JP3920246B2 - 画像送信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも2つ以上の回線を使用するための2つ以上のポートを備える画像送信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数ポートを備え複数回線を使用可能なファクシミリ装置(マルチポートファクシミリ装置)における画像データへの発信元情報付加に関する従来技術として、例えば下記特許文献1には、複数の電話回線やISDN回線などを使用してファクシミリ通信が行え、回線ごとに通信情報(発信元情報)を設定することができるファクシミリ装置において、行うべき送信が同一のファイルを複数の回線を使用して複数の送信先に送信するマルチポートの同報送信である場合には、共通の通信情報を送信される送信画像情報(画像データ)に付加して送信する機能を備えたものが記載されている。また、例えば下記特許文献2には、複数回線を使用するファクシミリ装置において、複数回線のそれぞれに対応して発信元情報を登録する発信元情報登録手段を有し、前記登録した発信元情報を通信相手先に通知する発信元通知手段を備えたものが記載されている。
【0003】
また、マルチポートファクシミリ装置における回線の選択に関する従来技術として、ユーザが特に回線を指定せずに送信を行った場合、空いている回線を自動的に選択して画像データを送信する機能を持つファクシミリ装置がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−24319号公報
【特許文献2】
特開平9−116721号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記マルチポート同報通信の場合の発信元情報付加に係る従来技術では、同報送信でない通常の送信の場合には各回線(ポート)ごとに設定された通信情報(発信元情報)が画像データに付加され、同報送信の場合には共通の通信情報(発信元情報)が画像データに付加される。上記回線ごとの発信元情報付加に係る従来技術では、各回線ごとに設定された発信元情報が使用した回線に応じて送信相手先に通知される。しかしながら、空ポート(回線)が自動的に割り当てられ送信が行われるようなファクシミリ装置において、同報送信でない場合には、エラー発生等の理由により送信途中で回線接続を切断され再度回線を接続して再送を行う場合に別の回線が選択される場合がある。この場合に従来技術においては各ポートごとに設定された、ポートごとに異なる発信元情報が使用されるため回線切断前と後では異なった発信元情報(例えば異なる発信元FAX番号)が画像データに付加されることとなり、ファックスを受け取った人がエラーで途中まで送られた画像データの再送か否かを混乱することとなる。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、特にポートを指定せずに送信を行った場合にも、特別な操作なしに送信原稿に付加される発信元情報を固定することが出来るようなファクシミリ装置を提供することが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る画像送信装置は、少なくとも2つ以上の回線を使用するための2つ以上のポートを備える画像送信装置において、装置固有の発信元情報を記憶する装置情報記憶手段と、画像データの送信に使用するポートを自動的に割り当てる自動ポート割当手段と、前記自動ポート割当手段により割り当てられたポートを使用して前記画像データの送信を行う場合には前記装置情報記憶手段に記憶された装置固有の発信元情報を前記画像データに付加する付加手段と、前記自動ポート割当手段により割り当てられたポートを使用して前記装置固有の発信元情報が付加された画像データを送信する送信制御手段とを備える。
【0008】
この構成によれば、各ポートで共通に使用する発信元情報(発信元装置情報)を装置に記憶し、送信に使用するポートが自動的に割り当てられて画像データの送信が行われる場合には上記発信元装置情報が画像データに付加されるので、エラーの発生等により送信途中の画像データの送信が中止され、自動的に別のポートが使用されて画像データが再送信されるような場合にも、中断前と中断後で同一の送信元情報が画像データに付加されるので、エラーで途中まで送られた画像データが再送されて来たことが容易にわかり、別の送信者から送信されてきた画像データであると勘違いする等の混乱を受信者にもたらすことがない。
【0009】
請求項2に係る画像送信装置は、上記構成に加えて、前記装置固有の発信元情報をユーザが前記画像送信装置に入力するための入力手段を更に備える。この構成によれば、前記装置固有の発信元情報をユーザが入力するための手段が備えられているので、前記装置固有の発信元情報をユーザが決定し入力することが出来る。
【0010】
請求項3に係る画像送信装置は、上記構成に加えて、前記ポート固有の発信元情報をポートごとに記憶する発信元ポート情報記憶手段と、画像データの送信に使用するポートをユーザが指定するためのポート指定手段と、前記ポート指定手段により指定されたポートを使用して前記画像データを送信する場合には前記発信元ポート情報記憶手段に記憶された使用するポートの発信元情報を前記画像データに付加する発信元ポート情報付加手段とを更に備え、前記送信制御手段は前記ポート指定手段によりポートが指定された場合には前記ポート指定手段により指定されたポートを使用して当該ポートの発信元情報が付加された画像データを送信する。
【0011】
