JP3919733B2 - プロピレン系エラストマーからなるシートまたはフィルム - Google Patents
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Description
り、本発明に係るプロピレン系エラストマーに比べると、組成(コモノマー比率)が同一である場合には、より高い融点を有している。
本発明に係るシートまたはフィルムは、
(1) プロピレンから導かれる単位を70〜90モル%の量で、
1-ブテンから導かれる単位を10〜30モル%の量で含有し、
(2) (i) 頭−尾結合したプロピレン単位3連鎖、または
(ii)頭−尾結合したプロピレン単位とブテン単位とからなり、かつ第2単位目にプロピレン単位を含むプロピレン・ブテン3連鎖中の
第2単位目のプロピレン単位の側鎖メチル基について13C−NMRスペクトル(ヘキサクロロブタジエン溶液、テトラメチルシランを基準)を測定し、
19.5〜21.9ppm に表れるピークの全面積を100%とした場合に、
21.0〜21.9ppm に表れるピークの面積が90%以上であり、
(3) 135℃、デカリン中で測定される極限粘度が0.1〜12dl/gであり、
(4) ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/Mn)が3以下であり、
(5) 共重合モノマー連鎖分布のランダム性を示すパラメータB値が、1.0〜1.3であり、
(6) 示差走査型熱量計によって測定される融点Tmが60〜105.1℃であり、かつ該融点Tmと、1-ブテン構成単位含量M(モル%)との関係が、
−2.6M+125 ≦ Tm ≦ −2.6M+145 であり、
(7) X線回折法により測定される結晶化度Cと、1-ブテン構成単位含量M(モル%)との関係が、
C ≧ −1.5M+65
であるプロピレン系エラストマーからなることを特徴としている。
[A]下記一般式[I]または[II]で示されるメタロセン化合物と、
[B][B-1] 有機アルミニウムオキシ化合物、および/または
[B-2] メタロセン化合物[A]と反応してイオン対を形成する化合物と、
所望により[C]有機アルミニウム化合物とを含むオレフィン重合用触媒の存在下に、
プロピレンと1-ブテンとを共重合させることにより得られることが望ましい。
R11およびR12は互いに同一でも異なっていてもよく、前記式(A)中のR1と同様で
あり、
R13およびR14は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜20のアルキル基またはアリール基であり、
X1 、X2 、Yは、前記式(A)と同様である。〕
R21は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基または−NR2、−SR、−OSiR3、−SiR3または−PR2基(ただしRはハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数6〜10のアリール基)であり、
R22〜R28は、上記のR21と同様であるか、あるいは隣接するR22〜R28がそれらの結合する原子とともに、芳香族環または脂肪族環を形成していてもよく、
X3 およびX4 は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、炭素数8〜40のアリールアルケニル基、OH基またはハロゲン原子であり、
(O)R29である。(ただしR29およびR30は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のフルオロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜10のフルオロアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数8〜40のアリールアルケニル基または炭素数7〜40のアルキルアリール基であるか、またはR29とR30とはそれぞれそれらの結合する原子とともに環を形成してもよく、M2 は、珪素、ゲルマニウムまたはスズである。)〕。
(1) 本発明に係るプロピレン系エラストマーは、プロピレンと1-ブテンとのランダム共重合体であって、
プロピレンから導かれる単位を50〜95モル%好ましくは60〜93モル%より好ましくは70〜90モル%の量で、
1-ブテンから導かれる単位を5〜50モル%好ましくは7〜40モル%より好ましくは10〜30モル%の量で含有している。
かれる単位を少量たとえば10モル%以下望ましくは5モル%以下の量で含んでいてもよい。
本発明に係るプロピレン系エラストマーの立体規則性は、トリアドタクティシティ(mm分率)によって評価することができる。
(i) 頭−尾結合したプロピレン単位3連鎖、および
(ii)頭−尾結合したプロピレン単位とブテン単位とからなりかつ第2単位目がプロピレン単位であるプロピレン単位・ブテン単位3連鎖
について、mm分率が測定される。
メチル基のスピン格子緩和時間のうち最長の値)とする。メチレン基およびメチン基のT1 は、メチル基より短いので、この条件では試料中のすべての炭素の磁化の回復は99%以上である。ケミカルシフトは、テトラメチルシランを基準として頭−尾結合したプロピレン単位5連鎖(mmmm)の第3単位目のメチル基炭素ピークを21.593ppm とし
て、他の炭素ピークはこれを基準とした。
、
第1ピーク領域(約21.0〜21.9ppm)、
第2ピーク領域(約20.2〜21.0ppm )、
第3ピーク領域(約19.5〜20.2ppm )に分類される。
(i) 頭−尾結合したプロピレン単位3連鎖、または
(ii)頭−尾結合したプロピレン単位とブテン単位とからなり、かつ第2単位目にプロピレン単位を含むプロピレン・ブテン3連鎖を、
3連鎖中の第2単位目のプロピレン単位の側鎖メチル基について、13C−NMRスペクトル(ヘキサクロロブタジエン溶液、テトラメチルシランを基準)で測定したとき、
19.5〜21.9ppm (メチル炭素領域)に表れるピークの全面積を100%とした場合に、
21.0〜21.9ppm (第1領域)に表れるピークの面積の割合(百分率)として、下記式から求められる。
の炭素Aおよび炭素Bは、ともに頭−尾結合に基づくプロピレン3連鎖に関与しないので、上記のトリアドタクティシティ(mm分率)の計算では考慮する必要はない。
基炭素E'に基づくピークは第3領域に現れる。
−プロピレン−エチレン連鎖中の側鎖メチル基)(19.8ppm付近)、メチル基C、メチル基D、メチル基D'、メチル基Eおよびメチル基E'に基づくピークが現れる。
