JP3921579B2 - パチンコ遊技機の不正防止構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、パチンコ遊技機の不正防止構造に関し、更に詳細には、パチンコゲーム中に発生したファール球(戻り球ともいう)の回収処理並びに異物を使用する不正行為の防止を図るようにした不正防止構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から実施されているパチンコ機やアレンジボール機に代表される遊技機では、球送り装置と打球発射装置の協働により、上球皿内の遊技球を機内の発射レールの発射部位に1球ずつ送込んで同部位から遊技盤の案内レール内の遊技領域に打出してゲームを行ない得る。そして、ゲーム中に遊技領域で発生または成立した入賞条件(例えばセーフ球)に対して、裏側の機構セット盤における賞球払出部から払出された賞球について、上球皿側に連絡された主経路すなわち同セット盤内の主排出路と、前枠内側における遊技補助盤の球出口および上球皿裏側の球受け筒を介して皿内に給出し、また下球皿側に連絡する副経路すなわち同セット盤内の副排出路と、前枠の下部裏側の球受け容器を介して皿内に給出するようになっている。
【0003】
一方、このような遊技機でのゲーム中においては、多かれ少なかれ一般にファール球または戻り球とも呼ばれている非遊技球、つまり発射部位から1球ずつ打出されたものの、打球力(発射飛走力)不足等に起因して遊技領域内に適正に到達し得ないまま案内レールに沿って降下して遊技補助盤の発射レール側へ逆戻りしようとする非遊技球が、不定期ではあるが必ずと言って発生している。このため何れのパチンコ機においても、ファール球の回収経路として発射レールの上端と案内レールの下端との間に、遊技補助盤の上部中央に位置する戻し口(ファール口ともいう)が適宜離隔開口広さで形成されて、この戻し口内に落下したファール球を、遊技補助盤の下部中央に開口した回収口から一旦裏側へ通出して前記球受け容器から下球皿の皿内に戻して回収し得るようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述したパチンコ遊技機においては、戻し口を基準に観て前記球出口に適宜間隔をおいて連絡する上球皿の球受け筒が左側の近傍位置に臨み、また回収口が略真下の位置にあり、この回収口を介し下球皿の皿内が連絡状態にある。このため遊技機前側において、遊技盤の遊技領域に対する不正行為が行なわれ易い点があった。すなわち不正者が、線状の不正物(ワイヤ等)を使用する異物不正侵入操作として、不正物を巧みに操りながら、上球皿の皿内から球受け筒内に挿入させて遊技補助盤の前面に通した後に戻し口内に延出させたり、下球皿の皿内から球受け容器内に挿入させて回収口から遊技補助盤の前面に通した後に戻し口内に延出させる。そして何れの球皿からの不正操作にあっても、戻し口内に延出させた不正物を、遊技盤の案内レールとガラス扉の内側ガラス板との間に通して遊技領域内に到達させる。そうして、目標とする遊技部品(例えばチューリップタイプの開閉入賞装置)の羽根等を不正物で不正に開放させて、不正なゲーム更には利益を得ようとする企てが行なわれることがあった。
【0005】
【発明の目的】
本発明は、前述した課題を好適に解決するべく新規に提案されたものであって、パチンコゲーム中に発生したファール球を球皿側へ戻して遊技球としての再使用を図ると共に、ファール球用の回収経路を悪用する不正用異物の侵入による不正行為を防止し、また賞品球用の排出路を悪用する不正用異物の侵入による不正行為を防止し得るようにしたパチンコ遊技機の不正防止構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係るパチンコ遊技機の不正防止構造は、
外枠に組付けられた前枠に横開き可能なガラス扉および上球皿と定置形態の下球皿そして打球発射装置および裏側の機構セット盤等が装備される一方、前枠内側の収容枠内に遊技盤がセットされてガラス扉で保護され、この遊技盤前面の案内レール下端と収容枠下部の遊技補助盤前面の発射レール上端との間にファール球用の戻し面域が開設され、遊技補助盤の下部中央に下球皿側に連絡される回収口が形成されたパチンコ遊技機にあって、
前記遊技補助盤の前側と上球皿の後側との間に設けられて上方に拡開する左右の案内片の間に前記戻し面域が臨むと共に前記遊技補助盤に形成された賞球用の球出口の前面側部に出口が臨み、底面を出口へ向けて下方傾斜させた壁部により前記戻し面域と出口とを連通する通路が形成されて戻し面域に落入したファール球を底面で案内して出口から通出させる第1の球受け部と、
前記遊技補助盤の前側と上球皿の後側との間に設けられ、前記第1の球受け部の出口および前記球出口の下方に臨むと共に前記回収口の前面側に出口が臨み、前記回収口に向けて下方傾斜する壁部により通路が形成されて球出口からのこぼれ球および第1の球受け部の出口からのファール球を受け入れて壁部で案内して出口から通出させる第2の球受け部と、
前記第2の球受け部の出口を前記回収口に連通する回収路とを備え、
