JP3919963B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、パチンコ遊技機やコイン遊技機あるいはスロットマシン等で代表される遊技機に関する。詳しくは、表示状態が変化可能な画像表示領域を有する可変表示装置を有し、前記画像表示領域の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能となる遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機において、従来から一般的に知られているものに、たとえば、可変表示装置が可変表示した後表示結果が導出表示され、その表示結果が予め定められた特定の表示態様(たとえば777)となった場合に、特定遊技状態(たとえば大当り状態)が発生して、遊技者にとって有利な状態に制御されるように構成されたものがあった。
【0003】
この種の従来の遊技機においては、可変表示装置に、可変表示を開始させてから表示結果を導出表示させるまでに、パターン化された演出表示を行なわせていた。
【0004】
また、この種の従来の遊技機においては、可変表示装置に複数種類の図柄を可変表示させるものがあった。このような遊技機では、可変表示装置において、図柄を、スクロール表示した後、スクロールする方向について、進行と後退とを繰返して揺れるような変動パターンで表示することにより、未だ図柄についての表示結果が確定していない旨を報知していた。
【0005】
さらに、この種の従来の遊技機においては、たとえば、可変表示装置における可変表示の最終段階で、図柄の表示領域がスクロール方向において2図柄以上の所定数の図柄を往復するような動作を行なうものがあった。これにより、可変表示装置における可変表示の最終段階では、前記の所定数の図柄が、スクロール方向について進行と後退とを繰返すように表示されるため、この所定数の図柄のいずれかが、表示結果として表示されるものであることを報知することができた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この従来の遊技機において、パターン化された演出表示を行なうものについては、可変表示装置で表示結果が導出表示されるまでの演出表示により遊技者の興奮を向上させることができながらも、ある程度遊技を繰返した遊技者は、演出表示の開始当初から表示結果を予想できるようになってしまう場合があった。これにより、演出表示により遊技者の興奮状態を効果的に盛り上げることができにくく、今一歩興趣を向上させることができない遊技機になってしまうという欠点があった。
【0007】
また、従来の遊技機において、進行と後退とを繰返して揺れるような変動パターンを表示するものについても、遊技者に、これから新たに可変表示装置における表示が変動するという期待を与えるにとどまり、今一歩興趣を向上させることができない遊技機になってしまうという欠点があった。
【0008】
さらに、2図柄以上の所定数の図柄を、進行と後退とを繰返すように表示するものについては、可変表示装置における表示結果の予想範囲を前記所定数の図柄に限定してしまうため、遊技機において、可変表示装置の表示の意外性を担保できないという欠点があった。
【0009】
本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、可変表示装置における表示結果が導出表示されるまでの演出表示に関して工夫をこらすことにより、表示結果に関する遊技者の期待感を盛り上げることのできる遊技機を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明にかかる遊技機は、表示状態が変化可能な画像表示領域を有する可変表示装置を有し、前記画像表示領域の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能となる遊技機であって、
前記可変表示装置の画像表示領域を可変表示させた後表示結果を導出表示させる制御を行なう可変表示制御手段を含み、
前記可変表示制御手段は、前記画像表示領域を可変表示させた後表示結果を導出表示させるまでの間に、前記画像表示領域により第1の演出表示パターンを進行表示させる制御と、該第1の演出表示パターンの進行表示を逆の方向に溯る遡及演出表示パターンを表示させた後に前記第1の演出表示パターンとは異なる演出表示パターンを行なう第2の演出表示パターンを進行表示させる制御とが可能な演出表示制御手段を含み、
該演出表示制御手段は、前記第1の演出表示パターンの表示により表示結果を導出する制御と、前記第1の演出表示パターンを進行表示した後に、前記第2の演出表示パターンの表示により表示結果を導出する制御とを行なうことが可能であり、
前記遡及演出表示パターンは、前記第1の演出表示パターンの進行表示が所定の進行段階にまで進行する過程で既に表示された所定の遡及表示段階に達するまで前記所定の進行段階から前記画像表示領域の全画面にわたり表示されている表示について遡らせる表示パターンであり、
前記第1の演出表示パターンを進行表示した後に前記第2の演出表示パターンの表示により表示結果が導出された方が、前記第1の演出表示パターンの表示により表示結果が導出されるよりも、遊技機が遊技者に対して有利な状態に制御される可能性が高いことを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の本発明にかかる遊技機は、請求項1に記載の発明にかかる遊技機の構成に加えて、前記可変表示制御手段は、前記遡及演出表示パターンにおける表示を、前記第1の演出表示パターンにおける表示よりも速く変化させる演出表示をすることが可能であることを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の本発明にかかる遊技機は、請求項1または請求項2に記載の発明にかかる遊技機の構成に加えて、前記第1の演出表示パターンは、表示結果が前記特定の表示態様とは異なる演出表示パターンであり、
前記第2の演出表示パターンは、表示結果が前記特定の表示態様となる演出表示パターンとする制御が可能であることを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の本発明にかかる遊技機は、請求項1または請求項2に記載の発明にかかる遊技機の構成に加えて、前記遊技機は、前記可変表示装置の表示結果が予め定められた特別の表示態様となった場合に、前記特定遊技状態とは異なった、遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御可能となり、
前記第1の演出表示パターンは、表示結果が前記特定の表示態様となる演出表示パターンであり、
前記第2の演出表示パターンは、表示結果が前記特別の表示態様となる演出表示パターンとする制御が可能であることを特徴とする。
【0018】
請求項5に記載の本発明にかかる遊技機は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明にかかる遊技機の構成に加えて、前記遊技機の遊技状態を制御するとともに、前記可変表示制御手段に、前記可変表示装置における表示を制御するための表示制御指令情報を出力可能な遊技制御手段をさらに含み、
前記遊技制御手段は、前記画像表示領域の表示における演出の開始に対して所定のタイミングで、前記可変表示制御手段が読取可能な態様で1回のみ、前記表示制御指令情報を出力することを特徴とする。
【0019】
【作用】
請求項1に記載の本発明によれば、演出表示制御手段の働きにより、画像表示領域を可変表示させた後表示結果を導出表示させるまでの間に、画像表示領域により第1の演出表示パターンを進行表示させる制御と、該第1の演出表示パターンの進行表示を逆の方向に溯る遡及演出表示パターンを表示させた後に第1の演出表示パターンとは異なる演出表示パターンを行なう第2の演出表示パターンを進行表示させる制御とが可能となり、かつ、第1の演出表示パターンの表示により表示結果を導出する制御と、第1の演出表示パターンを進行表示した後に、第2の演出表示パターンの表示により表示結果を導出する制御とを行なうことが可能となる。なお、遡及演出表示パターンとは、第1の演出表示パターンの進行表示が所定の進行段階にまで進行する過程で既に表示された所定の遡及表示段階に達するまで所定の進行段階から画像表示領域の全画面にわたり表示されている表示について遡らせる表示パターンである。そして、第1の演出表示パターンを進行表示した後に第2の演出表示パターンの表示により表示結果が導出された方が、第1の演出表示パターンの表示により表示結果が導出されるよりも、遊技機が遊技者に対して有利な状態に制御される可能性が高い。
【0022】
請求項2に記載の本発明によれば、請求項1に記載の発明による作用に加えて、可変表示制御手段の働きにより、遊技機が、遡及演出表示パターンにおける表示が第1の演出表示パターンにおける表示よりも速く変化するように構成されることが可能となる。
【0023】
請求項3に記載の本発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明による作用に加えて、可変表示装置の画像表示領域において、一旦、表示結果が特定の表示態様とは異なる第1の演出表示パターンが表示され、該第1の演出表示パターンの表示の進行を逆の方向に溯る遡及演出表示パターンが表示された後、表示結果が特定の表示態様となる第2の演出表示パターンが表示されることが可能となる。
【0024】
請求項4に記載の本発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明による作用に加えて、可変表示装置の画像表示領域において、一旦、表示結果が特定の表示態様となる第1の演出表示パターンが表示され、該第1の演出表示パターンの表示の進行を逆の方向に溯る遡及演出表示パターンが表示された後、表示結果が特別の表示態様となる第2の演出表示パターンが表示されることが可能となる。なお、可変表示装置の表示結果が特別の表示態様となると、遊技機は、特定遊技状態とは異なった、遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御される。
【0027】
請求項5に記載の本発明によれば、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明による作用に加えて、遊技制御手段が、画像表示領域の表示における演出の開始に対して所定のタイミングで、可変表示制御手段に、表示制御指令情報を出力するよう構成される。
【0028】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機をとり上げて説明するが、本発明はこれに限らず、たとえば、コイン遊技機やスロットマシン等であってもよく、表示状態が変化可能な可変表示装置を有し、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能となる遊技機であればすべて対象となる。
【0029】
図1に示すように、遊技機の一例のパチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3から溢れた景品玉を貯留する余剰玉受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の後方には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が設けられている。
【0030】
遊技領域7の中央付近には、複数種類の識別情報(図柄)を可変表示するための可変表示部9と7セグメントLEDによる可変表示器10とを含む可変表示装置8が設けられている。この実施の形態では、可変表示部9には、「左」、「中」、「右」の3つの図柄表示エリアがある。可変表示装置8の側部には、打玉を導く通過ゲート11が設けられている。通過ゲート11を通過した打玉は、玉出口13を経て始動入賞口14の方に導かれる。通過ゲート11と玉出口13との間の通路には、通過ゲート11を通過した打玉を検出するゲートスイッチ12がある。また、始動入賞口14に入った入賞玉は、遊技盤6の背面に導かれ、入賞口スイッチ17によって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行なう可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
【0031】
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。この実施の形態では、開閉板20が大入賞口を開閉する手段となる。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞玉のうち一方(Vポケット)に入った入賞玉はVカウントスイッチ22で検出される。また、開閉板20からの入賞玉はカウントスイッチ23で検出される。可変入賞球装置8の下部には、始動入賞口14に入った入賞玉数を記憶して表示する4個の表示部を有する始動入賞記憶表示器18が設けられている。この例では、4個を上限として、始動入賞がある毎に、始動入賞記憶表示器18は点灯している表示部を1つずつ増やす。そして、可変表示部9の可変表示が開始される毎に、点灯している表示部を1つずつ減らす。
【0032】
遊技盤6には、複数の入賞口19,24が設けられている。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点灯表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打玉を回収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、遊技効果LED28aおよび遊技効果ランプ28b,28cが設けられている。そして、この例では、一方のスピーカ27の近傍に、景品玉払出時に点灯する賞球ランプ51が設けられ、他方のスピーカ27の近傍に、補給玉が切れたときに点灯する玉切れランプ52が設けられている。さらに、図1には、パチンコ遊技台1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることにより玉貸を可能にするカードユニット50も示されている。
【0033】