)のピーク面積より求めることができ、EPE−メチル基に基づくピーク面積は、EPE−メチン基(32.9ppm 付近で共鳴)のピーク面積より求めることができる。
ーク面積より求めることができる。
ピーク面積より求めることができ、メチル基E'に基づくピーク面積は、隣接するメチン
炭素(33.3ppm 付近で共鳴)のピーク面積より求めることができる。
本発明に係るプロピレン系エラストマーは、135℃、デカリン中で測定される極限粘度[η]が0.1〜12dl/g好ましくは0.5〜12dl/gより好ましくは1〜12dl/gである。
本発明に係るプロピレン系エラストマーは、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー
GPCにより求められる分子量分布(Mw/Mn)が3以下であり好ましくは2.0〜3.0より好ましくは2.0〜2.5である。
本発明に係るプロピレン系エラストマーは、共重合モノマー連鎖分布のランダム性を示すパラメータB値が、1.0〜1.5好ましくは1.0〜1.3より好ましくは1.0〜1.2である。
ここで、P1 、P2 はそれぞれ第1モノマー、第2モノマー含量分率であり、P12は全二分子連鎖中の(第1モノマー)−(第2モノマー)連鎖の割合である。
(6) 示差走査型熱量計によって測定される融点Tmが60〜140℃好ましくは80〜130℃であることが望ましく、かつ
該融点Tmと、1-ブテン構成単位含量M(モル%)との関係が
−2.6M+125 ≦ Tm ≦ −2.6M+145であることが望ましい。
C ≧ −1.5M+65であることが望ましい。
(8) プロピレン連鎖中に存在するプロピレンの2,1-挿入あるいは1,3-挿入に基づく異種結合単位(位置不規則単位)を含む構造を少量有していることがある。
[A]特定のメタロセン化合物と、
[B][B-1] 有機アルミニウムオキシ化合物、および/または
[B-2] メタロセン化合物[A]と反応してイオン対を形成する化合物と、
所望により[C]有機アルミニウム化合物とからなるオレフィン重合用触媒の存在下にプロピレンと1-ブテンとを共重合させることにより得られる。
[A]メタロセン化合物
本発明に係るプロピレン系エラストマーは、下記一般式(A)で示されるメタロセン化合物[A]を用いて製造される。
R1 、R2 、R3 およびR4 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲンで置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基であり、また互いに隣接する基の一部が結合してそれらの基が結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。なおそれぞれ2個ずつ表示されたR1 〜R4 は、これらが結合して環を形成する際には同一記号同士の組み合せで結合することが好ましいことを示しており、たとえばR1 とR1 とで結合して環を形成することが好ましいことを示している。
メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、ノニ
ル、ドデシル、アイコシル、ノルボルニル、アダマンチルなどのアルキル基、
ビニル、プロペニル、シクロヘキセニルなどのアルケニル基、
ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピルなどのアリールアルキル基、
フェニル、トリル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ビフェニル、α−またはβ−ナフチル、メチルナフチル、アントラセニル、フェナントリル、ベンジルフェニル、ピレニル、アセナフチル、フェナレニル、アセアントリレニル、テトラヒドロナフチル、インダニル、ビフェニリルなどのアリール基が挙げられる。
トリメチルシリルエーテルなどの炭化水素置換シリルのシリルエーテル、
トリメチルシリルメチルなどのケイ素置換アルキル基、トリメチルフェニルなどのケイ素置換アリール基などが挙げられる。
る。
X1 およびX2 は、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲンで置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基である。これらの原子または基としては、具体的には、R1 〜R4 で示したような原子または基と同様のものが挙げられる。
Yは、ハロゲンで置換されていてもよい炭素数1〜20の2価の炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2 −、−NR7 −、−P(R7 )−、−P(O)(R7 )−、−BR7 −または−AlR7 −である。(ただし、R7 は水素原子、上記と同様のハロゲン原子、ハロゲンで置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基である。)
具体的には、炭素数1〜20の2価の炭化水素基としては、メチレン、ジメチルメチレン、1,2-エチレン、ジメチル-1,2- エチレン、1,3-トリメチレン、1,4-テトラメチレン、1,2-シクロヘキシレン、1,4-シクロヘキシレンなどのアルキレン基、ジフェニルメチレン、ジフェニル-1,2- エチレンなどのアリールアルキレン基などが挙げられる。またクロロメチレンなどの上記炭素数1〜20の2価の炭化水素基をハロゲン化したハロゲン化炭化水素基などが挙げられる。
ルジシリル、アルキルアリールジシリル、アリールジシリル基などが挙げられる。
R11およびR12は、互いに同一でも異なっていてもよく、前記式(A)中R1〜R4 と
同様である。
R13およびR14は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜20のアルキル基
またはアリール基である。このアルキル基またはアリール基としては、R11およびR12で示したような基と同様のものが挙げられる。
X1 およびX2 は、前記式(A)と同様のものが挙げられる。
Yは、前記式(A)と同様のものが挙げられる。
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,6-ジフェニル-1-インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-フェニル-6-イソプロピル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-α-ナフチル-6-イソプロピル-1-インデニル
