JP3922037B2 - 文書管理装置およびプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、文書の透かしマーク印刷に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
文書管理システムでは、機密ファイルなどが含まれている場合、セキュリティを管理する必要がある。たとえば、ファイルを収納するフォルダごとに管理レベルを設けることによって機密ファイルなどは機密レベルのフォルダに集めると、フォルダにアクセス制限などを設けることによりセキュリティを管理できる。しかし、この文書管理システムでは、フォルダごとに管理レベルを設定してせっかくファイルを管理できていたとしても、ファイルを印刷する場合、印刷物自体にはセキュリティをかけられなかった。また、画像に透かし情報(ウォータマーク)を埋め込む電子透かし技術が印刷物の管理に用いられている。印刷の際にコメントなどの透かし情報を画像データ(文書データを含む)に埋め込むので、印刷物を見ると透かし情報も見える。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】
昨今はネットワーク化が進みプリンタを共有することが多く、印刷物が多くの人の目に触れることが多くなっている。このような環境で機密ファイルを透かし情報なしに印刷することは非常に危険である。しかし、従来は、ユーザーが透かし情報に関する設定を行わなければ印刷物に対しセキュリティをかけることはできなかった。また、電子透かし印刷は、プリンタによってはサポートされていないこともある。さらに、サポートされていたとしても、普通、デフォルト設定では透かし情報が印刷されない。このため、ユーザーが設定を変更して印刷を行う必要がある。しかし、ユーザが印刷の際に設定をしなければならないのは使い勝手が悪く、セキュリティ管理のためには好ましくない。したがって、機密文書管理のため電子透かし印刷を容易に使用できることが望ましい。
【0004】
この発明の目的は、電子透かし印刷を使いやすくすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る文書管理装置は、ファイルをフォルダ内に収容して記憶する記憶手段と、透かしマークの有無を含む属性をフォルダに設定する属性設定手段と、ファイルの印刷時に、そのファイルを収容するフォルダに設定された属性に基いて透かしマークデータを作成する作成手段と、そのファイルと、そのファイルについて作成手段により作成された透かしマークデータとを印刷ドライバに送付する送付手段とを備える。ここで、フォルダに設定された前記属性はフォルダ名称を示す文字列を透かしマークとするという透かしマークの印刷形態に関する属性を含み、前記作成手段は、前記ファイルを収容するフォルダの属性を取り出してフォルダ名称を示す文字列を持つ透かしマークデータを作成する。したがって、フォルダに入っているファイル(文書)を印刷する場合、自動的にそのフォルダの属性を取り出して、透かしマーク(ウォータマーク)として印刷できる。
【0008】
この文書管理装置において、好ましくは、属性設定手段は、初期設定と異なる属性をユーザが入力する入力手段を備える。
【0009】
本発明に係るコンピュータにより実行されるプログラムは、透かしマークの有無を含む属性をフォルダに設定するステップと、ファイルの印刷時に、そのファイルを収容するフォルダに設定された属性に基いて透かしマークデータを作成するステップと、そのファイルと、そのファイルについて作成された透かしマークデータとを印刷ドライバに送付する送付ステップとからなる。フォルダに設定された前記属性は、フォルダ名称を示す文字列を透かしマークとするという透かしマークの印刷形態に関する属性を含む。透かしマークデータを作成する前記ステップにおいて、そのフォルダの属性を取り出してフォルダ名称を示す文字列を持つ透かしマークデータを作成する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、文書管理システムの構成を図式的に示す。通常のコンピュータと同様に、ホストコンピュータ10(CPU12を含む)には、キーボード、マウスなどの入力装置14が接続され、表示装置としてモニタ16が接続される。また、外部記憶装置18としてたとえばハードディスク装置が備えられ、文書が記憶される。さらに、印刷装置20がコンピュータ10に接続される。外部記憶装置18内の記録媒体(たとえばハードディスク)19には、OSその他のプログラムが記憶され、その中に、文書管理プログラムと印刷ドライバも含まれる。さらに、管理するべきファイルが記憶される。コンピュータ10において、CPU12が文書管理プログラムを用いてファイルを管理する。