打球発射装置から発射された打玉は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を流下していく。打玉が通過ゲート11を通ってゲートスイッチ12で検出されると、可変表示器10の表示数字が連続的に変化する状態となる。また、打玉が始動入賞口14に入り始動口スイッチ17で検出されると、図柄の変動を開始できる状態であれば、可変表示部9内の図柄が回転を始める。図柄の変動を開始できる状態でなければ、始動入賞記憶を一時増やす。なお、始動入賞記憶については、後で詳しく説明する。可変表示部9内の画像の回転は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の画像の組合せが大当り図柄の組合せであると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または所定個数(たとえば10個)の打玉が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に打玉が特定入賞領域に入賞してVカウントスイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行なわれる。この継続権の発生は、所定回数(15ラウンド)許容される。
【0034】
停止時の可変表示部9内の図柄の組合せが確率変動を伴う大当り図柄の組合せである場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、高確率状態(確変状態)という遊技者にとってさらに有利な特別遊技状態となる。
【0035】
また、可変表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。さらに、高確率状態では、可変表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
【0036】
パチンコ遊技機1に隣接されているカードユニット50には、このカードユニット50が使用可能な状態であるか否かを示す使用可表示器151が設けられており、この使用可表示器151が点灯中であれば使用可能な状態となっている。さらに、カードユニット50には、どちらのパチンコ遊技機1に接続されているかを点灯表示する表示器153と、プリペイドカードの挿入・排出口155と、カードユニット50の前面側蓋を施錠および解錠するための鍵が挿入される鍵穴156とが設けられている。図1中、152は端数表示スイッチであり、挿入カードの残高の端数を表示するものである。また、154はカード投入ランプであり、カード投入時に点灯または点滅するランプである。
【0037】
次に、パチンコ遊技機1の遊技動作を簡単に説明する。まず遊技者がプリペイドカードをカード挿入・排出口155に挿入して玉貸操作を行なえば、そのプリペイドカードに記録されているカード残高が一部減額されてその減額分だけのパチンコ玉が打球供給皿3内に払出される。その状態で、遊技者が打球操作ハンドル(操作ノブ)5を回動操作することにより、打球供給皿3内のパチンコ玉が1つずつ遊技領域7内に打込まれる。遊技領域7内に打込まれたパチンコ玉が通過ゲート11を通過してゲートスイッチ12により検出されれば、可変表示器10が可変表示動作して、その表示結果が予め定められた特定の識別情報(たとえば7)となった場合に、始動入賞口14を構成している可変入賞球装置15が所定時間開成して遊技者にとって有利な第1の状態となる。
【0038】
一方、この始動入賞口14にパチンコ玉が入賞すれば、可変表示装置8の可変表示部9が可変表示動作してその表示結果が予め定められた特定の表示態様(たとえば777の特定の識別情報の組合せ)となった場合に、特定遊技状態(大当り状態)が発生して、可変入賞球装置19の開閉板20が開成して遊技者にとって有利な第1の状態となる。この第1の状態は、所定期間(たとえば30秒間)の経過または打玉の所定個数(たとえば10個)の入賞のうちいずれか早い方の条件が成立することにより終了して遊技者にとって不利な第2の状態となる。第1の状態となっている可変入賞球装置19内に進入した打玉が特定入賞領域(Vポケット)に入賞してVカウントスイッチ22により検出されれば、その回の第1の状態の終了を待って再度開閉板20が開成されて第1の状態となる。この第1の状態の繰返し継続制御は、最大15回まで実行可能である。
【0039】
また、可変表示部9により左,中,右の各図柄がゾロ目に揃った状態でスクロール表示される全回転リーチが表示された場合に、所定の演出表示が行なわれ、その演出表示結果に応じた回数だけ時短制御が行なわれる。この時短制御とは、前述した可変表示器10の可変表示期間を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御である。なお、可変表示器10の可変表示中に打玉が通過ゲート11を通過した場合にはその始動通過が記憶され、可変表示器10が停止して再可変表示可能な状態になってから前記始動通過記憶を「1」減算して可変表示器10が可変表示制御される。この始動通過記憶の上限はたとえば「4」に定められており、現時点での始動通過記憶数が始動通過記憶表示器(図示せず)により表示される。
【0040】
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図2を参照して説明する。
パチンコ遊技機1の遊技盤6の裏面側には、機構板36が設けられている。この機構板36の上部には玉タンク38が設けられ、パチンコ遊技機1が遊技機設置島に設置された状態でその上方からパチンコ玉が玉タンク38に供給される。玉タンク38内のパチンコ玉は、誘導樋39を通って玉払出装置に供給される。
【0041】
機構板36には、中継基板30を介して可変表示部9を制御する可変表示制御ユニット29、基板ケース32に覆われ遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主制御基板)31、可変表示制御ユニット29と遊技制御基板31との間の信号を中継するための中継基板33、およびパチンコ玉の払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された賞球基板37が設置されている。さらに、機構板36には、モータの回転力を利用して打玉を遊技領域7に発射する打球発射装置34と、スピーカ27および遊技効果ランプ・LED28a,28b,28cに信号を送るためのランプ制御基板35が設置されている。
【0042】
図3は、パチンコ遊技機1の遊技盤6を背面から見た背面図である。遊技盤6の裏面には、図3に示すように、各入賞口および入賞球装置に入賞した入賞玉を所定の入賞経路に沿って導く入賞玉集合カバー40が設けられている。入賞玉集合カバー40により導かれた入賞玉は入賞玉を1個宛処理する入賞玉処理装置(図示せず)に供給される。入賞玉処理装置には入賞球検出スイッチ99(図4参照)が設けられており、入賞球検出スイッチ99の検出信号が主制御基板31に送られる。主制御基板31では、その検出信号と始動口スイッチ17の検出信号、Vカウントスイッチ22の検出信号、カウントスイッチ23の検出信号に基づいて、所定個数の景品玉を払出すための賞球信号を賞球基板37に出力する。賞球基板37では、その出力されてきた賞球信号に基づいて玉払出装置を制御して所定個数の景品玉を払出すための制御を行なう。
【0043】
具体的には、開閉板20を経て入賞した入賞玉については1個の入賞玉につきたとえば15個の景品玉が払出され、始動入賞口14に入賞した入賞玉については1個の入賞玉につきたとえば6個の景品玉が払出され、その他の入賞口24および入賞球装置を経て入賞した入賞玉については入賞玉1個につきたとえば10個の景品玉が払出されるように制御される。
【0044】
このような3種類の個数の景品玉を払出制御するべく、主制御基板31は次のように制御動作を行なう。入賞球検出スイッチ99からの検出信号が入力されれば、その入力以前に始動口スイッチ17からの検出信号があったかどうか判断し、あった場合には主制御基板31は賞球基板37に対し「6」の賞球個数を払出指令するための賞球指令信号を出力する。一方、入賞球検出スイッチ99からの検出信号があった場合に、それ以前にVカウントスイッチ22またはカウントスイッチ23からの検出信号があった場合には、主制御基板31は「15」の賞球個数の賞球指令信号を賞球基板37に出力する。さらに、入賞球検出スイッチ99からの検出信号があった場合において、それ以前に始動口スイッチ17,Vスイッチ22,カウントスイッチ23のいずれからも検出信号が入力されていなかった場合には、主制御基板31は「10」の賞球個数を払出し指令するための賞球指令信号を賞球基板37に出力する。
【0045】
図4は、主制御基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図4には、賞球基板37、ランプ制御基板35、音声制御基板70、発射制御基板91および表示制御基板80も示されている。主制御基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基板回路35と、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23および入賞球検出スイッチ99からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16および開閉板20を開閉するソレノイド21を基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59と、始動記憶表示器18の点灯および点滅を行なうとともに7セグメントLEDによる可変表示器10と装飾ランプ25とを駆動するランプ・LED回路60とを含む。
【0046】
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示部9の画像表示開始に利用された始動入賞玉の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等をホール用管理コンピュータ等のホストコンピュータに対して出力する情報出力回路64を含む。
【0047】
基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用されるRAM55、制御用のプログラムに従って制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート57を含む。なお、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている場合もある。
【0048】
さらに、主制御基板31には、電源投入時に基本回路53をリセットするための初期リセット回路56と、基本回路53から与えられるアドレス信号をデコードしてI/Oポート57のうちのいずれかのI/Oポートを選択するための信号を出力するアドレスデコード回路67とが設けられている。
【0049】
打玉を弾発発射する打球発射装置は発射制御基板91上の回路によって制御される駆動モータ94で駆動される。そして、駆動モータ94の駆動力は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。すなわち、発射制御基板91上の回路によって、操作ノブ5の操作量に応じた速度で打球が発射されるように制御される。
【0050】
図5は、表示制御基板80内の回路構成を、可変表示部9を実現するCRT82とともに示すブロック図である。表示制御用CPU101は、制御データROM102に格納されたプログラムに従って動作し、主制御基板31からストローブ信号(割込信号)が入力されると表示制御用CPU101が割込動作状態となって表示制御コマンドデータを取込む。そして、取込んだ表示制御コマンドデータに従って、CRT82に表示される画像の表示制御を行なう。具体的には、表示制御コマンドデータに応じた指令をVDP103に与える。VDP103は、キャラクタROM86から必要なデータを読出す。そして、VDP103は、入力したデータに従ってCRT82に表示するための画像データを生成し、その画像データをVRAM87に格納する。そして、VRAM87内の画像データは、R(赤),G(緑),B(青)信号(RGB信号)に変換され、D/A変換回路104でアナログ信号に変換されてCRT82に出力される。
【0051】
なお、図5には、VDP103をリセットするためのリセット回路83、VDP103に動作クロックを与えるための発振回路85、使用頻度の高い画像データを格納するキャラクタROM86、および表示制御コマンドデータを入力する入力バッファ回路105も示されている。キャラクタROM86に格納される使用頻度の高い画像データとは、たとえば、CRT82に表示される人物、動物、または、文字、図形もしくは記号等からなる画像などである。
【0052】
また入力バッファ回路105における各バッファは、主制御基板31から表示制御基板80へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。したがって、表示制御基板80側から主制御基板31側に信号が伝わる余地はない。表示制御基板80内の回路に不正改造が加えられても、不正改造によって出力される信号が主制御基板31側に伝わることはない。
【0053】
図6は、このパチンコ遊技機1の制御に用いられる各種ランダムカウンタを示す図である。ランダムカウンタには、C_RND1、C_RND_L、C_RND_C、C_RND_R、C_RND_RCHの5種類のランダムカウンタがある。
【0054】
C_RND1は、特定遊技状態(大当り状態)を発生させるか否かを決定するために用いられるランダムカウンタであり、後述するタイマ割込毎(具体的には0.002秒毎)に1ずつ加算更新され、0から加算更新されてその上限である293まで加算更新された後再度0から加算更新される。
【0055】
C_RND_L、C_RND_C、C_RND_Rは、可変表示部9により表示される停止図柄を事前決定するために用いられる。
【0056】
C_RND_Lは左図柄決定用であり、0から加算されてその上限である14まで加算されると再度0から加算される。なお、C_RND_Lは、前述したタイマ割込毎すなわち0.002秒毎に1ずつ加算される。
【0057】