前記第1の球受け部および第2の球受け部により、前記回収口から前記戻し面域に至るファール球処理経路を、左右異方向に屈曲連通する状態とし、
前記下球皿の前側での異物不正侵入操作により回収口から遊技補助盤の前面側に挿入された不正物を、第1第2の球受け部の壁部で阻止して、遊技盤の遊技面内への侵入を制止するようにしたことを特徴とする。
【0007】
【作用】
下球皿前側からの不正操作において、不正物を回収口を介して遊技補助盤の前面まで侵入させ得たとしても、ファール球の処理経路である第2の球受け部の通路と第1の球受け部の通路とが左右異方向に屈曲連通しているから、不正物を戻し面域の方向に延出させることは全く不可能であり、該不正物を戻し面域を介して遊技盤の遊技面内へ侵入させる不正行為を好適に防止し得る。また、上球皿前側からの不正操作において、不正物を給出路から遊技補助盤の前面側に挿入して戻し面域を介して遊技面へ侵入させようとした場合には、第1の球受け部の壁部に当接するようになるからそれ以上の侵入が制止され、該不正物を給出路を介して遊技盤の遊技面内へ侵入させる不正行為も好適に防止し得る。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るパチンコ遊技機の不正防止構造につき、好適な実施例を挙げて添付図面を参照しながら、以下詳細に説明する。なお、本実施例では、最も一般化されている遊技盤着脱交換型式にあって、パチンコゲーム中に発生したファール球と上球皿の開放時に生じたこぼれ球を、回収して皿側へ戻すようにしたパチンコ機を主に例示する。
【0009】
先ず、図1に全体が略示されたパチンコ機について要約説明する。すなわち外郭保持枠用の外枠1の開口前面に、後述する各種の遊技用構成部材等の塔載用の前枠2が着脱および開閉可能に組付けられている。この前枠2は、全体が合成樹脂成形された場合のものを例とし、主要構造部として図2に示すように、外枠1の開口前面に適合する外形サイズとされて内側に窓口4を開設した枠体3と、この枠体3の正面内側に位置されて遊技盤用のセット口6を開設した収容枠5と、セット口6の下方に位置されて遊技盤と整合される遊技補助盤7とが、連設枠形に一体成形されている。そして枠体3下部の支持盤部3Aに、下球皿用のセット口8や打球発射装置用のセット孔9等が成形されており、また遊技補助盤7の各部に、賞球用の球出口10、ファール球およびこぼれ球用の回収口11、そしてアウト球用の排出路13等が夫々成形されている。なお前記窓口4の下底内面は、球戻し口11に向けて適宜斜状に形成され、また収容枠5のセット口6の内周囲には、遊技盤を位置決めセットする係止保持部15等が成形されている。ちなみに収容枠5は、単独で樹脂成形されて前枠2裏側に組付けられるタイプもある。
【0010】
前枠2の各部に設置される主要な遊技用構成部材については、図1および図4に略示するように、枠体3における窓口4の開口周囲に取着された窓枠16に、ガラス扉17および前面開閉板18が横開き可能に組付けられ、この前面開閉板18の前側と内側に遊技球用の上球皿19と球送り装置21が夫々セットされている。そして前面開閉板18の左部後側に、前記球出口10に適宜間隔をおいて連絡可能とされた球受け筒23が突設されて、その給出路24の開口前面を上球皿19の皿部20の上流部に臨ませている(図5参照)。一方、枠体3の支持盤部3A前面に下球皿27が定置セットされて、その皿部28をセット口8に合わせて連絡している。また補助盤25は、打球発射装置29の操作部30を予じめセットしたもとで、支持盤部3Aの前面に装着されて、その中央部に開設した球排出口26を前記セット口8に合わせると共に、下球皿27の皿部28に連絡している。
【0011】
そして収容枠5のセット口6に対しては、円形状の案内レール36内に各種の遊技部品38やアウト口39を含む遊技領域(遊技面)37を構成した遊技盤35が前側から着脱交換可能に収容セットされて、遊技補助盤7の上面に整合されている。また収容枠5の裏側に、アウト球,セーフ球,賞球に係る各種の球処理部等を備えた機構セット盤41が、着脱または開閉可能にセットされている。このセット盤41では、図4〜図7に示すように、アウト球用の排出路13に連通する排出部42と、セーフ球用の集合排出路43等が区画形成されると共に、賞球払出部14の下方に球出口10側に連通する主排出路44と、これより分岐連設されてセット口8側に連通する副排出路45が画成されている。そして副排出路45および前記回収口11は、枠体3のセット口8裏側に合わせて取着された一つの球受け容器46で集約的に連通されている。
【0012】
一方遊技補助盤7の正面右側前面に、遊技盤35の案内レール36に飛翔連絡される発射レール48が適宜傾斜で設置されており、その下端基部の発射部位に、前記球送り装置21により1球ずつ送込まれた遊技球を着座させ得ると共に、前記打球発射装置29の打球杆32を臨ませ得るようになっている。そして双方のレール36,48について観ると、図2に示すように、発射レール48の上端と案内レール36の下端が、遊技補助盤7の上面に近い下方位置と上方位置にあって、互いに適宜高低差および離隔空間広さを以って対向しており、この離隔空間広さの開口域をファール球用の戻し面域49として構成している。なお発射レール48は、遊技補助盤7の前面に取着される基盤47にセットされている。ちなみに発射レール48に沿った軌跡を基準に観て案内レール36の下端は下位にあり、両レール36,48の上,下端が略球1個分の高低差に設定されている。
