JP3922178B2 - Itoターゲットおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スパッタリング法で透明導電膜を形成する原料として用いられるITOターゲットとその製造方法に関し、特に、高密度で、スパッタリング時にノジュール発生の少なく、安定した成膜速度が得られ、しかも熱伝導率が高いので高出力でスパッタリングができるITOターゲットとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ITO膜は、透明導電膜として広く用いられており、このITO膜を形成する方法に、スパッタリング法がある。スパッタリング法では、原料にITOターゲットを用いる。
【0003】
ITOターゲットは、ITO膜をスパッタリング法で成膜するための原料であるが、酸化インジウム粉末、酸化錫粉末、あるいは必要により酸化インジウム酸化錫合成粉末を原料とし、該原料粉末を加圧成形し、焼き固める粉末焼結法によって製造される。
【0004】
酸化錫は、酸化インジウムに比べ蒸気圧が高く、焼結性が悪い。一方、酸化錫は、原料価格が酸化インジウムに比べておよそ1/10と安価であり、ITO膜の製造コストを下げるために用いられる。ITO膜の抵抗値を低くするためには、通常5〜10質量%の酸化錫を含むITOターゲットが用いられているが、抵抗値が比較的高くてよい用途には、ターゲット価格を下げる目的で、高濃度の酸化錫を含むITOターゲットが用いられる。
【0005】
しかし、酸化錫濃度が高くなるに従って、ITOターゲットの密度が低下する。このため、スパッタリング中にITOターゲット表面にノジュールの生成が起こり、成膜速度の低下、成膜パワーのばらつき、成膜速度のばらつき、アーク放電の発生などをもたらし、膜厚分布の悪化、パーティクルの生成による膜質の悪化の原因となる場合があった。
【0006】
例えば、従来技術により製造され、酸化錫が30質量%含まれるITOターゲットでは、その密度は高々6.0g/cm3であり、このITOターゲットを用いてスパッタリングを行った場合、使用末期の成膜速度は、使用初期と比べ60%以下となり、使用後にはITOターゲットの表面の50%以上がノジュールに覆われることが知られている。
【0007】
また、粉末焼結法で得られるITOターゲットは、その表面および内部に空孔が存在することが避けられない。さらに、酸化錫は、粉体原料の混合中や焼結中に凝集する傾向が強いため、得られるITOターゲットの中にも、酸化錫の大きな凝集体が生じ易い。
【0008】
これらの結果として、ITOターゲットの熱伝導率が低下し、スパッタリング中にITOターゲットの表面に加えられる熱の放散が十分にできず、ITOターゲットの割れや剥がれ、異常放電の発生が生じ、スパッタリング異常、膜質異常をもたらす原因となっていた。
【0009】
例えば、コールドプレス(冷間加圧成形)後、酸素中の加圧焼結によって作られたITOターゲットの熱伝導率は、おおよそ5〜7W/mKであり、この場合、熱放散性が劣るため、スパッタリング中に加えられるパワーを高々20W/cm2程度にしか上げることができなかった。このように低いパワーでは、成膜速度が十分に得られず、生産性の低下を招いていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解決し、高濃度の酸化錫を含むITOターゲットの密度を向上させ、スパッタリング中のノジュールの生成が避けられ、成膜速度の面内ばらつきが小さく、使用初期から使用末期まで成膜速度の変化が小さく、さらに、熱伝導率が高いことからスパッタリングパワーを高くでき、結果として高い成膜速度が得られるITOターゲットおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のITOターゲットは、組成が酸化錫20質量%を超え、かつ35質量%以下のインジウム錫酸化物であり、平均密度が6.8g/cm3以上であり、密度のばらつきが平均密度に対し、面方向および厚さ方向のそれぞれで±0.05g/cm3の範囲内にあり、熱伝導率が8.0W/mK以上である。