C_RND_Cは、中図柄決定用のランダムカウンタであり、0から加算されてその上限である14まで加算されると再度0から加算される。なお、C_RND_Cは、前述したタイマ割込毎すなわち0.002秒毎、および、割込処理余り時間毎に1ずつ加算される。割込処理余り時間とは、図8の割込ルーチンが一通り実行された後次のタイマ割込が発生するまでの余り時間のことであり、この余り時間を利用して図8のステップS4に従い無限ループで加算処理が実行される。
【0058】
C_RND_Rは、中図柄決定用のランダムカウンタであり、0から加算されてその上限である14まで加算された後再度0から加算される。なお、C_RND_Rは、前述のC_RND_Cの桁上げごとに1ずつ加算される。
【0059】
C_RND_RCHは、リーチの種類を決定するためのものであり、前述したタイマ割込である0.002秒毎および割込処理余り時間に1ずつ加算され、0から加算されてその上限である11まで加算された後再度0から加算される。
【0060】
図7は、パチンコ遊技機1の大当り制御を行なうための概略を示すフローチャートである。まず、0〜293の範囲でカウントするランダムカウンタC_RND1のカウント数を抽出する。
【0061】
高確率時でない通常時では、その抽出値が「7」のときには大当りを発生させることが事前決定される。なお、C_RND1の抽出値が「7」以外のときには、外れが事前決定され、C_RND_L、C_RND_C、C_RND_Rのカウント値からデータを抽出し、その抽出値に基づいて可変表示部9に表示される外れ図柄が決定される。ここで、この決定された外れ図柄が偶然ゾロ目の図柄であった場合には、C_RND_Cの抽出値に「1」を加算し、強制的に外れ図柄にして表示制御する。
【0062】
一方、高確率時の場合には、C_RND1の抽出値が7,11,79のときに特定遊技状態(大当り状態)を発生させることが決定される。一方、高確率時においてランダム1の抽出値が7,11,79以外のときに、外れが事前決定される。
【0063】
図8は、基本回路53により実行されるメイン処理および割込処理を示すフローチャートである。図8においては、(a)にメインプログラムのフローチャートが示され、(b)に割込処理のプログラムのフローチャートが示されている。
【0064】
図8の(a)を参照して、メイン処理においては、まず、ステップS(以下単にSという)1により、クロックモニタ制御レジスタをクロックモニタイネーブルに設定する処理が行なわれる。これは、初期化処理をするための準備である。次にS2へ進み、スタックポインタの指定アドレスをセットするためのスタックセット処理が行なわれる。具体的には、スタックポインタに00FFHを設定する処理がなされる。次にS3へ進み、システムチェック処理が行なわれる。このシステムチェック処理は、初期化を行なうための処理であり、基本回路53のRAM55にエラーが含まれているか否か判定し、エラーが含まれている場合には、RAM55を初期化するなどの処理である。さらに、システムチェック処理では、後述する割込処理を実行するタイミングを指定するタイマ割込時間(たとえば0.002秒)をCPU56に設定する処理がなされる。これにより、電源投入等によるリセット後の最初の割込処理の実行タイミング指定のための計時が開始される。
【0065】
次に、可変表示部9により停止される図柄を事前に決定する等のための表示用乱数更新処理がS4により行なわれる。このS4では、無限ループにより繰返し表示用乱数の更新処理が行なわれる。具体的には、前述したランダムカウンタのうちのC_RND_C,C_RND_RCHについて加算処理が行なわれる。このS4の無限ループによる繰返し実行は、後述する割込処理が起動された場合には、このS4の処理を構成するプログラムのうちの実行中の位置で一時停止され、その割込処理が終了すると一時停止したプログラムの位置から実行が再開される。
【0066】
次に、図8(b)を参照して、割込処理は、CPU56により管理されるタイマ割込用のタイマの計時値が設定値(S2で設定されるタイマ割込時間:具体的には0.002秒)になるごとに実行が開始される。
【0067】
図8(b)に示す割込処理ルーチンでは、まずS5により、表示制御データを設定する処理がなされる。この表示制御データは、可変表示装置8の可変表示部9を表示制御するための指令データ(コマンドデータ)である。この表示制御データ(コマンドデータ)の詳細は、図15〜図17に基づいて後述する。
【0068】
次に制御がS6へ進み、S5により設定された表示制御データ(コマンドデータ)を表示制御基板80へ伝送する処理がなされる。このコマンドデータの伝送処理の詳細は、図18〜図21に基づいて後述する。
【0069】
次に、S7により、ランプ制御基板35および音声制御基板70に音声発生やLED点灯制御用の所定のコマンドデータを送信するための処理を行なうとともに、ホール用管理コンピュータに大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを送信するためのデータ出力処理が行なわれる。これら出力データはS9により設定される。次にS8へ進み、各種ランプやLEDを点灯または点滅制御するためのランプタイマを計時動作させるための処理がなされる。次にS9へ進み、ランプ制御基板35および音声制御基板70に送信するための音声発生やLED点灯制御用の所定のコマンドデータを設定するとともに、ホール管理用コンピュータに送信するめための大当り情報、始動情報、確率変動情報等を設定する処理がなされる。
【0070】
次にS10へ進み、パチンコ遊技機1の内部に備えられている自己診断機能によって種々の異常診断処理が行なわれ、その結果に応じて必要ならば警報が発せられるエラー処理が行なわれる。次にS11へ進み、遊技制御に用いられる各種の判定用乱数を更新する処理が行なわれる。S11においては、具体的には、判定用乱数としての大当り決定用のC_RND1、大当り図柄決定用のC_RND_RCHのカウントアップ(1加算)が行なわれる。
【0071】
次にS12へ進み、特別図柄プロセス処理が行なわれる。特別図柄プロセス処理とは、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、S13へ進み、普通図柄プロセス処理が行なわれる。普通図柄プロセス処理では、可変表示器10を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0072】
次に制御がS14へ進み、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、カウントスイッチ23、Vカウントスイッチ22等の状態を入力し、各入賞口や可変入賞球装置に対する入賞があったか否か判定するスイッチ処理が行なわれる。次にS15へ進み、スピーカ27から所定の音を発生させるための音声処理が行なわれる。
【0073】
次にS16に進み、表示用乱数を更新する処理が行なわれる。この表示用乱数は、具体的には、図柄決定用のC_RND_L,C_RND_Cを「1」ずつ加算更新するための処理である。次にS17に進み、賞球基板37へ賞球個数信号と賞球可能信号とを出力して景品玉の払出制御指令を行なうための入賞球信号処理が行なわれる。賞球基板37は、この賞球可能信号と賞球個数信号とを受け、賞球個数信号で特定される個数の景品玉を払出すために玉払出装置97を制御する。このS17の処理の後割込が終了し、S4の表示用乱数更新処理のうち割込直前に行なわれていたプログラム部分から処理が再開される。
【0074】
図9は、基本回路53が実行するスイッチ処理S14のうちの始動口スイッチ処理を示すサブルーチンプログラムのフローチャートである。まずS41により、始動入賞口への打玉の入賞があったか否かの判断がなされる。打玉が始動入賞口14に入賞していない場合にはS41によりNOの判断がなされてこのサブルーチンプログラムが終了する。一方、打玉が始動入賞口14に入賞してその検出信号が始動口スイッチ17から入力されれば、S41によりYESの判断がなされてS42へ進み、始動入賞記憶が「4」になっているか否かの判断がなされる。始動入賞記憶が既にその上限である「4」となっている場合にはそれ以上記憶できないために、このままサブルーチンプログラムが終了する。一方、始動入賞記憶が「4」にはなっていない場合にはまだ記憶する余裕があるために、S43に進み、始動入賞記憶を「1」加算更新する処理がなされる。
【0075】
次にS44へ進み、大当り判定用乱数(C_RND1)を抽出し、始動入賞記憶数に応じたランダム数値格納エリアに格納する処理がなされる。基本回路53のRAM55には、1〜4の始動入賞記憶数に対応して4つの乱数値格納エリア(特別図柄判定用バンクともいう)が設けられており、始動入賞に応じて抽出された大当り判定用乱数がその始動入賞数に対応した乱数値格納エリア(特別図柄判定用バンク)に格納されるようにこのS44により処理される。なお、上記した4つの特別図柄判定用バンクは、詳しくは、特別図柄判定用バンク0〜特別図柄判定用バンク3までの4つの記憶エリアをいい、特別図柄判定用バンク0から順に、大当り判定用乱数が記憶されていく。
【0076】
図10は、S12により示された特別図柄プロセス処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理は、特別図柄用プロセスフラグの値に応じて、S300〜S309の10種類の処理のいずれかが実行されるように制御される。S300〜S309において、以下のような処理が実行される。
【0077】
特別図柄変動待ち処理(S300):始動入賞口14(この実施の形態では可変入賞球装置15の入賞口)に打玉が入賞して始動口スイッチ17がONするのを待つ。始動口スイッチ17がONすると、始動入賞記憶数が満タンでなければ、始動入賞記憶数を「1」加算更新するとともに大当り判定用乱数を抽出する。
【0078】
特別図柄判定処理(S301):特別図柄(可変表示部9により表示される図柄)の可変表示が開始できる状態になると、始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、抽出されている大当り判定用乱数の値に応じて大当りとするか外れとするか決定する。この処理の内容については、図11を参照しつつ後述する。
【0079】
停止図柄設定処理(S302):左右中図柄の停止図柄を決定する。
リーチ動作設定処理(S303):リーチ判定用乱数の値においてリーチ動作するか否か決定するとともに、リーチ動作用乱数の値においてリーチ動作の変動態様を決定する。
【0080】
全図柄変動開始処理(S304):可変表示部9において全図柄が変動開始されるように制御する。このとき、表示制御基板80に対して、左右中最終停止図柄と変動態様を指令する情報(コマンド)とが送信される。また、可変表示部9に背景やキャラクタも表示される場合には、それに応じた表示制御コマンドデータが表示制御基板80に伝送されるように制御する。
【0081】
全図柄停止待ち処理(S305):所定時間が経過すると、可変表示部9において表示される全図柄が停止されるように制御する。また、全図柄停止のタイミングまで、所定のタイミングで左右図柄が停止されるように制御する。さらに、適宜、可変表示部9において表示される背景やキャラクタに応じた表示制御コマンドデータが表示制御基板80に送信されるように制御する。
【0082】
大当り表示処理(S306):停止図柄が大当り図柄の組合せである場合には、大当り表示用の表示制御コマンドデータが表示制御基板80に送信されるように制御するとともに内部状態(プロセスフラグ)をステップS307に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS310に移行するように更新する。なお、大当り図柄の組合せは、左右中図柄が揃った組合せである。また、遊技制御基板80の表示制御用CPU101は表示制御コマンドデータに従って、可変表示部9に大当り表示を行なう。大当り表示は遊技者に大当りの発生を報知するためになされるものである。
【0083】
大入賞口開放開始処理(S307):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する。
【0084】
大入賞口開放中処理(S308):大入賞口ラウンド表示の表示制御コマンドデータを表示制御基板80に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立したら、大当り遊技状態の終了条件が成立していなければ内部状態をS307に移行するように更新する。大当り遊技状態の終了条件が成立していれば、内部状態をS309に移行するように更新する。
【0085】
大当り終了処理(S309):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知するための表示を行なう。この表示が終了したら、内部フラグ等を初期状態に戻し、内部状態をS300に移行するように更新する。
【0086】
前述した各ステップの処理に応じて、遊技制御プログラム中の表示制御コマンドデータを送信する処理を行なうモジュール(図8(b)におけるS6)は、対応する表示制御コマンドデータをI/Oポート57に出力するとともに、ストローブ信号(割込信号)をI/Oポート57に出力する。
【0087】
図11は、前述したS12の特別図柄プロセス処理の中の予定停止図柄を決定するための特別図柄判定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【0088】
まず、SA1 により、確率変動フラグがオンされているか、すなわち、パチンコ遊技機1が高確率状態に制御されている最中であるか否かを判断する。高確率状態に制御されている場合には、SA3に進み、そうでない場合には、SA2に進む。
【0089】
SA2では、低確率時すなわち高確率状態にない通常時の特別図柄判定値データを大当り判定用データとしてセットする処理を行ない、SA4に進む。なお、大当り判定用データとは、大当り判定用のC_RND1の抽出値が当該データと一致するとパチンコ遊技機1が大当り状態に制御されるようなデータである。そして、通常時の特別図柄判定値データとは、具体的には「7」である。
【0090】
SA3では、高確率時すなわち確変状態にある場合の特別図柄判定値データを大当り判定用データとしてセットする処理を行ない、SA4に進む。確変状態にある場合の特別図柄判定値データとは、具体的には、「7」,「11」,「79」である。
【0091】
