JP3922539B2 - 写真処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像情報に基づいて露光した感光材料を現像して当該感光材料に画像を形成する写真処理装置に関する。
【0001】
【従来の技術】
従来から画像データを基に感光材料に露光処理を施し、その後に該感光材料に現像処理を施して当該感光材料に画像を形成するデジタルプリント方式を採用した写真処理装置が周知である。
【0002】
デジタルプリント方式の露光処理装置は、PLZT素子からなる光シャッターを介して光源の光を感光材料に照射させるものや、レーザー発光素子から発せられるレーザー光を感光材料に照射するものがあるが、これらの露光処理装置の何れもが、感光材料を所定速度で搬送させつつ、画像データを基に感光材料の搬送方向に対して直交方向のライン状に露光を順次行う、いわゆる、走査露光方式が採用されている。
【0003】
該露光処理装置は、感光材料を搬送させつつ露光処理すべく、感光材料にライン状の露光を行う露光領域に対して上流側、及び下流側のそれぞれに、所定速度で感光材料を搬送する露光用搬送ローラ対が設けられており、該露光処理装置の上流側には、当該露光処理装置に向けて感光材料を搬送するローラ対が設けられている。該上流側のローラ対は、露光処理装置の処理速度と、露光処理装置に向けて搬送する感光材料の搬送速度とを対応させるべく、露光用搬送ローラ対の駆動源とは別の回転速度の制御が可能な駆動源(パルスモータ)で駆動されるように構成されている。
【0004】
ところで、上記構成の露光処理装置で、搬送方向の長さが露光処理装置の露光用搬送ローラ対と上流側のローラ対との間隔より長い感光材料を露光処理すると、該感光材料は、露光処理装置の上流側の露光用搬送ローラ対、及び該露光処理装置の上流側に配置されたローラ対の両方により搬送された状態で露光処理されることになる。
【0005】
この場合、露光用搬送ローラ対の駆動系と上流側のローラ対の駆動系との回転駆動誤差が生じたり、露光用搬送ローラ対及び上流側のローラ対の少なくとも何れか一方に、搬送すべく感光材料に対して滑りが生じたりすると、露光用搬送ローラ対と上流側のローラ対との間で搬送速度差が生じ、露光中の感光材料に引っ張り作用が生じる場合がある。そのため、感光材料に対する引っ張りや、引っ張り状態にある感光材料に上流側のローラ対の回転による振動が、露光処理中の感光材料に伝達されてしまい、露光処理に悪影響を与えてしまう場合がある。すなわち、走査露光は、感光材料を一定速度で搬送し且つ感光材料の乳剤面を露光における焦点位置に維持させた状態で行わなければならないが、感光材料に引っ張りが生じたり、振動が伝達したりすると、焦点位置がずれて画像がぶれた状態で感光材料に形成されてしまう。
【0006】
そこで、写真処理装置は、露光中の感光材料をローラ対が露光領域に向けて強制的に送り込んだり、露光中の感光材料に引っ張りや振動が作用したりしないように、感光材料がライン状に露光される露光領域に到達する前(感光材料が露光処理装置における上流側の露光用搬送ローラ対間に到達した際)に、ローラ対の感光材料に対する圧着を解除する圧着解除機構を備えている。
【0007】
かかる圧着解除機構は、当該圧着解除機構を動作させるDCモータと、前記DCモータ等を搭載したフレームに長手方向の中間部が枢着されるとともに、ローラ対のうちの一方のローラの回転軸を一端部で軸支した棒状の圧着解除アームと、前記DCモータに接続され、圧着解除アームの他端部を押圧して圧着解除アームを傾動させるカムとを備えている。
【0008】
かかるローラ対の圧着を解除するには、感光材料が露光処理装置の露光用搬送ローラ対間に到達した際に、DCモータを駆動してカムを所定角度(微小な回転角度)だけ回転させる。こうすることで、前記カムにより圧着解除アームの他端部が押圧され、圧着解除アームが傾動するため、一方のローラが他方のローラから離間し、ローラ対による感光材料の圧着が解除される。
【0009】
したがって、露光処理する感光材料が、搬送方向の長さが露光処理装置の露光用搬送ローラ対と上流側のローラ対との間隔より長いものであっても、該感光材料が露光処理装置に送り込まれて露光処理される際には、露光用搬送ローラ対のみにより搬送されるので、上流側のローラ対による感光材料への振動等の伝達が防止され、感光材料を露光処理装置で円滑に露光処理することができ、鮮明な画像を感光材料に形成することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ローラ対による感光材料の搬送、及び当該ローラ対の圧着の解除を行うには、前述の如く、ローラ対を回転させるパルスモータ、及びローラ対の圧着を解除するDCモータの二つの駆動源を設けなければならない。このため、上記構成のローラ対及び圧着解除機構で搬送系を構成した場合には、多くのモータが必要となり、その上、各モータからの駆動を伝達する部品の点数が多くなる。したがって、従来の写真処理装置は、感光材料を搬送するための多くのモータ及び部品を必要とするため、コスト的に不経済であった。また、上述の如く、多くのモータ、及び部品を配置しなければならないため、搬送系、引いては写真処理装置が大型化してしまうといった問題があった。
【0011】
さらに、ローラ対の圧着、及び圧着の解除を行う際に、カムを微小な回転角度で回転させて行うため、ローラ対の圧着解除用のDCモータのブラシ等の焼き付きが発生し、DCモータの寿命が短命になる場合があった。これを改善すべく、微小な回転角度で制御しても短命とならないパルスモータを採用しても、該パルスモータは、高価であるため、部品コストが高騰してしまう。
【0012】
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、部品コストの高騰を押さえ、且つ露光処理装置に向けて感光材料を搬送するローラ対の円滑な駆動を確保するとともに、ローラ対を駆動する駆動源で該ローラ対の圧着解除を行うことができる搬送系を備えた写真処理装置を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明 にかかる写真処理装置は、請求項1に記載の如く、搬送中のシート状をなす感光材料を順次露光する露光処理装置に向けて搬送する搬送系を備え、該搬送系が、上流側から搬送されてきた感光材料を両面から圧着し、且つ所定方向に回転して圧着した感光材料を露光処理装置に向けて送り出すローラ対と、該ローラ対の少なくとも何れか一方のローラを回転駆動させる駆動源と、前記ローラ対の圧着を解除する圧着解除機構とを備えた写真処理装置において、前記圧着解除機構が、前記駆動源に接続されて前記所定方向の回転に対して逆回転方向の回転のみを伝達する回転伝達機構により構成され、しかもローラ対を相対的に離間させるべく、回転伝達機構が逆回転方向の回転力を他方のローラに作用させるように構成されてなること特徴とする。なお、回転伝達機構における駆動源との接続は、駆動源に直接接続される場合や、ローラを介して接続される場合を含むものである。また、回転力を作用させるとは、回転力を他方のローラに直接的に作用させる場合や、間接的に作用させる場合等を含むものである。さらに、圧着とは、ローラ対で感光材料を挟持する以外に、ローラ対のローラ同士が当接することも含む概念である。
【0014】
上記構成の写真処理装置によれば、露光中の感光材料に振動等の悪影響を与えるのを防止すべく、ローラ対の圧着を解除する際に、駆動源の回転を逆回転方向にすれば、回転伝達機構が逆回転方向の回転力を他方のローラに作用させて他方のローラを一方のローラから離間させてローラ対の圧着を解除することができ、露光処理装置で搬送されつつ露光処理される感光材料に振動などが伝達されず、正確且つ円滑な露光処理を行うことができる。
【0015】
したがって、上述のように感光材料を搬送するローラ対の回転駆動と、ローラ対の圧着を解除する圧着解除機構の駆動とを一つの駆動源から得ることができ、従来のようなローラ対の圧着解除専用の駆動源を必要としない。これに伴って、生産コストを削減することができ、しかも従来の駆動源の設置していたスペースをなくすことができ、写真処理装置をコンパクトにすることができる。
【0016】
また、請求項2記載の如く、前記回転伝達機構は、前記逆回転方向の回転により、他方のローラを一方のローラに対して離間方向に押圧する押圧体を備えてもよい。なお、離間方向に押圧とは、該押圧による押圧力がローラ対の離間方向(軸間方向)に直接作用する以外に、他方のローラを押圧した押圧力の分力がローラ対の離間方向に作用することも含むもの含むものである。このようにすれば、逆回転方向の回転力を、押圧体を介して他方のローラに作用させることができ、ローラ対を円滑に離間(圧着解除)させることができる。
【0017】
さらに、請求項3記載の如く、前記押圧体が、前記回転伝達機構の回転軸心と同一回転軸を有する偏心カムからなれば、駆動源が逆回転方向の回転し、偏心カムにおける回転中心から外周面までの距離(曲率半径)が、ローラ対の軸間距離より長くなる位置の外周面で他方のローラを押圧した際に、該偏心カムの外周面における曲率半径の変化に対応して、ローラ対が徐々に離間して圧着が解除される。
【0018】
また、この状態でさらに駆動源を同方向(前記逆回転方向)に回転させることで、他方のローラを押圧した偏心カムの外周面と回転軸心との距離が徐々に短くなるので、付勢手段で付勢されたローラ対が再度圧着するようになる。したがって、ローラ対の圧着の解除又は圧着させる際に、ローラ同士が衝撃を有して離間或いは当接することがなく、振動等に敏感な露光処理に悪影響を与えるのを防止することができる。
【0019】
また、請求項4記載の如く、前記搬送系は、ローラ対を圧着させるように、少なくとも何れか一方のローラを他方のローラに向けて付勢する付勢手段を更に備えてもよい。このようにすれば、ローラ対の圧着が解除された状態から、駆動源の回転を感光材料を搬送方向に対応した回転方向に切り替えると、回転伝達機構は、当該回転を伝達しない状態(フリー状態)となるので、押圧体による他方のローラへの押圧が解除され、付勢手段の付勢力により他方のローラが一方のローラに向けて付勢され、ローラ対を再度圧着することができる。
【0020】
また、請求項5記載の如く、前記付勢手段が、弾性体からなり、該弾性体の弾性力によってローラ対が圧着するように、前記弾性力をローラ対間に相対的に作用させるようにすれば、簡易な構成でローラ対を圧着させることができる。