この構成によれば、ポートごとにポート固有の発信元情報(発信元ポート情報)が装置に記憶され使用するポートをユーザが指定することが出来ると共にユーザ指定のポートを使用する場合には指定したポートに固有の発信元ポート情報が画像データに付加されて送信されるので、送信ポートをユーザが指定することにより特定の発信元情報(発信元ポート情報)を画像データに付加して送信することが出来る。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態による画像送信装置であるファクシミリ装置の一例としてデジタル複合機について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施の形態によるファクシミリ機能が組み込まれたデジタル複合機の機械的構成を主に示す側面概略図である。
【0013】
デジタル複合機1は、スキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能、及びコピー機能等の複合機能を備えたデジタル方式の複写機である。デジタル複合機1では、上記の各機能を組み合わせて種々の機能が実現される。
【0014】
デジタル複合機1は、本体部200と、本体部200の左側に配設された用紙後処理部300と、ユーザが種々の操作指令等を入力するための操作部400と、本体部200の上部に配設された原稿読み取り部500と、原稿読み取り部500の上方に配設された原稿給送部600とから構成される。
【0015】
操作部400は、タッチパネル401、スタートキー402及びテンキー403等を備える。タッチパネル401は、種々の操作画面を表示するとともに、ユーザが種々の操作指令を入力するための種々の操作ボタン等を表示する。スタートキー402は、ユーザがコピー実行指令等を入力するために用いられ、テンキー403は、コピー部数等を入力するために用いられる。
【0016】
原稿給送部600は、原稿載置部601、原稿排出部602、給紙ローラ603及び原稿搬送部604等を備え、原稿読み取り部500は、スキャナ501等を備える。給紙ローラ603は、原稿載置部601にセットされた原稿を繰り出し、原稿搬送部604は、繰り出される原稿を1枚ずつ順にスキャナ501上に搬送する。スキャナ501は搬送される原稿を順次読み取り、読み取られた原稿は原稿排出部602に排出される。
【0017】
本体部200は、複数の給紙カセット201、複数の給紙ローラ202、転写ローラ203、感光体ドラム204、露光装置205、現像装置206、定着ローラ207、排出口208、及び排出トレイ209等を備える。
【0018】
感光体ドラム204は、矢印方向に回転しながら帯電装置(図示省略)によって一様に帯電される。露光装置205は、原稿読み取り部500において読み取られた原稿の画像データに基づいて生成された変調信号をレーザ光に変換して出力し、感光体ドラム204に静電潜像を形成する。現像装置206は、所定の現像剤を感光体ドラム204に供給してトナー画像を形成する。
【0019】
一方、給紙ローラ202は、用紙が収納された給紙カセット201から用紙を引き出し、転写ローラ203まで給送する。転写ローラ203は、搬送された用紙に感光体ドラム204上のトナー像を転写させ、定着ローラ207は、転写されたトナー像を加熱して用紙に定着させる。その後、用紙は、本体部200の排出口208から用紙後処理部300に搬入される。また、用紙は、必要に応じて排出トレイ209へも排出される。
【0020】
用紙後処理部300は、搬入口301、用紙搬送部302、搬出口303及びスタックトレイ304等を備える。用紙搬送部302は、排出口209から搬入口301に搬入された用紙を順次搬送し、最終的に搬出口303からスタックトレイ304へ用紙を排出する。スタックトレイ304は、搬出口303から搬出された用紙の集積枚数に応じて矢印方向に上下動可能に構成されている。
【0021】
図2は、図1に示すデジタル複合機1の電気的構成を主に示すブロック図である。デジタル複合機1は、スキャナ部11、画像処理部21、プリンタ部31、制御部41、操作パネル部51、ファクシミリ通信部61、ネットワークI/F(インターフェース)部62、パラレルI/F部63、シリアルI/F部64及びHDD(ハードディスクドライブ)65を備える。
【0022】
スキャナ部11、画像処理部21、制御部41、操作パネル部51及びネットワークI/F部62は、図1に示す操作部400、原稿読み取り部500及び原稿給送部600に相当し、これらの各部によりスキャナ機能が実現される。スキャナ部11、画像処理部21、プリンタ部31、制御部41、操作パネル部51及びファクシミリ通信部61は、図1に示す本体部200、操作部400、原稿読み取り部500及び原稿給送部600に相当し、これらの各部によりファクシミリ機能が実現される。画像処理部21、プリンタ部31、制御部41、操作パネル部51、ネットワークI/F部62及びパラレルI/F部63は、図1に示す本体部200及び操作部400に相当し、これらの各部によりプリンタ機能が実現される。スキャナ部11、画像処理部21、プリンタ部31、制御部41、操作パネル部51及びネットワークI/F部62は、図1に示す本体部200、用紙後処理部300、操作部400、原稿読み取り部500及び原稿給送部600に相当し、これらの各部によりコピー機能が実現される。
【0023】
操作パネル部51は、図1に示すタッチパネル401等から構成されるタッチパネル部52、及び図1に示すスタートキー402及びテンキー403等から構成される操作キー部53を含む。操作パネル部51は、ユーザがスキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能、コピー機能等に関する操作を行うために使用され、ユーザによる操作指令等を制御部41に与える。タッチパネル部52は、タッチパネルとLCD(Liquid Crystal Display)とを組み合わせたタッチパネルユニット等から構成され、種々の操作画面、例えば、コピー機能実行時には、原稿サイズ、コピーサイズ、印刷部数等に関する情報を表示するとともに、ユーザが当該部分をタッチすることにより種々の操作指令を入力するための操作ボタン等を表示する。操作キー部53は、ユーザがコピー実行指令等を入力するために用いられる。