)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-i-プロピル-6-メチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-メチル-6-メチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-メチル-6-i-プロピル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,6-ジ(i-プロピル)-1-インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,6-ジ(sec-ブチル)-1-インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-エチル-4,6-ジ(i-プロピル)-1-インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-n-プロピル-4,6-ジ(i-プロピル)-1-インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,6-ジ(i-プロピル)-1-インデニル)チタニ
ウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,6-ジ(i-プロピル)-1-インデニル)ハフニ
ウムジクロリドなど。
8307号公報などに記載されている既知の方法に準じて合成することができる。
数1〜10好ましくは1〜3のアルキル基または炭素数6〜10好ましくは6〜8のアリール基)である。
水素原子、ハロゲン原子、OH基、炭素数1〜10好ましくは1〜3のアルキル基、
炭素数1〜10好ましくは1〜3のアルコキシ基、
炭素数6〜10好ましくは6〜8のアリール基、
炭素数6〜10好ましくは6〜8のアリールオキシ基、
炭素数2〜10好ましくは2〜4のアルケニル基、
炭素数7〜40好ましくは7〜10のアリールアルキル基、
炭素数7〜40好ましくは7〜12のアルキルアリール基、炭素数8〜40好ましくは8〜12のアリールアルケニル基である。
(O)R29である。
水素原子、ハロゲン原子、
炭素数1〜10好ましくは1〜4のアルキル基特にメチル基、
炭素数1〜10のフルオロアルキル基好ましくはCF3 基、
炭素数6〜10好ましくは6〜8のアリール基、炭素数6〜10好ましくは6〜8のアリール基、
炭素数6〜10のフルオロアリール基好ましくはペンタフルオロフェニル基、
炭素数1〜10好ましくは1〜4のアルコキシ基特にメトキシ基、
炭素数2〜10好ましくは2〜4のアルケニル基、
炭素数7〜40好ましくは7〜10のアリールアルキル基、
炭素数8〜40好ましくは8〜12のアリールアルケニル基、
炭素数7〜40好ましくは7〜12のアリールアルキル基である。
Mは、ジルコニウムまたはハフニウムであり、
R21は、互いに同じであり、炭素数1〜4のアルキル基であり、
R22〜R28は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、
X3 およびX4 は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜3のアルキル基またはハロゲン原子であり、
である化合物が好ましく、
置換基R22およびR28は、水素原子であり、R23〜R27は、炭素数1〜4のアルキル基または水素原子である化合物がより好ましい。
R21は、互いに同一で炭素数1〜4のアルキル基であり、
R22およびR28は、水素原子であり、
R23〜R27は、同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜4のアルキル基または水素原子であり、
X3 およびX4 は、いずれも塩素原子であり、
である化合物が好ましく、特に、
Mは、ジルコニウムであり、
R21は、メチル基であり、
R22〜R28は、水素原子であり、
X3 およびX4 は、塩素原子であり、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-α-アセナフト-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2,3,6-トリメチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン-ビス(2-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン-ビス(2-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、
rac-ジフェニルシリレン-ビス(2-メチル-α-アセナフト-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン-ビス(2-メチル-α-アセナフト-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-1,2-エタンジイル-ビス(2-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、
rac-1,2-エタンジイル-ビス(2-メチル-α-アセナフト-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-1,2-ブタンジイル-ビス(2-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、
rac-1,2-ブタンジイル-ビス(2-メチル-α-アセナフト-1-インデニル)ジルコニウムジクロリドなど。
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,6-ジイソプロピル-1-インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-α-アセナフト-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)ジルコニウム
ジクロリドなどが特に好ましく用いられる。
本発明で用いられるオレフィン重合用触媒を形成する[B-1] 有機アルミニウムオキシ化合物(以下「成分[B-1] 」と記載することがある。)は、従来公知のアルミノキサンであってもよく、また特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