【0021】
また、請求項6記載の如く、前記弾性体が、他方のローラを一方のローラに向けて付勢する圧縮バネからなれば、大きな付勢力を得ることができるので、感光材料を搬送する際に、ローラ対は感光材料を確実に圧着することができ、ローラと感光材料との間で滑りが生じにくくなり、円滑に感光材料を搬送することができる。また、上述のように大きな付勢力を得ることができるので、回転伝達機構が他方のローラに作用させていた回転力を取り除くと、ローラ対が、該回転力が取り除かれる状態に追従するようにローラ対を迅速に圧着することができる。すなわち、大きな処理能力を要望される写真処理装置にあっては、ローラ対の圧着、及び圧着解除に要する時間が、処理能力に大きく影響するが、ローラ対に大きな付勢力を与えることで、ローラ対の圧着等を迅速に行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態にかかる写真処理装置ついて図面を参酌しつつ説明する。
【0023】
本実施形態にかかる写真処理装置は、図1及び図2に示す如く、当該写真処理装置の操作を行う操作部1と、感光材料に露光処理を施す露光処理部2と、露光処理部2で露光処理が施された感光材料Pに現像処理を施す現像処理部3と、現像処理部3で現像処理が施された感光材料をオーダー毎、或いはサイズ毎に仕分ける仕分部4とで構成されている。
【0024】
前記操作部1は、各処理の処理状況や操作案内等を表示するモニター5と、該モニター5の表示に基づきキー入力を行う入力装置6と、CD−ROMやメモリーカード等のメディアから画像データを読み込む読込装置7と、入力装置6からの入力データや、読込装置7で読み込んだ画像データを適宜演算処理し、露光処理部2の動作等を制御する演算処理装置8(以下、CPUという)とを備えている。
【0025】
前記露光処理部2は、長尺な感光材料を収納する一対のマガジン9a,9bと、該マガジン9a,9bから引き出された感光材料Pを所定の長さで切断する切断装置10と、該切断装置10により切断された感光材料Pを露光処理する露光処理装置11と、前記切断装置10により切断された感光材料Pを前記露光処理装置11に向けて搬送する搬送系である搬送装置12とで構成され、各装置間には、搬送方向に所定間隔を有して配置された回転可能な搬送用ローラ対が配置されており、当該搬送用ローラ対で感光材料を圧着して各装置間における感光材料の搬送を行うように構成されている。なお、一対のマガジン9a,9bそれぞれには、幅の等しい同サイズの感光材料が収納される場合と、幅の異なる二種類の感光材料のそれぞれが収納される場合があるが、本実施形態においては、幅の異なる二種類の感光材料のそれぞれが一対のマガジン9a,9bに収納される場合を例に挙げて説明する。
【0026】
前記一対のマガジン9a,9bのうち、露光処理部2内の下部で横方向に併設されている。一方のマガジン9aには、幅の狭い感光材料Pがロール状にされて回転可能に収納され、他方のマガジン9bには、幅の広い(例えば幅の狭い感光材料Pの略二倍、又は略三倍の幅の)感光材料Pがロール状にされて回転可能の収納されている。
【0027】
前記切断装置10は、露光処理部2内の下部に配置された前記一対のマガジン9a,9b間に位置して、前記一対のマガジン9a,9bのそれぞれの下流側に設けられており、マガジン9a,9bから引き出された感光材料Pを切断すべく、互いに接離する一対のカッター13を備えている。該一対のカッター13は、一対のマガジン9a,9bの何れか一方から感光材料Pが引き出された際に、所望するプリントサイズに対応するように、引き出した感光材料Pの幅を考慮して該感光材料Pを所定長さに切断し、プリント用の感光材料Pを作成し得るように構成されている。
【0028】
前記露光処理装置11は、露光処理部2内の上部に設けられており、搬送中の感光材料Pの乳剤面を露光する露光ヘッド14と、該露光ヘッド14が感光材料Pの乳剤面を露光する露光領域を挟んで感光材料Pの搬送方向の上流側及び下流側(上下方向)のそれぞれに設けられた露光用搬送ローラ対15a,15b(一対の露光用搬送ローラ)とで構成されている。
【0029】
前記露光ヘッド14は、ハロゲンランプ等からなる光源16と、該光源16に光ファイバー束17を介して接続された光シャッター18とで構成されており、該光シャッター18は、感光材料Pの搬送方向と直交したライン状をなし、搬送される感光材料Pの乳剤面と対向するように設けられている。
【0030】
前記光シャッター18は、チタン酸ジルコン酸鉛にランタンを添加することにより得られる透光性電圧セラミックス、いわゆるPLZTで構成されており、該PLZTは、所定レベルの電圧が印加されると光を透過させ得る状態となる一方、電圧の印加が停止されると光を遮断する性質を有している。つまり、光シャッター18は、画像データ読み込まれた画像データを基に基づいて、操作部1のCPU8から電圧の印加、及び印加の停止が指示され、光源16からの光の透過及び遮断が制御されて感光材料PにRGB各色の光を照射して露光し得るように構成されている。
【0031】
前記露光用搬送ローラ対15a,15bのそれぞれは、露光中の感光材料Pを圧着した状態で下流側(現像処理部3)に向けて搬送するように構成されている。また、前記露光用搬送ローラ対15a,15bは、圧着状態を解除し得る構成、すなわち、露光用搬送ローラ対15a,15bが相対的に離間するように構成されている。このように構成された上流側の露光用搬送ローラ対15aは、露光中の感光材料Pに搬送方向の露光ぶれ(走査方向の露光ムラ)が生じるのを防止すべく、露光用搬送ローラ対15aの各露光用搬送ローラを回転させたまま、圧着を解除した状態で感光材料Pが送り込まれるまで待機し、搬送装置12によって搬送されてくる感光材料Pが露光用搬送ローラ対15a間に送り込まれた後に、感光材料Pを圧着して下流側(光シャッター18と対向する露光領域)に向けて搬送するように構成されている。なお、本実施形態において圧着とは、露光用搬送ローラ対15a,15bを構成する露光用搬送ローラ(後述する受渡部のローラ対にあっては、該ローラ対を構成するローラ体)同士で感光材料を挟持する以外に、ローラ同士を当接させることも含む概念である。
【0032】
また、該上流側の露光用搬送ローラ対15aは、感光材料Pにおける下流側の端部が、上流側の露光用搬送ローラ対15aから外れる際には、感光材料Pの上流側の部分が露光領域に位置しているので、感光材料Pの下流側の端部が上流側の露光用搬送ローラ対15aから外れる際の衝撃で露光処理に悪影響を与えないように、圧着を解除するように構成されている。
【0033】
一方、下流側の露光用搬送ローラ対15bは、上流側の露光用搬送ローラ対15aと同様に、上流側の露光用搬送ローラ対15aで搬送されつつ露光処理されている感光材料Pに衝撃を与えないように、露光用搬送ローラ対15bの各露光用搬送ローラを回転させたままで圧着を解除した状態で待機し、露光領域から下流に向けて搬送されてくる感光材料Pが露光用搬送ローラ対15b間に送り込まれた後に、感光材料Pを圧着して搬送するように構成されている。
【0034】
前記搬送装置12は、図3に示す如く、前記切断装置10の下流側(上方)に設けられており、上流側の切断装置10から搬送されてきた感光材料Pを受け取り、下流側に当該感光材料Pを送り出す受渡部19と、該受渡部19から送り出された感光材料Pを露光処理装置11に搬送する搬送部20とで構成されている。
【0035】
前記受渡部19は、感光材料Pの搬送方向(写真処理装置の上下方向)に配置された二組のローラ対21,21と、該ローラ対21を回転駆動する駆動源であるパルスモータ22とを備えている。なお、二組のローラ対21,21のそれぞれは同一構成を有している。
【0036】
前記ローラ対21は、回転軸23の周りにゴムローラ24が設けられた一対のローラであるローラ体25a,25bで構成されており、一方のローラ体25aの回転軸23には、感光材料Pの搬送方向に対応した回転方向に対して逆回転方向の回転を伝達し、ローラ対21,21の圧着を解除する圧着解除機構26が設けられている。
【0037】
前記一方のローラ体25aは、該搬送装置12の骨組みを形成するフレーム27に両端部近傍が軸受28を介して枢着されている。なお、ローラ体25aの一端部は、フレーム27から外部に延出しており、該一端部には、歯付プーリー29が取り付けられている。該ローラ体25aは、前記歯付プーリー29と、上述したパルスモータ22の駆動軸に取り付けられた駆動用の歯付プーリー30とに無端ベルト31が掛け渡されることにより、正逆転駆動可能になっている。
【0038】
前記圧着解除機構26は、一方向の回転のみを伝達する前記回転伝達機構であるワンウェイクラッチ32により構成されており、該ワンウェイクラッチ32には、押圧体であるカム33が固着されている。
【0039】
前記ワンウェイクラッチ32は、ローラ体25aの回転軸23に嵌着された内輪34(図4参照)と、一方の回転(ローラ体25aが感光材料を搬送する際の回転方向に対して逆回転方向の回転)のみを伝達するラチェット機構(図示せず)を介して、前記内輪34に外嵌された外輪35(図4参照)とで構成されている。
【0040】
前記カム33は、前記ワンウェイクラッチ32(ローラ体25a)の回転軸心と同軸の偏心カムである。該カム33は、側面視楕円状をなした板材であり、外周の一カ所で、ローラ対21の軸心間距離D(図4参照)より長い最大の曲率半径R(図4参照)を有するように、長軸方向の一方側に偏った位置に中心位置(回転軸心)が設定されている。
【0041】
前記他方のローラ体25bは、両端部に軸受36が取り付けられており、該軸受36は、フレーム27に形成された長穴37内に移動可能に取り付けられている。前記長穴37は、感光材料Pの搬送方向に対して直交方向(一方のローラ体25aに対して離間する方向)に形成されている。また、該長穴37には、前記軸受36(他方のローラ体25b)を一方のローラ体25aに向けて付勢する付勢手段である圧縮バネ38(以下、コイルバネという)が内装されている。
【0042】
前記搬送部20は、上下方向に配されて前記フレーム27に固定された一対のレール39と、該レール39に沿って移動する一対の搬送体40とで構成されている。
【0043】