【0013】
(ファール球処理経路)
本実施例のパチンコ機に実施されるファール球処理経路では、発射レール48と案内レール36の間に構成された前記ファール球用の戻し面域49に対して、図2および図3に示すように、該戻し面域49の下側に設置した球受け部材51により形成される第1の球受け枠部(第1の球受け部)50と、スピーカ用のセット部材61により形成される第2の球受け枠部(第2の球受け部)60とにより、該戻し面域49に入った全てのファール球を、前記回収口11および該回収路11に整合した前記球受け容器46の回収樋46aを介して下球皿27の皿部28へ直接戻すようになっている。
【0014】
(第1の球受け枠部)
第1の球受け枠部50は、図2および図3に示すように、前記遊技補助盤7の前面上端部において、ファール球用の戻し面域49の直下方に合わせてビス等により着脱交換可能に装着される球受け部材51により形成されている。すなわち球受け部材51は、合成樹脂成形加工に基いて上面と前面を開口した壁部52により正面凹形枠状に成形されたものが例とされており、そして底面52aが左下部に形成された出口53に向けて適宜左下がりの傾斜に形成されている。この壁部52の左側部分は、前記球受け筒23(給出路24)と戻し面域49との間に位置している。また、ファール球に対する当て受けや転落案内および跳ね上り防止をなすための案内片(壁部)54,54が上方に拡開した逆ハ字状に形成され、該案内片54,54の上端部が夫々のレール36,48の各先端位置に整合されている。これにより第1の球受け枠部50は、前記案内片54,54および壁部52により略逆L形の通路55として形成され、戻し面域49の上方から落入したファール球は、壁部52の底面52aで左方へ案内されて前記出口53から通出される。なお、前記通路55は複数個のファール球を収容し得る広さとされ、左右両側の案内片54,54の下端部から連設状態で屈曲形成された返し片(壁部)56,56により、ファール球の跳ね上り転落を好適に阻止できるようになっている。また、壁部52における出口53の下方には、垂直下方に延出した侵入阻止片57が形成されており、後述すると共に図2に示すように、回収口11を介して侵入させた不正物Wの先端が引掛かるようにして不正行為を妨げるようになっている。更に壁部52の前面開口部には、図3に2点鎖線で示すように、蓋板58がビス着される。
【0015】
(第2の球受け枠部)
また、遊技補助盤7の正面左側前面を利用してスピーカの収容保持をなすセット部材61が着脱可能に設置され、このセット部材61が第2の球受け枠部60を形成してファール球の受け入れ処理をなし得るようになっている。すなわちセット部材61は、図2および図3に示すように、補助盤7前面に整合定着されるケース状の本体62と、この本体62の前面に取着される開閉蓋63から構成されており、通常では両者62,63間に画成された収容室内にスピーカ64等を内蔵してユニット化部材とされている。前記本体62上面の壁部62aは、前記回収口11に向けて適宜右下がりの傾斜に形成されていると共に、開閉蓋63には前方へ膨出した球受け片63aが形成され、該壁部62aにより右下がりの略直線状の通路65を形成する第2の球受け枠部60となる。そしてセット部材61は、第2の球受け枠部60を前記第1の球受け枠部50における出口53の下方に臨ませると共に、通路65の出口66を前記回収口11に連通する回収路67に臨ませた状態でセットされ、該第2の球受け枠部60に受け入れたファール球を該回収路67を通出した後に前記回収口11へ排出し得るようになっている。なお、前記回収路67は遊技補助盤7に凹設されていると共に、回収口11の左方には球止め片68が形成されている。
【0016】
前記セット部材61は、前述したファール球の受入れ処理の他に、前記賞球用の球出口10から落下したこぼれ球の受け入れ処理をもなし得るようになっている。すなわちセット部材61は、図2に示すように、第2の球受け枠部60を前記賞球用の球出口10の垂直下方に臨ませた状態でセットされているので、球受け筒23内や主排出路44内に停留していた賞球が、前枠2の開閉に伴って通出落下してこぼれ球となった際には、前記ファール球と同様に、該こぼれ球を前記第2の球受け枠部60に受け入れて前記回収路67を介して回収口11へ通出し、回収樋46aを介して最終的に下球皿27へ排出するようになる。
【0017】
