JP3921896B2 - 情報処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は情報処理装置に関し、特に、複数の電子部品が実装されたプリント基板が筐体内に配置された情報処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報処理の製造コストを削減するために種々の工夫がなされている。例えば、組立作業を簡略化することにより、人件費を削減し、情報処理装置の製造コストを削減する方法もその一例である。
【0003】
図8は、従来における情報処理装置の一例を示す組み立て図である。
この図において、筐体1はプリント基板2を内蔵し、プリント基板2を保護する。
【0004】
筐体1の内側の上下(図の上下)側面には、プリント基板2が所定の位置に挿入されるようにガイドするガイド溝1a,1bがそれぞれ形成されている。また、筐体1の入り口側(プリント基板2が挿入される側)の側面には、蓋部3の係止部3a〜3dと係合する孔1c〜1hが形成されている。なお、この図には示されていないが、筐体1の上部には係止部3dと係合する孔が形成されており、また、蓋部3の図示されていない側の側面には、筐体1の孔1f〜1hと係合する3つの係止部が形成されている。
【0005】
プリント基板2には複数の電子部品(図示せず)やコネクタ2c,2dが実装されており、外部の装置(以下、外部装置と称す)から供給された信号に対して所定の処理を施し、対応する外部装置に対して出力する。
【0006】
蓋部3は、筐体1の入り口側に装着され、プリント基板2が筐体1から脱落しないように固定する。蓋部3の筐体1側の側面には、筐体1と係止するための係止部3a〜3dが形成されている。また、蓋部3には、スリット3eが設けられており、この部分にプリント基板2のコネクタ2cが嵌合される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図8に示す情報処理装置では、プリント基板2は、筐体1の内部側面に設けられたガイド溝1a,1bに沿って挿入され、蓋部3が装着されるとこの部分によって筐体1内に固定される。従って、プリント基板2は、実質的に蓋部3のみによって筐体1内に固定されていることになる。
【0008】
このような従来の情報処理装置において、何らかの外力や衝撃が加わった場合には、プリント基板2にかかる力が蓋部3に集中し、蓋部3が筐体1から外れてプリント基板2が筐体1から脱落する場合があるという問題点があった。
【0009】
そこで、そのような事態を回避するために、例えば、プリント基板2をネジ等によって筐体1に固定する方法が考えられるが、そのような構成にすると組立作業が煩雑になり、コストの削減が困難になるとともにプリント基板2の取り外しにおいても作業が煩雑になるという問題点があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記課題を解決するために、複数の電子部品が実装されたプリント基板が筐体内に配置された情報処理装置において、前記筐体の内部に形成され、前記プリント基板が所定の位置に挿入されるようにガイドするガイド溝と、前記プリント基板の背面部付近で、かつ、前記ガイド溝に当接する側の側面に設けられた切り欠き部と、前記ガイド溝に沿って挿入された前記プリント基板の前記切り欠き部に係合し、前記プリント基板を係止する前記筐体に設けられた係止部と、を有し、前記係止部は、前記プリント基板の前記ガイド溝と当接する側面に沿って配置された可撓性を有する板状部材と、前記板状部材の先端部に設けられた前記プリント基板の前記切り欠き部と係合する突起部と、を有し、前記板状部材は、前記切り欠き部に近づく程、前記プリント基板の側面に接近していることを特徴とする情報処理装置が提供される。
【0011】
ここで、ガイド溝は、筐体の内部に形成され、プリント基板が所定の位置に挿入されるようにガイドする。切り欠き部は、プリント基板の背面部付近で、かつ、ガイド溝に当接する側の側面に設けられている。係止部は、筐体に設けられており、ガイド溝に沿って挿入されたプリント基板の切り欠き部に係合し、プリント基板を係止する。プリント基板を取り外すときは、筐体に設けた孔から治具を挿入することで治具がプリント基板の側面に接近している板状部材をその側面から離れる方向に押し、突起部を切り欠き部から外すことで、係止部の係止を解除する。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の形態の構成例を示す組み立て図である。なお、この図において、図8の場合と対応する部分には同一の符号を付してあるので、その説明は適宜省略する。
【0013】
この図の例では、図8の場合と比較して、プリント基板2の背面部付近の上部側面2aおよび下部側面2bにそれぞれ切り欠き2e,2fが形成されている。また、この図には示されていないが、筐体1の内部に係止部が新たに設けられ、係止部の近傍にプリント基板2を取り外すための治具を挿入するための孔が新たに設けられている。その他の構成は、図8の場合と同様である。
【0014】
図2は、筐体1を図1に示すX方向から眺めた場合の断面図である。この図に示すように、筐体1の内側の上下側面には、ガイド溝1a,1bがそれぞれ設けられており、ガイド溝1a,1bの末端付近には、係止部1i,1jが設けられている。また、係止部1i,1jの近傍には、治具を挿入するための孔1k,1mが形成されている。
【0015】
図3は、図2に示す係止部1iの周辺部を拡大した図である。この図に示すように、係止部1iは、筐体1の背面部から伸出し、先端部に鈎状の突起を有する板状部材によって構成されている。
【0016】
係止部1iのプリント基板2側の面は、先端部に至る程プリント基板2との距離が短くなるように構成されており、先端部と付け根の部分の距離差はdとなっている。なお、これは後述するように、プリント基板2を取り外すための治具を挿入する場合の便宜を資すためである。
【0017】
係止部1iの下側には、治具を挿入するための孔1kが形成されている。