SA4では、大当りフラグをクリアする処理を行ない、SA5に進む。これにより、前回の大当り状態の記憶がクリアされる。SA5では、特別図柄判定用バンク0に記憶された大当り判定用乱数が、SA2またはSA3でセットした特別図柄判定値データと一致するか否かを判断する。なお、ここでは、特別図柄判定値データが複数ある場合には、その中の1個のデータと一致するか否かを判断する。一致する場合にはSA6に進み、一致しない場合にはSA14に進む。
【0092】
SA14では、特別図柄判定値データが複数ある場合に、SA5の判断に用いる特別図柄判定値データとして、直前のSA5の判断で用いたデータとは別の特別図柄判定値データを用いるよう設定する処理を行ない、SA15に進む。S15では、SA14で、別の特別図柄判定値データを用いる設定ができなかったかどうか、すなわち、それ以前のSA5ですべての特別図柄判定値データを判断に用いてしまっているか否かを判断する。そうでない場合には、SA5に戻り、そうである場合、すなわち、すべての特別図柄判定値データをSA5の判断に用いてしまった場合には、SA20に進む。
【0093】
SA20では、可変表示部9における左の図柄表示エリアと右の図柄表示エリアについての予定停止図柄が一致しているか否かを判断する。これは、C_RND_LとC_RND_Rの値に基づいて判断される。一致していない場合には、そのままSA22に進み、一致している場合には、リーチフラグを設定して(SA21)からSA22に進む。
【0094】
一方、SA6では、大当りフラグを設定して、SA7に進む。SA7では、リーチフラグを設定して、SA8に進む。SA8では、特定図柄判定用バンク0に記憶された大当り図柄判定用乱数(C_RND_L)を抽出する処理を行ない、SA9に進む。
【0095】
SA9では、確率変動回数カウンタが最大継続回数以上となっているか否かを判断する。ここで、確率変動回数カウンタとは、確率変動を伴う大当りの継続回数をカウントするカウンタである。そして、パチンコ遊技機1では、確率変動を伴う大当りの継続回数が、所定回数(最大継続回数)を越えないように、制御される。したがって、SA9で、確率変動回数カウンタが最大継続回数以上となっていると判断した場合には、SA11で、リミッタ作動時の特別図柄データを、C_RND_Lの抽出値に対してセットする行ないSA22に進む。リミッタとは、高確率時においてそれ以上高確率状態が継続しないように制限するための制御動作である。一方、SA9で、確率変動回数カウンタが最大継続回数に満たないと判断した場合には、SA10で、通常時の特別図柄データを、C_RND_Lの抽出値に対してセットする行ないSA22に進む。
【0096】
SA22では、C_RND_L,C_RND_C,C_RND_Rの値に基づいて、可変表示部9の左,中,右の各エリアの予定停止図柄に関する特別図柄データを設定する処理を実行し、SA12に進む。
【0097】
SA12では、SA22において設定した特別図柄データを抽出し、さらに、SA13で、当該抽出した特別図柄データに基づいて、可変表示部9の左,中,右の各エリアの予定停止図柄を設定する処理を行ない、SA16に進む。
【0098】
SA16では、作業領域転送処理を実行し、SA17に進む。ここで、作業領域転送処理とは、特別図柄判定用バンク1〜特別図柄判定用バンク3に記憶されている大当り判定用乱数を、それぞれ、特別図柄判定用バンク0〜特別図柄判定用バンク2に1エリアずつシフトさせて記憶させる処理である。
【0099】
SA17では、特別図柄判定用バンク3に記憶されていた大当り判定用乱数をクリアする処理を行ない、SA18に進む。SA18では、特定図柄判定用バンク3に記憶されていた大当り図柄判定用乱数をクリアする処理を行ない、SA18に進む。
【0100】
SA19では、特別図柄プロセスフラグを1加算する処理を行ない、リターンする。SA19の処理により、特別図柄プロセス処理(図10)において、特別図柄判定処理の次の処理が実行されるようになる。
【0101】
図12は、主制御基板31から表示制御基板80へ一方向通信で送信される表示制御用のコマンドデータを示す図である。表示制御用のコマンドデータはCD0〜CD7の8ビットのデータが構成されており、各ビットデータが図12に示すようにパラレル転送される。さらに、主制御基板31から表示制御基板80へストローブ信号としての表示制御信号INT(割込信号)が送信される。表示制御基板80は、この割込信号が入力されることにより表示制御用CPU101が割込状態となり、コマンドデータCD0〜CD7を取込む動作を行なう。さらに、主制御基板31から表示制御基板80に対し、+30V,+5Vの直流電圧が供給されるとともに、グランドラインが接続された状態となる。
【0102】
図13は、主制御基板31から表示制御基板80に対しコマンドデータを送信する場合の送信動作を示すタイミングチャートである。表示制御用のコマンドデータCD0〜CD7は、前回送ったコマンドデータとは異なった内容のコマンドデータを表示制御基板80へ送信しなければならなくなった場合に、基本回路53から表示制御基板80へ送信される。その場合には、まず、ストローブ信号である表示制御信号INT(割込信号)を30μsecのパルス信号として基本回路53が表示制御基板80へ出力する。この信号は、表示制御CPU101のIRQ2へ入力される。その結果、表示制御CPU101は、割込状態となる。一方、基本回路53は、この表示制御信号INTの出力に同期して表示制御用のコマンドデータCD0〜CD7を出力する。すると、表示制御用CPU101は、割込状態でそのコマンドデータCD0〜CD7を取込む制御を行なう。
【0103】
図14は、コマンドデータのデータ構造を示す図である。表示制御用のコマンドデータCD0〜CD7の各々は、0〜7の8ビットデータで構成されており、4〜7の上位4ビットは、たとえば左,中,右のどの図柄を変動制御するための指令データか等のモードを指定するためのデータである。0〜3の下位4ビットは、上位4ビットで指定されたモードの具体的な内容、たとえば図柄の変動速度や変動方法の具体的な内容等を特定するためのデータである。
【0104】
図15は、コマンドの内容を示す図である。8ビットのコマンドデータのうち上位4ビットが80Hの場合には、図柄の変動を制御するコマンドであることが指定され、具体的な制御動作内容を指定するデータであるEXTDATA(エキストラデータ)の内容は、図柄の変動速度と変動方法(たとえば高速変動,低速変動,コマ送り変動等)とに応じて種々設定される。
【0105】
上位4ビットが83Hの場合には、電源投入時の画面を表示するコマンドであることが指定され、エキストラデータは00Hに固定されたデータとなる。上位4ビットが88Hの場合には、左図柄を差替えるコマンドであることが指定され、下位4ビットのエキストラデータは、差替える図柄の種類によって種々設定される。上位4ビットが89Hの場合には、中図柄を差替えるコマンドであることが指定され、下位4ビットのエキストラデータは差替える図柄の種類によって種々設定される。上位4ビットが8AHの場合には、右図柄を差替えるコマンドであることが指定され、下位4ビットのエキストラデータは差替える図柄の種類によって種々設定される。
【0106】
上位4ビットが8BHの場合には、左図柄を停止するコマンドであることが指定され、下位4ビットであるエキストラデータは停止する図柄の種類によって種々設定される。上位4ビットが8CHの場合には、中図柄を停止するコマンドであることが指定され、下位4ビットであるエキストラデータは停止する図柄の種類によって種々設定される。
【0107】
上位4ビットが8DHの場合には、右図柄を停止するコマンドであることが指定され、下位4ビットであるエキストラデータは停止する図柄の種類によって種々設定される。
【0108】
上位4ビットが8FHの場合には、全図柄を変動するコマンドであることが指定され、下位4ビットであるエキストラデータは00Hに固定される。この全図柄変動は、打玉の始動入賞に伴い左,中,右の各図柄が一斉に可変表示動作する状態をいう。
【0109】
上位4ビットが90Hの場合には、図柄変動領域および図柄の形状を制御するコマンドであることが指定され、下位4ビットであるエキストラデータは図柄の表示領域と形状に応じて種々設定される。このコマンドデータにより、左,中,右の図柄表示部の表示領域の大きさや位置や形状が制御される。上位4ビットがA0Hの場合には、可変入賞球装置19を第1の状態に制御している大当り制御中における可変表示部9の画面を表示するためのコマンドであることが指定され、下位4ビットであるエキストラデータは、大当り制御の繰返し実行回数(ラウンド回数)やインターバル等の表示画面に応じて種々設定される。上位4ビットがC0Hの場合には、可変表示部9の背景およびキャラクタを制御するためのコマンドであることが指定され、下位4ビットであるエキストラデータは背景と表示キャラクタとに応じて種々設定される。
【0110】
上記したように、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、可変表示装置8の可変表示部9が可変表示動作し、その後、可変表示部9に、表示結果が導出される。なお、可変表示部9に表示結果が導出されるまでに、可変表示部9内の表示は、まず、一連のパターンで変化した後、次に、当該パターンの進行を逆方向に溯るように変化し、そしてさらに、別のパターンで変化して、最終的に、表示結果が導出表示されるように変化する場合がある。可変表示部9内の表示がこのように変化することを、逆再生表示が行なわれる、という。また、上記の「別のパターン」で変化してリーチ状態となることを、特に、逆再生リーチ表示が行なわれるという。なお、「リーチ状態」とは、可変表示装置8の可変表示部9が可変開始された後、表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特定の表示態様となる表示条件から外れていない表示態様をいう。
【0111】
図16および図17は、可変表示部9において逆再生リーチ表示が行なわれるよう設定されている場合のコマンドデータとそのコマンド内容を示す図である。逆再生リーチ表示が設定されている場合には、基本回路53は表示制御基板80に対し、図16および図17に示すように1〜53の53種類のコマンドデータを順次送信する。これらコマンドデータそれぞれには図16および図17に示すような名称が付されている。
【0112】
また、各コマンドデータの送信のタイミングチャートが図18〜図20に示されている。また、図21に、各コマンドデータが送信された結果として、可変表示部9における表示内容が示されている。図15〜図21を参照して、まず基本回路53は、コマンドデータ8FH00Hを表示制御基板80へ出力する。このコマンドデータの上位4ビットは8FHであるために、図15で説明したように全図柄を変動するモードとなる。そしてエキストラデータの00Hにより、全図柄の低速変動開始が指定される。その結果、表示制御基板80の表示制御用CPU101は可変表示部の左,中,右図柄を低速で変動開始させる。このとき、可変表示部9では、それまで、たとえば図21(a)のように前回の可変表示の結果として行なわれていた停止表示が、図21(b)に示すような、左,中,右の各エリアにおける可変表示に切替わる。
【0113】
次に、図18を参照してT1すなわち2msec後に、次のコマンドデータである90H01Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットは90Hであるために図柄表示領域および図柄の形状を制御するモードであることが指定され(図15参照)、下位4ビットであるエキストラデータの01Hにより、特別図柄を画面上で縮小して移動させることが指定される。
【0114】
次に、T2すなわち28msec後に、コマンドデータCOH05Hが送信される。このコマンドデータは、上位4ビットにより背景およびキャラクタを制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより飛行機を回転動作させることが指定される。
【0115】
次に、T3すなわち860msec後に、コマンドデータ80H03Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより左図柄の変動を制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより左図柄を高速変動させることが指定される。
【0116】
次に、T4すなわち2msec後にコマンドデータ81H03Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより中図柄の変動を制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより中図柄を高速変動させることが指定される。
【0117】
次に、T5すなわち2msec後にコマンドデータ82H03Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより右図柄の変動を制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより右図柄を高速変動させることが指定される。
【0118】
次に、T6経過後にコマンドデータ90H05Hが送信される。このT6は、図柄変動時間短縮制御すなわち時短制御がない通常状態のときには2276msecであり、時短制御を行なう場合には976msecとなる。このコマンドデータの上位4ビットにより図柄表示領域および図柄の形状を制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより左図柄および右図柄の表示領域を図柄確定時の位置に拡大移動させることが指定される。その結果、時短制御時においては可変表示部9の左図柄と右図柄の表示領域が早期に図柄確定時の位置に拡大移動される。この図柄確定時の位置とは、可変表示部9において図柄の最終停止表示が行なわれる位置のことである。このとき、可変表示部9では、図21(b)のように左,中,右の各エリアが同じ大きさであったのが、図21(c)に示すように、左,右の各エリアの大きさが大きくなっている。
【0119】