【0012】
または、組成が酸化錫35質量%を超えるインジウム錫酸化物であり、平均密度が6.5g/cm3以上であり、密度のばらつきが平均密度に対し、面方向および厚さ方向のそれぞれで±0.05g/cm3の範囲内にあり、熱伝導率が8.0W/mK以上である。
【0013】
前記密度のばらつきは、平均密度に対し±0.03g/cm3の範囲内にあることが望ましい。
【0014】
また、このようなITOターゲットを製造する本発明の方法は、平均粒径が0.5μm以下、好ましくは0.4μm以下で、粒径0.1μm以上0.8μm以下の粒子が85質量%以上、好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上を占める酸化インジウム粉末および/または酸化インジウム酸化錫合成粉末と、平均粒径が2.5μm以下、好ましくは2.0μm以下で、粒径7.0μm以上の粉末が10質量%以下、好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下を占める酸化錫粉末とを、所望比率で混合した原料粉末を、1000kg/cm2以上の圧力で加圧成形して成形体を得て、該成形体を常圧の酸素雰囲気中で、1000℃から1400℃まで2時間以内で昇温させ、昇温中は成形体の温度のばらつきを±20℃の範囲内とし、焼結保持温度を1400℃〜1500℃、好ましくは1400℃〜1450℃とし、焼結保持中の成形体の温度のばらつきを±10℃の範囲内として焼結する。
【0015】
加圧成形前の前記原料粉末を、平均粒径10μm以上の顆粒状に整粒することが望ましい。このため、PVAなどの成形用バインダーを加えて混合するか、あるいは原料粉末を300〜600℃空気中で仮焼結するのが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明のITOターゲットは、組成が酸化錫20〜35質量%の場合に密度が6.8g/cm3以上、あるいは組成が酸化錫35質量%を超える場合に密度が6.5g/cm3以上である。酸化錫の組成比率に応じた前記密度にそれぞれ達しないと、スパッタリング中にノジュールが発生し成膜速度の低下、成膜パワーや成膜速度のばらつき、アーク放電の発生が起こり、これらが原因でさらに、膜厚分布の悪化、膜質の低下が生じる。
【0017】
本発明のITOターゲットの熱伝導率は、8.0W/mK以上とする。熱伝導率が8.0W/mK未満では、スパッタリング中のITOターゲットの熱放散が不十分となり、ITOターゲットの割れや剥がれ、異常放電の発生が生じ、これらが原因でスパッタリング異常、膜質異常の原因となる。これらを回避するためには、スパッタリングパワーを下げなければならず、生産性が低下する。
【0018】
本発明のITOターゲットの密度のばらつきは、平均密度の±0.05g/cm3の範囲内とする。この範囲内とすることで、成膜速度がターゲット面内一定で、しかも使用初期から使用末期まで変化しなくなる。
【0019】
本発明のITOターゲットの原料粉末は、平均粒径が0.5μm以下、好ましくは0.4μm以下で、粒径0.1μm以上0.8μm以下の粒子が85質量%以上、好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上を占める酸化インジウム粉末または酸化インジウム酸化錫合成粉末と、平均粒径が2.5μm以下、好ましくは2.0μm以下で、粒径7.0μm以上の粉末が10質量%以下、好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下を占める酸化錫粉末とを、所望比率で混合する。これらの範囲を逸脱すると、所望の焼結密度、熱伝導率が得られない。
【0020】
該原料粉末を、平均粒径10μm以上の顆粒状に整粒することが望ましい。
【0021】