前記搬送体40は、前記レール39に摺動可能に取り付けられた昇降体41と、該昇降体41に形成された感光材料Pの搬送方向に対して直交方向の横レール42に、摺動可能に取り付けられた横方向移動体43とで構成されている。
【0044】
前記昇降体41は、横方向移動体43を移動させる横移動用モータ44を備えており、該横移動用モータ44の駆動軸にはプーリー45が固着されている。また、昇降体41には、前記プーリー45と横方向移動体43の移動方向に所定間隔を有して別のプーリー(図示せず)が枢着されており、該プーリーと横移動用モータ44のプーリー45とに無端ベルト46が掛け渡され、該無端ベルト46の一部に横方向移動体43が接続されている。つまり、横移動用モータ44を駆動すると、無端ベルト46の回転により、横方向移動体43が横レール42に沿って移動するようになっている。
【0045】
このように構成された昇降体41は、フレーム27の上部に枢着されたプーリー47と、フレーム27の下部に設けられた昇降用モータ48の駆動軸に固着されたプーリー(図示せず)に掛け渡された無端ベルト49の一部に接続されている。したがって、昇降用モータ48を駆動すると、無端ベルト49の回転により昇降体41(搬送体40)がレール39に沿って昇降することになる。
【0046】
前記横方向移動体43は、受渡部19から送り出された感光材料Pをガイドすべく、所定間隔を有して対向配置された一対のガイド板50,50を備えている。前記一対のガイド板50,50のうちの一方には、開口(図示せず)が形成されており、該開口から突出て他方のガイド板50とともに感光材料Pを把持する突起(図示せず)及び該突起を出退させるカム機構(図示せず)に接続された把持用モータ51が設けられている。
【0047】
前記一対のガイド板50、50の上端部には、露光処理装置11に隣接して上流側に配置された搬送ローラ対52(図2参照)の軸方向の外周形状に対応するように、所定形状の切り欠きが形成されている。つまり、搬送体40が上限に位置した際に、該搬送ローラ対52間とガイド板50,50間とが対応した状態で、前記搬送ローラ対52が、ガイド板50の切り欠き部内に位置するように構成されている。
【0048】
上記構成の搬送装置12は、以下のように動作する。一方のマガジン9a(幅の狭い感光材料P)が選択され、且つ感光材料Pにおける搬送方向の長さが、受渡部19の下流側のローラ対21と露光処理装置11の上流側に配置された搬送ローラ52との間隔より短い長さのプリントサイズ(例えば、サービスサイズ)に設定された場合には、一方のマガジン9aから引き出された感光材料Pが切断装置10によってプリントサイズに対応した所定長さ(受渡部19の下流側のローラ対21と露光処理装置11の上流側に配置された搬送ローラ52との間隔より短い長さ)に切断され(以下、切断された感光材料を小判感光材料という)、上方に向けて搬送されてきた小判感光材料Pを、一対のレール39,39の略中間位置に対応させるように、受渡部19の一対のローラ対21によって搬送部20に向けて搬送する。
【0049】
この際、パルスモータ22が、無端ベルト31を介して小判感光材料Pの搬送方向に対応させてローラ体25aを回転させる一方、ローラ体25aの回転軸23に取り付けられたカム33は、ワンウェイクラッチ32により回転が断絶されてフリーな状態となっている。これにより、ローラ対21は、コイルバネ38の付勢により、小判感光材料Pを圧着した状態で搬送している(図4(イ)参照)。なお、後続の感光材料が小判感光材料Pである場合には、小判感光材料Pが受渡部19から搬送部20に到達するまでに、一方の搬送体40が、ガイド板50を一対のレール39,39の略中間位置に位置させるように、横方向移動体43を移動させつつ下限に移動し、後続の感光材料が後述する大判感光材料Pである場合には、大判感光材料Pの幅に対応すべく、大判感光材料Pが受渡部19から搬送部20に到達するまでに、一対の搬送体40,40の両方が、下限に移動する。
【0050】
そして、下限に到達した搬送体40のガイド板50,50間にローラ対21,21によって小判感光材料Pが送り込まれ、小判感光材料Pの上流側の端部がガイド板50,50の切り欠き部分に位置すると、パルスモータ22の駆動を停止するとともに、把持用モータ51を駆動してガイド板50開口から突起を突出させて当該小判感光材料Pを把持する。
【0051】
その後、搬送体40は、小判感光材料Pの上流側の端部が、受渡部19における下流側のローラ対21から離脱するまで下流側(上方)に移動した後に、順次搬送されてくる小判感光材料Pを露光処理装置11で並列状態で搬送しながら露光処理できるように、小判感光材料Pを把持した横方向移動体43を横方向に移動させつつ、露光処理装置11に向かって移動する。この際、露光処理装置11の上流側に配置された搬送ローラ対52は、圧着を解除した状態で待機している。
【0052】
そして、搬送体40が上限に到達すると、ガイド板50の切り欠き部内に位置した搬送ローラ対52で小判感光材料Pを圧着するとともに、ガイド板50及び突起による小判感光材料Pの把持を解除し、搬送ローラ対52で圧着した小判感光材料Pを露光処理装置11の露光領域に順次送り込んで露光処理を施す。なお、小判感光材料Pが上流側の露光用搬送ローラ対15aで圧着された後に、搬送ローラ対52の圧着は解除され、当該搬送ローラ対52の回転による小判感光材料Pへの振動の伝達を防止している。
【0053】
他方のマガジン9b(幅の広い感光材料)が選択され、且つ感光材料Pにおける搬送方向の長さが、受渡部19の下流側のローラ対21と露光処理装置11の上流側に配置された搬送ローラ52との間隔より長い長さのプリントサイズ(例えば、全紙サイズ、八つ切りサイズ、四つ切りサイズ)に設定された場合には、他方のマガジン9bから引き出された感光材料Pが切断装置10によってプリントサイズに対応した所定長さ(受渡部19の下流側のローラ対21と露光処理装置11の上流側に配置された搬送ローラ52との間隔より長い長さ)に切断され(以下、切断された感光材料を大判感光材料という)、上方に向けて搬送されてきた大判感光材料Pを、一対のレール39,39の略中間位置に対応するように受渡部19の一対のローラ対21,21によって搬送部20に向けて搬送する。
【0054】
この際、パルスモータ22が、大判感光材料Pの搬送方向に対応させてローラ体25aを回転させる一方、ローラ体25aの回転軸23に取り付けられたカム33は、ワンウェイクラッチ32により回転が断絶されてフリーな状態となっている。これにより、ローラ対21は、コイルバネ38の付勢により、大判感光材料Pを圧着した状態で搬送している(図4(イ)参照)。なお、後続の感光材料が小判感光材料Pである場合には、小判感光材料Pが受渡部19から搬送部20に到達するまでに、一方の搬送体40が、ガイド板50を一対のレール39,39の略中間位置に位置させるように、横方向移動体43を移動させつつ下限に移動し、後続の感光材料が後述する大判感光材料Pである場合には、大判感光材料Pの幅に対応すべく、大判感光材料Pが受渡部19から搬送部20に到達するまでに、一対の搬送体40,40の両方が下限に移動する。
【0055】
その後、下限に到達した搬送体40のガイド板50,50間にローラ対21,21によって大判感光材料Pが送り込まれ、大判感光材料Pの上流側の端部がガイド板50,50の切り欠き部分に位置すると、パルスモータ22の駆動を停止するとともに、把持用モータ51を駆動してガイド板50開口から突起を突出させて当該大判感光材料Pを把持する。
【0056】
そして、パルスモータ22を再度正回転方向(感光材料Pの搬送に対応した回転方向)に駆動してローラ対21で大判感光材料Pを下流側に送り出すとともに、搬送体40がローラ対21の送り出し速度よりも遅い速度で上流側に向かって移動する。搬送体40が上限に到達しても、感光材料Pの下流側の端部が切断装置10より上流側に位置している場合には、受渡部19のローラ対21で感光材料Pの下流側の端部が切断装置10における感光材料Pの切断位置に位置するまで上流側へと感光材料Pを送り出した後、受渡部19のパルスモータ22の駆動を停止して(感光材料Pの搬送を停止して)、切断装置10で感光材料Pを切断する。この状態で、切断された所定長さの感光材料Pは、上流側の搬送ローラ対52と受渡部19の下流側のローラ対21との間で撓んだ状態になっている。
【0057】
その後、ガイド板50の切り欠き部内に位置した搬送ローラ対52で大判感光材料Pを圧着するとともに、ガイド板50による大判感光材料Pの把持を解除し、さらに、図4(ロ)に示す如く、パルスモータ22を逆回転方向(大判感光材料Pの搬送方向に対応した回転に対して逆回転方向)に駆動して、ワンウェイクラッチ32が回転を伝達してカム33を回転させる。
【0058】
そして、上述の如く、最大の曲率半径Rがローラ対21間の軸間距離Dより長く設定されたカム33の外周面が他方のローラ体25bの回転軸23を押圧し、該押圧力の分力がカム33の回転により他方のローラ体25bを付勢したコイルバネ38のバネ力よりも徐々に大きくなり、他方のローラ体25bを一方のローラ体25aに対して離間方向に移動させ、ローラ対21の圧着が解除される。
【0059】
その後、搬送ローラ対52で圧着された大判感光材料Pが、露光処理装置11の露光領域に順次送り込まれて露光処理が施される。なお、大判感光材料Pにおける上流側の端部が露光用搬送ローラ対15aによって圧着された後に、搬送ローラ対52の圧着は解除される。このようにすることで、上流側の端部が露光領域に到達して露光が開始されても、ローラ対21の回転による振動や、露光処理装置11の搬送速度とローラ対21の搬送速度との速度差が生じず、該大判感光材料Pの露光に悪影響を及ぼすのを防止することができる。
【0060】
なお、該搬送装置12は、幅の狭い感光材料が収納された一方のマガジン9aが選択された場合であっても、感光材料Pにおける搬送方向の長さが、受渡部19の下流側のローラ対21と露光処理装置11の上流側に配置された搬送ローラ52との間隔より長い長さ(例えば、パノラマサイズに対応した長さ)に設定された場合には、他方のマガジン9b(幅の広い感光材料)が選択され、且つ感光材料Pにおける搬送方向の長さが、受渡部19の下流側のローラ対21と露光処理装置11の上流側に配置された搬送ローラ52との間隔より長い長さのプリントサイズに設定された場合と同様に動作する。
【0061】
図2に戻り、前記現像処理部3は、複数の槽からなる現像処理槽53と、該現像処理槽53を通過した感光材料Pを乾燥させる乾燥装置54とを備えている。