(1)吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有する塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物を添加して反応させる方法。
(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水、氷、水蒸気を作用させる方法。
(3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなどの有機スズ酸化物を反応させる方法。
トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウムなどのトリシクロアルキルアルミニウム、
ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハライド、
ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイドライド、
ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド、
ジエチルアルミニウムフェノキシドなどのジアルキルアルミニウムアリーロキシドなどが挙げられる。
(式中、x、y、zは正の数であり、z≧2xである。)
上記のような有機アルミニウム化合物は、2種以上組合せて用いることもできる。
できる。これらの溶媒のうち特に芳香族炭化水素または脂肪族炭化水素が好ましい。
本発明で用いられるオレフィン重合用触媒を形成する[B-2] 前記メタロセン化合物[A]と反応してイオン対を形成する化合物(以下「成分[B-2] 」と記載することがある。)としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、US−547718号公報などに記載されたルイス酸、イオン性化合物およびカルボラン化合物を挙げることができる。
)ボレートなどが例示できる。
本発明では、オレフィン重合用触媒を形成する際に所望により[C]有機アルミニウム化合物(以下「成分[C]」と記載することがある。)を用いることができるが、この有機アルミニウム化合物[C]としては、たとえば下記一般式[III]で示される有機アル
ミニウム化合物を挙げることができる。
(式中、R9 は炭素数1〜12の炭化水素基であり、Xはハロゲン原子または水素原子であり、nは1〜3である。)
炭素数1〜12の炭化水素基としては、たとえばアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であるが、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基などが挙げられる。
イソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミニウム、
ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソプロピルアル
ミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウムブロミドなどのジアルキルアルミニウムハライド、
メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド、
メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウムジハライド、
ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウムハイドライドなど。
(式中、R9 は上記と同様であり、Lは−OR10基、−OSiR11 3基、−OAlR12 2基
、−NR13 2基、−SiR14 3基または−N(R15)AlR16 2基であり、nは1〜2であり、R10、R11、R12およびR16はメチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基などであり、R13は水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチルシリレン基などであり、R14 およびR15 はメチル基、エチル基などである。)
このような有機アルミニウム化合物のなかでは、
R7 nAl(OAlR10 2)3-n で表される化合物、たとえば
Et2AlOAlEt2 、(iso-Bu)2AlOAl(iso-Bu)2 などが好ましい。
R7 3Alで表される化合物が好ましく、特にR7がイソアルキル基である化合物が好まし
い。
成分[B-1] または成分[B-2] )と成分[A]とを混合するか、
成分[B-1] と成分[C]とを混合し、次いで成分[A]を混合するか、
成分[A]と成分[B-1] (または成分[B-2] )とを混合し、次いで成分[C]を混合するか、あるいは、
成分[A]と成分[C]とを混合し、次いで成分成分[B-1] (または成分[B-2] )を混合することが好ましい。
0であり、成分(A)の濃度は、約10-8〜10-1モル/リットル、好ましくは10-7〜5×10-2モル/リットルの範囲である。
中のアルミニウム原子(AlB-1)との原子比(AlC/AlB-1)は、通常0.02〜20、好ましくは0.2〜10の範囲である。
体を例示することができる。
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
物性測定法
[1-ブテン含量]
13C−NMRを利用して求めた。
135℃デカリン中で測定し、dl/gで示した。
[分子量分布(Mw/Mn)]
分子量分布(Mw/Mn)は、ミリポア社製GPC−150Cを用い、以下のようにして測定した。
器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンは、分子量がMw<1000およびMw>4×106 については東ソー社製を用い、1000<Mw<4×106 についてはプレッシャーケミカル社製を用いた。
なお、組成分布B値は、10mmφの試料管中で約200mgの共重合体を1mlのヘキサクロロブタジエンに均一に溶解させた試料の13C−NMRのスペクトルを、通常、測定温度120℃、測定周波数25.05MHz、スペクトル幅1500Hz、フィルター幅
1500Hz、パルス繰り返し時間4.2sec、積算回数2000〜5000回の測定