次に、T7すなわち238msec後にコマンドデータC0H0DHが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより背景およびキャラクタを制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより背景をフラッシュさせかつ黄色の地面を表示することが指定される。
【0120】
次に、T8すなわち2msec後にコマンドデータ80H02Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより左図柄の変動を制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより左図柄を中速度変動させることが指定される。この中速度変動は、高速変動と低速変動との中間の速度での変動であり、予め定められている速度での変動である。
【0121】
次に、T9すなわち2msec後にコマンドデータ82H02Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより右図柄の変動を制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより右図柄を中速変動させることが指定される。
【0122】
次に、T10すなわち358msec後にコマンドデータ88H06Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより左図柄を差し替えるモードであることが指定され、下位4ビットにより左図柄を「6」に差し替えることが指定される。次に、T11すなわち2msec後にコマンドデータ8AH06Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより右図柄を差し替えるモードであることが指定され、下位4ビットにより右図柄を「6」に差し替えることが指定される。このとき、可変表示部9では、図21(d)に示すように、左,右の各エリアに、「6」の図柄が表示される。
【0123】
具体的には、「6」の図柄を停止させる場合には、たとえば「4」の図柄(すなわち、表示する図柄の数コマ手前の図柄)に差し替えられ、中速変動を継続し、「6」の図柄が完全に表示された時点でゆれ変動を開始する。これ以降、「差し替え」制御については、同様の制御が行なわれる。
【0124】
次に、T12すなわち1798msec後にコマンドデータ80H10Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより左図柄の変動を制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより左図柄を揺れ変動させることが指定される。この揺れ変動とは、左図柄を可変表示部9の表示領域内で上下に反復移動させて揺れているように見せる表示である。次に、T13すなわち2msec後にコマンドデータ82H10Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより右図柄の変動を制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより右図柄を揺れ変動させることが指定される。これにより、図21(d)に示すように、左図柄および右図柄が、可変表示部9の表示領域内で上下に反復移動して揺れているように表示される。
【0125】
次に、T14すなわち、118msec後にコマンドデータ90H0AHが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより図柄表示領域および図柄の形状を制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより中図柄を図柄確定時の位置に拡大移動させることが指定される。これにより、図21(d)に示すように、可変表示部9において、中図柄の表示エリアの大きさが、左図柄および右図柄の表示エリアの大きさと同じ大きさとなる。
【0126】
次に、T15すなわち1320msec後にコマンドデータ90H0CHが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより図柄表示領域および図柄の形状を制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより左図柄および右図柄を回転させながら接近させることが指定される。その結果、可変表示部9において、左図柄と右図柄とが図21(e)に示すように中図柄を中心として右方向に回転する表示が行なわれる。
【0127】
次に、T16すなわち2msec後にコマンドデータ80H02Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより左図柄の変動を制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより左図柄を中速変動にすることが指定される。
【0128】
次に、T17すなわち2msec後にコマンドデータ81H02Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより中図柄の変動を制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより中図柄を中速変動することが指定される。
【0129】
次に、T18すなわち3238msec後にコマンドデータ82H02Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより右図柄の変動を制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより右図柄を中速変動することが指定される。
【0130】
次に、T19すなわち360msec後に、コマンドデータ89H09Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより中図柄を差し替えるモードであることが指定され、下位4ビットにより中図柄を「3」に差し替えることが指定される。これにより、可変表示部9では、図21(f)に示すように、中図柄として「3」が表示される。
【0131】
次に、T20すなわち718msec後に、コマンドデータ81H10Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより中図柄の変動を制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより中図柄を揺れ変動させることが指定される。これにより、可変表示部9では、図21(f)に示すように、中図柄として「3」が上下方向にゆれているように変動表示される。
【0132】
次に、T21すなわち2msec後に、コマンドデータC0H0DHが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより背景およびキャラクタを制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより背景をフラッシュさせかつ黄色の地面を表示することが指定される。
【0133】
次に23番目の中図柄差し替えのコマンドデータから32番目の図柄表示領域変更のコマンドデータまでは、上記の逆再生リーチを表示させるためのコマンドデータである。
【0134】
前述した12番目の右図柄変動変更のコマンドデータが送信された後T22すなわち2msec後に、コマンドデータ81HA0Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより中図柄の変動を制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより中図柄をこれまでとは逆方向に高速変動することが指定される。これにより、図21(g)に示すように、可変表示部9において、中図柄が、これまでの上から下という方向の逆方向である、下から上という方向で、変動表示を行なう。
【0135】
次に、T23すなわち2msec後にコマンドデータ90HA0Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより図柄表示領域および図柄の形状を制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより左図柄および右図柄を逆回転させながら離間させることが指定される。これにより、図21(g)に示すように、可変表示部9において、右図柄と左図柄が、左方向に、すなわち図21(e)とは逆方向に、回転しながら移動する。
【0136】
次に、T24すなわち2msec後にコマンドデータ80HA0Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより左図柄の変動を制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより左図柄をこれまでとは逆方向に高速変動することが指定される。次に、T25すなわち2msec後にコマンドデータ82HA0Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより右図柄の変動を制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより右図柄をこれまでとは逆方向に高速変動することが指定される。これにより、図21(h)に示すように、可変表示部9において、右図柄および左図柄が、これまでの上から下という方向の逆方向である、下から上という方向で、変動表示を行なう。
【0137】
次に、T26すなわち2msec後にコマンドデータC0H0DHが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより背景およびキャラクタを制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより背景をフラッシュさせることが指定される。
【0138】
次に、T27すなわち2msec後にコマンドデータ90HA1Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより図柄表示領域および図柄の形状を制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより左図柄および右図柄の表示領域を図柄確定時の位置に拡大移動させることが指定される。次に、T28すなわち2msec後にコマンドデータ90HA2Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより図柄表示領域および図柄の形状を制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより中図柄の表示領域が、可変表示部9の上部に縮小して移動されることが指定される。これにより、図21(h)に示すように、可変表示部9において、右図柄および左図柄の表示領域が、中図柄の表示領域に対して大きくなる。
【0139】
次に、T29すなわち2msec後にコマンドデータC0HA0Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより背景およびキャラクタを制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより背景およびキャラクタをこれまでとは逆方向に高速変動することが指定される。これにより、図21(i)に示すように、可変表示部9において、キャラクタである飛行機の回転方向が、図21(b)での回転方向である右方向とは逆の、左方向となっている。
【0140】
次に、T30すなわち2msec後にコマンドデータ90HA3Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより図柄表示領域および図柄の形状を制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより左,中,右図柄の表示領域を、それぞれ、可変表示部9の上部に縮小させて移動させることが指定される。これにより、図21(i)に示すように、左,中,右図柄が、可変表示部9の上部に、図21(f)等と比べて縮小されて、表示される。
【0141】
次に、T31すなわち2msec後にコマンドデータ90HA4Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより図柄表示領域および図柄の形状を制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより、左,中,右図柄の表示領域を、図柄確定時の位置に拡大移動させることが指定される。これにより、図21(j)に示すように、左,中,右図柄が、それぞれ、可変表示部9において、図21(i)よりも大きくなっている。
【0142】
以上の、23番目のコマンドから32番目のコマンドで指定される表示は、2番目のコマンドから16番目のコマンドで指定される表示を逆方向に進行するものとなる。これにより、図21(g)〜図21(i)の表示パターンは、図21(b)〜図21(e)の表示パターンの巻き戻しに対応したものとなっている。なお、本実施の形態では、図21(g)〜図21(i)の表示パターンを表示している際には、可変表示部9の右下部に、当該表示が、図21(b)〜図21(e)の表示パターンの巻き戻しであることを明確に示すために、「巻き戻し中」という文字を、合わせて表示させている。
【0143】
また、可変表示部9中に、図21(g)〜図21(i)に示したように、家庭用等のビデオデッキにおいてテープの巻き戻し中に現れるノイズを模した表示を行なっても良い。また、ビデオの巻き戻し中に発生する効果音(たとえば「キュルキュル」等)を出力してもよい。
【0144】
次に、T32すなわち2msec後にコマンドデータ89H05Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより中図柄を差替えることが指定され、下位4ビットにより中図柄を「5」に差し替えることが指定される。次に、T33すなわち2msec後にコマンドデータ88H02Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより左図柄を差替えることが指定され、下位4ビットにより左図柄を「2」に差し替えることが指定される。次に、T34すなわち2msec後にコマンドデータ8AH05Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより右図柄を差替えることが指定され、下位4ビットにより左図柄を「5」に差し替えることが指定される。これにより、図21(j)に示すように、可変表示部9の表示内容が、図21(a)に示す初期画面に戻される。