このことにより、後述する加圧成形時に、型へ原料粉末を充填する際の流動性がよくなる。顆粒状に整粒するためには、例えば、PVAなどの成形用バインダーを加えて混合するか、原料粉末を空気中300〜600℃で、仮焼結すればよい。
【0022】
原料粉末を、常温において、1000kg/cm2以上の圧力で加圧成形して、成形体を得る。これより小さい圧力では、所望の焼結密度、熱伝導率が得にくくなる。また、原料粉末を顆粒状に整粒した場合には、顆粒を完全に崩す以上の圧力が必要である。
【0023】
前記成形体を、常圧の酸素雰囲気中で、1000℃から1400℃まで2時間以内で昇温させ、昇温中は温度のばらつきを±20℃の範囲内とし、焼結保持温度は、1400℃〜1500℃、好ましくは1400℃〜1450℃とし、焼結保持中の成形体の温度のばらつきを±10℃の範囲内とする。
【0024】
前記酸素雰囲気とは、純酸素雰囲気、または高濃度酸素雰囲気をいう。また、焼結雰囲気の圧力は、常圧で十分である。このような焼結条件により、高く均一な密度、および高い熱伝導率を有するITOターゲットが得られる。
【0025】
【実施例】
(実施例1)
原料粉末の粒度が、平均粒径が0.35μm、粒度分布として、0.1μm以下の粉末が0.2%、0.8μm以上の粉末が4.2%、すなわち0.1μm以上0.8μm以下の粉末が95.6%の酸化インジウム粉末を70質量%、平均粒径が1.8μm、粒度分布として、7.0μm以上の粉末が2.2%の酸化錫粉末を30質量%とを混合し、成形用バインダーとしてPVAを1質量%添加したのち、30μmから50μmのサイズの粒子に整粒した顆粒を用いて、常温において、2000kg/cm2の圧力で、400mm×500mm×10mmの成形体を得た。
【0026】
得られた成形体を、常圧の酸素中で1500℃の温度に10時間保持し、焼結を行った。昇温時の成形体の温度分布は±18℃の範囲内、1500℃での保持中は成形体の温度分布が±4℃の範囲内である。2枚作成されたITOターゲットのうち、1枚を熱伝導率および密度分布の測定に、1枚をスパッタリングに供した。
【0027】
その結果、熱伝導率は9.3W/mKであった。ITOターゲット全体の密度は6.90g/cm3であり、任意の1cm四方の領域における密度は最小値が6.88g/cm3、最大値が6.95g/cm3であった。また、厚さ方向の密度のばらつきは最小値が6.86g/cm3、最大値が6.94g/cm3であった。
【0028】
スパッタリングでは、ITOターゲットをバッキングプレートに接合後、DCスパッタを行い、得られたITO膜の成膜速度、膜厚分布を使用初期と末期とで測定したところ、成膜速度は使用初期に対して使用末期では88%であった。また、基板面内の膜厚分布は±5%の範囲内であった。使用後、ITOターゲット表面を観察したところ、ノジュールの生成はごくわずかな領域で観察され、その面積は全体の2.5%のみであった。
【0029】
(実施例2)
原料粉末の粒度が、平均粒径が0.38μm、粒度分布として、0.1μm以下の粉末が2.2%、0.8μm以上の粉末が6.8%、すなわち0.1μm以上0.8μm以下の粉末が91.0%の酸化インジウム粉末を60質量%、平均粒径が2.1μm、粒度分布として、7.0μm以上の粉末が4.2%の酸化錫粉末を40質量%とを混合し、成形用バインダーとしてPVAを1質量%添加したのち、30μmから50μmのサイズの粒子に整粒した顆粒を用いて、常温において、2000kg/cm2の圧力で、400mm×500mm×10mmの成形体を得た。
【0030】
得られた成形体を、常圧の酸素中で1500℃の温度に10時間保持し、焼結を行った。昇温時の成形体の温度分布は±18℃の範囲内、1500℃での保持中は成形体の温度分布が±4℃の範囲内である。2枚作成されたITOターゲットのうち、1枚を熱伝導率および密度分布の測定に、1枚をスパッタリングに供した。
【0031】
