JP3920474B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般式(1)で表される化合物を含有する皮膚外用剤、アトピー性皮膚炎改善剤、抗アレルギー剤、インターロイキン4産生抑制剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
インターロイキン4は、ヒトまたは動物の免疫応答細胞であるTリンパ球より産生される物質であり、Bリンパ球に作用してIgEなどの抗体の産生を増強することが知られている(臨床免疫,27巻,45−57頁,1995年)。IgEはアトピー性疾患の発生に深く関与していることが古くから知られている(皮膚科MOOK.,1巻,49−58頁,1985年)。また、インターロイキン4はアレルギー疾患における炎症部位への炎症性細胞の浸潤促進作用を有することが知られている(Cell,62巻,457−467頁,1990年)。これらのことから、インターロイキン4はアレルギー性疾患の発生に強く関与していると考えられる。従って、インターロイキン4の産生を抑制できれば、従来、アレルギー性疾患に行われてきたヒスタミン遊離抑制剤、IgEやヒスタミンの作用の抑制剤などを用いた治療法及び予防法と比較して、より根本から治療及び予防できると考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
インターロイキン4の産生抑制物質としては、一群のスルホニウム誘導体が唯一知られ(Japan.J.Pharmacol.,61巻,27−30頁,1993年)、経口薬に配合されてアトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患やかゆみ等の治療に使用されているが効力は十分ではない。また、構造上経皮吸収性が低いため、投与経路が限定されていた。従って、効力が優れ、かつ、経皮吸収性や安定性、安全性の優れたインターロイキン4産生抑制剤、抗アレルギー剤が必要とされていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
下記の一般式(1)で表される化合物が、インターロイキン4産生抑制効果を有し、アレルギー性疾患、特にアトピー性皮膚炎の予防および改善剤として有用であることを見出した。
【0006】
【化5】
【0007】
【発明の実施の形態】
一般式(1)で表される化合物は、公知の方法により合成できるが、市販品をそのまま用いてもよい。また、本発明の化合物は、フトモモ科(Myrtacease)の植物ユーカリノキ(Eucalyptus globulus)、フトモモ科(Myrtacease)の植物テンニンカ(Rhodomyrtustomentosa)、サルビア(Salvia coccinea)、セージ(Sage)等のシソ科(Lamiaceae)サルビア属植物に存在することから、これらの植物からも製造できる。その製造方法は特に制限はないが、これらの植物からの抽出物や、水蒸気蒸留等により得られる留分をゲルろ過やシリカゲルクロマトグラフィー、あるいは高速液体クロマトグラフィー等で精製し本発明の化合物が得られる。また、これらの抽出物や留分等をそのまま用いてもよく、抽出物としてはユーカリエキス、テンニンカエキス、サルビアエキス、セージエキス等、留分としてはユーカリオイル等が使用できる。
【0008】
一般式(1)で表される化合物の具体例としては、次の化合物(2)、化合物(3)が挙げられる。
【0009】
【化6】
【0010】
【化7】
【0011】
式(2)、(3)で表される化合物は単独で用いてもよいが、式(2)の化合物と式(3)の化合物は互いに異性体であり、これらを任意の割合で混合して用いてもよい。混合物で用いる場合は化合物(2)の混合比が50%以上であることが効力の点から好ましい。
【0012】
かくして得られた化合物(1)は、優れたインタイーロイキン4産生抑制活性を有し、抗アレルギー剤、特にアトピー性皮膚炎予防剤および改善剤として有用である。
【0013】
また、インターロイキン4は皮膚の様々な非アレルギー性疾患とも関係があるものと考えられる。インターロイキン4は角化細胞に作用してインターロイキン6の産生を増強する作用を有しており(Ann.N.Y.Acad.Scl.,557巻,454−465頁,1989年)、皮膚の炎症に関与すると考えられる。また、インターロイキン4によって刺激された肥満細胞は、エンドセリンに反応してヒスタミン遊離を起こすことが知られている(J.Immunol.,154巻,1830−1837頁,1995年)。エンドセリンは紫外線によって角化細胞から産生されることを考えると、紫外線によるかゆみへの関与も十分考えられる。インターロイキン4は、繊維芽細胞に作用してコラーゲン合成能を修飾することも知られており(J.Clin.Invest.,90巻,1479−1485頁,1992年)、皮膚のしわ及びたるみに関与する可能性もある。従って、化合物(1)を含有するインターロイキン4産生抑制剤は、インターロイキン4の関与する他の疾患、すなわち、かゆみ、しわ、しみ、水虫、口内炎等の予防及び治療に有効であることが期待できる。