そして本実施例のパチンコ機では、上球皿19の皿部20内から球受け筒23内に針金状や帯状材等の不正物Wを挿入させたり、下球皿27の皿部28から球受け容器46内に該不正物Wを挿入させることによる不正行為を好適に防止し得るようになっている。すなわち、上球皿19(前面開閉板18)を閉鎖セットして球受け筒23と球出口10とを前後方向に連通させた状態では、図5および図6に示すように、該球受け筒23の後端縁と該球出口10の前面との間に適宜の間隙70(2mm程度)が画成されるため、該球出口10の上縁部に前方へ延出する庇片71を遊技補助盤7と一体的に形成して、該庇片71を前記間隙70の上縁部に延在させるように構成してある。また、ガラス扉17の閉鎖セット状態では、図8に示すように、内側ガラス17Aと案内レール36との間に適宜の間隙72(1〜1.5mm程度)が画成されるため、該案内レール36における前記球出口10の上方に位置する部位には、ガラス扉17の内側ガラス17Aと案内レール36の前端部との間隙72に介在し得る折返部73aを有する侵入阻止部材73がビス着されている(図2,図4および図8参照)。更に前述した如く、前記球受け筒23(球出口10)と戻し面域49との間に、第1の球受け枠部50の壁部52や案内片54および返し片56が位置している。このような不正防止構造によれば、上球皿19前側からの不正操作において、皿部20から球受け筒23内に挿入させた前記不正物Wを、前記間隙70を介して上方へ延出させることは勿論、該不正物Wを内側ガラス17Aと案内レール36との間隙72を介して最終的に遊技領域37内に侵入させようとする不正行為を好適に防止することができる(図5参照)。更に、皿部20から給出路24および間隙70を介して挿入させた前記不正物Wを、戻し面域49から遊技領域37内に侵入させようとする不正行為をも好適に防止することができる。
【0018】
また本実施例のパチンコ機では、前記球受け部材51およびセット部材61により構成されるファール球の処理経路が、前述した如く、正面左方向に向けて延在する第1の球受け枠部50と、正面右方向に向けて延在する第2の球受け枠部60とにより、左右2回の異方向に屈曲連通する状態となっている。しかも、前記球受け部材51では、逆ハ字状の案内片54,54および該案内片54,54の下端部に適宜の屈曲状態で形成された返し片56,56により、例えば出口53側から侵入した線状の不正物Wを戻し面域49方向へ延出することを好適に阻止するようになっている。このような不正防止構造によれば、下球皿27前側からの不正操作において、前記不正物Wを皿部28から球受け容器46内に挿入させて前記排出樋46,回収口11および回収路67を介して遊技補助盤7の前面まで侵入させ得たとしても、前記庇片71を形成すると共に侵入阻止部材73を配設したことにより、該不正物Wを前記間隙70,72を介して遊技領域37内へ侵入させようとする不正行為を好適に防止し得る(図2および図4参照)。また、第2の球受け枠部60の通路65と第1の球受け枠部50の通路55とは、前述すると共に図2に示すように略正反対方向に延在しているから、下球皿27前側から遊技補助盤7の前面に侵入させた前記不正物Wを、球受け部材51の出口53を介して戻し面域49方向に延出させることも全く不可能となり、該不正物Wを戻し面域49を介して遊技領域37内へ侵入させようとする不正行為も好適に防止することができる。
【0019】
更に本実施例のパチンコ機では、アウト球およびセーフ球の各球処理部を有する前記機構セット盤41において、遊技盤点検用の窓口41aの右側に配設された前記賞球払出部14が、図7に示すように、縦長方形箱状にユニット化された賞球排出装置75を主体とし、合成樹脂製のケース体76内に球通路を区画形成すると共に、この球通路に臨む部位に電動式の球払出し部77と切換え排出部82とを夫々組付けて、ケース体毎に取扱い得るようになっている。球払出し部77は、回転スプロケット状の球送り体78と、該球送り体78の回転・停止制御を行なう電磁ソレノイド79と、第1,第2の検出具80,81を備え、図示しない球貯留排出経路部からの球を1個ずつ検出しながら通入出する。また切換え排出部82は、揺動して姿勢変位されるレバー状の切換え弁83を備え、賞球および貸し球を前記主排出路44側へ排出すると共に、貯留球を球抜き路84側へ切換え排出するようになっている。
【0020】
そして、このように構成された本実施例の賞球払出部14における賞球排出装置75において、不正球抜き獲得に係る防止対策技術については、図7に示すように、前記機構セット盤41における賞球払出部14の下方と球出口10側を連通する主排出路44の出口周辺部の所定位置に、払出された賞球の通出方向への開放(揺動)が許容された規制揺動片90を配設してある。この規制揺動片90は、球出口10の上方に配設した支持軸91に枢支されて自重により常には垂下状態に姿勢保持され、前記賞球排出装置75から払出された貸し球または賞球が主排出路44へ通出された際には、これら球の落下勢力により図の時計方向へ揺動変位し、該球の球出口10側への通出を許容するようになっている。一方、規制揺動片90は、下端が郭壁92に当接するまでの揺動変位は許容されるが、それ以上の反時計方向への揺動変位は該郭壁92により規制されるようになっており、揺動片90と郭壁92とにより主排出路44は完全に閉塞される。このような不正球抜き獲得に係る不正防止構造によれば、上球皿19前側からの不正操作において、前記不正物Wを皿部20から球受け筒23内に挿入させ、主排出路44を介して賞球払出装置14側へ侵入操作した場合、規制揺動片90を主排出路44の上流側へ突上げるようになるから、該揺動片90の下端が郭壁92に係止されて揺動が規制され、該不正物Wのそれ以上の侵入を好適に制止することができる(図5および図7参照)。