【0062】
前記現像処理槽53における複数の槽のそれぞれには、現像液が入れられており、露光処理部2にて露光処理が施された小判感光材料P及び大判感光材料Pは、各槽の現像液への浸漬と現像液からに引き上げが繰り返されて、乾燥装置54へと搬送されて乾燥処理が行われ、現像液の浸漬による感光材料の濡れが乾燥される。なお、小判感光材料Pにおける現像処理部3での処理は、露光処理前に搬送装置12により並列配置された状態を維持したまま行われる。
【0063】
前記仕分部4は、傾動可能な板材からなる仕分板55を備えており、該仕分板55を傾動させることで感光材料Pの搬送方向を切り替え、小判感光材料Pと大判感光材料Pとを仕分けるように構成されている。また、仕分部4は、仕分板55で仕分けられた小判感光材料Pを搬送するコンベア56と、該コンベア56によって搬送されてくる小判感光材料Pをオーダー毎に仕分ける仕分装置57を備えている(図1参照)。
【0064】
前記仕分装置57は、上下方向に移動可能に配設された複数のトレー58を備えており、該トレー58が上下方向に移動することで、コンベア56によって搬送されてくる小判感光材料Pを各トレー58へオーダー毎に振り分けるように構成されている。
【0065】
上記構成の写真処理装置によれば、露光処理に悪影響を及ぼす可能性のある受渡部19のローラ対21の圧着を解除する圧着解除機構26を設けたので、露光処理装置11により感光材料Pを露光する際、特に露光領域とローラ対21とに跨る長さを有する大判感光材料Pを露光する際に、ローラ対21の圧着を解除することができ、露光処理中の大判感光材料Pにローラ対21の回転等による振動や、露光処理装置11の搬送速度とローラ対21の搬送速度との速度差等による、露光処理中の感光材料Pの対する露光のぶれ(露光処理を阻害すること)を防止することができる。
【0066】
その上、圧着解除機構26が、感光材料Pの搬送方向に対応する回転に対して逆回転方向の回転を伝達するワンウェイクラッチ32により構成されるとともに、該ワンウェイクラッチ32には、他方のローラ体25bを一方のローラ体25aから離間させるように、逆回転方向の回転力を他方のローラ体25bに作用させるカム33が設けられているので、一つのパルスモータ22(駆動源)で、感光材料Pを搬送するローラ対21の回転駆動、及び当該ローラ対21の圧着の解除の駆動を行うことができる。
【0067】
したがって、ローラ対21の圧着解除専用の駆動源、及び該駆動源からの回転でローラ体25a,25bを離間させる部材を別途設ける必要がなく、部品点数の削減、及びコスト削減することができる。また、上述の如く、一方のローラ体25aの回転軸に設けたワンウェイクラッチ32によりローラ対21の圧着の解除を行うようにして駆動源及び部品の削減が可能となったため、搬送装置12(写真処理装置)を小型化することができる。
【0068】
また、平面視略楕円状のカム33で他方のローラ体25bを押圧して、ローラ対21の圧着を解除するようにしたので、他方のローラ体25bの回転軸23に接触するカム33の外周形状により、他方のローラ体25bの回転軸23を徐々に押圧(圧着)、或いは徐々に押圧(圧着)を解除することでき、ローラ対21の圧着、及び該圧着の解除を行う際に衝撃が発生するのを防止することができる。したがって、走査露光は小さな振動でも悪影響がでるが、上述のように衝撃が発生するのを防止することができるので、正確且つ円滑な露光処理を行うことができる。
【0069】
また、ローラ対21を圧着させる付勢手段をコイルバネ38により構成し、該コイルバネ38のバネ力(付勢力)を他方のローラ体25bを軸支した軸受36に加えるようにしたので、他方のローラ体25bを円滑に回転させることは勿論のこと、他方のローラ体25bを効率よく一方のローラ体に当接させ、ローラ対21を圧着させることができる。
【0070】
尚、本発明の写真処理装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0071】
本実施形態において、搬送系である搬送装置12を受渡部19と搬送部20とで構成したが、露光処理装置11に向けて感光材料Pを搬送する搬送系は、搬送部20を備えたものに限定されるものではなく、受渡部19と同一の構成を有するもの、すなわち搬送部20に代えてローラ対21を、当該受渡部19と露光処理装置11との間に所定間隔を有して複数設けたものであってもよい。このようにローラ対21が配置された場合も、本実施形態と同一の圧着解除機構26を設けることは勿論のことであり、駆動源からの駆動を無端ベルトを介して各ローラ対21に伝達するようにすれば、一つ或いは少数の駆動源でローラ対の駆動、及びローラ対の圧着の解除を行うことができる。
【0072】
本実施形態において、ワンウェイクラッチ32に押圧体としての平面視楕円状のカム33を固着したが、押圧体は、平面視楕円状のカム33に限定されるものではなく、ローラ対21の軸間距離Dよりも長い長さを有する棒体等であってもよい。この場合、棒体をワンウェイクラッチ32に固着し、逆回転方向の回転力を棒体(押圧体)を介して他方のローラ体25に付勢するように構成するとともに、他方のローラ体25を該回転力に対応した方向に移動できるようにすればよい。このようにすれば、感光材料Pを搬送すべくパルスモータ22を正回転方向に駆動すると、ワンウェイクラッチ32が当該正回転方向の回転を伝達せず、棒体からなる押圧体は、フリーな状態となるため、コイルバネ38の付勢力により他方のローラ体25bが一方のローラ体25a側に移動してローラ対21を圧着させることができる。
【0073】
また、本実施形態において、他方のローラ体25bを一方のローラ体25aから離間させるべく、カム33で他方のローラ体25bの回転軸23を直接押圧するようにしたが、カム33(押圧体)で他方のローラ体25bを直接押圧(作用)させるものに限定されるものではなく、例えば、他方のローラ体25bの回転軸23を軸支した軸受36や、該軸受36に別途設けた受圧部材を等を押圧してもよい。すなわち、ワンウェイクラッチ32からの逆回転方向の回転力を間接的に他方のローラ体25bに伝達してもよい。
【0074】
本実施形態において、他方のローラ体25bを円滑に一方のローラ体25aから離間させるべく、フレーム27に真っ直ぐな長穴37を形成したが、該長穴37は、真っ直ぐに形成されたものに限定されるものではなく、一端が他端に比して一方のローラ体25aから離間し、且つ一方のローラ体25a側に凹状をなした円弧状の長穴であってもよい。このようにすれば、カム33が他方のローラ体25bの回転軸23を上方、或いは下方から押圧した際に、他方のローラ体25に大きな押圧力が生じなくても、他方のローラ体15bを一方のローラ体15aから離間させることができ、ローラ対21の圧着の解除を円滑に行うことができる。すなわち、本実施形態におけるフレーム27の長穴37をカム33の回転力が作用し易い方向に形成すればよい。
【0075】
本実施形態において、ローラ対21を圧着させる付勢手段としてコイルバネ38を設けたが、付勢手段は、コイルバネ38に限定されるものではなく、例えば、ねじりコイルバネで他方のローラ体25bを一方のローラ体25bに向けて付勢したり、ローラ対21の各回転軸23,23に所定の弾性を有する無端のゴムベルトを掛け渡したりしてもよい。
【0076】
【発明の効果】
以上の如く、本発明の効果として、ローラを回転駆動させる駆動源の回転のうち、感光材料を搬送する際のローラの回転方向に対して逆回転方向の回転のみを伝達する回転伝達機構を設け、該回転伝達機構から伝達される逆回転方向の回転力でローラ対を相対的に離間させるようにしたので、一つの駆動源で感光材料を搬送するローラ対の回転駆動、及び該ローラ対の圧着の解除を行うことができる。また、圧着解除用の駆動源等の部品を必要としないため、部品コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる写真処理装置の全体斜視図を示す。
【図2】同実施形態にかかる写真処理装置の全体概略構成図を示す。
【図3】同実施形態にかかる搬送装置の全体斜視図を示す。
【図4】同実施形態にかかる受渡部におけるローラ対の状態を説明する説明図であって、(イ)は、ローラ対が感光材料を搬送している状態を示し、(ロ)は、他方のローラ体が一方のローラ体のカムにより押圧され、ローラ対の圧着が解除された状態を示す。
【符号の説明】
1…操作部、2…露光処理部、3…現像処理部、4…仕分部、5…モニター、6…入力装置、7…読込装置、8…演算処理装置(CPU)、9a,9b…マガジン、10…切断装置、11…露光処理装置、12…搬送装置(搬送系)、13…カッター、14…露光ヘッド、15a,15b…露光用搬送ローラ対、16…光源、17…光ファイバー束、18…光シャッター、19…受渡部、20…搬送部、21…ローラ対、22…パルスモータ(駆動源)、23…回転軸、24…ゴムローラ、25a,25b…ローラ体、26…圧着解除機構、27…フレーム、28…軸受、29,30…歯付プーリー、31…無端ベルト、32…ワンウェイクラッチ(回転伝達機構)、33…カム(押圧体)、34…内輪、35…外輪、36…軸受、37…長穴、38…コイルバネ(圧縮バネ:付勢手段)、39…レール、40…搬送体、41…昇降体、42…横レール、43…横方向移動体、44…横移動用モータ、45…プーリー、46…無端ベルト、47…プーリー、48…昇降用モータ、49…無端ベルト、50…ガイド板、51…把持用モータ、52…搬送ローラ対、53…現像処理槽、54…乾燥装置、55…仕分板、56…コンベア、57…仕分装置、58…トレー
本発明は、画像情報に基づいて露光した感光材料を現像して当該感光材料に画像を形成する写真処理装置に関する。
【0001】
【従来の技術】
従来から画像データを基に感光材料に露光処理を施し、その後に該感光材料に現像処理を施して当該感光材料に画像を形成するデジタルプリント方式を採用した写真処理装置が周知である。
【0002】
デジタルプリント方式の露光処理装置は、PLZT素子からなる光シャッターを介して光源の光を感光材料に照射させるものや、レーザー発光素子から発せられるレーザー光を感光材料に照射するものがあるが、これらの露光処理装置の何れもが、感光材料を所定速度で搬送させつつ、画像データを基に感光材料の搬送方向に対して直交方向のライン状に露光を順次行う、いわゆる、走査露光方式が採用されている。