条件の下で測定し、このスペクトルからPE、Po、POEを求めることにより算出した。
ヘキサクロロブタジエン溶液(テトラメチルシランを基準)で13C−NMRスペクトルを測定し、19.5〜21.9ppm に表れるピークの全面積(100%)に対する21.0
〜21.9ppm に表れるピークの面積の割合(%)を求めた。
Polymer,30,1350(1989) )を参考にして、前記した方法により13C−NMRスペクトル
を利用して求めた。
試料約5mgをアルミパンに詰め10℃/分で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持したのち20℃/分で室温まで降温し、次いで10℃/分で昇温する際の吸熱曲線より求めた。測定は、パーキンエルマー社製DSC−7型装置を用いた。
成形後少なくとも24時間経過した厚さ1.0mmのプレスシートのX線回折測定によ
り求めた。
1)フィルムの作成
プレス板上に厚さ0.1mmのアルミ製のシート、PET製シート、および中央を15
cm×15cm角に切り取った厚さ100μmのアルミ製シートをこの順に敷き、この中央(切り抜かれた部分)に3.3gの試料を置いた。次いで、PETシート、アルミ製の
板、プレス板をこの順にさらに重ねる。
2)ヒートシール強度の測定
フィルムを15mm巾の短冊に切り、その二枚を重ね合わせてさらにこれを0.1mm
の厚みの2枚のテフロン(R)フィルムで挟んで上でヒートシールを行う。ヒートシールは
ヒートシールの下部温度を70℃一定に保ち、熱板上部の温度のみを適宜5℃きざみで変えて行う。ヒートシール時の圧力は2kg/cm2 、ヒートシール時間は1秒としシール巾は5mm(従ってシール面積は15mm×5mm)である。
3)エージング処理のヒートシール強度の測定
フィルムのエージング処理は、50℃の恒温槽中に7日間置いて行う。エージングにあたっては、フィルム同志が触れ合わないように、フィルム両面に紙を添えておく。このエージング処理を行ったフィルムを上記に示した方法でヒートシール開始温度を測定する。
マルテンス硬度は、東京衡機製マルテンス引掻試験機を用い、ダイヤモンド錘体に一定の荷重(5g)をかけて1mmのプレスシート面を引掻いた時の筋痕によって測定する。試験された試験片は、顕微鏡によって引掻痕の幅を測定し、読みとった値の逆数(mm-1)を求め、それをマルテンス硬度とする。
ASTM D1893に準じて評価した。巾10cm、長さ15cmのフィルムを2枚
切りだし重ね合わせる。これを2枚のガラス板ではさみ10kgの荷重を乗え、50℃のエアーオーブン中に放置する。7日後にサンプルを取り出し、剥離強度を測定し、1cmあたりの剥離強度をブロッキング値とした。
上記のヒートシール開始温度測定用に作製されたフィルムを、ASTM D1003−
61に準拠して測定した。
製造例1
[ジメチルシリレン−ビス(2-メチル-α-アセナフト-1-インデニル)ジルコニウムジク
ロリド(式[II]で示されるメタロセン化合物)の製造]
Ar雰囲気下、三口フラスコにAlCl3120g(0.900モル)、CS2600ml
の混合物を氷バスで5℃に冷却し攪拌した。
トを用い、メタクリロイルクロリド90ml (0.921モル)とCS2100ml の混合物を1時間かけて加えた。滴下終了後、5℃でさらに、1時間攪拌した。反応液を氷水に注ぎ生成物をエーテルで抽出した。エーテル相を飽和NaHCO3水、続いて飽和NaC
l水で洗浄した後、Na2SO4で脱水後、濃縮した。得られた粘稠オイルをCH2Cl2、ヘキサンを展開溶媒として、シリカゲルカラムで精製し、下記式で示されるケトン(a)を半固体として61g(0.275モル、収率31%)得た。
IR(KBr) 1690cm-1
NMR(CDCl3) 1.36(3H、d、J=7Hz)、
3.43(4H、s)、
7.24(1H、s)
7.38(1H、d、J=8Hz)
7.62(1H、t、J=8Hz)
8.58(1H、d、J=8Hz)
Ar雰囲気下、三口フラスコに前記ケトン(a)25g(0.113モル)、無水テト
ラヒドロフラン500ml を入れ、氷バスで5℃に冷却した。この中にLiAlH4 3.
2g(0.084モル)を20分かけて少量ずつ加えた。加え終わった後、5℃で2時間
攪拌した。反応液にセライトを入れた後、注意深く飽和NH4Cl水を加え、過剰のLi
AlH4を分解した。
を濾過した。残査をCH2Cl2 で洗浄し、濾液を濃縮したところ淡黄色固体を26g得
た。この固体をCH2Cl2 に溶解させショートシリカゲルカラムを通した後、濃縮し、
下記式で示されるアルコール(b)の立体異性体混合物を24g(0.107ミリモル、
収率95%)得た。
20分間加熱攪拌した。この反応混合物にK2CO3およびNa2SO4 を加え、セライト
をしいたロートを用い濾過した。
示されるオレフィン(c)を半固体として7.10g(34.5ミリモル、収率88%)得た。
NMR(CDCl3)
2.24(3H、bs)、
3.41(6H、bs)、
6.98(1H、bs)、
7.22(1H、d、J=8Hz)、
7.36(1H、s)、
7.42(1H、t、J=8Hz)、
7.70(1H、d、J=8Hz)
Ar雰囲気下、オレフィン(c)6.01g(29.17ミリモル)、無水エーテル84ml 、CuCN 72mg(0.80ミリモル)の混合物を氷バスで冷却し、この中に、1.56Mのn-BuLiヘキサン溶液20.54ml (32.04ミリモル)を滴下ロートを
用い、30分かけて加えた。滴下終了後、氷バスを外し、室温で1.5時間攪拌した。こ
の中に、ジメチルジクロロシラン 1.97ml (16.03ミリモル)の無水エーテル5
ml 溶液を25分かけて加え、その後、16時間室温で攪拌した。反応混合物を氷バスで冷却後、水を加え、エーテル相を分離し、水相をCH2Cl2 で抽出した。エーテルおよ
びCH2Cl2 相を合わせてNa2SO4 で脱水後、濃縮し、粗シリル化物を得た。この粗シリル化物をCH2Cl2−ヘキサン(1:8 v/v)でリンス精製し、下記式で示され
るシリル化物(d)を白色固体として5.19g(11.09ミリモル、収率79%)得た。
mp 191〜194℃
NMR(CDCl3)
−0.39、−0.35、−0.27(合わせて6H、それぞれs)、
2.33、2.39(合わせて6H、それぞれs)
3.39(8H、bs)、3.97(2H、bs)
7.03〜7.93(10H、m)
Ar雰囲気下、シリル化物(d)2.00g(4.27ミリモル)、無水テトラヒドロフラン120ml の混合物をドライアイス−アセトンバスを用い−50℃まで冷却し、1.