【0145】
次に、T35すなわち2msec後にコマンドデータ80H10Hが送信され、T36すなわち2msec後にコマンドデータ81H10Hが送信され、T37すなわち2msec後にコマンドデータ82H10Hが送信される。これらのコマンドデータの上位4ビットにより、それぞれ、左、中、右図柄の変動を制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより左、中、右図柄を揺れ変動させることが指定される。これにより、図21(j)に示すように、可変表示部9において、左、中、右図柄が、上下方向にゆれるように変動する。
【0146】
以下に説明する39番目の左図柄の高速変動のコマンドデータ以降のコマンドデータは、これまでの変動パターン(図21(a)〜図21(j))とは異なった、別の変動パターンを表示させるためのコマンドデータである。
【0147】
38番目のコマンドデータが送信された後、T38すなわち2msec後にコマンドデータ80H03Hが送信される。また、T39すなわち118msec後にコマンドデータ81H03Hが送信される。また、T40すなわち2msec後にコマンドデータ82H03Hが送信される。これらのコマンドデータの上位4ビットにより左、中、右図柄の変動を制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより左、中、右図柄をそれぞれ高速変動させることが指定される。これにより、可変表示部9は、図21(k)に示すように、左、中、右図柄がそれぞれ、可変表示している。なお、これらの可変方向は、特に指定がないため、通常の方向、すなわち上から下に向かう方向となっている。
【0148】
次に、T41すなわち1320msec後にコマンドデータ88H07Hが送信され、T42すなわち2msec後にコマンドデータ8AH07Hが送信される。これらのコマンドデータの上位4ビットにより、左、右図柄を差替えるコマンドであることが指定され、下位4ビットにより、左、右図柄をそれぞれ「7」に差替えることが指定される。これにより、図21(l)に示すように、可変表示部9において、リーチ状態が成立する。
【0149】
次に、T43すなわち3238msec後にコマンドデータ90H06Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより図柄表示領域および図柄の形状を制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより左図柄および右図柄の表示領域を画面の両脇へ移動させ、かつ、中図柄を画面の上部に縮小させて移動させることが指定される。これにより、図21(l)に示すように、可変表示部9において、左図柄および右図柄の表示領域は画面の両脇へ移動され、中図柄は画面の上部に縮小されて表示される。
【0150】
次に、T44すなわち360msec後にコマンドデータ80H10Hが送信され、T45すなわち718msec後にコマンドデータ82H10Hが送信される。これらのコマンドデータの上位4ビットにより、それぞれ、左、右図柄の変動を制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより左、右図柄を揺れ変動させることが指定される。これにより、図21(l)に示すように、可変表示部9において、左、右図柄が、上下方向にゆれるように変動する。
【0151】
次に、47番目のコマンドデータC0HD0Hが基本回路53から表示制御基板80へ送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより背景およびキャラクタを制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより飛行機1が飛来する旨が指定される。その結果、図21(l)に示すように、可変表示部9に、これまでの画像に加えて飛行機が1機飛来して、新たに表示される。
【0152】
次に、T47すなわち118msec後にコマンドデータC0HE0Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより背景およびキャラクタを制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより、最初から表示されていた飛行機が、飛行機1を撃ち落とす旨が指定される。その結果、図21(l)に示す画像が表示される。
【0153】
次に、T48すなわち2msec後にコマンドデータ89H07Hが送信される。これらのコマンドデータの上位4ビットにより、中図柄を差替えるコマンドであることが指定され、下位4ビットにより、中図柄を「7」に差替えることが指定される。次に、T49すなわち2msec後にコマンドデータ90H00Hが送信される。このコマンドデータの上位4ビットにより図柄表示領域および図柄の形状を制御するモードであることが指定され、下位4ビットにより、全図柄の表示領域を図柄確定時の位置に拡大させて移動させることが指定される。次に、51番目のコマンドデータ8BH07H,52番目のコマンドデータ8CH07H,53番目のコマンドデータ8DH07Hが基本回路53から表示制御基板80へ送信される。これらのコマンドデータにより、左、中、右図柄が、「7」となって停止表示されることが指定される。これにより、図21(m)に示すように、可変表示部9において、大当り状態が成立する。
【0154】
以上説明した実施の形態における変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述したリーチ状態とは、表示状態が変化可能な可変表示装置を有し、該可変表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特定の表示態様の組合せとなった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な特定遊技状態となる遊技機において、前記複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が前記特定の表示態様の組合せとなる条件を満たしている表示状態をいう。
【0155】
また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、可変表示装置の可変表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、前記特定の表示態様となる表示条件から外れていない表示状態をいう。そして、たとえば、前記特定の表示態様の組合せが揃った状態を維持しながら複数の前記可変表示部による可変表示を行なう状態もリーチ状態に含まれる。
【0156】
また、リーチ状態とは、可変表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、前記表示結果が導出表示される以前に決定されている前記複数の可変表示部の表示結果の少なくとも一部が前記特定の表示態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
【0157】
さらにリーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいものがある。このような特定のリーチをスーパーリーチという。
【0158】
(2) 以上説明した本実施の形態では、図21を用いて説明したように、打玉が始動入賞口14に入り始動口スイッチ17で検出されると、可変表示部9で表示内容が変化する。また、本実施の形態では、可変表示部9の表示内容は、変化を開始してから、一旦、あたかも表示結果が導出されたように停止するが(図21(f)参照)、その後、それまでの表示のパターンが巻き戻されるように変化して(図21(g)〜図21(j)参照)、さらに、別のパターンに従って変化する(図21(k)〜図21(m)参照)。
【0159】
なお、可変表示部9の表示内容は、変化開始直後に、前回の表示パターンの巻き戻しを実行してから一旦停止し、その後に、別のパターンに従って変化するように構成することもできる。特に、前回の表示パターンとしてリーチ状態が表示されたが、表示結果が大当りとはならないものであった場合には、次回の表示内容の変化当初で、当該リーチ状態を生じさせた表示パターンを巻き戻す表示を行なうことが好ましい。これにより、遊技者が、当該次回の表示内容の変化を、リーチ状態に何らかの関連があるものと考え、可変表示部9の表示内容の変化に対して期待を高めることができるからである。また、さらに、前回のリーチ状態の表示を巻き戻した後、別のパターンとして、改めてリーチ状態を表示させることが好ましい。以下に、図22〜図24を用いて、前回の表示パターンとして表示結果が大当りとはならないリーチ状態が表示され、次回の表示内容の変化当初で、当該リーチ状態を生じさせた表示パターンを巻き戻した後、別のパターンとして、改めてリーチ状態を表示させるように、可変表示部9の表示内容を変化させる際の、表示内容および制御内容について説明する。
【0160】
図22は、上記のような制御を行なうための逆再生リーチ設定処理のフローチャートであり、図23および図24は、この場合の可変表示部9の表示内容を説明するための図である。なお、図23と図24は、連続した2回の始動入賞に基づく可変表示が示されている。
【0161】
まず、図23を参照して、前回の表示パターンとして表示結果が大当りとはならないリーチ状態が表示される模様を説明する。
【0162】
まず、始動入賞に応じて、(a)に示す停止表示が、(b)に示すような、左,中,右の各エリアにおける可変表示に切替わる。次に、(c)に示すように、左図柄および右図柄の表示領域が図柄確定時の位置に拡大移動される。次に、(d)に示すように、中図柄の表示エリアの大きさが、左図柄および右図柄の表示エリアの大きさと同じ大きさとなり、かつ、左図柄および右図柄の表示領域において、「6」が上下に反復移動して揺れているように表示される。次に、(e)に示すように、左図柄と右図柄が、中図柄を中心として右方向に回転する表示が行なわれる。そして、(f)に示すように、可変表示部9において、ハズレの表示結果が導出される。
【0163】
次に、図22を参照して、基本回路53により、特別図柄プロセス処理の中の一つとして実行される逆再生リーチ設定処理について説明する。まず、SP1で、リーチフラグがオンされているか、すなわち、次に実行する可変表示についてリーチ状態を発生させるよう設定されているか否かを判断する。リーチフラグがオンされている場合には、SP2に進み、オンされていない場合には、そのままリターンする。
【0164】
SP2では、前回のリーチがある特定のリーチ(図22では、「リーチ0」と記述)であったか否かを判断し、そうであれば、SP3に進み、そうでなければ、そのままリターンする。
【0165】
SP3では、リーチ動作用カウンタの値が0BHであるか否か、すなわち、今回の可変表示でリーチを表示し、かつ、前回のリーチの表示パターンの巻き戻しを実行するよう設定されているか否かを判断する。リーチ動作用カウンタの値が0BHであれば、SP4に進み、そうでなければ、そのままリターンする。
【0166】
SP4では、次回の可変表示部9における可変表示において、前回表示したリーチの表示パターンの巻き戻しを含める旨の設定を行ない、リターンする。
【0167】
次に、図24を参照して、可変表示部9の表示内容の変化当初で、前回のリーチの表示パターンが巻き戻されて表示された後、改めて別のリーチ状態が表示される模様を説明する。
【0168】
まず、始動入賞に応じて、図24(a)に示す前回の表示結果についての停止表示から、図24(b)〜図24(e)に示すような、前回の表示パターン(図23(a)〜図23(e))の巻き戻しの表示パターンが表示される。
【0169】
なお、図24(b)〜図24(e)の表示に要する時間は、図23(a)〜図23(e)の表示に要する時間よりも短い。すなわち、図24(b)〜図24(e)の表示は、図23(a)〜図23(e)の表示を早送りで巻き戻したような表示となっている。
【0170】
なお、遡及表示(巻き戻しの表示パターン)の開始時点と終了時点では、表示の変化の速度を通常の速度としても良い。すなわち、遡及表示は、その中間時点を最も速く変化させるように表示させるように行なっても良い。
【0171】
また、図24(e)では、左,中,右の図柄がいずれも上下に反復移動して揺れているように表示されている。
【0172】
そして、次に、図24(f)に示すような、左,中,右の各エリアにおける可変表示に切替わる。次に、図24(g)に示すように、左図柄および右図柄の表示領域が図柄確定時の位置に拡大移動される。次に、図24(h)に示すように、中図柄の表示エリアの大きさが、左図柄および右図柄の表示エリアの大きさと同じ大きさとなり、かつ、左図柄および右図柄の表示領域において「7」が表示され、さらに、左図柄と右図柄が、中図柄を中心として右方向に回転する表示が行なわれる。そして、図24(i)に示すように、可変表示部9において、大当りの表示結果が導出される。
【0173】
ここで説明した変形例では、図24において巻き戻した前回のリーチ表示(左右の図柄が「6」)と、その後に表示されるリーチ表示(左右の図柄が「7」)は、異なる種類のものであったが、同じ種類のものでもよい。
【0174】
パチンコ遊技機1では、可変表示部9において「7」のゾロ目が揃うと、確率変動を伴う大当り状態となるが、「6」のゾロ目では、確率変動は伴わない。すなわち、ここで説明した変形例では、前回のリーチ表示は、特定の表示態様についてのリーチ表示であり、その後に表示されるリーチ表示は、特別の表示態様についてのリーチ表示ということになる。
【0175】
(3) さらに、上記の(2)で説明した変形例において、前回のリーチ表示を通常のリーチ表示とし、その後に表示されるリーチ表示をスーパーリーチのリーチ表示とすることができる。すなわち、この場合、前回のリーチ表示よりも、その後で表示されるリーチ表示の方が、遊技機が遊技者に対して有利に制御される確率が高くなるようなリーチ表示であるといえる。