【0003】
該露光処理装置は、感光材料を搬送させつつ露光処理すべく、感光材料にライン状の露光を行う露光領域に対して上流側、及び下流側のそれぞれに、所定速度で感光材料を搬送する露光用搬送ローラ対が設けられており、該露光処理装置の上流側には、当該露光処理装置に向けて感光材料を搬送するローラ対が設けられている。該上流側のローラ対は、露光処理装置の処理速度と、露光処理装置に向けて搬送する感光材料の搬送速度とを対応させるべく、露光用搬送ローラ対の駆動源とは別の回転速度の制御が可能な駆動源(パルスモータ)で駆動されるように構成されている。
【0004】
ところで、上記構成の露光処理装置で、搬送方向の長さが露光処理装置の露光用搬送ローラ対と上流側のローラ対との間隔より長い感光材料を露光処理すると、該感光材料は、露光処理装置の上流側の露光用搬送ローラ対、及び該露光処理装置の上流側に配置されたローラ対の両方により搬送された状態で露光処理されることになる。
【0005】
この場合、露光用搬送ローラ対の駆動系と上流側のローラ対の駆動系との回転駆動誤差が生じたり、露光用搬送ローラ対及び上流側のローラ対の少なくとも何れか一方に、搬送すべく感光材料に対して滑りが生じたりすると、露光用搬送ローラ対と上流側のローラ対との間で搬送速度差が生じ、露光中の感光材料に引っ張り作用が生じる場合がある。そのため、感光材料に対する引っ張りや、引っ張り状態にある感光材料に上流側のローラ対の回転による振動が、露光処理中の感光材料に伝達されてしまい、露光処理に悪影響を与えてしまう場合がある。すなわち、走査露光は、感光材料を一定速度で搬送し且つ感光材料の乳剤面を露光における焦点位置に維持させた状態で行わなければならないが、感光材料に引っ張りが生じたり、振動が伝達したりすると、焦点位置がずれて画像がぶれた状態で感光材料に形成されてしまう。
【0006】
そこで、写真処理装置は、露光中の感光材料をローラ対が露光領域に向けて強制的に送り込んだり、露光中の感光材料に引っ張りや振動が作用したりしないように、感光材料がライン状に露光される露光領域に到達する前(感光材料が露光処理装置における上流側の露光用搬送ローラ対間に到達した際)に、ローラ対の感光材料に対する圧着を解除する圧着解除機構を備えている。
【0007】
かかる圧着解除機構は、当該圧着解除機構を動作させるDCモータと、前記DCモータ等を搭載したフレームに長手方向の中間部が枢着されるとともに、ローラ対のうちの一方のローラの回転軸を一端部で軸支した棒状の圧着解除アームと、前記DCモータに接続され、圧着解除アームの他端部を押圧して圧着解除アームを傾動させるカムとを備えている。
【0008】
かかるローラ対の圧着を解除するには、感光材料が露光処理装置の露光用搬送ローラ対間に到達した際に、DCモータを駆動してカムを所定角度(微小な回転角度)だけ回転させる。こうすることで、前記カムにより圧着解除アームの他端部が押圧され、圧着解除アームが傾動するため、一方のローラが他方のローラから離間し、ローラ対による感光材料の圧着が解除される。
【0009】
したがって、露光処理する感光材料が、搬送方向の長さが露光処理装置の露光用搬送ローラ対と上流側のローラ対との間隔より長いものであっても、該感光材料が露光処理装置に送り込まれて露光処理される際には、露光用搬送ローラ対のみにより搬送されるので、上流側のローラ対による感光材料への振動等の伝達が防止され、感光材料を露光処理装置で円滑に露光処理することができ、鮮明な画像を感光材料に形成することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ローラ対による感光材料の搬送、及び当該ローラ対の圧着の解除を行うには、前述の如く、ローラ対を回転させるパルスモータ、及びローラ対の圧着を解除するDCモータの二つの駆動源を設けなければならない。このため、上記構成のローラ対及び圧着解除機構で搬送系を構成した場合には、多くのモータが必要となり、その上、各モータからの駆動を伝達する部品の点数が多くなる。したがって、従来の写真処理装置は、感光材料を搬送するための多くのモータ及び部品を必要とするため、コスト的に不経済であった。また、上述の如く、多くのモータ、及び部品を配置しなければならないため、搬送系、引いては写真処理装置が大型化してしまうといった問題があった。
【0011】
さらに、ローラ対の圧着、及び圧着の解除を行う際に、カムを微小な回転角度で回転させて行うため、ローラ対の圧着解除用のDCモータのブラシ等の焼き付きが発生し、DCモータの寿命が短命になる場合があった。これを改善すべく、微小な回転角度で制御しても短命とならないパルスモータを採用しても、該パルスモータは、高価であるため、部品コストが高騰してしまう。
【0012】
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、部品コストの高騰を押さえ、且つ露光処理装置に向けて感光材料を搬送するローラ対の円滑な駆動を確保するとともに、ローラ対を駆動する駆動源で該ローラ対の圧着解除を行うことができる搬送系を備えた写真処理装置を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明 にかかる写真処理装置は、請求項1に記載の如く、搬送中のシート状をなす感光材料を順次露光する露光処理装置に向けて搬送する搬送系を備え、該搬送系が、上流側から搬送されてきた感光材料を両面から圧着し、且つ所定方向に回転して圧着した感光材料を露光処理装置に向けて送り出すローラ対と、該ローラ対の少なくとも何れか一方のローラを回転駆動させる駆動源と、前記ローラ対の圧着を解除する圧着解除機構とを備えた写真処理装置において、前記圧着解除機構が、前記駆動源に接続されて前記所定方向の回転に対して逆回転方向の回転のみを伝達する回転伝達機構により構成され、しかもローラ対を相対的に離間させるべく、回転伝達機構が逆回転方向の回転力を他方のローラに作用させるように構成されてなること特徴とする。なお、回転伝達機構における駆動源との接続は、駆動源に直接接続される場合や、ローラを介して接続される場合を含むものである。また、回転力を作用させるとは、回転力を他方のローラに直接的に作用させる場合や、間接的に作用させる場合等を含むものである。さらに、圧着とは、ローラ対で感光材料を挟持する以外に、ローラ対のローラ同士が当接することも含む概念である。
【0014】
上記構成の写真処理装置によれば、露光中の感光材料に振動等の悪影響を与えるのを防止すべく、ローラ対の圧着を解除する際に、駆動源の回転を逆回転方向にすれば、回転伝達機構が逆回転方向の回転力を他方のローラに作用させて他方のローラを一方のローラから離間させてローラ対の圧着を解除することができ、露光処理装置で搬送されつつ露光処理される感光材料に振動などが伝達されず、正確且つ円滑な露光処理を行うことができる。
【0015】
したがって、上述のように感光材料を搬送するローラ対の回転駆動と、ローラ対の圧着を解除する圧着解除機構の駆動とを一つの駆動源から得ることができ、従来のようなローラ対の圧着解除専用の駆動源を必要としない。これに伴って、生産コストを削減することができ、しかも従来の駆動源の設置していたスペースをなくすことができ、写真処理装置をコンパクトにすることができる。
【0016】
また、請求項2記載の如く、前記回転伝達機構は、前記逆回転方向の回転により、他方のローラを一方のローラに対して離間方向に押圧する押圧体を備えてもよい。なお、離間方向に押圧とは、該押圧による押圧力がローラ対の離間方向(軸間方向)に直接作用する以外に、他方のローラを押圧した押圧力の分力がローラ対の離間方向に作用することも含むもの含むものである。このようにすれば、逆回転方向の回転力を、押圧体を介して他方のローラに作用させることができ、ローラ対を円滑に離間(圧着解除)させることができる。
【0017】
さらに、請求項3記載の如く、前記押圧体が、前記回転伝達機構の回転軸心と同一回転軸を有する偏心カムからなれば、駆動源が逆回転方向の回転し、偏心カムにおける回転中心から外周面までの距離(曲率半径)が、ローラ対の軸間距離より長くなる位置の外周面で他方のローラを押圧した際に、該偏心カムの外周面における曲率半径の変化に対応して、ローラ対が徐々に離間して圧着が解除される。
【0018】
また、この状態でさらに駆動源を同方向(前記逆回転方向)に回転させることで、他方のローラを押圧した偏心カムの外周面と回転軸心との距離が徐々に短くなるので、付勢手段で付勢されたローラ対が再度圧着するようになる。したがって、ローラ対の圧着の解除又は圧着させる際に、ローラ同士が衝撃を有して離間或いは当接することがなく、振動等に敏感な露光処理に悪影響を与えるのを防止することができる。
【0019】
また、請求項4記載の如く、前記搬送系は、ローラ対を圧着させるように、少なくとも何れか一方のローラを他方のローラに向けて付勢する付勢手段を更に備えてもよい。このようにすれば、ローラ対の圧着が解除された状態から、駆動源の回転を感光材料を搬送方向に対応した回転方向に切り替えると、回転伝達機構は、当該回転を伝達しない状態(フリー状態)となるので、押圧体による他方のローラへの押圧が解除され、付勢手段の付勢力により他方のローラが一方のローラに向けて付勢され、ローラ対を再度圧着することができる。
【0020】
また、請求項5記載の如く、前記付勢手段が、弾性体からなり、該弾性体の弾性力によってローラ対が圧着するように、前記弾性力をローラ対間に相対的に作用させるようにすれば、簡易な構成でローラ対を圧着させることができる。
【0021】
また、請求項6記載の如く、前記弾性体が、他方のローラを一方のローラに向けて付勢する圧縮バネからなれば、大きな付勢力を得ることができるので、感光材料を搬送する際に、ローラ対は感光材料を確実に圧着することができ、ローラと感光材料との間で滑りが生じにくくなり、円滑に感光材料を搬送することができる。また、上述のように大きな付勢力を得ることができるので、回転伝達機構が他方のローラに作用させていた回転力を取り除くと、ローラ対が、該回転力が取り除かれる状態に追従するようにローラ対を迅速に圧着することができる。すなわち、大きな処理能力を要望される写真処理装置にあっては、ローラ対の圧着、及び圧着解除に要する時間が、処理能力に大きく影響するが、ローラ対に大きな付勢力を与えることで、ローラ対の圧着等を迅速に行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態にかかる写真処理装置ついて図面を参酌しつつ説明する。