56Mのn-BuLiのヘキサン溶液5.47ml (8.53ミリモル)を滴下ロートを用い20分かけて加えた。滴下終了後バスを外し、室温で1.5時間攪拌した。減圧下、テト
ラヒドロフランを留去した後、無水ヘキサンを40ml 加え攪拌後、再び減圧し、ヘキサンを留去した。反応容器をドライアイス−アセトンバスを用い−50℃に冷却した後、−30℃のCH2Cl2 を120ml 加え、続いてZrCl4 を0.99g(4.27ミリモ
ル)加え、攪拌を継続して、16時間放置した。反応混合物を濾過し、残査をCH2Cl2
で洗浄し、濾液を濃縮し2.30gの粗生成物を得た。
レン−ビス(2-メチル-α-アセナフト-1-インデニル)ジルコニウムジクロリドを400
mg(0.64ミリモル、収率15%)得た。
NMR(CDCl3)
1.36(6H、s)、2.37(6H、s)、
3.20〜3.50(8H、m)
7.10〜7.75(10H、m)
[参考例1]
造例1で得られたrac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-α-アセナフト-1-インデニル)ジルコニウムジクロリドをZr原子に換算して0.002ミリモル加え、プロピレンを連
続的に供給して全圧を14kg/cm2Gに保ちながら60分間重合を行った。
位を8.2モル%含有していた。極限粘度[η]は1.82dl/g、融点は115.8℃で
あった。2,1-挿入に基づく異種結合の割合は、約0.38%であった。
[実施例1]
製造例1で得られたrac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-α-アセナフト-1-インデニル)ジルコニウムジクロリドをZr原子に換算して0.002ミリモル加え、プロピレンを
連続的に供給して全圧を14kg/cm2Gに保ちながら60分間重合を行った。
燥した。
位を13.0モル%含有していた。極限粘度[η]は、1.81dl/g、融点は102.3
℃であった。2,1-挿入に基づく異種結合の割合は、約0.36%であった。得られたポリ
マーについて測定した物性を表2に示す。
[実施例2]
製造例1で得られたrac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-α-アセナフト-1-インデニル)ジルコニウムジクロリドをZr原子に換算して0.002ミリモル加え、プロピレンを
連続的に供給して全圧を14kg/cm2Gに保ちながら60分間重合を行った。
は22kg・ポリマー/ミリモルZr・hrであった。このポリマーは、1-ブテンから導かれる単位を17.7モル%含有していた。極限粘度[η]は、1.79dl/gであり、融点は89.1℃であった。2,1-挿入に基づく異種結合の割合は、約0.35%であった。
比較例1
充分に窒素置換した2リットルのオートクレーブに、ヘキサンを830ml、1-ブテンを100g仕込み、トリイソブチルアルミニウムを1ミリモル加え、70℃に昇温した後、プロピレンを供給して全圧7kg/cm2Gにし、トリエチルアルミニウム1ミリモル、及び塩化マグネシウムに担持されたチタン触媒をTi原子に換算して0.005ミリモル加え、
プロピレンを連続的に供給して全圧を7kg/cm2Gに保ちながら30分間重合を行った。重合後、脱気して大量のメタノール中でポリマーを回収し、110℃で12時間減圧乾燥した。
・hrであった。このポリマーは、1-ブテンから導かれる単位を25.3モル%含有して
いた。極限粘度[η]は、1.89dl/g、融点は110.0℃であった。2,1-挿入に基づく異種結合の割合は、検出限界以下であった。
[rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,6-ジイソプロピル-1-インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド(式[I]で示されるメタロセン化合物)の合成]
(2-メチル-4,6-ジイソプロピル)インデン(化合物(1))の合成
充分に窒素置換した1リットルの反応器に塩化アルミニウム123g(0.92モル)
、二硫化炭素200mlを仕込み、この中へ1,3-ジイソプロピルベンゼン78ml(0.
