに、浮遊したままで、次の給湯弁部5「開」での流量(流速)さらに巻き上げられ、ろ過材が流出しやすくなる。ろ過材の流出を確実に防止するためには、給湯弁部5「閉」の設定時間は、可能な限り長くした方がよいが、本発明の目的の1つである、可能な限り短い時間でろ過材の再生を終了させることを考慮すると20秒以内が望ましいが、より好ましい設定時間は5〜12秒である。
【0036】
次に、給湯弁部5「開,閉」制御複回数の好ましい回数は、2〜15回である。1回では、ろ過材層表面の各種堆積物(髪の毛や垢等)を剥離することができないこと、またろ過材層に混入している空気を追い出すことができないこと、次に説明する(b)の給湯弁部5「開」で給湯水量制御部で少流量制御した後、一定時間の設定時間を長時間にする必要があり、可能な限り短い時間でろ過材の再生を終了させることをできなくなる。一方、ろ過材の流出を確実に防止するためには、給湯弁部5「開,閉」設定回数が多い方がよいが、可能な限り短い時間でろ過材の再生を終了させることを考慮すると15回以内が望ましいが、より好ましい設定回数は5〜10回である。
【0037】
上記に記述した(a)の給湯弁部を複回数開閉作動時間は、可能な限り短い時間でろ過材の再生を終了させる時間(約10分以内)を考慮すると、1〜3分で終了させるように、給湯弁部5の「開」設定時間、「閉」設定時間および「開,閉」制御複回数を最適化して設定するものである。一例ではあるが、ろ過槽12の大きさが内径φ100mm,高さ250mm,ろ過材径0.3〜0.5mmでろ過材高さ60mmの場合、▲1▼「開」設定時間:1.5秒、▲2▼「閉」設定時間:6秒、▲3▼「開,閉」繰り返し回数:10回が最適条件であった。
【0038】
次に、請求項範囲の(b)の給湯弁部を「開」とするとともに、給湯水量制御部で給水流量を少流量制御した後、一定時間給水する再生制御手段を説明する。
【0039】
前記の(a)の給湯弁部を複数回「開,閉」した後、(b)の給湯弁部を「開」とするとともに、給湯水量制御部で給水流量を少流量制御した後、一定時間給水する再生制御手段に移行する。給湯弁部5を「開」にすると、給湯水量制御部4で予め設定した流量を制御し、水が流れ始める。水は加熱部18,切換弁C16,循環回路9,切換弁A14を通り、ろ過槽12の下側より入り、ろ過材13を少しだけ再生攪拌(浮遊)させながら、前記ろ過材13層表面の各種堆積物である髪の毛や垢等を少しずつ剥離させながら流れ、各種堆積物を浄化装置12の出口より流出させ、切換弁D17に接続している排水回路11に流れる。
【0040】
この時の給湯水量制御部4での好ましい制御流量は、3〜7l/分である。3l/分以下では、ろ過材13層表面の各種堆積物である髪の毛や垢等をほとんど剥離させることができないことから、次に説明する(c)給湯水量制御部で給湯水量を再生流量にした場合、各種堆積物が通水抵抗となり、不均一な流れ、すなわち流速差が生じ、流速が大の部分のろ過材がろ過槽より流出することがあるため、少なくとも3l/分以上が必要である。一方、7l/分以上では、流速が大で、各種堆積物が通水抵抗となり、より不均一な流れとなり、ろ過材が流出しやすくなることから、より好ましい制御流量は、4〜6l/分である。
【0041】
次に、制御流量で流れる好ましい設定時間は、30〜180秒である。30秒以下では、ろ過材13層表面の各種堆積物である髪の毛や垢等をほとんど剥離させることができないことから、次の再生流量時、各種堆積物が通水抵抗となり、不均一な流れとなり、ろ過材が流出しやすくなる。一方、180秒以上では、ろ過材の再生時間が長くなることと、再生使用水量が多くなるなどの課題が発生することから、より好ましい設定時間は、40〜120秒である。