【0176】
(4) また、上記の(2)で説明した変形例において、前回のリーチ表示をリーチでないものに変更し、巻き戻し表示が行なわれた後初めてリーチ表示がなされるようにすることもできる。このような表示例を、図25に示す。
【0177】
図25を参照して、まず、始動入賞に応じて、(a)に示す停止表示が、(b)に示すような、左,中,右の各エリアにおける可変表示に切替わる。そして、(c)に示すように、ハズレの表示結果が一旦表示された後、(d)〜(e)で(a)〜(b)の巻き戻し表示が行なわれ、(f)では、再度、左,中,右の各エリアにおける可変表示に切替わる。そして、(g)に示すように、左図柄および右図柄の表示領域が図柄確定時の位置に拡大移動され、(h)に示すように、左図柄および右図柄の表示領域において、「7」が上下に反復移動して揺れているように表示される。そして、(i)に示すように、可変表示部9において、大当りの表示結果が導出される。
【0178】
(5) また、上記の(2)で説明した変形例において、前回のリーチ表示から一旦可変表示部9にゾロ目が表示され、その巻き戻し表示が行なわれた後、再度、可変表示部9にゾロ目が表示され、表示結果として確定され、大当り状態が確立される。このような表示例を図26に示す。
【0179】
図26を参照して、まず、始動入賞に応じて、(a)に示す停止表示が、(b)に示すような、左,中,右の各エリアにおける可変表示に切替わる。そして、(c)に示すように、左図柄および右図柄の表示領域が図柄確定時の位置に拡大移動される。そして、(d)に示すように、左図柄および右図柄の表示領域において、「6」が上下に反復移動して揺れているように表示される。そして、(e)に示すように、可変表示部9において、「6」のゾロ目による大当りの表示結果が導出される。次に、(f)〜(g)に示すように、(b)〜(d)についての巻き戻し表示が行なわれた後、(h)に示すような、左,中,右の各エリアにおける可変表示に切替わる。そして、(i)に示すように、左図柄および右図柄の表示領域が図柄確定時の位置に拡大移動される。そして、(j)に示すように、可変表示部9において、「7」のゾロ目による大当りの表示結果が導出される。この例では、一旦、通常の大当り図柄が表示された後、巻き戻し表示が行なわれ、その後、確立変動を伴う大当り図柄が表示される。
【0180】
なお、図26(a)において、Aで示される領域は、星空を模したパターンであり、上方向に向けてスクロールさせている。また、Bで示される弧状の線で囲まれた領域は、地表を模したパターンであり、手前側(下方向)にスクロールさせている。これにより、画面中央部に表示される飛行機は、それ自体を移動表示させなくとも、あたかも、画面の奥行き方向に向かって飛行しているように見える。
【0181】
このように、図柄変動領域以外の領域において、少なくとも異なる2つの方向にスクロールする領域を形成することにより、画面の広がり等の臨場感を演出する効果を奏することができる。なお、図柄変動領域以外の領域において、複数の領域が同一またはほぼ同一の方向にスクロール表示される場合であっても、それらのスクロールの速度を異ならせることにより、上記のような臨場感を演出する効果を奏することができる。
【0182】
(6) 以上説明した本実施の形態では、可変表示部9の左,中,右図柄の表示領域は、各領域において可変表示が行なわれている場合、まず、可変表示部9の上部で、3領域とも同じ大きさとなり(図21(b)等参照)、その後、左図柄および右図柄の表示領域が図柄確定時の位置に拡大移動される(図21(c)等参照)。なお、可変表示部9の上部で、3領域とも同じ大きさとなり(図27(a)参照)、その後、左,中,右図柄の表示領域が、全て、図柄確定時の位置に拡大移動されてもよい(図27(b)参照)。なお、図27(a),(b)において、301は、可変表示中の表示領域であり、300は、図柄確定時の表示領域である。
【0183】
すなわち、図柄確定時の位置300の領域外に、表示領域301がある場合には、可変表示中の図柄が確定せず(すなわち、再変動可能な状態にあり)、図柄が確定する場合は、必ず位置300の場所に移動する。これにより、遊技者が図柄が確定したか否かを容易に把握できる。
【0184】
(7) 以上説明した本実施の形態では、大当り状態となると、ソレノイド21によって、開閉板20が開状態とされる。なお、大当り状態となる場合、開閉板20は、可変表示部9の左,中,右の3つの図柄がゾロ目となる表示がなされてから開状態とされてもよいし、ゾロ目となる表示がなされる直前に開状態とされてもよい。
【0185】
また、可変表示部9において、リーチ状態となってから、ハズレの表示結果が導出される場合、当該ハズレの表示結果が導出表示される直前に、開閉板20を、パチンコ玉が入らない程度に、瞬間的に、開状態にすることが考えられる。
【0186】
上記したような、ゾロ目となる表示の直前に開閉板20を開状態とすること、および、ハズレの表示結果が導出される直前に開閉板20を瞬間的に開状態とする際のタイミングチャートを図28に示す。
【0187】
図28では、(a)は、可変表示部9における図柄の変動状況を示し、(b)は、大当り動作が行なわれているか否かを示す。なお、大当り動作とは、開閉板20がラウンドごとに所定時間の経過または所定個数の打玉の入賞まで開状態となる。そして、(c)は、開閉板20のソレノイド21の運転状況を示す。なお、ソレノイド21がオン状態となると、開閉板20は、開状態となる。
【0188】
図28を参照して、図柄の変動が開始し(図中X)、図柄の変動が終盤に近づくと、図柄の変動の終了を待たずに、ソレノイド21が作動して、開閉板20が開状態となる。
【0189】
また、図28を参照して、リーチ状態が発生しており、図柄の変動(図中Y)が終盤に近づいたときであって、図柄変動の終了の直前に、最終停止図柄に大当りとなる図柄が通過する場合に、ソレノイド21が作動して、一瞬だけ、開閉板20が開閉される。このような、一瞬の開閉板20の開閉動作を行なう制御により、遊技者に、大当り状態が発生したような印象を与えることができるため、遊技者の興奮を効果的に高めることができる。なお、上記の開閉板20の開閉動作における「一瞬」とは、当該開閉動作によっては、可変入賞球装置15の大入賞口にパチンコ玉が入賞できない程度の時間が好ましい。
【0190】
(8) 前記基本回路53により、遊技機の遊技状態を制御する遊技制御手段が構成されている。この遊技制御手段は、表示状態が変化可能な可変表示装置を制御するための指令信号を出力する機能を有する。ROM54により、遊技制御用プログラムを格納しているプログラム格納手段が構成されている。CPU56により、前記プログラム格納手段に格納されているプログラムに従って動作する制御中枢手段が構成されている。RAM55により、前記制御中枢手段のワークエリアが構成されている。
【0191】
表示制御基板80により、前記遊技制御手段が出力した指令信号を受けて、表示状態が変化可能な可変表示装置を制御する可変表示制御手段が構成されている。この遊技制御手段(基本回路53)と可変表示制御手段(表示制御基板80)との間では、遊技制御手段から可変表示制御手段に向かう一方向にのみ情報が送信可能に構成されている。
【0192】
(9) 前記特定遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な特別遊技状態としては、▲1▼確変(特別図柄の大当りの発生確率を向上させる大当り確率向上)制御が行なわれる確率変動状態、▲2▼普通図柄の変動が開始してから表示結果が導出表示されるまでの変動時間を短縮する時間短縮制御が行なわれる遊技状態、▲3▼普通図柄の当りの発生確率を向上させる普通図柄当り確率向上制御が行なわれる遊技状態、▲4▼特別図柄の変動が開始してから表示結果が導出表示されるまでの変動時間を短縮する変動時間短縮制御が行なわれる遊技状態、▲5▼始動入賞口14に設けられた左右1対の可動片(電導チューリップ)の開放回数を増加させる開放回数増加制御が行なわれる遊技状態、または、▲6▼その可動片の開放時間を延長させる開放時間延長制御が行なわれる遊技状態として定義することもできる。
【0193】
(10) 以上説明した本実施の形態では、図21を用いて説明したように、可変表示部9において、ある表示パターンが表示され(図21(a)〜図21(f)参照)、その後、それまでの表示パターンが巻き戻されるように変化して(図21(g)〜図21(j)参照)、さらに、別の表示パターンに従って変化する(図21(k)〜図21(m)参照)。図21(a)〜図21(m)における表示の流れを、模式的に、図29(a)に示す。
【0194】
なお、図29(a)では、図21(a)〜図21(f)の表示パターンがP1で示され、図21(g)〜図21(j)の表示パターンがR1で示され、図21(k)〜図21(m)の表示パターンがP2で示されている。すなわち、P1として可変表示が開始されてからある内容(図29(a)では「X」)を表示するまで表示内容が変化し、続いて、R1として可変表示が開始された状態にまで表示内容が巻き戻され、そして、P2としてさらに別の内容(図29(a)では「表示結果」)を表示するまで表示内容が変化する。
【0195】
遊技機において、P1の表示パターンに従った表示が開始されれば、遊技者は、そのまま、P1に従って表示結果が導出されるであろうと予想する。しかしながら、本実施の形態のような表示制御が実行されることにより、R1のような、P1の巻き戻しの表示パターンが実行され、さらに、P1とは別の表示パターンであるP2の表示パターンが実行されるため、上記した遊技者の予想に反した表示制御が実行されることになる。したがって、遊技機において、遊技演出および表示結果に関する意外性を向上させることができ、可変表示装置の表示内容に対する遊技者の期待を向上させることができる。
【0196】
なお、表示パターンP1の巻き戻しであるR1は、巻き戻しの対象である表示パターンP1のすべての表示内容を含む必要はない。R1に含まれる表示パターンP1の表示内容は、遊技者がP1の巻き戻しが行なわれていることが理解できる程度であれば良い。
【0197】
また、表示パターンの巻き戻しは、可変表示の開始時の表示内容に戻るまで行なわれる必要はなく、表示パターンの途中まで行なわれるよう構成してもよい。これを模式的に示すと、図29(b)のように示すことができる。すなわち、P3として可変表示が開始されてからある内容(図29(b)では「X」)を表示するまで表示内容が変化し、続いて、R2として可変開始から「X」までの表示パターンの途中の所定の内容(図29(b)では「Y」)を表示するまで表示内容が巻き戻され、そして、P4としてさらに別の内容(図29(b)では「表示結果」)を表示するまで表示内容が変化する。なお、P4の表示パターンは、表示内容「X」を含むものであってもよいし、含まないものであってもよい。
【0198】
また、表示パターンの巻き戻しは、その巻き戻しの結果として、可変表示部9に可変表示の表示結果を導出するように行なわれても良い。これを模式的に示すと、図29(c)のように示すことができる。すなわち、P5として、可変表示が開始されてからある内容(図29(c)では「Z」)を表示するまで表示内容が変化する。なお、このP5は、最終的に導出される「表示結果」を経由するものである。そして、R3として表示内容「Z」から、最終的に導出される表示結果を表示するまで表示内容が巻き戻されるように表示内容が変化する。特に、表示結果として、遊技者が有利となるようなもの(たとえば「777」)が表示されるよう事前決定されている場合であれば、図29(c)に示すような表示を行なうことにより、遊技者の興趣を効果的に向上させることができる。このような表示が行なわれることにより、遊技者は、一度、表示結果が一時的に表示されることにより興奮を味わい、次に、そこから表示内容が「Z」に向けて変化することにより落胆し、最終的に表示結果が表示されることにより、改めて興奮を味わうことができると考えられるからである。
【0199】
(11) 以上説明した本実施の形態では、図18〜図20を用いて説明したように、表示状態の変化に合わせて、遊技制御手段(基本回路53)から可変表示制御手段(表示制御基板80)へコマンドを送信する例を示したが、これに限らず、一連の変動パターンの導出表示が開始されるタイミングにおいて、遊技制御手段から表示制御手段に対して、その変動パターンを示すコマンドを含む信号を送信し、これを受けて、表示制御手段が一連の変動パターンを導出するようにしても良い。この場合、表示制御手段は、変動パターンを示すコマンドに対応させて、一連の変動パターンに従って可変表示装置8の表示状態を制御するためのデータを記憶していることが好ましい。パチンコ遊技機1をこのように構成することにより、遊技制御手段から可変表示制御手段へのデータ送信途中におけるノイズの影響を最小限にとどめることができるため、ノイズによる誤動作を最小限にとどめることができる。
【0200】
(12) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0201】
【課題を解決するための手段の具体例】
(1) 可変表示部9を含む可変表示装置8により、表示状態が変化可能な可変表示装置が構成されている。そして、パチンコ遊技機1により、可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能となる遊技機が構成されている。表示制御基板80により、可変表示装置を可変表示させた後表示結果を導出表示させる制御を行なう可変表示制御手段が構成されている。なお、表示制御基板80は、図18〜図20を用いて説明したタイミングで、図21に示すように、可変表示部9の表示内容を制御する。なお、図21(g)〜図21(j)の表示内容は、図21(a)〜図21(e)の表示内容の巻き戻しである。このことから、可変表示制御手段は、可変表示装置を可変表示させた後表示結果を導出表示させるまでの間に、可変表示装置により所定の演出表示パターンを進行表示させた後、該演出表示パターンの進行を逆の方向に溯る遡及演出表示パターンを表示させる制御が可能な演出表示制御手段を含むことになる。そして、可変表示部9において、図21(a)〜図21(j)の表示内容が一連の流れとして表示されることにより、演出表示制御手段が、演出表示パターンの演出表示が所定の演出段階まで進行した後、前記遡及演出表示パターンの表示に切換える制御を行なうことが可能である旨が開示されていることになる。なお、図21(j)の表示内容が、図21(a)の表示内容に対応していることから、演出表示制御手段により表示が実行される遡及演出表示パターンは、演出表示パターンの演出表示が所定の演出段階にまで進行する過程で既に表示された所定の遡及演出表示段階に達するまでの表示パターンである旨が開示されていることになる。