【0023】
本実施形態にかかる写真処理装置は、図1及び図2に示す如く、当該写真処理装置の操作を行う操作部1と、感光材料に露光処理を施す露光処理部2と、露光処理部2で露光処理が施された感光材料Pに現像処理を施す現像処理部3と、現像処理部3で現像処理が施された感光材料をオーダー毎、或いはサイズ毎に仕分ける仕分部4とで構成されている。
【0024】
前記操作部1は、各処理の処理状況や操作案内等を表示するモニター5と、該モニター5の表示に基づきキー入力を行う入力装置6と、CD−ROMやメモリーカード等のメディアから画像データを読み込む読込装置7と、入力装置6からの入力データや、読込装置7で読み込んだ画像データを適宜演算処理し、露光処理部2の動作等を制御する演算処理装置8(以下、CPUという)とを備えている。
【0025】
前記露光処理部2は、長尺な感光材料を収納する一対のマガジン9a,9bと、該マガジン9a,9bから引き出された感光材料Pを所定の長さで切断する切断装置10と、該切断装置10により切断された感光材料Pを露光処理する露光処理装置11と、前記切断装置10により切断された感光材料Pを前記露光処理装置11に向けて搬送する搬送系である搬送装置12とで構成され、各装置間には、搬送方向に所定間隔を有して配置された回転可能な搬送用ローラ対が配置されており、当該搬送用ローラ対で感光材料を圧着して各装置間における感光材料の搬送を行うように構成されている。なお、一対のマガジン9a,9bそれぞれには、幅の等しい同サイズの感光材料が収納される場合と、幅の異なる二種類の感光材料のそれぞれが収納される場合があるが、本実施形態においては、幅の異なる二種類の感光材料のそれぞれが一対のマガジン9a,9bに収納される場合を例に挙げて説明する。
【0026】
前記一対のマガジン9a,9bのうち、露光処理部2内の下部で横方向に併設されている。一方のマガジン9aには、幅の狭い感光材料Pがロール状にされて回転可能に収納され、他方のマガジン9bには、幅の広い(例えば幅の狭い感光材料Pの略二倍、又は略三倍の幅の)感光材料Pがロール状にされて回転可能の収納されている。
【0027】
前記切断装置10は、露光処理部2内の下部に配置された前記一対のマガジン9a,9b間に位置して、前記一対のマガジン9a,9bのそれぞれの下流側に設けられており、マガジン9a,9bから引き出された感光材料Pを切断すべく、互いに接離する一対のカッター13を備えている。該一対のカッター13は、一対のマガジン9a,9bの何れか一方から感光材料Pが引き出された際に、所望するプリントサイズに対応するように、引き出した感光材料Pの幅を考慮して該感光材料Pを所定長さに切断し、プリント用の感光材料Pを作成し得るように構成されている。
【0028】
前記露光処理装置11は、露光処理部2内の上部に設けられており、搬送中の感光材料Pの乳剤面を露光する露光ヘッド14と、該露光ヘッド14が感光材料Pの乳剤面を露光する露光領域を挟んで感光材料Pの搬送方向の上流側及び下流側(上下方向)のそれぞれに設けられた露光用搬送ローラ対15a,15b(一対の露光用搬送ローラ)とで構成されている。
【0029】
前記露光ヘッド14は、ハロゲンランプ等からなる光源16と、該光源16に光ファイバー束17を介して接続された光シャッター18とで構成されており、該光シャッター18は、感光材料Pの搬送方向と直交したライン状をなし、搬送される感光材料Pの乳剤面と対向するように設けられている。
【0030】
前記光シャッター18は、チタン酸ジルコン酸鉛にランタンを添加することにより得られる透光性電圧セラミックス、いわゆるPLZTで構成されており、該PLZTは、所定レベルの電圧が印加されると光を透過させ得る状態となる一方、電圧の印加が停止されると光を遮断する性質を有している。つまり、光シャッター18は、画像データ読み込まれた画像データを基に基づいて、操作部1のCPU8から電圧の印加、及び印加の停止が指示され、光源16からの光の透過及び遮断が制御されて感光材料PにRGB各色の光を照射して露光し得るように構成されている。
【0031】
前記露光用搬送ローラ対15a,15bのそれぞれは、露光中の感光材料Pを圧着した状態で下流側(現像処理部3)に向けて搬送するように構成されている。また、前記露光用搬送ローラ対15a,15bは、圧着状態を解除し得る構成、すなわち、露光用搬送ローラ対15a,15bが相対的に離間するように構成されている。このように構成された上流側の露光用搬送ローラ対15aは、露光中の感光材料Pに搬送方向の露光ぶれ(走査方向の露光ムラ)が生じるのを防止すべく、露光用搬送ローラ対15aの各露光用搬送ローラを回転させたまま、圧着を解除した状態で感光材料Pが送り込まれるまで待機し、搬送装置12によって搬送されてくる感光材料Pが露光用搬送ローラ対15a間に送り込まれた後に、感光材料Pを圧着して下流側(光シャッター18と対向する露光領域)に向けて搬送するように構成されている。なお、本実施形態において圧着とは、露光用搬送ローラ対15a,15bを構成する露光用搬送ローラ(後述する受渡部のローラ対にあっては、該ローラ対を構成するローラ体)同士で感光材料を挟持する以外に、ローラ同士を当接させることも含む概念である。
【0032】
また、該上流側の露光用搬送ローラ対15aは、感光材料Pにおける下流側の端部が、上流側の露光用搬送ローラ対15aから外れる際には、感光材料Pの上流側の部分が露光領域に位置しているので、感光材料Pの下流側の端部が上流側の露光用搬送ローラ対15aから外れる際の衝撃で露光処理に悪影響を与えないように、圧着を解除するように構成されている。
【0033】
一方、下流側の露光用搬送ローラ対15bは、上流側の露光用搬送ローラ対15aと同様に、上流側の露光用搬送ローラ対15aで搬送されつつ露光処理されている感光材料Pに衝撃を与えないように、露光用搬送ローラ対15bの各露光用搬送ローラを回転させたままで圧着を解除した状態で待機し、露光領域から下流に向けて搬送されてくる感光材料Pが露光用搬送ローラ対15b間に送り込まれた後に、感光材料Pを圧着して搬送するように構成されている。
【0034】
前記搬送装置12は、図3に示す如く、前記切断装置10の下流側(上方)に設けられており、上流側の切断装置10から搬送されてきた感光材料Pを受け取り、下流側に当該感光材料Pを送り出す受渡部19と、該受渡部19から送り出された感光材料Pを露光処理装置11に搬送する搬送部20とで構成されている。
【0035】
前記受渡部19は、感光材料Pの搬送方向(写真処理装置の上下方向)に配置された二組のローラ対21,21と、該ローラ対21を回転駆動する駆動源であるパルスモータ22とを備えている。なお、二組のローラ対21,21のそれぞれは同一構成を有している。
【0036】
前記ローラ対21は、回転軸23の周りにゴムローラ24が設けられた一対のローラであるローラ体25a,25bで構成されており、一方のローラ体25aの回転軸23には、感光材料Pの搬送方向に対応した回転方向に対して逆回転方向の回転を伝達し、ローラ対21,21の圧着を解除する圧着解除機構26が設けられている。
【0037】
前記一方のローラ体25aは、該搬送装置12の骨組みを形成するフレーム27に両端部近傍が軸受28を介して枢着されている。なお、ローラ体25aの一端部は、フレーム27から外部に延出しており、該一端部には、歯付プーリー29が取り付けられている。該ローラ体25aは、前記歯付プーリー29と、上述したパルスモータ22の駆動軸に取り付けられた駆動用の歯付プーリー30とに無端ベルト31が掛け渡されることにより、正逆転駆動可能になっている。
【0038】
前記圧着解除機構26は、一方向の回転のみを伝達する前記回転伝達機構であるワンウェイクラッチ32により構成されており、該ワンウェイクラッチ32には、押圧体であるカム33が固着されている。
【0039】
前記ワンウェイクラッチ32は、ローラ体25aの回転軸23に嵌着された内輪34(図4参照)と、一方の回転(ローラ体25aが感光材料を搬送する際の回転方向に対して逆回転方向の回転)のみを伝達するラチェット機構(図示せず)を介して、前記内輪34に外嵌された外輪35(図4参照)とで構成されている。
【0040】
前記カム33は、前記ワンウェイクラッチ32(ローラ体25a)の回転軸心と同軸の偏心カムである。該カム33は、側面視楕円状をなした板材であり、外周の一カ所で、ローラ対21の軸心間距離D(図4参照)より長い最大の曲率半径R(図4参照)を有するように、長軸方向の一方側に偏った位置に中心位置(回転軸心)が設定されている。
【0041】
前記他方のローラ体25bは、両端部に軸受36が取り付けられており、該軸受36は、フレーム27に形成された長穴37内に移動可能に取り付けられている。前記長穴37は、感光材料Pの搬送方向に対して直交方向(一方のローラ体25aに対して離間する方向)に形成されている。また、該長穴37には、前記軸受36(他方のローラ体25b)を一方のローラ体25aに向けて付勢する付勢手段である圧縮バネ38(以下、コイルバネという)が内装されている。
【0042】
前記搬送部20は、上下方向に配されて前記フレーム27に固定された一対のレール39と、該レール39に沿って移動する一対の搬送体40とで構成されている。
【0043】
前記搬送体40は、前記レール39に摺動可能に取り付けられた昇降体41と、該昇降体41に形成された感光材料Pの搬送方向に対して直交方向の横レール42に、摺動可能に取り付けられた横方向移動体43とで構成されている。
【0044】
前記昇降体41は、横方向移動体43を移動させる横移動用モータ44を備えており、該横移動用モータ44の駆動軸にはプーリー45が固着されている。また、昇降体41には、前記プーリー45と横方向移動体43の移動方向に所定間隔を有して別のプーリー(図示せず)が枢着されており、該プーリーと横移動用モータ44のプーリー45とに無端ベルト46が掛け渡され、該無端ベルト46の一部に横方向移動体43が接続されている。つまり、横移動用モータ44を駆動すると、無端ベルト46の回転により、横方向移動体43が横レール42に沿って移動するようになっている。
【0045】