その結果、熱伝導率は8.9W/mKであった。ITOターゲット全体の密度は6.52g/cm3であり、任意の1cm四方の領域における密度は最小値が6.50g/cm3、最大値が6.56g/cm3であった。また、厚さ方向の密度のばらつきは最小値が6.48g/cm3、最大値が6.55g/cm3であった。
【0032】
スパッタリングでは、ITOターゲットをバッキングプレートに接合後、DCスパッタを行い、得られたITO膜の成膜速度、膜厚分布を使用初期と末期とで測定したところ、成膜速度は使用初期に対して使用末期では75%であった。また、基板面内の膜厚分布は±5%の範囲内であった。使用後、ITOターゲット表面を観察したところ、ノジュールの生成はわずかな領域で観察され、その面積は全体の12.4%のみであった。
【0033】
(実施例3)
原料粉末の粒度が、平均粒径が0.33μm、粒度分布として、0.1μm以下の粉末が3.6%、0.8μm以上の粉末が6.3%、すなわち0.1μm以上0.8μm以下の粉末が90.1%の酸化インジウム粉末を55質量%、平均粒径が1.9μm、粒度分布として、7.0μm以上の粉末が2.2%の酸化錫粉末を45質量%とを混合し、成形用バインダーとしてPVAを1質量%添加したのち、30μmから50μmのサイズの粒子に整粒した顆粒を用いて、常温において、2000kg/cm2の圧力で、400mm×500mm×10mmの成形体を得た。
【0034】
得られた成形体を、常圧の酸素中で1500℃の温度に10時間保持し、焼結を行った。昇温時の成形体の温度分布は±18℃の範囲内、1500℃での保持中は成形体の温度分布が±4℃の範囲内である。2枚作成されたITOターゲットのうち、1枚を熱伝導率および密度分布の測定に、1枚をスパッタリングに供した。
【0035】
その結果、熱伝導率は8.8W/mKであった。ITOターゲット全体の密度は6.68g/cm3であり、任意の1cm四方の領域における密度は最小値が6.65g/cm3、最大値が6.71g/cm3であった。また、厚さ方向の密度のばらつきは最小値が6.66g/cm3、最大値が6.72g/cm3であった。
【0036】
スパッタリングでは、ITOターゲットをバッキングプレートに接合後、DCスパッタを行い、得られたITO膜の成膜速度、膜厚分布を使用初期と末期とで測定したところ、成膜速度は使用初期に対して使用末期では81%であった。また、基板面内の膜厚分布は±5%の範囲内であった。使用後、ITOターゲット表面を観察したところ、ノジュールの生成はごくわずかな領域で観察され、その面積は全体の9.4%のみであった。
【0037】
酸化錫が30質量%含まれる従来のITOターゲットの密度は、高々6.0g/cm3であり、スパッタリングして得られたITO膜の成膜速度は、使用初期に対して使用末期では60%以下であった。また、基板面内の膜厚分布は±8〜12%の範囲内であった。さらに、使用後のターゲット面には、ノジュールの生成が50%以上の領域に観察された。
【0038】
これに対し、実施例1から3のITOターゲットの密度は、6.52g/cm3以上であり、スパッタリングして得られたITO膜の成膜速度は、使用初期に対して使用末期では75%以上であった。また、基板面内の膜厚分布は±5%の範囲内であった。さらに、使用後のITOターゲットの表面には、ノジュールの生成が約12.40%以下の領域にのみ観察された。
【0039】
特に、任意の1cm四方の領域における密度が、全体の平均密度に対し、±0.05g/cm3の範囲内にあり、任意の1mmの厚さ領域における密度が、全体の平均密度に対し、±0.05g/cm3の範囲内にあるので、スパッタリングして得られたITO膜の成膜速度は、前述のように高く、使用初期に対して使用末期でも、高く維持されている。
【0040】
また、基板面内の膜厚分布は±5%の範囲内であった。さらに、使用後のITOターゲットの表面のノジュールの生成が低い。本発明では、酸化錫の割合を多くしてコストを低く抑えても、スパッタリングに好適なITOターゲットを提供することができた。
【0041】
【発明の効果】