【0021】
【実施例の作用】
前述した本実施例のパチンコ機においては、従前の他のパチンコ機と同様に、上球皿19を通常の閉鎖セット状態に保持したもとで遊技に供される。そして本来のパチンコゲームとして、上球皿19内に投入(収容)された遊技用のパチンコ球が先行順に球送り装置21内に通入しているもとで、打球発射装置29の操作部30を操作することにより、同装置29の打球作動部による打球作動と、これにタイミングを合わせた球送り装置21による球送り作動との協働により、遊技球が1球ずつ順次発射レール48の発射部位に送込まれて着座後に打球杆32で打出され、発射レール48から戻し口49を飛び越えて遊技盤35の案内レール36に沿って飛走して遊技領域37に打込まれる。そして遊技領域37内において、遊技球は、各方向に移動・落下しながら入賞口に入ったものがセーフ球、アウト口39に入ったものがアウト球に区分されて、夫々の経路43,13,42から最終的には機裏側へ排出されて回収部側に移送処理される。
【0022】
一方、夫々のセーフ球が賞球払出部14の賞球排出装置75で1球ずつ検出処理されることに基いて、賞球払出部14における賞球排出装置75の作動により設定数単位で払出された賞球は、主排出路44内の規制揺動片90を揺動させながら球出口10を介して上球皿19へ優先的に排出される。そして、該上球皿19の皿部20の充満以降に排出される賞球は、副排出路45から球収容器46および球排出口26を介して下球皿27へ排出される。
【0023】
このようなパチンコゲームにあって、本来発射部位から1球ずつ適正に打出された遊技球は、その打球力(発射力)を以って発射レール48に延長する軌跡上に沿って上端からファール球用の戻し面域49を飛び越えて案内レール36の下部に到達し、そのまま同レール36に沿って上昇飛走しながら遊技領域37内に正常に打込まれる。しかしながら発射部位から発射されたものの、打球力不足等に起因して遊技領域37内に到達し得なかった遊技球については、ファール球(戻り球)として戻し面域49に転落することになり、ゲーム中不定期ながら案外多く発生することもある。なおこのファール球については、その発生状態から観ると、案内レール36に沿って上昇飛走したものの途中から降下して下端から転落するもの、案内レール36の下部に到達したものの下端から転落するもの、そして案内レール36に到達し得ないまま発射レール48の上端から転落するものがある。
【0024】
そこで本実施例のパチンコ機では、前述のように発生したファール球を、次のようにして好適に回収処理し得る。すなわち戻し面域49に転落したファール球を第1の球受け枠部50内に受け入れる態様として、案内レール36の下端からのファール球を右側の案内片54で一旦当て受け、また発射レール48の上端からのファール球を左側の案内片54で一旦当て受けた状態で、夫々のファール球を球受け枠部50の通路55内に静かに受け入れ得る。そしてこの第1の球受け枠部50では、両側の返し片56,56によりファール球が戻し面域49から外へ跳ね出すことを好適に防止し得る。このように第1の球受け枠部50内に受け入れられたファール球は、通路55内を出口53側へ転動して該出口53から通出され、下方に位置した第2の球受け枠部60に受け入れられる。そして、第2の球受け枠部60に受け入れられたファール球は、通路65内を出口66側へ転動して該出口66から回収路67へ通出された後に、回収口11,球受け容器46の排出樋46aおよび球排出口26を介して下球皿27の皿部28内に回収される(図2および図4参照)。
【0025】
また、上球皿19(前面開閉板18)の開放により、球受け筒23の内部や主排出路44内に停留していた賞球が、球出口10から前方へ落下してこぼれ球が発生した場合には、該こぼれ球は球出口10の下方に位置した前記第2の球受け枠部60に受け入れられる。そしてこぼれ球は、第2の球受け枠部60に通出される前記ファール球と同様に、該球受け枠部60の通路65内を出口66側へ転動して該出口66から回収路67,回収口11,排出樋46aおよび球排出口26を介し、最終的に前記下球皿27の皿部28内に回収される。
【0026】
ところで本実施例のパチンコ機では、遊技機前側の上球皿19に臨む球出口10や下球皿27に臨む球排出口26を利用して、針金状や帯状材等の不正物Wを遊技盤35の遊技領域37に侵入させる不正行為を好適に防止し得る。すなわち不正者が、上球皿19の皿部20内から給出路24内に挿入させた前記不正物Wを、該球受け筒23の後端縁と球出口10の前面との間に画成した間隙70を利用して遊技盤35の遊技領域37へ侵入させようとした場合には、球出口10の上縁部から間隙70の上方に延出した庇片71に不正物Wの先端が当接してしまうから、該不正物Wの遊技領域37への侵入を好適に阻止して不正行為を防止し得る(図5参照)。また仮に、前記間隙70の側部(例えば右側)より不正物Wを侵入させ、前記庇片71と球受け部材51との間から侵入させたとしても、案内レール36に取着した侵入阻止部材73により、該不正物Wの遊技領域37への侵入を好適に阻止して不正行為を防止し得る(図2参照)。更に、球受け筒23の右側方には前記第1の球受け枠部50の壁部52が位置しているから、間隙70の側部から侵入させた不正物Wを、戻し面域49側へ侵入させることも不可能である。なお、前記間隙70の左側部より不正物Wを侵入させたとしても、該不正物Wの先端が遊技領域37の中央方向へ指向させることは不可能である。従って、このような不正防止構造によれば、上球皿19前側からの不正物Wによる不正行為は全く不可能となる。