41モル)とメタアクリロイルクロリド45ml(0.41モル)を二硫化炭素40ml
と混合した溶液を20〜25℃で滴下した。12時間室温で反応させた後、氷1kgに加え、エーテルで抽出を行った。得られたエーテル溶液を飽和重曹水で洗浄した後、エーテル層をさらに水洗し、エーテル層を濃縮したところ、68gのオイルを得た。このオイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n-ヘキサン)で精製したところ、2-メチル-4,6-ジイソプロピル-1-インダノンと2-メチル-5,7-ジイソプロピル-1-インダノンの混合物43gを得た(収率:47%)。
モル)、エチルアルコール40mlを仕込み、この中へ混合物 21.1g(78.6ミリ
モル)とエチルアルコール30mlの混合液を50℃で滴下した。滴下終了後60℃で1時間、70℃で2時間反応させた後、反応溶液を水冷しながら、アセトン30mlを加えた。反応溶液を濃縮、乾固した後、エーテル300ml、水100mlを加えて抽出を行った。エーテル層は水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。エーテル層を濃縮した後、乾燥することにより、淡黄色粘稠なアルコール21.1gを得た(収率:99%)。
)、ベンゼン500mlを仕込み、この中へパラトルエンスルホン酸1水和物50mg(0.55ミリモル)を加えて1時間還流した。反応終了後、飽和重曹水300mlに注ぎ
、エーテル層を水洗した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。エーテル層を濃縮し、減圧下で乾燥したところ、目的のインデン誘導体を淡黄緑色のオイルとして19g得た。このオイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n-ヘキサン)で精製したところ、目的のインデン誘導体(1)を無色アモルファスとして17.6g得た(収率:95%)。
δ=1.32(3H、d、J=7.2Hz)、
2.16(3H、s)、
2.74〜3.20(2H、m)、
3.28(2H、m)、
6.60(1H、s)、
6.98(1H、s)、
7.12(1H、s)
1,1'-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,6-ジイソプロピルインデン)(化合物(2))の合成
充分に窒素置換した200mlの反応器に化合物(1) 7.0g(31ミリモル)、シア
ン化銅76mg(0.9 ミリモル)、ジエチルエーテル60mlを仕込み、−10℃に冷却した。この溶液中にn-ブチルリチウムのヘキサン溶液(31ミリモル)を加えた。室温まで昇温した後、再び−10℃まで冷却し、ジメチルジクロルシラン1.9ml(15.5ミリモル)を30分間で滴下し、1時間反応を行った。反応終了後、飽和塩化アンモニウム水溶液40mlに加え、n-ヘキサンで抽出し、水洗後硫酸マグネシウムで乾燥した。塩を除去し、有機層を減圧下で濃縮して得られた黄色オイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n-ヘキサン)で精製したところ、化合物(2)を無色アモルファスと
して6.1g得た(収率:73%)。
δ=1.25〜1.40(30H、m)、
2.18(3H、s)、
2.24(3H、s)、
2.92(2H、q、J=6.8Hz)、
3.23(2H、q、J=6.8Hz)、
3.65(2H、br.s)、
6.73(2H、br.s)、
6.97(2H、br.s)、
7.10〜7.23(2H、br.s)
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,6-ジイソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリドの合成
充分に窒素置換した300mlの反応器に上記で得られた化合物(2) 5.9g(12.2ミリモル)、テトラヒドロフラン100mlを仕込み、−78℃に冷却し、攪拌した。ここに、n-ブチルリチウム15.4ml(n-ヘキサン溶液、1.58N、24.4ミリモル)
を20分かけて滴下し、温度を保ったままさらに1時間攪拌してアニオン溶液を調整した。その後ゆっくりと室温まで昇温した。
モル)をゆっくり加えた後、室温まで昇温した。この中に前述したアニオン溶液を30分かけて滴下し、室温で12時間攪拌した。反応終了後、減圧濃縮し、析出した固体を300mlのヘキサンで3回洗浄して、不溶物を除去した。得られたヘキサン溶液を約50mlまで濃縮し、6℃で12時間冷却した。析出した固体を除き、得られた溶液部分を1H
−NMRで分析したところ、ラセミ体とメソ体の混合物(9:1)であった。この混合物にヘキサン150mlを加え、再度再結晶を行って上記目的化合物の黄色柱状晶0.15
gを得た(収率:2%)。
δ=1.28(6H、s)
1.20〜1.36(24H、m)、
2.85(2H、q、J=6.8Hz)、
3.04(2H、q、J=6.8Hz)、
6.80(2H、s)、
7.05(2H、s)、
7.26(2H、s)
[参考例2]
造例2で製造されたrac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,6-ジイソプロピル-1-イン
デニル)ジルコニウムジクロリドをZr原子に換算して0.002ミリモル加え、プロピ
レンを連続的に供給して全圧を14kg/cm2Gに保ちながら60分間重合を行った。
は16kg・ポリマー/ミリモルZr・hrであった。このポリマーは、1-ブテンから導かれる単位を6.2モル%含有していた。極限粘度[η]は1.83dl/g、融点は118.