【0042】
前記の一例でのろ過槽構成では、(a)条件に加え、▲4▼制御流量:4.5l/分、▲5▼設定時間:75秒が最適条件であった。
【0043】
最後の(c)の給湯水量制御部で給湯流量を再生流量後一定時間給水する再生制御手段を説明する。
【0044】
前記の(b)の少流量制御した後、一定時間給水した後、(c)の給湯水量制御部で給湯流量を再生流量後一定時間給水する再生制御手段に移行する。水回路は(b)と同じであることから説明を省略する。この時の再生流量は、ろ過槽12の大きさにともなう、ろ過材量やろ過材粒子径によって、再生流量は決定される。すなわち、再生流量制御は、一般的に開示されている(逆洗率120〜130%)とし、再生時間は、ろ過槽12の大きさにともなう、ろ過材量やろ過材粒子径によって決定されるが、家庭用浴槽水の浄化に使用する小型のろ過槽では、節水等の観点から5分以内が望ましいと考える。
【0045】
前記の一例でのろ過槽構成では、(a),(b)条件に加え、▲6▼制御流量:6l/分、設定時間:180秒が最適条件であった。
【0046】
(実施例2)
本発明の実施例2の再生制御手段を図4のタイムチャートに基づいて説明する。
【0047】
図4において、実施例1に加え、(b)の少流量制御から、(c)の最適再生流量制御との間に、(d)として、(b)の少流量から(c)の再生流量まで徐々に流量を増加する流量制御手段を設けたもので、いっきに再生流量まで流量を増加する制御と比較し、ろ過材の衝突攪拌時間が長くなり、より水の通水が均一化されるとともに、ろ過材の巻き上げを防止し、よりろ過材の流出防止保証が可能となる。
【0048】
前記の一例でのろ過槽構成では、(a),(b)条件に加え、▲6▼制御流量:0.5l/30秒を複数回(2〜4回)が最適条件であった。
【0049】
(実施例3)
本発明の実施例3の再生制御手段を図5のフローチャートに基づいて説明する。
【0050】
図5において、実施例1,2の(a)の給湯弁部5の「開」時、加熱部18を非加熱制御手段としたもので、図2のフローチャートの給湯弁部5の「開」時、加熱禁止制御、たとえばガス点火禁止制御を設けることにより、ろ過材の再生制御手段の騒音を著しく軽減することができる。
【0051】
図6は、同じガス風呂給湯器を用い、(a)の給湯弁部5の「開」時、(1)ガス点火禁止制御、(2)ガス点火制御したものの騒音比較をしたもので、(1)のガス点火禁止制御することにより、明らかに、騒音値が低く、本発明者らの実感音も同様に、騒音が気にならないとの評価である。
【0052】
(実施例4)
本発明の実施例4の再生制御手段の再生時間比較を図7に基づいて説明する。
【0053】
実施例4は、実施例1の(b),(c)の流量制御時に、加熱部18で給水を加熱制御したもので、図7において、(1)加熱制御禁止(給水温度:23℃),(2)35℃加熱制御(当社風呂設定最低温度),(3)42℃制御(一般的な給湯温度),(4)52℃制御(短時間火傷限界温度)の4条件で、実施例1で詳述したろ過槽とろ過材を用い、ろ過材の再生時間を、ろ過槽の入口と出口の差圧(循環ポンプによる循環量を固定:5l/分)を浄化回路で、初期値と再生値が同等になる時間をそれぞれ比較したもので、明らかに、加熱制御することにより、ろ過材の再生時間が短くなっている。
【0054】
(実施例5)
実施例5は、浴槽水を利用して、ろ過材を再生制御手段するもので、図8は概略フローチャート、図9は再生制御の概略タイムチャートを示す。
【0055】