【0027】
また不正者が、下球皿27の皿部28内から球受け容器46内に挿入させた針金状や帯状材等の不正物Wを、排出樋46a,回収口11および回収路67を介して遊技補助盤7の前面へ侵入させ、前記球受け筒23の後端縁と球出口10の前面との間の間隙70を介して遊技領域37へ侵入させようとした場合には、前述した如く、該間隙70の上方に延在した庇片71により、該不正物Wの遊技領域37への侵入を好適に阻止して不正行為を防止し得る。また、下球皿27から遊技補助盤7の前面に侵入させた前記不正物Wを、ファール球用の戻し面域49を介して遊技領域37へ侵入させようとした場合には、ファール球処理経路を構成する第2の球受け枠部60の通路65と第1の球受け枠部50の通路55とが、左右の異方向に屈曲連通した状態に延在しているので、該不正物Wをこれら通路65,55を介して戻し面域49方向へ侵入させることは全く不可能である。更に、下球皿27から遊技補助盤7の前面に侵入させた前記不正物Wを、球受け筒23と球受け部材51との間の空間を介して遊技領域37へ侵入させようとした場合には、案内レール36に取着した前記侵入阻止部材73により、該不正物Wの遊技領域37への侵入を好適に阻止して不正行為を防止し得る。なお、不正物Wを回収路67を介して遊技補助盤7の前面に侵入させた場合には、該不正物Wの先端部が先ず球受け部材51に形成した侵入阻止片57に引掛かるようになり、これにより不正行為をある程度阻止することができる。従って、このような不正防止構造によれば、下球皿27前側からの不正物Wによる不正行為は全く不可能となる。
【0028】
更に本実施例のパチンコ機では、遊技機前側の上球皿19に臨む球出口10を利用して針金状や帯状材等の不正物Wを遊技機裏側へ侵入させ、機構セット盤41に配設した賞球払出部14を不正操作することによる不正球抜き獲得をも好適に防止し得るようになっている。すなわち不正者が、上球皿19の皿部20内から球受け筒23内に挿入させた前記不正物Wを、機構セット盤41に画成した賞球用の主排出路44を利用して賞球払出部14側へ侵入させようとした場合には、規制揺動片90が主排出路44の上流側へ適宜突上げられて該揺動片90の下端が郭壁92に当接し、それ以上の揺動が規制されると共に主排出路44が完全に閉塞されるようになるから、不正物Wのそれ以上の侵入を好適に阻止し得る(図5および図7参照)。従って、このような不正球抜き獲得に係る不正防止構造によれば、上球皿19前側からの不正物Wによる不正球抜き獲得は全く不可能となる。
【0029】
【変更例】
図9は、本発明のパチンコ機に実施されるファール球処理経路の変更例を示すものであり、左右2回の異方向に屈曲連通する状態に延在させた第1の球受け枠部50と第2の球受け枠部60とを、前枠2の遊技補助盤7に一体的に成形した例を示している。すなわち第1の球受け枠部50は、上面と前面を開口した正面凹形枠状の壁部52が遊技補助盤7の前側から前方へ延出し、底面52aが左下部に形成された出口53に向けて適宜左下がりの傾斜に形成されると共に、ファール球に対する当て受けや転落案内および跳ね上り防止をなすための案内片(壁部)54,54が上方に拡開した逆ハ字状に形成され、該案内片54,54の上端部が戻し面域49に整合した状態に形成されている。これにより第1の球受け枠部50は、前記案内片54,54および壁部52により右から左方向に延在する略逆L形の通路55として形成され、戻し面域49の上方から落入したファール球を、壁部52の底面52aで左方へ案内して前記出口53から通出させる。なお、左側の案内片54の下端部から返し片(壁部)56が連設状態で屈曲形成され、球受け筒23と球出口10との間隙70を介して侵入させた不正物Wを、左側の案内片54および返し片56により当て受けて戻し面域49側への侵入を阻止するようになっている。また、壁部52における出口53の下方には、垂直下方に延出した侵入阻止片57が形成されており、回収口11を介して侵入させた不正物Wの先端が引掛かるようにして不正行為を妨げるようになっている。
【0030】