【0014】
本発明でいう皮膚外用剤は、軟膏、化粧水、クリーム、乳液、パック、ファンデーション等の他、入浴剤も包含する。これら皮膚外用剤には、他に通常使用される外用基剤、他の薬効成分等を配合できる。皮膚外用基剤としては、油性基剤、油/水、水/油型の乳化系基剤及び水のいずれでもよい。
【0015】
油性基剤としては、例えば、植物油、動物油等の油脂、高級アルコール、脂肪酸、エステル類等が挙げられる。また、薬効成分としては、例えば鎮痛消炎剤、殺菌消毒剤、ビタミン剤、皮膚柔軟化剤等を必要に応じて適宜使用できる。さらに、保湿剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、防腐剤、増粘剤、アルコール類、色素、香料等を配合できる。
【0016】
本発明のインターロイキン4産生抑制剤、抗アレルギー剤、アトピー性皮膚炎予防および改善剤は、皮膚外用剤の他、必要に応じ経口投与剤、注射剤、吸入剤、として投与できる。
【0017】
経口投与剤は、常法に従い前記化合物(1)を乳糖、でんぷん等の担体と混合し、必要により成型して、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤とするか、精製水等に溶解ないし分散させて液剤、シロップ剤、ドリンク剤とすることにより調整される。また、注射剤、吸入剤も常法に従い調製される。
【0018】
前記化合物(1)の配合量、投与量は通常の範囲内であれば特に制限ないが、通常は成人1日あたり0.001〜2000mgの範囲で用いられ、入浴剤では、浴湯中0.1ppb以上、特に1〜1000ppbとなる量が好ましい。
【実施例】
【0019】
実施例1 インターロイキン4産生抑制能の測定
Balb/cマウスに、200μgの蛋白質抗原(カサガイヘモシアニン)をフロイントの完全アジュバントと共に皮下注射し感作した。7日後、リンパ腺を摘出し、PhosphateBuffered Saline(以下「PBS」と略す)中で溶かして、リンパ球の懸濁液を調製した。調製したリンパ球を96穴プレートに1ウェル当たり4×105細胞の濃度でまき、化合物(2)(FRUKA製、純度99%)、化合物(3)(FRUKA製、純度99%)を最終濃度0.0004%となる様に添加した10%牛血清加RPI 1640培地を用いて37℃、約1時間培養した後、蛋白質抗原(カサガイヘモシアニン)を添加した(最終濃度10μg/ml)。さらに、3日間の培養の後、その培養上清をELISA法による定量に供した。
【0020】
ELISA法による定量は、マウスサイトカインELISAシステム(Amersham 社)を用いた。インターロイキン4をコントロールに対する抑制率を算出し、サイトカイン抑制効果を判定した。すなわち、インターロイキン4産生抑制率(%)(以下の表中では「IL−4抑制率」と略す)は、植物抽出物を含有する培地溶液のみを加えた時のインターロイキン4産生を何%抑制するかを示すものである。
その結果、化合物(2)及び(3)には、表1に示す通り、比較品と比べ顕著なインターロイキン4産生抑制効果が認められた。化合物(2)及び(3)は、インターロイキン4の産生で誘起される、アトピー性皮膚炎に対する予防および改善剤や抗アレルギー剤として有用である。
【0021】
【表1】
【0022】
実施例2 ダニ抗原アレルギーに対する効果
剃毛したBalb/c系マウス(雌)の腹部にセロファンテープ(ニチバン)で8回テープストリッピングを施し、ダニ抗原(鳥居薬品製スクラッチエキス「ダニ」を透析後、限外濾過で10倍に濃縮したもの)をその腹部に50ml塗布して感作した。1日後,4日後,5日後,6日後に化合物(2)(0.01%(w/v),0.1%(w/v),1.0%(w/v)in 70%Ethanol)20mlをマウスの片耳に塗布し、もう一方の耳に溶媒コントロールを同量塗布した(各群N=6)。7日後に上記ダニ抗原を耳介の背側に10ml皮内注射して惹起し、3時間後と20時間後に化合物(2)溶液で温湿布した。温湿布は、40℃のサンプル溶液を十分に含浸させたペーパータオルで耳介を10分間覆う方法を採った。惹起24時間後、耳介の厚みをゲージで測定した。最初の惹起前の耳介厚との差をもって耳介の腫脹とした。耳介腫脹抑制率(%)は、[耳介腫脹(溶媒コントロール)−耳介腫脹(サンプル)]/耳介腫脹(溶媒コントロール)×100で求めた。溶媒コントロール部位に対するサンプル部位の耳介腫脹の有意差についてt−test法で検定した。
【0023】
その結果、化合物(2)は、表2に示す通り、ダニ抗原アレルギーによる耳介腫脹の抑制実験では、いずれの濃度でも耳介腫脹抑制効果を示した。すなわち、化合物(2)の0.01%溶液、0.1%溶液、1.0%溶液で、それぞれ11%、19%、26%の耳介腫脹抑制を示し、中でも0.1%と1.0%の効果は顕著(前者は、危険率5%、後者は危険率1%で統計的に有意)であった。化合物(2)は抗アレルギー剤として有用である。
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