浴槽水20は、循環ポンプ7により、浴槽19に取りつけられた風呂接続アダプタ21,戻り通路22,ふろセンサからなる浴槽水水温検知部8,循環ポンプ7,二方弁からなる切換弁B15を開,水流スイッチからなる水流検知部6,加熱部18,三方弁からなる切換弁C16を循環回路9に切り換え、三方弁からなる切換弁A14を浄化回路10に切り換え、ろ過槽12,二方弁からなる切換弁D17を排水回路11に切り換えた水回路とする。まず(e)の循環ポンプ7を複数回短時間作動し、次に(f)の循環ポンプ7を連続、一定時間作動する再生制御手段である。
【0056】
図9において、手動操作により、リモコン24の再生SWを「ON」すると、各種切換弁(A,B,C,D)が切り換わり、再生回路になると、循環ポンプ7が「ON」すると同時に、循環ポンプ7「ON」と「ON,OFF」作動回数判定が作動する。次に「ON,OFF」作動回数判定で作動回数が終了すると、循環ポンプ7が、連続、一定時間作動し、一定時間循環ポンプ7が作動すると循環ポンプ7が「OFF」し、ろ過材12の再生が終了する。
【0057】
特に、請求項範囲の(e)の循環ポンプを「ON,OFF」複数回作動のもので、上記の実施例1と同様に、ろ過材の流出防止で最も重要な再生制御手段であることから、まず「ON,OFF」タイマについて、詳述する。
【0058】
循環ポンプ7の「ON」タイマの好ましい設定時間は、1〜5秒である。1秒以下は、循環ポンプ7「ON」制御の回転安定限界時間、また5秒以上になると、配管長や配管径により、再生流量が大となり、ろ過材12が巻き上げられ、ろ過槽12より流出する場合があることから、一般的な戻り通路22の配管長(3m)と配管径12A(内径φ11.5)で5秒以上で、ろ過材の流出を防止するためには、本発明者らの検証実験(未開示)では、実施例1で詳述したように、流速(線速度:LV値)が1cm/sec以下で、かつろ過材層径長さL1に対し、ろ過材表面からろ過槽の出口(再生時)までの長さL2、すなわちL2/L1の比を7以上にする必要があることから、風呂給湯器の一番一般的な構成形状内にろ過槽を内蔵できない大きさになってしまうことから、上記で詳述した循環ポンプ7「ON」の好ましい設定時間は、1〜5秒であるが、より好ましい設定時間は、1.5〜3秒である。
【0059】
一方、循環ポンプ7「OFF」タイマの好ましい設定時間は、3〜20秒である。3秒以下では、巻き上げられたろ過材が、自重で再度ろ過材層までに沈降できずに、浮遊したままで、次の循環ポンプ7「ON」での流量(流速)でさらに巻き上げられ、ろ過材が流出しやすくなる。ろ過材が流出を確実に防止するためには、循環ポンプ7「OFF」の設定時間は、可能な限りが長い方がよいが、本発明の目的の1つである、可能な限り短い時間でろ過材の再生を終了させることを考慮すると20秒以内が望ましいが、より好ましい設定時間は5〜12秒である。次に、循環ポンプ7の「ON,OFF」制御複回数の好ましい回数は、2〜15回である。1回では、ろ過材層表面の各種堆積物(髪の毛や垢等)を剥離することができないこと、またろ過材層に混入している空気を追い出すことができないこと、次に説明する(f)の循環ポンプ7「ON」で連続一定時間の設定時間を長くする必要があり、可能な限り短い時間でろ過材の再生を終了させることができなくなる。一方、ろ過材の流出を確実に防止するためには、循環ポンプ7の「ON,OFF」設定回数が多い方がよいが、可能な限り短い時間でろ過材の再生を終了させることを考慮すると、15回以内が望ましいが、より好ましい設定回数は5〜10回である。
【0060】