本発明によって、高濃度の酸化錫を含むITOターゲットにおいて、高密度のターゲットが得られ、その結果、スパッタリング中のノジュールの生成が少なく抑えられ、成膜速度の面内ばらつきが小さく、またはターゲット使用初期から使用末期までの成膜速度の変化が小さいITOターゲットが提供される。
Claims (6)
- 平均粒径が0.5μm以下で、粒径0.1μm以上0.8μm以下の粒子が85質量%以上を占める酸化インジウム粉末および酸化インジウム酸化錫合成粉末からなる群より選ばれる一以上の粉末と、平均粒径が2.5μm以下で、粒径7.0μm以上の粉末が10質量%以下を占める酸化錫粉末とを、所望比率で混合した原料粉末を、1000kg/cm 2 以上の圧力で加圧成形して成形体を得て、該成形体を常圧の酸素雰囲気中で、1000℃から1400℃まで2時間以内で昇温させ、昇温中は成形体の温度のばらつきを面方向および厚さ方向において±20℃の範囲内とし、焼結保持温度を1400℃〜1500℃とし、焼結保持中の成形体の温度のばらつきを面方向および厚さ方向において±10℃の範囲内として焼結することにより得られ、組成が酸化錫20質量%を超え、かつ35質量%以下のインジウム錫酸化物であり、平均密度が6.8g/cm3以上であり、密度のばらつきが平均密度に対し、面方向および厚さ方向のそれぞれで±0.05g/cm3の範囲内にあり、熱伝導率が8.0W/mK以上であるITOターゲット。
- 平均粒径が0.5μm以下で、粒径0.1μm以上0.8μm以下の粒子が85質量%以上を占める酸化インジウム粉末および酸化インジウム酸化錫合成粉末からなる群より選ばれる一以上の粉末と、平均粒径が2.5μm以下で、粒径7.0μm以上の粉末が10質量%以下を占める酸化錫粉末とを、所望比率で混合した原料粉末を、1000kg/cm 2 以上の圧力で加圧成形して成形体を得て、該成形体を常圧の酸素雰囲気中で、1000℃から1400℃まで2時間以内で昇温させ、昇温中は成形体の温度のばらつきを面方向および厚さ方向において±20℃の範囲内とし、焼結保持温度を1400℃〜1500℃とし、焼結保持中の成形体の温度のばらつきを面方向および厚さ方向において±10℃の範囲内として焼結することにより得られ、組成が酸化錫35質量%を超えるインジウム錫酸化物であり、平均密度が6.5g/cm3以上であり、密度のばらつきが平均密度に対し、面方向および厚さ方向のそれぞれで±0.05g/cm3の範囲内にあり、熱伝導率が8.0W/mK以上であるITOターゲット。
- 平均粒径が0.5μm以下で、粒径0.1μm以上0.8μm以下の粒子が85質量%以上を占める酸化インジウム粉末および酸化インジウム酸化錫合成粉末からなる群より選ばれる一以上の粉末と、平均粒径が2.5μm以下で、粒径7.0μm以上の粉末が10質量%以下を占める酸化錫粉末とを、所望比率で混合した原料粉末を、1000kg/cm2以上の圧力で加圧成形して成形体を得て、該成形体を常圧の酸素雰囲気中で、1000℃から1400℃まで2時間以内で昇温させ、昇温中は成形体の温度のばらつきを面方向および厚さ方向において±20℃の範囲内とし、焼結保持温度を1400℃〜1500℃とし、焼結保持中の成形体の温度のばらつきを面方向および厚さ方向において±10℃の範囲内として焼結することを特徴とするITOターゲットの製造方法。
- 焼結保持温度を1400℃〜1450℃とする請求項3に記載のITOターゲットの製造方法。
- 加圧成形前の前記原料粉末を、平均粒径10μm以上の顆粒状に整粒する請求項3または4に記載のITOターゲットの製造方法。
- 前記酸化インジウム粉末および酸化インジウム酸化錫合成粉末からなる群より選ばれる一以上の粉末の平均粒径が0.4μm以下であることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のITOターゲットの製造方法。
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