【0011】
透かしマークの印刷について説明すると、この文書管理システムでは、文書(ファイル)を収容するフォルダに透かしマークの属性を付加する。そのフォルダに収容されているファイルを印刷するときは、ユーザが電子透かしに関する設定をしなくても、フォルダの属性にしたがって自動的に透かしマークが付加される。後で説明する例では、透かしマークとして文字列が用いられる。そこで、文字列の種類(たとえばフォルダ名、ファイル名、名前、日付、フォルダ作成者、コメント)とその属性(たとえばカラー、サイズ、濃さ、フォントおよび位置と向き)があらかじめ設定される。属性は、管理レベルに合わせて設定すればよい。たとえば、機密度が高いフォルダの場合、透かしマークが目立つように設定する。透かしマークを印刷しなくてもよいファイルの場合は、該当するフォルダの属性を透かしマークなしと設定しておけばよい。また、透かしマークとしては、文字列の代わりに、絵、画像などを用いてもよい。
【0012】
透かしマーク属性の初期値は、はじめからフォルダの管理レベルに合わせて設定できる。たとえば管理レベルの高いものは透かしマークが必須であると考え、初期の設定では、必ず透かしマークを印刷するように設定する。また、管理レベルの低いものでは、透かしマークは必要がないものが多いので、透かしマークをつけないように初期設定を行う。
【0013】
図2は、文書管理システムにおけるソフトウェアの構成を示す。文書管理システムにおいて、フォルダ30内に文書ファイル32が保管される。文書管理プログラムは、透かしマーク処理のため、透かしマーク設定部34と透かしマーク作成部36を備える。透かしマーク設定部34では、フォルダ30に透かしマーク(watermark)の属性を付加する。透かしマーク作成部36では、そのフォルダ内のファイル32を印刷するときに、フォルダ30についている透かしマークの属性を取り出し、それに基いて透かしマークデータを作成する。そして、ファイルのデータと透かしマークデータを印刷ドライバ38に送る。印刷ドライバ38は、それらのデータを基に印刷ジョブデータを作成し、プリンタ20に送る。コンピュータ10において、入力装置14によりユーザの指示が伝えられると、CPU12は、その指示に基いて処理を行う。
【0014】
図3は、透かしマーク設定部34において用いられる透かしマークの初期設定画面を示す。この例では、透かしマークとして文字列を用いる。この画面の右側には、埋め込むべき文字列の種類を設定するプルダウンボックス、および、その文字列の属性(カラー、サイズ、濃さ、フォントおよび位置と向き)を設定するテキストボックスが設けられる。図3は、文字列の種類を設定するプルダウンボックスが開いている状況を示す。この例では、透かしマークの初期値としてフォルダ名、ファイル名、名前、日付、なしのいずれかが設定できる。「なし」を設定すると、透かしマークは付加されない。フォルダを選択して属性設定の指示が行われた場合(たとえば、フォルダを選択し、マウスの左クリックを行うと)、ファイル印刷の際の前述の自動的な属性設定が可能になる。また、画面の左側には、プレビュー画面が設けられる。また、画面の下側には、設定を承認するためのOKボタンと、設定を取り消すキャンセルボタンが配置される。この初期設定画面で、ユーザーにより文字列、位置、大きさ、色などの属性が設定されると、そのフォルダのデフォルトの透かしマーク属性として保存する。なお、透かしマークの文字列の初期値にフォルダ名称を使うという設定も可能である。
【0015】
フォルダから右クリックで透かしマーク設定画面を立ち上げることができる。図4は、透かしマーク設定画面を示す。この画面で、透かしマーク属性の初期値を変更できる。図4の例では、文字列は、初期設定のフォルダ名称(「秘密」)が表示されている。これはプルダウンメニューで変更できる。また、プレビュー画面では、透かしマークデータ(この例ではフォルダ名称である「秘密」の文字列)のみのプレビュー画像を表示している。
【0016】