【0024】
制御部41は、スキャナコントローラ42、ファクシミリコントローラ43、プリンタコントローラ44及びコピーコントローラ45として機能する。制御部41は、マイクロコンピュータ及び専用のハードウエア回路等から構成され、装置全体の動作を制御する。スキャナコントローラ42は、スキャナ機能を実現するために用いられる各部の動作を制御する。ファクシミリコントローラ43は、ファクシミリ機能を実現するために用いられる各部の動作を制御する。プリンタコントローラ44は、プリンタ機能を実現するために用いられる各部の動作を制御する。コピーコントローラ45は、コピー機能を実現するために用いられる各部の動作を制御する。
【0025】
スキャナ部11は、図1に示すスキャナ501を構成する露光ランプ12及びCCD(電荷結合素子)13を含む。スキャナ部11は、露光ランプ12により原稿を照射し、その反射光をCCD13で受光することにより、原稿から画像を読み取り、読み取った画像に対応する画像データを画像処理部21へ出力する。
【0026】
画像処理部21は、補正部22、画像加工部23及び画像メモリ24を含む。画像処理部21は、読み取られた画像データを必要に応じて補正部22及び画像加工部23により処理し、処理された画像データを画像メモリ24に記憶したり、プリンタ部31、ファクシミリ通信部61又はネットワークI/F部62等へ出力する。補正部22は、読み取られた画像データに対してレベル補正、Y補正等の所定の補正処理を行う。画像加工部23は、画像データの圧縮又は伸張処理、及び拡大又は縮小処理等の種々の加工処理を行う。
【0027】
プリンタ部31は、図1に示す給紙カセット201及び給紙ローラ202等から構成される用紙搬送部32、図1に示す感光体ドラム204、露光装置205、現像装置206等から構成される画像形成部33、図1に示す転写ローラ203等から構成される転写部34、及び図1に示す定着ローラ207等から構成される定着部35を含む。プリンタ部31は、スキャナ部11により読み取られた原稿データ、ネットワークI/F部62を介してLAN(Local Area Network)によりクライアントPC(パーソナルコンピュータ)等から送信された印刷データ、ファクシミリ通信部61を用いて外部のファクシミリ装置等から受信したファクスデータ等の画像データを用いて画像を用紙に印刷する。具体的には、用紙搬送部32は用紙を画像形成部33へ搬送し、画像形成部33は上記の画像データに対応するトナー像を形成し、転写部34はトナー像を用紙に転写し、定着部35はトナー像を用紙に定着させて画像を形成する。
【0028】
ファクシミリ通信部61は、符号化/復号化部(図示省略)、変復調部(図示省略)及びNCU(Network Control Unit)(図示省略)を含む。ファクシミリ通信部61は、スキャナ部11によって読み取られた原稿の画像データをポートに接続された電話回線を介してファクシミリ装置等へ送信したり、ファクシミリ装置等から送信された画像データを受信する。符号化/復号化部は、送信する画像データを圧縮・符号化し、受信した画像データを伸長・復号化する。変復調部は、圧縮・符号化された画像データを音声信号に変調したり、受信した信号(音声信号)を画像データに復調する。NCUは、送受信先となるファクシミリ装置等との電話回線による接続を制御する。本実施形態においてファクシミリ通信部61は2つの電話回線612及び613を接続するための2つのポートを備える。また、ファクシミリ通信部61内には2つのポートの切り替えを行うためのポート切替部611が備えられ必要に応じてポートを切り替えて回線を使用する。
【0029】
ネットワークI/F部62は、ネットワークインタフェース(10/100Base-TX)等を用い、LANを介して接続されたクライアントPC等に対する種々のデータの送受信を制御し、例えば、クライアントPC等から送信された印刷データ等を受信する。パラレルI/F部63は、高速双方向パラレルインターフェイス(IEEE1284準拠)等を用い、複数の信号線を用いて複数ビット単位でデータを送信するパラレル伝送により外部機器等から印刷データ等を受信等する。シリアルI/F部64は、シリアルインターフェイス(RS−232C)等を用い、単一の信号線を用いて1ビットずつ順次データを送るシリアル伝送により外部機器等から種々のデータ等を受信等する。
【0030】
HDD65は、スキャナ部11によって読み取られた画像データ及び当該画像データに設定されている出力形式等の種々のデータ等を記憶する。HDD65に記憶されている画像データは、デジタル複合機1内部で使用されるだけでなく、必要に応じて、ネットワークI/F部62を介してクライアントPC等から確認したり、クライアントPC等の所定のフォルダへ転送される。
【0031】
上記のように、デジタル複合機1は、スキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能、コピー機能等の種々の機能を実行可能なように構成されており、ファクシミリ装置として使用することが出来る。本実施形態においては、デジタル複合機1を特にファクシミリ装置として使用する。
【0032】
図3は、図2に示す電気的構成のうち特にファクシミリ送信機能に係る部分である操作パネル部51、スキャナ部11、画像処理部21、ファクシミリ通信部61、HDD65及び制御部41内のファクシミリコントローラ43と、ファクシミリコントローラ43において特に本発明に係る機能の構成を示すブロック図である。以下に特にファクシミリコントローラ43内の各機能に係る説明を行う。
【0033】
操作パネル部51は、ファクシミリ送信において、ユーザによる送信相手先のFAX番号の入力、FAX送信指示の入力、送信に使用するポート指定の入力、送信画像データに付加される発信元情報の入力に主に使用される。