上記に記述した(e)の循環ポンプ7の「ON,OFF」複回数作動時間は、可能な限り短い時間でろ過材の再生を終了させる時間(約10分以内)を考慮すると、1〜3分で終了させるように、循環ポンプ7の「ON」設定時間、「OFF」設定時間および「ON,OFF」複回数を最適化して設定するものである。実施例1で詳述した一例のろ過槽構成では、▲1▼循環ポンプ7「ON」設定時間:2秒、▲2▼「OFF」設定時間:7秒、▲3▼「ON,OFF」繰り返し回数:8回が最適条件であった。
【0061】
次に、請求項範囲の(f)の循環ポンプを連続、一定時間作動する再生制御手段を説明する。
【0062】
前記の(e)の循環ポンプ7の「ON,OFF」複回数作動後、(f)の循環ポンプを連続、一定時間作動する再生制御手段に移行する。水回路は(e)と同じであることから説明を省略する。この時の再生流量は、配管長,配管径およびろ過槽12のの大きさにともなう、ろ過材量,ろ過材粒子径によって決定されるが、特に再生流量は、一般的に開示されている(逆洗率120〜130%)よりも、少なくなりやすいことから、循環ポンプ7の作動時間を長くする必要があり、10分以内が望ましい。
【0063】
前記の一例のろ過槽構成では、(e)条件に加え、▲4▼設定時間:7分が最適条件であった。
【0064】
(実施例6)
本発明の実施例6の再生制御手段を図10のタイムチャートに基づいて説明する。
【0065】
図10において、実施例5に加え、(e)の循環ポンプを複数回短時間作動と(f)の循環ポンプを連続一定時間作動との間に、(g)として、循環ポンプを複数回中時間作動する再生制御手段を設けたもので、実施例2で記述したと同様に、ろ過材の衝突攪拌時間が長くなり、より水の通過の均一化とろ過材の巻き上げを防止することができる。
【0066】
(実施例7)
本発明の実施例7の再生制御手段を図11のフローチャートに基づいて説明する。
【0067】
図11において、実施例5,6の(e)の循環ポンプ7の「ON」時、加熱部18を非加熱制御手段としたもので、図8のフローチャートの循環ポンプ7の「ON」時、加熱禁止制御、たとえばガス点火禁止制御を設けることにより、ろ過材の再生制御手段の騒音を著しく軽減することができる。
【0068】
図12は、同じガス風呂給湯器を用い、(e)の循環ポンプ7の「ON」時、(1)ガス点火禁止制御、(2)ガス点火制御したものの騒音比較をしたもので、(1)のガス点火禁止制御することにより、明らかに騒音値が低く、本発明者等の実感音も同様に、騒音が気にならないとの評価である。
【0069】
(実施例8)
本発明の実施例8の再生制御手段の再生時間比較を図13に基づいて説明する。
【0070】
実施例8は、実施例5の(f)の循環ポンプ7「ON」時に、加熱部18で浴槽水20の再生水を加熱制御したもので、図13において、(1)加熱制御禁止(給水温度:25℃),(2)35℃加熱制御(当社風呂設定最低温度),(3)42℃制御(一般的な風呂温度),(4)50℃制御(当社追いだき最高風呂温度)の4条件で、実施例1で詳述したろ過槽とろ過材を用い、ろ過材の再生時間を、ろ過槽の入口と出口の差圧(循環ポンプによる循環量を固定:5l/分)を浄化回路で、初期値と再生値をそれぞれ比較したもので、明らかに、加熱制御することにより、ろ過材の再生時間が短くなっている。
【0071】
(実施例9)