次に、透かしマークを印刷する処理について説明する。図5は、透かしマーク印刷のフローチャートを示す。ユーザがフォルダ内のファイルを指定し印刷開始を指示する(S10)と、以下の処理が行われる。まず、まずフォルダの透かしマーク属性(すなわちデフォルト設定)に従って印刷するか否かの指示をユーザから受け取る(S12)。デフォルト設定に従う場合は、そのフォルダに付けられている透かしマーク属性を取り出し、取り出した透かしマークの属性とファイルの属性(向き、サイズ、アプリケーション)に従って、透かしマークデータを作成する(S14)。(この処理が透かしマーク作成部46に対応する。)たとえば文字列にフォルダ名称を使うという設定になっている場合、フォルダ名(たとえば秘密)という文字列を持つ透かしマークデータを作成する。そして、ファイルのデータに透かしマークデータを合わせて(S16)、ファイルのデータとともに、印刷ドライバ38に送る(S18)。(これらの処理が、透かしマーク作成部36の処理に対応する。)印刷ドライバ38は、このデータを印刷ジョブに変換し、印刷装置20に出力する(S20)。図6は、透かしマークが付加された印刷物の例を示す。
【0017】
また、透かしマークのデフォルト設定に従って印刷しない場合(S12でNO)、すなわち、フォルダ名の文字列、大きさなどを変えたい場合、そのフォルダを選択し、マウスの右クリックなどで透かしマーク設定画面(図4)を立ち上げる(S22)。設定画面では初期値を表示する。初期値は、別途メニューから設定画面を立ち上げても変更できる。ユーザが設定画面でフォルダの透かしマーク属性を決定すると、その情報を受け取り(S24)、それをフォルダの透かしマーク属性として保存する(S26)。
【0018】
【発明の効果】
本発明の文書管理では、フォルダに入っているファイルを印刷する場合、ユーザの設定なしに、自動的に透かしマークを印刷できる。
【0019】
また、そのフォルダに設定された印刷態様の属性に応じて透かしマーク(ウォータマーク)として印刷するので、管理レベルに合わせて、ファイルによって透かしマークをつけて印刷できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 文書管理システムのハードウェア構成を示すブロック図
【図2】 文書管理システムのソフトウェア構成を示すブロック図
【図3】 透かしマークの初期設定画面の図
【図4】 透かしマーク設定画面の図
【図5】 透かしマーク印刷のフローチャート
【図6】 透かしマークが付加された印刷物の図
【符号の説明】
10 ホストコンピュータ、 12 CPU、 14 入力装置、 18 外部記憶装置、 20 印刷装置、 30 フォルダ、 32 ファイル、 34 透かしマーク設定部、 36 透かしマーク作成部、 38 印刷ドライバ。
Claims (3)
- ファイルをフォルダ内に収容して記憶する記憶手段と、
透かしマークの有無を含む属性をフォルダに設定する属性設定手段と、
ファイルの印刷時に、そのファイルを収容するフォルダに設定された属性に基いて透かしマークデータを作成する作成手段と、
そのファイルと、そのファイルについて作成手段により作成された透かしマークデータとを印刷ドライバに送付する送付手段と
を備え、
フォルダに設定された前記属性はフォルダ名称を示す文字列を透かしマークとするという透かしマークの印刷形態に関する属性を含み、
前記作成手段は、前記ファイルを収容するフォルダの属性を取り出してフォルダ名称を示す文字列を持つ透かしマークデータを作成する、
文書管理装置。 - 属性設定手段は、初期設定と異なる属性をユーザが入力する入力手段を備えることを特徴とする請求項1に記載された文書管理装置。
- 透かしマークの有無を含む属性をフォルダに設定するステップと、
ファイルの印刷時に、そのファイルを収容するフォルダに設定された属性に基いて透かしマークデータを作成するステップと、
そのファイルと、そのファイルについて作成された透かしマークデータとを印刷ドライバに送付する送付ステップとからなり、
フォルダに設定された前記属性はフォルダ名称を示す文字列を透かしマークとするという透かしマークの印刷形態に関する属性を含み、
透かしマークデータを作成する前記ステップにおいて、そのフォルダの属性を取り出してフォルダ名称を示す文字列を持つ透かしマークデータを作成する、
コンピュータにより実行されるプログラム。
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