【0034】
ポート指定入力部431は、ユーザが操作パネル部51を使用して行った、次に送信指示される画像データの送信に使用するポートの指定を操作パネル部51から受け付ける。受け付けられた使用ポートの指定は、例えば使用するポートを識別するための番号情報(ポート指定情報、例えばポート1に対して「1」、ポート2に対して「2」)としてポート指定入力部431から送信制御部434に送信される。
【0035】
発信元情報入力部432は、操作パネル部51を使用してユーザが入力した発信元情報を受け付けHDD65内に発信元情報テーブル651として記憶する。ユーザが入力する情報は例えば図4のテーブルの発信元情報欄65bに示すもので、種別欄65aに示す各種別に対応した発信元情報を入力する。種別「装置」とはこの欄の発信元情報65bが装置固有(共通)の発信元情報であること、種別「ポート1」〜「ポート2」はこれらの欄の発信元情報65bがポート1〜ポート2の各ポートに固有の発信元情報であることを意味している。種別「装置」の発信元情報は自動ポート割当機能によりポートが装置により自動的に割り当てられた場合に使用される発信元情報(発信元装置情報)で、どのポートが使用される場合にも使用される。種別「ポート1」〜「ポート2」の発信元情報はユーザが送信に使用するポートを指定した場合に使用される発信元情報で、使用されるポートに対応した種別の発信元情報(発信元ポート情報)が使用される。ユーザは1つの種別に対してのみ発信元情報を入力してもよいし、複数の種別に対して発信元情報を入力してもよい。ユーザが発信元情報を入力していない場合にはその種別に対しての発信元情報は画像データに付加されない。発信元情報入力部432は操作パネル部51から図4に示すテーブルの形でユーザが操作パネル部51に入力した発信元情報を受信する。
【0036】
発信元情報付加部433は、送信制御部434からの指示により発信元情報を画像内に組み込むための制御を行う。発信元情報付加部433は送信制御部434から発信元情報付加の指示を受けたら送信制御部434に後で説明する未送信データ情報テーブルの指定ポート欄5cの値を問い合わせる。指定ポート欄5cはユーザによるポートの指定を管理するためのもので指定されたポートの番号又は0を格納する。ここで0は指定なしを意味する。発信元情報付加部433は指定ポート欄5cの問い合わせに対し送信制御部434は指定ポート欄5cの値を発信元情報付加部433に送信する。発信元情報付加部433は指定ポート欄5cの値に応じHDD65から発信元情報を取得する。具体的には例えば指定ポート欄5cが0であれば発信元情報テーブル651の「装置」欄の発信元情報65bを、指定ポート欄5cが1であれば「ポート1」欄の発信元情報65bを、指定ポート欄5cが2であれば「ポート2」欄の発信元情報65bを取得する。発信元情報を取得したら発信元情報付加部433は画像加工部23に発信元情報を送信すると共に送信原稿の画像データに当該発信元情報を付加することを指示する。画像加工部23はこれを受けて送信原稿の画像データに当該発信元情報を付加する。例えば送信原稿のページの上端に発信元情報が記載されるように加工する。
【0037】
送信制御部434は、操作パネル部51を使用してユーザから送信指示があった場合に当該送信指示及び送信先FAX番号を受け付け送信制御を開始する。以下に送信制御部434の送信制御について説明する。送信制御部434は送信先FAX番号を送信制御部434内に一時的に格納する。例えば送信制御部434は図5に示す未送信データ情報テーブルを送信制御部434内に保持し、送信指示が行われた後、送信が行われるまでの間、当該送信に係る情報を保持する。未送信データ情報テーブル内に格納する情報は送信先FAX番号欄5a、画像データアドレス5b及び指定ポート5cである。画像データアドレス5bは送信する画像データの画像メモリ24内の格納位置へのリンク情報で、指定ポート5cにはユーザが使用するポートがユーザにより指定された場合はポートの番号、指定されてない場合は指定されていない旨を示す情報(図中では「0」を使用)を格納する。このテーブルは1回の送信指示に係る情報を保持する。従って通常の送信においては1行だけのデータが保持されるが同報送信(同じ画像データを複数の送信先に送信する送信)の場合には複数の送信先FAX番号に対応して複数行のデータが保持される。送信先FAX番号以外の情報の格納については後述する。
【0038】
送信制御部434は、ユーザが操作パネル部51を使用して行った送信指示に対応した送信指示信号を操作パネル部51から送信制御部434が受信することを契機に送信する原稿の読取指示をスキャナ部11に対して行う。スキャナ部11は読み取った画像データを画像処理部21の画像メモリ24に格納する。画像処理部21は画像データを格納したら画像データへのリンク情報(例えば画像メモリ24内の画像データ格納アドレス)を送信制御部434に渡す。送信制御部434は画像処理部21から受信した画像データのリンク情報を例えば図5に示す未送信データ情報テーブルの画像データアドレス欄5cに格納する。
【0039】
ポート指定情報の管理として、送信制御部434はポート指定入力部431から受信したポート指定情報を未送信データ情報テーブルの指定ポート欄5cに格納して管理する。同報送信の場合には1つのポート指定情報を全ての行の指定ポート欄5cに格納する。指定ポート欄5cは例えば2つのポートがある装置の場合に0〜2までの数字によりポート割当情報を管理する。指定ポート欄5cが「0」の場合はユーザからは使用ポートの指定がなく自動ポート割当が行われること、「1」の場合はポート1を使用することが、「2」の場合はポート2を使用することがユーザから指示されたことを意味する。「0」はデフォルト値でユーザからのポート指定が特にない場合に使用される。指定ポート欄5cには初期値として「0」が最初に格納される。