実施例9は、実施例1,5に加え、少なくとも再生水(給水および浴槽水)を35℃以上に加熱制御手段を設けたもので、特に浴槽水20は、予め加熱部18で、循環回路にて35℃以上に加熱したものを使用する。加熱した再生水を使用することにより、温水による表面張力が小さくなり、ろ過材層表面の各種堆積物が早く剥離できること、またろ過材層に混入している空気の追い出しが早くなること、さらにろ過材に付着した各種堆積物を再生攪拌して早く剥離できることにより、再生洗浄時間が短縮でき、かつ確実に、ろ過材を再生することができる。
【0072】
【発明の効果】
以上のように、本発明のふろ給湯器用ろ過材の再生制御方法は、まず給湯弁部を複数回開閉することによって、ろ過槽を給水水圧で徐々に攪拌し、ろ過材層表面の各種堆積物(髪の毛や垢等)を徐々に剥離し、水の通水を均一化させること、またろ過材層内に混入している空気を徐々に追い出し、空気によるろ過材の巻き上げを防止し、そして少流量制御で一定時間給水することによって、ろ過材層表面の各種堆積物を完全に剥離させるとともに、加熱部や再生水回路に滞留している空気等を徐々に排出し、さらに再生流量制御で一定時間給水することによってろ過材表面に付着している比較的小さな堆積物を、ろ過材とろ過材を衝突攪拌させながら、排出するとともに、比較的大きな各種堆積物も完全にろ過材から排出させ、ろ過材の再生と流出がなくなり、切換弁へのろ過材の噛み込みによる水漏れを防止し、さらにまたろ過材量が減少することなく、安定した浄化性能を保つことができる。
【0073】
また、少流量制御から再生流量制御まで徐々に流量を増加させることにより、ろ過材の衝突攪拌時間が長くなり、よりろ過材の再生と流出を防止できる。
【0074】
また、給湯弁部開時、非加熱制御することにより、騒音を著しく軽減することができる。
【0075】
また、少流量制御および再生流量制御に加熱制御することにより、温水の表面張力が小さくなることにより、ろ過材表面に付着した比較的小さな堆積物の付着力を低下させ、剥離を容易にできることから、より確実にろ過材の再生と再生制御時間を著しく短縮することができる。
【0076】
また、循環ポンプを複数回短時間作動することにより、上記で記述した給湯弁部の開閉を複数回短時間作動するのと同様効果となり、ろ過材層の表面に堆積している各種堆積物(髪の毛や垢等)を徐々に剥離させるとともに、ろ過材層内に混入している空気を徐々に追い出しして、ろ過材に流れる水の通過の均一化を確保するとともに、次の循環ポンプを連続、一定時間作動することにより、まずろ過材の巻き上げを無くし、ろ過材の流出を防止できる。またろ過材表面に付着している比較的小さな堆積物を、ろ過材とろ過材を衝突攪拌させながら堆積物を強制剥離させ再生するとともに、比較的大きな各種堆積物も完全にろ過槽から排出させ、ろ過材の再生と流出がなくなり、切換弁へのろ過材の噛み込みによる水漏れを防止し、さらにまたろ過材量が減少することなく、安定した浄化性能を保つことができる。
【0077】
また、循環ポンプを複数回中時間作動することにより、上記で記述した給湯弁部を開とし、少流量制御した後、一定時間給水するのと同様効果となり、ろ過材の衝突攪拌時間が長くなり、より水の通過の均一化とろ過材の巻き上げを防止することができる。
【0078】
また、循環ポンプを複数回短時間作動時、加熱部を非加熱制御することにより、上記で記述した給湯弁部の開閉を複数回短時間作動時、加熱部を非加熱制御するのと同様効果となり、騒音を著しく軽減することができる。
【0079】
また、循環ポンプを連続、一定時間作動時、加熱部を加熱制御することにより、上記で記述した給湯弁部を開として、連続、一定時間時、加熱部を加熱制御するのと同様効果となり、ろ過材表面に付着した比較的小さな堆積物の付着力を低下させ、剥離を容易にできることから、より確実にろ過材の再生と再生制御時間を著しく短縮することができる。