このように構成された昇降体41は、フレーム27の上部に枢着されたプーリー47と、フレーム27の下部に設けられた昇降用モータ48の駆動軸に固着されたプーリー(図示せず)に掛け渡された無端ベルト49の一部に接続されている。したがって、昇降用モータ48を駆動すると、無端ベルト49の回転により昇降体41(搬送体40)がレール39に沿って昇降することになる。
【0046】
前記横方向移動体43は、受渡部19から送り出された感光材料Pをガイドすべく、所定間隔を有して対向配置された一対のガイド板50,50を備えている。前記一対のガイド板50,50のうちの一方には、開口(図示せず)が形成されており、該開口から突出て他方のガイド板50とともに感光材料Pを把持する突起(図示せず)及び該突起を出退させるカム機構(図示せず)に接続された把持用モータ51が設けられている。
【0047】
前記一対のガイド板50、50の上端部には、露光処理装置11に隣接して上流側に配置された搬送ローラ対52(図2参照)の軸方向の外周形状に対応するように、所定形状の切り欠きが形成されている。つまり、搬送体40が上限に位置した際に、該搬送ローラ対52間とガイド板50,50間とが対応した状態で、前記搬送ローラ対52が、ガイド板50の切り欠き部内に位置するように構成されている。
【0048】
上記構成の搬送装置12は、以下のように動作する。一方のマガジン9a(幅の狭い感光材料P)が選択され、且つ感光材料Pにおける搬送方向の長さが、受渡部19の下流側のローラ対21と露光処理装置11の上流側に配置された搬送ローラ52との間隔より短い長さのプリントサイズ(例えば、サービスサイズ)に設定された場合には、一方のマガジン9aから引き出された感光材料Pが切断装置10によってプリントサイズに対応した所定長さ(受渡部19の下流側のローラ対21と露光処理装置11の上流側に配置された搬送ローラ52との間隔より短い長さ)に切断され(以下、切断された感光材料を小判感光材料という)、上方に向けて搬送されてきた小判感光材料Pを、一対のレール39,39の略中間位置に対応させるように、受渡部19の一対のローラ対21によって搬送部20に向けて搬送する。
【0049】
この際、パルスモータ22が、無端ベルト31を介して小判感光材料Pの搬送方向に対応させてローラ体25aを回転させる一方、ローラ体25aの回転軸23に取り付けられたカム33は、ワンウェイクラッチ32により回転が断絶されてフリーな状態となっている。これにより、ローラ対21は、コイルバネ38の付勢により、小判感光材料Pを圧着した状態で搬送している(図4(イ)参照)。なお、後続の感光材料が小判感光材料Pである場合には、小判感光材料Pが受渡部19から搬送部20に到達するまでに、一方の搬送体40が、ガイド板50を一対のレール39,39の略中間位置に位置させるように、横方向移動体43を移動させつつ下限に移動し、後続の感光材料が後述する大判感光材料Pである場合には、大判感光材料Pの幅に対応すべく、大判感光材料Pが受渡部19から搬送部20に到達するまでに、一対の搬送体40,40の両方が、下限に移動する。
【0050】
そして、下限に到達した搬送体40のガイド板50,50間にローラ対21,21によって小判感光材料Pが送り込まれ、小判感光材料Pの上流側の端部がガイド板50,50の切り欠き部分に位置すると、パルスモータ22の駆動を停止するとともに、把持用モータ51を駆動してガイド板50開口から突起を突出させて当該小判感光材料Pを把持する。
【0051】
その後、搬送体40は、小判感光材料Pの上流側の端部が、受渡部19における下流側のローラ対21から離脱するまで下流側(上方)に移動した後に、順次搬送されてくる小判感光材料Pを露光処理装置11で並列状態で搬送しながら露光処理できるように、小判感光材料Pを把持した横方向移動体43を横方向に移動させつつ、露光処理装置11に向かって移動する。この際、露光処理装置11の上流側に配置された搬送ローラ対52は、圧着を解除した状態で待機している。
【0052】
そして、搬送体40が上限に到達すると、ガイド板50の切り欠き部内に位置した搬送ローラ対52で小判感光材料Pを圧着するとともに、ガイド板50及び突起による小判感光材料Pの把持を解除し、搬送ローラ対52で圧着した小判感光材料Pを露光処理装置11の露光領域に順次送り込んで露光処理を施す。なお、小判感光材料Pが上流側の露光用搬送ローラ対15aで圧着された後に、搬送ローラ対52の圧着は解除され、当該搬送ローラ対52の回転による小判感光材料Pへの振動の伝達を防止している。
【0053】
他方のマガジン9b(幅の広い感光材料)が選択され、且つ感光材料Pにおける搬送方向の長さが、受渡部19の下流側のローラ対21と露光処理装置11の上流側に配置された搬送ローラ52との間隔より長い長さのプリントサイズ(例えば、全紙サイズ、八つ切りサイズ、四つ切りサイズ)に設定された場合には、他方のマガジン9bから引き出された感光材料Pが切断装置10によってプリントサイズに対応した所定長さ(受渡部19の下流側のローラ対21と露光処理装置11の上流側に配置された搬送ローラ52との間隔より長い長さ)に切断され(以下、切断された感光材料を大判感光材料という)、上方に向けて搬送されてきた大判感光材料Pを、一対のレール39,39の略中間位置に対応するように受渡部19の一対のローラ対21,21によって搬送部20に向けて搬送する。
【0054】
この際、パルスモータ22が、大判感光材料Pの搬送方向に対応させてローラ体25aを回転させる一方、ローラ体25aの回転軸23に取り付けられたカム33は、ワンウェイクラッチ32により回転が断絶されてフリーな状態となっている。これにより、ローラ対21は、コイルバネ38の付勢により、大判感光材料Pを圧着した状態で搬送している(図4(イ)参照)。なお、後続の感光材料が小判感光材料Pである場合には、小判感光材料Pが受渡部19から搬送部20に到達するまでに、一方の搬送体40が、ガイド板50を一対のレール39,39の略中間位置に位置させるように、横方向移動体43を移動させつつ下限に移動し、後続の感光材料が後述する大判感光材料Pである場合には、大判感光材料Pの幅に対応すべく、大判感光材料Pが受渡部19から搬送部20に到達するまでに、一対の搬送体40,40の両方が下限に移動する。
【0055】
その後、下限に到達した搬送体40のガイド板50,50間にローラ対21,21によって大判感光材料Pが送り込まれ、大判感光材料Pの上流側の端部がガイド板50,50の切り欠き部分に位置すると、パルスモータ22の駆動を停止するとともに、把持用モータ51を駆動してガイド板50開口から突起を突出させて当該大判感光材料Pを把持する。
【0056】
そして、パルスモータ22を再度正回転方向(感光材料Pの搬送に対応した回転方向)に駆動してローラ対21で大判感光材料Pを下流側に送り出すとともに、搬送体40がローラ対21の送り出し速度よりも遅い速度で上流側に向かって移動する。搬送体40が上限に到達しても、感光材料Pの下流側の端部が切断装置10より上流側に位置している場合には、受渡部19のローラ対21で感光材料Pの下流側の端部が切断装置10における感光材料Pの切断位置に位置するまで上流側へと感光材料Pを送り出した後、受渡部19のパルスモータ22の駆動を停止して(感光材料Pの搬送を停止して)、切断装置10で感光材料Pを切断する。この状態で、切断された所定長さの感光材料Pは、上流側の搬送ローラ対52と受渡部19の下流側のローラ対21との間で撓んだ状態になっている。
【0057】
その後、ガイド板50の切り欠き部内に位置した搬送ローラ対52で大判感光材料Pを圧着するとともに、ガイド板50による大判感光材料Pの把持を解除し、さらに、図4(ロ)に示す如く、パルスモータ22を逆回転方向(大判感光材料Pの搬送方向に対応した回転に対して逆回転方向)に駆動して、ワンウェイクラッチ32が回転を伝達してカム33を回転させる。
【0058】
そして、上述の如く、最大の曲率半径Rがローラ対21間の軸間距離Dより長く設定されたカム33の外周面が他方のローラ体25bの回転軸23を押圧し、該押圧力の分力がカム33の回転により他方のローラ体25bを付勢したコイルバネ38のバネ力よりも徐々に大きくなり、他方のローラ体25bを一方のローラ体25aに対して離間方向に移動させ、ローラ対21の圧着が解除される。
【0059】
その後、搬送ローラ対52で圧着された大判感光材料Pが、露光処理装置11の露光領域に順次送り込まれて露光処理が施される。なお、大判感光材料Pにおける上流側の端部が露光用搬送ローラ対15aによって圧着された後に、搬送ローラ対52の圧着は解除される。このようにすることで、上流側の端部が露光領域に到達して露光が開始されても、ローラ対21の回転による振動や、露光処理装置11の搬送速度とローラ対21の搬送速度との速度差が生じず、該大判感光材料Pの露光に悪影響を及ぼすのを防止することができる。
【0060】
なお、該搬送装置12は、幅の狭い感光材料が収納された一方のマガジン9aが選択された場合であっても、感光材料Pにおける搬送方向の長さが、受渡部19の下流側のローラ対21と露光処理装置11の上流側に配置された搬送ローラ52との間隔より長い長さ(例えば、パノラマサイズに対応した長さ)に設定された場合には、他方のマガジン9b(幅の広い感光材料)が選択され、且つ感光材料Pにおける搬送方向の長さが、受渡部19の下流側のローラ対21と露光処理装置11の上流側に配置された搬送ローラ52との間隔より長い長さのプリントサイズに設定された場合と同様に動作する。
【0061】
図2に戻り、前記現像処理部3は、複数の槽からなる現像処理槽53と、該現像処理槽53を通過した感光材料Pを乾燥させる乾燥装置54とを備えている。
【0062】
前記現像処理槽53における複数の槽のそれぞれには、現像液が入れられており、露光処理部2にて露光処理が施された小判感光材料P及び大判感光材料Pは、各槽の現像液への浸漬と現像液からに引き上げが繰り返されて、乾燥装置54へと搬送されて乾燥処理が行われ、現像液の浸漬による感光材料の濡れが乾燥される。なお、小判感光材料Pにおける現像処理部3での処理は、露光処理前に搬送装置12により並列配置された状態を維持したまま行われる。
【0063】
前記仕分部4は、傾動可能な板材からなる仕分板55を備えており、該仕分板55を傾動させることで感光材料Pの搬送方向を切り替え、小判感光材料Pと大判感光材料Pとを仕分けるように構成されている。また、仕分部4は、仕分板55で仕分けられた小判感光材料Pを搬送するコンベア56と、該コンベア56によって搬送されてくる小判感光材料Pをオーダー毎に仕分ける仕分装置57を備えている(図1参照)。