【0040】
発信元情報付加指示として、送信制御部434は発信元情報付加部433へ発信元情報を付加するよう指示を出す。また、発信元情報付加部433からの指定ポート欄5cの問い合わせに対して指定ポート欄5cの値を発信元情報付加部433に送信する。
【0041】
ポート割当として、送信制御部434は未送信データ情報テーブルの次の送信に係る行(ここでは例えば1番上の行)の指定ポート欄5cが0以外の場合にはその番号に対応したポートを送信に使用するポートとして割り当てる。例えば指定ポート欄5cが1であればポート1を送信に割り当てる。指定ポート欄5cが0の場合には自動ポート割当を行う。自動ポート割当の制御は以下のようである。送信制御部434はファクシミリ通信部61にポート1から順にポートが使用中か否かを問い合わせる。ファクシミリ通信部61はこれに対して使用中か否かを返信する。問い合わせたポートが使用中でなければ当該ポートを送信に使用するポートとして割り当てる。問い合わせたポートが使用中であれば次のポートについて同様のことを繰り返す。全ポートが使用中である場合にはポート1から同様に繰り返す。
【0042】
ファクシミリ通信部61への送信指示として、送信制御部434は未送信出た情報テーブルの1番上の行にある送信情報(送信相手先FAX番号5a、画像データアドレス5b)及び当該送信に使用するポートの番号をファクシミリ通信部61に送信し画像データの送信を指示する。送信を指示したら未送信データ情報テーブルの当該送信の行を削除すると共に、図6に示す送信中データ情報テーブルの送信に使用しているポート番号6aの行に未送信データ情報テーブルのデータ(送信先FAX番号5aを6bに、画像データアドレス5bを6cに、指定ポート5cを6dに)を移動する。
【0043】
送信中データ情報テーブルは例えば図6に示すようなテーブルの情報で、エラー等により回線の接続が切断された場合の再送のためにファクシミリ通信部61へ送信指示を行った後も送信画像データに係る情報を保持するためのものである。送信中データ情報テーブルは各ポートで送信中の画像データに対する送信相手先FAX番号6b、画像メモリ24内における画像データの格納位置情報6c及びユーザによる使用ポートの指定の情報6dが格納される。送信制御部434は送信中の画像データの送信が終了したら画像メモリ24中の対応する画像データを削除すると共に送信中データ情報テーブルの対応する欄のデータを削除する。
【0044】
ファクシミリ通信部61は指示されたポート番号のポートから送信相手先FAX番号に回線を接続し、画像メモリ24上の画像データを送信する。送信が終了した場合には送信制御部434に送信が終了した旨を送信に使用したポート番号と共に伝える。
【0045】
次に図7のフローチャートに従いポート(回線)を2つ備える上記デジタル複合機1における発信元情報の登録時における処理の流れを説明する。S1では、ユーザは操作パネル部51のタッチパネル部52を使用して例えば「発信元情報登録」キーを押すことにより発信元情報を入力することを指示し操作パネル部51はこれを受け付ける。S3では、操作パネル部51はタッチパネル部52に発信元情報の種別選択ウィンドウを表示する。この画面では種別選択ウィンドウと共に後で説明する「登録」キーも表示される。発信元情報の種別とは図4の65aに示す種別と同じものである。ユーザはタッチパネル部52に表示された発信元情報の種別選択ウィンドウから入力したい発信元情報を一つ選択する。
【0046】
S5では、操作パネル部51は装置固有の発信元装置情報の入力が選択されたと判断したら(S5でYES)、S7に進む。S7では、操作パネル部51は発信元装置情報の入力画面を表示する。S9では、ユーザは発信元装置情報の入力画面で発信元装置情報として画像データに付加したい文字列を入力する。例えば図4の発信元情報欄65bに示すように文字列「株式会社○○○○ ××部」を入力する。タッチパネル部52に表示された「OK」キーがユーザにより押下されたことを操作パネル部51が検知したら発信元装置情報の入力は完了される。操作パネル部51は発信元装置情報の入力画面を終了する。
【0047】
S11では、ポート1固有の発信元ポート情報の入力が選択されたことを操作パネル部51が受信したら(S11でYES)、S13に進む。S13では、操作パネル部51はポート1用の発信元ポート情報の入力画面を表示する。S15では、ユーザは発信元ポート情報の入力画面でポート1用の発信元ポート情報として画像データに付加したい文字列を入力する。例えば図4の発信元情報欄65bに示すように文字列「FAX番号06−1111−1111」を入力する。タッチパネル部52に表示された「OK」キーがユーザにより押下されたことを操作パネル部51が検知したら発信元ポート情報の入力は完了される。操作パネル部51は発信元ポート情報の入力画面を終了する。
【0048】
S17では、ポート2固有の発信元ポート情報の入力が選択されたことを操作パネル部51が受信したら(S17でYES)、S19に進む。S19では、操作パネル部51はポート2用の発信元ポート情報の入力画面を表示する。S21では、ユーザは発信元ポート情報の入力画面でポート2用の発信元ポート情報として画像データに付加したい文字列を入力する。例えば図4の発信元情報欄65bに示すように文字列「FAX番号06−1111−2222」を入力する。タッチパネル部52に表示された「OK」キーがユーザにより押下されたことを操作パネル部51が検知したら発信元ポート情報の入力は完了される。操作パネル部51は発信元ポート情報の入力画面を終了する。
【0049】