第2の球受け枠部60は、正面L字形状の壁部62aが遊技補助盤7の前方へ延出し、その底面が該補助盤7の中央下部に形成した前記回収口11に向けて適宜右下がりの傾斜に形成されていると共に、左側の垂直面が前記球出口10の左側下方に整合した状態に形成されている。これにより第2の球受け枠部60は、前記壁部62aにより左から右方向に延在する略L形の通路65として形成され、第1の球受け枠部50の出口53から通出されたファール球を、通路65から出口66を介して前記回収路11へ通出させる。また、前枠2の開閉に伴って主排出路44内に停留していた賞球が球出口10から通出落下したこぼれ球は、前記ファール球と同様に、前記第2の球受け枠部60に受け入れて出口66から回収口11へ通出し、回収樋46aを介して最終的に下球皿27へ排出される。なお、第1の球受け枠部50の右側端部下方と、第2の球受け枠部60の中央下方には、垂直に延在する郭壁95,95が形成され、これら郭壁95,95により第2の球受け枠部60の出口66と回収口11との間を連通する回収路67が画成されている。また第1の球受け枠部50および第2の球受け枠部60の前面には、各球受け枠部50,60全体を覆蓋する蓋板96がビス等により取着される(図9に2点鎖線で示す)。
【0031】
このように変更例においても、第1の球受け枠部50の壁部52を給出路24と戻し面域49の間に形成してあるから、上球皿19前側からの不正操作を好適に防止することができる。すなわち不正者が、針金状または帯板状の不正物Wを、皿部20から給出路24および間隙70を介して遊技補助盤7の前面へ侵入させ得たとしても、壁部52により該不正物Wを戻し面域49を介して遊技盤35の遊技領域37へ侵入させようとする不正行為を好適に防止することができる。また、前記第1の球受け枠部50と第2の球受け枠部60を左右2回の異方向に屈曲連通する状態としているから、下球皿27前側からの不正操作を好適に防止することができる。すなわち不正者が、針金状または帯板状の不正物Wを、皿部28から球受け容器46内に挿入させて前記排出樋46,回収口11および回収路67を介して遊技補助盤7の前面まで侵入させ得たとしても、該不正物Wを第2および第1の各球受け枠部60,50および戻し面域49を介して遊技盤35の遊技領域37へ侵入させようとする不正行為を好適に防止することができる。なお、不正物Wを回収路67を介して遊技補助盤7の前面に侵入させた場合には、該不正物Wの先端部が先ず侵入阻止片57に引掛かるようになり、これにより不正行為をある程度阻止することができる(図9参照)。
【0032】
なお、前記実施例および変更例では、ファール球処理経路を構成する第1の球受け枠部50と第2の球受け枠部60とを、左右2回の異方向に屈曲連通する状態に延在した例を示したが、この屈曲数はこれに限るものではなく、例えば左右に3回以上の異方向に屈曲連通する状態に延在させるようにすれば、針金状や帯板状の不正物Wを戻し面域49を介して遊技盤35の遊技領域37へ侵入させることは一段と困難となり、不正行為を更に好適に防止することができる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明に係るパチンコ遊技機の不正防止構造によれば、ファール球処理経路を構成する第1の球受け部と第2の球受け部を介することにより、戻し面域に落入したファール球を回収口を介して下球皿へ好適に排出することができる。しかも、前記第1の球受け部と第2の球受け部は、左右異方向に屈曲連通する状態に延在させたことにより、下球皿前側からの不正物の侵入による不正操作を好適に防止することができる。すなわち、下球皿から回収口を介して遊技補助盤の前面に不正物を侵入させ得たとしても、前記第1の球受け部と第2の球受け部とが略反対方向へ延在しているから、これら第1の球受け部の壁部および第2の球受け部の壁部で不正物の侵入が阻止され、ファール球の戻し面域を介して遊技盤の遊技面へ該不正物を侵入させる不正行為が好適に防止される利点がある。
【0034】
また、本発明に係るパチンコ遊技機の不正防止構造によれば、遊技補助盤の前面側において、上球皿に連通した給出路と戻し面域との間に第1の球受け部の壁部を位置させたことにより、上球皿前側からの不正物の侵入による不正操作をも好適に防止することができる。すなわち、上球皿から給出路を介して遊技補助盤の前側に不正物を侵入させ得たとしても、前記第1の球受け部の壁部で不正物のそれ以上の侵入が阻止され、ファール球の戻し面域を介して遊技盤の遊技面へ該不正物を侵入させる不正行為が好適に防止される利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るパチンコ機全体を略示する正面図である。
【図2】前枠内側の遊技補助盤周囲部分を主に示す正面図である。
【図3】ファール球処理主要部を分解して略示する斜視図である。
【図4】遊技補助盤,上球皿および下球皿の縦断側面図である。
【図5】賞球の球出口部分における遊技補助盤および上球皿の縦断側面図である。
【図6】賞球の球出口部分を一部破断して示す横断平面図である。
【図7】パチンコ機裏側の機構セット盤に配設した球処理部の背面図である。
【図8】遊技盤の案内レールに取着した侵入阻止部材を示す縦断側面図である。
【図9】ファール球処理部の変更例を示す正面図である。
【符号の説明】
1 外枠 2 前枠
5 収容枠 7 遊技補助盤
10 球出口 11 回収口
19 上球皿 17 ガラス扉
23 球受け筒 24 給出路
27 下球皿 29 打球発射装置
35 遊技盤 36 案内レール
37 遊技領域(遊技面) 41 機構セット盤
48 発射レール 49 戻し面域
50 第1の球受け枠部(第1の球受け部)
52 壁部 52a 底面
53 出口 54 案内片(壁部)