【0202】
(2) 可変表示部9が、図21(a)〜図21(f)のハズレの表示パターンと、図21(j)〜図21(m)の大当りの表示パターンとが表示可変に構成されることにより、表示制御手段が、可変表示装置に、第1の演出表示パターンと、該第1の演出表示パターンとは異なる第2の演出表示パターンを表示させる制御が可能である旨が開示されていることになる。また、可変表示部9に、図21(a)〜図21(k)を表示させた後さらに、図21(j)〜図21(m)を表示させることにより、表示制御手段が、可変表示装置に、第1の演出表示パターンについて所定の演出段階まで表示させた後に、演出表示制御手段が第1の演出表示パターンについて所定の演出段階から所定の遡及演出表示段階まで遡及演出表示パターンを表示する制御を行なった後、さらに、第2の演出表示パターンを表示させる制御を実行することが可能である旨が開示されていることになる。
【0203】
(3) 本実施の形態の変形例として図26を用いて説明したように、一旦、通常の大当り図柄を表示した後、巻き戻し表示が行なわれ、その後、確立変動を伴う大当り図柄を表示することにより、第2の演出表示パターンにおける表示結果が導出された方が、第1の演出表示パターンにおける表示結果が導出されるよりも、遊技機が遊技者に対して有利な状態に制御される度合いが大きいことが開示されていることになる。
【0204】
(4) 本実施の形態の変形例として図23および図24を用いて説明したように、図24(b)〜図24(e)の表示は、図23(a)〜図23(e)の表示を早送りで巻き戻したような表示となっている。これにより、可変表示制御手段が、遡及演出表示パターンにおける表示を、演出表示パターンにおける表示よりも速く変化させる演出表示が可能であることが開示されていることになる。
【0205】
(5) 本実施の形態において図21を用いて説明したように、まず、大当りとならないような表示パターンが表示され(図21(a)〜図21(f))、その後、大当りとなるような表示パターンが表示されることにより(図21(g)〜図21(m))、遊技機において、第1の演出表示パターンは、表示結果が特定の表示態様とは異なる演出表示パターンであり、第2の演出表示パターンは、表示結果が特定の表示態様となる演出表示パターンとする制御手段が可能である旨が開示されていることになる。
【0206】
(6) パチンコ遊技機1が確立変動状態に制御されたり時間短縮制御が行なわれることにより、遊技機が、可変表示装置の表示結果が予め定められた特別の表示態様となった場合に、特定遊技状態とは異なった、遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御可能となることが開示されていることになる。また、図24を用いて説明したように、特定の表示態様についてのリーチ表示が行なわれた後、特別の表示態様についてのリーチ表示が行なわれることにより、遊技機において、第1の演出表示パターンは、表示結果が特定の表示態様となる演出表示パターンであり、第2の演出表示パターンは、表示結果が特別の表示態様となる演出表示パターンとする制御手段が可能である旨が開示されていることになる。
【0207】
(7) 図25を用いて説明したように、可変表示部9において、リーチとならない表示パターンが表示された後、巻き戻されるような表示が行なわれて、リーチ状態を含む表示パターンが表示されることにより、第1の演出表示パターンは、リーチ状態となる演出を含まない演出表示パターンであり、第2の演出表示パターンは、リーチ状態となる演出を含む演出表示パターンであることが開示されていることになる。
【0208】
(8) 図22〜図24を用いて説明した変形例において、前回のリーチ表示を通常のリーチ表示とし、その後に表示されるリーチ表示をスーパーリーチのリーチ表示とすることにより、第1の演出表示パターンおよび第2の演出表示パターンは、リーチ状態となる演出を含み、第2の演出表示パターンが表示された方が、第1の演出表示パターンが表示されるよりも、遊技機が遊技者に対して有利な状態に制御される確率が高いことが開示されていることになる。
【0209】
(9) 基本回路53により、遊技機の遊技状態を制御するとともに、可変表示制御手段に、可変表示装置における表示を制御するための表示制御指令情報を出力可能な遊技制御手段が構成されている。そして、基本回路53は、表示制御基板80に、図18〜図20に示すように、可変表示部9における個々の演出に対して、1回ずつ、順次、コマンドを送信している。このことから、遊技制御手段は、可変表示装置の表示における演出の開始に対して所定のタイミングで、可変表示制御手段が読取可能な態様で1回のみ、表示制御指令情報を出力する旨が開示されていることになる。
【0210】
【課題を解決するための手段の具体例の効果】
請求項1に関しては、第1の演出表示パターンが表示された後、遡及演出表示パターンが表示されることにより、遊技者は、可変表示装置の画像表示領域における表示結果を予想しにくくなる。したがって、遊技機において、表示結果に関する遊技者の期待感を盛り上げることができる。また、遡及演出表示パターンの表示は、その前に、第1の演出表示パターンの演出表示において既に表示された所定の遡及演出表示段階に達するまで行なわれるため、画像表示領域における表示に意外性を担保させることができる。したがって、遊技機において、遊技者の興趣を向上させることができる。さらに、遡及演出表示が行なわれた後、第2の演出表示パターンが表示されるため、遊技者は、画像表示領域における表示結果をより一層予想しにくくなる。したがって、遊技機において、表示結果に関する遊技者の期待感をより一層盛り上げることができる。また、第1の演出表示パターンを進行表示した後に第2の演出表示パターンの表示により表示結果が導出された方が、第1の演出表示パターンの表示により表示結果が導出されるよりも、遊技者に対して有利な状態に制御される可能性が高いため、第1の演出表示パターンが表示された後、第2の演出表示パターンが表示されることにより、遊技者の期待度を段階的に向上させることができる。したがって、遊技機において、表示結果に関する遊技者の期待感を効果的に盛り上げることができる。
【0213】
請求項2に関しては、請求項1に関する効果に加えて、表示が遡及していることを認識させつつ、可変表示装置における可変開始から表示結果の導出までの時間を短縮することができるため、遊技機において、より効果的に、表示結果に関する遊技者の期待感を盛り上げることができる。
【0214】
請求項3に関しては、請求項1または請求項2に関する効果に加えて、遊技者に、一旦、可変表示装置の表示結果が、特定の表示態様とならないと思わせた後、特定の表示態様となるという期待を抱かせることができる。これにより、遊技機において、より効果的に、表示結果に関する遊技者の期待感を盛り上げることができる。
【0215】
請求項4に関しては、請求項1または請求項2に関する効果に加えて、遊技者に、一旦、可変表示装置の表示結果が、特定の表示態様になると思わせた後、特別の表示態様となるという期待を抱かせることができる。これにより、遊技機において、より効果的に、表示結果に関する遊技者の期待感を盛り上げることができる。
【0218】
請求項5に関しては、請求項1〜請求項4のいずれか1項に関する効果に加えて、遊技制御手段が、画像表示領域の表示における演出の開始に対して所定のタイミングで、可変表示制御手段が読取可能な態様で1回のみ、表示制御指令情報を出力するため、遊技制御手段の表示に関わる情報出力についての負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カードユニットが隣接された遊技機の一例のパチンコ遊技機を示す全体正面図である。
【図2】カードユニットが隣接されたパチンコ遊技機の一部内部構造を示す全体背面図である。
【図3】パチンコ遊技機の遊技盤の背面図である。
【図4】パチンコ遊技機に用いられる制御回路を示すブロック図である。
【図5】パチンコ遊技機に用いられる制御回路を示すブロック図である。
【図6】パチンコ遊技機に用いられる各種ランダムカウンタを示す図である。
【図7】パチンコ遊技機に用いられる各種ランダムカウンタを示す図である。
【図8】図4に示した制御回路の制御動作を示し、(a)はメインルーチンを示し、(b)は割込ルーチンを示す図である。
【図9】図8のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図10】図8のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図11】図8のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図12】コマンドデータの送信状態を説明する説明図である。
【図13】コマンドデータの送信タイミングを示すタイミングチャートである。
【図14】コマンドデータのデータ構造を説明する図である。
【図15】コマンドデータの内容を示す図である。
【図16】コマンドデータの内容を示す図である。
【図17】コマンドデータの内容を示す図である。
【図18】遊技制御基板から表示制御基板にデータが送信される際の、タイミングチャートである。
【図19】遊技制御基板から表示制御基板にデータが送信される際の、タイミングチャートである。
【図20】遊技制御基板から表示制御基板にデータが送信される際の、タイミングチャートである。
【図21】可変表示部の表示例を示す図である。
【図22】図1のパチンコ遊技機の変形例の逆再生リーチ設定処理のフローチャートである。
【図23】可変表示部の表示例の変形例を示す図である。
【図24】可変表示部の表示例の変形例を示す図である。
【図25】可変表示部の表示例の別の変形例を示す図である。
【図26】可変表示部の表示例のさらに別の変形例を示す図である。
【図27】可変表示部内の表示領域の変形例を示す図である。
【図28】可変入賞球装置の開閉板を開状態にするタイミングの変形例を示す図である。
【図29】本実施の形態およびその変形例における可変表示装置の表示の流れを模式的に示す図である。
【符号の説明】
1は遊技機の一例のパチンコ遊技機、6は遊技盤、7は遊技領域、8は可変表示装置、10は可変表示器、9は可変表示部、19は可変入賞球装置、14は始動入賞口、53は基本回路、60はランプLED回路、80は表示制御基板、101は表示制御用CPUである。
Claims (5)
- 表示状態が変化可能な画像表示領域を有する可変表示装置を有し、前記画像表示領域の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能となる遊技機であって、
前記可変表示装置の画像表示領域を可変表示させた後表示結果を導出表示させる制御を行なう可変表示制御手段を含み、
前記可変表示制御手段は、前記画像表示領域を可変表示させた後表示結果を導出表示させるまでの間に、前記画像表示領域により第1の演出表示パターンを進行表示させる制御と、該第1の演出表示パターンの進行表示を逆の方向に溯る遡及演出表示パターンを表示させた後に前記第1の演出表示パターンとは異なる演出表示パターンを行なう第2の演出表示パターンを進行表示させる制御とが可能な演出表示制御手段を含み、
該演出表示制御手段は、前記第1の演出表示パターンの表示により表示結果を導出する制御と、前記第1の演出表示パターンを進行表示した後に、前記第2の演出表示パターンの表示により表示結果を導出する制御とを行なうことが可能であり、
前記遡及演出表示パターンは、前記第1の演出表示パターンの進行表示が所定の進行段階にまで進行する過程で既に表示された所定の遡及表示段階に達するまで前記所定の進行段階から前記画像表示領域の全画面にわたり表示されている表示について遡らせる表示パターンであり、
前記第1の演出表示パターンを進行表示した後に前記第2の演出表示パターンの表示により表示結果が導出された方が、前記第1の演出表示パターンの表示により表示結果が導出されるよりも、遊技機が遊技者に対して有利な状態に制御される可能性が高いことを特徴とする、遊技機。 - 前記可変表示制御手段は、前記遡及演出表示パターンにおける表示を、前記第1の演出表示パターンにおける表示よりも速く変化させる演出表示をすることが可能であることを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
- 前記第1の演出表示パターンは、表示結果が前記特定の表示態様とは異なる演出表示パターンであり、
前記第2の演出表示パターンは、表示結果が前記特定の表示態様となる演出表示パターンとする制御が可能であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の遊技機。 - 前記遊技機は、前記可変表示装置の表示結果が予め定められた特別の表示態様となった場合に、前記特定遊技状態とは異なった、遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御可能となり、
前記第1の演出表示パターンは、表示結果が前記特定の表示態様となる演出表示パターンであり、
前記第2の演出表示パターンは、表示結果が前記特別の表示態様となる演出表示パターンとする制御が可能であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の遊技機。 - 前記遊技機の遊技状態を制御するとともに、前記可変表示制御手段に、前記可変表示装置における表示を制御するための表示制御指令情報を出力可能な遊技制御手段をさらに含み、
前記遊技制御手段は、前記画像表示領域の表示における演出の開始に対して所定のタイミングで、前記可変表示制御手段が読取可能な態様で1回のみ、前記表示制御指令情報を出力することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の遊技機。
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