図4は、プリント基板2が挿入された場合における係止部1iの周辺部を拡大した図である。
【0018】
この図に示すように、プリント基板2が挿入されると、係止部1iの突起部が切り欠き2eに係合し、プリント基板2が筐体1に固定されることになる。
従って、装置に対して何らかの外力や衝撃が加わった場合、プリント基板2に加わる力は係止部1i,1jを介して筐体1の背面部に伝達されるので、蓋部3に対して過大な力が加わり、その結果、蓋部3が外れることを防止できる。
【0019】
次に、以上のようにして組み立てられた装置から、プリント基板2を取り外す場合について説明する。
例えば、装置に何らかの不具合が発生した場合には、プリント基板2を取り外して調べる必要が生ずるが、本実施の形態では所定の治具を用いることにより取り外し作業を容易にしかも迅速に行うことができる。
【0020】
図5は、プリント基板取り外し用治具(以下、単に治具と称す)の構成例を示す図である。この図に示すように、治具4は挿入部4a,4bと、これらを連結する連結部4cによって構成されている。
【0021】
図6は、挿入部4aの詳細な構成例を示す図である。この図に示すように、挿入部4aは、球状部材4d、棒状部材4e、および、基板押圧部4fによって構成されている。
【0022】
球状部材4dは、孔1kに対する挿入をスムーズにするためと、係止部1iを上方向(図の上方向)に押し上げるために具備されている。
棒状部材4eは、球状部材4dと連結部4cとを接続する。
【0023】
基板押圧部4fは、孔1kに挿入された際に、プリント基板2を押圧して筐体1から排出する。
図7は、治具4が挿入された場合における係止部1iの周辺部を示す図である。
【0024】
この図に示すように、治具4が挿入されると、係止部1iとプリント基板2との間の距離は図3に示すように切り欠き2eに近づく程小さくなっているので、球状部材4dにより係止部1iが上方向に押し上げられた状態となり、その結果、係止部1iの突起部が切り欠き2eから外れた状態となる。
【0025】
また、このとき、基板押圧部4fは、プリント基板2の側面2fを押圧するので、プリント基板2は筐体1の外部に向かって移動される。
このような動作は、係止部1j側においても行われるので、プリント基板2は係止部1i,1jによる係止が解除され、筐体1の外側に向かって移動されることになる。その結果、筐体1からプリント基板2を取り外すことが可能となる。
【0026】
以上に示したように、本発明の実施の形態によれば、プリント基板2の上部側面2aおよび下部側面2bに対して切り欠き2e,2fをそれぞれ設け、また、筐体1の内側の上下側面に対して係止部1i,1jを設け、プリント基板2が筐体1に挿入された場合にはこれらが互いに係合して固定されるようにしたので、組立作業を簡便化することが可能となる。
【0027】
また、係止部1i,1jの近傍に孔1k,1mを設け、治具4を挿入して係止部1i,1jのロックを解除するようにしたので、分解作業も簡便化することが可能となる。
【0028】
なお、本実施の形態では、2つの係止部を設けるようにしたが、1つであってもよい。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、複数の電子部品が実装されたプリント基板が筐体内に配置された情報処理装置において、筐体の内部に形成され、プリント基板が所定の位置に挿入されるようにガイドするガイド溝と、プリント基板の背面部付近で、かつ、ガイド溝に当接する側の側面に設けられた切り欠き部と、ガイド溝に沿って挿入されたプリント基板の切り欠き部に係合し、プリント基板を係止する筐体に設けられた係止部と、を有するようにしたので、情報処理装置の組立作業を簡易化することが可能となる。また、プリント基板を取り外すときは、筐体に設けた孔から治具を挿入することで治具がプリント基板のガイド溝に当接する側の側面より低くなっている側面と係止部との間に挿入され、係止部をその低くなっている側面から離れる方向に押して係止部の係止を解除するので、プリント基板の取り外し作業を簡易化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の構成例を示す組立図である。
【図2】図1に示す筐体をX方向から眺めた場合の断面図である。
【図3】図1に示す係止部1iの周辺部を拡大して示す拡大図である。
【図4】プリント基板が挿入された場合における係止部1iの周辺部を拡大して示す拡大図である。
【図5】プリント基板を取り外す場合に用いる治具の構成例を示す図である。
【図6】治具の挿入部を拡大して示す拡大図である。
【図7】治具が挿入された場合における係止部1iの周辺部を拡大して示す拡大図である。
【図8】従来における情報処理装置の構成例を示す組立図である。
【符号の説明】
1 筐体
1a,1b ガイド溝
1c〜1h 孔
1i,1j 係止部
1k,1m 孔
2 プリント基板
2a 上部側面
2b 下部側面
2c,2d コネクタ
2e,2f 切り欠き
3 蓋部
3a〜3d 係止部
3e スリット
4 治具
Claims (1)
- 複数の電子部品が実装されたプリント基板が筐体内に配置された情報処理装置において、
前記筐体の内部に形成され、前記プリント基板が所定の位置に挿入されるようにガイドするガイド溝と、
前記プリント基板の背面部付近で、かつ、前記ガイド溝に当接する側の側面に設けられた切り欠き部と、
前記ガイド溝に沿って挿入された前記プリント基板の前記切り欠き部に係合し、前記プリント基板を係止する前記筐体に設けられた係止部と、
を有し、前記係止部は、
前記プリント基板の前記ガイド溝と当接する側面に沿って配置された可撓性を有する板状部材と、
前記板状部材の先端部に設けられた前記プリント基板の前記切り欠き部と係合する突起部と、を有し、
前記板状部材は、前記切り欠き部に近づく程、前記プリント基板の側面に接近していることを特徴とする情報処理装置。
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