S17の分岐でポート2固有の発信元ポート情報の入力が選択されたことが操作パネル部51により受信されなかった場合(S17でNO)、又はS9、S15、S21の処理が終了した場合、S23に進む。S23では、S3で表示された種別選択ウィンドウが表示された画面でタッチパネル部52に表示される「登録」キーがユーザにより押下されたか否かを操作パネル部51が判定することにより発信元情報の登録指示が行われたか否かをチェックする。登録指示が行われたら(S23でYES)、発信元情報を操作パネル部51から発信元情報入力部432に送信し、発信元情報入力部432はHDD65に発信元情報テーブル651として格納する。発信元情報の登録は画像データの送信が行われる以前であればいつ行われてもよい。
【0050】
次に図8及び図9のフローチャートに従いポート(回線)を2つ備える上記デジタル複合機1において画像データ送信時の処理の流れを説明する。S31では、ユーザが操作パネル部51を使用して次の送信に使用するポートの指定を入力したことを検知したか否かを操作パネル部51がチェックする。ポートの指定が入力された場合には(S31でYES)、S33へ進む。S33では、操作パネル部51は入力されたポート番号を送信制御部434に送信する。送信制御部434は操作パネル部51から受信したポート番号を未送信データ情報テーブルの指定ポート欄5cに格納する。例えばポート番号「2」を受信したら指定ポート欄5cに「2」を代入する。ポート番号を受信しなかった場合(使用するポートが指定されなかった場合)は指定ポート欄5cは初期値の「0」である。S31の分岐でポート指定が入力されなかった場合(S31でNO)又はS33の処理が終了した場合にはS35へ進む。
【0051】
S35では、操作パネル部51を使用してユーザが入力した送信先のFAX番号を操作パネル部51が受け付け一時的に記憶する。ここでは例えば送信先AのFAX番号03−2222−1111を入力する。頻繁に送る送信先の場合にはあらかじめFAX番号を登録しておいて原稿送信時に登録された一覧から選択することも出来る。この場合FAX番号の入力操作が簡略される。S37では、同報送信を行いたい場合にユーザが他の送信先のFAX番号を更に入力したい旨の指示があったか否かを操作パネル部51がチェックする。他のFAX番号を入力したい指示があれば(S37でYES)、S35へ戻り他のFAX番号入力処理を行う。例えば2つ目のFAX番号として03−3333−3333を入力する。他のFAX番号を入力したい指示がなければ(S37でNO)、S39へ進む。
【0052】
S39では、操作パネル部51を使用したユーザによる送信指示、例えばスタートボタンを押下すること、を操作パネル部51が受け付けたら、操作パネル部51が送信先FAX番号と共に送信指示信号を送信制御部434に送る。送信制御部434は受信した上記FAX番号を図5に示すように未送信データ情報テーブルのFAX番号欄5aに格納し、送信制御を開始する。同報送信であれば複数のFAX番号を格納し、指定ポート欄5cの内容は同一とする。
【0053】
S41では、送信制御部434から指示を受けスキャナ部11が送信原稿を読み取り、上記原稿内容を画像データとしてページ番号情報と共に画像メモリ24に格納し、送信制御部434は上記画像データへのリンク情報を未送信データ情報テーブルの画像データアドレス欄5bに格納する。同報送信であれば全ての行に格納する。
【0054】
S43では、発信元情報付加部433は送信制御部434が保持する未送信データ情報テーブルの指定ポート欄5cを見て、ユーザが送信に使用するポートの指定を行ったか否かをチェックし、ポートの指定が行われていなければ、例えば指定ポート欄5cが0であれば(S43でNO)、S45に進む。S45では、発信元情報付加部433は発信元情報テーブル651から装置固有の発信元装置情報を取得し、画像加工部23に取得した発信元装置情報を渡すと共に発信元装置情報を画像データに付加することを指示する。これにより画像加工部23は取得した発信元装置情報を画像データの所定の位置、例えばページ上端部に付加する画像加工を行う。
【0055】
S47では、送信制御部434はファクシミリ通信部61にポート1が空いているか否かを問い合わせポート1が空いていれば(S47でYES)、S49に進む。S49では、送信制御部434は未送信データ情報テーブルから送信先FAX番号5aと画像データアドレス5b及びポート1を使用する旨をファクシミリ通信部61に送信し画像データの送信を指示する。ファクシミリ通信部61は送信制御部434の指示に従い画像データの送信を行う。送信制御部434はファクシミリ通信部61への送信指示に伴い図5に示す未送信データ情報テーブルから送信指示を行ったデータの情報を削除し、図6に示す送信中情報テーブルに上記情報を移動する。S51では、未送信データ情報テーブルをチェックして同報送信の場合でまだ送信していないあて先があるか否かをチェックする。未送信のあて先があった場合(S51でYES)又はS47でポート1が空いていなかった場合は(S47でNO)、S53に進む。
【0056】
S53では、送信制御部434はファクシミリ通信部61にポート2が空いているか否かを問い合わせポート2が空いていれば(S53でYES)、S55に進む。S55では、送信制御部434は未送信データ情報テーブルから送信先FAX番号5aと画像データアドレス5b及びポート2を使用する旨をファクシミリ通信部61に送信し送信を指示する。ファクシミリ通信部61は送信制御部434の指示に従い画像データの送信を行う。送信制御部434はファクシミリ通信部61への送信指示に伴い図5に示す未送信データ情報テーブルから送信指示を行ったデータの情報を削除し、図6に示す送信中情報テーブルに上記情報を移動する。S57では、未送信データ情報テーブルをチェックして同報送信の場合でまだ送信していないあて先があるか否かをチェックする。未送信のあて先があった場合(S57でYES)又はS53でポート2が空いていなかった場合は(S53でNO)、S47に戻る。
【0057】