【0080】
さらにまた、給水および浴槽水を少なくとも35℃以上に加熱制御して、再生水とすることにより、温水による表面張力が小さくなり、ろ過材層表面の各種堆積物が早く剥離できること、またろ過材層に混入している空気の追い出しが早くできること、さらに、ろ過材に付着した各種堆積物を衝突攪拌して早く剥離できることにより、再生洗浄時間が短縮でき、かつ確実に、ろ過材を再生することができる。
【0081】
実施例のろ過材は、アルミナボールろ過材であるが、ガラスビーズろ過材,浜砂ろ過材などの顆粒状のろ過材には、すべて適用できる。
【0082】
他方、実施例では記述していないが、カートリッジフィルタ、すなわち繊維性フィルタ,糸巻きフィルタ,ガラス繊維フィルタやステンレス繊維フィルタ,多孔質セラミックフィルタ等にも、本発明の浄化ろ過材の再生制御方法が有効である。顆粒状ろ過材では、ろ過材の流出が問題であったが、前記フィルタ構成では、流出するものはほとんどないが、特にろ過材を給水水圧で徐々に通水し、ろ過材層の表面に堆積している。各種堆積物(髪の毛や垢等)を徐々に剥離させることにより、水の通過を均一化させることによって、部分的に再生水が通水するのが防止できることから、本発明の再生制御にすることにより、フィルタの再生効率を著しく向上させ、前記フィルタの欠点である再生利用が困難と言われているものを、再生流量制御も合わせ、顆粒状のろ過材よりも大流量再生制御することにより、再生利用することも可能にする優れた再生制御方法である。
【0083】
また、実施例では、リモコンによる手動操作で説明したが、自動再生制御手段、たとえば風呂給湯器の戻り通路に水位センサや水位スイッチ等の排水検知により、自動再生制御する方法、さらにまた浄化運転時間を積算し、予め設定した積算時間になると、再生制御に入る制御方法等でも、本発明の再生制御方法でも当然有効である本発明の範囲である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のふろ給湯器の構成図
【図2】本発明のろ過材の再生制御の実施例1のフローチャート
【図3】同実施例1のタイムチャート
【図4】本発明のろ過材の再生制御の実施例2のタイムチャート
【図5】本発明のろ過材の再生制御の実施例3のフローチャート
【図6】同実施例3の騒音比較図
【図7】本発明のろ過材の再生制御の実施例4の再生時間比較図
【図8】本発明のろ過材の再生制御の実施例5のフローチャート
【図9】同実施例5のタイムチャート
【図10】実施例6のタイムチャート
【図11】実施例7のフローチャート
【図12】同実施例の騒音比較図
【図13】実施例8の再生時間比較図
【図14】従来のふろユニットの構成図
【符号の説明】
1 給水水温検知部
2 流量検知部
3 給湯水温検知部
4 給湯水量制御部
5 給湯弁部
6 水流検知部
7,112 循環ポンプ
8 浴槽水水温検知部
9 循環回路
10 浄化回路
11 排水回路
12,114 ろ過槽
13 ろ過材
14 切換弁A
15 切換弁B
16 切換弁C
17 切換弁D
18 加熱部
19,102 浴槽
20 浴槽水
21 風呂接続アダプタ
22 戻り通路
23 往き通路
24 リモコン

Claims (9)