2℃であった。2,1-挿入に基づく異種結合の割合は、約0.88%であった。
[実施例3]
製造例2で製造されたrac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,6-ジイソプロピル-1-イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリドをZr原子に換算して0.002ミリモル加え、プロ
ピレンを連続的に供給して全圧を14kg/cm2Gに保ちながら60分間重合を行った。
は10kg・ポリマー/ミリモルZr・hrであった。このポリマーは、1-ブテンから導かれる単位を11.0モル%含有していた。極限粘度[η]は、1.74dl/g、融点は105.1℃であった。2,1-挿入に基づく異種結合の割合は、約0.86%であった。得られたポリマーについて測定した物性を表3に示す。
[実施例4]
製造例2で製造されたrac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,6-ジイソプロピル-1-イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリドをZr原子に換算して0.002ミリモル加え、プロ
ピレンを連続的に供給して全圧を14kg/cm2Gに保ちながら60分間重合を行った。
は5kg・ポリマー/ミリモルZr・hrであった。このポリマーは、1-ブテンから導かれる単位を15モル%含有していた。極限粘度[η]は、1.52dl/gであり、融点は9
1.0℃であった。2,1-挿入に基づく異種結合の割合は、約0.88%であった。
Claims (3)
- (1) プロピレンから導かれる単位を70〜90モル%の量で、
1-ブテンから導かれる単位を10〜30モル%の量で含有し、
(2) (i) 頭−尾結合したプロピレン単位3連鎖、または
(ii)頭−尾結合したプロピレン単位とブテン単位とからなり、かつ第2単位目にプロピレン単位を含むプロピレン・ブテン3連鎖中の
第2単位目のプロピレン単位の側鎖メチル基について13C−NMRスペクトル(ヘキサクロロブタジエン溶液、テトラメチルシランを基準)を測定し、
19.5〜21.9ppm に表れるピークの全面積を100%とした場合に、
21.0〜21.9ppm に表れるピークの面積が90%以上であり、
(3) 135℃、デカリン中で測定される極限粘度が0.1〜12dl/gであり、
(4) ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/Mn)が3以下であり、
(5) 共重合モノマー連鎖分布のランダム性を示すパラメータB値が、1.0〜1.3であり、
(6) 示差走査型熱量計によって測定される融点Tmが60〜105.1℃であり、かつ該融点Tmと、1-ブテン構成単位含量M(モル%)との関係が、
−2.6M+125 ≦ Tm ≦ −2.6M+145 であり、
(7) X線回折法により測定される結晶化度Cと、1-ブテン構成単位含量M(モル%)との関係が、
C ≧ −1.5M+65
であるプロピレン系エラストマーからなることを特徴とするシートまたはフィルム。 - 前記プロピレン系エラストマーが、
[A]下記一般式[I]または[II]で示されるメタロセン化合物と、
[B][B-1] 有機アルミニウムオキシ化合物、および/または
[B-2] メタロセン化合物[A]と反応してイオン対を形成する化合物と、
所望により[C]有機アルミニウム化合物とを含むオレフィン重合用触媒の存在下に、
プロピレンと1-ブテンとを共重合させることにより得られることを特徴とする請求項1に記載のシートまたはフィルム;
R11およびR12は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基であり、
R13およびR14は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜20のアルキル基またはアリール基であり、
X1 およびX2 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基であり、
Yは、炭素数1〜20の2価の炭化水素基、炭素数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2 −、−NR7 −、−P(R7 )−、−P(O)(R7 )−、−BR7 −または−AlR7 −(ただしR7 は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基)である。〕、
R21は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基または−NR2、−SR、−OSiR3、−SiR3または−PR2基(ただしRはハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数6〜10のアリール基)であり、
R22〜R28は、上記のR21と同様であるか、あるいは隣接するR22〜R28がそれらの結合する原子とともに、芳香族環または脂肪族環を形成していてもよく、
X3 およびX4 は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、炭素数8〜40のアリールアルケニル基、OH基またはハロゲン原子であり、
(O)R29である。(ただしR29およびR30は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のフルオロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜10のフルオロアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数8〜40のアリールアルケニル基または炭素数7〜40のアルキルアリール基であるか、またはR29とR30とはそれぞれそれらの結合する原子とともに環を形成してもよく、M2 は、珪素、ゲルマニウムまたはスズである。)〕。 - 前記メタロセン化合物[A]が、前記式[I]で示されることを特徴とする請求項2に記載のシートまたはフィルム。
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