S43において使用するポートの指定があった場合には(S43でYES)、S59に進む。S59では、発信元情報付加部433による送信制御部434が保持する未送信データ情報テーブルのチェックにより、送信に使用するポートとしてポート1が指定されていれば、例えば指定ポート欄5cが1であれば(S59でYES)、S61に進む。S61では、発信元情報付加部433は発信元情報テーブル651からポート1固有の発信元ポート情報を取得し、画像加工部23に取得した発信元ポート情報を渡すと共に発信元ポート情報を画像データに付加することを指示する。これにより画像加工部23は取得した発信元ポート情報を画像データの所定の位置、例えばページ上端部に付加する画像加工を行う。
【0058】
S63では、送信制御部434は未送信データ情報テーブルから送信先FAX番号5aと画像データアドレス5b及びポート1を使用する旨をファクシミリ通信部61に送信し送信を指示する。ファクシミリ通信部61は送信制御部434の指示に従い画像データの送信を行う。送信制御部はファクシミリ通信部61への送信指示に伴い未送信データ情報テーブルから送信指示を行ったデータの情報を削除し、送信中情報テーブルに上記情報を移動する。S65では、未送信データ情報テーブルをチェックして同報送信の場合でまだ送信していないあて先があるか否かをチェックする。未送信のあて先があった場合(S65でYES)、S63に戻って未送信のあて先に対しての送信処理を行う。
【0059】
S59において発信元情報付加部433による送信制御部434が保持する未送信データ情報テーブルのチェックにより、送信に使用するポートとしてポート1が指定されていなければ(S59でNO)、ポート2が指定されているということであるのでS67に進む。S67では、発信元情報付加部433は発信元情報テーブルからポート2固有の発信元ポート情報を取得し、画像加工部23に取得した発信元ポート情報を渡すと共に発信元ポート情報を画像データに付加することを指示する。これにより画像加工部23は取得した発信元ポート情報を画像データの所定の位置、例えばページ上端部に付加する画像加工を行う。
【0060】
S69では、送信制御部434は未送信データ情報テーブルから取得した送信先FAX番号5a及び画像データアドレス5bをファクシミリ通信部61に送信すると共に、ポート2を使用する旨をファクシミリ通信部61に送信し画像データの送信を指示する。ファクシミリ通信部61は送信制御部434の指示に従い画像データの送信を行う。送信制御部はファクシミリ通信部61への送信指示に伴い未送信データ情報テーブルから送信指示を行ったデータの情報を削除し、送信中情報テーブルに上記情報を移動する。S71では、未送信データ情報テーブルをチェックして同報送信の場合でまだ送信していないあて先があるか否かをチェックする。未送信のあて先があった場合(S71でYES)、S69に戻って未送信のあて先に対しての送信処理を行う。
【0061】
次に画像データの送信中のエラー等により送信が中止(回線切断)され再送信が行われる場合の処理を図9のフローチャートを使用して説明する。S81では、送信制御部434はファクシミリ通信部61からエラー発生等により回線が切断された旨及びそのポート番号を受信したか否かをチェックする。受信していなければ(S81でNO)、チェックを繰り返す。回線が切断された旨を受信したら(S81でYES)、以下の処理により送信が中止された画像データを再送する。S83では、送信中データ情報テーブルの送信が中止されたポート番号の欄の指定ポート欄6dをチェックし送信に使用するポートが指定されているか否かをチェックする。ここでは例えば指定ポート欄6dが「0」か否かをチェックする。ポートの指定がなければ、例えば指定ポート欄6dが「0」であれば(S83でNO)、S85に進む。S85では、送信制御部434はファクシミリ通信部61にポート1が空いているか否かを問い合わせ、ポート1が空いていればS87に進む。S87では、送信制御部434は送信中データ情報テーブルから送信に必要な情報とポート1から送信する旨をファクシミリ通信部61に送信し画像データの送信を指示する。
【0062】
S85においてポート1が空いていなければS89に進む。S89では、ファクシミリ通信部61にポート2が空いているかを問い合わせ、ポート2が空いていれば(S89でYES)、S91に進む。S91では、送信制御部434は送信中データ情報テーブルから送信に必要な情報とポート2から送信する旨をファクシミリ通信部61に送信し画像データの送信を指示する。S89でポート2が空いていなかった場合には(S89でNO)、S85に戻る。
【0063】
S83で指定ポート欄に使用するポートの指定があった場合にはS93に進む。指定ポート欄にポート1が指定されていれば(S93でYES)、S95に進む。S95では送信制御部434は送信中データ情報テーブルから送信に必要な情報とポート1から送信する旨をファクシミリ通信部61に送信し画像データの送信を指示する。S93で指定ポート欄にポート1が指定されていなければ(S93でNO)、ポート2が指定されているということなのでS97に進む。S97では送信制御部434は送信中データ情報テーブルから送信に必要な情報とポート2から送信する旨をファクシミリ通信部61に送信し画像データの送信を指示する。
【0064】
このように本実施形態によれば明示的に送信ポートを指定した場合には各ポートごとに登録された発信元情報(発信元ポート情報)が画像データに付加されて送信される。また、明示的に送信ポートを指定しなかった場合には装置固有の発信元情報(発信元装置情報)が画像データに付加されて送信される。このため画像データの送信中にエラーの発生等により送信が中止され、回線を再度接続して送信を再開し画像データを再送信するような場合で装置により中断前とは別のポートが割り当てられた場合にも送信中断前と同一の発信元情報(発信元装置情報)が画像データに付加されるので、中断前と中断後で受信側の画像データに付加される発信元情報が同一のものとなり、画像データ受信者が画像データの発信元に対する混乱をおこすことがない。