55 通路 56 返し片(壁部)
57 侵入阻止片 60 第2の球受け枠部(第2の球受け部)
62a 壁部 65 通路
66 出口 70 間隙
71 庇片 72 間隙
73 侵入阻止部材 W 不正物
Claims (7)
- 外枠(1)に組付けられた前枠(2)に横開き可能なガラス扉(17)および上球皿(19)と定置形態の下球皿(27)そして打球発射装置(29)および裏側の機構セット盤(41)等が装備される一方、前枠(2)内側の収容枠(5)内に遊技盤(35)がセットされてガラス扉(17)で保護され、この遊技盤(35)前面の案内レール(36)下端と収容枠(5)下部の遊技補助盤(7)前面の発射レール(48)上端との間にファール球用の戻し面域(49)が開設され、遊技補助盤(7)の下部中央に下球皿(27)側に連絡される回収口(11)が形成されたパチンコ遊技機にあって、
前記遊技補助盤(7)の前側と上球皿(19)の後側との間に設けられて上方に拡開する左右の案内片 (54,54) の間に前記戻し面域 (49) が臨むと共に前記遊技補助盤 (7) に形成された賞球用の球出口 (10) の前面側部に出口 (53) が臨み、底面 (52a) を出口 (53) へ向けて下方傾斜させた壁部 (52) により前記戻し面域 (49) と出口 (53) とを連通する通路 (55) が形成されて戻し面域(49)に落入したファール球を底面 (52a) で案内して出口 (53) から通出させる第1の球受け部(50)と、
前記遊技補助盤 (7) の前側と上球皿 (19) の後側との間に設けられ、前記第1の球受け部 (50) の出口 (53) および前記球出口 (10) の下方に臨むと共に前記回収口 (11) の前面側に出口 (66) が臨み、前記回収口 (11) に向けて下方傾斜する壁部 (62a) により通路 (65) が形成されて球出口(10)からのこぼれ球および第1の球受け部 (50) の出口 (53) からのファール球を受け入れて壁部 (62a) で案内して出口 (66) から通出させる第2の球受け部(60)と、
前記第2の球受け部 (60) の出口 (66) を前記回収口 (11) に連通する回収路 (67) とを備え、
前記第1の球受け部 (50) および第2の球受け部 (60) により、前記回収口(11)から前記戻し面域 (49) に至るファール球処理経路(65,55) を、左右異方向に屈曲連通する状態とし、
前記下球皿(27)の前側での異物不正侵入操作により回収口(11)から遊技補助盤(7)の前面側に挿入された不正物(W)を、第1,第2の球受け部(50,60)の壁部(52,54,56,62a)で阻止して、遊技盤(35)の遊技面(37)内への侵入を制止するようにした
ことを特徴とするパチンコ遊技機の不正防止構造。 - 前記第1の球受け部(50)の壁部(52,54,56)は、前記遊技補助盤(7)の前側における前記球出口(10)と前記戻し面域(49)との間に位置し、前記上球皿(19)の前側での異物不正侵入操作により該球出口(10)に連通した給出路(24)から遊技補助盤(7)の前面側に挿入された不正物(W)を、前記第1の球受け部(50)の壁部(52,54,56)で阻止して、戻し面域(49)を介して遊技盤(35)の遊技面(37)内への侵入を制止する請求項1記載のパチンコ遊技機の不正防止構造。
- 前記壁部 (52) における出口 (53) の下方には、回収口 (11) を介して侵入させた不正物 (W) の侵入を制止する侵入阻止片 (57) が垂直下方に延出形成されている請求項1または2記載のパチンコ遊技機の不正防止構造。
- 前記左右の案内片 (54,54) の下端部には、返し片 (56,56) が連設状態で屈曲形成されて、前記出口 (53) 側から侵入した不正物 (W) が戻し面域 (49) 方向へ延出することを阻止するよう構成されている請求項1〜3の何れか一項に記載のパチンコ遊技機の不正防止構造。
- 前記遊技補助盤 (7) には、前記球出口 (10) の上縁部から前方へ延出する庇片 (71) が一体的に形成されて、上球皿 (19) を遊技補助盤 (7) に対して閉鎖セットした際に、上球皿 (19) の球受け筒 (23) の後端縁と球出口 (10) の前面との間に画成される間隙 (70) からの不正物 (W) の挿入を阻止するよう構成されている請求項1〜4の何れか一項に記載のパチンコ遊技機の不正防止構造。
- 前記案内レール (36) における前記球出口 (10) の上方に位置する部位に、ガラス扉 (17) と案内レール (36) の前端部との間隙 (72) に介在する侵入阻止部材 (73) を取り付けて、該間隙 (72) を介して不正物 (W) が遊技面 (37) 内へ侵入するのを阻止するよう構成した請求項1〜5の何れか一項に記載のパチンコ遊技機の不正防止構造。
- 前記第2の球受け枠部 (60) は、前記遊技補助盤 (7) の前面に設置されるスピーカの収容保持をなすセット部材 (61) により形成される請求項1〜6の何れか一項に 記載のパチンコ遊技機の不正防止構造。
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