【0064】
前記仕分装置57は、上下方向に移動可能に配設された複数のトレー58を備えており、該トレー58が上下方向に移動することで、コンベア56によって搬送されてくる小判感光材料Pを各トレー58へオーダー毎に振り分けるように構成されている。
【0065】
上記構成の写真処理装置によれば、露光処理に悪影響を及ぼす可能性のある受渡部19のローラ対21の圧着を解除する圧着解除機構26を設けたので、露光処理装置11により感光材料Pを露光する際、特に露光領域とローラ対21とに跨る長さを有する大判感光材料Pを露光する際に、ローラ対21の圧着を解除することができ、露光処理中の大判感光材料Pにローラ対21の回転等による振動や、露光処理装置11の搬送速度とローラ対21の搬送速度との速度差等による、露光処理中の感光材料Pの対する露光のぶれ(露光処理を阻害すること)を防止することができる。
【0066】
その上、圧着解除機構26が、感光材料Pの搬送方向に対応する回転に対して逆回転方向の回転を伝達するワンウェイクラッチ32により構成されるとともに、該ワンウェイクラッチ32には、他方のローラ体25bを一方のローラ体25aから離間させるように、逆回転方向の回転力を他方のローラ体25bに作用させるカム33が設けられているので、一つのパルスモータ22(駆動源)で、感光材料Pを搬送するローラ対21の回転駆動、及び当該ローラ対21の圧着の解除の駆動を行うことができる。
【0067】
したがって、ローラ対21の圧着解除専用の駆動源、及び該駆動源からの回転でローラ体25a,25bを離間させる部材を別途設ける必要がなく、部品点数の削減、及びコスト削減することができる。また、上述の如く、一方のローラ体25aの回転軸に設けたワンウェイクラッチ32によりローラ対21の圧着の解除を行うようにして駆動源及び部品の削減が可能となったため、搬送装置12(写真処理装置)を小型化することができる。
【0068】
また、平面視略楕円状のカム33で他方のローラ体25bを押圧して、ローラ対21の圧着を解除するようにしたので、他方のローラ体25bの回転軸23に接触するカム33の外周形状により、他方のローラ体25bの回転軸23を徐々に押圧(圧着)、或いは徐々に押圧(圧着)を解除することでき、ローラ対21の圧着、及び該圧着の解除を行う際に衝撃が発生するのを防止することができる。したがって、走査露光は小さな振動でも悪影響がでるが、上述のように衝撃が発生するのを防止することができるので、正確且つ円滑な露光処理を行うことができる。
【0069】
また、ローラ対21を圧着させる付勢手段をコイルバネ38により構成し、該コイルバネ38のバネ力(付勢力)を他方のローラ体25bを軸支した軸受36に加えるようにしたので、他方のローラ体25bを円滑に回転させることは勿論のこと、他方のローラ体25bを効率よく一方のローラ体に当接させ、ローラ対21を圧着させることができる。
【0070】
尚、本発明の写真処理装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0071】
本実施形態において、搬送系である搬送装置12を受渡部19と搬送部20とで構成したが、露光処理装置11に向けて感光材料Pを搬送する搬送系は、搬送部20を備えたものに限定されるものではなく、受渡部19と同一の構成を有するもの、すなわち搬送部20に代えてローラ対21を、当該受渡部19と露光処理装置11との間に所定間隔を有して複数設けたものであってもよい。このようにローラ対21が配置された場合も、本実施形態と同一の圧着解除機構26を設けることは勿論のことであり、駆動源からの駆動を無端ベルトを介して各ローラ対21に伝達するようにすれば、一つ或いは少数の駆動源でローラ対の駆動、及びローラ対の圧着の解除を行うことができる。
【0072】
本実施形態において、ワンウェイクラッチ32に押圧体としての平面視楕円状のカム33を固着したが、押圧体は、平面視楕円状のカム33に限定されるものではなく、ローラ対21の軸間距離Dよりも長い長さを有する棒体等であってもよい。この場合、棒体をワンウェイクラッチ32に固着し、逆回転方向の回転力を棒体(押圧体)を介して他方のローラ体25に付勢するように構成するとともに、他方のローラ体25を該回転力に対応した方向に移動できるようにすればよい。このようにすれば、感光材料Pを搬送すべくパルスモータ22を正回転方向に駆動すると、ワンウェイクラッチ32が当該正回転方向の回転を伝達せず、棒体からなる押圧体は、フリーな状態となるため、コイルバネ38の付勢力により他方のローラ体25bが一方のローラ体25a側に移動してローラ対21を圧着させることができる。
【0073】
また、本実施形態において、他方のローラ体25bを一方のローラ体25aから離間させるべく、カム33で他方のローラ体25bの回転軸23を直接押圧するようにしたが、カム33(押圧体)で他方のローラ体25bを直接押圧(作用)させるものに限定されるものではなく、例えば、他方のローラ体25bの回転軸23を軸支した軸受36や、該軸受36に別途設けた受圧部材を等を押圧してもよい。すなわち、ワンウェイクラッチ32からの逆回転方向の回転力を間接的に他方のローラ体25bに伝達してもよい。
【0074】
本実施形態において、他方のローラ体25bを円滑に一方のローラ体25aから離間させるべく、フレーム27に真っ直ぐな長穴37を形成したが、該長穴37は、真っ直ぐに形成されたものに限定されるものではなく、一端が他端に比して一方のローラ体25aから離間し、且つ一方のローラ体25a側に凹状をなした円弧状の長穴であってもよい。このようにすれば、カム33が他方のローラ体25bの回転軸23を上方、或いは下方から押圧した際に、他方のローラ体25に大きな押圧力が生じなくても、他方のローラ体15bを一方のローラ体15aから離間させることができ、ローラ対21の圧着の解除を円滑に行うことができる。すなわち、本実施形態におけるフレーム27の長穴37をカム33の回転力が作用し易い方向に形成すればよい。
【0075】
本実施形態において、ローラ対21を圧着させる付勢手段としてコイルバネ38を設けたが、付勢手段は、コイルバネ38に限定されるものではなく、例えば、ねじりコイルバネで他方のローラ体25bを一方のローラ体25bに向けて付勢したり、ローラ対21の各回転軸23,23に所定の弾性を有する無端のゴムベルトを掛け渡したりしてもよい。
【0076】
【発明の効果】
以上の如く、本発明の効果として、ローラを回転駆動させる駆動源の回転のうち、感光材料を搬送する際のローラの回転方向に対して逆回転方向の回転のみを伝達する回転伝達機構を設け、該回転伝達機構から伝達される逆回転方向の回転力でローラ対を相対的に離間させるようにしたので、一つの駆動源で感光材料を搬送するローラ対の回転駆動、及び該ローラ対の圧着の解除を行うことができる。また、圧着解除用の駆動源等の部品を必要としないため、部品コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる写真処理装置の全体斜視図を示す。
【図2】同実施形態にかかる写真処理装置の全体概略構成図を示す。
【図3】同実施形態にかかる搬送装置の全体斜視図を示す。
【図4】同実施形態にかかる受渡部におけるローラ対の状態を説明する説明図であって、(イ)は、ローラ対が感光材料を搬送している状態を示し、(ロ)は、他方のローラ体が一方のローラ体のカムにより押圧され、ローラ対の圧着が解除された状態を示す。
【符号の説明】
1…操作部、2…露光処理部、3…現像処理部、4…仕分部、5…モニター、6…入力装置、7…読込装置、8…演算処理装置(CPU)、9a,9b…マガジン、10…切断装置、11…露光処理装置、12…搬送装置(搬送系)、13…カッター、14…露光ヘッド、15a,15b…露光用搬送ローラ対、16…光源、17…光ファイバー束、18…光シャッター、19…受渡部、20…搬送部、21…ローラ対、22…パルスモータ(駆動源)、23…回転軸、24…ゴムローラ、25a,25b…ローラ体、26…圧着解除機構、27…フレーム、28…軸受、29,30…歯付プーリー、31…無端ベルト、32…ワンウェイクラッチ(回転伝達機構)、33…カム(押圧体)、34…内輪、35…外輪、36…軸受、37…長穴、38…コイルバネ(圧縮バネ:付勢手段)、39…レール、40…搬送体、41…昇降体、42…横レール、43…横方向移動体、44…横移動用モータ、45…プーリー、46…無端ベルト、47…プーリー、48…昇降用モータ、49…無端ベルト、50…ガイド板、51…把持用モータ、52…搬送ローラ対、53…現像処理槽、54…乾燥装置、55…仕分板、56…コンベア、57…仕分装置、58…トレー
Claims (6)
- 搬送中のシート状をなす感光材料を順次露光する露光処理装置に向けて搬送する搬送系を備え、該搬送系が、上流側から搬送されてきた感光材料を両面から圧着し、且つ所定方向に回転して圧着した感光材料を露光処理装置に向けて送り出すローラ対と、該ローラ対の少なくとも何れか一方のローラを回転駆動させる駆動源と、前記ローラ対の圧着を解除する圧着解除機構とを備えた写真処理装置において、前記圧着解除機構が、前記駆動源に接続されて前記所定方向の回転に対して逆回転方向の回転のみを伝達する回転伝達機構により構成され、しかもローラ対を相対的に離間させるべく、回転伝達機構が逆回転方向の回転力を他方のローラに作用させるように構成されてなること特徴とする写真処理装置。
- 前記回転伝達機構は、前記逆回転方向の回転により、他方のローラを一方のローラに対して離間方向に押圧する押圧体を備えてなる請求項1に記載の写真処理装置。
- 前記押圧体が、前記回転伝達機構の回転軸心と同一回転軸を有する偏心カムからなる請求項2記載の写真処理装置。
- 前記搬送系は、ローラ対を圧着させるように、少なくとも何れか一方のローラを他方のローラに向けて付勢する付勢手段を更に備えてなる請求項1乃至3の何れかに記載の写真処理装置。
- 前記付勢手段が、弾性体からなり、該弾性体の弾性力によってローラ対が圧着するように、前記弾性力をローラ対間に相対的に作用させてなる請求項4記載の写真処理装置。
- 前記弾性体が、他方のローラを一方のローラに向けて付勢する圧縮バネからなる請求項5記載の写真処理装置。
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