【0065】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明の実施は本実施形態に限られるものではなく、本実施形態以外の実施形態においても実施可能である。
【0066】
本実施形態においては、1つの画像データを2つの送信先に送信する所謂同報送信の場合を例にとり説明したが、本発明が適用されるファクシミリ装置は必ずしも同報送信が可能な装置である必要はない。
【0067】
本実施形態においては、エラーが起こった場合に装置が自動的に再ダイアルを行い画像データを自動的に再送したが、このような機能を持たないファクシミリ装置においてはユーザが画像データを再送信してもよい。この場合においても中断前と中断後で共にポートを指定しないか共に同じポートを指定すれば同一の発信元情報が中断前画像データと中断後画像データに付加される。
【0068】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、各ポートで共通に使用する発信元情報(発信元装置情報)を装置に記憶し、送信に使用するポートが自動的に割り当てられて画像データの送信が行われる場合には上記発信元装置情報が画像データに付加されるので、エラーの発生等により送信途中の画像データの送信が中止され、自動的に別のポートが使用されて画像データが再送信されるような場合にも、中断前と中断後で同一の送信元情報が画像データに付加されるので、エラーで途中まで送られた画像データが再送されて来たことが容易にわかり、別の送信者から送信されてきた画像データであると勘違いする等の混乱を受信者にもたらすことがない。
【0069】
請求項2に記載の発明によれば、前記装置固有の発信元情報をユーザが入力するための手段が備えられているので、前記装置固有の発信元情報をユーザが決定し入力することが出来る。
【0070】
請求項3に記載の発明によれば、ポートごとにポート固有の発信元情報(発信元ポート情報)が装置に記憶され使用するポートをユーザが指定することが出来ると共にユーザ指定のポートを使用する場合には指定したポートに固有の発信元ポート情報が画像データに付加されて送信されるので、送信ポートをユーザが指定することにより特定の発信元情報(発信元ポート情報)を画像データに付加して送信することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態による分割送信機能を用いたデジタル複合機の機械的構成を主に示す側面概略図である。
【図2】 図1に示すデジタル複合機の電気的構成を主に示すブロック図である。
【図3】 図2に示すブロック図のうち特に本発明にかかる部分のデジタル複合機の電気的構成と制御部内の機能構成を示すブロック図である。
【図4】 発信元情報を格納したテーブルの例を示す図である。
【図5】 未送信データ情報テーブルの例を示す図である。
【図6】 送信中データ情報テーブルの例を示す図である。
【図7】 本デジタル複合機の発信元情報登録時の処理の流れを示すフローチャートを示す図である。
【図8】 本デジタル複合機のファクシミリ送信時の処理の流れを示すフローチャートを示す図である。
【図9】 本デジタル複合機のファクシミリ送信時の処理の流れを示すフローチャートのつづきを示す図である。
【図10】 本デジタル複合機のエラー発生、回線切断に伴う画像データ再送時の処理の流れを示すフローチャートを示す図である。
【符号の説明】
1 デジタル複合機(画像送信装置)
11 スキャナ部
21 画像処理部
22 画像加工部
23 画像メモリ
41 制御部
43 ファクシミリコントローラ
51 操作パネル部
61 ファクシミリ通信部
65 HDD
431 ポート指定入力部(ポート指定手段)
432 発信元情報入力部(入力手段)
433 発信元情報付加部(付加手段、ポート情報付加手段)
434 送信制御部(自動ポート割当手段、送信制御手段)
651 発信元情報テーブル(装置情報記憶手段、ポート情報記憶手段)
Claims (3)
- 少なくとも2つ以上の回線を使用するための2つ以上のポートを備える画像送信装置において、
装置固有の発信元情報を記憶する装置情報記憶手段と、
画像データの送信に使用するポートを自動的に割り当てる自動ポート割当手段と、
前記自動ポート割当手段により割り当てられたポートを使用して前記画像データの送信を行う場合には前記装置情報記憶手段に記憶された装置固有の発信元情報を前記画像データに付加する付加手段と、
前記自動ポート割当手段により割り当てられたポートを使用して前記装置固有の発信元情報が付加された画像データを送信する送信制御手段とを備えることを特徴とする画像送信装置。 - 前記装置固有の発信元情報をユーザが前記画像送信装置に入力するための入力手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の画像送信装置。
- 前記ポート固有の発信元情報をポートごとに記憶するポート情報記憶手段と、
画像データの送信に使用するポートをユーザが指定するためのポート指定手段と、
前記ポート指定手段により指定されたポートを使用して前記画像データを送信する場合には前記ポート情報記憶手段に記憶された指定されたポートの発信元情報を前記画像データに付加するポート情報付加手段とを更に備え、
前記送信制御手段は前記ポート指定手段によりポートが指定された場合には前記ポート指定手段により指定されたポートを使用して当該ポートの発信元情報が付加された画像データを送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像送信装置。
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