  1. 給水および浴槽水を温水に加熱する加熱部と、給水回路に設けられ給水温度を検知する給水水温検知部および給水流量を検知する流量検知部と、給湯回路に設けられ温水温度を検知する給湯水温検知部および給湯流量を制御する給湯水量制御部と、浴槽水循環回路に給湯する給湯弁部および前記給湯弁部の上流に給湯水および浴槽水の流れを検知する水流検知部と、前記浴槽水循環回路に浴槽水を循環する循環ポンプおよび浴槽水の浴槽水温度を検知する浴槽水水温検知部と、さらに浴槽水循環回路として循環回路,浄化回路,排水回路の回路構成を設け、浄化回路にろ過材を有するろ過槽と、ろ過槽の下流側に浄化回路と循環回路を切り換える切換弁A、循環ポンプと給湯弁部との間に浴槽水循環回路を開閉する切換弁B、加熱部とろ過槽との間に浄化回路と循環回路に切り換える切換弁C、排水回路を開閉する切換弁Dを各々配設した構成において、前記ろ過槽のろ過材の再生手段として、切換弁A,切換弁B,切換弁C及び切換弁Dをろ過材再生回路に切り換えた後、まず(a)給湯弁部を複数回開閉し、次に(b)給湯弁部を開とするとともに、給湯水量制御部で給水流量を少流量制御した後、一定時間給水し、最後に(c)給湯水量制御部で給湯流量を再生流量制御した後、一定時間給水してなるふろ給湯器用ろ過材の再生制御方法。
  2. (b)の給湯弁部を開とするとともに給湯水量制御部で給水流量を少流量制御した後、一定時間給水し、(c)の給湯水量制御部で給湯流量を再生流量制御した後、一定時間給水する間に、(d)として、少流量から再生流量まで徐々に流量を増加してなる請求項1記載のふろ給湯器用ろ過材の再生制御方法。
  3. (a)の給湯弁部が開の場合、加熱源を非加熱制御してなる請求項1または2記載のふろ給湯器用ろ過材の再生制御方法。
  4. (b),(c)および(d)の給湯弁部が開の場合、加熱部を加熱制御してなる請求項1または2記載のふろ給湯器用ろ過材の再生制御方法。
  5. 給水および浴槽水を温水に加熱する加熱部と、給水回路に設けられ給水温度を検知する給水水温検知部および給水流量を検知する流量検知部と、給湯回路に設けられ温水温度を検知する給湯水温検知部および給湯流量を制御する給湯水量制御部と、浴槽水循環回路に給湯と風呂の水回路を切り換える給湯弁部および前記給湯弁部の一部に給湯水および浴槽水の流れを検知する水流検知部と、前記浴槽水循環回路に浴槽水を循環する循環ポンプおよび浴槽水の浴槽水温度を検知する浴槽水水温検知部と、さらに浴槽水循環回路としてろ過槽,加熱部,循環回路,浄化回路,排水回路の回路構成を設け、浄化回路にろ過材を有するろ過槽と、ろ過槽の下流側に浄化回路と循環回路を切り換える切換弁A、循環ポンプと給湯弁部との間に浴槽水循環回路を開閉する切換弁B、加熱部とろ過槽との間に浄化回路と循環回路に切り換える切換弁C、排水回路を開閉する切換弁Dを各々配設した構成において、前記ろ過槽のろ過材の再生手段として、切換弁A,切換弁B,切換弁C,切換弁Dをろ過材再生回路に切り換えた後、まず(e)循環ポンプを複数回短時間作動し、次に(f)循環ポンプを連続、一定時間作動してなるふろ給湯器用ろ過材の再生制御方法。
  6. (e)の循環ポンプを複数回短時間作動と(f)の循環ポンプを連続、一定時間作動との間に、(g)として、循環ポンプを複数回中時間作動してなる請求項5記載のふろ給湯器用ろ過材の再生制御方法。
  7. (e)および(g)の循環ポンプを複数回作動の場合、加熱部を非加熱制御してなる請求項5または6記載のふろ給湯器用ろ過材の再生制御方法。
  8. (f)の循環ポンプを連続一定時間作動の場合、加熱部を加熱制御してなる請求項5または6記載のふろ給湯器用ろ過材の再生制御方法。
  9. 給湯温水検知部または浴槽水水温検知部により、加熱部で少なくとも35℃以上に加熱制御してなる請求項4または8記載のふろ給湯器用ろ過材の再生制御方法。
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